Sakura Archives

競馬回顧 2021年2回阪神

第81回桜花賞(GⅠ)

ソダシ

白毛で良く分からない部分も有るが、馬体に特に気になる部分はなかった。ただ、もうちょっと落ち着いてくれるとベスト。好発、好出脚。まず内の馬を叩いたが、ストゥーティが行って、その番手から。向正面迄は引っ張り気味の追走。3角手前で折り合いが付き、インに居た分、メイケイエールの暴走にも付き合わずに済んだ。手応えにも自信が有ったのだろうが、直線を向いて後続を待たずに追い出して、1分31秒1とコースレコードを更新。ペースが違うとはいえ、土曜日の古馬重賞より0.9秒速いのは立派の一言。間違っても時計勝負は歓迎しない筈だが、内枠を引いている点も含めて、兎に角勝負強い。次走、マトモに考えればサトノレイナスの方が有望ということにはなるが、運を持っているのが強み。

サトノレイナス

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。増減なしだが、馬に迫力が出た。緩んだところもなく、キッチリ出来ていた。出遅れ1馬身不利。ただ、メイケイエールの暴走を考えると、結果的にこの出遅れはラッキーだっただろうが、行き振り自体もそこ迄前向きだった訳ではなく、腹を括って直線勝負。直線向いてから外に持ち出しており、少しここで待たされたのが痛かった。坂下から猛追したが、僅かに及ばず2着止まり。距離が延びれば逆転出来るという計算は成り立つが、ここ迄来ると勝ち負けは能力や適性の問題ではないだろう。ソダシの物語性との闘い。

ファインルージュ

2人曳き。-4kg。数字は減っているが、ジックリ調整されて馬がパンとして来た。歩様にも力強さが有って、気配も上々。周囲の馬の方がゲートは微妙に速かったが、ソダシがしっかり行ってくれて、この馬自身の出脚も悪くなく、ソダシをマークする形。あとは只管付いて行くだけだが、ソダシが早目に動いてくれて、この馬も楽になった。抜け出した時の脚はソダシの方が速かったが、そこから良く食らい付いていた。器用さが有るので、これも距離は延びても問題なさそう。これも逆転の目も充分。

アカイトリノムスメ

-6kg。やはり馬が貧弱。もう20kgは増えた方がいい。小走りが入っていたのは初コース故に仕方がない部分も有るが、落ち着きも欲しい。今日もゲートは微妙に分が悪かったが、出脚でカバーして好位。ソダシから見て半馬身後方外の位置。道中は折り合いが付いていた。直線向いてもスムーズに前が開いたが、そこからの決め手がソダシとは違っていた。これも競馬は上手いタイプだが、もうワンパンチが欲しい。距離が延びた方がまだ誤魔化しは利くだろうが、GⅠで勝ち負け持ち込むには、もう一回りの成長が必要。

アールドヴィーヴル

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。馬体に品が有るが、馬体減は頂けない。馬に集中力は有ったが。例に依って出脚は決して速い方ではないが、少し押して中段から。道中はメイケイエールも上手くやり過ごしており、大きな問題なかった。直線は内回りとの合流地点辺りで、シゲルピンクダイヤと接触しながらも、一瞬はいい脚を見せたが、登坂力がなかった。成長すればこのメンバーでもやれそうだが、まずは馬体回復が先決。

第39回ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

バスラットレオン

寸の詰まったマイラー体型だが、このメンバーだと迫力上位。馬体に締まりが有って、デキ自体も良さそう。好発。前走阪神戦同様、今日も最初からの決め打ちで、押してハナ。1000m通過58.5秒だからペース自体も速くなかったが、それを絡まれずに行けた。4角回って、外へ持ち出す余裕も有り、最後は5馬身差。オイデオイデの大楽勝だった。逃げる競馬が向いているというより、ここに来て馬が良くなっている。今回で既に7戦目だが、最近にしては珍しく使って良くなって来たタイプ。日曜の阪神が1分31秒1で、そこから2秒遅い時計だが、馬場状態を考慮すればそこ迄の差はない。次走も圏内。

タイムトゥヘヴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。単純に完成度が高い。しっかり踏めていたのが何より。気配も上々。半馬身出遅れも、外枠だけにリカバーは利き易く、押して好位の外。序盤だけ多少行きたがったが、ペースが遅く壁がない割には直ぐに折り合いは付いた。4角はそこ迄行き振りが良かった訳ではないが、坂下で左手前に替えてからはいい脚を使っている。道中の折り合いが付いた点は良かったが、出遅れた分、余計に外を回された感も有り、最後迄止まらなかっただけでも充分。間違いなく持続力は有る。ただ、中山で4勝したキストゥヘヴンの産駒で、東京に替わってどうかはやってみないことには。

シティレインボー

パシュファイヤー。-4kg。少し細い位の造り。鞍下から発汗しており、頭が高く物見も目立った。ハナへ行く気はなかった様で、外の出方を窺いつつ、バスラットレオンに行って貰ってその番手から。枠の利も有ったが、出脚自体にも余裕は有った。ただ、このスローがどうも合わない様で、道中はずっと引っ張っていた。4角で少しバスラットレオンが外へ持ち出したことで前も開き、上手くコーナーで加速して行けたが、最後に甘くなった。500万を何度も取り溢している様に、力は有ってもアテにし辛い。馬体が成長して、道中の折り合いも付けばもうちょっとやれる筈だが...。

ヴィジュネル

-6kg。毛ヅヤは良かったが、まだ馬が若い印象。全体に力が付いておらず、歩様にもブレが有った。ゲートが開いた際に、ヨレて出脚が鈍り、バスラットレオンに叩かれて中段から。シティレインボーの後に付いて行く形。道中の折り合いは多少怪しいながらも、他馬を比較すれば我慢出来ていた方。ただ、追ってからがもどかしい位伸びなかった。道中の折り合いの差を考えると、最低でもシティレインボーには先着したかった。重賞は論外、1000万でも厳しいかも。

シュバルツカイザー

+6kg。首でリズムを取って気配良好。ただ、馬は明らかに未完成で、ヴィジュネル同様、歩様が怪しくなる時が有った。出遅れ1馬身不利。それでもタイムトゥヘヴンが序盤から頑張ってくれてそれに付いて行く形。少し行きたがっていたにせよ、タイムトゥヘヴンはいい壁になった。直線は少し内にモタれ、ひと伸びを欠いた。それでも、GⅠを狙う馬ではないだけに、大外枠で掲示板なら充分。あとは馬体の成長次第。

第64回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

デゼル

2人曳き。後肢にバンテージ。-6kg。垢抜けた造りの馬。3歳時から比較すれば歩様の力強さも増したが、もうちょっと落ち着いて欲しい。例に依って出遅れ1馬身不利。外枠で急かさず、そのまま後方から。基本的にはメリハリを利かせて乗られ、3角手前からジワッと進出。4角で一息入れて、直線勝負。1000m58.8秒と、スローに近い流れで、外から差して来るのは簡単ではない筈だが、エンジンが違っていた。坂を上る途中で右手前になっていたが、むしろそこからの脚が強烈だった。アテにはし辛い面も有るが、左回りの方が更にキレる筈。次走も有力。

マジックキャッスル

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。-14kg。元々これ位で走っていた馬だが、前走中京戦が良かっただけに、馬体減は歓迎材料ではない。気配や歩様等、他の部分は問題ないが...。この馬としては五分の発馬。ただ、2000mのあとだということ、この馬自身が元々出脚が速い方ではなく後方のイン。3角でデゼルと並走する形だったが、同馬主にも関わらずずっとフタをされる形。直線向いて外へ持ち出したかったが、暫く待たされた末に内目の僅かなスペースに突っ込んで伸びて来た。マトモなら勝っていた内容だが、器用さは有っても出脚がないだけにこの手の取り溢しは仕方がないところ。毎回述べている様に、基本的にはスプリンターで、東京の時計勝負は歓迎。これも有力。

ドナウデルタ

後肢にバンテージ。緩んだところが一切なく、しなやかな馬体。その割に歩様の力強さも有り、目下好調。戦前の想定通り、イベリスが逃げて、その番手から。隣でエーボスが引っ掛かっていたことも有ってか、序盤だけ少しこの馬も行きたがっていた様にも見えたが、3角からはスムーズ。直線も少し待ったが、内ラチ沿いへ進路を取って一瞬は綺麗に抜けて来た。今日は僅かに抜け切るのが早く、フワッとしたところを差されてしまった分の3着。それでも、上位2頭とは立ち回りの差が有り、能力面で上位2頭の方が上という評価はせざるを得ないが、これも器用。序盤の折り合いさえもう少しスムーズになれば。

プールヴィル

+22kg。全体に少しずつ厚ぼったい気もしないでもないが、ほぼ成長分。キビキビ歩けている点も好印象。五分の発馬を決め、この馬の出脚で中段から。道中の折り合いは付いていた。直線向いてからも内回りとの合流地点辺りからエンジンが掛かり、一瞬は勝ったかの勢いだったが、登坂力がなかった。坂を上り切ってからは再び差を詰めている。良績が1400mに集中している馬だが、距離より坂の問題の方が大きそう。平坦ならマイルもこなせる筈で、馬券的にはそこが狙い目。

エーボス

1年振りだが、馬体には大きな変化なく、ほぼ出来ていた。腹回りがスッキリとしている割に、トモはしっかりした造り。もうちょっと落ち着いてくれるとベスト。3歳時はゲートは不安定だったが、今日は五分に出ての先行策。壁がない状態とはいえ、かなり引っ張りながらの追走。流石に最後は苦しくなったが、悪条件が揃っていた中での0.2秒差は良く踏ん張ったといえる。2走前にたまたま重賞を勝ってしまった感も有ったが、オープンでもやれそう。あとは気性面。3歳時は引っ掛かる馬ではなかっただけに、今後どう出るか。調教技量も試される。

第65回大阪杯(GⅠ)

レイパパレ

前走から特別馬が良くなった印象はない。相変わらず貧弱。強いて言えば、歩様の硬さが幾らかマシになった程度。ゲートで横を向いている時に開けられ、半馬身出遅れも、誰も行かなかったこと、この馬自身が行く気になっていたことも有り、ハナへ。今日の馬場で1000m通過59.8秒は決して楽ではないが、行きたがる位の気性はこの馬場で有利に働く。直線は外へ持ち出す余裕も有り、只管スイスイ運んで最後は4馬身差。無敗で古馬混合GⅠも制した例がない訳ではないが、何れも3歳時。4歳以降となると史上初。一番はこの気性が道悪向きだが、見た目以上にパワーが有る。ただ、昨年に目に付いた課題は一切解決していない。良馬場で時計勝負になった時や、出遅れが災いして揉まれる形になった時等、次走何処にも居ない要素は山積している。

モズベッロ

2人曳き。首を下げて、何時ものこの馬の気配。昨年暮れの中山戦から月1回ペースで使って来たが、一戦毎に馬体が増えている点は好印象。歩様も落ちていない。この馬としてはゲートを出た方だが、行く気なくバラけた位置迄下げて、後方から。3角手前迄はジッとして、そこからジワッと外を進出。スッと反応しないのは馬場に関係なくこの馬の特徴だが、その分、最後迄頑張りは利く。登坂中に人気3頭が甘くなったところを捕まえて2着浮上。やはり道悪の我慢比べは走る。これも良馬場になった時がどうかだが、馬主としてはたまにこうやって走ってくれれば充分だろう。

コントレイル

+16kg。もうちょっと馬体が締まってくれてもいいが、元々薄い位の馬で、馬体が増える分には無条件で歓迎。歩様もスムーズで、少なくとも休養前の前走東京戦よりはいい状態。一瞬ゲート内で潜ろうとしたが、何とか五分の発馬。今日は最初の行き振りが悪く、中段やや後方から。それでも走り出してからは悪くなく、人気を背負っていたことも有り、3角から追い上げて4角で好位。しかし、今日はそこからが続かなかった。グランアレグリアを何とか凌いだ点に底力の一端を見せたとも言えなくもないのだが、今日は結果的に悪条件が揃い過ぎた印象。道悪、距離短縮に加え、ゲートが怪しかった点からも気性的にも少し苦しい部分が有ったかも。

グランアレグリア

2人曳き。下見は最後方を周回。-6kg。落ち着きが有ったのは何より。ただ、馬体の張りは休養前より良くなったとはいえ、少し歩様が硬い。距離で位置取りが変わる馬だが、基本的には馬の気に任せての追走で、2000mの今日はジワッと先行。道中の折り合いは問題なく、馬場も特に気にしている素振りはなかった。勝負どころは外から来たグランアレグリアに併せて行く形で動いて行ったが、直線入口で既に苦しくなっていた。毎回、休み明けの馬だが、スピードを発揮するという点では問題なくとも、道悪の根性勝負になるとそうもいかない印象も。その点では、結果的にコントレイルとクビ差というのは、むしろ良く頑張っといえなくもない。

サリオス

腹袋が有って、少しボテッと映るが、良くいえば迫力充分。ハーツクライ産駒としては、歩様も悪くない。ゲート五分。ハナへ行く気はあまりなかっただろうが、最内のモズベッロを叩いて好位のイン。ちょっと引っ張り気味の行き振りで、道悪を考えたらこれ位で丁度。ただ、勝負どころから下を気にして走っていた。コーナーワークの分、一瞬見せ場は造ったものの、そこ迄だった。気性的には大丈夫だろうが、走法が向いていない印象。結果的に内を回ったのは得策ではなったか。

第53回ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

テルツェット

2人曳き。前肢にバンテージ。-6kg。寸詰まりの体型で、そこ迄悲惨という訳ではないが、腹回りは寂しくなった。硬さがないのはせめてもの救いだが。半馬身出遅れ。出脚自体は有りそうだが、道中は後方に近い位置。前の馬群が比較的固まる展開となったが、こちらはバラけた位置でリラックスして走れたのが良かった。3角過ぎからジワッと進出、4角では好位に取り付いており、この回り脚も速かった。坂下から左手前に替えて、更に一伸び。これで6戦5勝。馬格はない割に、勝負強い。1戦毎の消耗度は大きいだろうが、その分、仕上げも早いのだろう。あとは別定や定量戦で55kg以上を背負わされた時がどうか。東京よりはこの回り脚が行かせるコース形態の方が向いている印象も有る。

カテドラル

パシュファイヤー。前後肢にバンテージ。筋肉の輪郭が浮いて、歩様もスムーズ。マイラー体型だが、デキにケチを付けるところはない。テルツェットと似た様な出遅れ。こちらも行く気なく後方。最初から故障していたレイエンダを除けば実質最後方。基本的にはテルツェットの後を追う形。回り脚はテルツェットの方が速く、直線もその差が最後迄詰まらなかった。テルツェットとの3kg差は言い訳になるが、この馬自身が元々不器用なタイプ。ハイペースが向いたとはいえ、中山で連対出来ただけでも良しとすべきところ。一時の不振は脱した。

ボンセルヴィーソ

前後肢にバンテージ。高値安定。毛ヅヤピカピカ。引き手を馬自ら引っ張って行く程の気配。馬体も纏まっていた。好発。といっても、ハナへ行く気はなく、好位のインで何時も通り脚を矯める形。ただ、スマイルカナが中途半端に控えたことで、隊列が決まる迄に意外と時間が掛かった印象も。しかし、そこからはスムーズで、直線に向いてからもこの馬の代名詞ともいえる一瞬の脚は使えている。ただ、序盤のロスとペースが速かったことで、先頭に立つ前にテルツェットに交わされていた。この馬自身も1分33秒台の決着の方がいいタイプで、細かい歯車が噛み合わなかった中では良く頑張っているといえる。今なら他場でもやれるかも。

マイスタイル

オーストラリアンブリンカー。頭が高いのは毎度のこと。従って、歩様が甘く見えるのも何時も通りだが、今日は1年の休み明けで馬体の張りが甘い。ゲートは内枠勢の方が速かったが、押してハナへ。2番手がトーラスジェミニ。今日は飛ばせるだけ飛ばして行って、1000m通過が57.1秒とハイペース。それでもハナへ行くと渋太く、坂下迄先頭に立っていただけでも立派。7歳馬だが、まだ馬が若いのか、出脚がちゃんと速いのが何より。まだまだ一発期待出来る。

アトミックフォース

前肢にバンテージ。もっと増えるに越したことはないが、元々胴長でスカッと見せるタイプ。気配は良かった。ゲートはやや分が悪い程度で、出脚も怪しかったが、先団馬群には取り付いていた。3〜4角から動いて行ったが、回り脚はテルツェットの方が明らかに速く、直線入口で既にテルツェットに出られており、そこからもジリジリだった。流れに乗る迄のフォームもバラバラ。昨春の新潟戦の様にスッと行ければいいのだが、緩急の有る展開なら、もっと馬がパンとして来ないと厳しい。

スマイルカナ

2人曳き。前肢にバンテージ。-10kg。数字分だけ全体に薄くなった。気配も元々煩いタイプだが、それにしても酷かった。今日は調整の失敗。ボンセルヴィーソが好発。それ以外とは五分だが、実質的には半馬身出遅れの形。それでも、控える競馬はしっかり教えてあり、スッと好位3番手から。道中もスムーズだったが、4角で既に手応えが怪しくなっていた。今日はやはりデキがなかった。叩いて改めて。

第51回高松宮記念(GⅠ)

ダノンスマッシュ

香港遠征明けだが、しっかり出来ていた。下見所では雨を気にしていた馬も多かったが、集中力を感じさせる気配。時々出遅れる馬だが、今日はゲート五分。出脚自体はソコソコ有る馬で、レシステンシアに付いて行く形。4角から直線に掛けてサウンドキアラが壁になり、外に持ち出せず苦しい展開になったが、セイウンコウセイとレシステンシアの間を一瞬の脚でコジ開けて突き抜け、再び食らい付いて来たレシステンシアを振り切った。馬も強いが、何より今日は鞍上のファインプレー。この馬では数々の失敗が有ったが、最終的にタイトルを取るのが何より大事。取り敢えず種牡馬入りへの道筋は付いた。次走香港遠征とのことだが、折角ならもっと箔を付けたいところ。

レシステンシア

前後肢にバンテージ。下見は可能な限り、外を周回していたが、その割には気配ノンビリ。馬体は相変わらず迫力満点。歩様にも硬さはなかった。初の1200m、外枠ということで最初から行く気はなく、好位6番手辺りから。兎に角、今日はジワッと乗られた印象。直線向いてモズスーパーフレアは別にして、その次の7頭が横一線。その中では最外から力強い伸びだったが、ラスト200mで左手前になり、その直前に外へヨレたのが痛かった。あれがなければダノンスマッシュの抜け出しがもうワンテンポ遅れていた可能性も有った。それでもダノンスマッシュに並ばれてからも良く差を詰めており、ラチが頼れない状況にしては文句なしの競馬。

インディチャンプ

-6kg。まだ腹回りは重たいが、それでも大分締まって来た。気配や歩様も前走阪神戦からそれなりに悪くなかったが、更に上昇。この馬としてはゲートが決まった方で、好位直後。道中は馬場を気にしている様な素振りはなかった。直線向いて一瞬だけ進路に迷ったが、内を狙ってこの馬独特の一瞬の脚は見せた。内枠ではなかったが、内枠っぽい競馬に持ち込めたのが良かった。最後の最後に甘くなったのはパワー差ということになるが、馬場さえ良ければ充分やれそう。

トゥラヴェスーラ

-6kg。下見で舌がハミを越すのは毎度。このメンバーで迫力を感じさせるということはないが、馬体の張り、歩様等、悪いところはない。ゲートは五分か少し分が悪い程度。道中はダノンスマッシュと並走。前走でも行きたがっていたが、今日も少し力んでの追走。直線向いてダノンスマッシュと同じところを狙ったが、一瞬にして1馬身離され、結局は後追いの形。この瞬発力の差は如何ともし難かったが、最後迄頑張って走れた分の入着。良馬場だと折り合いが難しいが、前々走等、時計が掛かる馬場の方が他馬が苦しむ分、頑張りが利く。

モズスーパーフレア

-2kg。馬に活気は有り、走れる状態では有っただろうが、もうちょっと腹回りはスッキリさせたかったところ。好発。当然ながら出脚も抜群に速く、スッとハナへ。前半600m34.1秒は、馬場状態を考えれば想定の範囲内だっただろう。4角で引き付けて、直線入口で突き放しに掛かったが、4角でノメッたというよりは、脚元を滑らせる様な場面。それが響いたかどうかは定かではないが、最後が甘くなった。それでも、前走のボロ負けから、一応は巻き返した形。パワーが有るので雨自体はこなしており、ラチを頼れない馬場だと苦しいが、今日の馬場だと競馬にはなる。

第28回マーチステークス(GⅢ)

レピアーウィット

パシュファイヤー。+18kg。多少緩慢な造りだが、数字程太い訳でもなさそう。歩様はしっかりしており、攻め馬はちゃんと積んで有った筈。押して積極的に先行。ただ、外からベストタッチダウンとナムラカメタローがそれ以上の勢いで来て引かざるを得なくなったが、砂を被らない様に少し外に持ち出していた。向正面で何故かベストタッチダウンが更にペースを上げ、前との距離が離れる不思議な展開となったが、兎に角リズムを大事に、それで居て後続は待たず、自分のペースで追い出し。坂を上る途中で先行するナムラカメタローを捕まえ、追い縋るヒストリーメイカーを振り切った。相手関係よりも、如何に揉まれず走るかがポイントの馬だが、ベストタッチダウンの大逃げで前がバラける展開になったのが向いた。今後も展開一つ。

ヒストリーメイカー

前後肢にバンテージ。-6kg。雄大な馬体だが、数字分だけ僅かにスカッとした印象。淡々と歩いたのは毎度。行きたい馬に行かせて中段から。向正面で少し番手を上げ、そこからはレピアーウィットに付いて行く形。3〜4角中間の反応はレピアーウィットの方が上で、一瞬離され、そこから再び伸びてジワジワ追い付いたのだが、最後はレピアーウィットの底力が勝ったか。交流重賞でもソコソコ走るのだが、手前を替えるのが遅く、勝負どころで置かれる癖が何とも勿体ない。そこさえ直ればタイトルに手が届くのだが...。

メモリーコウ

シープスキンノーズバンド。馬体に重量感が有って、キビキビ歩けていた。前走もソコソコ良かったが、平行線。アオり気味に出て、出脚が付かず、後方から。少し渋化が残る状態で、あまり外も回したくないところだが、ハイペースで馬群が縦長になって競馬が組み立て易くなった。勝負どころからヒストリーメイカーに付いて行く形で進出。坂下迄は食らい付いて行ったが、最後は突き放された。上位2頭とは実質同斤だけに、牡馬相手だとちょっと差が有りそう。

オメガレインボー

後肢にバンテージ。馬体の張りは有るが、ダート馬としては軽い造り。手先のスナップが利いて、地面に蹄が着いてから更に沈み込む独特の歩様。ゲートで腰が落ちそうになってしまい、出遅れ1馬身不利。そのまま最後方から。勝負どころでも中々前との差が詰まらず、結果的に外を回さず、内目を通る形になり、実質は直線勝負。最後は1頭違う脚。もう少しで3着だった。中山でこれが出来るなら重賞でも足りる。特に中京戦が面白そう。

ハヤヤッコ

右側だけ遮眼革。後肢にバンテージ。寸の詰まったマイラー体型。良くも悪くもフワッとした歩様。好発も、出脚が速い方ではなく、後方から。3角過ぎからジワッと動いて、前を追い掛けたメモリーコウに付いて行く形。全身を使った走りで、中々ダイナミックだが、脚色としてはメモリーコウと似た様なモノ。今に始まったことではないが、決め手が欲しい。その点ではもっと距離が有った方がベスト。

第69回日経賞(GⅡ)

ウインマリリン

下見だけパシュファイヤー。-8kg。3歳時は毛ヅヤがパッとしない印象も有ったが、今季は良さそう。ただ、馬体減は歓迎材料ではない。最低でも460kgは欲しい。これ位だと腹回りが微妙に寂しく映る。ゲートは微妙に悪かったが、出脚が速く、スッとハナ。そこからジャコマルが主張してその番手に収まる形。道中はリズム重視で丁寧に乗られた印象。元々力む馬で、内の馬場が悪いので尚更、気を遣っていた部分も有っただろうが、この馬としてはスムーズ。この馬場が悪い影響で4角でジャコマルが少し外へ持ち出し、自然と前が開いた。そこで勝負と一気に抜け出して、何とか振り切った。細かいところで展開も向いたが、兎に角渋太い。ちなみに牝馬が勝つのはグレード制導入以降、2例目。1988年メジロフルマー以来となるが、そもそも出走例が少なかった。54kgのカレンブーケドールにもいえることだが、53kgはモノをいっただろう。今後は増えて来るかも。

カレンブーケドール

2人曳き。シープスキンノーズバンド。毛ヅヤはもう少しだが、例に依って一歩一歩が力強い。バネを感じさせる馬。あまり出脚の有る方ではないが、今日は行く気のない馬も多く、好位6番手辺りから。序盤は少し力みながらの追走。3角手前でウインキートスと接触して鞍上は騎乗停止になったが、この馬には影響なし。3〜4角で進路を一瞬、迷っていたが、今日は相手をウインマリリンと決めて、インに居たウインマリリンの後を抜けて来る形。最後は良く差を詰めているが、あと一歩が届かなかった。結果的にもうワンテンポ早く動くべきだったか。とはいえ、この馬自身の反応の鈍さも有り、元々2着のキャラクター。力は出した。

ワールドプレミア

2人曳き。前肢にバンテージ。流石にこのメンバーだと馬は一枚上。今日はイレ込まなかったのも何より。毎度のことながら出遅れ。それでも枠が良かった分、少しリカバーが利いて中段やや後方から。あまり内に拘ってもと、1周目のホームで外に馬を置かない状態にしていたことも有ったが、道中はスムーズに運べた。3角過ぎから徐々に追い上げ、4角手前で一息入れて再び追い出したが、前の牝馬2頭が内をスムーズに回っていただけに届かないのは仕方がないところ。ただ、これも3着の多いキャラクター。今日は斤量差も響いただろうが、改めてゲートは大事。

ヒュルミドール

2人曳き。前肢にバンテージ。トモの甘い歩様は毎度。腹回りだけボテッとして如何にも不格好だが、これで走っている。ゲートは出ているが、出脚はウインマリリンの方が速く、当初はその次の位置だったが、馬が行きたがり、引っ張っている間に位置取りが悪くなり、結局は中段から。それでも向正面に入ってからはスムーズに折り合いが付き、4角は外へ持ち出す余裕も有った。エンジンの掛かりは悪かったが、坂を上り切ってからは良く差を詰めている。ハンデ戦なら勝ち負けに持ち込めそう。

ジャコマル

+4kg。腹回りは薄いが、トモにだけ丸みが有って、独特の体型。水平首で気配も悪くなくなく、歩様にも問題はない。出脚は他に速い馬も居たが、押してハナへ。抜け切ってからは楽で、1000m通過が62.9秒のスロー。2番手のダンビュライトも大事に乗っていた上に、4角で手応えがなくなり、更に楽な展開になった。それでも直線は掲示板確保がやっと。上位3頭はそれなりの実績馬とはいえ、今日の展開で馬券圏内に来れない様では苦しい。

第68回毎日杯(GⅢ)

シャフリヤール

2人曳き。前走東京戦も良く見せたが、448kgの馬としては良く出来ている。歩様がしっかりしていて、気配も良かった。半馬身位出遅れも、頭数が少なく、向正面に居る間にリカバーが利いた。3角手前で好位。ここで脚を矯めて、直線は内目から。外回りなのでバラける迄待ってから追い出し、坂下辺りで先頭。最後は苦しくなりながらも、グレートマジシャンの猛追を振り切った。馬場がいいとはいえ、1分43秒9のレコードも立派。一戦毎に馬が良くなっている。アルアインの下で、このレースを勝って中山戦もと、再現も期待出来そうだが、次走未定とのこと。東京戦直行の方が先々はいいだろうが、2400mは恐らく長い。

グレートマジシャン

前後肢にバンテージ。-8kg。数字分だけスッキリした印象。背丈が高く、胴長でスケールの大きいタイプだが、まだ芯が入っていない。この馬としてはゲートを出た方だが、一瞬引っ掛かりそうになり、一旦引っ張って後方に近い位置。この時計だが、ペースも速かっただけに、位置取りとしてはこれはこれで良かっただろう。直線向いて一瞬は突き抜けそうな勢いだったが、少し外に内にモタれていたことも影響したか、シャフリヤールに渋太く粘られた。もうちょっと芯が入らないと、最後迄しっかり走れない。次走は東京戦直行だが、成長次第。

プログノーシス

前後肢にバンテージ。-6kg。良くいえば柔軟性が有るということになるが、全体に緩慢。歩様にもブレが有る。ゲートも分が悪かったが、それ以上に馬も鞍上の両方に行く気がなく、馬群と離れた最後方から。4角迄インを回り、直線も内目を捌いて進出。コーナーで距離を稼いだ分、直線入口ではグレートマジシャンよりも前に居た位だったが、そこからの一瞬の脚が違っていた。出脚のなさも含めて、これも馬が未完成。本当に良くなるのはまだ先。

ルペルカーリア

シーザリオ産駒は細身に見せると例外なくハズレだが、500kgの馬格が有って、見た目にも迫力が有る。ただ、その割にトモに力が入っていない様な歩様。ゲートを決めてジワッと先行。道中の折り合いも全く問題はなく運べた。4角でジワッと進出、先頭と、完全に勝ちパターンだったが、直線は全く伸びなかった。上位3頭がディープインパクト産駒ということで、時計勝負が向かなかったということもいえるのだが、もうちょっと踏ん張って、最低でも賞金は加算したかったところ。放牧して一息入れる様だが、自己条件から改めて。

レヴェッツァ

+6kg。元々が細身の造りで、少しでも増えたのはいい傾向。毛ヅヤピカピカ。歩様もしっかりしていた。ゲートは五分程度も、急かすことなく、中段の内目。ただ、3角からズブさを見せ、馬群から離れて行き、4角ではほぼ最後方。エンジンが掛かるのも遅く、最後の最後に伸びて来たが、4着の対ルペルカーリアから4馬身差と競馬が終わったあと。慣れてくれば違うだろうが、今日は初の1800mに対応出来なかった。