一言で言えば運が良かった。偶数番にも関わらず、ゲートでチャカついていた。それで五分のスタート。外を回っての自力勝負の競馬にケチをつける気はないが、本番もスタンド前からの発走。そこへ大歓声が加わってどうか?
叩いてハナ。前半5F60.4秒だからラクだったし、なにより先行勢が全く絡んでこない。そこへダイタクが必要以上に外を回ってくれたお蔭で、絡まれたといえるのは、スタートして1角までと決勝線前150M。前走から下見で良く見せているそのままの競馬。
ダイタクリーヴァのマクりに乗ずる形。競馬が明確な分、ここまで来れる。権利取りの見本ようなの競馬。ただ、馬体を併せるシーンがあれば、もう少し伸びていたかも。
大外枠で競馬が難しかったのだろう、ハイペースと読んで思い切って最後方の競馬を選択したのだが、結果として仇となった。ただ、ー10kgで絞れていたからなのか、内にササるシーンが全くなかったのは収穫。賞金的に皐月賞はアウトだが、この競馬が板につけば逆に府中で脅威。
いくら何でも550kgは太い。恐らくこの馬体だとピリっとした脚も使えないだろう。最内で閉じ込められっぱなしで、窮屈になってしまったという印象。
勝つ意志があるのなら、前走時のように外を回るべき。インに突っ込んだのは、デキに不安のある証拠。ガツンとくるシーンも一度としてなかった。
父馬がロベルト系ブライアンズタイムだから、産駒の特徴といってしまえばそれまでだが、馬が微妙に硬い。包まれるのを嫌っていつもより前でと思っていたら、まともに掛かってしまった。「外から来られたら馬が怒ってしまってね。
(的場騎手・週刊競馬ブック)」
−10kgで絞れる。道中は中段から3角から外に出そうとするのだが、どうにも前が開いてくれず、実質は直線勝負の形。結果的には前半33.5秒のペースに脚を矯める形になりツイてはいたが、それでも直線入り口でキングコートと接触したり、そのキングコートに外から寄られたりと、結構激しい競馬をしている。そう考えるとこの根性は光る。
この距離だと折り合える。向正面で外の馬が殆ど前に行ってくれたので、馬群の外で揉まれずに競馬が出来た。このペースと外のいい馬場を利し、よく伸びている。ただ、逆に外で自由に動ける分、最後脚を矯めたオーパスにヒケを取った感も。
スタートでアオったが、気合いをつけて好位。1F手前で先頭も、G前寸前で2頭に交わされた。結果的には行き過ぎたし、内目の馬場が悪いのもあるだろう。反動なくば、次走確勝。
障害帰りながら、このペースで流れに乗り切って、直線までいい感じだったが多少内にモタれた分、甘くなった。
好発もスタークレオンに行かせて2番手。このハイペースだけに最後甘いのは仕方のないところで、むしろよく粘っている。
勝負処で前が壁になってしまった。直線半ばで一応前は開いたが、それが内から3、4頭目くらいのところ。もともとジリではあるが、そこが一番馬場の悪いところだけに伸びあぐねる。
毛ヅヤいい。道中は好位の外で手応え十分。勝負処での手応えが他馬とはまるで違っていた。形は辛勝だが、ソラを遣ったということなので、中身は圧勝。
馬群の中で折り合わせる。2周目向正面ですでにステッキが飛んでいたが、手応えが悪かった訳ではない。コーナーワークを利し流れの中で自然に追い上げているから、直線は面白いように伸びる。4角で一瞬前が詰まりかけたのも、逆に一息入って幸いしている。
結論から言えば、クラスの壁ということになるだろう。勝ち馬は勝負処で持ったまま、この馬はおっつけおっつけだった。ただ、あくまで勝ち馬が強すぎただけ。2着馬には展開利もあった。
直線まで向いた時は2着はあった感じも、ハミ受けの悪さを見せ、外に逃げる感じ。その分伸び切れず。「勝ち馬の直後につけられたからシメシメと思っていたけど、直線で追い出すと舌を越していたからなあ。
(大塚騎手・週刊競馬ブック)」
見た目には馬体減は気にならない。ただ、ジリっぽいので外枠で自由に動きたかったところだろう。
掛かり通し。
見た目には一息入れた効果はない。道中も若干掛かり気味。しかも、4角で一瞬タヤスの出し抜けを食らい、自力で捕まえにいく展開。今日は負ける要素が全て揃っての勝利。強い。おそらく、休養前の不振は精神的なものだったのだろう。
前走も淀みのない流れだったが、3200Mと2000Mではペースが違う筈。その割には行き振りがいい。スタミナを生かすべく、うまく出し抜けもくらわせたが、相手が強すぎた。
4角で一瞬不利があったのも確かだが、勝負が決まってから突っ込んできたのも確か。
多少掛かり気味で距離に疑問が残るのと、直線の坂もよくない。
カーリアン産駒は使い込むとよくないデータがあるそうだが、4角でスッとメイショウオウドウに離されたのを見るとどうもそんな感じがする。こういう流れが合わないのも、カーリアン産駒の傾向ではあるが。
今日の流れはこの馬向き。ただ直線、前が詰まるシーンがあったのでここまで。
内に潜り込めなかったのかラチを頼る癖をジョッキーが知らないのか...。
各馬の回顧の前にレース全体の回顧として、3角で馬群が2分化されてしまった。そのことにより、後ろの組は流れの中で追い上げる形ではなく自力で動く羽目になった。こうなると後の組は厳しい。
一頓挫の影響は見た目には殆ど無い。道中はその前の組の一番後ろ。3角から徐々に進出して、終わってみれば3馬身差。54kgも味方。
この馬もほぼ同じ位置。ただ、ハンデ差もあるのか4角での反応が勝ち馬とはまるで違った。なんとか、アンブラスモアを交わしたといった内容。
馬場が乾いたのは幸い。2番手で兼ねあって3角から先頭に立つ。馬場のいいところを選びつつ、直線半ばまでは抵抗していた。結果的にはハンデ差もあって3着だが、わされると脆いタイプでメイショウに馬体を併せに行かなかったのは正解。
こちらは後ろの組。ただ、この馬はもともと長距離でも走れる馬でスタミナがあり、こういう自力追い上げも出来る。それでも、前有利の馬場ではここまで。インを突いたのはよかったが。
展開もあるが、デキがない。
見た目に悪いところはない。こちらは展開と時計だろう。
戦前危惧していた通り、ちょっと立派すぎるのだが、いい気合乗り。レースは同馬主のロードブレーブを行かせて2番手。同馬主だから兼ねあって、ラクに先行出来ている。先行有利の馬場もアシストして楽勝。もともと、素質馬ではあった。ただ、気性的に難しいところがあったので、今日は機嫌に水を差すような展開にならなかったのも大きい。
好位のイン。インをスクう格好になったが、4角で前が壁になった分、脚を矯められた。その分の2着。
抜けたデキ。道中は後方4番手だったが、3角から一気にマクって4角で先行集団に取り付いた。そこからはジリジリとしか伸びず3着止まり。今日は開幕週でペースもスロー。一番強い競馬はしている。
イレ込みはいつものこと。これも後方から。勝負処で一瞬置かれてしまったが、4角インを突き、入着。ただ、左回りが良かったのか、全く内にモタれる素振りを見せなかったのは収穫。
絞れる。ただ、3、4角で置かれた。直線も前が開いたのはG前50m。置かれた原因をこのコメントに求めれば、次走要注意。「向正面で寄ってこられたのがねえ。
(菊沢隆仁騎手・週刊競馬ブック)」
太いというより、緩い。終始、前を射程圏にしての競馬。ただ、交わされてからが脆い。
馬場に敗因か。「ゲートでハイテンションになってしまっていた。
(高橋亮騎手・週刊競馬ブック)」
先ずはスプリンターズステークスから回顧してみたい。4角でアグネスワールドが先頭に立ったところをマイネルラヴがマクりに来た。アグネスはなんとかマイネルは振り切ったが、ブラックホークに差された、という内容だった。差されたと述べているのは、あの競馬は明らかにアグネスの強さだけが際だった競馬だったからである。明らかにアグネスは一番人気らしい競馬を全うした。対してブラックホークは自分の競馬に徹して、2番人気らしい競馬で勝ったと云えよう。今回は大本命での競馬だ。そこに不安は当然あった。そう、自力で出ていく必要があるからだ。しかし、その不安はほぼ一掃された。無論、このレースに関してはケチのつけようがない。スタートも抜群。折り合い自在。とにかく器用なレース運び。しかし、ほぼというのは2着がディヴァインライトだ。本番で大本命になった時、自力勝負でどうかの危険はゼロではない。
出来絶好。ブラックが包まれるのを嫌って外を指向して走っていたので、うまくインがポケットになり、スムーズな競馬ができた。メジロのところで後述する好運にも助けられたが。
これも出来絶好。スタートはこちらの方が良かったのだが、小屋敷騎手が今日で引退のためか、リザーブユアハートが捨て身の逃げ。そのため、2番手での競馬になった。それが第一の不幸。(ディヴァインライトにとっては好運。)また、ブラックホークが大本命での競馬で早めに来たこと。これが第二の不幸。最後にディヴァインがインに入ったことで、牡馬2頭が内外から来られる展開。さすがに、前走の轍は踏まなかったが、最後のはコーナーリングの下手さと言えなくもない。
太いことは太いのだが、馬体はいい。今日は直線だけの競馬で、ここまで押し上げてきた。まだまだやれる。
道中は馬群の中で掛かり気味。あまり、揉まれ良くないタイプなだけに仕方のないところか?仕上がりも一息だったので、叩いて変わってくれば。
敗因はたった一つ。4角でブラックが仕掛けた時に一緒についていけなかった。叩き合いに持ち込まないと持ち味が出ないだけにそこは痛い。そこで自在に動けるかどうかが、一流馬の証かも知れないが。
馬っ振りはここでも上位。あとはイレ込み癖がどうかなのだが、今日は落ち着いていた。もともと厩舎の期待馬で、自己条件は当然として、オープンでもダートならば充分に狙える。
とにかく良く見えた。直線勝負に賭けてハマりかけたが、スギノハヤカゼが外に斜行して立て直す不利。惜しい。
スタートを五分に出て、スッと中段。下見で落ち着いてしたこともあり、何の問題もなく折り合えた。そこからは全く危なげのない勝ち方。正直、この馬の能力を過小評価していたが、それを払拭した。ただ、今日は外枠で揉まれなかったのも良かっただろう。果たして揉まれた時にどうなるかはやってみないと分からないところだ。「流れは遅かったけど、2完歩目で躓いたから却って折り合えた。
(福永騎手・週刊競馬ブック)」
出来絶好。内を見ながら2番手の競馬。直線、エイシンと叩き合いに持ち込んだが...。先行有利の馬場ということは別にして、2番手で流れに乗り切れるセンスは高く評価しておきたい。
馬体良し。包まれるの嫌ってハナへ。ただ、多少無理に行った分、掛かり気味になってしまった。パープルが来るのが早く、また、同馬が相手をエイシンと決めて馬体を併せに行ったのは不運だった。
若干太い。道中、中段よりやや後ろから3、4角中間地点で一気に進出もそこまで。戦前予想していた通り、色気持って行ってしまうと伸びない。もっと、脚をタメるべきだった。
終始掛かり気味。
考えられる敗因は、「馬群の中での競馬がよくない。」「使い詰めで疲れがあった。」くらいだが...。
スタートで後手を踏むのは折り込み済みの話。ただ、4角で他馬と接触、行くとこすべて前が壁で競馬にならず。
サイレンススズカの競馬をしてみては?