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競馬回顧 2025年2回京都

第60回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)

カムニャック

2人曳き。前後肢にバンテージ。-12kg。これ以上減って欲しくないが、緩さはなくなった。500万の馬だけに、権利取りへちゃんと仕上げた形。ただ、デビュー当時と比較して、歩様の力強さが増した。数字は別にして、そこは大きく成長。ゲートで寄れて、内の馬と接触。出脚が若干、鈍ったが、最初から頭を上げて行きたがっていて、中段から。内外前に馬が居て、向正面で馬に諦めさせて宥めた。この状態で、流石に反応が俊敏だったとは行かないが、ラスト400mで前が開いてからは最後迄、しっかり伸びて快勝。ここでは力が違った。馬が良くなっていたことが大きいが、直線で内にモタれ気味だったことに加え、今日のメンバーレベル、目一杯の仕上げで上積みが見込み辛い点を考えても、次走は見送り。

ヴァルキリーバース

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。今日の方が落ち着いている。ただ、腹が巻き気味。歩様にも硬さが有って、厳しい状態だった。ゲート五分。出脚が抜群に速いということもなさそうだが、無理もせず中段。ただ、ソロッと乗って折り合いが付けば良かったが、2角でカムニャックと接触。そこで馬が怒ったのは痛かった。道中はカムニャックのほぼ真横で、これも窮屈な位置。直線に向いて、カムニャックの外に居たブラックルビーがフラつき、最終的にはカムニャックの後追いの形。比較的真っ直ぐ走っており、脚取り自体はしっかりいたが、回転数が足りず、最後はタイセイプランセスに捕まりそうになっていた。権利は確保出来たが、能力面で厳しい。馬体細化傾向もネック。

タイセイプランセス

後肢にバンテージ。馬体も貧弱だが、それ以上に歩様に力がない。未勝利とはいえ、良くこれで勝ったと思えるレベル。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。序盤に一瞬だけ行きたがった以外は、折り合いが付いていたが、今日は妙に馬がヤル気で、ずっと抜群の手応え。ただ、直線でヴァルキリーバースの内を狙って、前が塞がり立て直す場面がったのが痛恨。外目へ持ち出してからは1頭違う脚で伸びて来たが、あの場面がスムーズだったら、2着どころか、カムニャックとも際どくなっていた。開幕週の良馬場だったとはいえ、この馬体でここ迄、走るのだから大したモノ。コンスタントにこの脚を期待するのは酷だが、オープンでも通用する決め手。

エストゥベンダ

前後肢にバンテージ。マイラー気味の体型で、数字の割に良く出来た方だが、多少トモの甘さは感じるところ。全体に緩い。ゲート五分。大外枠だけに行く気もなかっただろうが、出遅れながら無理矢理挽回して来たハギノピアチェーレに内から弾かれる形になり、中段。ただ、ペースの割に馬群が固まり、外を回されるのを嫌って、最近流行りの向正面で動いてハナ。今迄、逃げた経験がなく、ハナへ立ってからは耳を立てて、ソラを遣いながら走っている状態。その分、最後迄、脚が残っていたということもいえるが、集中して走れていない分、いい脚が使えなかった。2角手前の接触も痛かったが、それ以上に今日は逃げる経験がなかった点が大きい。権利は取れなかったが、いい経験になった筈。次走注目。

タガノアピー

+4kg。496kgの大型馬で、迫力は有るが、明らかに芯が入っていない。ひとつひとつの所作に力感がなく、まだまだ時間が掛かりそう。ゲートの駐立が悪く、大きく出遅れ。そのまま最後方から。それでも枠の利は大きく、馬群には取り付いていた。道中のリズムも悪くなく、直線に向いてからも前の馬がフラついて、逡巡する場面が有った以外はスムーズ。ジワジワ伸びて、ここ迄。中段辺りに居たら、もう少しやれていただろうが、馬力がないだけに揉まれてどうだったという面も有る。これはこれで悪くない競馬。成長して来れば走って来る筈。

ブラックルビー

2人曳き。前肢にバンテージ。小さい馬だが、トモが張って、完成度は高い。歩様が甘いということもない。ゲート五分。本気を出せばハナへ行ける位出脚は速そうだが、引っ掛かりそうになっており、好位で控える形。向正面で外から来たエストゥペンダに連られそうになる場面も有り、序盤はかなり行きたがっていた様に見えた。それでも3角手前では何とか宥めて、直線に向いてからも一度は反応しているが、ラスト200mで止まった。新馬,500万が1800mで、経験を積めば変わる範囲だろうが、今日のところは距離が長かった。

第56回読売マイラーズカップ(GⅡ)

ロングラン

今日も絶好調。キビキビとした動きが目立つ。馬も張って、気配も良かった。前走小倉戦同様、ケチを付けるところがない。ゲートは五分に出ているが、出脚がサッパリで後方から。この鞍上らしく、直ぐに内へ寄せていた。流れに乗ってからはスムーズで、4角は抜群の手応えで持ったまま。鞍上の追い方がダイナミック過ぎて、直線は手応え程、伸びていない感は有るのだが、早々に前を捕まえて、危なげなく押し切った。デキも良かったが、小倉戦の勝ち振りが本物だった。次走東京戦へ向かうことになるが、今日は頭数が少なかったことが幸いした感も有る。フルゲートで序盤にリズムを崩すと、微妙な面も。

ジュンブロッサム

+4kg。前走東京戦は少し歩様が硬かったが、今日はスムーズ。トモも張って、デキはいいだろうが、腹回りはもうひと絞り有っていいかも。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。バラけた位置で、道中のリズムは悪くない様に見えたが、坂の下りでの反応がもうひとつ。その分、直線に向いてからの加速も鈍く、実質は1Fだけ脚を伸ばした様な格好。それでこの差なら馬は強いということになるが、課題を残した一戦。ゲートがアテにならず、五分に出たとしてもいい時と悪い時の差が有り、馬券的には軸にし辛いタイプ。

セオ

馬体重の変動が激しい馬だが、これだと少し太い。歩様に力強さが有って、デキは問題ないのだろうが。ゲート五分。出脚は速く、暫く他馬の出方を窺っていたが、内からビーアストニッシドが行って、その番手から。道中の折り合いは完璧で、手応えも抜群だった。4角で外から来たレイベリングに併せて進出。直線入口で前を突き放し、出し抜け気味になっていたが、中々手前が替わらず、踏ん張りが利かなかった。時計に限界が有りそうなやられ方。開幕週で前有利ということで人気になっていたが、それを踏まえてこの結果だから、重賞だとワンパンチ足りない。

ニホンピロキーフ

シープスキンノーズバンド。馬体がキリッとして来た。現状はこれ位が丁度。踏み込みは少し浅いが、歩様もこんなモノ。ゲートは五分に出たが、出脚が怪しく、枠の利が有って、何とか中段。馬装通り、頭が高く、行き振りが悪そうに見えるのは毎だが、今日は全体に反応が鈍く、直線もジリジリだった。枠を生かしたセコい競馬が出来たらまた違ったのだろうが、早い段階でロングランに入られて、外を回さざるを得なかったのも痛かったか。ただ、時計勝負も歓迎しないタイプ。時計が掛かればもう少しやれていい。

グラティアス

シープスキンノーズバンド。-12kg。数字分だけスッキリした印象。馬体に張りがないのは気になったが、歩様は良くなった。ゲート五分。極端に負けていた訳ではないが、他に速い馬が居て、好位から。道中の行き振りもそんな感じで、序盤はオッツケ気味の追走。その割に、坂の下りでの反応は悪くなかったが、追ってもうひとつ伸びなかった。平坦の決め手勝負は厳しそう。阪神で時計が掛かる馬場の方が向くタイプか。

ホウオウリアリティ

馬が張って、腹回りがタプついた印象もなく、やはり数字はこれ位の方がいい。歩様にブレもなく、暖かくなって調子を上げて来た。ゲートのタイミングが合わず、1馬身出遅れ。そのまま後方から。枠なりにインを回って、距離を稼いだが、イマイチ伸びなかった。デキが上向いていただけに、このメンバーなら通用していい筈だが、決め手不足。結果的に出遅れが痛かった。

第32回テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

エネルジコ

前肢にバンテージ。キッチリ出来ていた。見た目は前走からの成長は薄いが、歩様がしっかりした。ゲートがヨレ気味で、出脚が付かず、後方から。道中の折り合いは付いていた。4角手前で外へ持ち出したが、追い出しは直線に向いてから。ラスト250mで左手前になり、またラスト100mで右手前になっていたが、ひと追い毎に伸びて、最後はクビ差。本番に繋がらないレースでは有るが、比較的真っ直ぐ走れていた点は評価したいところ。今年のこの路線は全体にメンバーが低調で、次走も軽視禁物。

ファイアンクランツ

2人曳き。454kgの数字の割に、馬を大きく見せる。その点はいいのだが、歩様に力強さを欠く。本当に良くなるのはまだ先か。好発。出脚は悪くなかそうだが、急かさず乗られて中段から。道中、完全にリラックスして走れていたということでもないが、前に馬を置いてからはスムーズ。詰めの甘さを意識してか、4角で動く形。それでも、反応は鈍かったが、ジリジリ伸びて前を捕まえたところがゴール。ところがその外を勝ったエネルジコがクビ差先んじて駆け抜けていた。これで勝てないなら、詰めが甘いという外ないが、尤も、この手のタイプは相手関係は無視出来る。次走も流れひとつ。

ゲルチュタール

-12kg。漸く絞れて来た。胴長でゆったりとした造りで、これが本来の姿か。ただ、そんなに馬力の有るタイプではなさそう。気配が地味なのは毎度のことだが。内の馬を叩きたかった様だが、出脚が速いということもなさそうで、それらに粘られ、中段。内に馬が居ると嫌なのか、道中は少し力んでいた様に見えた。それでも4角で外へ持ち出してからはスムーズで、脚を矯める場面が有ったのは大きかったか。直線に向いてからもしっかり反応していたが、僅かにキレ負け。馬力がないので、直前の大雨はそれなりに応えただろうが、道中に問題が有ったのは他馬も似た様なモノ。もう一段のパワーアップが欲しい。

レッドバンデ

2人曳き。-4kg。気配はこれでいいが、まだ腹回りがボテッと映る。歩様にブレが有った点も気になった。ゲートでアオッて、1馬身不利。出脚もキツそで馬群に取り付くのがやっとだったが、押して押して最内へ。流れに乗ってからはリズム良く走れていた。只管、最内を回って、直線も綺麗に前が開いた。ラスト200mで一瞬抜け切った位だったが、そこからが続かなかった。これで馬券圏内すらないのは救いがない。鞍上の話でソラを遣ったとのことで、それが正しければ鞍上の失敗だが、能力なら救いがない。次走試金石。

アマキヒ

前走中山戦辺りから、下見のテンションが上がって来た。今日は幾らか発汗だけはマシになったが。とはいえ、馬は緩んだところもなく、デキ自体は良さそう。ゲートでアオッて半馬身出負け。それでも無理に挽回することはせず、この馬の出脚で中段やや後方から。馬群の内目を追走して、折り合いは付いていた。直線は前が開く迄待って、追い出したのはラスト400m。いい形では有ったが、単純に伸び負けた。下見だけでなく、返し馬でもテンションが高く、レース前のロスがそれなりに有りそう。競馬に行けば問題はないので、何れ1000万でも通用する筈だが、気性面の問題は解決したいところ。