Sakura Archives

競馬回顧 2011年1回阪神・2回中山

第45回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

フレンチカクタス

2人曳き。戦前述べた様に重厚感の有る造り。この相手なら見た目は断然。潜りながら出て結果的に好発。ただ出脚が付かず、道中は中段やや後方から。直線は馬場の中程へ持ち出し、抜け出して一瞬フワッとして内にモタれた以外は中々力強い勝ち振りだった。ただ、日曜午後からの降雨で外が伸びる馬場状態になっており、今日はこの点も向いた。前走東京戦でホエールキャプチャにも完敗しており...。

スピードリッパー

-6s。少し細く映った。決して良い様には見えぬ。この枠でも有り、脚を矯める競馬がしたかった様だが、少し掛かって中段。ただ、直ぐに折り合いは付いた。前述した様に今日は外回って正解の馬場状態で、この位置でロス無く立ち回れた格好。一旦は抜け出したが、更に外からフレンチカクタス。前走中山戦から能力的には差無い筈だが、現状のデキの差が出た印象。中山戦狙いだった馬がこの騒動で西下する羽目になり、今日の馬体減。状態面が今後の課題に。

エーシンハーバー

2人曳き。前走京都戦も少しチャカついていたが、今日も煩い。馬体はコジーン産駒らしい纏まりが有るが。行く気無く自然と下げて後方からの競馬も、3角迄はクビを上下にして折り合いを欠いた。直線迄我慢させてフレンチカクタスの直後。ただ、そのフレンチカクタスが内にモタれて立て直す場面が有ったのが痛い。あれが無ければ2着迄有った。折り合い面が次走どう出るかだが、能力は相当。次走も連下級の評価は必要。

ドナウブルー

もっとイレ込むかと思っていたが、意外に落ち着いていた。馬体もこの馬なり。例に依って後方から。4角から外を動いて行く策も予定通りだっただろうが、オーシャンフリートの何度か弾かれる場面。幾ら外が利く馬場とはいえ、如何せん外過ぎた。戦前の状態面に対する懸念は問題無かったのだが、追い込み馬の辛さが出た格好。

ラテアート

数字が無く、実際小じんまりとした馬だが、キビキビ歩いていた点には好感。また出遅れ。ただ、前走東京戦は掛かっていたが、今日は折り合っていた。ドナウブルーとは違い、コーナーで動かず直線勝負。そのドナウブルーとの併せ馬では見劣ってしまい、能力差は有ろうが、距離はこれ位の方が良さそう。

フォーエバーマーク

トモにボリューム感が有り、この相手なら馬振り上位。若干出脚が怪しかったが、スンナリ好位。結果的にオーバーペースだったという事にはなるのだが、それでも前に居た馬は捕まえて一旦は先頭の場面。力は見せている。前が残る馬場なら次走狙い目に。

ツルマルワンピース

-10kg。腹が巻き気味。歩様にも硬さが有った。序盤から行き振りが悪く、4角で後方に近い位置。それでも直線は一瞬反応し掛かったのだが、坂を上る脚が無い。馬体減も相当応えている様。

第59回阪神大賞典(GⅡ)

ナムラクレセント

何度も述べている様に、歩様に力強さが出て本格化。今日は少し煩い印象も有ったが。積極的に乗られて2番手。掛かりそうになっていたが、コスモラピュタが飛ばし、乗り役も自信有ったのだろう、何とか宥めていた。バラけた2番手は当然後続の目標にされるのだが、これらを振り切り直線は独走。初重賞制覇はオイデオイデの楽勝となった。下見の通り本格化しており、この相手なら力が上。ただ前走で示す通り、一線級4歳勢には歯が立たないのも確か。次走はあくまで3連単のトリ止まり。

コスモメドウ

馬は例に依って目立たないが、毛ヅヤが良いのは何より。この距離でも出脚が速い方ではないのだが、コスモラピュタとナムラクレセントが行って、枠の利も有り3番手から。終始ナムラクレセントを見ながら運び、2周目4角でも付いて行ったが、直線は突き放されて2着確保がやっと。別定戦でこの相手となるとやはり壁が有った様だが、以前述べた様にこの馬は乗り易さが最大の武器。GⅠでフルゲートとなり、内枠引く様だと一概には。

モンテクリスエス

+10s。この数字では少し太く映る。ゲートも少し悪かったが、前走東京戦で噛む場面が有り、馬の気に任せて最後方から。これでゆったり走れていた。直線だけ外へ持ち出し、良く伸びて3着。何度も述べている様に、この形は次走に繋がらないのだが、力は示した競馬。まあ、だからこそ一番チャンスの有った東京戦を落としたのは勿体無いという事になるのだが。

コスモラピュタ

-10kg。細い印象は無いが、少し気合が乗り過ぎていた。完歩の小さい歩様もマイナス。戦前の予想通りにハナ。昨秋京都戦より1秒速いペースで飛ばし、丹内騎手は中々絶妙のペース。ラスト1000mで突き放す作戦を描いていた様だが、2番手がメンバー中一番強いナムラクレセントだったのはこの馬にとって不幸だった。ただ、前述京都戦同様、バタッとは止まっておらず、と同時にゲートと出脚が速いので確実に自分の競馬が出来る。決め手勝負になると前走京都戦のパターンも有り、今後も大逃げ打つ形が続きそう。

メイショウドンタク

-6s。相変わらず馬は良く見せる。気配も上々。もう少し行ける馬だが、今日は無理せず中段から。折り合いは付いていた。直線迄内でジッとして、実質競馬が終わった後ながら馬群を割る形でここ迄。近走は真剣に走っていなかったという話も有り、今日は真面目に走った事だけでも収穫。デキは良いのでこれがキッカケになれば。

ゲシュタルト

馬体に張りが無い。歩様にも力強さが無く、再びデキ落ちムードも。少し出して4番手から。少し頭が高いながら道中の折り合いは付いていたが、その割に追って案外だった。距離も少し長い印象有るのだが、デキの無さが一番だろう。

オウケンブルースリ

2人曳き。-10s。チャカついていたが、この馬の場合はこれで良しと出来る。絞れたのも良かった筈だが。出遅れて後方から。折り合いは関係の無い馬で、むしろ掛かる位の行き振りの方が良い筈だが、今日も折り合っており、2周目3角から動く意思は見せていても行き振りが悪い。直線も大して伸びず。下見からは復調ムードも有るが、これでは...。

キタサンアミーゴ

地味なのは確かだが、特に減点材料も無く。前走東京戦と違い、今日は後方から。その前走思えばまだ折り合い付いていた様に思えたが、いざ追ってからが甘い。相手関係も有るが、距離も長い。

第59回トヨタ賞中京記念(GⅢ)

ナリタクリスタル

前走がサッパリだったが、見た目は悪くなかった。今日も変わらず。外枠の馬に先行されたが、オッツケて中段。この時点では苦しい印象も有ったが、外枠の馬が先行しているので、道悪にしては前が速くなり、3角過ぎからバラけたところを進出。4角でシャドウゲイトを射程圏に捉えた時には勝ちが決まっていた。毎度述べている様に、抜け出してソラを遣う癖が有り、今日も決勝線手前で急ブレーキが掛かっていたが、後続も差して来ず。小倉の荒れ馬場は得意。元々は田中健騎手がテン乗りとなる予定だったが、1週延期となり、乗り慣れた武豊騎手が確保出来たのも大きかった筈。

シャドウゲイト

-6kg。500s切った方がスッキリとは見せる。今日もゲートが若干悪いのだが、チョウカイファイトが先行し、これに付いて行く形で2番手。4角の手応えがかなり怪しかったが、この馬場状態で久々の粘り腰。ただ、道悪も斤量も一つだけなら問題無くとも、二つ同時ではやや苦しい印象も。年齢も有って出脚も鈍っており、先行するのに出ムチを使っていたのはこの馬にとって初めての光景。延期で4枠8番が大外枠に替わったのだが、センター枠だったら先行出来たかどうか、それすら怪しかった。

アンノルーチェ

硬いのは何時もの事。本来は先行する馬だが、ゲートが少し悪く、中段から。丁度目の前にナリタクリスタルが居て、これに付いて行く形が出来た。同斤でナリタクリスタル相手では流石に厳しかったが、それでも3着は確保。京都の不良馬場で勝ち鞍有るとはいえ、あまり道悪の上手いイメージは無かったのだが、実績通り小倉が合うのだろう。回り脚が速いタイプ。

シンメイフジ

-10kg。少し細く映った。今季は成長分が有り、前走大井戦が現状の適正体重なのだろう。ゲート出て内枠、ならばと積極的に好位から。4角迄は内にに居て、直線だけ外へ。意外に最後迄しっかり走っていた。昨春東京戦はノメっていたが、ダートで交流重賞勝ちが有り、本来力の要る馬場は不得手ではない。

サンライズマックス

今季は好調。前走後ろから行き過ぎて失敗しており、今日は中段から。コースロスは有ったが、その分馬場の良い位置を通れていた筈。4角でアンノルーチェの直後。ただ、ここからアンノルーチェに突き放されてしまった。やはり道悪は良くない。

ラフォルジュルネ

数字の割には大きく見せる。連勝馬らしい状態。出脚は有る馬だが、外枠勢が先行した事も有り、中段から。3角迄は雰囲気悪くなかったが、早目にナリタクリスタルが動いたのに対し、こちらはそこからの手応えが無かった。馬場が応えた?

第25回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

ヘニーハウンド

キッチリ出来ていた。毛ヅヤが若干怪しいのだが、骨格のしっかりした馬で、馬体そのものはここでも最上位。ゲートが少し悪く後方から。ただ、外枠という事も有り、徐々に番手を上げ、積極的に乗られて4角で中段。ここ迄距離損はかなり有った筈だが、追っての反応も軽快。ただ、後述する様にテイエムオオタカとアフォードがやり合った利も相当。最後は脚が上がっており、東京戦はあくまで連下程度に留めたい。

スギノエンデバー

2人曳き。チャカついていたが、これでもこの馬とすればマシな方。馬体そのものは丸みが有って悪くない。戦前は逃げるかと思ったのだが、ゲートが少し悪かった上に、出脚でもやられて控える形に。4角でも内が開く気配が無く、直線は外へ。不利無く捌いてはいるが、ヘニーハウンドの後追いでは一手遅い。1200mでモタれず差す競馬が出来たのは収穫。

テイエムオオタカ

この位の数字で現状丁度。バランスの取れた造り。ゲートも少し後手踏んだが、この距離で出脚が怪しく、オッツケ通し。3角手前でアフォードが掛かり、これに抵抗して更に競馬が強引になっていた。それでも一旦は抜け出す場面。坂を上がって流石に苦しくなったが、間違い無く一番強い競馬をしている。前走の相手が意外に強かった可能性も有るが、それよりも集中して走れる1200mが合っている様。

ロビンフット

-8s。シープスキンノーズバンド。元々馬は目立っていたが、絞れて更に良化。ゲートは五分に出たが、出脚が無く置かれてしまい、3角では既に最後方。ただ今日は前崩れの展開が向いた。この形では勝ち切る迄が遠い印象も有るのだが、短距離で差す競馬は合っている。

マジカルポケット

変わらずまずまず。完歩の小さい歩様も毎度。出脚は負けていなかったが、無理せず好位。ただ、外からテイエムオオタカやアフォードが来て、前の馬が控えてしまい、4角での位置取りがかなり悪くなってしまった。この影響で3角から少し馬も行きたがっており、その中での5着は悪くない結果。次走も1200mなら狙い目に。

アフォード

下見は落ち着いていたが、まだ太い。スタート直後はまだ良かったが、3角手前でガツンと掛かる場面。4角では折り合っていたというより既に手応えが怪しくなっていた。直線は下がる一方。今後は経験で変わって来そうだが、戦前の不安がモロに的中した格好に。ただ、この距離の重賞でも掛かるという事はスピードの証明。1番人気に推されただけの能力は有る。

第48回報知杯弥生賞(GⅡ)

サダムパテック

+10s。太く見せるのはフジキセキ産駒に有り勝ちな傾向。歩様は元々力強かったが、2歳時よりは良い。ゲートはこの馬にしては出ているが、両サイドから挟まれる格好に。ただ、今日は頭数少なかったのが幸い。立て直て好位に付けるスペースが有った。4角で少し追い出しを我慢した際に包まれたのだが、直線向いてからの決め手が違っていた。着差は僅かだが、坂を上った段階で決着付けていて、フワッとした分が有る。戦前述べた様に、能力が一枚上。ただ、少頭数で捌くのに労を要していない分も有り、中山のフルゲートでどうか。例年弥生賞制した馬は皐月賞で消えるのが基本パターンだが、この馬も例外ではないと見たが。

プレイ

今日は落ち着いていた。一歩一歩が力強く、増減無しでも馬が良くなっている。出脚は有っても中々ハナへ行かない馬だが、ターゲットマシンが行きたがっており、喧嘩避けて3番手から。ただ今日は勿論これで正解。やり合う2頭を見ながらスムーズな追走が出来た。直線もサダムパテックとの併せ馬で渋太く食い下がっていた。前へ行ける馬は常に有利。再度中山で次走一発注。

デボネア

変わらず馬振り上々だが、トモの造りは前走の方が良かった気も。ゲート五分に出て、中段のイン。乗り役に言わせると少し噛む場面が有ったとの話だが、見た目はそこ迄ではなく、スローで馬群密集した分、4角でもかなりコース利得ていた。差は僅かだが、今日の展開で勝てないのは頂けない。スローの瞬発力勝負が向かない面が有るとしても、この内容では評価が下がる。

ショウナンマイティ

-10s。馬体絞って漸くメリハリの利いた雰囲気になって来た。これなら。ゲートは元々悪く、そのまま最後方から。1角で折り合ってからはスムーズだったが、4角の手応えが悪く、苦し紛れに直線は大外へ。ただ、舌を出していたにせよ、逆に直線向いてからは重心の低い走法で脚は目立った。回り脚が無い?

アッパーイースト

2人曳き。シープスキンノーズバンド。馬振りの良さはマンハッタンカフェ産駒だが、まだ緩い。ゲート出た事も有り、プレイを制してハナ。ただ、1角過ぎにターゲットマシンが暴走して2頭並走の格好。ターゲットマシンが行き切ってくれればまだ良かったが、中途半端にこの位置で折り合っており、余計に苦しい展開になった。権利取れなかったのは痛いのだが、馬は良く頑張っている。500万も使える馬だが、重賞勝てる器。

ギュスターヴクライ

父母共歩様の硬いイメージの馬だが、意外に悪くない。馬は未完成感残る造りだが。枠も有るのだが、乗り役が急かしても出脚が鈍く中段から。その分逆に折り合いは付いていた。ずっと外回されており、ショウナンマイティには差されたが、僅差の競馬。能力面だけなら2着馬辺り迄とも五分の評価は出来る。この血統にして乗り易さが有り、走法に問題が無い。これだけの事が案外大きい。今秋GⅠ勝つ場面有って不思議無し。

オールアズワン

下見は落ち着いていた。前走阪神戦より雰囲気は良い。スタート直後にヨレて出脚が鈍り後方から。ただ、向正面で引っ掛かり、3角過ぎに4番手。今日は競馬にならず。元々行きたがる馬だが、今日は今迄で一番酷かった。ゲートに失敗した影響も大きいとは思うのだが、課題は残る。

ターゲットマシン

2人曳き。下見は何とか堪えていたが...。トモにボリューム感が有り、馬振りはディープインパクト産駒の中でも上位。枠入り不良。発送時刻2分遅延。行きたがったのをそのまま行かせて2頭並走のハナ。道中のペース自体は速くなかったが、力んで行っており、直線向いてからは乗り役が諦めてほぼ追っていない。従って着差よりは負けておらず、逆に言えば能力示したともいえる。ただ、ゲート入り梃子摺って発走調教再審査。鍛錬で良い方に出ないのはペルーサが示した通り。

第6回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

ダッシャーゴーゴー

+14s。明らかに太目だが、張りの無かった前走京都戦よりは遥かに良い。歩様に硬さが無いのも何より。出たなりで中段やや前。馬群の切れ目で最初から外へ持ち出す策。決して自信が有ったとは思えないのだが、58s背負って早目に動きたいのと、何より昨秋の件も有っただろう。それでも直線は力強く伸びた。着差こそ僅かだが、完勝といえる内容。スプリント戦ではトップクラスの実力を改めて示した格好だが、今日は太目。つまりは反動案ずるパターンでも有り。

キンシャサノキセキ

オーストラリアンブリンカー。前走阪神戦と変わらずは太いという事になるのだが、馬振りは断然。また出遅れて後方から。老いても未だ行き振りの良過ぎる馬だが、今日はこれが良い方に出た。4角手前でスカイノダンが外に居て邪魔になり掛かっていたところを捌いていなければ馬券圏内無かっただろう。直線向いた段階では前から5馬身圏内に居り、ここ迄と直線の伸びを考慮すれば相当長く良い脚を使っている。それが59s背負ってのモノだから他馬とは一枚能力が違う印象。ゲートに不安は有るのだが、次走は当然中心に。

レッドスパーダ

-10s。絞れたのは狙い通りだろう。少しテンション高いが、スプリント戦なら問題無しと出来る範囲。ゲートは五分だったが、少し出して2番手。4角の手応えでは勝ったかの手応えだったが、追ってダッシャーゴーゴーの決め手に屈し、最後の最後にキンシャサノキセキ。今日の展開で勝てない様では余程相手が軽くならない限りは1200mで勝つ場面は無いだろう。阪神へは向かわない様だが、賢明な判断。

セイコーライコウ

もう一絞り有って良いが、キビキビ歩いていて、気配は良かった。枠の利も有り、ジワッと好位のイン。内は開かなかったが、4角で外へ持ち出したダッシャーゴーゴーの後を追う格好。したがって不利の無い競馬は出来ているが、追ってもう少し。前走京都戦は同じ4着でも好内容といえたが、今日の相手では少し差が有る。

ケイアイアストン

好発。出脚も元々速い馬だが、外回されるのを嫌って好位。その分で前半オーバーペースになっており、坂を上る脚で甘くなったのは止むを得ぬところだろう。サマースプリントシリーズで何処か一つ位勝つ場面が有っても良い。

ショウナンアルバ

+8s。デビュー以来最高体重。500sを超えると太目に映るが、好調期間長い。出遅れたが、出して中段。折り合いは見た目上怪しいが、スプリント戦で前に馬が居る分には余程問題は無い。直線向いて中々前が開かず、坂を上がって漸く前が開いた格好。勿体無い競馬に。

第18回チューリップ賞(GⅢ)

レーヴディソール

+10s。チョイ余裕残し。トライアル思えばこれで丁度。この馬にしてはマシな部類だが、半馬身出遅れて後方から。乗り役に自信が有るので、下手な位置に居ないという事も有るのだが、道中ゆったり走っていたのが印象的。直線だけ大外へ持ち出し、軽く仕掛けただけで、他馬とは推進力が違い過ぎていた。今日は相手も軽いのだが、圧倒的に強い競馬。松田博資厩舎はレース選択でギャンブルしない傾向も有るが、ダービーすら見えて来た。

ライステラス

シープスキンノーズバンド。数字通り出来ていた。輸送して落ち着いていたのも好感。半馬身程好発。外からユースティティアに来られる場面も有ったが、好位の外でスムーズに折り合っての追走。直線向いて追い出し、タガノラブキセキと併せ馬している間にレーヴディソールが次元の違う脚で外を抜けて行った。坂を上ってタガノラブキセキには決着付けたが、能力差が有り過ぎた。この手の2着馬が本番でも2着に残るのは良く有るパターンなのだが、タガノラブキセキに梃子摺っている様ではどうかという気も。

メデタシ

2人曳き。-8s。腹回りはギリギリ。少しテンションも高い。スタート直後に乗り役が腰を落として出脚が鈍ったが、内枠勢が先行して中段のイン。折り合いは怪しいにせよ、コースロス無く立ち回っているが、直線向いて暫く待たされる場面。バラけてからは渋太く伸びて3着確保、権利も取れて悪くない結末だが、結果的にはもう一歩前で競馬するべきだった。逆に言えばライステラスとも五分の評価は出来る。坂を上る脚が速く、阪神向き。トライアルの3着馬は本番で極端な人気薄になるケースが多いのは依然述べた通り。ヒモ穴級の評価は必要。

タガノラブキセキ

+6s。もっと増えても良い位。踏み込みも若干甘い。ゲートはハピシンの方が速かったが、下手に抑えるよりはとハナへ。1000m通過60秒を超えるペースだから当然速くないが、直後に居た前述ハピシンの影がチラついて掛かる場面が有ったのが結果的に痛かった。レーヴディソールは別にして、ライステラスと併せて寸前迄粘っていたのが、最後の最後で甘くなった。何処かでハナ行く競馬を経験しているとまた違ったのかも知れないが...。

ビッグスマイル

毛ヅヤが冴えず。この数字でも腹回りが妙にボテッと映った。ゲートは出ているが、折り合いに専念して後方から。リラックスして走れていたが、4角で前の馬と接触したのか、躓く場面。その分、エンジンの掛かりが遅くなった。坂を上がってからは伸びているが、競馬が終わった後。勿体無い競馬にもなったが、もっと距離が伸びた方が良い。

ケイティーズジェム

皮膚を薄く見せてデキ自体は良さそうだが、ガサの無い牝馬は常に不利。出脚は負けていないが、タガノラブキセキが行き切って好位のイン。折り合いも付いて、直線も決して狭い場面が有った訳ではないが、追って案外。決め手不足。

メーヴェ

少し腹が上がり気味。イラついていたのも宜しくない傾向。ゲート五分に出て中段の外。折り合いは付いていたが、外を回され過ぎた印象も。着順程は負けておらず、自己条件なら。

ユースティティア

相変わらず馬振りは中々。下見でも落ち着いているのだが...。また出遅れ。積極的に乗られて2番手に付けたが、直線はズルズル。まずはゲートを出ない事には。

第85回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ヴィクトワールピサ

数字は増減無しも、緩さが目立った。8割程度の仕上げ。ただ、例に依って歩様のしなやかさが素晴らしい。半馬身出遅れ。スタート直後から少し力んでいた事も有り、そのまま後方から。ただ、この馬の強さにビビッて早目の競馬を志向した馬が多く、結果的に好位グループがゴチャつく展開。ハナなら別だが、結果的にこれで正解だった。3角から徐々に進出して一マクり。中山巧者で知られるキョウエイストームの回り脚が全く通用しておらず、4角で勝ったかの雰囲気。デビュー以来、一番強い競馬だった。見方を変えれば、基本的には2000mの馬なのだろう。2歳時に述べた様に相手関係無く常に本命背負う馬。UAE戦はともかく、秋をどう凌ぐかが課題に。

キャプテントゥーレ

-12s。前走東京戦が太かった。これ位が適体重。芦毛の白さが目立って来て、デキ云々が分かり辛いが、悪くはなさそう。躓きながらの発馬だったが、出脚で抜けてハナ。前述した様に好位勢がゴチャつき、行き切って自分の力を出し切れた。ただ、向正面でレッドシューターが早目に動く場面も有り、見た目よりは苦しい展開だから、地力も示した2着。この辺りの相手なら実力上位。

リーチザクラウン

下見は例に依って落ち着いている。馬体も変わらず。これも発馬で軽く躓いて後方から。あくまでギリギリのレベルだが、何とか我慢が利いた。早目に動いたヴィクトワールピサを眺めながら、大外をワンテンポ待ってからの進出。直線もそれなりに伸びているが、2着が欲しかったところ。この形で競馬が出来た事自体は収穫だが、勝ちが無い。やはり中距離でハナへ行く競馬がベストだと思うのだが。

マルカボルト

-12s。絞れたと見て良い。変わらずデキは良いが、トモの甘さも相変わらず。ゲートでアオッたが、出脚で好位。ラチ沿いだったのでまだマシだったのだろうが、好位がゴチャついて、意外にキツい競馬を強いられた。上位馬は皆GⅠ好走馬でも有り、現状の実力からすれば4角で妙に手応えが悪かったのも止む無しか。重賞で勝ち負け持ち込むにはもう一段地力強化が必要。

レッドシューター

少しテンション高いが、中々の馬振り。出脚云々よりも、枠の差で負けて中段。外々回されるのを嫌って向正面で動き、2番手取り付く場面も有ったが、そこ迄だった。今日の相手ではまだ家賃が高い印象。

リルダヴァル

-12s。池江泰郎厩舎、最後の競馬という事でメイチの仕上げ。ただ、今期はデキが無い。ゲート出た事も有り、積極的に乗られて2番手。ペース自体は大して速くないのだが、一番ゴチャつく位置で出入りの激しい競馬になった。直線はほぼ無抵抗。前走小倉戦で触れた様にこの馬自身も近況悪いのだが、スムーズならもう少し走れていても良い。

キョウエイストーム

シープスキンノーズバンド。多少の小走りは前走同様。デキも変わらず。ゲート少し悪かったが、この馬の出脚で好位の外。ただ、向正面でレッドシューターに来られて苦しいところを、4角もヴィクトワールピサが次元の違う回り脚で来て、全く抵抗出来ず。この馬は中山のインで立ち回ってナンボ。今日は外枠が仇。

第55回阪急杯(GⅢ)

サンカルロ

このレースに使えるかどうかが微妙だった馬だが、意外にキッチリ出来ていた。毛ヅヤが何より抜群。出遅れ1馬身半不利も、今日はスタート直後から積極的に乗られて中段。道中ずっと手応えが良く、4角大外を持ったまま。坂下で競馬に決着を付けて最後は抑える余裕。戦前は開幕週の外枠がどうかと思ったが、それ以上に強かった。この馬の1200mは微妙に忙しい分毎度ギャンブルになるのだが、阪神1200mは中京よりは差しが決まる印象も。今年はチャンス。

ガルボ

2人曳き。今日も毛ヅヤは目立つ。前走京都戦で触れた様に、トモにボリューム感が出て本格化。例に依って先行争いを煽っておいて、好位のイン。折り合いは問題無い馬で、今日も直線迄はスムーズに立ち回れたが、その直線で狙ったところが狭くなり、一瞬逡巡する場面。その間にサンカルロが1馬身抜けていた。ただ、元々器用貧乏的部分は有る馬、最初から前が開いていても着差が縮まっただけだろう。前走時で述べた様に、距離を延ばした方がその辺りの器用さは活きる気もするだが。

フラガラッハ

-10s。馬振りには元々定評。まだ絞っても良い位立派な造り。ゲートも少し悪かったが、行く気も無く後方から。3〜4角中間から外を進出し、直線向いた際には中段。今日の馬場ではここ迄だが、中々ダイナミックなフォームで良く伸びている。折り合いが怪しい故に前へ行けない弱みは有るが、初の1400m参戦でも実際陣営も強気で、それなりの結果。東京戦迄待機する様だが、狙いは間違っていない。

スプリングソング

前走京都戦思えば歩様の硬さが大分マシになった。下見は意外に良化急。今日もゲートが微妙に悪い上に、1400mでも出脚が怪しく何とか好位の外。それでも4角の手応えは悪くなかったが、追って伸びずバテずも近況同様。距離は言い訳に出来るが、下見の見た目とは異なり、まだ本当ではない様。

ワンカラット

+26s。テンションも高かったが、数字通り太い。出脚は負けていないが、無理せず好位。これも4角の雰囲気は悪くなかったが、坂下で少し太い場面。最終的には前も開いたが、伸びはジリジリだった。時計には天井有るタイプだが、馬体絞っての変わり身は期待出来る。

ビービーガルダン

遮眼革。少し小じんまりと映ったのと、気配が一息。本来の出脚が無く、中段のイン。道中の手応えが悪いのは包まれる展開で仕方が無いのだが、直線向いても前が開かずで競馬にならず。この展開の割には踏ん張っている印象も有るのだが、1400mで行き切れなかったのは案外感が残る。今季はデキが無い。

コスモセンサー

+10s。前走小倉戦ですら太く映った。デキは良いが。ゲートは出ているが、出脚が鈍く、単騎に持ち込めたのが3角手前。これでは終いが保たない。この出脚なら好位で我慢させるべきだったのだろうが、何れにしても出脚が甘いのは先行馬として致命的。絞って改めて。

第20回アーリントンカップ(GⅢ)

ノーザンリバー

-12s。馬振りで目立つ印象はないが、漸く無駄肉が取れて絞れて来た。ゲート入り少し梃子摺ったが、スムーズに出て中段。この枠でも有り、道中は最低3頭分は外回されていたのだが、4角で好位に取り付き、直線もアッサリ突き抜けた。完勝。馬群の外でも折り合いがスムーズで、競馬に行って注文が付かないタイプ。正直、メンバーレベルに疑問も有るが、問題児の多い今年のメンバーを思えば器用さで台頭の場面も。

キョウエイバサラ

-4kg。特に硬さも無く、下見からは元々ダート専用という雰囲気でもなかったが、腹回りが少しボテッと映る。テイエムオオタカ程ではないが、ゲートで分が良く、スンナリ好位。最内をひたすら通り、直線も最内から。仕掛けての反応が中々機敏で、一旦はハナが出たのだが、外からノーザンリバー。今日はむしろ勝たないと値打ちがない程の展開で、ノーザンリバーにはほぼ無抵抗だったのは頂けない。従って、初芝でも評価下げざるを得ない部分は有るのだが、前走京都戦が連闘。これは一応言い訳になる。

テイエムオオタカ

-10s。前走中山戦がやや太目。しっかり踏めておりデキもまずまず。今日もゲートで半馬身抜けてハナ。道中はマイペース、折り合いも付いていたが、かなり頭の高い走法。今日は枠も馬場も味方しており、これ以上無い勝ちパターンだった筈だが、その割に追ってイマイチ甘い。今日は枠も馬場も味方しており、これ以上無い勝ちパターンだった筈。ゲートが速い割に乗り役が結構押しているのも相変わらず。キョウエイバサラの方が余程楽に行けていた。見た目には集中して走っていない様な印象も有り、何か馬装変えて来た時が狙い目に。

ラトルスネーク

2人曳き。シープスキンノーズバンド。テンション上がり過ぎ。馬振りは中々だが。ゲートをソロッと出し、わざと狭い位置に入れて折り合いに専念。折り合いという意味ではこれで正解だったが、中々前が開かなかったのが痛い。ノーザンリバーが抜けた後を通れていればまだ違ったのだが、ここへ入れず、前をコジ開けたのは丁度坂下。ただ、そこからは1秒違う脚は見せており、能力の一旦は示した。同馬主キンシャサノキセキタイプ。調教技量が試される馬。

スマートロビン

2人曳き。前走中山戦でも述べた様に、スカッと見せてトモに迫力。見栄えだけなら世代上位。今日もゲート後手。この距離で折り合いも問題無く、最内をひたすら回って、何とかなった様に思ったのだが、意外に伸びず。昨年暮れの競馬も狭いところへ入ると競馬を投げる場面が有り、その意味でもハナへ行った方が良さそうだが、ゲートが悪くて...。

ノーブルジュエリー

-8s。3歳牝馬でこの時期の馬体減は大方良くない傾向。少しギスギス感が出て来た。ゲートは少し分が悪い程度だったが、直後に挟まれて最後方迄下がる場面。慣れぬ競馬で少し行きたがっており、今日の展開で大外はキツい。ゲートが悪かったのも少し待たされた影響が有り、気性面で苦しい状況が露呈した格好。馬体細化傾向も有って、一度立て直す様だが、将来的には正解となりそう。