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競馬回顧 2004年1回阪神・2回中山・1回中京

阪神大賞典(GⅡ)

リンカーン

2人曳き。何処が悪いという訳では無いが、菊花賞時の迫力は無い。恐らく見た目通りにデキが無く、馬に余裕が無かった分だと思うのだが、道中は行きたがって仕方が無い。ただ、今日は武豊騎手の策が冴えていた。一旦先に仕掛け、ザッツザプレンティを行かせておいてこちらは改めて瞬発力を生かす競馬。決め手勝負なら当然こちらに分が有るだけに、今日は勝って当然の競馬なのだが、問題はこのデキの無さ。このデキで勝てる程GⅠは甘くない。

ザッツザプレンティ

こちらはリンカーンとは対照的に何時も通りの造り。雰囲気だけなら有馬記念以上。有馬記念の失敗を轍にして、今日は折り合いピタリ。結果としては決め手勝負でやられた形になったが、今日は武豊騎手の策にハマったし、阪神は終いに坂が有る分元々こういう競馬になり易い傾向。坂上から一気のスパートが可能な京都なら巻き返し可能。

ファストタテヤマ

近走タルい印象が有ったのだが、馬体締まっていたし、この馬としてはトモも張っている方。今日は何時も通りの後方待機策。まあ、各馬早目に動いてくれる展開も向いたのだが、近走の復活ムードそのままに駆けてくれた印象。勿論、上とは能力差有るが、展開ハマればこの位はやれて当然。

ナムラサンクス

今日は珍しく歩様が硬い。一時の非力さ感じさせていた頃を思えばこれでもマシなのだが。これも後方で脚を矯めた組。早目に仕掛けてインを突いたが、本質的に非力な分、坂で差が出てしまう。こんなモノといえばこんなモノだろう。

ヒシブリザード

馬だけなら上位クラス。道中は2番手から。後ろから来るザッツザプレンティに併せて動いたが、そこまで。とはいえ、ナムラサンクスとは殆ど差が無かったし、この馬としては良く駆けている。

フジテレビ賞 スプリングステークス(GⅡ)

ブラックタイド

デビュー以来イマイチ緩い印象も有ったのだが、今日は文句無し。硬い馬が多い中、歩様の柔らか味も目立っていた。ゲートアオったが、こういう時の横山典弘騎手は流石で、慌てず騒がず後方待機。4角でも脚を矯める余裕、直線向いた時の手応えが他馬とは全く違っていた。トライアル的乗り方だったし、使った強みが有るとはいえ、今日は完勝といえる内容。要は前走のマイネルブルックが強過ぎただけ。

キョウワスプレンダ

テンションは高いが、今日は馬体の中身が有った。ゲートは出ていたが、無理には行かず何時もの競馬。4角で外へ出し、矯めたブラックタイドと併せ馬の形で追い込んで来た。昨秋は何故かデキが無かったが、デキさえ有ればこの位走っても当然の器。もっといえば、右回りは手前の替え方がスムーズだし、首も上手く使えていた。まあ、今更不器用さを嘆いても仕方が無いだけに、左回りでコレが出来るかどうかを今後の課題としたい。

ダイワメジャー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。多少気負っているが、これでもマシな部類。それよりも歩様の硬さが目に付いた。前半は口を割って行きたがっていたが、折り合ってからはソコソコスムーズ。尤も、今日はそれよりも、例の行きたがった2頭がこの馬に競り掛ける前に止まってくれた事が大きいのだが、実績馬アポインテッドデイは負かしたし、初芝にしては上々の内容。

アポインテッドデイ

相変わらずスカッと見せる。これで良いだろう。1角まで多少行きたがっていたが、その後はスムーズ。道中も好位の内々を立ち回って直線一旦は抜け切っているのだが、坂上決勝線寸前で力尽きる。この馬距離問わず何時もこんな感じで、抜け切ってからソラを遣う癖でも有るのだろうか?

コスモサンビーム

器用さを武器にするこの馬にしては歩様が硬い。馬は悪くないのだが。中段で脚を矯めたかったのだろうが、折り合いを欠いたミスティックエイジに連られて引っ掛かってしまった。まあ、元々圧倒的能力を持っている訳では無いだけに、こうなるとどうしようも無い訳だが、そんな事よりも歩様の硬さの方が余程問題。ひょっとすると距離の融通が利かないかも。

コンドルクエスト

二宮調教師大絶賛の馬だが、これは親の欲目。ゲートは出ていたが、押さえて後方待機。4角上手く外へ出したし、手応えも悪くなかった様に見えたが、追って案外。今日は力負けで、今後追い掛けても良い事は無さそう。

ミスティックエイジ

2人曳き。馬は良いが、歩様が相変わらず。中段の外も、向正面で思い切り引っ掛かって4角アラアラ。今日は仕方が無いといえばそうなるが、この馬もコスモサンビーム同様歩様の硬い分距離が気になる。

報知杯 フィリーズレビュー(GⅡ)

ムーヴオブサンデー

2人曳き。落ち着いていたし、スケールの差歴然。ただ、小倉の2戦はもっと柔らか味溢れる良い歩様をしていた。道中は好位キープ。前半多少行きたがっていたが、3角辺りからはスムーズな追走で、直線向いてもスッと反応して伸びた。まあ、抜け切ってからは多少フワッとするシーンも有ったのだが、もう一度改めて追い出せばまたハミ取って走ってくれたし、気性も素直。着差以上の完勝で、絶対能力の高さに加えて競馬が上手いのがセールスポイント。

マルターズヒート

この中間、攻め馬やり過ぎたそうだが、やはり歩様にそれが出てしまう。この馬歩様悪いと出遅れる癖が有り、今日はそのパターン。ただ、こういう時の武豊騎手は有り難いモノで、覚悟を決めての後方待機でもしっかり伸びてくれる。まあ、勝ち馬とは決定的な差を付けられた印象も有るが、ここまでこの路線上位だった地力は示した。

フィーユドゥレーヴ

この馬にしては歩様マシだが、今日は細く映る。道中は後方待機。勝負どころからの反応が全く違っていただけに、望んでいたで有ろう同じく後方に居たマルターズヒートに併せる形での競馬とはならかったが、追い捲ってここまで来た藤田騎手の手腕は光る。

ホシノピアス

2人曳き。歩様は相変わらずだが、姿勢の高さは解消。馬自体も良くなっていた。道中は中段から。まあ、多少行きたがっていたが、それでも1200mの後だという事を思えばまだマシ。ムーヴオブサンデーを追い掛ける形で馬群を割り、一瞬はコレというシーンも有ったのだがそこまで。悪い内容では無いが、力量差は確実に存在する。

グロリーブラッド

-14kg。落ち着いていたが、数字通り細い。ゲートアオッて後方待機。外からジワッと動いて行ったが、更に後ろに居た組には並ぶ間も無く抜かれた。これも力負け。

ロイヤルセランガー

前走緩かった馬体も多少は締まってきた。道中は後方から。直線、無理に外へは出さず馬群を割る競馬で、割ってはいるのだが、そこからの脚が無い。どうも近走競馬がタルい。

コンコルディア

スケールの差はともかく、馬の造りは良かったが、歩様が硬い。道中は中段やや後方から。インを突いたが直線はポケットにハマり前が壁。今日は全くの参考外。

夕刊フジ賞 クリスタルカップ(GⅢ)

タイキバカラ

2人曳き。結構煩い。+16kg。多少は緩いにしても、太くは見えないので、大半が成長分だろう。例に依って出ッパ自体はむしろ悪い位だったが、スピードの違いで抑えたままハナへ。そして抑えたままのペースが33.1秒。こうなればハナへ行った者の強みで、そのまま押し切った。今日はスピードが違い過ぎたが、競馬は雑。この点を何とかしないとサーガノヴェルの二の舞になるケースも。

ビッグファルコン

毛ヅヤ良かったが、テンション高かったし、絞り過ぎた印象も。道中は最後方待機策。直線向いて勢い有ったが、馬群に突っ込んで前が壁。坂の途中から実質100mの競馬で2着をモギ取ったのだから中々の瞬発力。勿論、展開向いた面は否定しないが、馬体さえフックラしてくればもっとやれる筈。

ケージーアジュデ

シープスキンノーズバンド。元々馬振り上位だったし、2歳時は悪かった歩様が、休ませて見違える様に良くなった。道中は初芝という事も有って、前半は追走に汲々。ただ、直線向いて最内突いた一瞬の脚は際立っていた。シープスキンノーズバンドを着用している様に追い出して頭が上がる点は相変わらずなのだが、今日の歩様を維持出来るならば芝でもやれそう。

ハリーズコメット

2人曳き。欲をいえばもうひと絞り有っても。好発。一旦はハナを覗かせるシーンも有ったが、無理せず好位。直線はインへモタれて追い辛そうだったが、それでも好位勢総崩れの展開を唯一残ったのは立派。柔らかいスピードが有る。

テイエムボッケモン

好気配だったし、これでも歩様良くなった部類。これも後方からも、差して上位に来た2頭はインを通っているのに対してこちらは大外。通ったコースの差が今日は全てで、特に能力差が有る訳では無さそう。

ナムラビッグタイム

2人曳き。良く造って有るが、この馬にしては歩様にスムーズさが無い。ゲートは五分に出ているが、前半走る気無かったのか置かれて後方から。従って、却って展開向いた筈なのだが、追って案外。2歳時からこの馬、弱い相手には強さを感じさせる勝ち方が出来るのだが、強い相手となると途端に脆くなる嫌いが。

シルヴァーゼット

テンション高いが、取消の影響は無さそう。ゲート自体は大して良くなかったが、押して前へ。今日はこれが全てで、坂の途中でバッタリ。まあ、そう大して強い馬では無いだけに、こんなモノといえばこんなモノ。

タイセイブレーヴ

毛ヅヤ冴える。もうちょっと締まって欲しい気もするが、悪くは無いデキ。ハナへ行きたかったのだろうが、勝ち馬とはスピードの差を見せ付けられた。着差の問題では無く、スピード負けしたという点で失望。

ローレル競馬場賞 中山牝馬ステークス(GⅢ)

オースミコスモ

スカッと見せて迫力を感じさせる。小さい馬だが中々良く出来ていた。ゲートは普通に出ていたが、道中は中段やや後方。直線伸びない筈の外へ出して使った脚は着差以上に強い内容。今日のオースミコスモはデビュー以来で一番良い競馬といって良く、デビュー以来殆ど休み無く使われているにも関わらずこの上昇度。こういうところに厩舎技量が出る。

ハッピーパス

悪くは無いのだが、数字上は一枚重い。これも後方から。今の馬場だけに、インを突いたのは正解だったし、直線前が開いて突き抜けたのだが、最後の最後でオースミコスモの底力。今日で引退だそうだが、限定戦でしか通用しないこの馬と、牡馬相手でも好勝負繰り広げたオースミコスモとでは、差が有ったという事。

フラワーチャンプ

例に依ってトモに力が無い。ゲートはこの馬なりに出ているが、注文を付けて最後方から。追い込みといえども、ハッピーパスの項で述べた様に、今の中山で外へ出しても良い事は全く無く、馬群へ突っ込んだのが好判断。ハッピーパスがコジ開けた道を良く伸びてきた。チアズメッセージとメイショウバトラーの早仕掛けで展開向いた分は否定しないが、展開さえ向けば差す脚は有る。

メイショウバトラー

2人曳き。テンション高いのは何時も通りで、デキ自体は絶好。スマイルトゥモローは出遅れたが、トーセンリリーが新人の吉田隼人騎手という事で、恐らく何が何でもハナへという指示が出ていたのだろう、こうなると1角まで距離が無い中山1800m、枠の差が有る分が行き切れない。こうなると、どうしても競馬が余所行きになるだけに、追っての脚がジリッぽくなってしまう。とはいえ、この手の競馬は惨敗のケースが多い事を思えば良く頑張っていて、目下の充実度が垣間見える。

チアズメッセージ

以前は非力さを感じさせる造りだったのだが、マシになりつつ有る現状。一瞬の脚を要求する中山1800m、道中3番手から早目早目の競馬は当然の策。まあ、現状の力は出し切っているが、上位馬とは性能の絶対値で差が有るだけに、最後は止むを得ないだろう。やはり平坦で上手く立ち回って誤魔化す競馬の方が。

チューニー

多少気負っていたが、それ以前にここに入ると馬が淋しい。この馬にしてはコズミも目立つ。好位直後のインで脚を矯める策。バルジュー騎手、外へ出して追い出すタイミングも完璧だったのだが、追って弾けない。器用さが身上の馬とはいえもうちょっと強いと思っていたが、今日は案外の内容。失望。

マイネアイル

歩様柔らかかったし、相変わらず好気配。好枠生かして2番手も、新人騎手の逃げにしてはペースが速く、元々1F長いのと、器用さ有る代わりに底力が無い分止まってしまう。2週間前の中山記念もそうだが、速くなり様が無い筈の中山1800mで2年連続のハイペース、競馬が変わりつつ有る現状とはいえ、この展開は陣営も読み辛かっただろう。

報知杯 弥生賞(GⅡ)

コスモバルク

馬体の張りと毛ヅヤは良かったが、コズんでいたし気負っていた。馬のデキは良いだけに、今日は調整失敗だろう。メイショウボーラーに行かせて2番手。下見で気負っていた分、やはり多少行きたがっていたが、この馬の場合はこれでも力を出せるタイプ。直線は相手が前と決め付け、出来るだけゆっくりメイショウボーラーを交わすイメージ。この馬が強いというよりは他馬が情けない印象も有るのだが、今日は完勝。あとは今日の様に調整失敗しなければ。

メイショウボーラー

2人曳き。この馬にしては落ち着いている方だし、馬体の張りも悪くなかった。控えても良い事は無いだけに素直にハナへ。この手の馬はハナへ行けば意外に折り合うモノで、今日もそのパターン。最後はコスモバルクに可愛がって貰った部分も大きいとはいえ、2着確保。大舞台で折り合えるかどうかは微妙だが、それさえ出来るならば次走も好走可能。

メテオバースト

2人曳き。多少テンション高いのは何時もの事。道中は好位の外。前半は多少行きたがっていたが、先に仕掛けたグレイトジャーニーを行かせ、ワンテンポ待ってからの仕掛け。スパッと切れる訳では無いが、前にいた有利さを生かして皐月賞出走権を得た。まあ、正直大した内容では無い。

ハイアーゲーム

数字通り見せてくれないというべきか、華奢に映る。例に依って出遅れて後方から。いくらスローとはいえ、外へ出して突き抜けそうな感じも有ったのだが、追って案外。同じく後方に居たフォーカルポイントには先着しているし、悪い内容では無いのだが、やはり物足りなさは残る。

フォーカルポイント

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。馬の造りは流石。これも後方から。ただ、やはり右回りは手前の替え方が下手だし、その分追い出してから内へササッてしまう。中山2000mの京成杯勝ちで人気になったが、本質はあくまで左回り。

グレイトジャーニー

シープスキンノーズバンド。もう歩様面は心配しなくて良さそう。まだ華奢だが、馬体もかなり良くなって来たし、今日がデビュー以来一番良く見せる。道中は中段。スローを嫌ったのか、勝負どころから真っ先に動いて行ったが、そこまで。単純に力量差が有る。

トヨタ賞 中京記念(GⅢ)

メイショウキオウ

歩様硬いのは昔から。ただ、今日は馬に張りが有った。大外枠という事も有って、秋山騎手、戦前から考えていた作戦なのだろう、思い切ってハナへ。タガノマイバッハが主張しなかったし、そのタガノマイバッハが4角で既にアラアラの手応え。開幕週の馬場という事も有り、直線はオイデオイデの大楽勝。まあ、弱い馬では無いとはいえ、今日は展開が全て。

ナリタセンチュリー

何時にも増して歩様が硬い。他は相変わらず文句無しなのだが。道中は後方のイン。トニービン産駒という事で、追い出しは直線まで待たなければならない訳だが、今日は覚悟してインを突いたのが好判断。上手くバラけた事も有って鋭く伸びて来た。これもどちらかといえばギャンブルをしたクチ。

カンファーベスト

仕上がり過ぎ位の造り。少し小さく見えた。道中は好位の内々。4角上手く外へ出せたし、直線もこの馬なりに伸びているのだが、上位2頭のギャンブルの前に届かず。いくらハンデ戦とはいえ、この馬のこの競馬で3着に敗れてしまうコース形態、幾等何でも特殊過ぎると言わざるを得ない。

エイシンチャンプ

相変わらず重く映るし、歩様今一つ。唯一、毛ヅヤだけが良かった。これも好位のインから。直線もカンファーベストを追い掛ける様にして伸びてはいるが、そのカンファーベストが3着止まりなのだから、この馬もここまで。とりあえず復調ムードが窺えるだけ良しとすべきか。

クラフトワーク

2人曳き。絞れて好気配。道中は後方2番手。この馬、下手に先行しても良い事は無いので、今日はこの策で止むを得ないところ。手前もスムーズを替え、ヨレずに真っ直ぐ走っていただけでも今日は充分。この馬場状態で期待する方が間違っている。

アサカディフィート

流石に歩様面は落ちて来た。これも後方から。直線も外へ出して伸びているが、コーナーで自在に動けない分がクラフトワークよりも不利。やはり直線の長いコース向き。

タガノマイバッハ

日経新春杯時よりはマシにはなっているが、左右のバランスの悪さが目立つ。メイショウキオウにハナを叩かれ2番手。2番手からではどうしても道中が気負い気味。4角では既にアラアラの手応えで、やはり先週のギャラントアローの様に敗戦覚悟でもハナへ行かないと。

ウインシュナイト

今季は迫力に欠ける。ゲートは普通に出ているが、行き振り悪く後方から。折り合いを欠いた前走とは対照的に、今日は前半から仕掛けての追走、4角で既に手応えが無く、今日は最悪に近い負け方。デキが無いとしか思えない。

チューリップ賞(GⅢ)

スイープトウショウ

細くは見えないが、小さく見える。ゲート入りも梃子摺ったが、更にアオッて最後方からの競馬。直ぐ前に居たヤマニンシュクルに連れてマクッて行ったが、直線は並ぶ間も無く差し切ってしまった。内容だけなら文句の付け様が無く、2歳時の印象よりは遥かに強いのだろうが、これで今からゲート試験が待ち構えているのが課題。当然馬体回復も重要、転厩して間も無いにも関わらず宿題は山積み。

アズマサンダース

2人曳き。+10kgもまだ増えて良い位だし、コズミもマシ。中段の内々。上手く流れに乗って馬群も捌いたが、勝ち馬の決め手が凄過ぎた。今日は枠を最大限に生かした理想的な競馬が出来ただけに、仕方が無いところ。

ヤマニンシュクル

馬の造りは流石だが、今日は珍しくテンション高目。出ッパ自体は悪くなかったが、ダッシュ付かず後方からの競馬。3〜4角中間からマクリ気味に進出して行ったのだが、勝ち馬には並ぶ間も無く交わされてしまった。2着馬との差は枠の差で悲観しなくて良いのだが、勝ち馬との差は決定的。オークスはともかく、桜花賞は黄信号。

メイショウオスカル

2人曳き。これでも良くなった方だが、相変わらず歩様に力強さが無い。思い切ってハナ。マイペースで行けた分粘っているが、坂で止まる。前有利な馬場を上手く利したが、上位3頭とは力量差有り有り。

ヴァルパライソ

2人曳き。姿勢高いし、薄いトモの造り。中段やや後方の外。後方の人気馬とは決め手勝負で分が悪いだけに、真っ先に仕掛けて行ったが、そこまで。ただ、この競馬が出来ただけでも今日は収穫だろう。次元の違う馬達を別にすれば悪い内容では無い。

パラダイスバード

2人曳き。馬体の良さはデビュー当時から目立っていたが、テンションの高さも相変わらず。道中中段もゴチャついて思い切り手綱を引くシーン。気の難しい馬だけに、今日はこれで終わってしまった。

阪急杯(GⅢ)

サニングデール

前走から変わった訳では無いのだが、その前走が良かった。中段の内々。どちらかといえば平坦の方が良いタイプで、坂は得意では無いのだが、手応え良く坂を駆け上がってからもう一伸び。実績馬が漸く完全復活、昨年は大外枠に泣いた高松宮記念だが、今年こそは。

シーイズトウショウ

最近の中では一番煩い方の部類も、以前を思えばこれでもマシ。外からギャラントアローを行かせて好位のイン。距離こそ違えど、桜花賞を再現する様な競馬で、坂を上って一旦は抜け切っているのだが、最後の最後で勝ち馬の底力。牡馬相手で56kgなら文句無しの内容。流石にスプリントは走る。

テンシノキセキ

本格化成って落ち着いているのが良い。大外枠だけにジワッと乗られたが、追ってからイマイチ弾けない。休み明けという事も有るのだろうが、中途半端な先行策は結果も中途半端に終わってしまう。勝ち切ろうと思うならば、作戦を変えないと。

アタゴタイショウ

歩様は本当に良くなった。多少太い嫌いは有るが、休み明けとしては上々。好発。好枠も有ってそのまま行かせても良かった様に思うのだが、外からギャラントアローが何が何でもの構えで主張し、流石に譲った。ただ、道中はとにかく行き振りが良く、3角からは押さえ切れない手応えでギャラントアローに並び掛け、直線アワヤのシーンまで造ったが、坂で伸び切れず。思ったよりも強い内容といって良いだろう。

キーンランドスワン

前走から変わらず落ち着いて好気配。今日もこの馬としては前目の競馬。追い出してからもこの馬なりに伸びているのだが、ここまで。前走も思ったより強い内容では無く、相手関係を思うと現状こんなモノか。

ギャラントアロー

2人曳き。何時も通りのこの馬。内からアタゴアイショウに行かれたが、幸騎手、行かなかった時の脆さはNHKマイルカップで解っているだけに、何が何でもハナへ。今日は考えうる最悪の展開だが、むしろ下手に楽をさせる競馬を覚えさせて勝ってしまった場合、今後自分の競馬が出来なくなるケースが多々有り、馬に競馬の厳しさを教える意味でもこれで良かった。次走は必ず変わる。

中山記念(GⅡ)

サクラプレジデント

休み明けだけ有って、唸る様な気迫までは伝わって来ないのだが、このプラス体重は好感。道中は中段のイン。終始有り余る手応えも凄かったが、3角から外へ出してからが更に凄く、前を潰してサイドワインダーまで連れてくる内容は正に完勝。フォームも良くなったし、 堂々安田記念最有力馬。

サイドワインダー

近走歩様の硬さを感じさせていたのだが、今日はこの馬としてはスムーズ。毛ヅヤも良くなって来た。例に依って後方待機策も、コーナーで動けないトニービン産駒、事実上直線だけで競馬するしか無いのだが、今日はサクラプレジデントが前を一掃してくれる展開が向いて浮上。正直、良い内容とはいえないが、近走サッパリだっただけに、歩様面含めて復調気配が窺えたのは何より。

ローエングリン

形は出来ているが、緩い造り。何時も通りハナへ。戦後、天皇賞の後遺症が有ると乗り役が述べたそうだが、成る程最近のこの馬としてはムキになって走っているイメージ。サクラプレジデントが早目に来たのも応えていて、今日は有る程度は仕方が無いだろう。暫く掛かるかも知れないが、これは必ず立ち直れる筈。

マイソールサウンド

例に依って気合を表に出し、毛ヅヤも冴えて、デキ良さそう。速くなり様が無い筈の中山1800m戦も、今日は珍しくハイペース、3角からサクラプレジデントに連れられる様にして動いて行ったが、坂下では完全に置かれてしまった。この馬なりに伸びていてこの差だから、力量差見せ付けられたと言わざるを得ないのだが、それでも併せたプリサイスマシーンは競り落とし、現状の力は充分示した。

プリサイスマシーン

多少硬さは有るが、この馬何時もこんな感じ。行き振り良く好位。上手く折り合えて走っていたが、直線でマイソールサウンドに競り負け。上との底力の差は認めなくてはならないだろう。

アーリントンカップ(GⅢ)

シーキングザダイヤ

2人曳き。前走は中身が無い印象も有ったが、この点は解消。シルヴァーゼット取消で、スローは見えていたが、主張したジェイボーイに行かせて2番手。押さえるとそれなりにムキになっていたし、気性的には多少問題有りそうな内容では有るが、今日は力が違い過ぎた。今年の3歳限定重賞はレース毎にメンバーの差が激しく、このレースは一番弱い方の部類。次走が試金石となるだろう。

カリプソパンチ

まだ絞れる余地が有り、これを削らないと馬の程度が見えて来ない。好発。道中は終始シーキングザダイヤをマーク。逆に言えば最高の競馬が出来た筈だが、追って競り負けた。前述した通り、このレースはメンバーが弱く、今日の負けはこの馬が重賞級では無い事を示すモノ。

ブラッドバローズ

2人曳き。一息入ったが、悪くは無い程度。ただ、それよりもトモの送りが甘いのが気になる。出遅れも、スローを上手く捌いて中段の外。2000mからの転戦も、道中多少行きたがっていた分、追っての伸びを欠いた印象。本当に強いなら突き抜けていた筈で、同情出来る余地が有っても、前途は暗い。

シゲルドントイケ

2人曳き。この相手なら馬に差は無い。道中はブラッドバローズと前後する位置。2着馬が勝ち馬マークなら、この馬3着馬マークの競馬という事だが、追って完全に突き放された。最早この馬以下となると500万脱出すら微妙。

メイショウサライ

2人曳き。数字の無い馬だが、馬を大きく見せる。ゲートアオって後方から。直線馬群を割って伸びて来たが、前が止まらない馬場という事も有ってここまで。メンバー弱く、この相手でこの着順は頂けないが、馬群を苦にしない気性は評価しておきたい。