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競馬回顧 2025年2回京都

第30回NHKマイルカップ(GⅠ)

パンジャタワー

2人曳き。前肢にバンテージ。前走中京戦は腹回りが緩慢だったが、それがなくなった。歩様もキビキビして、デキ一変。ゲートは微妙に悪かったが、出脚でカバーして中段。600m通過33.4秒、1000m通過56.4秒と、それなりのハイペースだが、行き振りは抜群に良かった。4角から持ったままで進出、その勢いのまま直線に向いて、力強く伸びてラスト200mで先頭。抜け切って一瞬フワッとしたが、鞍上が必死で追って何とか保たせた。雨なら止まっていただろうが、思いの外、馬場が乾いたことで時計勝負になったことで、1400mの馬でも踏ん張りが利いた。前走中山戦は少し上手く行かなかった部分も有ったが、今日はスピードを緩める場面がなく、力任せに乗ったのが正解。これで"マイル王"という見方をするとアテが外れることも有りそうだが、スプリンターとして上級なのは確か。

マジックサンズ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。これも前走中山戦から明らかに良くなっていた。その前走は緩さが有ったが、今日はスッキリ。歩様にも力強さが有った。これも出ッパがイマイチだったが、中山2000mの後で出脚も付かず後方から。スタート直後に逸走したコートアリシアンは別にして、実質は最後方から。内ラチ沿いを運んで、直線も内からイチかバチかの競馬。坂下で逡巡する場面が有った以外は上手く行ったが、惜しいアタマ差。とはいえ、現代競馬では東京マイルで時計勝負になると、距離適性の短い方が有利。力が有るのは分かっていることだが、これでマイルをこなせたとはいい難い。1800〜2000m辺りがベストかも。

チェルビアット

下見で少しずつテンションが上がって来た点は気掛かり。馬体はそんなに変わった様子はない。皮膚を薄く見せて、デキ自体は良さそう。牝馬としては良く出来ている。ゲート五分。出脚はなさそうだが、鞍上に行く気もなく、後方から。これも道中はインでジッとして、直線だけの競馬。暫く壁が有ったが、その分、最後に脚が残っていた様で、最後は馬群を割って猛追。未勝利脱出に4戦を要した馬だが、ここに来て明らかにパフォーマンスが良くなっている。速いペースも合うのだろうが、GⅠを勝てる馬。

モントデラモーレ

2人曳き。このメンバーに入ると、迫力的に目立たない。ただ、もう少し腹回りは絞った方が良さそう。集中力に欠き、歩様もブレていた。ゲートは一緒かやや後手。少し出して好位直後。良過ぎる行き振りは今日の馬場を考えると悪くなかったが、4角でも行きたがっていただけに、その分のロスは有ったか。直線に向いてからも良くも悪くも一生懸命で、馬群の外目から間を割って一瞬は抜け出す場面。鞍上も夢を見ただろうが、僅かに踏ん張り切れず。競馬が前向きなのは長所だが、今日のところは力負け。もう少しゆったり走れる様になるか、ワンパンチ欲しい。

ランスオブカオス

2人曳き。少しテンションが高いのは何時ものこと。歩様が少し窮屈なのも前走阪神戦同様だが、馬体はメリハリが有って、良く出来ている。好発。出脚も速かったが、揉まれるのを嫌って一旦はハナ。ここで先手を取り切れれば良かったが、他馬に付いて来られて、結局は引く形。引っ張り過ぎて置かれそうになると、手を動かす場面も有り、向正面はチグハグさが目立った。直線は内目が開いて、伸びてきたが、最後は止まった。最初から出脚を使わず、あの位置だったら勝っていた。いい加減、降ろすべきだと思うが...。

イミグラントソング

前肢にバンテージ。単純に前走の方が雰囲気が良かった。今日は右後肢の出が悪い。馬体はこんなモノだが...。ゲート五分。ランスオブカオスが先行したが、それに付き合わず控えて好位。アドマイヤズームをマークする格好。形としては悪くなかったが、今日は道中の手応えがもうひとつ。直線も全く伸びなかった。中山だと1分32秒台で走れるが、東京だと時計に限界が有りそう。まだ、もう少し矯める競馬の方が良かったかも。

アドマイヤズーム

2人曳き。チャカつくのもいい傾向ではないが、それ以上に今日は歩様の硬さが目に付いた。馬は明らかに最上位だが、今日はデキに疑問。好発。序盤はポジションの兼ね合いが付かず、速いペースで腹の探り合い。そうこうしている間にトータルクラリティが暴走して、接触。この辺りで落鉄も有った様で競馬にならなかった。今日の馬場だと時計的にも苦しかった可能性は高いが、それ以前の問題。参考外。

第42回エプソムカップ(GⅢ)

セイウンハーデス

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。-6kg。馬体重の変動が激しいタイプだが、これ位なら許容範囲。しっかり踏めていて、馬体重以外は一昨年の福島戦とほぼ同じデキ。好発。出脚も一番速かった位だが、枠を克服出来る程ではなく、無理せず行きたい馬に行かせて好位。序盤に無理をさせていないので、折り合いもスムーズ。直線に向いてからの反応も良く、ラスト200mで先頭。ただ、直線は左手前になってからのモタれ方が激しく、最後は内ラチにへばりついてしまっていた。抜け切る時の脚は1頭だけ違っており、更に稍重の馬場でレコードと、能力的に抜けていたことは間違いないが、これだと過信出来ない。再度、同じパフォーマンスが出来るとはとても思えなくて...。

ドゥラドーレス

前肢にバンテージ。少し間隔が開いたが、前走小倉戦が少し良かった。歩様に力強さが有って、デキ自体が悪いこともなさそうだが。ゲートも微妙に悪かったが、出脚でやられている間に前が塞がってしまい、後方から。人気になっていたが、動くに動けない位置で、直線に向いてから進路を探す形。それも中々厳しいモノが有り、ラスト300mでセイウンハーデスの抜けた位置から。こちらは真っ直ぐ走っていたが、スムーズに運んでいたセイウンハーデスには届かず、2着止まり。とはいえ、この時計で追い込みでは流石にキツい。今日はこれで良しとするところ。直ぐにチャンスは回って来そう。

トーセンリョウ

前後肢にバンテージ。今日は妙に気配がいい。集中力が有った。デキそのものがそんなに変わったこともないだろうが、歩様にも力強さが有った。これも出脚でやられて、前が塞がってしまったクチで後方。ドゥラドーレスと並走する形。ただ、枠の並びの関係でこちらの方が外に居て、直線も最初から外を狙う形。ドゥラドーレスに迫る感じでもなかったが、良く伸びている。ただ、今日はデキが良かっただけに何とかしたかったところ。今日はいい脚を長く使えており、このデキが維持出来れば、次走はタイトルに手が届いていい。

クルゼイロドスル

前後肢にバンテージ。-6kg。数字の割に迫力がない気もしないでもないが、明らかに腹回りがスッキリ。手先が軽いのもいい。ゲート五分。出脚は使わず枠なりで中段から。馬群の中で揉まれる形になり、3角手前で少し番手を上げて、その点を緩和。そこからはスムーズに回って、直線も自然と前が開いた。ただ、抜け切る前にセイウンハーデスに交わされていて、直線もジリジリ。矯めた方が最後の脚は良さそうだが、かといってこれまでもそんな競馬で入着ばかりだった。もうワンパンチ欲しい。

コントラポスト

前後肢にバンテージ。前走中山戦とそう変わらず。緩んだところもなく、キッチリと出来ていた。キビキビと歩けていた点も前走同様。この馬にしては珍しく好発。出脚も速そうだが、行きたい馬が多くて、好位に控える形。折り合いも付いて、上手く運べたが、もうひとつ伸びなかった。ゲートが不安定な馬で、五分に出たことは何よりだが、それでこの結果は案外感が際立つ。今日のメンバーだと少し足りないということも有るだろうが、時計にも限界が有りそう。

ダノンエアズロック

今年初戦になるが、一時よりの太目感はなくなったにせよ、まだ馬は緩い。それでも、歩様の力強さは出て来た。本格化の兆しは見えて来たかも。ゲートを決めて、ジワッと好位。折り合いも付いて、今日はリズム良く走れていた。直線に向いてからもセイウンハーデスには抵抗出来なかったものの、諦めずに一瞬は2着有りそうな場面。ずっと外を回っていた影響なのか、最後は甘くなったが、復活の兆しは見えたといえそう。次走辺りは流石に人気落ちとなりそうで、面白いのでは?

ジューンテイク

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-8kg。故障明けだが、見た目には出来ていた。歩様を含めて、悪い印象はない。ただ、序盤から行きたがっていて、何度も頭を上げる場面。直線は追うのを止めていた。今日は競馬になっていない。ただ、能力はこのメンバーでもトップクラス。気性面さえ解決出来れば。

第73回京都新聞杯(GⅡ)

ショウヘイ

少しテンションは高かったが、馬体を含めて、今日は目一杯仕上げた感が有る。歩様も悪くない。ゲートの態勢が若干悪かったが、何とか五分の発馬。トビが大きい割に出脚が速く、スッと好位。前はオーシンエスが掛かり気味で気を遣う展開だったが、道中のリズムも良かった。直線は今年のこの鞍上らしく、馬場のいい外へ持ち出したが、早々に先頭へ立つと、後続を寄せ付けることなく押し切った。完勝。胸を張って東京戦へ向かうことになるが、何度も手前を替えていた点は気になった。今日は目一杯の仕上げでも有り、上積みも期待出来ず、次走は苦しいか。

エムズ

2人曳き。-8kg。コンパクトに纏まっているが、トモだけボリューム感が有る。鞍下から発汗して、かなり気負っていた。歩様は独特で、左後肢が悪いのは何時ものこと。ゲートの駐立が悪かったが、二の脚が速く、一旦は内の馬を叩いて好位。逃げたナグルファルは鞍上が無理に抑えたことで1000m通過63.3秒と極端なスロー。その番手に居たこの馬も、引っ張り切りでは有ったが、何とか堪えた。3角辺りから一気にペースが上がって、少し置かれ気味になっていたが、それ以上に内で脚を使っていなかった利が大きく、直線に向いてからはスルスル抜けて何とか2着。各馬、内を開ける馬場状態だけに、何とも言えない部分も有るが、追って頭が高く、反応の鈍さは気になった。賞金的にも2着だと微妙だが、仮令東京戦に出走が叶ったとしても、これでは通用しない。

デルアヴァー

前後肢にバンテージ。前走阪神戦より、歩様の力強さが増した。馬体もキリッとして、雰囲気はいい。ゲートも微妙に悪かったが、出脚もなく、後方に近い位置。舌を括っていたが、このペースの割には何とか我慢して走っていた方。向正面から少しずつ押し上げて、4角で好位。悪くない形だったが、これも追って頭が高く、もうひとつ弾けなかった。勝ったショウヘイには届かなかったとしても、2着確保しないと値打ちがない内容。今日のところは力が足りなかったという外ない。

トッピボーン

シープスキンノーズバンド。下見は落ち着いていたが、マイラー体型。その割に前肢が弱くて、完成度が低い。ゲート内でジッと出来ず、出遅れ1馬身不利。外枠の出遅れなら、ジックリ乗るタイプの鞍上だが、それでも序盤から宥めるのに懸命。向正面に入っても中々落ち着かず、かといって人気を背負ってこのスローで後方の外目では勝ちがなく、渋々動かして行く形。2着を取りに行く競馬ならまた違っただろうが、1着権利取りの競馬だけに、無理をさせて最後が甘くなった。とはいえ、これは誰も責められないところ。一度、立て直す形になるだろうが、そこで改めて。

ネブラディスク

2人曳き。例に依ってテンションが高い。ディープインパクト産駒やステイゴールド産駒なら別だが、馬体ももう少し増えて欲しい。キョウヘイ同様、目一杯仕上げたといえばそうなのだろうが...。ゲート五分。最初から頭を行きたがっていて、中々落ち着かず、ずっと内外前に馬を置いて、向正面半ばで何とか宥めた。ただ、4角で手が動くと、今度は前の馬に接触しそうになり、気性面が壊滅的。尤も、それでも掲示板を確保出来るのだから、能力は持っている。まだ500万の馬だが、上手く行けば大化けするかも。サッパリの可能性もかなり高そうだが...。

キングスコール

シープスキンノーズバンド。気配に乏しいのは何時ものこと。前走中山戦から大きく変わったことはなく、良くも悪くも平行線。好発も行く気はなく、中段。ただ、最初から行き振りが悪く、ところどころでオッツケる場面。ペースが上がると尚更で、置かれる一方だった。見た目には問題なかった筈だが、何処か悪いところが有るのか...。

第171回天皇賞・春(GⅠ)

ヘデントール

2人曳き。例に依って煩いが、これでもまだ堪えて居た方。馬体はメリハリが利いて良かった。歩様も気にならない。好発も、出脚を使わず、中段のイン。油断すると引っ掛かりそうな雰囲気も有るのだが、頭の高い走法は何時ものこと。鞍上の手腕が大きいのだろうが、インに居た割にはそこ迄、揉まれずにリズム良く運べた。坂の頂上から先に動いたジャスティンパレスを追い掛ける形で進出。4角では前がズラッと並ぶ形になったが、ここでワンテンポ息を入れられたのも大きかったか。直線はラスト200mで一旦脚が上がり掛けたのだが、ビザンチンドリームが外から来てもうひと踏ん張り。鞍上の細かい工夫の積み重ねが最後に生きたが、真っ向勝負だったら負けていた。次走未定だが、何処へ行っても厳しい。

ビザンチンドリーム

前後肢にバンテージ。前々走中山戦と比較すると、明らかに馬が良くなった。気配自体はそこ迄、変わった訳ではないが、動きにもキレが出た。出遅れ1馬身不利。この枠で無理も出来ず、後方から。それでも1周目の坂の下りでは頭が上がりそうになる場面。ホームで漸く折り合って、向正面はジャスティンパレスに付いて行く形で一瞬だけ進出したが、ヘデントールがあまり動かないのを見て、ここでワンテンポ待つ形。当然、4角でも一息入れるタイミングが有り、直線の伸びに繋がった、それだけにあそこ迄、行けば勝ちたかったところだが...。最後は枠の差も有っただろう。単純能力比較ならヘデントールより強いが、後ろから行く分、不利を食らって負けるのは仕方がないところ。豪州を含めた賞金の高いディスタンス戦に遠征へ行った方が稼げるだろう。

ショウナンラプンタ

2人曳き。少し腹回りがボテッと映る。緩いと迄は行かないが、もう少しスッキリさせて欲しい。歩様に力強さはないが、この馬場なら気にしなくていいだろう。ゲートは五分に出たが、出脚が怪しく、鞍上に行く気もなく、後方に近い位置。馬を前に置く形では有ったが、馬群の外でリズム重視で乗られた。向正面でジャスティンパレスが動いた際に、ヘデントールと一緒に付いて行く形。上位2頭は4角で矯めが有ったが、こちらは一気に動いて先頭迄、並び掛けて勝ちに行ったのが失敗。直線は右手前のままだったことも有るが、ラスト200mで捕まって3着確保がやっとだった。もう少し工夫していれば結果は違ったか。ただ、最近は自力で動いた馬が強かったレースだけに正攻法で鞍上を責めるのも酷。

サンライズアース

2人曳き。前肢にバンテージ。+4kg。ショウナンラプンタ同様、マイルならこれでいいが、この距離を走るなら、もっとスカッと見せて欲しい。全体に厚ぼったい。歩様にもブレが有る。ゲートを決め、そのまま行かせて好位。道中の折り合いは付いていた。例のマクりに来た連中に合わせて、進出。内で脚を矯めていただけに、直線はもう少し伸びて欲しかったが、雪崩れ込んだ程度だった。今日の感じだと力量差はかなり有りそう。

マイネルエンペラー

緩んだところがなく、キッチリ出来ていた。馬に迫力はないが、この距離なら関係なし。動きにキレが有ったのが何より。ゲートは分が悪かったが、押して押して好位。それも隊列が固まった1周目ホームでは折り合えていた様に見えた。ただ、ジャンカズマが向正面でペースを落とそうとした際にそれを嫌って先頭。ただ、GⅠとなると、マクり合戦の引き金を引くような形になるのは仕方がないところ。距離経験がなかっただけに、今日はこれでも良く粘っている方。ただ、故障発症とのことで、暫く休養とのこと。

ジャスティンパレス

数字は一緒だが、前走阪神戦より良く見せた。馬体が締まって、歩様もしっかり。未だ、何が目標だったのか良く分からないが...。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。無論、折り合いは何の問題もなかったが、3角手前から動いたのが失敗。唯でさえ、ペースが上がっているところで動いている上に、上りで動いて、余計に外を回されと、一番マズいタイミングで動いてしまった。スタミナ自慢の馬が4角でアラアラ。競馬にならなかった。今日は鞍上の失敗以外にない。

第70回京王杯スプリングカップ(GⅡ)

トウシンマカオ

左だけオーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。+6kg。腹回りは流石に重たくなって来た気もするが、迫力満点。スプリンターならこれでいい。動きもキビキビ。ゲート五分。出脚が最近鈍っている様で、少し出して中段。1400mが良過ぎる位だが、今日は基本的に前が止まる馬場状態ではなく、これがいい方に出た。例に依って左回りはコーナリングが怪しいが、東京ならそれもほぼ無視出来るレベル。手応え充分に直線に向いて、ラスト200mで先頭。そこで左手前になって、一瞬フワッとしたが、鞍上が必死に追ってレコードを1.1秒も更新。JRAレコードとなった。昨年辺りから、馬がワンステップ強くなった印象。秋迄、待機して中山戦目標とのことだが、右回りならサトノレーヴを負かしたいところ。

ママコチャ

今季は寒い時期から高値安定。ただ、歩様は微妙に落ちて来た感も有る。前走中京戦は小走りが入っていたが、今日は大人しい。好発。行きたい馬に行かせて好位。これも掛かる位の行き振りだったが、無理に引っ張ることはせず、リズム重視で乗られた。直線に向いての手応えも有ったが、少し待っている間にトウシンマカオに先を越され、ならばと追ってからはしっかり伸びているのだが、最後の最後はトウシンマカオに突き放され気味になっていた。今日のところは完敗。決め手で差が有った形。これも秋迄、待機する様だが、堅実には走っている。

ロジリオン

2人曳き。テンションが高いのは毎度。前走中山戦は少し緩かったが、今日は本調子。歩様にもキレが有った。出脚で差が有って中段やや後方。道中の折り合いは付いていた。追ってからもしっかり伸びているが、前に2頭が居た。スプリントから来たタイプと2000mを走っていた2週間後のヴィクトリアマイルが典型だが、昔と違って競走馬の基礎体力が向上しており、時計勝負になると明らかに距離適性の短い方が有利で、スプリントタイプでないと厳しい。条件が整えば次走狙い目ということになるが、最近は好走と凡走が1戦置き。狙うなら次々走。

レッドモンレーヴ

シープスキンノーズバンド。緩さだけをいえば前走中山戦よりはマシだが、これだと一枚重い。馬に活気が有って、デキ自体は良さそうだが。ゲートは半馬身後手。出脚,枠共苦しく、最後方から。道中の手応えは決していい方ではなく、どちちらかといえばオッツケ気味の追走。それでも4角から押して、直線で外へ持ち出されると、ジリジリ伸びてここ迄。昨年の2着馬だが、同様のパフォーマンスは出来た。ただ、時計勝負に適性の有る馬が前に居ただけ。今年に入って不振だったが、大分復調している。流石に次走はGⅠだけに厳しいだろうが。

シャドウフューリー

-4kg。前走中京戦は全体に緩慢だったが、今日はまだマシ。ただ、全体に非力。もっと筋肉が付かないと重賞ではキツい。ゲートは出たが、出脚でやられて中段のイン。この時計だけに、内目に居た利はそれなりに有った筈だが、直線に向いてからが甘い。今日はスピード負け。とはいえ、前走中京戦も不利が有って0.4秒差の6着。ワンパンチ欲しいのは山々だが、オープン特別なら何とかなりそう。競馬に癖がないのはいい。

カンチェンジュンガ

-8kg。勝った今冬の京都戦が一枚太い位の状態で、見た目はこの方がいい。毛ヅヤも良くなって、デキにケチを付ける部分はない。例に依ってゲートはいい方ではなく、後方。矯めるだけ矯めて外へ持ち出す形は何時も通りだが、今日は全く伸びず。この時計は流石に厳しかったということにはなるが、更に後方に居たレッドモンレーヴにやられたのは頂けない。過去の戦績から32秒台の脚を使ったことがなく、その点にも限界が有りそうだが、コーナーでの手応えを見ると、右回りの方がいいかも。

アサカラキング

前肢にバンテージ。もうひと絞り有ってもいいが、これもそんなに悪い印象はない。馬に活気が有ったのが何より。歩様も悪くない。好発。出脚も速いが、かといって抜けている程ではなく、内のカルロベローチェと暫く腹の探り合いをしていたが、中途半端を嫌って行かせる形。1000m通過56.1秒は直ぐにコーナーが来る東京1400mというコース形態を考えたら速い。直線入口迄は踏ん張っていたが、最後は止まった。とはいえ、この馬でも従前のタイレコード。これが限界なのだろう。

第30回ユニコーンステークス(GⅢ)

カナルビーグル

遮眼革。+6kg。全体に馬が緩くて、まだまだ本当に良くなるのは先。歩様も甘くて、下見だけなら手が出せない。好発。出脚も余裕有りそうだが、行きたい馬に行かせて好位のイン。結果的に馬群の中だったが、砂を被っても特に苦にせず走れていた。馬が嫌がっていないので、脚が矯められていて、4角の手応えが抜群。ただ、直線に向いて、一瞬外へ持ち出そうとして、クレーキングと接触。壁に阻まれる形となり、切り替えて内へ。それでも今日は脚に余裕が有り、馬は強かったが、鞍上に細かいミスが多いのは気になるところ。次走は大井戦ということになるが、非力な印象も有り、馬場そのものも合わない可能性が高い。

クレーキング

+12kg。全体に重たい印象は有るが、馬は張っている。ダート馬ならこれでいいかも。歩様も力強さが出て来た。ゲートが開いて、上へジャンプしてしまい、2馬身のロス。そのまま最後方から。向正面に入って馬群に取り付き、何時でも動ける状態に。3角過ぎ辺りから動いて、4角でメイショウズイウンの直後。この回り脚は速かった。直線入口では接触する形となりながらも、カナルビーグルを何とか内に押し込めて、出遅れからのリカバーとしては完璧な立ち回りが出来た。勝ち負けはカナルビーグルが道中で楽をしていただけに仕方がないところ。競馬の内容としては強い。

メイショウズイウン

+14kg。長期的に見れば馬体増はいい傾向。今日だけをいえば少し腹回りが緩いが、それでもデビュー当時を考えたら、大分身になって来た。その分、歩様もしっかりして来た。躓き気味に出てしまった上に、外から次々来られたことも有り、鞍上が無理せず、後方から。一旦、最後方迄下げて、向正面に入って一気に進出。3角では好位に取り付いていた。それでも、4角の手応えはは悪くない様に見えたが、直線は追い負けて3着。カナルビーグルは別にして、クレーキングも似た様な競馬だっただけに、そこの能力差は有りそう。手堅いことは確かだが...。

ベリタバグス

前後肢にバンテージ。骨格のしっかりした馬で、馬振りはいい。ただ、頭が高く、その分、トモが甘い様にも見える。好発も、急かすことはなく、この馬の出脚で好位直後。ただ、外から動いた馬が多かった関係で、4角での位置取りが後方に。結果的にカナルビーグルの後追いとなり、最悪ではなかったが、後手後手に回ってしまった。尤も、この馬自身も、コーナーの脚が鈍く、直線も右手前のまま。3着のメイショウズイウンからも3馬身離された4着。実績通り、500万で馬券圏内有るなしの馬。明らかに力量差が有る。

ヒルノハンブルク

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。毎度とはいえ、かなりチャカつく。ただ、トモが張って、馬の完成度が高い。ゲートは半馬身程、分が悪い様に見えたが、出脚で挽回して2番手。ただ、道中がスムーズならまだ良かったが、向正面でメイショウズイウンに来られて、自力で出て行く展開になってしまった。こうなるとキツい。直線で一瞬だけでも伸びる脚が有り、今日はこれでも良く頑張っている方。1000万でも足りる。

テスティモーネ

これもかなり煩かった。馬振りだけなら、このメンバーでもトップだが...。歩様の甘さもなく、いい馬なのは間違いない。ゲートは微妙に後手。外のヴィリアリートに叩かれる形となったが、立て直してからが速く、スッと好位。序盤はリズム良く走れている様に見えたが、向正面で外から来られて、3角手前で手応えが怪しくなっていた。自分から競馬を投げた様なやられ方。気性的な問題かも。

第60回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)

カムニャック

2人曳き。前後肢にバンテージ。-12kg。これ以上減って欲しくないが、緩さはなくなった。500万の馬だけに、権利取りへちゃんと仕上げた形。ただ、デビュー当時と比較して、歩様の力強さが増した。数字は別にして、そこは大きく成長。ゲートで寄れて、内の馬と接触。出脚が若干、鈍ったが、最初から頭を上げて行きたがっていて、中段から。内外前に馬が居て、向正面で馬に諦めさせて宥めた。この状態で、流石に反応が俊敏だったとは行かないが、ラスト400mで前が開いてからは最後迄、しっかり伸びて快勝。ここでは力が違った。馬が良くなっていたことが大きいが、直線で内にモタれ気味だったことに加え、今日のメンバーレベル、目一杯の仕上げで上積みが見込み辛い点を考えても、次走は見送り。

ヴァルキリーバース

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。今日の方が落ち着いている。ただ、腹が巻き気味。歩様にも硬さが有って、厳しい状態だった。ゲート五分。出脚が抜群に速いということもなさそうだが、無理もせず中段。ただ、ソロッと乗って折り合いが付けば良かったが、2角でカムニャックと接触。そこで馬が怒ったのは痛かった。道中はカムニャックのほぼ真横で、これも窮屈な位置。直線に向いて、カムニャックの外に居たブラックルビーがフラつき、最終的にはカムニャックの後追いの形。比較的真っ直ぐ走っており、脚取り自体はしっかりいたが、回転数が足りず、最後はタイセイプランセスに捕まりそうになっていた。権利は確保出来たが、能力面で厳しい。馬体細化傾向もネック。

タイセイプランセス

後肢にバンテージ。馬体も貧弱だが、それ以上に歩様に力がない。未勝利とはいえ、良くこれで勝ったと思えるレベル。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。序盤に一瞬だけ行きたがった以外は、折り合いが付いていたが、今日は妙に馬がヤル気で、ずっと抜群の手応え。ただ、直線でヴァルキリーバースの内を狙って、前が塞がり立て直す場面がったのが痛恨。外目へ持ち出してからは1頭違う脚で伸びて来たが、あの場面がスムーズだったら、2着どころか、カムニャックとも際どくなっていた。開幕週の良馬場だったとはいえ、この馬体でここ迄、走るのだから大したモノ。コンスタントにこの脚を期待するのは酷だが、オープンでも通用する決め手。

エストゥベンダ

前後肢にバンテージ。マイラー気味の体型で、数字の割に良く出来た方だが、多少トモの甘さは感じるところ。全体に緩い。ゲート五分。大外枠だけに行く気もなかっただろうが、出遅れながら無理矢理挽回して来たハギノピアチェーレに内から弾かれる形になり、中段。ただ、ペースの割に馬群が固まり、外を回されるのを嫌って、最近流行りの向正面で動いてハナ。今迄、逃げた経験がなく、ハナへ立ってからは耳を立てて、ソラを遣いながら走っている状態。その分、最後迄、脚が残っていたということもいえるが、集中して走れていない分、いい脚が使えなかった。2角手前の接触も痛かったが、それ以上に今日は逃げる経験がなかった点が大きい。権利は取れなかったが、いい経験になった筈。次走注目。

タガノアピー

+4kg。496kgの大型馬で、迫力は有るが、明らかに芯が入っていない。ひとつひとつの所作に力感がなく、まだまだ時間が掛かりそう。ゲートの駐立が悪く、大きく出遅れ。そのまま最後方から。それでも枠の利は大きく、馬群には取り付いていた。道中のリズムも悪くなく、直線に向いてからも前の馬がフラついて、逡巡する場面が有った以外はスムーズ。ジワジワ伸びて、ここ迄。中段辺りに居たら、もう少しやれていただろうが、馬力がないだけに揉まれてどうだったという面も有る。これはこれで悪くない競馬。成長して来れば走って来る筈。

ブラックルビー

2人曳き。前肢にバンテージ。小さい馬だが、トモが張って、完成度は高い。歩様が甘いということもない。ゲート五分。本気を出せばハナへ行ける位出脚は速そうだが、引っ掛かりそうになっており、好位で控える形。向正面で外から来たエストゥペンダに連られそうになる場面も有り、序盤はかなり行きたがっていた様に見えた。それでも3角手前では何とか宥めて、直線に向いてからも一度は反応しているが、ラスト200mで止まった。新馬,500万が1800mで、経験を積めば変わる範囲だろうが、今日のところは距離が長かった。

第56回読売マイラーズカップ(GⅡ)

ロングラン

今日も絶好調。キビキビとした動きが目立つ。馬も張って、気配も良かった。前走小倉戦同様、ケチを付けるところがない。ゲートは五分に出ているが、出脚がサッパリで後方から。この鞍上らしく、直ぐに内へ寄せていた。流れに乗ってからはスムーズで、4角は抜群の手応えで持ったまま。鞍上の追い方がダイナミック過ぎて、直線は手応え程、伸びていない感は有るのだが、早々に前を捕まえて、危なげなく押し切った。デキも良かったが、小倉戦の勝ち振りが本物だった。次走東京戦へ向かうことになるが、今日は頭数が少なかったことが幸いした感も有る。フルゲートで序盤にリズムを崩すと、微妙な面も。

ジュンブロッサム

+4kg。前走東京戦は少し歩様が硬かったが、今日はスムーズ。トモも張って、デキはいいだろうが、腹回りはもうひと絞り有っていいかも。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。バラけた位置で、道中のリズムは悪くない様に見えたが、坂の下りでの反応がもうひとつ。その分、直線に向いてからの加速も鈍く、実質は1Fだけ脚を伸ばした様な格好。それでこの差なら馬は強いということになるが、課題を残した一戦。ゲートがアテにならず、五分に出たとしてもいい時と悪い時の差が有り、馬券的には軸にし辛いタイプ。

セオ

馬体重の変動が激しい馬だが、これだと少し太い。歩様に力強さが有って、デキは問題ないのだろうが。ゲート五分。出脚は速く、暫く他馬の出方を窺っていたが、内からビーアストニッシドが行って、その番手から。道中の折り合いは完璧で、手応えも抜群だった。4角で外から来たレイベリングに併せて進出。直線入口で前を突き放し、出し抜け気味になっていたが、中々手前が替わらず、踏ん張りが利かなかった。時計に限界が有りそうなやられ方。開幕週で前有利ということで人気になっていたが、それを踏まえてこの結果だから、重賞だとワンパンチ足りない。

ニホンピロキーフ

シープスキンノーズバンド。馬体がキリッとして来た。現状はこれ位が丁度。踏み込みは少し浅いが、歩様もこんなモノ。ゲートは五分に出たが、出脚が怪しく、枠の利が有って、何とか中段。馬装通り、頭が高く、行き振りが悪そうに見えるのは毎だが、今日は全体に反応が鈍く、直線もジリジリだった。枠を生かしたセコい競馬が出来たらまた違ったのだろうが、早い段階でロングランに入られて、外を回さざるを得なかったのも痛かったか。ただ、時計勝負も歓迎しないタイプ。時計が掛かればもう少しやれていい。

グラティアス

シープスキンノーズバンド。-12kg。数字分だけスッキリした印象。馬体に張りがないのは気になったが、歩様は良くなった。ゲート五分。極端に負けていた訳ではないが、他に速い馬が居て、好位から。道中の行き振りもそんな感じで、序盤はオッツケ気味の追走。その割に、坂の下りでの反応は悪くなかったが、追ってもうひとつ伸びなかった。平坦の決め手勝負は厳しそう。阪神で時計が掛かる馬場の方が向くタイプか。

ホウオウリアリティ

馬が張って、腹回りがタプついた印象もなく、やはり数字はこれ位の方がいい。歩様にブレもなく、暖かくなって調子を上げて来た。ゲートのタイミングが合わず、1馬身出遅れ。そのまま後方から。枠なりにインを回って、距離を稼いだが、イマイチ伸びなかった。デキが上向いていただけに、このメンバーなら通用していい筈だが、決め手不足。結果的に出遅れが痛かった。

第32回テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

エネルジコ

前肢にバンテージ。キッチリ出来ていた。見た目は前走からの成長は薄いが、歩様がしっかりした。ゲートがヨレ気味で、出脚が付かず、後方から。道中の折り合いは付いていた。4角手前で外へ持ち出したが、追い出しは直線に向いてから。ラスト250mで左手前になり、またラスト100mで右手前になっていたが、ひと追い毎に伸びて、最後はクビ差。本番に繋がらないレースでは有るが、比較的真っ直ぐ走れていた点は評価したいところ。今年のこの路線は全体にメンバーが低調で、次走も軽視禁物。

ファイアンクランツ

2人曳き。454kgの数字の割に、馬を大きく見せる。その点はいいのだが、歩様に力強さを欠く。本当に良くなるのはまだ先か。好発。出脚は悪くなかそうだが、急かさず乗られて中段から。道中、完全にリラックスして走れていたということでもないが、前に馬を置いてからはスムーズ。詰めの甘さを意識してか、4角で動く形。それでも、反応は鈍かったが、ジリジリ伸びて前を捕まえたところがゴール。ところがその外を勝ったエネルジコがクビ差先んじて駆け抜けていた。これで勝てないなら、詰めが甘いという外ないが、尤も、この手のタイプは相手関係は無視出来る。次走も流れひとつ。

ゲルチュタール

-12kg。漸く絞れて来た。胴長でゆったりとした造りで、これが本来の姿か。ただ、そんなに馬力の有るタイプではなさそう。気配が地味なのは毎度のことだが。内の馬を叩きたかった様だが、出脚が速いということもなさそうで、それらに粘られ、中段。内に馬が居ると嫌なのか、道中は少し力んでいた様に見えた。それでも4角で外へ持ち出してからはスムーズで、脚を矯める場面が有ったのは大きかったか。直線に向いてからもしっかり反応していたが、僅かにキレ負け。馬力がないので、直前の大雨はそれなりに応えただろうが、道中に問題が有ったのは他馬も似た様なモノ。もう一段のパワーアップが欲しい。

レッドバンデ

2人曳き。-4kg。気配はこれでいいが、まだ腹回りがボテッと映る。歩様にブレが有った点も気になった。ゲートでアオッて、1馬身不利。出脚もキツそで馬群に取り付くのがやっとだったが、押して押して最内へ。流れに乗ってからはリズム良く走れていた。只管、最内を回って、直線も綺麗に前が開いた。ラスト200mで一瞬抜け切った位だったが、そこからが続かなかった。これで馬券圏内すらないのは救いがない。鞍上の話でソラを遣ったとのことで、それが正しければ鞍上の失敗だが、能力なら救いがない。次走試金石。

アマキヒ

前走中山戦辺りから、下見のテンションが上がって来た。今日は幾らか発汗だけはマシになったが。とはいえ、馬は緩んだところもなく、デキ自体は良さそう。ゲートでアオッて半馬身出負け。それでも無理に挽回することはせず、この馬の出脚で中段やや後方から。馬群の内目を追走して、折り合いは付いていた。直線は前が開く迄待って、追い出したのはラスト400m。いい形では有ったが、単純に伸び負けた。下見だけでなく、返し馬でもテンションが高く、レース前のロスがそれなりに有りそう。競馬に行けば問題はないので、何れ1000万でも通用する筈だが、気性面の問題は解決したいところ。