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競馬回顧 2020年6回阪神

第65回有馬記念(GⅠ)

クロノジェネシス

+10kg。数字は増えているが、緩んだところはなく、デキとしては完璧。小走りが入る程度は毎度のこと。一瞬の出脚はない馬で、センター枠だと両サイドに出られるのは仕方がないところで、後方から。序盤は兎に角大事に乗られた印象。自分のリズムが出来たところで、向正面半ばから進出。昔は回り脚の怪しい馬だったが、楽な手応えで4角で好位。あとはフィエールマンを相手と決め込み、直線で競り落とした。昨年圧勝したリスグラシュー程の衝撃ではないが、ネジ伏せる勝ち方で、確実に決めた印象。東京以外なら現役最強。「馬に落ち着いてほしいと思い、ゲートインやゲートの中でも自然体を心掛けて馬とコミュニケーションを取りました。前掻きをしている時にゲートが開いたんですが、五分のスタートを切ってくれたのは良かったです。折り合いもスムーズでしたし、いつもの調教の時のクロノジェネシスの感じで走れたのが良かったですね。僕自身、昨日、今日と中山の2500メートルで乗せてもらい、いいイメージを描いて競馬に臨むことができました。まだ未対戦の三冠馬2頭がいますが、そこに譲らず、引っ張っていけるような存在になっていってほしいです。(北村友一騎手・週刊競馬ブック)」

サラキア

デビュー時からそれ程馬体が増えたという訳ではないのだが、今秋は実に馬が良くなった。特に歩様の非力さがなくなったのが大きい。行こうと思えば行ける出脚は有る筈だが、距離を意識しつつ、後方からジックリと。隊列が決まった段階で、眼前にクロノジェネシスが居たことで競馬が組み立て易くなった。ただ、向正面でクロノジェネシスが動いたタイミングでは付いて行かず、4角迄待ってからの追い出し。序盤はスローでも各馬の仕掛けが早い展開だったが、この我慢が最後の伸びに繋がった。惜しい2着。無論、好走の要因は展開が大きいが、1年前なら今日の力の要る馬場とこの距離なら競馬にならなかった筈。この成長力が有れば来年はタイトルも狙える。

フィエールマン

前肢にバンテージ。柔軟性一本の馬で、良くも悪くも変わらず。もっとしっかり踏んでくれると尚いいが、これも何時も通り。半馬身出遅れ。この影響なのか、珍しく行きたがっていた。最初はクロノジェネシスと似た様な位置だったが、1周目のホームで先行。コーナーではあまり動かない様にしつつ、向正面で4〜5番手。ペースが遅かったことも有り、終始早目の立ち回りで、4角先頭。出し抜けを狙ったが、思った程突き放せず、最後に甘くなった。鞍上は時計の掛かる馬場を敗因に挙げていたが、ゲートで失敗して流れに乗り損ねた点も応えただろう。途中から舌がハミを越しており、馬もイマイチヤル気がなかった様にも見えた。

ラッキーライラック

前後肢にバンテージ。少し冬毛が出て来た。その分、馬体の張りが甘く映る。歩様等、他の部分は大差ないが。ゲート五分。行けるなら出来る限り前へというつもりだった様だが、内枠から先行した馬も多く、直ぐに引いてその直後から。距離は意識しつつ、前を壁にして折り合いを付ける形。何とか我慢して走っていた。フィエールマンやクロノジェネシスが動いた場面でもジッと我慢。4角を回り切る寸前で外へ持ち出し、クロノジェネシスを追撃する形。ただ、直線は完全に突き放され4着死守がやっとだった。流石に距離は少し長かったか。尤も、これが引退レース。2歳時で終わったかに見えたが、古馬になってGⅠを3つ勝っただけでも大したモノ。

ワールドプレミア

2人曳き。前肢にバンテージ。もっと落ち着いて欲しいところだが、これでも前走東京戦よりは遥かにマシ。馬体も叩いた分の上積みは有った。ゲートは速い方ではなかったが、最初からスローで馬群が固まったことも有り、内枠の利で中段辺り。ただ、向正面では珍しく行きたがっていたのと、意外とバテて来る馬も多く、折角内枠で距離を稼いだのに勝負どころで台無しにしてしまった。ジワジワ来ているが、4角がカレンブーケドールの位置なら3着争いに加われていた。勿体ない競馬。

カレンブーケドール

2人曳き。シープスキンノーズバンド。3歳時は華奢なイメージも有ったが、すっかり別馬。歩様に力強さが増して、馬体もドッシリ見せる様になっている。この馬の出脚で中段やや前辺り。基本的にはフィエールマンをマークする形で。1周目のホームでオセアグレイトに叩かれているのと、向正面に叩き返しに行く等、この馬としては出入りの激しい競馬になった。3角過ぎからクロノジェネシスと一緒に上がって行ったが、この段階で手応えが違い過ぎて、ほぼ圏外。今日は同着でも5着を確保しただけで良しとする内容。トップではないが、それなりの底力を持っている。何処かでタイトルが欲しいところだが...。

第15回阪神カップ(GⅡ)

ダノンファンタジー

前後肢にバンテージ。+6kg。首でリズムを取って気配上々。馬体も3歳秋辺りから完成されており、結果に関わらず、見た目に大きな変化はない。この馬より直ぐ内の3頭が先行して、そのポケットから。道中は距離短縮が効果有った様で、コントロールは利いていた。直線はイベリスとヤマカツマーメイドの間が自然と開き、坂を上る脚で突き放して、そのまま押し切った。内枠と距離短縮で脚を矯められたのが最大の勝因。とはいえ、前走東京戦はトロワゼトワルが暴走して前を追い掛け過ぎただけで、1800m迄はこなせる筈。あとは如何に脚を矯めて行けるかどうかだろう。ただ、今日は後述する様に、他馬が枠に殺された感も無きにしも非ず。

マルターズディオサ

+4kg。関西圏に来ると走らない傾向も有る馬だが、今日は数字通りマトモ。歩様も一歩一歩が力強い。好発。出脚も有る馬だが、多少行きたがるのは承知で更に出して行って3角手前で3番手。位置取りが決まってからは折り合いが付いていた。直線は馬場のいい外へ。勿論、相手が外と見たことも有っただろうが、内にダノンファンタジーが居た。内に併せに行っていたらという気もしないでもないが、積極的に乗って最後が甘くなるのは仕方がないだろう。もう少し内枠で走りたかったところ。通った位置の差を考慮すればダノンファンタジーともそこ迄差はない。

インディチャンプ

+10kg。馬にキビキビ感は有るのだが、一瞬の脚で勝負するタイプで、もっと絞らないと走らないタイプ。ゲートは五分に出ているが、外から来られたことも有り、行く気はなく後方から。結果的に失敗だったということにはなるのだが、これはこれで自分の競馬。ただ、枠の並びの関係も有り、今日はずっと外を回されてしまった。内枠の馬が先行したことで隊列がスンナリ決まってペースが落ち着き馬群が凝縮、その分余計に外を通る結果となってしまった。一枚重かった分も有り、むしろ今日は良く頑張ったといえる3着。昔なら惨敗でもおかしくないパターン。淡白さがなくなって来た。

サウンドキアラ

緩んだ印象はなく、この状態なら馬体は春と大きく変わっていないが、歩様が硬いのがマイナス。ゲートも微妙に悪かったが、1400mだと速い馬も多く、中段から。インディチャンプの一歩前で進める形となったが、これもずっと外を回されていた。ただ、2走前の京都戦が馬場に泣かされて大敗しており、今日はこの進路で仕方がない面も。インディチャンプには交わされたものの、最後迄良く伸びていた。これで復調のキッカケは掴めたといえそう。

クリノガウディー

+12kg。緩い印象はないが、数字分だけ重たい。ただ、この馬としては歩様に柔らか味が有って、気配も良かった。ゲートで後手に回ったが、近くの馬が有る程度行ってくれたことも有って、何とかダノンファンタジーの直後は確保。展開としてはドンピシャだったが、いざ追って案外だったモタれ癖は有るが、特にそんな素振りも見せていなかった様に見えたが...。太い影響も有っただろうが、もっと前で闘わないとダメ。

第37回ホープフルステークス(GⅠ)

ダノンザキッド

2人曳き。前後肢にバンテージ。完成度が高く、垢抜けた馬体。ただ、ハミを気にしてみたり、気性面が課題なのは下見からも明らか。内にヨレながらだったが、一応は好発。タイトルホルダーに叩かれたことも有ったとはいえ、序盤に行きたがるのは仕方がないところだが、1〜2角中間で折り合いが付き、2角でバニシングポイントに交わされた際も連られる様子はなく、好位4,5番手で流れに乗れた。4角でランドオブリバティが逸走した際も鞍上の判断だけでなく、馬にコントロールが利くので瞬時に待つことが出来、直線向いて追い出すと力強く押し切った。ただ、折り合い面で大分進境が有ったとはいえ、まだまだ細かいところで競馬は雑。3〜4角は左手前で回って、直線は右手前。何の課題もない先週のグレナディアガーズとは対照的だが、それだけにスケールはこちらの方が上ということもいえる。

オーソクレース

+10kg。2歳馬だけに増えること自体はいい傾向だが、見た目は腹回りがボテッと映る。まだトモが薄い。落ち着きが有って、歩様も悪くないが。ゲート五分。一瞬の出脚が速いという訳ではなさそうだが、少し出して好位から。1角で既に怪しかったランドオブリバティに連られそうになっていたが、少し距離を取ってからはスムーズにインでセコい競馬が出来た。ただ、4角でランドオブリバティが逸走した際に、少し距離が有ったにも関わらず、一緒になって飛んで行こうとしていたが、何とか立て直してエンジンが掛かると2着。2着確保というよりは、最後はダノンザキッドにネジ伏せられた様にも見えた。ただ、これも4角が左手前。馬体の成長を含めてまだまだ軌道に乗るには時間が掛かる。

ヨーホーレイク

毛ヅヤが冴えて、馬のスケール自体も一枚上。ただ、まだ全体に緩慢。馬がしっかりすればもっと歩様もしっかりしそうな印象。現状だと少しブレが有る。ランドオブリバティに寄られたことも有るが、それよりもこの馬自身のゲートが悪く、後方から。それでも不幸中の幸いだったのは前が固まって後方がバラバラの展開。向正面半ば過ぎに先団馬群に取り付き、4角を上手く回ってダノンザキッドの直後。良く伸びているが、今日はこれで仕方がないところか。ゲート以外は競馬に注文が付かなさそう。あとは鍛錬次第。

タイトルホルダー

前肢にバンテージ。踏み込みはしっかり。この馬としてはしっかり造り込まれているが、前がダノンザキッドだけにスケールの差は否めない。好発。ハナへ行っても良かったのだろうが、内に居たランドオブリバティの挙動が怪しく、無理せず2番手から。馬はその気になっており、結構行きたがっていたが、それでも前走東京戦と比較すればかなりマシな部類。ただ、追ってからが案外で、これも4角で一瞬ランドオブリバティに連られていたとはいえ、ダノンザキッドとは前走で0.2秒、今日が0.5秒。時計通りの能力差は有りそう。

シュヴァリエローズ

+8kg。太い印象はなく、成長分。トモに厚みが出た印象。一歩一歩が力強く、気配も良かった。器の問題を別にすれば満点。ジワッと行かせてダノンザキッドをマークする形。ただ、他馬に前に入られ、どころどころで機動力がなく、3〜4角中間も置かれ気味。4角でそこをヨーホーレイクに入られ、直線はその隊列のまま雪崩れ込んだだけだった。経験で変わってくる可能性も有るが、現状だと広いコース向き。

第72回朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)

グレナディアガーズ

前後肢にバンテージ。トモのボリューム感が有って、馬振りはこのメンバーでも負けていない。ただ、大分マシになったが、まだ歩様は甘い。ゲートは微妙に安目を売ったが、積極的に乗られて3角で3番手。1000m通過56.9秒とまあまあ速いのだが、4角は手応え充分。直線は後続を待たずに追い出し、坂下で先頭。そのまま押し切った。後述する様に4枠2頭がやり合っていた面は否定出来ないのだが、見た目は横綱相撲。時計も単にレコードというより、今日の準オープンより速かったという点で優秀。あとはフランケル産駒だけに、如何に賞味期限を維持して行くかということになりそう。

ステラヴェローチェ

前後肢にバンテージ。前走東京戦辺りから馬が完成されて来た。纏まっている。ひとつひとつの関節に柔軟性を感じさせるのが最大の特徴。半馬身位ゲートで後手に回ったが、出脚でカバーして中段。下見から舌がハミを越しており、道中もそうだったが、道中の追走には然程影響はなかった筈。ただ、道中でずっとレッドベルオーブにフタをされており、直線も一瞬外へ持ち出そうとしたものの、進路がなくて諦めて内ラチ沿いから。勝ちに行くなら、本当は外をノビノビ走らせてやりたかったところだろう。馬は良く頑張っている。バゴ産駒らしさがひとつもなく、母父ディープインパクトそのもの。距離は保つ筈で、来年の主役。

レッドベルオーブ

+8kg。馬体増は少し立派に見せる程度で、大きな影響はなさそう。毛ヅヤも良く、前走京都戦より落ち着いていた点も好感。ゲートは五分。ただ、最初から行きたがっており首を上げて口を割る場面。序盤はほぼ操縦不能に近い状況。何とか3角過ぎに折り合いが付き、少しでも息を入れたかったのと、ステラヴェローチェを意識しつつ、直線向いてワンテンポ待ってからの追い出し。この時計で道中掛かったラ厳しいところだが、これでも良く走った方だろう。鞍上は3角でグレナディアガーズの直後を取れなかったことを悔いていたが、序盤の引っ掛かり方から中々攻めて乗るのは難しいところ。能力は高いが、気性面が課題。

バスラットレオン

腹袋が有って、コロンとした体型。実際のところはともかく、太い様には見える。それでも馬体に張りが有って、歩様にもバネが利いていたのは何より。ゲートが若干アオり気味だったが、2000mの後でも出脚が速く、3番手から。ハイペースをマトモに追い掛ける正攻法。両サイドには伸びられたが、決して脚が上がった様には見えなかった。初のマイル、しかもこの時計と、決して楽ではなかった中、今日は良く踏ん張った4着。先々走って来そうだが、まだ500万の身で、権利を取る必要が有るのは厄介。

ブルースピリット

前後肢にバンテージ。-6kg。脚長で馬のスケール自体は大きそうだが、まだ全体に緩い。この体重でもっと筋肉が付く様にならないと。好発。出脚も速く、スッとハナ。ただ、直ぐにモントライゼが行って2番手に控える形。どのモントライゼは1000m56.9秒とハイペースで引っ張ったが、数馬身離れた位置で折り合いは付いていた。直線もグレナディアガーズに早目に来られて苦しくなる中、何とか5着には踏ん張った。初のマイルでも有り、上々の内容。馬体が締まって来れば重賞でも足りる筈。

第6回ターコイズステークス(GⅢ)

スマイルカナ

2人曳き。前肢にバンテージ。+10kg。歩様は問題ないが、腹回りは少し余裕残し。その分、この馬としては落ち着いていた様にも見えた。微妙にゲートが甘かったが、この馬の出脚で行かせようとしたところをトロワゼトワルに叩かれ、更にクリスティが行って少し離れた3番手から。行き掛けたところを控える形で、しかも自分から捕まえに行かざるを得ないキツい展開だったが、直線は内からの追撃を凌ぎ切った。今週同様、今日も同型のトロワゼトワルに泣かされた形だが、結果的にメンタルが強くなった印象。馬場の悪い内ラチ沿いを避けて走った鞍上のコース取りも見事だった。その反面、逆に出脚は鈍っている感も。上で頑張るにはもっと出脚も欲しいところ。

アンドラステ

2人曳き。前後肢にバンテージ。チャカついていたが、馬体に張りが有って、この時期の牝馬としては毛ヅヤも良かった。ゲート五分。出脚も有りそうだったが、内の馬に粘られて組み立てが難しくなったところを外から一気に来られて逆にバラける形になり、好位直後から。隊列が落ち着く迄は少し連られそうになっており、行きたがっていたが、何とか引っ張って宥め、制御出来る範疇では有った。上手くスマイルカナの直後に付け、内からひたひた忍び寄ったが、あと一歩届かず。最後は折り合い面の差。もっとスムーズに折り合える様にしたい。

フェアリーポルカ

前後肢にバンテージ。+8kg。馬格が有って、このメンバーに入ると馬が一枚抜けている。歩様に力強さも有って、今年は明らかに馬が一段階上がった。好発。出脚も有る方だが、初のマイルで他馬も速く、外から次々来られている内に結局は中段から。直線は前の2頭が内を立ち回っていた中で、こちらは外へ。この差も結構大きかった印象。最後は内にモタれていたことも有ったが、この3着は地力の証明。無論、56kgも楽ではなかった筈で、悪条件が重なりながら、マイルに対応出来た点は高く評価したい。次走人気だろうが、何処へ行ってもチャンス。

シーズンズギフト

水平首で集中力が有って、気配良好。馬体もバランスが取れてしっかりしていたが、ちょっとトモの送りが硬いのはマイナス。出遅れ1馬身不利。最後方だが、それでも結構行きたがっており、かなり引っ張りながらの追走。直線はインへ進路を取り、一瞬は勝ったか位の勢いだったが、今秋当地戦同様、追い出してからは内にモタれており、内ラチにへばりついてからは伸びが甘くなってしまった。完全に制御不能だった前走東京戦からは遥かにマシになったが、内にモタれるのが勿体ない。

ビッククインバイオ

2人曳き。毎度のこととはいえ、480kgの数字の割に馬が薄い印象。手先だけで歩いている点も毎度。ゲート自体は直ぐ内のフェアリーポルカの方が速かったが、内の3頭だけ叩いて好位のイン。外枠だった2走前の東京戦だけ引っ掛かっていたが、内枠なら折り合いが付く。直線は外へ持ち出してスマイルカナと併せようととした際にアンドラステが壁になり、内に切り替えざるを得なくなったが、ジリジリ伸びてここ迄。やはりベストは左回りだろう。直線に向いてしまえば問題ないが、アンドラステにフタをされた場面は、コーナーでの加速が利いていたらコジ開けられた範囲だった。右回りだと回り脚が甘い。

第72回農林水産省賞典阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

ソダシ

-4kg。数字は大して変化ないが、前走東京戦よりはスッキリした造り。多少、歩様も硬いが、何時もより気合は乗っていた。ゲートを五分に出て好位馬群の中。前走もそうだったが、ちょっと序盤に行きたがる傾向。大トビということも有って、どうしても窮屈そうに見えた。馬群の中に居たことも有り、直線に向いてからも内外でちょっと迷う場面。内に切り替えて、ラスト200mで右手前になって、一瞬はサトノレイナスに出られた様に見えたが、決勝線ではハナ差だけ差し返していた。前走の時計が平凡で戦前はどうかと思ったが、1分33秒1なら文句なし。ただ、馬場が例年より悪化していたのは結果的にサトノレイナスが苦しくなっていた分、味方したということもいえるだろう。

サトノレイナス

2人曳き。シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。トモだけ張った典型的なディープインパクト産駒。落ち着いていた点も好感。ゲートをポコンと出て、そのままなら後方からの競馬になるところだったが、今日は菊花賞のアリストテレスの様に、少し押してソダシを徹底的にマークする策。道中の折り合いは問題なく付いていた。ただ、新馬の東京戦、前走中山戦と、少頭数の競馬で、マトモに馬群の中で走ったのは初めてということも有って、追っての反応が若干鈍い様に見えたのだが、エンジンが掛かってからは一瞬勝ったかの脚だった。最後に甘くなったのはパワー差だろう。距離は保ちそうで、来年は時計勝負でリベンジを果たしたい。

ユーバーレーベン

-14kg。トモに厚みは残しているが、あれだけ立派だった馬が流石に寂しくなった感も。歩様に硬さがなかったのはせめてもの救いだが。ゲートも半馬身程度分が悪かったが、それ以上に出脚がなく、後方から。それでも眼前がメイケイエールだったことは不幸中の幸いで、レースは組み立て易くなった。メイケイエールの後を追う様に伸びて3着浮上。デキが良かったら突き抜けていたかも。これも距離が有った方がいいタイプで、東京戦で巻き返したい。

メイケイエール

前後肢にバンテージ。数字はないが、脚が長いのが特徴。2歳牝馬としては良く出来ている。下見ではゆったり歩けていた。直ぐ内のフラリオナに体当たりを食らったことも有るが、この馬自身もゲートが悪く後方から。トゥザヴィクトリーのエリザベス女王杯同様、馬群から離して折り合いを付けようとしていたが、その効果は少なからず有ったとはいえ、それなりに行きたがっていた。特に3角過ぎから行きたがってしまい、結果的に早目の進出。一瞬は勝ったかの勢いだったが、流石に最後は苦しくなった。ただ、単純な絶対能力ではこの馬が一番強いのは疑う余地のないところ。気性的な問題は鍛錬不足に繋がり易いのだが、今年の面子ならGⅠに手が届いても不思議ではない。

ヨカヨカ

前肢にバンテージ。馬自体はそんなに負けていない。歩様もしっかりしており、落ち着きも有った。ゲートを決め、出脚も速くスッとハナへ。前半600mを34.9秒で入って、1000m通過が58.7秒だからスローに近い流れ。上手く折り合いも付いて運べた。例年の馬場ならもう少し際どくなっていただろうが、今年の馬場では内を通って甘くなるのは仕方がないところ。今日はバタッと止まらなかっただけでも充分。スピードは世代トップクラス。あとは使い方の問題だけ。

第13回カペラステークス(GⅢ)

ジャスティン

+5kg。腹回りはむしろ薄い方だが、トモの分厚さは目に付いた。首でリズムを取って、気配も良好。出脚が一番速かったダンシングプリンスに対し、内からヒロシゲゴールドが抵抗。前走大井戦と違って今日はゲートを決めたことも有り、これを外枠からジワッと直後に付けて流れに乗る形。前半3F33.2秒と、パサパサの良馬場としては結構流れており、追っ掛けバテしても仕方がない位置だったが、直線はダンシングプリンスとの一騎打ちに持ち込んで競り落とした。58kgを背負って数字上は強い内容。ただ、ジワッと乗れたことで重斤の悪影響を最小限に留められた上、ダンシングプリンスの方がキツい競馬だったことも確か。評価に迷う。次走が試金石。

レッドルゼル

前後肢にバンテージ。馬体そのものはこのメンバーでも上位だが、ちょっとトモの送りが硬い気もしないでもない。あまり出脚の速い方ではないが、深追いは避けつつ、かといって置かれ過ぎるのも避けたいところで丁度中段。ポツンと他馬から離れた位置で追走出来た。もうちょっとやり様が有った気もしないでもないが、他馬との兼ね合いで4角で外を回されるのは仕方がないところ。直線は外から1頭だけ違う脚だったが、僅かに届かなかった。堅実では有るが、やはり1400mの方が前が止まり易い分、勝つ確率は高いだろう。恐らく年明けの東京戦が目標になるだろうが、改めて期待したい。

ダンシングプリンス

前後肢にバンテージ。16kg。馬体そのものにそこ迄、太い印象はなかったが、歩様が窮屈だったのがマイナス。芝での出脚は一番速かったが、内からヒロシゲゴールドが徹底抵抗の構えを見せるや否や直ぐに引いて2番手。これはこれでスムーズな競馬が出来たが、4角手前からジャスティンに並び掛けられて早目に動かされる形になったのが痛かった。一瞬は差し返そうしていた程、良く踏ん張っていたが、坂を上り切った辺りで力尽き、最後はレッドルゼルにも屈して3着に。それでも初重賞挑戦としては文句なしの内容。スピードで負けていないのが何よりで、直ぐにチャンスは回って来そう。

ダイメイフジ

この時期にしては皮膚を薄く見せて毛ヅヤがいい。基本的には夏馬だが、歩様に硬さもなく、今季はデキ自体が良さそう。本気で行こうと思えば行ける出脚は有る筈だが、今日は最初から行く気がなく、後方待機。道中もそうだが、コーナーもずっと内ラチ沿いで、直線もインから。ここ迄伸びては来たが、追ってから頭が上がっていたのが気になった。あまり砂を被るのは良くないかも。とはいえ、地力の一端は示した。今日の展開でレッドルゼルの外を回すのもナンセンスで、これはこれで仕方がないところ。

スズカコーズライン

オーストラリアンブリンカー。+6kg。首を伸ばして物見していた点はノンビリとしてむしろ好印象だったが、少し馬体の張りが緩く映った。ヒロシゲゴールドとは1完歩目から違っていたが、何とか食らい付いて行って好位のイン。流れには乗れていた様に見えたが、この馬の場合はこの形だと、伸びてくれない。止まってはいないが、どうしてもジリッぽくなってしまう。何とかして4角先頭の形に持ち込まないとダメ。

第56回中日新聞杯(GⅢ)

ボッケリーニ

トモに筋肉の輪郭は浮いていたが、全体に線が細い。ただ、毛ヅヤが冴えて、現状のデキ自体は良さそう。ゲート自体はサトノガーネットの方が速い位だったが、そこからの出脚が違い、更に2枠2頭が有る程度、先行してくれたことで、労せず好位6〜7番手辺りのイン。ペースの割に行きたがる馬が多い中、スムーズに流れに乗れた。直線向いても、同馬主にも関わらず外のヴェロックスがフタをして来たが、眼前のシゲルピンクダイヤが伸びてくれたことで前が開き、シゲルピンクダイヤの内から併せて最後はクビ差捕まえた。競馬が上手く、今日は内枠をしっかり生かした形。今日は馬場が良かったことも味方したか。京都競馬が改装中の為、阪神開催が続く来年は馬場の悪化が避けられないところ。上で闘うには、もう少しパワーアップする必要が有る。

シゲルピンクダイヤ

前後肢にバンテージ。+4kg。馬体に大きな変化はなく、スッキリと見せていたのは何時も通り。 あとは気性面だが、特にイラついている様子はなかった。横の比較だと分が良かった方ではないが、この馬としては出遅れを最小限に留め、更に直ぐ内のバラックパリンカが先行してくれたことで、これに付いて行って好位から。出脚を使わずに行けたことでノビノビ走れており、折り合いもスムーズだった。直線向いても、ちょっと内にモタれ気味では有ったものの、手応え充分にラスト200mで先頭。結果的にスムーズに運び過ぎて両サイドから来られる形になったのがキツかった。変に小細工するよりはこの方が良かっただろうが、競馬に勝って勝負に負けたといった印象も。何れにしてもキッカケは掴めた。あとは牝馬限定戦に多い小回り1800mへ対応出来る様ならまだまだ稼げる筈。

ヴェロックス

2人曳き。前後肢にバンテージ。+8kg。このメンバーだと流石に馬自体が上。ただ、鍛錬不足なのか、重心が高い。何時もよりは歩様に力強さがなかった。ゲートをポコンと出て、出脚が鈍ったが、何とか立て直し、外の攻撃を有る程度ブロックしつつ、好位直後から。1角進入時に丁度真横にボッケリーニが居たが、このロスはそれなりに有った筈で、明らかな不利はなかったものの、序盤はちょっと行きたがっていた様に見えた。4角から手応えの良かったシゲルピンクダイヤを目標に、内から抜け出しを図るボッケリーニをブロックする等、鞍上としては最善を尽くしたが、追ってジリジリ。やはり小回りよりは広いコースの方が良かったが、細かいところで上手く行かなかった。

ショウナンバルディ

前後肢にバンテージ。垢抜けた造りの馬だが、ドッシリ感がない。何処となく、フワフワ歩ていた。テリトーリアルに付いて行きつつ、好位。道中はテリトーリアルとボッケリーニの間に居た。従って、展開的には悪くない形だったが、スタート直後に大して出脚を使っていないにも関わらず行きたがっていたのは頂けない。直線は内からジリジリ伸びずバテずだったが、ボッケリーニと0.3秒差。スムーズだったら馬券圏内も有っただろう。逆に言えば力そのものは足りる。コーナー2回の1800mに出て来た時が狙い目。

グロンディオーズ

2人曳き。雄大な馬体で血統馬らしく、見栄えはする。ただ、芯が入っていない感も有り、本当に良くなるのはまだまだ先の話。出脚自体も早くないだろうが、ヴェロックスを意識しつつ中段やや後方から。道中は内外前に馬が居たとはいえ、特に問題なかった様に見えたが、4角位からズブさを見せて、置かれてしまったのが痛かった。最後の最後に伸びては来たが、中京でこれだとキツいところ。現状だともっと距離が有った方がいいが、そんな状態で距離が延びて勝てるとも思えず、パワーアップが先決だろう。

ジャパン・オータムインターナショナル 第21回チャンピオンズカップ(GⅠ)

チュウワウィザード

前後肢にバンテージ。昨年も抜群に良かったが、今日もほぼそのまま。手先にバネが有って、胴長でスカッと見せる。その気になれば、外のインティやヨシオに抵抗出来る出脚は有る筈だが、外枠の先行したい馬は全て行かせて、改めてクリソベリルをマークする形。昨年は捌き損ねただけに、今日は4角手前から手応え充分のクリソベリルに積極的に食らい付いて行った。そのクリソベリルは早々に脱落、決め手不足の印象は有っても、流石に前がインティなら捕まえるのも容易で、あとはゴールドドリームの追撃を振り切ってV。クリソベリルマークがハマったことも確かだが、5歳秋になってこれ迄の経験が生きた形。今後も取り溢しは有るだろうが、中距離で接戦に持ち込めば常に勝ち負け。

ゴールドドリーム

前後肢にバンテージ。今春京都戦の様に緩いとダメだが、スッキリ見せるなら530kg位有った方が走る。今日は気配も良かった。ゲートも微妙に悪かったが、2枠2頭に叩かれる展開となり、後方のイン。そこから徐々に追い上げ、3角でチュウワウィザードの直後。直線もジリジリ伸びているが、最後の最後でインティこそ捕まえたものの、坂を上り切ってからは脚色が鈍り気味で、チュウワウィザードには突き放された。絶対的能力で何とかこなしているだけで最後は距離適性の差ということになるが、大舞台で結果を出すのは流石。

インティ

前後肢にバンテージ。歩様に柔らか味が有ったのが何より。馬体はそこ迄迫力が有るという訳ではないが、緩んだところはなく、仕草に集中力が有った。ゲートで馬が横を向いている時に開いてしまい、若干後手。それでもスタートして直ぐはそこ迄押していなかったが、坂を上り切った辺りからジワッと行かせて2番手。序盤でヨシオに叩かれると馬が嫌気を出す危険も有ったが、大して出脚を使わずとも上手くやり過ごせた。砂を被ると脆いエアアルマスが引いてくれないのは仕方がないところで、兼ね合いが付く迄は行きたがっていたものの、揉まれずスムーズな競馬が出来た。直線で手前が替わらないのは毎度だが、それでも3着は確保。伸びていないだけで止まってはいない。3角からエアアルマスと2頭で後続を離す格好になり、もう少しコーナーをゆっくり走れればまた違った感も有るのだが、先行馬だけに気分良く走らせた方がいいのも確か。現状のこの馬としてはベストでは?

クリソベリル

前走大井戦と比較すれば+12kgだが、昨年のこのレースとの比較では+4kg。多少腹回りがボテッとした程度。気配も気にはならなかった。ゲート五分。外枠だったが、直ぐ内のインティ、ヨシオと先行してくれて、更に1角で上手くヨシオの内へ潜り込めた。隊列が決まる2角辺り迄、多少力んでいたのも確かだが、外枠としてはほぼベストの立ち回り。4角の雰囲気は悪くなかったが、いざ追って中々手前が替わらず、モタついている間にチュウワウィザードが一気に交わしてしまっていた。ただ、ラスト250mで右手前に替えてからは差し返そうとしており、ここに地力の一端は見せたともいえる。過去8勝の内、唯一のカタカナ着差が昨年のこのレースだったが、地力というより、立ち回りの上手さで勝った様なモノ。レース後に話題となった状態面だけでなく、中京コース自体も合わないかも。

モズアスコット

馬体云々よりも、この馬の場合は歩様に硬さが有るかどうかが全て。今日はその点で及第点をクリア。1800mだとそこ迄出脚も負けていなかったが、無論行く気はなく例によって後方から。馬群の後ろに付けていたが、少し距離を開けて砂を被るのを最小限に留め、直線だけ大外へ。極端なハイペースとはならなかった為、前も止まってくれなかったが、直線もしっかり手前を替えて後方に居た組では1頭だけ脚が違っていた。これが出来ればまだ稼げそうだが、これで引退とのこと。

第71回チャレンジカップ(GⅢ)

レイパパレ

オープンどころか、1000万辺りのメンバーと比較しても馬が貧弱。ちょっと歩様も硬目。落ち着きが有ったのはせめてもの救いだが。直ぐ内のジェネラーレウーノがハナを主張してその2番手から。そのジェネラーレウーノを前に置いて何とか折り合いを付けようとしていたが、1角では頭を上げる場面。道中もかなり力んでいた。3角過ぎに鞍上が諦めて前へ並び掛け、4角手前で先頭。直線もそのまま押し切った。今日の雑な内容で勝っただけに強いということにはなるが、今日はメンバーが低調。次走は危険。

ブラヴァス

夏の新潟戦以来と、一息入って-2kg。数字上は出来ていたが、見た目にはちょっと緩かった気もしないでもない。ゲート五分。外枠ということで行く気はなかったが、条件馬で最初からヤル気のない馬が多く、全体でみれば中段から。道中はちょっと掛かり気味にも見えた。3角過ぎにロードクエストが動いたが、これを一旦行かせてからの追い上げ。レイパパレを筆頭に、序盤は遅かったが、全体に仕掛けのタイミングが早目になっており、矯めたことも良かったと思うのだが、直線向いてから内にモタれてひと伸びを欠いた。少々デキが甘かったにしても、前走の内容から何とかしたかったところ。今日は評価が下がる。

ヒンドゥタイムズ

後肢にバンテージ。+6kg。数字分だけ立派だが、皮膚を薄く見せて、単純にデキ自体が良さそう。ただ、ちょっとテンションが高い。ゲートは五分も、行く気なく矯め気味の追走。ただ、他馬も今日は仕掛けて行った馬が少なく、結果的に4番手辺りから。道中は折り合いも付いて絶好の形で運べた。レイパパレが早目に動いたことで前との差も自然と詰まり、4角で先頭グループの直後。外へ持ち出して追撃態勢も整え、完璧に運べたが、前との差が詰まらないどころか、最後はブラヴァスにも捕まってしまった。元々メンバー低調だが、分かっていたとはいえ、相変わらず末脚に持続性に難が有る。

サトノクロニクル

2人曳き。遮眼革。遮眼革は今回からだが、気になったが、下見は頭が上がっていた。ただ、それでも歩様に非力な印象はない。恐らくデキ自体は高水準。ゲート内の駐立が悪く、後方。頭を上げたり、折り合いを欠いていた。最初から抑えていても、その状態で道中は只管我慢。直線向いて、実質的には競馬が終わった後だが、最後迄諦めずに走ってくれたことは収穫。今日のメンバーだとまだ半信半疑だが、キッカケは掴めた。

ジェネラーレウーノ

パシュファイヤー。前肢にバンテージ。+10kg。太いというより少し馬が緩い印象も。気配そのものに大きな変化はないが。ゲートを決めてスンナリハナへ。1000m通過62.0秒だからスローなのだが、2番手のレイパパレがずっとと力んで追走しており、この馬から見れば徹底マークされる形。しかも、3角過ぎから待ち切れず来られたものだから余計に苦しくなった。このメンバーなら3着位確保したかった気もしないでもないが、今日は仕方がないところ。

第54回スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ)

オセアグレイト

前肢にバンテージ。脚長のスラッとした体型だが、歩様もスムーズ。最低でも昨春東京戦3着時のデキは有った。スタート直後に直ぐ内のタイセイトレイルに寄られたが、そのタイセイトレイルが行ってくれて前へ。1周目の2角辺りからタガノディアマンテが行って、ペース自体は大したことなくとも前は競りとなったが、我関せずを決め込んだ。道中もずっと我慢して、2周目4角も前の2頭の方が先に手が動いていたが、ワンテンポ遅らせてからの追い出し。完璧に乗って前を捕まえた。今日はペースが緩過ぎたことも有り、本当にスタミナが有るかどうかは微妙な印象も。

タガノディアマンテ

前肢にバンテージ。全体に覇気がない印象も有るのだが、この馬は何時もこんな感じ。馬体も迫力こそないが、緩んだところはなかった。この馬としてはこれでも出た方だが、他馬と比較すれば半馬身後手。ただ、タイセイトレイルのペースが遅過ぎて、外をこの馬のペースで進出、1周目の向正面でハナへ。この段階ではハロン平均13秒位のペースだったが、後続との距離を少し取り、そこから一旦ペースを落とせたのが良かった。これだけペースが遅いと、後続の仕掛けも早いのだが、それでも直線向いてタイセイトレイルを突き放す場面。オセアグレイトには最後の最後で捕まったが、惜しい2着だった。デキに問題はなかったが、流石に3600mの休み明けは現代の調教技量をもってしても厳しかったか。

ポンデザール

-4kg。皮膚を薄く見せて、毛ヅヤ良好。スッキリとした馬体。歩様も実に滑らか。一息入れたが、今年の中では一番いい。ゲートは出ているが、外から行きたい馬に行かせて中段から。ただ、馬が怒っている様子ことなかったものの、1周目1角で他馬と接触する等、ゴチャつく場面は有った。ペースも遅かったことも有り、1周目2角位から進出し、オセアグレイトと並走。ただ、内外の差が有ったにせよ、2周目4角で持ったままで待っていたオセアグレイトに対し、追走するのがやっとだった。これも3600mの休み明けは些かキツかったか。

タイセイトレイル

数使っている馬で、悪いとコズんで来るのだが、今日も若干左後肢の出が硬い。ただ、活気は有って、気配や馬体そのものは悪くない。出脚は抜群という馬ではないが、誰も行かなかったことも有り、一旦はハナへ。少し頭の高い走法は元々だが、1000m通過が66秒2は流石に遅過ぎたか。タガノディアマンテが1周目の向正面で来て、ハナを譲る形。道中の折り合いは問題なかった。ラスト600m過ぎからタガノディアマンテへ並び掛けようとしているのだが、中々並走迄が遠く、直線入口では既に突き放されてしまっていた。各馬、距離適性は似た様なモノで、最後は底力の問題。中々いい時に戻らない。

ヒュミドール

2人曳き。前肢にバンテージ。馬体そのものに非力な印象はないが、姿勢が高く、トモの送りに力強さを欠く。ゲートは分がいい方で、タイセイトレイルの先行策に抵抗しつつ、好位直後。前走東京戦が1800m戦だったことも有り、序盤は結構行きたがっていた。1周目2角位でやっと折り合いが付き、むしろ前との差が離れ気味だったが、2周目3角から外を追い上げて進出、この回り脚はまずまず速かった。直線向いてからの伸びは大したことなかったが、序盤のロスを考えれば悪くない内容。今日の経験も大きい筈で、ハンデ戦なら重賞でも勝ち負け。