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競馬回顧 2021年1回阪神

第55回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

エフフォーリア

シープスキンノーズバンド。ダート馬の様な腹袋がしっかりしたタイプ。もっとトモに厚みが出て来ると尚いいが、横の比較では迫力上位。この馬の出脚で好位4番手辺り。前走は1000通過63.4秒のスローでスローでかなり行きたがっていたが、今日もスローながら1000m通過61.9秒とまだマシなペースで、何とか我慢して走っていた。追ってからの反応も軽快で、上がり33秒台の勝負で、後続を2馬身半チギったのだから文句なし。現代競馬向きの決め手。現時点では中山戦直行呑み込みだが、中山を経験していない点がどう出るか。癖がないので余程問題はなさそうだが。

ヴィクティファルス

後肢にバンテージ。-6kg。背丈が低く、小ぢんまりと見せるタイプ。もっとトモがパンとして、力強さが欲しいところ。出遅れ1馬身不利。ただ、外枠だったのでリカバーは利き、徐々に番手を上げ、4角でエフフォーリアの直後。特に行きたがっている様子もなく、道中の折り合いも付いていた。ただ、追ってからアタマが上がり気味で、どうしても一瞬の脚がない。明らかに力量差を感じさせる内容。ただ、新馬即重賞挑戦で、他に重賞好走馬も居た中で2着を確保出来たことは高く評価したい。

シャフリヤール

2人曳き。馬自体はヴィクティファルスと似た様なスタイルだが、こちらの方がトモに厚みが有って、歩様もしっかり。気合乗りもこちらの方が良かった。ゲートは五分も、外枠ということで前を深追いせず後方に近い位置。それでもかなり引っ張りながらの追走。当初はハートオブアシティを壁にしようとしていたが、向正面で一気に前へ行ってしまい、壁がなくなったのが余計に痛かった。引っ張っている内に位置取りが更に悪くなり、スローの展開でコーナーの外を回されるという最悪の形になってしまった。それで居て、一番外から僅差の3着。これも新馬即重賞挑戦で、しかも昨年10月以来と、厩舎も一発勝負で狙って来ていた筈だが、運がなかったという外ない。力は500万どころか、重賞でも余裕で足りる。

キングストンボーイ

+8kg。今日の見た目だけをいえば多少立派だが、2歳時は筋肉の付き方が甘く、成長の過程としては好印象。歩様も悪くない。出ッパが悪く、最後方から。外に居るよりはマシだが、こちらはこちらで動くに動けない展開。直線も中々進路がなく、諦めて馬場の悪い最内を通り、ここ迄。重賞だとワンパンチ足りないのも確かだが、2着とはアタマ+クビ差だけに、もう一段前で闘えていたら2着だっただろう。惜しい。

ステラヴェローチェ

前後肢にバンテージ。胴長の造り。昨秋、東京で重賞を勝った時と大きな変化はない。もうちょっと迫力が欲しいところ。ゲートを五分に出て中段から。道中は折り合いが付き、キングストンボーイの一歩前で、直線もエフフォーリアの直後へ持ち出して、前も開いたが、追ってからがジリジリだった。他馬より重い57kgの影響が有ったにしても案外。良馬場だとダメなのか...。

第114回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

ラヴズオンリーユー

今日は馬に集中力が有った。走らなかった時でも馬体を悪く見せるということはなく、大きな変化はないが、この馬としては硬さも気にならない。出たなりで4番手辺り。スムーズに流れに乗れた。向正面ではハッピーグリンとステイフーリッシュが飛ばす展開になり、少し距離が有ったが、3角から差を詰め、4角で射程圏。スパッと切れた印象ではなかったが、最後は力でネジ伏せる様な勝ち方だった。今日のメンバーなら力が一枚違った印象。恐らくメンタル面も治っているが、若い頃の瞬発力がなくなっている。距離はもっと有った方が良さそう。

ステイフーリッシュ

+6kg。前走中山戦同様、高値安定。シャープに造り込まれて、歩様もスムーズだった。今日は毛ヅヤもいい。珍しく好発。押しても出脚がなく持ったままのハッピーグリンに主張されて2番手から。瞬発力勝負になるとダメな馬で、序盤はハッピーグリンを突いてペースを上げさせ、3角過ぎから一気にハッピーグリンを交わして先頭。登坂力の差でラヴズオンリーユーに捕まったが、2着は確保した。社台の二線級ということで鞍上が日替わりになるのは仕方がないところだが、テン乗りで馬の癖を生かした騎乗が出来たのはベテランならでは。

ダンビュライト

下見は最後方を周回。+6kg。500kgを超すと少し腹回りがボテッとして来るが、毛ヅヤピカピカ。一歩一歩が力強い。ハナへは行けなかったが、積極的に乗られて3番手。これもステイフーリッシュ同様、矯めてもいいことはないタイプで、早目早目の競馬。ただ、ステイフーリッシュに並び掛ける前にラヴズオンリーユーに捕まっており、ここで戦意喪失。そのまま雪崩れ込んで3着止まり。昨年の覇者だが、昨年は京都としては考えられない位の極悪馬場だった。最低でもハロン平均が12秒より掛かる決着にならないと厳しいところ。

ジナンボー

-6kg。気配にムラの有る馬だが、今日はノンビリと歩けていた。トモに丸みが有って、見た目も悪くないが、歩様に力強さが欲しい。出脚も元々そこ迄速くない馬だが、押して行く気もなく、最初から内へ潜りに行く策。向正面で何とか前に馬が居ない中段迄持って来れた。この鞍上らしく、上手く枠ハンデを誤魔化したが、直線向いてステイフーリッシュとダンビュライトの間が割れず、その位置のままで終わってしまった。本当に一瞬の脚が有る馬なら割って来れるだけの微妙なスペースは有ったが、この馬の決め手では中々そこが割って入れない。

ワグネリアン

2人曳き。喉の手術明け。緩いという訳ではないが、もうチョイ絞ってもいいかも。数字上はこれで走っているのだが...。一息入ってテンション高いのもマイナス。ゲートでヨレ気味に出て、出脚が鈍り、後方から。道中の行き振りはちょっと力んで走る何時ものこの馬の姿。ただ、いざ追ってからがダメで、せめて同馬主のジナンボー位は捕まえたかったところ。暫く掛かりそう。

第56回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

アカイトリノムスメ

脚長。もっと馬体が増えるに越したことはないが、今日のメンバーだとまだ立派に見せている方。落ち着きが有った点も好印象。半馬身出遅れも、出脚でカバーして好位。出遅れた割に折り合いが直ぐに付いたのが大きかった。直線は芝の生え揃った少し外へ持ち出し、切れるという印象ではなかったが、抜け出してからは相手が来たら来ただけ伸びた。全身を使った伸びやかなフォームが印象的だった。次走は阪神戦直行ということで、ここで初めて右回りを走るということになるが、競馬に癖がないのが何より。ただ、それだけに能力そのものが未知数。

アールドヴィーヴル

2人曳き。前後肢にバンテージ。-18kg。今日の見た目だけをいえば腹は巻き気味だが、馬自体は良く出来ている。歩様もしっかりしていた。ゲートは五分程度。出たなりで中段から。基本的にはアカイトリノムスメをマークする形。道中はスムーズだったが、4角を持ったままで回って来たアカイトリノムスメに対し、こちらはズブさを覗かせていた。それでも前が開いてからはエンジンが掛かり、ジワジワ伸びてここ迄。直線はちょっと外にモタれそうになっていたが、中々渋太い。あとはクラシック前にこの馬体減がどう出るか。

ククナ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。トモに厚みが有って、このメンバーなら馬は上位。気配も何とか堪えていた。出遅れ1馬身不利。出脚で挽回して中段から。急かした分、向正面では少し力んでいた様にも見えた。直線に向いて、アカイトリノムスメの直後。従って、前は開いたが、ラスト300mで左手前になって、ひと伸びを欠いた。出遅れも痛かったが、それを差し引いても案外感の残る内容。ただ、馬の能力というよりは、結果的に前走中京戦で決め切れなかった影響の方が大きいだろう。クラシックが苦しくなって来た。一発で決めたアカイトリノムスメとは対照的。

エイシンヒテン

-10kg。デビュー以来、最低体重。前走阪神戦がイマイチ緩く、これでいいのだろうが、如何せん見た目が貧弱過ぎる。毛ヅヤも冴えない。ゲート自体は速くなかったが、押してハナへ。誰も行く気がなかったことも有り、楽に行けた。道中は物見をしていたとのことで少しフワフワ走っていた様に見えたが、結果的にいい息が入った。直線入口で突き放す脚も有り、ラスト100mで甘くなったものの、見せ場充分だった。明らかに未完成と思える馬体で走るのだから素質は高い。先々はオープンでも走れる筈。

イズンシーラブリー

前後肢にバンテージ。数字がないのは寸詰まりの体型の影響も。馬の造り自体は悪くないが、ちょっと歩様に力強さを欠く。出遅れ1馬身不利。出脚も他馬の方が速く、後方から。道中の行き振りもお世辞にもいいとはいえなかった。直線向いて、暫く前が壁。ラスト200mでやっと進路が出来て、ここ迄追い込んで来た。手応えが悪くなるのは、馬群を気にするとのことだが、力は持っている。500万なら楽勝級。