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競馬回顧 2018年5回京都

第8回農林水産省賞典JBCレディスクラシック(JpnⅠ)

アンジュデジール

若干硬さは有ったが、充実の馬体。歩様も硬いなりに力強さが有った。好発。1900m戦の後で、先行争いが激化、4頭が行って、馬群が切れたところを1角で上手くインへ潜り込めた。4角手前からラビットランの進出に抵抗しつつ先頭。一旦はラビットランにアタマ程出られているのだが、差し返した。前走大井戦は出遅れてキツい競馬になったが、今日はゲートを五分に出たのが大きかった。能力そのものも、前々走札幌戦で述べた様に限定戦なら上位。

ラビットラン

前後肢にバンテージ。チャカ付くのは毎度。馬体もこの馬としては悪くないが、もう少し歩様がスムーズになるのが理想的。ゲートは決して速くなかったが、少し出してアンジュデジールと並走する位置。出して行かざるを得ない展開になったことも有って、道中の手応えは決して良くなかったが、それでも積極的に乗られて4角手前からアンジュデジールに被せて行く形。前述した様に一旦は出ているのだが、序盤の無理が祟ったか、差し返されて2着。能力で負けた訳ではない。元々は追い込みだっただけに出脚がないのは仕方ないところで、結果的に外枠が欲しかった。

ファッショニスタ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。筋肉の輪郭が浮いて、一歩一歩が力強い。デキだけならコレ。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。1角迄に内へ寄せていた。3〜4角中間から外を進出して、直線は矢の様な伸びを見せて惜しい3着。11Rのノンコノユメと違って縦長の展開になったことも味方したが、好位からの競馬で詰めの甘かった馬が新たな一面を見せた。あとは兎に角、賞金を加算したいところ。その点では今日は痛恨。準オープンの身では中々思う様に使えない。

クイーンマンボ

前後肢にバンテージ。この数字で走ったことも有るのだが、どうしても太く映る。やはり500kgを切るのがベスト。出脚はソコソコ有る馬だが、先行争いを嫌って中段。アンジュデジールやラビットランの直後で、展開としては絶好の形だったが、4角での反応がイマイチで前2頭に直線入口で突き放され、向いてからも右手前のまま伸びあぐねた。太い影響も有るのだろうが、昨年程走れていない。機動力のなさも気になるところで、交流戦でも厳しいかも。

アンデスクイーン

後肢にバンテージ。490kgの割にはスカッとした造り。馬に活気も有った。スタート直後から押していた馬が多かった中で、促すことはせず後方から。恐らくは入着狙いだった筈で、大事に乗られた。4角からファッショニスタとの併せ馬となったが、脚が全く違っていた。とはいえ、準オープンでも掲示板がやっとの馬で、今日は大健闘といえる。クラブの馬だが、降級がなくなるとこうやって賞金を咥えて来るのは本当に有り難いところだろう。

第18回農林水産省賞典JBCクラシック(JpnⅠ)

ケイティブレイブ

後肢にバンテージ。+10kg。数字分だけ太いのだろうが、一切緩んだところがない。デキ自体が相当良さそう。好発も最初から行く気はなく、この馬の出脚で中段から。基本的には砂を被らない様に、コースロスは厭わず、スムーズさを大事に乗られた。4角での手応えが抜群で、ラスト200mで勝負有り。先行争いを避けた利はそれなりに有ったとはいえ、力任せに乗られて中々強い内容。基本的には逃げた方が良い馬だが、砂さえ被らなければ能力を発揮出来る。父アドマイヤマックスもピンク帽で強かったが、ジャンルは違えど、この馬もそういう面が有る。

オメガパフューム

シープスキンノーズバンド。多少迫力で見劣るのは仕方がないところ。3歳馬としてはこれでも良く出来ている。元々出脚は甘い馬が躓きながら出て更にダッシュが鈍ったが、外枠でリカバーが効いて何とか中段。道中はケイティブレイブをマークする形で乗られた。ただ、4角で外へフクれ加減になっており、直線入口で置かれた様な格好にもなったが、全身を使ったダイナミックな走法で、最後迄止まらず追い込んで来た。スピード競馬なら話は別だが、3歳馬がこういった馬力勝負で結果を出すケースは極めて稀。先々有望。

サンライズソア

シープスキンノーズバンド。下見だけパシュファイヤー。前後肢にバンテージ。下見はマトモに周回すら出来ない状況だが、馬は間違いなく良かった。毛ヅヤが冴えて、トモが張っている。テイエムジンソクが出遅れたことも有ったが、枠の利と若さでハナへ。1000m通過61.0秒だから極端に速いという訳ではなかったが、向正面で半ば暴走していたテイエムジンソクに絡まれたのは痛恨だったか。3角から振り切るのに脚を使わされながら、直線は一度突き放している。後続2頭にやられての3着だが、良く走った方だろう。イレ込みが問題ながら、能力そのものはこのカテゴリーのトップクラス。

ノンコノユメ

2人曳き。前後肢にバンテージ。毎度のことながら、去勢しても煩いが、毛ヅヤが冴えて、シャープな造り。如何にも切れ者といった風情。ゲート内の駐立から悪く、アオってしまい、出遅れ1馬身不利。そのまま最後方から。道中は只管コースロスなく回して、4角手前から外へ。直線はメンバー中、最速の上がりを使っているものの、突き抜ける迄には至らず。4角をもう少し上手く捌いていれば際どくなっていたが、仕方がないところ。この馬自体は1900mも問題ないが、距離が延びると決め手一本では中々上手く行かない。

サウンドトゥルー

前後肢にバンテージ。毛ヅヤが一息。腹回りにも年齢を感じるところ。ゲートは五分に出ているが、例に依って後方から。ノンコノユメの一歩前での立ち回り。そのノンコノユメとは違い、直線はインを突いて前も開いたが、往時の脚はなかった。少なくともノンコノユメには先着しないと値打ちがない内容。これで引退だそうだが、丁度良い引き際。

第56回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

パフォーマプロミス

かつては華奢なイメージも有ったが、大分馬がしっかりして来た。気配も抜群に良かった。出脚を使わず、出たなりで中段から。東京2500mの鉄則だが、道中は徒に動かず、只管我慢。直線は力強いフォームで伸びていた。最後に左手前になって内にモタれたのは、ソラを遣ったとのことで、完勝。次走は中山戦へ向かう様だが、立ち回りの上手さは評価出来る。今日は相手が軽かった感もない訳ではないが、正月に負かしたミッキーロケットがGⅠで通用したのだから、この馬もその可能性は有る。

ムイトオブリガード

前後肢にバンテージ。休み明け2走目だが、前走京都戦でほぼ出来ており、高いレベルで平行線。ゲートのタイミングが合わず、半馬身程出遅れて、後方に近い位置。道中の折り合いは問題なく、パフォーマプロミスをマークする形は悪くなかったが、上がり3F32.5秒の脚を使っている以上、少なくとも馬は責められないところ。見た目だけなら、トビが大きい割に回転数足りない印象も有るのだが、今日は仕方がない。この辺りのメンバーならその内順番が回って来そう。

マコトガラハット

良く見せないタイプの毛色だが、毛ヅヤは悪くなさそう。馬体にも張りが有った。出脚は有って、スッと好位。基本的にはパフォーマプロミスの1馬身前からの競馬。直線も上手く併せ馬の形に持ち込めた。対パフォーマプロミスで5kgのハンデを貰って競り負けた以上、完敗ということになるのだが、これも器用さは有りそう。前走京都戦もスローの決め手勝負だったが、その方が向いている印象も。

ウインテンダネス

後肢にバンテージ。数字は増減なしだが、叩いて馬がシャキッとした印象。気配も上向いていた。ハナへ行く気はなかったとのことだが、一瞬だけ行く構えを見せたノーブルマーズが1角手前で引いて、スタート直後に出したことも有って、馬がソノ気になっており、押し出される形でハナへ。1000m通過が62.9秒のスロー。楽に行かせて貰って、しかも後続と距離を取って良いペースに持ち込めた。向正面半ば過ぎにペースを落とし、一旦後続を引き付け、直線入口で突き放せた点も上手く行っただろうが、ラスト300m過ぎに左手前になってから甘くなってしまった。結果的にもう少し飛ばしても良かったかも。昨春からの2kg増も響いているだろうが、決め手勝負になると分が悪そう。

エンジニア

パシュファイヤー。前肢にバンテージ。横から見るとコロンとした体型だが、意外と馬体に幅が有る。歩様も力強い。外の出方を窺いつつ、好位のイン。枠なりの競馬は出来たが、道中は少し行きたがっていた。東京2500mで折り合いが付かないと中々厳しい。その中では良く頑張った方の5着。前走新潟戦から、マイル位の方が向いている印象も有るのだが、中々守備範囲が広い。

第18回JBCスプリント(JpnⅠ)

グレイスフルリープ

前肢にバンテージ。+6kg。淡々と歩いていたのは何時ものこと。馬体に張りが有って高値安定。外の馬を牽制しつつ、マテラスカイに付いて行って、その番手から。最内のネロに番手を主張されると展開が変わっていたが、これが引いてくれたのが大きかった。兎に角、マテラスカイ徹底マークで運んで、最後は追う者の利で競り落とした。基本的には砂は被るとマズいタイプだが、意外と直後に付けるとそこ迄飛んで来ないモノ。今日は位置取りの勝利。高齢馬が勝つにはこれしかないという競馬。

マテラスカイ

前後肢にバンテージ。-14kg。馬体はこれで良いが、歩様が若干硬いのがマイナス。出遅れた前走大井戦から一転、ゲートを五分に決めて抜群の出脚でハナ。ただ、中京戦程ではなく、意外に外に付いて来られた印象も。それでも手応えは充分で、4角から後続を突き放す作戦も狙い通りだっただろうが、結果的に真後ろに居たグレイスフルリープに進路を与えてしまった。競馬に勝って勝負に負けた格好。芝スタートの方が出脚で圧倒出来て良さそうだが、大井戦はともかく、タラレバの分量が大分少なくなっていただけに、今日は勝つべきだった。ちょっと淡泊な気もしないでもない。

キタサンミカヅキ

2人曳き。地方馬が中央へ遠征に来ると馬体が減るケースが多いが、むしろ太い位。勿論ダートのスプリント戦ならこれはこれでOK。気配も良かった。流石に中央のダートだと出脚が苦しく後方に近い位置。3角辺りからやっと行き脚が付き、4角を上手く捌いて3着は確保。中央時代は故障に苦しんだ馬だが、完全に良くなっているのだろう。流れに乗れていない状態でこの内容ならむしろ一番強い位では?

モーニン

遮眼革。前後肢にバンテージ。見た目は全盛期とそう変わらない。歩様もスムーズ。ゲートはむしろ速い位だったが、往時の出脚がなく後方から。道中も結構押していた。4角でも後方で、マトモなら圏外の展開だったが、外枠でスムーズに運べたことと、マテラスカイが速くて、グレイスフルリープ以外の好位勢が追っ掛けバテしたことも有って4着浮上。ただ、競馬が終わった後で、評価はし辛い内容。まだ1400,1600mの方が向くのだろうが、それはそれで相手が強くなるだけに、現状は交流戦で2,3着が有るかどうかの馬。

レッツゴードンキ

+12kg。良し悪しは別にして500kgを超えた方が馬の迫力は有る。これでも近況通り、出脚で付いて行けず後方から。それでも行き脚が付いたのはモーニンより早く、コーナーは比較的コースロスなく回して、脚を矯める余裕も有った。それだけにもう少し伸びてくれても良かったが、意外に伸び案外。少なくともキタサンミカヅキは捉えてもおかしくない手応えに見えた。太い影響なのか、単純に衰えているのか微妙だが、これも現状は勝つ迄は難しい馬になっている。

第54回京王杯2歳ステークス(GⅡ)

ファンタジスト

2人曳き。+10kg。スプリンター体型だが、トモにボリューム感が有って見栄えはする。落ち着いていた点も好感。出脚が抜群に速いという訳ではなさそうだが、東京1400mで最内枠の利は大きく、少し出して好位のイン。折り合いも付いて道中から手応えが良かった。直線もスムーズに前が開き、更に最内から来たアウィルアウェイとの併せ馬を辛うじて制した。ただ、1000m62.9秒と未勝利戦でも中々ないスローで、枠の利が大きく、能力判定が難しい。今日のところは競馬の上手さだけを評価しておきたい。

アウィルアウェイ

+10kg。気性面を考えて緩く造ったとのことだが、明らかに馬が緩い。過去2走と比較すれば、ゲートは出た方だが、出脚がなくて後方から。直ぐに内ラチ沿いへ寄せて、前に馬を置く形で我慢させていたが、このスローで結構行きたがっていた。外国人ジョッキーに有り勝ちな、1番人気でも只管最内に拘ってギャンブルするパターン。狙い通りに前は開いたが、ファンタジストの方が決め手は上だった。馬体が絞れているか、もう少し折り合いが付いていれば勝っていただろう。性能は高い。ただ、決勝戦手前で際どくなったのはファンタジストが止まったというより、この馬が外にヨレて、相手が怯んだが故。その辺りも含めて調教を工夫して行く必要は有る。

カルリーノ

+6kg。前肢にバンテージ。チャカつく。脚長の造り。馬体だけならもっと距離が有っても良いタイプ。スタート直後に促していたが、ハナへ行く気はなかった様で3番手で我慢。壁がない状態で序盤力んでいたのは致し方ないところ。コーナーに入った辺りで何とか折り合いも付いた。直線は瞬発力の差という以外にないが、トビが大きく最後迄止まってはいない。折り合い面さえ解決すればもっと距離が延びた方が良さそう。500万なら楽勝級だろう。ただ、こういう馬を1200mで使ってしまう厩舎には疑問も。

ココフィーユ

前肢にバンテージ。背丈が低く、寸が詰まった体型。胴回りが妙に薄く、まだ馬体がアンバランス。また、もう少し落ち着いてくれるのがベスト。2番枠のメイショウオニテが逃げ、3番枠のこの馬が付いて行く形で2番手から。スローで壁がない状態の割に、最初からリラックスして走れていた。それだけに直線の決め手勝負でカルリーノには先着したかったところ。馬が未完成過ぎて、現時点では成長待ち。

アスターペガサス

2人曳き。+12kg。多少太い程度。それよりも、初の輸送競馬ということも有って、イレ込みがキツいのがマイナス。前走函館戦は出遅れたが、今日はゲート五分。出たなりで中段の外も、頭を上げてかなり行きたがっていた。3角辺りで何とか折り合いも付いたが、これだけスローになると馬群の外を回されるだけでもそれなりのロスが有る。出来れば3着は確保して重賞勝ち馬としての面目は保ちたかったところだが、これでも悪くはない内容。ゲートを出た点も大きく、スプリンターとしては上級。

第23回KBS京都賞ファンタジーステークス(GⅢ)

ダノンファンタジー

前後肢にバンテージ。胴長の造りで、馬はこのメンバーなら最上位だが、妙に煩いのはマイナス。出脚は有りそうだが、急かさず折り合い重視で乗られている間に、道中は自然と番手が下がり、3角で中段やや後方。4角の手応えが抜群で、直線向いてから追い出されると1頭脚が違っていた。最後は抑える余裕も有り、楽勝だった。やはり新馬はグランアレグリアが強過ぎただけで、この馬も例年の水準級は充分。あとはマイルで折り合いが付くかどうか。妙にソロッと乗っていただけに危険性は多少なりとも有りそう。

ベルスール

前後肢にバンテージ。+12kg。数字はほぼ成長分。ただ、トモが極端に甘いという訳ではなさそうだが、姿勢が高いのは気になった。2番枠のカシノティーダが行って、その番手のイン。良い位置に収まった筈だが、結構行きたがっていた。直線だけ少し外へ出して伸びて来たが、追っても他馬と比較して頭が高い。それでこれだけ走れば能力は高いということにもなるのだが、恐らくは1400mでも少し長い。

ジュランビル

腹回りが少しボテッと映る。もう少し絞った方が良さそう。出脚は一番速かった位だが、カシノティーダが主張して2番手から。終始並走してプレッシャーを掛ける形。4角手前で交わして先頭。ただ、決め手勝負を嫌って少し早目に動いてしまった印象も。渋太く踏ん張っていたものの、結果的に最後が甘くなってしまった。間違いなく競馬は上手い。ラブミーファインに先着した点も評価出来る。馬体が絞れてもう少しシャキッとすれば500万は勝てるということにはなるが、個人馬主だけに下手に2着で賞金が加算されると楽しみがなくなる。降級がなくなった今の制度なら3着はヨシとすべきところ。

ラブミーファイン

一息入れて馬が良くなっている。430kg程度の馬だが、大分ドッシリ見せる様になってきた。歩様が硬いのは相変わらず。若干ゲートが悪く、中段やや後方。意外に折り合いは付いていた。4角を勢いを付けて回って、直線入口でジュランビルと並んで先頭。最後はモタれて甘くなったが、まずはもう少し歩様が良くなって欲しいところ。距離の問題なのか、仕掛けが早過ぎた故なのか、分かり辛い。歩様が直らないなら、先々はダートということになるかも。

レッドベレーザ

前後肢にバンテージ。歩様が伸びていた。420kgしかない馬だが、馬体も充実していて、ほぼ完成されている。ゲートは出ているが、出脚がサッパリで最後方から。道中も兎に角ズブかった。最後は伸びているが、競馬が終わった後。もっと機動力が付かないことには1400mだと対応出来ない。現状だと2000mは欲しい。