Sakura Archives

競馬回顧 2000年2回京都・1回東京

フェブラリーステークス(GⅠ)

ウイングアロー

むしろ小じんまりと見せて、後先考えない仕上げ。道中はは芝の部分で完全に置かれてしまい最後方。直線、内にモタれるのを必死で御しながら差し切る。前半5F57.7のハイペース。ハマったという見方もあるが、道中を追走するだけでも相当の苦労があった筈。乗り役の豪腕振りを見せつけられた。

ゴールドティアラ

見た目は細くない。こちらは逆に芝でも走れるので、意識して押さえた感じ。直線だけ外に出し、ファストフレンドと併せ馬の格好で追い込んで来たが、メイセイオペラを交わした辺りで脚色が怪しくなってしまった分、勝ち馬にヒケをとった。直線まで消耗しないように完璧に乗れたし、ファストフレンドと併せ馬になったのも好運だった。それでも敗れたのは戦前、危惧していたように、やはり東京の消耗戦は牝馬には辛いのだろう。

ファストフレンド

連闘でも馬体が増えているように目下絶好調。勝ち馬同様に芝の部分で置かれてしまったし、内枠なので一度置かれてしまうと最後方まで下げなくてはならない。ただ、ペース的にはそこがベストポジションであったし、またゴールドティアラと併せ馬になったのはラッキーだった。2着馬との差は瞬発力の分もあるが、ゴールドの内に入ってしまたことで、前が若干怪しくなりかけた分の差。

メイセイオペラ

多少緩く見えるのだが、ダートならば問題ない程度。オリオンザサンクスの大逃げに対しキョウエイマーチ共々、自力勝負で潰れた格好だが、捕まえに行くのは人気馬の使命。準オープンまでならば、仕掛けが早いの一言で片付けられるかもしれないが、GⅠの人気馬がそういう態度では競馬が面白味のないものになる。陣営も負けて悔いのないところだろう。

セレクトグリーン

前走時イラついていて集中力を欠いていたが、今日は実に落ち着いていた。その分距離をこなせた。府中の方が滞在馬房の環境がよく、輸送の負担も少ないのもあるのだろう。「一瞬は夢を見たよ。(後藤騎手・週刊競馬ブック)

オースミジェット

この馬も芝の走り振りが悪い。その分、馬群で揉まれる競馬になってしまい、最後の伸びを欠いた。

シンボリインディ

馬体はよく見える。前走時のコメントから推測するに、ラチを頼って走るタイプであることは間違いなく、その意味では理想の競馬ができた。初ダートで馬が戸惑ったのでなければ、敗因を内面的なものに求めなければならない。そうなると、暫く時間がかかりそうだが...。何れにせよ、芝であと一走様子を見たい。

京都記念(GⅡ)

テイエムオペラオー・ナリタトップロード

テイエムは多少イレ気味も余裕残し。ナリタは馬をキッチリ造ってきた。競馬は正反対で、テイエムは正攻法の競馬で、ナリタはトライアルらしい競馬。周知の通り、ナリタの方が瞬発力勝負と追い比べで分が悪く、その分の負け。テイエムは自力勝負で勝ったのが収穫。ナリタはそういう競馬に対して分が悪いことを分かってやっているのだろうから、悲観するところは全くない。

ステイゴールド

出来の把握の難しい馬だが今日はよく見えた。レースはAJCCと同じ感じの競馬でまた3着。スローがよくないのもあるが、もっと思い切った乗り方を考えたほうがよい。

山城ステークス

ショーザランニング

デキ落ちを案じたが、気合乗りがイマイチな以外は見た目には大丈夫。好発を決めて、2馬身程度離しての逃げ。逆に気合乗りの悪かった分、テンに仕掛けても折り合えた。4角で一回一息いれて、あとは教科書通り。前走、マイル戦を使ったのが良かった。

ゲイリーフラッシュ

前走時とは毛ヅヤが雲泥の差。中段で折り合いに専念して、直線だけの競馬。1番人気とは思えないような他力本願の競馬が奏功した形。前半3F34.2のペースで折り合えたのは収穫。

エターナルビート・チャタロー

エターナルは一叩きの効果歴然。両馬ともショーザランニングを行かせて2番手での競馬。ショーザが離して逃げているので、捕まえにいってしまった分息切れ。3、4着の差はモロに能力差。

マヤラブリー

もう本調子。数字的に厳しいものもあるが、ゲイリーに馬体を併せにいっていれば、もうチョイ伸びたかも。

コウチエラミー

後股の送りが硬い。いくら追っかけバテの形とはいえ、3、4着馬と同じ位置にいて、この着順。4角で挟まったことを差し引いても負けすぎ。デキに問題がありそうだ。

ダイヤモンドステークス(GⅢ)

ユーセイトップラン

良くは見せないがいつものことではあるし、稽古の動きは良化していた。スローはスローなのだが、ペースは緩みがない。道中は最後方。2周目3角から一気に進出して、3,4角中間ではすでに先頭。後はそのまま押し切った。人気薄ならではの芸当。「イチかバチかの賭け(後藤騎手・週刊競馬ブック)

ジョーヤマト

もともとダート馬で、こういう緩みのないペースは強い。だから、逆にユーセイがマクったとき、一瞬置かれてしまった。逆に他馬はなまじ動けるだけに、ついていってしまい、それが追っかけバテを招いた。結果論になるが、置かれた分、脚が残せた。

スエヒロコマンダー

もう本調子。レースは前半相当行きたがっていたが、さすがは岡部騎手。結果オーライのジョーヤマトとは違って、しっかりワンテンポ待ってから追い出している。その分の3着。

タヤスメドウ

この馬は早く動いてしまったクチ。人気を背負っている以上、仕方のないところだったし、デムーロ騎手はどちらかといえば早仕掛けで、追いまくって残す競馬が目立つ。それが、いい悪いの問題ではなくて、展開に合わなかっただけのこと。

メジロロンザン

イマイチ敗因がよくわからないが、好走時はいずれも4角でインを通っている。あくまで推測だが、ラチを頼るタイプで、外に出したのが伸び切れなかった原因なのか?2周目4角で内で包まれていたが、この展開ならば2着馬を見てわかる通り、それはむしろ好結果に繋がる筈なのだが。

ゴーイングスズカ

ムルタ騎手はアクションは派手だが追えない。あの展開なら2着はないと。

すばるステークス

タガノサイレンス

スタートで若干後手を踏むも、すぐに先行勢の直後に取り付く。4角でひと呼吸待ってから最内へ。サウスヴィグラスを別にして、先行勢が早仕掛けで総崩れになり、なんとかサウスを捕らえた。ただ、ジョッキーのコメントによれば、抜け出してからソラを遣ったようだ。

サウスヴィグラス

楽にハナが切れた。4角では楽勝の手応えだったが、寸前で勝ち馬に交わされる。やはり、最後は距離だろう。

キョウエイフォルテ

相変わらず毛ヅヤがよくない。道中は離れた最後方からの競馬。最後インから凄い脚を使っているが、ここまで。阪神ならサウスどころかタガノサイレンスも止まっていただろうが、京都だとそうはいかなかった。

タマモスオード

これも後方から。従って、この馬も阪神で。

ホーマンスピリット

少し馬が硬い。道中は勝ち馬と同じ位置。ただ、4角であまりに2着馬がいい手応えなので、これを捕まえに行ってしまった。その分、追っかけバテ。

エイシンサンルイス

気持ち馬が緩かった。レースはホーマン同様に追っかけバテ。

シアトルブリッジ

いきなりオープン1400mの激流はキツい。

シルクロードステークス(GⅢ)

ブロードアピール

連闘でいかにもな気合乗り。さすがに以前よりはズブいのか、道中はそこそこ押している。しかし、直線は大外へ持ち出して一気の伸び。叩き合いで伸びるのではなく、瞬発力で勝負するため単騎で大外で持ち出せる、たったこれだけの事だが、道悪になるとその差は歴然。

トロットスター

これも中団より後ろ。4角で意外にイズミサクセスがいい手応えだったのでこれに付いていったが、イズミが伸びず、急遽、目標を前に切り替えることになってしまった。4角でブロードを待っていたら面白かったが、今年、どうも乗れていない河内騎手だけにワンテンポが待てなかった。

タイキダイヤ

+10kgは見た目そうでもない。道悪のうまさを証明するかのようにスッと3番手。しかし、マイネルラヴが4角手前で来てしまい、後に引けなくなった。そうなると、後ろの組には願ったり叶ったり。

マイネルラヴ

デキ文句なし。例によって4角手前でマクる競馬。で、例によって、潰しに行った相手も交わせない。道悪と59kgに敗因を求めるのはたやすい。しかし、GⅠ馬で人気の上であの競馬を続けている限り、後ろの組をアシストしているようなものだ。一度、マイルくらいで我慢させて、脚質転換してみては?

ジョープロテクター

これもデキ絶好。しかし、道悪はよくない。ブロードと違って、併せて伸びるだけに外枠もありがたくない。

リザーブユアハート

+42kgも成長分が大半。早熟のイメージだが、以前の線の細さが消え、ハナ切ろうかというダッシュ力。まだまだやれる。

イズミサクセス

4角では勝ったかの手応え。休み明けで馬体増の分息切れしたが、次走狙い目。

白富士ステークス

クリスザブレイヴ

この程度のメンバーだと相手がビビって、競り掛けても来てもらえない。今日に関しては非の打ちようのない競馬だが、果たして、ある程度飛ばして逃げるべきなのか、今日のような(前半1000m60.9秒)タメ逃げを打つべきなのか賛否両論ある。サイレンススズカとダブらせる人が多いのか、前者を支持する人の方が多いが、個人的意見としては新潟のマイル戦で上がり34.4秒があるので、タメてもいい気もする。それより、前走の負け振りからラチを頼って走れるかの方が問題だろう。今日はそれ以前のメンバーで、今後の指針には使えないのが残念。

ビッグバイキング

まだ、本調子とはいかない。クリスザブレイヴを徹底マークして直線まで。直線はクリスが仕掛けるまで窮屈だったが、バラけてからペリエのオニ追いで何とか叩き合いを制す。ズブいので追えるペリエは合う。しかし、ああいうケースでは通常、左からステッキを使って馬体を併せに行くのだが、右からステッキを使うあたり、よほど馬の追いかたに自信があるのだろう。

サクラナミキオー

デキよし。もう、ハナでなくても折り合える。ただ、切れる脚がないので、クリスのタメ逃げは辛いところ。

アメリカンボス

距離は大丈夫。最後は止まったが、次走反動なければ狙い目。

マリアジュダムール

東京は外枠不利ということもあるが、外枠はどうも走らない。スローもイマイチ。

東京新聞杯(GⅢ)

ダイワカーリアン

よく見せるのはいつものこと。前走、前1000m56.7秒で行っていて2着。ロードアヘッドが溜め逃げを打って、今日は57.9秒。しかも、離れた2番手で自身はハナを切っているのと同じ形。ここ5走、上がり35秒台の脚を使ってない馬が今日は35.5秒。数字からもいかに展開利があったが窺える。

チェックメイト

いつもの後方からの競馬。直線、何回か捌くのに苦労しているのだが、それでも他とは1秒違う脚。ただ、逆に言えば、ロードアヘッドとダイワカーリアン以外は4角で団子になり、1秒で届く距離にいることが出来たから、ということも言える。

バイオマスター

NHKマイルカップ時から比べると+22kgなのだが、馬体の成長分が大半で太くない。前走、好発も一旦控えて、直線抜け出すという味な競馬をしており、その点から距離に不安は感じない筈だった。しかし、今日の走り振りは引っかかっているほどではないのだが、何か気負ったような感じで、京都なら問題なくとも東京だと1F長い印象。このスローも少なからず響いているか?

エアガッツ

今日はスムーズに競馬が出来た。ただ、まともでもここまでだから、今後も馬券対象には出来ない。

シンコウエドワード

前走時に馬振りの良さを褒めたが、ここに入るとむしろ華奢に映る。追ってフラついていたことを考えると、現状、東京の直線はこの馬には長すぎる。

レガシーハンター

絞れてきたがまだ太い。ただ、確実に良化しているので、ソロソロ警戒が必要。

シンボリインディ

体の造りはいいが、イレ込みがきつい。マイルカップは人気薄で内から抜け出す競馬。今日は本命で大外からの競馬で外にモタれっぱなし。馬群に入れて、馬を怒らせて競馬をすべきだが、GⅠ馬でこれからも人気を背負って競馬をしなければいけない立場。果たして、そんなことが出来るのか。

ロサード

坂のあるコースでは1枚割引。

銀嶺ステークス

トキオパーフェクト

コメント通り、控える競馬で道中は中団のインでむしろおっつけ気味。それにしても、60kgを背負っているにも関わらず、前がバラけたときの脚の凄さ。今までは何だったのかと思わせるほど。「競馬は面白いよね。(岡部騎手・週刊競馬ブック)

シンコウスプレンダ

数字は+26kgだが、そこまでは太くない。うまく、インのポケットに入り、最内からよく伸びている。勝ち馬が叩き合いに強いタイプでないだけに、内外離れていなければ、結果も変わっていただろう。

レッドチリペッパー

思ったより行けている。ただ、砂を被った経験がないだけに、初ダートで馬群の中に入ってしまったのは辛いところだっただろう。その証拠に最後バラけてから、もうひと伸びしている。次走改めて。

ゲイリーアリエス

好発を決めて、2番手。手応え抜群に4角でチアフルマスターに並びかける。久々の分もあるし、ちょっと仕掛けが早かったこともあり、ここまで。

チアフルマスター

うまいペースで逃げられた。あとはゲイリーアリエスに、もうちょっと可愛がって欲しかったところだろう。

トーヨーベクター

距離不足、オープンの壁、大外枠と敗因はいろいろ考えられる。もう一戦、様子を見てみたい。

グラスグラード

出来絶好。スタート五分も、ダッシュつかず。結果的に中団より前の組で決まってしまったので、位置取りが悪かったということになるのだろう。今日見る限りでは、左回りは大丈夫の筈。