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競馬回顧 2000年1回京都・1回中山

平安ステークス(GⅢ)

オースミジェット

この馬場で前が止まらない展開ということもあるが、それにしても強い勝ち方。とはいえ、条件がドンピシャなので当然の感もあり、あとは本番で条件が変わってどうか。

シアトルブリッジ

中間、稽古でバタバタになりデキ落ちが案じられたが、下見ではそんな風には見えなかった。ジョッキーのレース後のコメントにある通り、馬込みの中でも砂を被っていないのも良かった。無論、これくらいは走られて不思議はないが、前の組に有利な馬場だったことも記憶に止めておきたい。

ゴールドティアラ

出負けもあるが、阪神の1400mと京都の1800mでは前の止まりかたが違うということ。逆にいえば、東京のマイルで狙い目。

デピュティーアイス

こういう状態のダートは走る。ただ、それでもここまでだったことを考えると、一線級では力が足りないのだろう。

ウイングアロー

数字通り太い。殆ど、最後方に近い位置からよく伸びているが、ここまで。ジョッキーのコメントによれば、行けなかったらしいので、やはりこういう時計勝負も一息か。

チェイスチェイス

馬体減。どうもこの馬、遠征になると馬体が減る傾向がある。いつもより後ろでの競馬だったのは、中央のペースに慣れていなかったからだろう。力的には通じる筈なので、ペースに慣れることと、環境の変化に動じなくなれば、今後も注目。

マイターン

出負け。

羅生門ステークス

レディブライティア

攻め強化して絞ってきた。好発を切って、内の馬を数頭行かせ大名マーク。あとは、G前は押さえる余裕を見せる程の勝ち振り。中山には芝、ダートとも1400Mの距離がなく、この距離を得意としているこの馬にとっては、狙いの鞍だったか。

ヒダカリージェント

絞れる。道中は中段の外で折り合っていた。ただ、4角で先団には取り付いたが、1F標識手前で一瞬モタついた。それがなければ、際どかったかも。

ワンダーガール

体つきは芝向き。とはいえ、軽ハンデもあったかも知れないが、3、4角の勢いは仲々のもの。最後は止まったが、展開の助けがあれば、ダートでも充分通用するだろう。

ロングホウウン

特に太くは見えないが、増えるのはいい傾向ではない。内々をうまく立ち回っているが、このクラスではいつもあと一押しが足りない。

マイネルエアメール

むしろ今はこれ位の距離の方がいい。単騎で行けなかったし、勝ち馬に早めに来られながらもよく抵抗している。

ケイエスドラゴン

砂を被ると良くないか?バラけてからはそれなりに伸びているのだが。

タガノアーミジャ

ロングホウウン同様、見た目は大丈夫だが、数字は太い。終始、外に馬がいて外に出せず終い。あと、小原騎手は追いかたが下手。あれではどうやっても馬は動かない。この馬の出世が遅いのも、乗り役が下手だからという一言に尽きる。

日経新春杯(GⅡ)

マーベラスタイマー

絶好調。ゲートをソロっと出し、馬の気に任せた競馬。たまたま、ペインテドブラックが前にいたのでこの馬をマーク。4角でペインテドが駄目と見るや、すぐに自力で進出。引っ張ってくれる馬がいて、折り合えたことが最大の勝因だが、相手を間違えたミスを考えると、ハンデにも恵まれすぎたか。

メイショウドトウ

うまく流れに乗れた。他の凡走にも助けられたが京都コースは走る。

メジロサンドラ

勝負どころから追い通し。ハンデもあったかも知れないが、よく粘っている。悪くいえば、瞬発力不足。

スエヒロコマンダー

4角で前の馬が壁になる。そこから、よく伸びてはいるがハンデもありここまで。

ロードサクセサー

気のいい馬であまり乗り替わりは意味がない。 何の不利もない競馬で、要は鋭さ負けの格好。ハンデも見込まれすぎた。

ペインテドブラック

今日は馬に覇気がない。ただ敗因は、予想で指摘したように、併せ馬の形でないと伸びないので、一度もその形にならなかったのが大きい。また、この手の馬にこそ、追えるデムーロ騎手や安藤勝騎手が合う。

淀短距離ステークス

ジョープロテクター

この馬体重でも太くない。むしろ7歳にして充実一途。厩舎コメント通り、今日はおっつけて、先団4頭を見ながらの競馬。一旦はスタープログラマーに内をスクわれたが、ゲイリーフラッシュが外から来てもうひと伸び。今日は追えるデムーロ騎手の勝利。

ゲイリーフラッシュ

パドックでよく見せないがいつものこと。ペースが速かった割には楽に追走できている。ジョープロテクターをマークする競馬で、直線は併せ馬の格好で伸びてくる。勝ち馬にも言えることだが、4頭雁行では前は残れないし、かといって上がり34.9では後ろ過ぎても届かないということで、位置取りも良かった。

スタープログラマー

1、2着馬の直後で競馬。他の馬より仕掛けを遅らせて、前が開くまでまで我慢。内をスクったこともあり、一旦は先頭に立つ。そこから外の馬に交わされた辺り、ソラを遣ってしまったか、それともちょっとしかいい脚が使えないのか。

メジロダーリング

出来よし。ロードアヘッドが好発を切っているのだから、それに競りかけてはいくらなんでも厳しい。他にも2頭無謀なのが来たこともあるが、今日は展開の綾というより騎乗ミス。

ダイタクカミカゼ

まだ本調子ではない。

レディボナンザ

角田騎手は追う時に腰が落ちている。あれだと馬は動かない。

ガーネットステークス(GⅢ)

ビーマイナカヤマ

この枠なら自在味のあるレースができる。有力処を見ながら2、3番手の外。3角でインに潜り込み、セレクトグリーンに対して出し抜けを食らわす格好。時計云々より今日は鹿戸騎手の好騎乗。

セレクトグリーン

下見では何かイラついているように見えた。好発も切れたし、正攻法の競馬でそれなりには伸びている。敗因を強いて探せば、3角までスッとは行けてないこと、4角で外に若干フクれたことが挙げられるが、何れにせよGⅠの後で疲れが若干あったのかも。

キングオブジェイ

この距離ならさすがに折り合える。ただ、4角の手応えほど伸びないのは距離に慣れてないからだろう。

キョウエイフォルテ

道中追い通し。しかもずっと外に馬がいて一回も外に出せなかった。直線は縫うようにメンバー中最速の上がりでよく伸びているが。

ゲイリーコンドル

パサパサのダートはよくないし、内枠である程度行こうとすると、どうしても無理をしがち。

トロットスター

久々のダートで戸惑っていた。(藤原騎手・週刊競馬ブック)

雅ステークス

ホーマンスピリット

マイナス6kgもまだ絞れる体つき。1角までは掛かり気味だったが、数頭を先に行かせ、前を壁にして折り合う。4角で一瞬出すところに迷ったが、前が開けば瞬発力が違う。スローもあったが、パサパサのダートで上がり35.7は速い。

ダンシングチアズ

休養前に比べて歩様が良くなっている。この枠で変に外を回らされたり、下手に脚を使ってしまうことを心配していたが、行きたい馬がワンモアヒット一頭でスンナリ好位に取りつけた。コース適性もあり、自身の力は発揮しているが、決め手の差がモロに出た。

ツジモンテカルロ

うまく流れに乗り切った。ダンシングチアズを徹底的にマークして、連れるようによく伸びている。

フィールドソラール

決め手のない馬だけに、ワンモアヒットに競りかける位の気持ちで行かないと辛い。距離に自信がなかったので仕方がなかったかもしれないが。

アレグラール

無論、展開が向かなかったのもあるが、熊沢騎手に言わせると「ペースが上がった時に置かれてしまったからね。その辺の器用さがない。(週刊競馬ブック)」とのこと。しばらく、クラス慣れが必要だろう。

グレイトエンペラー

プラス10kgも走れない体つきではない。中段のインで4角では勝ったかと思わせた手応えも伸び切れず。どうも、鉄砲は利かないタイプのようだ。

新春ステークス

シンコウエドワード

馬っ振りがここでは抜けている。仕上げも上々で何より気負ったところが全くないのが素晴らしい。距離を不安視して見ていたが、それほどペースが速くならなかったのも幸いして、楽勝。デムーロ騎手の通訳がどれだけ騎乗馬以外の馬に対する情報を彼に与えているのか分からないが、人気馬をマークする乗り方を殆どしないし、よく人気馬が消えたときに持ってくる。単にコミュケーションがうまくいってないのか、それとも彼の騎乗スタイルなのか。

ショーザランニング

馬体に張りがある。この距離でマイペースの単騎、しかも1,2馬身差離して逃げられたら、粘って当然。

ロングホウウン

攻め馬は意欲的だったが、下見では取り立ててよく見えない。うまく折り合えてはいたが、大健闘。

トーワラノビア・テンザンキラリ・ミッキーダンス

サンフレアをマークしていて、差し届かなかったのが大きい。単勝2.2倍という数字には来ないことがわかっていてマークさせてしまう魔術もあるのかも。とはいえ、若干負け過ぎの嫌いが有るのも確か。デキはそれぞれ悪くなかったが。

サンフレア

やや気負っていたが、イレ込んでいたわけではない。敗因は2通り考えられるが、1つは使い詰めで来ていたので見えない疲れがあったということ。もう一つは関東の準オープンの層の薄さ。関西もレベルが高いという程ではないにしても、昇級即通用はさすがに少ない。関東はそれが多少目立つ嫌いはある。

スポーツニッポン賞 京都金杯(GⅢ)

キョウエイマーチ

もともとよく見せる馬だが、今日はトモの張りが一段と素晴らしい。ここ数走ゲートに泣かされていたし、今回も別段いいスタートという訳ではないのだが、周りが全て差しタイプで、まったく問題はなし。ロードアヘッドを先に行かせ、自身はマイペース。しかも、ロードの逃げが見た目ほど速くなかったのも幸いして、大楽勝。ロードをかわす際に、変に内にササっていたが、ラチを頼る癖があるのかも知れない。そう考えれば、昨年のキャンペーンはツジツマがあう。

アドマイヤカイザー

これも文句の付けようのないデキ。戦前の予想では、最後方に近い位置からだと思われていたが、武豊ジョッキーのペース判断なのか、第三集団(ロード、キョウエイ以外の集団)の4、5番手くらいにつける。なんとかロードは交わしたが、今日は展開の不利がすべて。

ロードアヘッド

多少太く見えた。好発を切って、キョウエイが控えてくれたこともあり、マイペース。キョウエイと自身のマイペースのギャップが好走の要因。

ロサード

出来はともかく、今日はハンデに泣かされた。ただし、切れが鈍ったとかそういうたぐいの話ではない。安藤騎手の判断か調教師のそれかは分からないが、ハンデに自信が持てなくて最初から矯めるだけ矯めようという、ある意味では他力本願の競馬を考えていた筈だ。そこへ持ってきて、この先行馬有利の展開。前走と同様の4角一マクリの競馬なら、最悪3着はあっただろう。調教師の判断だとすれば、自分の意志で乗れない出稼ぎ稼業の辛さということにでもなろうか。

メイショウオウドウ

デキが本当ではないようだ。暫く見送りが妥当。