Sakura Archives

競馬回顧 2006年3回京都・2回東京

ヴィクトリアマイル(GⅠ)

ダンスインザムード

例に依って多少硬さが有るのだが、造り自体は文句無し。一番肝心な気性面も、堪えている様子が見た目に伝わってくれば力を出せる。好発。戦前は、マイネサマンサに出脚で叩かれる展開を懸念していたのだが、この馬が好発切って、マイネサマンサは出負け気味。スタートして1F地点では既にマイネサマンサが前に居たのだが、この馬が自分のポジションを取った後の話で、マイネサマンサはハナへ行かざるを得なくなった。ベストポジションで脚を矯め、4角では逃げ馬の直後。坂下迄待ってから追い出す余裕が有った程。戦前述べた様に、マイルがベストの馬では無いのだが、この展開なら勝って当然だろう。ただ、2年前の東京戦の際にも述べた様に、左回りは内にササる癖が有るので、これだけは頭の片隅に置いておきたい。

エアメサイア

+12kg。意外に太く見せない。毛ヅヤが良くなったし、歩様もこの馬にしては悪くない。武豊騎手、中段でヤマニンシュクルにピタッと併せていたが、恐らく偶然では無く、一頭だけでも可能性の有る馬を潰すつもりだったのだろう。とはいえ、それでも今の馬場で外を回って2着なら強い内容。あくまでダンスインザムードが内で別次元の競馬をしただけ。

ディアデラノビア

+8kg。もう少し歩様が良くなって欲しいのだが、馬の造りは前走の阪神戦とは一変。少なくとも436kgの馬では無くなった。道中は中段。前に壁が無かった割に、何とか宥め切ったが、直線向いて右手前に替わってから暫くフラついていて、2馬身程後方に居たエアメサイアに交わされてしまった。昨春の東京戦でも手前を盛んに替えていて、意外に左回りが良くないのかも。

コスモマーベラス

相変わらず歩様が硬い。馬体ももっと増えてこそ。出脚良く、好位で流れに乗る形。器用さ身上のタイプで、インをピッタリ回って、ダンスインザムードに最内突かせなかったのも意外に大きいだろう。ただ、今の東京が幾らトラックバイアスがキツくでも、GⅠとなると、器用さだけでは複勝圏内迄は。

アグネスラズベリ

皮膚を薄く見せてデキ自体は絶好。ただ、トモが薄く、ここへ入ると馬自体に差が有る。無理せず好位が取れる良い出脚が有って、道中はダンスインザムードと前後する位置。ただ、最内では無かったにせよ、内に居たのは事実だし、4角の反応の悪さを思うと、意外に評価出来ない一戦。条件戦連勝で穴人気していただけに、次走人気になりそうなのだが、これは何処へ出てきても危険。

デアリングハート

2人曳き。今季はデキが有る一頭。今日は仕草に堪えも利いていた。好発。内から来たマイネサマンサに行かせて3〜4番手で控える形。最後は瞬発力の差が出てしまったが、前走の阪神戦はシーイズトウショウと2頭で暴走しただけに、これだけ行儀の良い競馬が出来たのは大きな進歩。まあ、条件上がりのアグネスラズベリに差されたのだから、情けないといえば情けないのだが、これもダンスインザムード同様、折り合い難さえ無ければ2000mの馬という事なのだろう。次走注目。

ヤマニンシュクル

+12kg。歩様に柔らか味が有って、馬に集中力。馬体増も、多少厚ぼったい程度で、極端には太くない。道中は中段。ピタッとエアメサイアにマークされて、一番馬場の悪いところを通らされた。今日はこれが全て。参考外。

ラインクラフト

この中間、食いが悪くて攻め馬緩めたそうだが、造り自体は決して悪くない。ただ、何時もよりテンションが高いのと、歩様が硬い。出負け。出脚が有るので、出して行ったが、引っ掛かったのが痛い。直線はガツンと来るシーンが一度も無かったが、この馬の場合はデキが無い時程引っ掛かる傾向。デキに原因を求める外無い。

ヤマニンアラバスタ

2人曳き。今日も落ち着いている。毛ヅヤが良くなったし、前走の中山戦で気になったトモの送りも、現状維持なら。好発も、出脚が無く後方から。4角も反応悪そうだったし、展開やトラックバイアス以前にマイルは忙しい。

アズマサンダース

2人曳き。今季は好調期間が長い。造りの良さが目立つ。道中は最後方。3角で一瞬掛かったといえばそうだが、それ程でも無かっただけに、今日はサッパリの内容。前述した様に、今季はデキが有って、何処かで一発有ると思っているのだが、ここ迄チャンスを尽く潰してしまっている。ちょっともどかしい。

京王杯スプリングカップ(GⅡ)

オレハマッテルゼ

漸くにして毛ヅヤが良くなって来た。造り自体も前走の中京戦辺りから締まって来て、正月の京都戦を思えばかなりの上積み。好発。そこ迄出脚の良い馬では無いが、ニシノシタンが出負けし、ローエングリンが無理しなかった事も有って、ジワッとハナへ。前半600mが35.2秒と、馬場状態勘案しても遅く、追い出しを我慢する余裕が有った程。ただこれ、評価が難しい。ネガティヴファクターは、展開利と、イン圧倒的有利な馬場状態。ポジティヴファクターは、59kgをこなし、デキが上向いて、スローでも折り合いが付いた点。まあ、ネイティヴハートとテレグノシスがハナ差になってしまう馬場状態なのだから、バイアス有り過ぎる気もしないでも無いのだが、昨年のアサクサデンエンの様に人気が無いなら、一考も。

インセンティブガイ

今日はテンション高過ぎる。馬自体は極端に悪い訳では無いが。ゲート良くなかったが、最初から腹を括って位置取り構わずインへ。折り合い面不安の有る馬が、距離短縮とはいえスローでも折り合えたのは収穫なのだが、インが有利な馬場状態を乗り役が上手く立ち回った印象の方が強い。弱い馬では無いが、少なくとも強くは無い。

テレグノシス

-4kg。今季は毛ヅヤや張りが良く、年齢経る毎にデキが良くなって来た珍しい一頭。ゲートは出ているが、最後方から。最初から外へ出して、手応え良く4角は一番外。例に依って、逆手前になって一瞬内にモタれたが、それでも元に戻してからの伸びは決して悪くなかった。今日はあくまで馬場状態の分。次走当然最有力だが、恐らくは馬場状態がこの馬に味方しないだろう。

ネイティヴハート

2人曳き。遮眼革。シープスキンノーズバンド。前走の中京戦とほぼ同様で、歩様は硬いが、毛ヅヤが良い。好発。近走、ズブくなっている印象が有ったのだが、1400mのスローとなると流石にペースが合わず、折り合いを欠いて定位置の後方から。そのまま内を立ち回り、結果テレグノシスとハナ差だが、この馬が強くなったというよりは、単にそれだけ馬場差が有ると見たい。

グレイトジャーニー

まだ甘い部類では有るのだが、歩様もマシになって来たし、何より今季はデキが有る。道中はインに居て、3〜4角中間ではインセンティブガイと同じ位置だったが、4角で反応が悪かったのか、置かれた分が最後もそのまま詰まらなかった。もうちょっとユッタリした距離の方が。

シンボリグラン

遮眼革。芦毛で、白くなり掛けている分も有るとは思うのだが、例に依って毛ヅヤがもう一つに映る。馬自体も以前はもう少し大きく見せていた。またしてもゲート失敗。外の馬が皆前へ行って、一つでも番手を上げられたのは大きかった筈だが、直線向いてポケットにハマッてしまい、一旦下げて立て直すロス。今日は最悪の騎乗。

NHKマイルカップ(GⅠ)

ロジック

相変わらず発汗の跡が気になるのだが、馬体はトモに力が付いて正月とは雲泥の差。ただ、手先が柔らかい割にトモの送りそのものは硬いのだが、それでも非力なよりはマシ。道中は中段やや後方。馬群の中でジッと脚を矯めた利は相当有るのだろうが、最後迄しっかり良い脚が使えたのには驚いた。前走の中山戦でマイルにはメドを立てたと述べたが、それにしてもこの変身振り。昨年暮れからの厩舎の勢いも追い風だったか。

ファイングレイン

2人曳き。-6kg。恐らくは細いのだろうが、これでもまだ馬は目立つ方。余程馬の形が良いのだろう。毛ヅヤも良いが、欲言えばトモの送りにスムーズさが。出して行って好位のイン。多少抜け切るのが早かったとはいえ、これ以上無い絶好の展開だったが、最後にロジック。今日は展開のアヤで、ロジックとの間に能力差が有るとは思えないのだが、ただレース後に故障が判明。

キンシャサノキセキ

2人曳き。気性面は相変わらず課題なのだが、歩様がしっかりして来ただけでも。好発。フサイチリシャールをマークする展開。昔の様な超ハイペースでは無いにしても、今日はソコソコ速かった筈だが、折り合い欠き加減。目論見通り、フサイチリシャールは捕らえているのだが、この馬自身が良い脚長く使えないタイプだし、内で2頭競り合っていたのも単騎で追い込んで来たこの馬には痛かった。風にアオられていた前走の阪神戦が案外で、それ故軽視したのだが、これもここに来て良くなって来た一頭。

アポロノサトリ

これでも前走の中山戦を思えば落ち着いている方。歩様も大分しっかりして来た。出脚でやられて中段。とはいえ、ロジックと同じ位置に居たのだから、もう少しやれて良い筈だが、最後は決め手で差が有った。今日は過不足無い競馬で、これが現状の性能差。

ドラゴンウェルズ

2人曳き。造り自体は悪くないが、毛ヅヤが冴えない。ゲートはむしろ良い方だったが、一旦後方へ下げて馬群の中へ。それでも上手く運んで、4角フサイチリシャールの直後迄持って来たが、そこ迄に脚を使った分が伸びを欠いた。今日はデキがイマイチで、デキが良くなればこの相手でも差は無い。

フサイチリシャール

2人曳き。歩様がもう少し伸びるのが理想だが、それ以外は何等悪いところは無い。勿論馬振りは断然。例に依って出脚は抜群なのだが、人気馬で前を深追い出来ず好位の外。多少行きたがっていたし、中途半端になった面は有るのだが、更に外からキンシャサノキセキに差されているのだから、負け過ぎだろう。土曜日のマルカシェンク同様、乗り役が乗れていないという面も相当大きいが、この馬自身も何かがおかしい。意外に渋い馬場がダメ?

タガノバスティーユ

-2kg。多少チャカついていたが、それ以前に絞れて来ないのが痛い。出脚が無い馬だが、一旦下げてインへ潜り込む策。最後ジワジワ来てはいるが、外へ回したのでは折角インへ潜った意味が無い。乗り役に言わせると下を気にしたそうだが、ちょっと勿体無い競馬になってしまった。

マイネルスケルツィ

中間、攻め馬軽目だったが、毛ヅヤや歩様は悪くない。ただ、前回にも述べた様に、この数字では迫力を欠く。戦前はファイングレインに叩かれる展開を案じていたが、それ以前にスタート直後に躓いて位置取り悪くなった。、器用さは有るが、追ってからはそこ迄の馬では無く、馬も前を追いかけ気味になっていただけに、こうなると辛い。今日は力を出し切れていない。

京都新聞杯(GⅡ)

トーホウアラン

2人曳き。+6kg。前走の中山戦が案外だったが、8割方戻って来た。この馬にしては落ち着いていたのも良い傾向。トビが大きく、出脚が有る馬では無い筈だが、誰も行かないのと、ゲートを出た事も有ってハナへ。道中は併走の形も、外のセレスケイが離してくれていた事も有って、それ程馬に気を遣わせる事も無く回って来れた。あまりに楽過ぎて、今日は能力判定不能だが、広いコースなら馬鹿に出来たモノでは無い。今年は距離に不安の有る馬が多く、「出せる」強みが有るのも良い。

アペリティフ

-8kg。ギリギリに映るのがどうかだが、今日は気配が良い。ゲートは良かったが、行く気無く好位のイン。行ったトーホウアランが抑えると位置取り悪くなるのだが、行き切ってくれた為、最内立ち回って逃げ馬の直後という絶好の展開に。今日は展開一本。スローを立ち回る器用さは買えるが、次走は論外。

マイネルポライト

2人曳き。テンション高過ぎる嫌いは有るが、馬自体は悪くない。道中はアペリティフの外。ただ、今日はセレスケイが終始外を回って、4角前が壁だったこの馬の進路を造り、アエローザ等を外へ弾いてくれた利が全て。直線、アエローザの急追を凌いだ様にも見えるが、外を自力のアエローザと内で脚が矯まっていたこの馬とでは差が有る。馬は良いだけに、自己条件ならとは思うが、その自己条件も極端に人気になる様なら。

アエローザ

+4kg。毛ヅヤは良いが、多少余裕の有る造り。出脚が無く、中段。何度も述べている様に、今日はセレスケイが外を回って、それより外に居た馬に展開が無くなってしまったのが痛い。4角で後ろ振り返ってマルカシェンクに気を取られている様では乗り間違いと言われても仕方が無かろう。ただ、終いの脚は悪くなかっただけに、次走変わり身見込めるが、この終いが右手前。出脚が無く、コーナーでやたら手前を替えているのも気になるところ。器用さに課題。

マルカシェンク

2人曳き。-8kg。中身は微妙だが、体裁そのものは整えて来た。例に依って出負け。内に入れる気が最初から無かったのか、アエローザをマークしていたのかは解らないが、道中はずっと外を回ったのが裏目。ただ、それが無くても何とか勝ち負けに持ち込めたかどうかといったレベル。テンション高い気性で、骨折明けでも上積み見込み辛く、次走穴人気しそうなだけに嫌ってこそ。

エリモエクスパイア

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。躓きながら出たが、然程影響無く、好位へ。ただ、前のセレスケイが真っ直ぐ走らず、これに馬が戸惑っていた印象。4角でも狭いシーンが有り、今日は全く競馬にならず。

新潟大賞典(GⅢ)

オースミグラスワン

2人曳き。毛ヅヤ悪くなく、前々走の中京戦を思えば太く見えないが、何時もテンション高い筈の馬が今日は妙に大人しい。歩様ももう少し伸びて欲しい。出脚は有る馬だが、今日は無理する事無く後方から。直線も一番外へ持ち出してアッサリと差し切った。今日は力が違ったが、戦前述べた様に、トビが大きく広いコース向き。ただ、事有る毎に述べている様に、最近この戦法が東京で決まらないのは課題。

カナハラドラゴン

一息入った分、張りがイマイチ。普段でももっと良く見せる馬。ただ、手先のスナップが利いている。外の馬が前へ行って、位置取り悪くなり、道中は中段やや後方。ただ今日は午後から徐々に外が利く様になっていて、外を回さざるを得なくなったのが結果的に正解。正月の中山戦でも述べた様に、重賞で勝ち切るシーンはまず無いのだが、この位の相手でハンデ戦なら期待値高い。

エルカミーノ

元々は歩様の硬い馬だが、暖かくなって比較的マシに。それ以外は何時も通りだが。ゲートは出ているが、出脚が全く無く後方から。ただ、今日はカナハラドラゴンの項で述べた様に、外差しの馬場でこれが正解。道中最後方のオースミグラスワンにはラスト300mで既に交わされていたが、それでもジワジワ伸びてここ迄。あれだけ出脚が無いと他場では苦しいだろうが、戦前にも述べた様に、近走意外にデキが有って、着順程は負けていなかった。ハンデ51kgは馬鹿にされ過ぎ。

シェイクマイハート

シープスキンノーズバンド。-6kg。芦毛だが、毛ヅヤしっかりしていて、細いなりにデキ自体は悪くない。ただ、例に依って煩い。エルカミーノと違って、最初から控えるつもりで後方。これも4角は外へ回し、ジワジワ来ているが、道中行きたがっていた分が伸びを欠いた。今日はこんな競馬だが、器用さ有るので、内々立ち回れる馬場と展開ならオープンでも差は無い。

エイシンドーバー

デキ落ちを懸念していたが、前走の中京戦の状態を維持出来た。悪くないレベルは有りそう。道中は好位で、内から3頭分程の位置。直線、内の馬には競り勝っているのだが、外差しの馬場でこれは仕方が無い。ただこの馬、京都でヨレた様に手前の替え方が雑で、あまり直線の長いコースは歓迎しない面も。

グラスボンバー

-8kg。馬自体は悪くないが、今日はテンション高過ぎる。外のカンファーベストが行った事も有るが、出して行って好位の外。内から6〜7頭分のところで、馬場も極端には悪くない筈だが、追って案外。中山2200mで重賞勝ちの馬だが、本質はマイラー。2000m以上は脚の使いどころが難しい。

ホオキパウェーブ

2人曳き。スカッと見せて、所作にも堪えが利いている。歩様もこの馬にしては悪くなく、今季はデキが有りそう。出脚が無く、後方から。直線インを突いたが、今日の馬場では伸びなかった。出脚に難が有って、どうしてもムラ駆け傾向になる馬だが、今季はデキが有るので、何処かで一発も。

天皇賞・春(GⅠ)

ディープインパクト

2人曳き。-4kg。毛ヅヤが良く、意外に細くない。大型馬圧倒的有利のトレンドから、明後日の方向へ進化している。また出負け。3200mとなると完璧に折り合うとは行かないのだが、昨秋の京都戦よりマシならそれで良いのだろう。2周目3角から持ったままで進出し、4角でも持ったままで先頭。あまりに楽過ぎて、ソラを遣って気合を入れられていた程で、前走の阪神戦同様に、最後は抑えながらのレコード。アドマイヤジャパンに梃子摺った昨春の中山戦と、ハーツクライにやられた暮れの中山戦を除けば全て圧勝だが、前述2走はデキが無く、距離の融通性でハーツクライよりはこの馬に利が有るだろう。負かしに来る馬が居ないのが、この馬唯一の不幸。遠征は、引退後の種馬価値向上が表の目的だが、負かしに来る相手と競馬させるという部分も少なからず有りそう。

リンカーン

2人曳き。前走の阪神戦でもそうだったが、張りが無い様に映る。引っ掛かる気性で、昨年,一昨年と折り合いに専念し過ぎるあまりに、届かなかったが、横山典弘騎手、多少のロスは覚悟で出して行ったのが正解。これもディープインパクトと同程度に行きたがっていたのだが、過去の2走も似た様なモノで、ならば前に居た今年の方が着順が良くて当然。ディープインパクトが動いた時に、動くに動けなかった馬が多かった中、上手く包まれない位置に居たのも良かった。好騎乗。

ストラタジェム

前走の中山戦でも述べた様に、もう少し歩様に柔らか味が欲しいが、デキ自体は良い。外国人騎手でも有り、もう少し出して行くかと思ったのだが、折り合いに専念している内に後方に。ただ、皆がディープインパクトに気を取られている中、内目を縫う様に進出して、4角では既に好位に居たのは大きかっただろう。今日の3着はこの分。GⅠで3着だから悪くない内容なのだが、今後へ向けては前へ行って同じ脚が使えるかどうかが課題になる。

アイポッパー

良い時はもっと毛ヅヤが良かった筈だが、今季はそれがイマイチ。躓きながら出てしまったが、折り合いに不安の無い馬の強みで、押して行って中段から。上手くインへ潜ったが、2周目3〜4角で前が詰まり結果的に裏目。最後はそれなりの脚で詰めているのだが、あれが無ければ3着有った筈。この競馬が出来るなら下見の印象程はデキも悪くなさそうで、次走注目。

トウカイカムカム

2人曳き。デキ自体は絶好。ただ、3200mを思うと煩い。前走の阪神戦は差しに回ったが、元々は出脚の有る馬で、出して行って好位のイン。折り合っていたが、これもアイポッパーと一緒で、ディープインパクトが動いた時に前が詰まって、位置取りが悪くなってしまったクチ。デキは確実に良いので、次走はアイポッパー以上に狙い目。

ファストタテヤマ

前走の阪神戦辺りから歩様が落ちて来た。例に依って後方。ディープインパクトが前を掃除してくれる展開が理想だっただろうが、あまりにもディープインパクトが早く動き過ぎて、何にも出来なかった。デキが有ればまた話は違うのだろうが、有った筈の展開利が無い事には。

デルタブルース

-8kg。漸く絞れて来た。これなら。道中は中段。インに入れて通常なら悪くない策なのだが、今日はこの位置が最悪のポジション。肝心なところで動くに動けず、4角では最後方。今日は展開が全て。

テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

アドマイヤメイン

2人曳き。+4kg。馬体も締まって更に上昇。気性面の危うさは下見からも見え隠れするのだが、中山戦スキップが正解だったのは間違い無い。ゲートに出脚も甘いのだが、主張してハナへ。3角辺り迄ソコソコのペースで飛ばし、3〜4角で矯めて直線もう一伸び。次走は行く馬が居るかどうかが最大のポイント。ハナへ行くのは容易でも、出脚でやられるとそこ迄に脚を使わされてしまう。

マイネルアラバンサ

デキ自体は悪くないが、今日は歩様の頼りなさが気になった。出脚はホーマンアラシが一番良かったが、ホーマンアラシが行きたがって、叩きに来ず、アドマイヤメインとの間を割って2番手へ。ただ、飛ばすアドマイヤメインは相手にせず、3馬身程離れて追走の形。距離が延びた分、追走自体は楽になっているのだが、ラスト1Fは苦しがって手前が替わっていて、追ってからが前走の阪神戦同様に甘い。本格化すればやれそうな雰囲気は有るのだが、現状は未完成。

エイシンテンリュー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。例に依って歩様が甘い。例に依って出脚サッパリで後方から。直線、内にモタれるのを矯正しながらだったが、それなりに詰めて来た。頭の高い走法なのだが、現状トモに力が無いのが影響していて、東京の様な平坦か平坦に近いコースならそれなりにやれるのだろう。これもマイネルアラバンサ同様、成長待ち。

マツリダゴッホ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。以前は姿勢が高い印象だったが、トモに筋肉が付き、重心が下がって来た。半年前とは別馬。ローレルエルドラドに出脚でやられ、引いたところを馬が行きたがった。これで、折角の好枠を生かし切れず、外を回される羽目になって、結果真っ向勝負で通用するだけの地力が無かったのが露呈。妙に人気になっていたが、まだ競馬が下手。

マチカネゲンジ

+6kg。毛ヅヤイマイチで、張りが無い。デビュー当時はもっと良い馬だった。出脚も無さそうだったが、抑えて後方。結果、前の流れで、突っ込み切れなかったという事になるのだが、直線半ばで手前が替わってしまい、距離自体も長いのだろう。とはいえ、性能は高い筈で一度立て直せば。