このレースは、毎年の様に「イン逃げ」で決まっている印象。「逃げ」では無く、内枠有利、あくまで「イン逃げ」だ。差し馬の方に有力馬多いが、狙いはエイシンラージヒル。走りが硬くて、自分のパターンにハマらぬと脆いタイプだが、この枠でこのメンバー構成なら何とかなるだろう。前走阪神戦にしても、前2頭がやり合って早目にバテた上、セフティーエンベラが早仕掛けする中を寸前迄粘っていて、悪い内容では無い。とにかくスムーズなら。
相手もクーリンガー。前走大井戦は人気が無さ過ぎただけ。基本的には冬場に強く、早目に動ける展開なら尚更強い。ただ、そういう馬だから最内枠はマイナス。昨夏に、盛岡で内から抜けて勝っているが、直線の長い盛岡という面も有ろう。これも乗り方一つ。
当然フィールドルージュも軽視不可。実績を言えば断然、力量的にも最上位と見て良いだろうが、出脚が甘くて位置取りが後方になりがち。その上、あまり砂を被ると良くないのか、前走阪神戦にしても、後方の内目で伸び案外。歩様が落ちていないので、デキそのものは高いレベルを維持出来ている筈だが、これも結局は展開如何に。
勢いはシャーベットトーン。馬は最初からオープン級。体質的に色々弱いところが有ったらしいが、その辺りがマシになって本格化。前走中山戦にしても、押して漸く行けたといった感じ、最後もカオリノーブル程度に詰められていて、発揮したパフォーマンスは凡庸だが、目下の勢いで何処迄。
昨年期待したマイネルボウノットも警戒したい。長い距離の方が良いという説も有るが、折り合い面を思うとこの位の距離がベスト。エイシンラージヒルに行かせての2番手で自在に立ち回れそうなのも良いだろう。ただ、今季はデキが無い。昨年は絶好調だっただけに。
次開催に番組が一つ増えてしまう程の出馬ラッシュ。除外された馬の中にも実力馬多く、メンバー低調だが、先週の傾向から内枠有利と見てブルーメンブラットが中心。前走阪神戦は前に居た利も有ったが、外枠を前ヅケに行っての粘り込み。今回内枠を得て、更にスムーズな競馬が出来そう。デキも良い。
2番手以下も内から順番に。筆頭格はラッセルバローズ。前走阪神戦は重賞だったが、内に居た分の7着。全く評価出来ない内容にも関わらず、これが評価されてのハンデ56kgは痛い。前々走も逃げ馬が残る展開で内を立ち回る利。再度その競馬が出来そうで、無視は出来ないが、過信はどうか。
逆にアンティークコインは前走阪神戦で外を回されて苦しくなったクチ。ブルーメンブラットとの0.5秒差はあくまで展開分。陣営からそういう指示が出ているのか、やたら4角外を回すのがどうかだが、展開一つ。
枠は遠いが、マルカジークに警戒。手先の軽さも有って、デキ落ちは無い筈。ここは冒頭に述べた様にメンバー低調。近走は1200mが合っていないだけだろう。人気が全く無さそうで、配当的妙味を思えばこれが本命でも良い位。
混戦というよりは、人気馬に死角が多い。前走阪神戦は馬場と展開に泣いたオースミグラスワンが一応の中心となるが、今の京都は差しが思いの外利かない。デキも良くて、条件は確実に好転しているが。
相手はメイショウオウテ。これも阪神戦は展開に泣いたクチ。競馬が終わった後とはいえ、上がりの時計そのものは悪くなかった。下見ではイレ込む割に実戦で折り合いが付き、距離も問題無いだろう。55kgで逆転も。
押さえがアドマイヤフジ。前走中山戦はあのメンバーでも、馬振り見劣らず、デキに関してもかなり上の方だった。今回も状態面に関しては良いだろうが、京都は坂の下りが合わない。昨年はインを立ち回って誤魔化す利が有った。Aコースだった昨年と違って今年はCコース使用の分か、外を回すとキツい競馬が続いていて、今回人気に推されてこのハンデ。この枠でも有り、作戦は限られて来る。
毎回外枠を引いているタマモホットプレイだが、「イン先マイ押し切り」で決まった3走前を思えば、先行馬がセンター枠を引いて、競馬し易くなったと見て狙う。前走はマイルで先行してサッパリだったが、無理に引っ張らなかったのは、ここが予定の連闘だったからだろう。京都にも良績。
相手はカネツテンビー。前走は4角で内外の馬と接触する不利。出脚が甘くて再度揉まれ込む危険は有るが、内枠の馬に差し馬が多く、この馬の出脚でも前走より後方という事は無い筈。あとは馬群を捌ければ。
休み明けでも逃げそうなコスモフォーチュンも面白い存在。前々走の小倉戦は乗り役のハンドル捌きが上手かった分も有るが、前走中京戦はテイクオーバーターゲット以外先行馬総崩れとなったにも関わらず、9着でも大きく負けていないのが強調出来る。また、この手の馬は休み明けでこそがセオリー。
同じく前に行くナリタシークレットも圏内。ただ、前走の阪神戦は出脚でハナ切ったというよりは、改装初っ端でで皆が手探りの中、この馬の作戦だけが違ったという印象。勿論、コスモフォーチュンに喧嘩売る必要は全く無いのだが、2番手からだとどうか。
押さえがブルーショットガン。前走阪神戦が特に象徴的だが、前に行く馬に良い様にやられている。出脚が無いからそうなるのだが、常に展開一つ。1kgでも軽くなるのも良い。
下見の歩様は硬さも見せるダイワスカーレットだが、実戦に行くと手先が軽くて、トビが高い。アドマイヤオーラが弱いだけという話も有るが、前走中京戦は、オイデオイデの楽勝。競り合いで脆い危険も有るが、素質に期待。
相手はローレルゲレイロで一騎打ち。ただ、追っての脚はあくまで一瞬しかないタイプ。中山がベストで京都はどうか。まあ、そうはいってもGⅠ2着。レース毎に進歩している点も好感。一応は逆転含み。
ヒネッた狙いだが、サチノスイーティーを推す。前走中京戦は+22kgだったが、決して太いという事は無かった。直線外へモタれた分、最後差されただけ。1000mですらハナへ行ける出脚が有って、ジョイフルハートとは7kg差。そのジョイフルハートは本来の乗り役が騎乗停止中で、無茶はしないだろう。逃げ切り期待。
相手は一応ジョイフルハート。この馬の最大のセールスポイントは、他馬に競り掛けるのを諦めさせてしまう程の出脚だと思うのだが、59kgがその出脚を鈍らせる。この大外枠も、他馬を叩ければ絶好枠だが、サチノスイーティーには適わないと見て。
好位勢は総崩れになりそうで、一発は追い込み馬。中でもスリーアベニューが面白い。前走は内を突いた利も有ったが、一旦出たナトゥーアを差し返したのは評価して良い。下見でも、ダート馬にしては手先の柔らかい歩様を見せ、これが決め手に繋がっているのだろう。そういう馬だから下が渋るのも当然歓迎だ。
連勝式は別にして、単勝狙いなら、京都外回りは外枠の差し馬が大原則だ。それを外れるだけに、全幅の信頼はどうかだが、スズカフェニックスを中心視。前走東京戦は捌き損ねた分の負け。決め手を折り合い面課題の馬で、最後方から大外ブン回しになりそうだが、それが出来る京都外回りだ。あとは、本来の乗り役が騎乗停止になった影響と、前述した様に内枠をどう捌くか。
相手はキンシャサノキセキ。こちらは外枠の差し馬となるが、1400mでも行きたがる馬で、折り合いの難しさはスズカフェニックス以上。未だ完成途上の馬だが、それでも踏ん張っていた前走を思えば、ここへ入れば力量上位。今回は乗り慣れた騎手に戻って、折り合い面への上積みも期待して。
一発はホッコーソレソレーだ。前走阪神戦は出脚の無さから来る位置取りの差。出脚のウェイトが低い京都外回りに替わって前進期待出来る。シープスキンノーズバンド着用の馬で、頭は高いのだが、その割に追っての脚がしっかり。昨季から絶好調続いて、同じ重賞3着馬にも関わらずスズカフェニックスより1kg軽いハンデ。
エイシンドーバーも面白い存在。昨年は直線逆手前でヨレて降着となったが、それ以降は乗り役も気を遣っているのか、そんな素振りは見せていない。昨春押せ押せで使っていた時は状態面も落ち気味だったが、立て直して良化。馬体増はそれ迄減っていた分が戻ったモノ。課題は前走阪神戦の好走の反動だけ。