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競馬回顧 2011年2回阪神

第42回読売マイラーズカップ(GⅡ)

シルポート

馬体に張りを欠く。歩様も硬い。好発。枠が遠いとはいえ、出脚が甘く、押して押して何とかハナ。先週のリキサンマックスもそうだが、出脚が無さ過ぎる逃げ馬は他馬に暴走感を与える傾向。1000m通過が58.0秒と然程速くないにも関わらず2番手と数馬身離しての逃げ。上がりも3F34.3秒と纏めてオイデオイデの楽勝となった。ただ、春の開催は芝の生育が早く、開催を追う毎に時計が速くなるのは良く有るパターン。一見強いのだが、下見の雰囲気も考慮すれば今季嫌って妙味と見たが。

クレバートウショウ

造りにメリハリが無い。これもかなり悪く見えたが。コスモセンサーの方が出脚は速かったが、これを制して2番手。シルポートには付き合わず、内で折り合いに専念し、シルポートを逃がす事に依ってレースを落ち着かせて2番手粘り切った格好。シルポートも比較的無欲だった筈だが、この馬は更に欲無く乗ったのが功を奏した。今日は展開利大きいが、この相手で2着なら中々。この馬自身も持ち時計を1秒詰めており、この点に関しても評価出来る。

ダノンヨーヨー

+4s。毛ヅヤや馬体の張りが多少甘いが、戦前の報道思えば仕上がっている方。珍しく好発。出脚は鈍いが、出して好位。慣れぬ競馬で見えない戸惑いは有っただろうが、見た目の折り合いはスムーズ。ただ、坂下で右手前になってしまい、内にモタれる場面。坂を上がり切る寸前で左手前に戻してクレバートウショウを追い詰めたのだが、上がりが速い展開になった事も有り、ハナ差届かず。次走へ向けて勢い付く競馬ではなかったが、叩き台としては悪い内容ではない。

アパパネ

シープスキンノーズバンド。一応出来ていた。この相手でも馬振り負けていない。出たなりで中段。大外枠だが、コースロス無く回したいところで、内に2頭居ただけなら悪くない立ち回り。ただ、内に入れた影響で4角行き場が無く、直線向いた段階では後方に近い位置。追い出して一瞬の反応が鈍い面は有ったが、結局直線外へ出しての4着は悪くない内容。次走はブエナビスタ次第だが、同馬出走でも2着は確保出来そう。

ショウワモダン

歩様が硬いのはマイナスだが、大分良い時の雰囲気が戻って来た。出たなりで中段。少し掛かる位だが、この馬はこの行き振りが本来のそれ。直線はインを狙い、上手く入れたが、クレバートウショウの内か外かで逡巡する場面が痛い。59s背負っていた事も有り、逆に言えばレース内容としてはまずまず。今日の歩様は感心出来ず、この後の状態面には注意したいが、ダノンシャンティ故障で連覇も視野に入って来た。

スマイルジャック

2人曳き。丁度良い気合乗り。以前より馬に迫力が無くなった印象も有るのだが、歩様は力強い。中枠で外から来られ、無理が出来ず中段やや後方から。折り合いは付いていたが、アパパネ同様直線向く迄動けず、この上がりでは差し届かない。今日は展開が全て。

リーチザクラウン

最近にしては気合が乗っていた。馬はずっと悪くない。マイル戦では元々出脚が通用しないのだが、好発切ったコスモセンサーとロードバリオスが控え、そのアオリを食ったキョウエイストームやライブコンサートでも中段。その後ろに居たこの馬は結局最後方に近い位置からに。直線向いても行き場が狭く、周囲に気を遣いながらだった。今日は競馬にならず。この馬は中距離で先行するのが一番楽だと思うのだが...。

ガルボ

変わらずトモにボリューム感。歩様が多少怪しいが、それも許容範囲。歩様が落ちた分だけ、出脚が落ちた気もするが、一応は好位。ただ、坂下で既に後退しており、今日は案外感が残った。下見通り、デキ落ちだろう。

ゴールスキー

馬体は良いが、今日はテンション高い。例に依って後方から。出脚が無い割に、相変わらず道中で行きたがっていた。ただ、それにしても直線は伸びず。まずは気性面だろう。

被災地支援競走 第18回マーチステークス(GⅢ)

テスタマッタ

-10s。絞れて順当に良化。毛ヅヤが良かった。チャカついていたのは何時もの事。後方で折り合いを付けたかった様だが、序盤から行きたがっており、向正面で乗り役が折れて、3角で4番手。マークのマークという格好だが、直線は瞬発力が違っていた。良い脚を長く使っていた印象。58sだったが、57.5s背負っていた馬が多く、JpnⅠを制しているこの馬からすれば実は恵まれたハンデ。距離短縮も当然良かっただろう。

ブラボーデイジー

+6s。大型馬の芦毛だが、太目感の無い造り。極端に人気が無かったが、下見は悪くなかった。ハナへは行けなかったが、少し出して3番手。マチカネニホンバレを徹底マークし、これは坂下で捕まえたが、その直後に居たテスタマッタには決め手の差を見せ付けられた。これもハンデ恵まれていた筈だが、揉まれず競馬出来ればこれ位はやれる馬。

インバルコ

-6s。休養前の前走京都戦も太かった。まだ腹袋はボテッと映るが、張りが有ってデキは良い。出脚サッパリで後方から。トビが大きいのでセコい競馬が出来ないタイプ。早目に外へ持ち出し、テスタマッタを追う形。テスタマッタ程の瞬発力は無いが、自分の競馬はしている。前走時に述べた様に、自在に動ける外枠は悪くなかったが、距離はもっと伸びた方が良い。

マチカネニホンバレ

シープスキンノーズバンド。-6s。下見だけならコレ。馬体も目立ったが、気配も文句無し。出脚が甘い馬で、出ムチ使って何とか2番手。道中は逃げたメテオロロジストと3馬身程離れていたが、3角でメテオロロジストがペース落とす場面が有り、これに追い付いて手応え良く4角先頭。一瞬は勝ったかの場面だったが、ここからが例に依って甘かった。今日は必勝態勢で臨んだとの話も有ったが、稍重で上がりの速い競馬もこの馬向きではなく。

タガノジンガロ

-4s。少し腹回りがボテッと映った。完調とはいえず。マチカネニホンバレが積極的に出して先行、これに抵抗せず引いて好位のイン。不利無く競馬出来ているが、4角での反応がイマイチ、直線の伸びももう一つだった。前走はオープン特別で連対出来たが、実績馬が本気出して来る重賞となるとまだ家賃が高い。

オーロマイスター

シープスキンノーズバンド。毛ヅヤは悪くないが、馬が緩い。距離を意識して乗られ、後方から。これも上位馬同様、外回っていたクチだが、右回りは追って内にモタれる傾向。1800mのこの馬にしてはそれなりに走っているが、やはりベストは左回りのマイル戦。

キングスエンブレム

-8s。キビキビ歩いていて、気配は良い。ただ、ダート馬にしては相変わらず軽い印象。出脚は悪くない馬だが、無理せず中段。ひたすら内ラチ沿いを通り、直線も前が開いていたが、最後はダイショウジェットにも差されていた。一応今日は休み明けを言い訳にするが、この馬の能力をあまり評価していないのは過去に述べた通り。

メテオロロジスト

デキは良い筈だが、この相手では馬が貧弱。マチカネニホンバレが出ムチを使っていたが、出脚で制してハナ。3角で一旦引き付ける場面が有ったが、そこからの800mは逃げ馬にとっては長い。息を入れるなら4角手前だろう。相手も強かったが、乗り方が雑になってしまった。

ラヴェリータ

無駄な肉が無く、スカッと見せる。内外から出脚の速い馬が居て、中段から。ただ、乗り役の話通り、砂を嫌がって頭が上がっていた。直線もサッパリ。確かに相手の軽い交流戦では差す場面も有ったが、中央では先行出来ぬと掲示板外す場面が多い。牝馬で56.5s背負わされる程の実績馬だが、意外な癖が露呈。

第71回桜花賞(GⅠ)

マルセリーナ

+4s。前走京都戦とは別馬。馬体にボリューム感が出て、特に歩様の力強さが光った。出遅れ1馬身不利。それでも出脚で好位取りに行ったが、行き場が無く、結局4角では最後方。直線向いた段階では大外持ち出す余裕もなく、苦し紛れに馬群の間を狙う形。ここで少し行儀が悪く、ラテアートを弾く場面も有ったが、全ては脚が違っていたからこそ。抜け出す脚がとにかく速かった。前走からはここ迄強いとは思えなかったが、この2か月で馬が変わっていた。3月に出走していない馬がこの馬含めて5頭居たが、この馬の良化度だけが目立った。レーヴディソールだけではなく、トレンドハンターも骨折したそうだが、この馬に関してはまず厩舎技量を評価したい。当然次走東京戦も有力。

ホエールキャプチャ

-6s。歩様はしっかりしていたが、馬体に強調点が無い。これも出遅れ1馬身不利。戦前から必勝宣言の出ていた池添騎手、躊躇無く大外へ持ち出して直線勝負。乗り役の期待に応えて馬は良く伸びているが、ギャンブルに成功した馬が前に1頭。ツキが無かった以外に無いのだが、ユキノビジンやヤマノカサブランカ等、シルバーコレクターは何かにやられるのが常套。この馬の持って生まれた運の無さは意識しておきたい。次走東京戦も2着の可能性高い。

トレンドハンター

例に依って馬振りは断然。中1週だが、歩様も一応平行線。上位2頭同様に、出遅れ1馬身不利。出脚が有る方ではないのでそのまま最後方から。ただ、4角は内を狙ってから諦めて大外へ持ち出す格好。その分、仕掛けが遅れた印象も有った。最初からホエールキャプチャマークなら2着の可能性も。戦前は期待した馬だが、やはりマイルはベストではない様。次走こそ確勝期す一戦だったが、レース後骨折が判明。歩様の硬い馬が故障し易いのは過去に何度も述べた通りだが...。

メデタシ

2人曳き。数字の無い馬だが、トモにボリューム感。間違い無くデキは良い。ゲートは出ているが、出脚が甘く後方から。これもインを狙っていた様だが、マルセリーナが邪魔になり、外回す形に。ただ、ホエールキャプチャやトレンドハンターとは全く脚が違っていた。能力差はかなり有りそう。切符掴んで次走は東京戦なのだろうが、まだ500万にも使える身。これは楽勝だろう。

フォーエバーマーク

-4kg。デビュー以来最低体重。バランスの取れた造りで目立たないが、腹は巻き気味。トモの甘い歩様も感心出来ず。好発。出脚で1馬身抜けてハナ。1000m通過58.5秒なら決して速くない流れ。4角早目に来たウッドシップを振り切って一旦は突き放す場面も造ったが、坂を上がる脚で甘くなった。スプリントへ行くと出脚が微妙に怪しいのだが、現状は1F長い。

ダンスファンタジア

-6s。下見は落ち着いていたが、藤沢和雄厩舎流の馬なり中心の仕上げで馬体減。中身は...。ゲート出てスンナリ好位。折り合いも付いていたが、いざ追って案外。結果的に追い込みの3頭で決まったのは、この3頭が強いだけ。最高の競馬が出来た筈で、今日の内容には物足りなさが残った。要は鍛錬不足。

フレンチカクタス

2人曳き。落ち着いており、元々馬振りには定評。出たなりで中段やや後方。ソコソコのペースで流れて折り合いスムーズだった馬が多い中、この馬は行きたがっていた。これでは直線伸びない。ベストは1400m。

エーシンハーバー

2人曳き。多少煩いのは何時もの事。好発。折り合い意識して控える策も、序盤は行きたがっていた。それでも3角辺りからは折り合いも付いており、4角の雰囲気ならもう少し伸びても良い筈だが、直線サッパリ。結果的にフィリーズレビュー組のレベルが低過ぎた印象も。

第29回ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

エイシンオスマン

前走のまま。現状のデキは良いが、緩いところが有って、馬が未完成。出脚で抜けて一旦はハナも。タツミリュウやリキサンマックスが行って好位に控える形。リキサンマックスの逃げは例に依って速くなく、マイル戦で59.9秒は明らかなスロー。今日はこの流れを前で折り合った利が相当。11Rの限定戦もインに居た組で決まっており、展開が全て。次走東京戦は苦しいだろう。

エーシンジャッカル

バランスは悪くない馬だが、力感に欠く。出遅れ1馬身不利。折り合いも問題無かったが、スローで直線迄馬群が密集しており動けるスペースが無く、直線迄待ってからの追い出し。狭いところだったが、一追い毎に伸びて最後はグランプリボス相手にハナ差。下見だけなら手が出ない馬だが、実戦に行って渋太い。次走も圏内。

グランプリボス

2人曳き。-4s。少しテンション高い点も含めて、前走と変わらず。出脚の有る馬で、道中はスンナリ好位。ただ、今日も行きたがっており、直線の伸びを欠いた。あれだけ行きたがっていながら3着粘る辺りは地力の高さだが、競馬に進歩が無い。ペースが速くなるGⅠの方が競馬はし易い筈だが、東京マイルはハイペースを望み辛く。

ディープサウンド

-10s。毛ヅヤ良化したが、トモの甘い歩様は相変わらず。東京戦で述べた様に出脚が速い方ではなく、出たなりで中段。丁度グランプリボスを眺めながらの競馬。4角で最内に進路を取り、ラチ沿いから差しては来ているが、坂を上がって甘くなった。内有利の馬場を利して僅差の競馬に持ち込んだが、トモが甘いので、坂を上がる脚が無い。鍛錬不足。

ロビンフット

遮眼革。シープスキンノーズバンド。毛色の分は良く見せるのだが、少し馬が緩い印象も。好発。出脚が少し甘かったが、枠の利で好位。この5着の結果も内を立ち回った分が利いているが、1200mの後で折り合っていたのは収穫。自分の力はコンスタントに出せる様になって来た。

ダノンシャーク

2人曳き。少し気負っていた。寸詰まりの体型で如何にもマイラー。出遅れ1馬身不利も、枠の分中段からの競馬。4角少しゴチャ付く場面も有ったが、スムーズに外へ持ち出してグランプリボスの外。内有利の馬場状態は有るのだが、ハイレベルの前走思うともう少しやれて良かった。これもディープインパクト産駒らしいムラが有る。

リキサンマックス

2人曳き。遮眼革。-6s。ムチッとした造りは変わらず。トモに丸みが有り、下見は悪くない。例に依って出脚は速くないのだが、押してハナ。途中からハナへ行くケースはオーバーペースになりがちだが、この馬の場合は毎回1分前後のペース。ラチを頼る馬で、その点も狙い通りだったが、坂を上がって甘くなった。現状は平坦の方が良い。

リアルインパクト

-10s。イレ込む。馬体に張りが無く、論外の域。道中は好位の外。グランプリボスと前後する位置からの競馬。この馬にしては折り合っていた様にも見えたが、外で皆と似た様な脚色のまま入線。下見通り、まだデキが本当ではないだろう。

第54回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

カレンチャン

芦毛だが、毛ヅヤ上々。トモに迫力が有り、下見は中々。少し出して好位のイン。1200mの印象の強い馬が、出して行った割には折り合いも付いていた。直線も直ぐに前が開き、アンシェルブルーとの叩き合いを制してV。戦前述べた様に、限定戦が立て続けに施行され、今日はメンバーが手薄。この距離でも折り合いが付いたのも大きかった様。ただ、東京もそうだが、道悪の乾き掛けは阪神も内が有利になり易い傾向。この利も相当。

アンシェルブルー

これもトモにボリューム感。馬は目立った。出脚は一番速かった位だが、この枠でも有り、行きたい馬に行かせて好位。4角でジュエルオブナイルの内へ飛び込み、ここをソツ無く捌いたのは蛯名騎手お見事だったが、カレンチャンには追い負けた。良い脚が長く使えない印象。枠の差が有るにしても、対カレンチャンに対しては力量差認めざるを得ないだろう。

スプリングサンダー

毛ヅヤは一息だが、この数字の割にはバランスが取れた造り。内枠の馬が極端な競馬を志向し、ポツンと中段のインでスムーズな立ち回り。4角でアンシェルブルーの直後に付けた狙いも正解。ただ、一瞬の決め手はアンシェルブルーの方が上で、最後の最後に追い詰めた印象。良い脚を長く使うタイプ。広いコース向きの馬。今日の相手は大概だが、この競馬が出来れば重賞でも足る。

プロヴィナージュ

2人曳き。連闘の分、少し硬さは有ったが、許容範囲。気配は良かった。出遅れ1馬身不利。1400mでは出脚がキツい筈だが、少し出して中段。これもスムーズには捌いて来たが、前有利の展開でここ迄。一応、1400mでの自分の競馬は出来ただけに、仕方が無いところ。

プリンセスメモリー

-8s。400s切る数字で現役唯一のオープン馬。馬体減が良い筈はないが、トモの造りは流石。出脚が有る方ではなく、下げて後方から。ただ、道中は結構行きたがっていた。直線向いて内を捌きながら伸びて来たが、外が伸びない展開も大きかっただろう。高い評価は出来ず。

サワヤカラスカル

少し太い様な気もするのだが、数字以上に馬を大きく見せる。出たなりで中段。今日の馬場で内に入れる場面が無かったのは痛い。直線入口でも少し待たされての大外は最悪の展開だった。デキは良かった筈で相手関係も今日は軽いところ。馬場に泣いたと見たい。

サングレアズール

毛ヅヤが多少怪しい以外は、減点材料は無い。気配も良い方だったが。出脚速く、積極的に乗られて3番手。ただ、クロワラモーやトゥニーポートが主張して、前を深追いし過ぎた格好に。ただ、それを差し引いても直線は負け過ぎ。休み明けの影響?

第43回ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

ブリッツェン

コロンとした体型だが、太目感は無し。ただ、強調材料にも欠ける。出脚で抜けてハナ。土曜日はキャプテントゥーレを徹底マークした岩田騎手が今日は3角で引いてくれて、前走程ではないにせよ、スローな流れ。そのダイシングロウを坂下で振り切り、内からライブコンサートが猛追して来たが、ハナ差凌ぎ切った。これで逃げる形で準オープン,GⅢと連勝。ダノンシャンティを別にして、強力4歳勢もマイル路線に関してはレベルが低い。何より先行馬が少ない点も好都合。

ライブコンサート

毛ヅヤ冴えず、余り良い様には見えなかったが、元々そういうところは有る。この馬の出脚で好位のイン。時々歩様の硬いところの有る馬だが、器用さは有って、イン強襲策は得意とするところ。ラチ沿いからジワジワ詰めて来たが、最後はハンデ差。ただ、今日は最高の競馬が出来た。この馬の実力では57.5sで勝ち切る場面は想像し辛い。別定戦では相手も強くなる事が予想され、今後も2,3着が続きそう。

キョウエイストーム

シープスキンノーズバンド。歩様の硬さは相変わらず。ゲートが少し悪く、近くに先行馬が居た事も有り、無理せず中段から。これも枠なりにコースロスの無い競馬が出来た。切れる脚は無いが、中山同様、坂を苦にせずジワジワ伸びてここ迄。現役屈指の中山巧者だが、急坂を得意としている様で、内枠なら今後も馬券圏内充分。

スマートステージ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。少し太い気もするが、馬体に張りは有った。ゲートは出ているが、出脚が鈍く後方から。出来るだけコースロス無く回すという意図は当然だが、直線向いて外のアーバンストリートが壁になり、暫く前が開かなかったのが痛い。今季は好調期間が長く、この馬の脚は使っているが、追い込み馬故の細かい不利は多い。何時か馬券になるとしても、近況徐々に人気が上がり気味。馬券上扱いが難しい馬になりつつ有る。

ダイシングロウ

気配は地味だが、毛ヅヤが冴え、この馬にしては良く見せていた。近況差す競馬が続いていたが、出脚は元々ある馬で今日は2番手から。向正面ではブリッツェンにプレッシャー掛ける位の位置に居たが、コーナーで一旦引いて勝負どころから再びの追い上げ。ただ、その1馬身差が最後迄詰まらない。現状では少し壁も有るが、この競馬を続けて行けばオープンでも馬券圏内充分。

ダンツホウテイ

体型も有るだが、少しボテッと映る。もう少し絞れた方がベスト。ブリッツェンが主張して好位に控える形。ただ、結果的に控え過ぎ。3角でブリッツェンの直後をライブコンサートに取られてしまった。この馬自身然程切れるタイプではないとはいえ、直線は少し窮屈になっていた。この馬の能力で重賞勝ち切る場面は無い筈だが、ミスはミス。

キングストリート

-6s。数字は絞れていたが、少し緩い印象も。満点はやれぬ。出遅れたが、少し出して中段。このスローで大外持ち出したのも良くなかったが、それにしても伸びなかった。何度か述べている様に、重賞未勝利で57s以上背負うと9割以上の確率で勝ちは無い。今日はハンデが見込まれ過ぎ。

第55回産経大阪杯(GⅡ)

ヒルノダムール

今季では一番歩様がスムーズ。馬体に迫力の有るタイプではないが、漸く本調子か。攻め強化が実を結び有る。スタート直後、イケドラゴンに寄られたが、ネジ込んで中段。4角手前から徐々に進出、頭数も多くなかったが、ソコソコ流れた事も有り、バラけてスムーズに前も開いた。内にモタれながらも反応は俊敏。近況はここからが甘かったのだが、今日は一杯一杯踏ん張り切った。デキ,斤量,時計勝負の馬場状態全てが向いて条件馬とハナ差。前走京都戦思えば良く走っているが、程度は知れている。

ダークシャドウ

オーストラリアンブリンカー。-16s。毛ヅヤは良かったが、ギリギリの造り。出遅れて後方から。3〜4角中間からドリームジャーニーと一緒に動き、そのドリームジャーニーを内から張って直線強襲。エイシンフラッシュを競り落とし、ヒルノダムールとも最後は首の上げ下げで負けただけ。「斤量差を無視すれば」一番強い競馬をしている。前々走京都戦でフワッとする場面が有り、前走東京戦からベリー騎手の進言でオーストラリアンブリンカーを着用した様だが、この効果が絶大。

エイシンフラッシュ

今季は間違いなくデキが良い。毛ヅヤも冴えていた。今日はゲート五分。ただ、折り合い面が有り、この枠でも有り後方から。今日はこれで折り合いが付いた。3角から徐々に動き、4角で中段。この時の手応えは勝ったかとの雰囲気だったが、坂を上がって甘くなった。瞬発力身上の馬が、外回って真っ向勝負。「59sを考慮すれば」一番強い競馬。前に馬が居なくても折り合いが付いたのも今後へ向けて収穫。

ダノンシャンティ

2人曳き。増減無しだが、松田国英厩舎らしい馬になって来た。ただ、テンションの高さは相変わらず。ゲートは出たが、全く行く気無く最後方から。これで一応我慢は利いていた。4角でも動かず、直線だけ大外へ。59sを背負い、今日の展開でこの脚なら力は見せたと言えそう。レコード決着だったのもアンラッキーだった。次走東京マイルで更に。

キャプテントゥーレ

2人曳き。この馬なりにまずまず。年齢経てデキは安定。戦前の想定通りハナ。ペースそのものは大して速くなかったが、園田出身という点では後輩に当たるトーホウアラン騎乗の岩田騎手がピッタリマークして、かなり締まった流れ。直線向いて一旦は突き放す場面迄は造ったが、坂で甘くなった。従ってまずまずの内容といえるが、Bコース替わり初っ端で内有利だった点は割引を。

ドリームジャーニー

2人曳き。+8s。テンションの高さはむしろこの馬らしいところで好感持てたが、今日は太い。この馬にしてはゲート出たが、イケドラゴンがヒルノダムールに幅寄せし、その煽りを食う形で後方から。前走中山戦と違い、ダノンシャンティに接触する様な場面も無く、今日はスムーズに運べた筈だが、回り脚でダークシャドウにやられていたのは論外。太目が祟った。

第29回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

レディアルバローザ

+12s。この数字でも馬が張っていた。デキだけならコレ。引き続き毛ヅヤも上々。好発も控えて中段やや後方。人気どころに差し馬が多かったが、意外にも1000m通過57.9秒のハイペース。上手く内に入れられた。今日はこのギャンブルがハマった感。直線は馬群を捌きながらだったが、スパッと切れて快勝。前走東京戦は勝負処でゴチャつく場面も有り、前走京都戦の通り、重賞でも通用する能力は示していたが、今日はハンデと展開が大きい。過大評価は危険。

フミノイマージン

これもデキは中々。歩様にバネが利いていた。出遅れて後方から。前走で早目に動いて失敗しており、今日は徹底して脚を矯める策。4角でも最後方の大外だったが、直線1頭違う脚で2着浮上。ハンデは間違い無く良い方に出ているが、自分の型が分かったのが一番の収穫。今日は大外からだが、馬群が割れるのも強み。

コスモネモシン

-14s。テンションも高かったが、数字通り細い。この馬の出脚で中段のイン。このペースでも宥めていた位だったが、スムーズに立ち回り、直線も前が開いた。一瞬は先頭の場面だったが、馬体減とハンデ差でここ迄。ハイペースを差し切った昨年春フェアリーステークスがこの評価を高くしている面がかなり有るのだが、この馬自身ハイペースを得意としている面は有りそう。限定戦は基本的にスロー。今日はむしろ評価が下がる。

ディアアレトゥーサ

バランスの取れた造りでまずまず。脚捌きは少し硬いが。出脚が少し鈍かったが、出して好位。道中からあまり手応えが良いとは言えず、4角でも手が動いていたが、それを思えば直線は渋太い印象も有った。この55sはかなり見込まれていた筈だが、まずまずの内容。今回は休み明け。叩いての良化も見込め、新潟戦へ出て来れば狙い目に。

バイタルスタイル

シープスキンノーズバンド。アグネスワルツが出遅れた事も大きいが、軽ハンデという事も有り、積極的にハナへ。前述した様に1000m通過57.9秒はかなりのハイペースだが、単騎で飛ばした分とBコース初週で内有利だった分、掲示板は確保。この競馬が出来るなら準オープンでもメドは立てたか。

ワイルドラズベリー

少し寸の詰まった馬体。強調点は無いが、これもまずまず。例に依って後方から。道中はこのペースでも行きたがっていたのは確かだが、4角大外から更に後方に居たアグネスワルツにも差されていた。それなりに競馬が出来てこの結果。暫く見送り。

ヒカルアマランサス

-22s。トモのボリュームは残していたが、腹が巻き気味。最近のパターン通りでゲート悪く後方から。4角も例に依って手応えが悪い為、大外へ持ち出す余裕が無く、馬場の真ん中から。勢いから馬券圏内は無かった様に思うが、坂下で少し狭くなる場面は有った。1馬身程のロスは有っただろう。今日の馬体減は東京戦へ向けて痛いのだが、ワイルドラズベリーよりはマシな競馬をしている。

プロヴィナージュ

少し歩様が硬いのだが、馬体はまずまず。最近は先行策続きだったが、外枠でも有り、今日は無理せず中段から。このハイペースでも有り、作戦自体は正解だった筈だが、いざ追って案外。デキ以外に今日は敗因が無い。連闘で1400m戦という話も有る様だが、果たしてどうか。走ってみないと何とも言えないというのが正直なところ。

ブロードストリート

-6s。また馬体減。イレ込みも目立った。これも後方からだが、3〜4角中間で既に手応えが怪しく、直線も全く伸びず。前述の馬体減が全て。

アプリコットフィズ

数字は維持出来たが、右後肢が出て来ない。好位で行きたがるのを宥めての競馬。直線向いて外へ持ち出そうとしていたのはまだ手応えが有ったからだろうが、いざ追ってからがサッパリ。見た目からは歩様がおかしいのだが、他にも何か有りそう。立て直しが必要。

第59回日経賞(GⅡ)

トゥザグローリー

2人曳き。馬体の良さは説明不要。使い詰めだけに、歩様に硬さが無いのが何より。ゲートが少し悪かったが、この頭数でスンナリ好位。多少折り合い怪しい様にも見えたが、頭の高い走法で一応はこれで付いている。4角向いて前もスムーズに開いたが、暫く待つ余裕。追い出して更に天井向いていたが、坂下で左手前からは後続を突き放す一方だった。圧勝! 次走京都戦は本命となるが、この走法には必ず限界が有る。今日は内枠でスムーズに行った面が大きく、外枠引く様だと着外に消える危険も。

ペルーサ

-8s。数字通り出来ていたが、もう少し軽快さが欲しい。ゲートで駐立出来ずも、この馬にしてはゲート出て中段やや後方から。中山が向かなかった前走だが、阪神外回りに替わってこの馬の力は出せた。直線向いてローズキングダムの1馬身後方から、一瞬の脚でそのローズキングダムに突き放されたが、ジワジワ伸びて最後は逆転。まずまずの内容。ただ、昨春東京戦で4馬身差付けたトゥザグローリーに2馬身半差付けられた。ゲート練習ばかりしていた昨秋のツケが差し引き6馬身半差だ。今年に入って調教が鍛錬になって来た様だが、これに追い付くには1年以上掛かりそう。

ローズキングダム

+2s。これも出来ていた。昨季から重量感が出て来たのは大きい。この血統にしては出脚が有り、中段。折り合って、直線は一瞬は勝ったかの反応だったが、一瞬で終わってしまった。2着は確保したかったところだが、58sでも止まった馬だけに、59sで止まるのは当然といえば当然。前々走東京戦はあくまで繰り上がり。この馬はこれでまずまずなのだろう。

マイネルキッツ

遮眼革。+12s。骨格のしっかりした馬で、見た目には差程気にならないが、腹回りに少し余裕。出脚が付かず、腹括って後方のイン。直線も内からジワジワ来ているが、前とはかなり差が有った。休み明け思えばこれもまずまずの競馬だが、出脚が死んでいたのは少し気になるところ。昨年の様な先行策ならともかく、3200mとはいえ今年の相手で差して来るのは中々難しいと思うのだが。

エーシンジーライン

少しチャカついていたが、この相手でも馬は見劣らず。ビッグウィークがハナへ行く意思を見せていたが、これを制して1000m通過62.7秒のスロー。トゥザグローリーが千切ったにも関わらず、同日3歳500万条件と同じタイムで決まる位の流れに落とせた。6着以下は条件馬か自分の競馬出来ていない馬ばかりとはいえ、掲示板は確保。上手く乗った分も大きいが、レース選択の妙が有った。

ビッグウィーク

シープスキンノーズバンド。-8s。絞れて順当に良化。馬はこれで良いが、今日はテンション高いのが気になった。好発はこの馬主のお家芸。ハナへ行くつもりだった様だが、内から来たエーシンジーラインとの兼ね合いが付かず、引っ掛かってしまった。ミヤビランベリにも早目に来られ、4角では既に一杯。全く競馬にならず。距離延びてこれではとも思うが、能力で負けていないだけに、負け方としては馬券上面白い負け方。穴党なら次走狙う手も。

被災地支援競走 第58回毎日杯(GⅢ)

レッドデイヴィス

+6s。馬体の見た目は変わらずも、前走京都戦を思えば落ち着いていた。好発切って好位のイン。去勢される位だから楽に折り合い付く馬ではないが、内枠で前が壁に出来たのは大きかった様。内でしっかり脚を矯めて、直線もアッサリ抜け出した。この辺りの利は大きいにせよ、唯一の57sでも有り、比べ馬としては完勝。次走京都戦以降は使うところがない為、古馬相手になるそうだが、今年は3歳牡馬のレベルが低い印象は有る。強力4歳世代を思うと全く歯が立たない可能性は高い。

コティリオン

コンパクトに纏まった造りはこの馬の特徴。意外にゲート出たが、出脚が無く中段やや後方から。ただ、道中は首を上げて折り合いを欠く場面。直線迄内に居たが、その直線で上手く捌いて内から5頭分程外から。土曜日は外差し目立ったが、今日は何故か内優勢。コースロス乗れた分の2着。今年の3歳牡馬戦線は重賞2勝以上した馬がサダムパテック,レッドデイヴィス,そしてグランプリボス以外に居らず、ほぼ勝ったり負けたりの日替わり定食状態。直線右手前のままだった割には伸びているという見方も有るのだが、それでも4番手グループの一角だろう。

トーセンレーヴ

2人曳き。馬体が見栄えしないのは血統としても、少しイラついていた。位置取りよりは折り合い重視だった様だが、馬が行きたがって3角で好位。それでも4角先頭で格好は造ったが、道中ロスが有った分だけ終いが甘くなった。次走変わる余地は有るのだが、アテに出来ないディープインパクト産駒の域は出ておらず。

エチゴイチエ

-4s。馬体には迫力有るが、まだ少し太い。スタート直後に乗り役の腰が落ちて出脚が鈍ったが、出して好位。その分だけ行きたがったのだが、内で何とか我慢させてジワジワとは伸びた。前を捕まえる雰囲気は無かったが、アストロロジーよりは強いといえそう。1戦1勝の馬としては上出来。500万は勝てる。

アストロロジー

寸の詰まった造りで、メリハリは利いていた。出脚速く、スッと好位。少し引っ張る場面は有ったが、他馬も似た様なモノ。4角でトーセンレーヴの直後。立ち回りとしては悪くなかったが、追ってもう一つ。未勝利上がりとしては悪くない内容としても、前述した様にエチゴイチエとは差。500万でも微妙。

スマートロビン

2人曳き。相変わらず垢抜けた馬体。落ち着きも有り、下見は問題無い。また出遅れ。早目に外へ持ち出して、積極的に動いて行ったが、直線は全く伸びず。ゲートは仕方が無いにしても、外回りで競馬にならなかったのは意外。先々走って来る筈だが、暫くは見送り。

グローバルスプリントチャレンジ 第41回高松宮記念(GⅠ)

キンシャサノキセキ

-10s。前走中山戦からオーストラリアンブリンカー。その前走が太目残りで、絞ってメイチの仕上げ。今日はゲート五分。好位で流れに乗れた。ダッシャーゴーゴーが3角手前で内に切れ込み、この煽りを受けたジョーカプチーノと接触、これで少しリズムを崩したが、立て直して直線前を行くダッシャーゴーゴーをアッサリ捕まえた。ジョーカプチーノに不利が無かった場合にどうかだが、一応は完勝。これで引退だそうだが、キングカメハメハやクロフネが示す様に、パワーの有る馬は産駒の出来が安定する傾向。競走馬の現役が長くなるのに反比例して、種牡馬の寿命が短くなりつつ有る昨今だが、この点でも優位な存在。

サンカルロ

何故か舌がハミを越していたが、馬は前走と変わらず。引き続き上々。ゲートも少し悪かったが、外から来られて後方に近い位置から。ウエスタンビーナスが3角で故障したのは、悲しいかな不利の多いこの馬らしいところだが、バラけた内から良く伸びてメンバー中最速の上がりで2着浮上。正直、4角ではほぼ絶望的な位置と思えただけに、最後の脚はかなり光っていた。ただ今日は承知の通り、人気2頭に不利。今後も2着なら何とかなるだろうが、位置取りの問題が有り、このままでは1200mで勝ち切るのは難しい。

アーバニティ

-6s。これも馬体絞ってメイチの仕上げ。ゲートは出ているが、外から次々に来られた事も有り、中段から。ウエスタンビーナスの故障は関係無く、上手い立ち回りが出来た。直線も良く伸びているが、サンカルロの決め手が優っていた。同じ位置ならまだしも、サンカルロに対して4角で2馬身以上有りながらやられたのは頂けない。器用さは有る馬だが、能力面でGⅠ級とはいえず。

ビービーガルダン

前走思えばマシだが、良い時の重量感に欠ける。以前思えば出脚で苦しく、しかもダッシャーゴーゴーが内へ切れ込んで中段迄控えざるを得ない格好。ヘッドライナー相手では仕方が無いにせよ、ダッシャーゴーゴーにも出脚で負けた。そこで例の不利が有り、中段迄下がる場面。ジョーカプチーノと違って余計な抵抗はしておらず、リズムを崩していなかった分だけ競馬になったが、1200mではスピード不足が明白に。

レッドスパーダ

-6s。何時も良く見せる馬だが、今日も無駄肉の一切無い造り。枠の利も有るが、好発と出脚で好位。ダッシャーゴーゴーを起点とするアクシデントも然程関係無く、上手く流れに乗ったが、坂を上がる脚が無く、上位馬には突き放された。これは前走中山戦と全く同じ結果。距離というより、中山や阪神が向かない。

ショウナンアルバ

下見は何時も落ち着いている。ただ、ここへ入ると馬体の迫力で分が悪い印象も。アオりながら出て、出脚付かず後方から。折り合い意識して急かさず、ひたすら内を回った分、ウエスタンビーナスの故障の影響も受けずに来れたが、坂下でサンカルロと同じ位置に居ながらそこからの脚が全く違っていた。この馬自身、もう少し競馬が上手くなればという部分は有るが、それ以前に上位馬とは瞬発力で見劣る。

エーシンフォワード

2人曳き。少し緩い印象も有ったが、休み明け思えばまずまず。出負けして中段やや後方から。これも4角回った段階ではサンカルロと似た様な位置に居たが、追って案外。ウエスタンビーナスが故障した影響も多少有った様だが、デキそのものがもう一つだった様。

ジョーカプチーノ

2人曳き。-6s。まだ腹回りが少しボテッと映った。気配には文句無いが、満点はやれぬ。今日はゲート五分。ダッシャーゴーゴーから内に切れ込んでの不利をマトモに受けた格好。直線は馬が諦めていた。ビービーガルダンが上手く引いただけに、もう少し上手く出来た気もしないでもないのだが、あれを引くとダッシャーゴーゴーを楽に勝たせてしまう。その辺りの意地が悪い方に出た印象も。

ダッシャーゴーゴー

+4s。前走中山戦でも太かった。叩いた分締まった印象は有るのだが、今日も太い。トモの送りにも硬さが。ゲートが若干悪く、焦った乗り役が急かしたところ引っ掛かってしまい、予定外の先行策。そこでコースロス無く回したい乗り役が3角で内へ切れ込み降着となったのだが、ここでジョーカプチーノと接触している為、余計に引っ掛かってしまった。勿体無い競馬に。

ワンカラット

-14s。前走が太かった。ただ、急激に絞った影響なのか、歩様が硬目。ダッシャーゴーゴーが強引に行ってくれて、これに乗る形で好位。外枠分は有るにせよ、絶好の展開だった筈だが、4角でズルズル。デキに原因求める外無くて。

第25回フラワーカップ(GⅢ)

トレンドハンター

2人曳き。+8s。前走は少し緩く映ったが、馬体増えたにも関わらず張りが有った。見栄えだけなら世代トップ。ゲートは出たが、道中集中して走れておらず、自然と下がって後方から。3角から外へ持ち出し、ハブルバブルの後を追う形で著癖の大外からアッサリ突き抜けた。坂を上がって遊んでおり、着差以上の楽勝。松田博資厩舎はレーヴディソールという大看板が故障したが、代用品としての働きは期待出来そう。ただ、手先に硬さが。一応次走本命に推すが、中1週という事も有り状態面には注意。

ハブルバブル

2人曳き。連闘で-8s。この時期の3歳牝馬が馬体減るのは常に宜しくない傾向。ゲート手前で尻跳ねする場面も有ったが、今日もスタートが少し悪く、半馬身後手。ただ、前走で急かして失敗しており、今日は折り合いに専念させて何とか我慢が利いていた。トレンドハンターには叶わなかったものの、外からしっかり足を伸ばして2着は確保。今回は連闘なので、阪神戦使うかどうかは微妙だが、これも3番手グループの一角というレベルは有りそう。ただ、トレンドハンターに並ぶ間も無くやられ、そこから盛り返している辺り、ジワジワ脚を使うタイプ。マイルは向かない気も。

マヒナ

-18s。数字程ではないが、確かに細い。ただ、イラついた様な雰囲気はなく、間違いなく気配は良かった。ゲートで負けた訳ではないのだが、行き馬が無く3角では後方から。これも大外へ持ち出しての競馬。上位2頭とは脚勢が違ったが、最後の最後で3着に浮上。今日は相手が強過ぎた感。馬体減も今後に向けて悪材料。

マイネイサベル

馬体はもう少し増えた方が良い。歩様にも硬さが有った。出たなりで内の出方を窺いながら中段。3角手前から行きたがった馬に任せて好位。一旦は先頭の場面だったが、坂を上がる脚で甘くなった。結果的に前を深追いし過ぎた印象。外枠も仇になったが、決め手が有る方でもなく、乗り難しさが有る。

ライブインベガス

数字の無い馬だが、丸みは有る。まずまず。ゲートが少し悪く、後方から。最初から内に入れて、直線もインから。ただ、スムーズには捌けず、前の馬に乗り掛かって躓く場面も有ったが、諦めずにここ迄伸びて来た。前走東京戦も人気薄だったが、中々能力高い。500万も使える馬だが、重賞でも通用。

アフロディーテ

-8s。明らかに細い。歩様の硬さも目立った。向正面では好位に居たが、3角から下がり出して後方に。直線もサッパリだった。まずは馬体回復せぬ事には。

第60回スプリングステークス(GⅡ)

オルフェーヴル

2人曳き。-6s。毛ヅヤ冴えずも、落ち着いていたのが何より。前走京都戦同様、この馬にしてはゲート出て中段やや後方。折り合いは怪しいが、その前走を思えばかなりマシ。乗り役も自信が有ったのだろう、3角から外へ持ち出し、4角から進出させる強気の競馬。少し内にモタれたが、抜け出す脚は中々速い。少なくとも前走の反省は活かした。ただ、また馬体減。状態面には疑問も有るが。

ベルシャザール

2人曳き。-12s。前走東京戦が太かった。中々雄大な馬体。これも落ち着いていた。少し出して好位。出した分だけ行きたがっていたが、直ぐに折り合いは付いた。直線向いて馬群を捌いた時にはオルフェーヴルの勢いが優っており、今日はこの差だが、そこからは渋太かった。一瞬の決め手には欠くが、ジワジワ脚を使うタイプ。今日は絞れていたのも大きかった様。

ステラロッサ

-6s。腹回りがボテッと映った。まだ太い? ゲートが少し悪く、この枠でも有り後方から。過去には行きたがる事も有った馬だが、今日はスムーズ。オルフェーヴルを追う形での進出は流石に回り脚に差が有ったが、長く脚を使い、最後にグランプリボスを捉えて、権利は確保。デビュー当時から言われていた事だが、広いコース向き。次走東京に替わるのはプラス。

グランプリボス

2人曳き。+6s。馬は出来ていたが、少しテンション高目。好発。好位で我慢させようとしていたが、スタート直後から行きたがっていた。前に壁が無かった影響も大きかっただろう。待ち切れずに4角先頭。それでも一瞬は押し切るかの場面だったが、坂を上がる脚で甘くなった。逆に言えば底力を見せた4着。ただ、次走の東京マイルは以前程ハイペースにならない傾向。枠順でまた結果は変わるのだろうが、課題は残った。

エイシンオスマン

毛ヅヤが良くて、デキは中々。ただ、馬体そのものは少し未完成感が残る。好発切って好位のイン。外から次々に来た事も有り、位置取りとしては少し悪くなったが、インから脚を伸ばして入着。初距離思えば悪くない競馬だが、着差もかなり有った。上位馬とは能力差相当。

ダブルオーセブン

少しトモの甘い歩様は前走東京戦同様。後方からの競馬は予定通りだが、前走がそうだった様に、勝負どころで行き馬が無くて置かれる場面。この点は乗り役のミスとしても、今日はそこからが伸びていない。デキ?

リベルタス

この中間は少し攻め馬が手緩い印象も有ったが、見た目には影響感じさせず。一完歩目で躓いたが、上手く立て直して中段。外々回された分は有るのだが、オルフェーヴルには並ぶ間も無くやられてしまった。これも良く分からない負け方。デキに原因求める外無くて。

リフトザウイングス

-8s。馬体はスカッと見せてこれはこれ。気配も悪くなかった。出脚が鈍かった割に、行きたがりそうになっており、ならばと後方のイン。上手く乗られた様に思うのだが、いざ追ってからが案外。新馬戦も人気になりながらサッパリだったが、どうも難しい。