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競馬回顧 2006年4回京都・2回福島

プロキオンステークス(GⅢ)

メイショウバトラー

+10kg。前走の東京戦を思えば良くなっているが、良い時はもっと良く見せていた馬。ただそれよりも、以前の印象と違ってあまりに大人しいのが気になった。出脚良く、積極的に好位へ。4角、馬の間をスパッと割って直線は独走。今日は文句無く強かった。ただ、叩いたサンライズキングが行き切って展開が向いたのと、前に居たのがサンライズキング一頭で、それ程砂を被っていない筈。出脚が有るので、比較的不利は食らい辛い馬だとは思うのだが、万事が万全と迄は。

シーキングザベスト

2人曳き。テンション高いのは何時も通り。ただ、数字がそこ迄無いにせよ、それにしても馬が小さく見える。外枠でゲートも良かったが、内の馬に行かせる形。しかし、3角手前辺り迄行きたがっていて、ここで引いた影響で、4角では先団と離れてしまい、その分が最後詰め切れなかった。今日は力量見せた一戦。ただ、前走の交流重賞もそうだった様に、直線向いてから手前が替わるのが遅い。時計の掛かる馬場も向かずと、一癖二癖有るタイプ。

サンライズキング

多少太く見せるが、冬場はもっと酷い状態で、今日はこれでもマシな部類。歩様にバネが利いていて、気配も上々。1400mでは行き切れないと思ったが、無理やり押した分ハナへ。外からビッグフリートに絡まれ加減だったが、これは能力差有る相手で大した問題では無かったし、ペース自体もオープンという点を考慮すれば遅い位の流れ。直線粘って3着というよりは、単に上がりが速くて後続が差して来なかっただけといった印象。今日の流れなら接戦の2着で無いと評価は高く出来ない。

シンボリエスケープ

-4kg。これでも一応走れるとは思うが、多少細い嫌い。毛ヅヤ悪くなく、デキ自体は有りそうだが。ゲートでアオッたが、周囲に馬が行ってくれて挟まれる事無く中段。ずっとインに居た利が有ったとはいえ、今日の流れで中段から差して来たから悪くない内容という事になるのだが、今日細い状態で使っただけに、反動を案ずるケース。何とか人気になって欲しいのだが。

ツルマルファイター

多少歩様が硬いのは昔から。まあ、そこ迄悪い訳では無いにせよ、張りももう一つに映る。出脚は有る馬だが、無理せずに中段から。砂を被ると脆い馬で、今日は内枠がどうかと思ったのだが、意外に苦にしていない様に見えた割に追って案外。差せない展開を差しているといえばそうだが、シンボリエスケープに交わされているだけに、不満が残る。砂を被っても平気になった点は進歩を認めて良いが、全盛期の能力は無いと判断するのが妥当。

リミットレスビッド

+4kg。中間攻め馬緩めたそうだが、歩様に柔らか味も有って、悪い印象は無い。出脚がどうかと思っていたが、意外にスムーズで中段から。ただ、4角では既に手応えが怪しく、直線も手前が替わらず伸び切れない。デキは悪くない様に見えただけに、時計面に天井?

ゼンノストライカー

馬体充実していて、気配も悪くない。ゲートは出ているが、芝で置かれて後方。まあ、道中は手応え悪くなかったが、今日の流れで後方を外々回されてはキツい。スタート地点が芝の競馬に課題。

シルヴァーゼット

+10kg。多少余裕残し。造りが緩慢。出脚良く、外からジワッと行けた様に見えたのだが、直線の止まり方があまりに急だった。敗因不明。

サマー2000シリーズ七夕賞(GⅢ)

メイショウカイドウ

時々馬体のボリューム感が消える時が有るのだが、今日は充実して映る。例に依って多少気が悪いのだが、その分鉄砲が利く。荒れ馬場の内枠で乗り方が難しいところだが、行きたがっていた分も有って、無理に抑えず好位へ。4角手前でステッキが入り、ズブさも見せていたのだが、前々走の小倉戦でも死に体から盛り返していて、ここからがこの馬の真骨頂。前半行きたがっていたのも、この馬の場合はデキが良いからこそ。戦前述べた様に当日輸送の無い平坦コースは強い。ただ、次走小倉戦はハンデ59.5kg〜60kgが予想されるのと、荒れ馬場の方が他馬が苦しむ分有利に働く印象。小倉も3週目ではまだ馬場が良いだけに、次走に関しては嫌ってこそと思うのだが。

コンゴウリキシオー

造りは相変わらずしっかりしているが、今日は歩様面で満点をやれない。前走の中京戦より発汗が納まっていたのは良い傾向だが。出脚はそこ迄では無いが、他馬が抑えてくれた事も有って、スンナリとハナへ。ペースだけを言えば前走より0.8秒速いのだが、まだ楽な部類だし、何より単騎で離して逃げられたのが大きい。最後はラチを頼れない逃げ馬の辛さといったところだが、メイショウカイドウ以外は完封していて、今日は一応底力を見せた一戦。前走時に「能力判定不能」と述べたが、GⅡレベルは有る。

グラスボンバー

稀に煩い時が有るのだが、それでも走っているので一応は許容範囲内。造りの良さは目立った。距離を嫌って、というより出脚がサッパリで、中段やや後方。外へ回す余裕が無く、終始インを回って直線も内から。それなりに来てはいるが、前とは1馬身3/4差。前が残る展開、距離も有るだろうが、それ以前に前2頭とは能力差が有りそう。

サザンツイスター

+4kg。少しでも増えたのは良い傾向だが、まだ気持ち細い印象。とはいえ、毛ヅヤは悪くなく、デキ自体は有りそう。出脚の有る馬だが、内の出方を窺いつつ、大外振られるのを嫌って下げる形。2500mの後で、向正面では既に手が動いていた程だが、中々渋太く伸びてここ迄。荒れ馬場といえども、最近は良馬場なら内有利なだけに、外を回されたのは少なからず応えているだろうが、それを差し引いてもハンデ差有るグラスボンバーと五分にやれるかどうかといったところ。あくまでGⅢ連対圏レベル。

ホオキパウェーブ

+10kg。数字は戻った形だが、元々の馬振りが良く、大差は無い。デキに関しては変わらず悪くないだろう。ただ、今日は気負っていた割に、姿勢が高くなかったのは好感が持てる。外が誰も行かずに叩かれなかった事も有るのだが、積極的に押して前へ。後方ママで終わるならまだしも、外を回ったとはいえ、前へ行ってこの敗戦は不甲斐無い。能力はコンゴウリキシオーと五分有る筈だが、フォームが高い様に脚元が怪しいのかも。

トウショウナイト

気配目立たないのは何時も通り。造りも悪くないが、毛ヅヤがイマイチ。ゲートアオり気味だったが、荒れ馬場で馬群がバラけるドサクサを突いて中段。内目突いて、4角では結構良い位置に居たのだが、追ってからが案外。メイショウカイドウを別にすれば、この馬が一番上手く立ち回っているだけに、余計にダラしない印象。今日は距離という言い訳も有るのだが、それが無くてもこれでは...。

タガノマイバッハ

いきなりから上々の見栄えだが、良い時はもっと良く見せていた。トモの張りは悪くないが、もっとボリューム感が欲しい。左後股の踏み込みももう一つ。出脚は甘い様に見えたが、コーナーワークで2番手。ただ、道中で馬場の良いところを選びに行って、4角でメイショウカイドウに内をスクわれたのは宜しくなかった。まあ、それが無くても掲示板有るかどうかレベルだが、何れにしても今日は休み明け。叩いて変わりそうな雰囲気は有るので、次走注目。

コンラッド

手先が軽い割に歩様が伸びないのは何時もの事。ただ、数字程馬を大きく見せないのも何時も通り。成長が無い。ゲート自体は出ているが、1角で外からドンドン来られて結局最後方。ここからは行き振りが無かった。今日は参考外だが、この馬の場合はマトモでも重賞級では無い。

エルカミーノ

今季は歩様がスムーズ。毛ヅヤ、馬体の張りも良く、デキに関しては文句無し。出脚が無くて後方。腹を据えてずっと内を立ち回り、一瞬面白いシーンも有ったが、そこ迄。小回りが向かないにしても、もう少し頑張って欲しかったのだが、次走新潟で改めて。

ラジオNIKKEI賞(GⅠ)

タマモサポート

+6kg。2人曳き。気負ってはいるが、一応は堪えている方。ここへ入れば馬自体も上位。ゲート入り梃子摺る。荒れ馬場の内枠、出方が難しいのだが、好位のインで前に馬を置く形。前が引っ張っていて結構ペースが速かったにせよ、一生懸命走り過ぎている様にも見えたが、3〜4角中間からブッ放し、一気に抜け切って、そのまま押し切った。道悪がどうかと思っていたのだが、問題無い様子。力は抜けているのは戦前に述べた通りで、道悪さえこなせれば圧勝は当然。

ソングオブウインド

スナップの利いた歩様で、最初ダートを使っていたのが理解に苦しむ程。馬体も纏まっていて、好感が持てる。出脚が甘く後方。馬場の悪い内目を最初から避けて、外から進出。ただ、ずっと外へモタれていて、直線も手前が替わらなかったが、それでも2着なのだから能力は上位。ただ、小回り向きでは無いので、この点は注意。

ステラマドレード

-6kg。元々の馬格が無いので、却って細く見えない。出脚は有りそうだったが無理せず中段。荒れ馬場も全く気にせず、ずっとインを立ち回る策。タマモサポートが早目に動いたのを見て、この馬も内から早目に動いて行ったが、最後の最後で甘くなった。軽ハンデの道悪でも有り、能力面は疑問の余地が残るが、内目をスルスル上がって来る辺りはこういう馬場が得意なのだろう。

トウショウシロッコ

-10kg。見た目は細くないが、歩様が硬い。出脚が無くて中段やや後方。この枠で外を回るのは戦前から想定していただろうが、ソングオブウインドが外へフクれて、勝負どころでこれが邪魔になったのが痛い。直線も手前が替わらず、それらを差し引けば今日は良く走っている方。タマモサポートが圧勝出来るメンバー構成だけに、レースレベルには疑問の余地は有るが、準オープンなら。

マイネサンサン

オーストラリアンブリンカー。キビキビ歩けていて、活気が有る。多少細い嫌いは有るが、牝馬だけに許容範囲。出脚が無く最後方。ハイペースで置かれ掛かっている様にも見えたのだが、エンジン掛かってからは良い脚が長く使えている。こういう競馬が軽ハンデを生かす競馬。

アマノトレンディー

イレ込み易い馬だが、今日はこれでも落ち着いている部類。造りは結構目立つ。出脚というより、一完歩目が悪くて後方から。4角行くところが無くて、同じ位置に居たトウショウシロッコ等を行かせてそれから更に外へ。突っ込んで来たのは競馬が終わった後だった。今日は競馬になっていない。次走狙い目。

トップオブツヨシ

多少気負っているが、これは何時も通り。歩様がしっかりしていたし、デキは悪くない。出脚に余裕有ってジワッと好位へ。道中は悪くない様に見えたのだが、追ってからがサッパリ。今日の相手なら能力上位で、敗因は馬場以外に無い。

アサクサゼットキ

数字程大きく見せないのと、歩様が硬い。デキが無さそう。出たなりで乗られていたが、1角でマイネトップレディとピサノバンキッシュにパッチンを食らう形。道悪で余計に応えただろう。一応、今日は参考外だが、思った程デキが無かったし、デビュー当時の印象程はどうか。

サマースプリントシリーズ函館スプリントステークス(GⅢ)

ビーナスライン

歩様にバネも利いていて、デキは悪く無さそうだが、スプリントを走る馬にしては気配が地味。出脚は有る馬だが、外枠で無理せず終いに賭ける形。最後に仕掛けた分も有るのだが、それにしても直線は脚が違っていた。これで函館は5戦4勝だが、結構高いトビをしていて、余程函館が合うのだろう。他場でどうかだが、この馬場で33.9秒の脚を使った馬に対して弱いと言うのは失礼。次走は案外狙い目。

シーイズトウショウ

この馬にしては落ち着いていて気配は良かったが、歩様が硬い。外のギャラントアローに行かれて、何時もよりは位置取り後ろから。追っての決め手が有る馬では無く、向正面では行きたがっていた分も差し引けば、厳しい展開だった筈だが、意外に力強く抜け出して来た。負けはしたが、今日の内容は過去2戦よりも遥かに強い内容。ただ、函館は水が合うのか、下見の落ち着き具合からして違う。次走が函館で無い以上、何処へ行っても危険。

ブルーショットガン

トモの送りも悪くなく、造りも悪くない。好発。出脚も悪くない馬で、最初は有る程度出して行こうとしていたが、途中から諦めて後方待機。直線も多少捌き損ねてしまい、モタついている合間にビーナスラインが外を一気に駆け抜けて行った。ビーナスラインの決め打ちがハマッただけに、この馬の自在策が裏目に出た印象。ただ、それでもここ迄やれている様に、この馬も洋芝巧者。

タニノマティーニ

2人曳き。イレ込んでいるが、これは何時も通り。皮膚を薄く見せてデキは絶好。好発。現役屈指の出脚で、2番手で余裕持っての競馬。最後はスプリントの馬では無い分、瞬発力でやられてしまったが、自分のパターンには持ち込めた。以前にも述べたが、この馬の場合は馬券云々よりも、逃げ馬を潰す展開面のキーホースとして覚えておきたい。

シンボリグラン

遮眼革。例に依って毛ヅヤが悪く見えるが、今日は馬に集中力。出負け。しかも、行きたがって3角では既に3番手。これでは流石に伸びる筈が無いのだが、考えようによってはこの競馬で良く踏ん張っている。気持ちが無いのが今季のデキの無さだが、キッカケさえ掴めば頂点も夢では無い。

マイネルアルビオン

2人曳き。+4kg。緩んだところは無いが、多少重い。前走の中京戦は何故か出脚がサッパリだったが、今日は余裕持って中段から。ただ、元々が競っての勝負根性が身上の馬で、気持ちの無い休み明けは走る筈が無い。まあ、これを叩いてピリッとすれば。

プレシャスカフェ

馬体に張りが有って、文句の無い状態。歩様に関しても悪くない。今日はこの馬なりにゲート出ているが、抑えて後方。直線、外へ出すのに一瞬躊躇した分は有るのだが、それにしても追って案外。下見は文句無いのだが、見限り時。

プリサイスマシーン

+9kg。胴長なので格好良く見えるが、今日は腹回りもう一絞り欲しい様にも映る。ただ、歩様は力強い。好発。好位で流れに乗れていた様にも見えたのだが、その割に追ってからが案外。今日は負け過ぎといえばそうだが、この馬のスプリント適性がこの程度だという話も。今春の中京戦もそうだった様に、スプリントは追っての味が無い。

ギャラントアロー

オーストラリアンブリンカー。-14kgは絞れただけ。この馬にしては歩様に硬さが無く、馬体の張りも維持出来ている。出脚はタニノマティーニの方が余裕有りそうだったが、逃げてナンボの馬だけに果敢にハナへ。ただ、出脚が無い分終始タニノマティーニに絡まれて4角では既にアラアラ。毎回述べている様に、この馬の場合は展開一つ。

宝塚記念(GⅠ)

ディープインパクト

+4kg。2人曳き。前走を100とすれば今回は95程度。前走の方がもう少し研ぎ澄まされた感じが有った様に思える。前走時にも触れたが、デビュー以来最低体重だった前走が一番良く見せていたのがこの馬のミステリアスなところ。また、3歳時と比較して歩様が良くなったのも大きいだろう。意外に触れられていない部分では有るが、これが実戦での消耗度を少しでも少なくする方に利いている。この馬にしてはゲート出ているが、例に依って後方から。普段、3〜4角で動く馬だけに、そこを通る時にはどうしても行きたがるのだが、今日はそんなところも無く、折り合いピタリ。前走程早いタイミングでは無かったにせよ、坂の下りで惰性を付けて動く何時もの競馬で進出し、直線ラスト1F程でバランスオブゲームを捕らえて押し切った。距離は万能でも、他馬が苦しむ分長い方が良い印象。道悪に関しても同じ事が言えるのだが、仏国遠征で出て来る相手は馬場を苦にしないだけに、果たしてどうなのか。

ナリタセンチュリー

2人曳き。歩様が硬いのは何時も通り。ただ、長欠明けを叩き、馬体が締まって毛ヅヤが良化した。ゲート自体は遅い方だったが、上手くインへ潜り込んでコーナーワークで稼いだのと、この馬場にも関わらず多少行きたがっていた分、中段から。ずっと内を立ち回り、4角でもインを突く、京都外回りの教科書的競馬。トニービン産駒らしく、コーナーでズブさを見せるのだが、今日はインを回って誤魔化した分、最後届いた印象。デキが戻って、この馬場で最高の競馬が出来た。以前にも述べた様に、この手の癖馬は下手にリーディング上位の騎手へ頼むよりは乗り慣れた騎手の方が。

バランスオブゲーム

攻め馬バタバタになった事が逆の意味で話題になっていたが、悪くないとはいえ、元々が良く見せるタイプ。気性面も、年齢を経て昔のイメージとは違うのかも知れないが、もっと煩い時の方が走っていた様な気も。大外枠も、誰も行かなかったのと、道悪に自信持っている事も有ってハナへ。前々走の中山記念もそうだったが、差し辛い道悪は現役トップ級に得意だし、こういう馬場は後続が末脚を無くすのを嫌って、意外に動いて来ない。まあ、今日はこの馬が頑張っているというよりは、道悪で他馬が凡走した影響の方が大きいだろう。近走、良馬場時のパフォーマンスは確実に落ちている。

ダイワメジャー

パシュファイヤー。何時も通り2人で曳いてもう1人。馬体は元々目立つ馬だが、歩様が良くなった分、一戦毎の消耗度が少なくなったのが大きい。内枠で出して行ったのだが、出脚が無いのを無理に出した分なのか、前半多少掛かり気味。向正面で折り合い付いてからは自分のパターンだったが、前半ロスしていた影響で終いが甘くなった。距離も有るだろうが、それ以上に内枠だと競馬がし辛い印象。回り云々に関しても、昨夏の新潟戦を思えば競馬にならないという事は無い筈。東京で外枠引いた時が馬券上の狙い目。

カンパニー

今日は馬に集中力。歩様もこの馬としては悪くないが、もう少し馬を大きく見せて欲しい。中段やや後方。これもナリタセンチュリー同様にインへ潜り込んでの競馬。4角でナリタセンチュリーの直後に付け、上手く行ったように思えたが、前半気負っていたのと、ナリタセンチュリーとの比較で道悪への適性が劣った印象。内容そのものは悪くないが、ここを使う羽目になったのも、単に前走の東京戦が消化不良だったからに過ぎないだろう。リズムがこの馬に向いていない。一息入れて秋に改めて。

ハットトリック

+6kg。これでも初っ端の中山戦を思えば良くなっている方なのだが、今季は見た目が軽い。歩様にも伸びが欲しい。今日はゲート五分。出脚は悪くない馬で、出して行って中段。2角で外からコスモバルクが引っ掛かった時にも連られなかったし、折り合いは付いた。4角でズブいのも何時も通りだが、直線は何時もの伸びが無かった。戦前に述べた様に距離は我慢出来る筈で、馬場が敗因。

リンカーン

2人曳き。落ち着いていたのは良い傾向。馬体も、今季は満点やれる程では無いのだが、 それに近付いて来た。普段は掛かる位の行き振りの馬で、道中は悪くなかったが、追ってからがサッパリ。馬場以外に敗因が無い。

マーメイドステークス(GⅢ)

ソリッドプラチナム

しっかり踏めていたのは好感が持てるのだが、あくまで「この数字を思えば...」で、下見からは飛び付き辛い。まあ、そこがステイゴールド産駒の肝なのだろうが。ゲートが甘く、後方から。道中多少行きたがっている様にも見えたが、これは他馬も似た様なモノ。ずっとインに入れる事無く、4角も外へ回し、ラスト数完歩で前を捕らえたところがゴール。昭和のローカルハンデ重賞を髣髴とさせる競馬で、今日はマイネサマンサの自滅に依る展開利と見て良いだろう。京都2000mでは、ブゼンキャンドルやスイープトウショウ等、しばしば見られるパターン。この馬がスイープトウショウ級という事は流石に無い筈で、今日はブゼンキャンドル級の評価に留めておきたい。

サンレイジャスパー

馬に集中力が欲しいのだが、ヤマニンシュクルを別格にすれば、造りは上位。歩様も力強い。出脚が無かったが、枠の利で中段のイン。早目に動いたマイネサマンサを各馬追い掛ける中、インに居た分大事に乗って、直線だけ外へ。差されたのは相手が飛び道具に徹していた分で、最高の競馬でやられたのだから仕方無いだろう。このハナ差に意味は無い。

オリエントチャーム

昨秋にも述べた様に、トモがパンとしたのが大きい。歩様の非力さが無くなった。ジワッと好位。インに居た分仕掛けを我慢出来た方では有るが、今日は前に居たほうがキツい競馬。間際迄粘っていて意外に強い内容。ただ、この馬の場合は自己条件でも甘い。次走、人気になるなら嫌ってみたいが。

マイネサマンサ

相変わらず歩様が硬い。馬体の張りという点でもイマイチ。ただ、普段は散漫な馬なのに、珍しく集中力が有った。ゲートが甘く、好発のマリアヴァレリアに一旦出られてから、掛かり気味にハナへ。ペース自体はそれ程速くなかったが、道中気負い通し。馬が待ち切れずに3角手前からペースが上がってしまい、最後の最後で甘くなった。ゲートが甘いの歩様の分だろうが、道中気負っていたのは歩様だけで無く距離の分も。今日は良く頑張っている方。器用さ身上で強さが解り難い馬だが、底力見せた一戦。

シールビーバック

シープスキンノーズバンド。造り自体はしっかりしているが、トモの送りが硬い。好発。行きたい馬に行かせてそれを眺めながらの競馬。前に居ると厳しい流れでは有ったが、インに居ただけにそこ迄では無かった筈で、不満の残る内容。頭の高い走法で追い比べになると分が悪そう。

マリアヴァレリア

毛ヅヤピカピカで連勝の勢いは伝わってくるが、トモに力が無い。好発。一旦はハナへ立ったが、マイネサマンサが掛かり気味に来て譲る形。ただ、前と離れていても道中行きたがっていたし、マイネサマンサを自力で捕まえに行く形になって苦しくなった。歩様から大した事の無い馬だと判断していたが、今日の競馬が出来るなら本物。トモに力が付けば条件戦はノンストップ。GⅠでも通用の馬。

ヤマニンシュクル

-8kg。前走の東京戦が多少重かっただけに、絞れたモノ。イレ込みも何時も通りといえばそうだが、前走のほうが落ち着いていた。道中は中段やや後方。スムーズに運べていた様に見えたが、4角では手応えに余裕が無く、直線もジリジリと。勝負どころでモタつく癖は、程度の差こそ無い訳では無いのだが、それにしても動けなかった。斤量やコースが敗因では無いと思うのだが...。

ライラプス

2人曳き。例に依って造りは良いが、今日はトモの送りがイマイチ。出脚良く、周りの出方を窺いながら好位。道中気負っているのは何時もの事だし、外を自力で動いた分も有るのだが、それにしても追ってからが甘い。意外に距離が長い?