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競馬回顧 2020年3回阪神

第25回ユニコーンステークス(GⅢ)

カフェファラオ

2人曳き。+8kg。馬の完成度と迫力で一枚抜けている。ただ、気になるレベルでチャカついていたのがマイナス。今日はゲート五分どころかむしろ好発。流石にレッチェバロックが一番速かったが、2番手グループは4頭雁行。一番外で、出脚自体は決して速い訳ではなさそうだが、一歩も引かずに乗られ、徐々に脱落して行く中で3〜4角中間で単独の2番手。4角手前のコーナリングだけ若干下手だったが、直線入口では追い出しを待つ余裕が有った。直線は完全に一人旅で、終わってみれば5馬身差の圧勝。強いのは分かっていたが、ゲートを決めたことで更に迫力が増した。このご時世だが、前脚を掻き込む様な走法で、海外遠征へ持って行っても面白いかも。1分34秒9の時計も優秀。あとは今後もゲートをちゃんと出るかどうか、イレ込みが何処迄マシになるかどうかがポイントに。このままだと古馬になってサッパリということになってもおかしくはない。

デュードヴァン

2人曳き。前後肢にバンテージ。付くべき筋肉が付いておらず、まだ馬は軽い造りだが、重心は低く成長すればいい馬になりそう。歩様もしっかりしていた。ゲートをアオり気味に出て、後方から。今日はテンから速い展開だったことも有るが、出脚も苦しそうに見えた。インを突く手も有っただろうが、眼前に居たタガノビューティの手応えが怪しかったとのことで、直線は大外へ。カフェファラオ以外とは脚が違ったが、カフェファラオは5馬身前に居て、同じ脚で伸びていた。今日はどう乗っても2着がベストで、今日はこれで仕方がないところ。ただ、自在性が有るのは強み。

ケンシンコウ

下見は最後方を周回。イレ込む馬だが、発汗は有ってもこの馬としては平常よりマシな方。メリハリの良さは目に付いた。ゴム毬の様な馬体。ゲートも微妙に悪かったが、前も塞がってしまい後方から。恐らく出脚自体はそこ迄悪くなさそう。道中はずっと枠なりに内目を回っていたが、直線だけ外へ。デュードヴァンの内へ併せて行く形。直線はずっと左手前だったが、渋太く伸びて来た。3〜4角中間で少し引っ張る場面が有ったのが、多少勿体なかったが、今日は他馬の追っ掛けバテにより浮上した形で、これはこれで良かったかも。馬はいいが、今日は高い評価はし辛い。

サンダーブリッツ

寸が詰まった体型だが、まだトモが薄い。毛ヅヤは冴えており、現状のデキとしては悪くないだろうが。今日もゲート五分。出たなりでジワッと好位直後。前述した様に2番手グループがやり合う中で、一歩後ろで上手く脚を矯められた。流石に後方に居た組には適わなかったが、掲示板は確保。前走もそうだったが、競馬に癖がないのが最大の長所で、中々渋太い。まだ1000万に使える馬で、現状で古馬相手に通用するかどうかは微妙なところだが、トモに力が付いてくれば先々はオープンでも。

キタノオクトパス

前後肢にバンテージ。多少姿勢の高い面が有り、まだ馬が緩い。歩様の力強さもないが、骨格自体はしっかりしている。出脚自体は有りそうで、外から他馬の様子を窺いながら中段から。基本的にはサンダーブリッツに付いて行く形。4角の手応えが渋かった割に直線半ばではサンダーブリッツよりハナだけ前に出た様に見えたが、最後にサンダーブリッツに差し返された。馬の素質は高いのだろうが、まだ体力がない。

フルフラット

前後肢にバンテージ。海外遠征帰りだが、馬は問題なく出来ていた。ただ、ダート馬ならもうちょっと歩様に力強さが有ると理想的。出脚はしっかりしている馬で、2番手グループから。外からガンガン競り掛けて来たカフェファラオに対しては向正面半ばで一旦引いて4角手前から再び並び掛けて行く形。カフェファラオのコーナリングが下手ということも有って、この際の手応えは抜群に見えたが、いざ直線向いてからが案外。今日は格の差を見せ付けられた内容。ただ、この中間は坂路で50秒を切っていた様に脚力は持っている。何時の日かカフェファラオを負かしたいところ。

サマースプリントシリーズ第1戦 第27回函館スプリントステークス(GⅢ)

ダイアトニック

前後肢にバンテージ。一息入れたとはいえ、GⅠの後ということになるが、ちゃんと出来ていた。多少歩様が硬い気もしないでもないが、馬体は充実。好発、出脚も有る馬で、その気になればハナへも行ける筈だが、外からダイメイフジが主張して2番手。このレースは本命馬が内で包まれて終わるケースが多いのだが、ダイメイフジがソコソコ飛ばしてくれたことも有って、今日は終始前がバラける展開。4角でも外から被される危険がないのを確認して、58kgを背負っていたことも有って、1400m位のイメージでゆっくり仕掛けて、一瞬の脚で突き抜けた。今年は充実一途。札幌から中山とサマースプリントシリーズとGⅠの二兎を追う様だが、今年は海外遠征も出来ず、中山で年内最終と考えるなら何れも楽しみが持てる。

ダイメイフジ

534kgはデビュー以来、最高体重。多少立派に映るが、それでもはち切れんばかりの造り。絞れるに越したことはないだろうが、歩様も一歩一歩が力強く、デキとしては文句なし。好発。ハナへ行くのにグランドボヌールに暫く粘られ壁になっていたが、1F過ぎにハナへ。それでも600m通過が33.4秒だから外から先行する以上はソコソコ速くなるのだが、救いはダイアトニックがアッサリ引いてくれたこと。この点は4角でも一緒で、前述した様にダイアトニックがゆっくり仕掛けてくれたことも大きかった。直線向いて右手前のままで、替わっていればもう少し際どくなっていた。今後もスピードの生かせる展開になれば有力だが、基本的には夏場は苦手で、この時期は北海道限定。

ジョーマンデリン

前肢にバンテージ。前のフィアーノロマーノが関取の様な馬体ということも有るが、こちらはシャキッと見せる。ただ、連闘の影響は有りそうで、歩様は時々ブレていた。これもゲートは決めたが、他馬の方が微妙に速く、早目に引いて好位直後6番手辺りから。道中はダイメイフジの直後を頑として譲らず、結果的にコースロスもなく回って来れた。勝ち鞍全て4勝中3勝が函館という巧者振りを発揮。ただ、まだ馬が完成していない状況で、連闘というのはどうかというところ。状況的に仕方がないのだが、今日のダメージは少なからず有りそう。函館で芝1200mが今年はもうないだけに、恐らく休養ということになるのだろうが。

フィアーノロマーノ

前後肢にバンテージ。元々が超の付く大型馬とはいえ、550kgを超えて来ると太目に映る。気配も何となく重苦しい。ゲートは五分に出て中段。とはいえ、初めての1200mということも有ってか、道中はかなりオッツケていた。大型馬故にコーナリングでもあまり器用なことは出来ず、4角もちょっと外を回されてしまった。ここでジョーマンデリンに対して1馬身程のロスが有った。最後は良く詰めているだけに惜しい。1200mも慣れてくれば違うだろうが、そもそも550kgの馬に小回りを走れというのも酷。ただ、道中はオッツケて外に馬が居る形は、かつては揉まれ弱いこの馬にとっては最悪のパターンだった筈だが、普通に走れる様になっている。間違いなくこの点は進歩している。

シヴァージ

シープスキンノーズバンドを外して今回から遮眼革。前後肢にバンテージ。ボテッと見せるのは何時ものこと。馬体に張りは有った。手先のスナップも利いている。出脚自体は決して悪くない馬だが、今日も行く気なく後方から。4角は大外へ持ち出す以外になく、全身を使ったダイナミックなフォームで1頭違う脚で伸びて来た。しいて言えばずっと隣にティーハーフが居て、道中は内目へ入れられない、4角も進路が外しかないと、今日の馬場ではここ迄来れただけでも充分過ぎる内容。追い込み一手でアテには出来ないが、今後も展開ひとつ。

第37回エプソムカップ(GⅢ)

ダイワキャグニー

左だけ矢鱈深い遮眼革。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-16kg。今日は絞って、久々にキリッとした印象。やはり510kgを超えると厚ぼったく映るので、今日の様な500kg位が丁度。ちょっと発汗が目立ったのはマイナスだが。1800mだと出脚が楽ではないのだが、押して2番手。道中もお世辞にも手応えがいい様には見えなかったが、鞍上が何度かハミを掛け直し、あとは追い捲って押し切った。8戦全て東京と、流石の巧者振りを発揮。道悪に関しては行き振りを見る限り、本当に上手いのかどうかはかなり怪しいのだが、デビュー当時は道悪と縁のない馬で、11戦目、一昨年のこのレースが初めての道悪でサッパリだったのが慣れて来た分は有るだろう。今日は何より弔い合戦だったことも大きいだろうが。

ソーグリッタリング

+8kg。トモにボリューム感は有ったが、ちょっと太いかも。それでも正月の京都戦よりはマシで、馬体にメリハリが利いている。この馬としては落ち着いていた点も好感。ゲートは五分程度。出たなりで好位直後から。戦前から道悪適性は評価されていたが、道中の行き振りはこの馬が一番良かった位。元々引っ掛かる馬で、行き振りの良過ぎる嫌いは有るにせよ、良馬場の前走にしてもスムーズに折り合えており、大分気性的にも成長している。直線もインからしっかり脚を使えているが、前に1頭ダイワキャグニーが居た。最内枠もいい方に出ただろうが、成長している今なら、重賞に手が届いても。

トーラスジェミニ

後肢にバンテージ。-4kg。余分な肉が取れて、シャープな造り。一息入れたことで歩様もスムーズになった。デキ一変。好発。恐らく戦前からの決め打ちでも有っただろうが、何が何でもの構えで躊躇なくハナへ。死ぬ気で行った分、道中は楽が出来、1000m通過59.1秒とそこ迄速いペースにならずに済んだ。東京の道悪、といっても1分47秒台の決着で発表の不良という程悪くはないのだが、内ラチ1頭分だけマトモに走れるところが有るのは珍しいことではなく、今日もそのパターン。直線向いて突き放し、この段階では鞍上も夢を見ただろうが、ラスト200m手前で捕まった。とはいえ、単騎で行けさえすれば渋太い。前走中山戦はマイルで他馬も速かったが、今日は1800mということも有って、行き切れたことが大きかった。何時ぞやのミナレットではないが、東京1600m,1800mは、極端な馬場になると大外枠から行き切って頑張る馬が何年かに1回出て来る。

アンドラステ

イレ込む傾向のこの馬としては妙に気配が地味だった。馬体は良くも悪くもコロンとした体型でこんなモノだが、歩様が硬いのはマイナス。ゲートは微妙に悪かったが、出脚で中段から。道中は結構行きたがっており、鞍上が宥めるのに懸命だった。ただ、不良馬場で行き振りがいいのは巧者の証で、直線も1頭だけ違う脚で伸びて来ていた。枠がもう少し内か、ゲートがマトモに出ていたら届いていた。これで準オープン勝ち即重賞好走ということになったが、ただ、歩様から良馬場だとちょっと厳しそう。この馬の場合はデビューから雨が多く、それに助けられている面も有る。

アトミックフォース

前肢にバンテージ。後ろを歩く牝馬のシャドウディーヴァに圧倒されていた。前走新潟戦もそうだが、胴長体型の割に小ぢんまりと映る。歩様を含めてデキに問題はなさそうだが。好発。出脚も速かったが、トーラスジェミニには気合負けして2〜3番手から。道中は引っ張り気味の追走。直線向いて追われてからもしっかり反応しているが、ラスト150m辺りから甘くなった。今日の行き振りなら道悪自体は大きな問題ではないだろうが、前走でも触れた様に頭が高いのでいい脚が長く続かない。

第25回マーメイドステークス(GⅢ)

サマーセント

下見は外をキビキビ周回。気配は抜群に良かった。迫力という点では上の馬が居たが、シャープな造り。キビキビ歩けており、目一杯仕上げて来た感は有った。出脚が速い訳ではなく、スタート直後はかなり押していたが、直ぐに行き脚が付いて2番手から。ナルハヤが少しだけペースを上げた1000m付近で一瞬だけ手応えが渋くなったが、あとは楽。あとは馬の気に任せて4角手前からナルハヤに並び掛け、相手も中々渋太かったが、ラスト200mで捕まえてセンテリュオの猛追も振り切り、押し切った。東京もそうだが、流れに乗れたことが一番大きいが、時計が少し掛かってくれたことも大きかった。正月の京都1000万Vは異様に時計の掛かる馬場だったが、基本的に上がりが掛かってくれた方がこの馬には向く。近走は流れに乗れなかったり、上がりが速い馬場が味方しない面は有った。

センテリュオ

胸がい。前後肢にバンテージ。実績通り、流石にこのメンバーだと馬の迫力が一枚抜けている印象。歩様にも力強さが有った。戦前は前へ付けたいという話も有ったが、ゲートが開いてみれば直ぐに包まれそうになっており、直ぐに諦めて後方から。何処かで外へ持ち出すのかと思いきや、道中、直線共インベッタリでここ迄。ラスト200mの脚は一瞬勝ったかに見えたが、最後の最後に甘くなった。今日は腹を括ったのが正解。ベストはあくまで1800mで、2000mプラス坂となると苦しいところだが、力が上ということも証明出来た。馬場が戦前の想定より乾いてくれたことも向いただろうが。

リュヌルージュ

今日は他馬も怪しかったが、近走では2走前の中山戦が一番良かった。当時と比較すれば、気配自体が落ちたのと、歩様にも勢いがなくなっている。ゲートは決めており、出脚も有る馬だが、一瞬外のナルハヤへ併せに行き、その間に外からナルハヤ以外の馬にも入られて3列目から。結果的に余計なことをした印象。道中の雰囲気は悪くなく、4角手前からもちゃんと前に進んでいたが、切れる脚はなく、ジワジワ伸びてはいるものの、センテリュオに捕まって3着に。センテリュオと1馬身1/4差だから結果は同じだっただろうが、最初のロスで1馬身損したのは痛かった。鞍上は土曜日に函館で3勝と大活躍だったが、この馬の騎乗に関してはまだ甘い。

ナルハヤ

+6kg。510kgの馬だけ有って、オープンのメンバーでも迫力充分だが、ちょっとトモの送りが硬いのがマイナス。好発。戦前はハナ争いの候補だったオスカールビーが出遅れ、少し押してハナ。ただ、オープンともなると流石に他馬も出脚が速く、勝ったサマーセントにピッタリマークされていた。1000m通過60.8秒だから馬場状態を考慮しても決して速くはないのだが、4角手前から並び掛けられて苦しくなった。直線はバタッと止まっておらず、意外と渋太いということもいえるのだが、前走新潟戦が2着とはいえ10番人気で楽をさせて貰ってのモノ。GⅢを4番人気、しかも前売1番人気の時間帯も有って、これだけ注目を集める中で逃げ切るのは中々難しい。

エアジーン

+8kg。毛ヅヤはピカピカ。現状のデキとしては満点。しなやかな馬体も好印象だが、トモが緩くて流れている。元々が先行出来るタイプの馬ではないが、半馬身程出遅れ、更に外から来られて行き場がなくなり後方から。道中はセンテリュオと並走。道悪適性は有る馬で、インへ潜り込みたかったところだろうが、内にセンテリュオが居たことで外を回さざるを得ず、最後は伸びているが、4角のコース取りで付いてしまった3馬身程の差は如何ともし難かった。ただ、昨年のセンテリュオが同じ立場で4着。初西下は全く問題なさそうで、改めて来年使って来るようなら狙い目に。

第70回農林水産省賞典安田記念(GⅠ)

グランアレグリア

+6kg。この数字だと良くも悪くも立派に映る。ただ、この馬の場合は馬体よりも歩様がマトモかどうか。使い込むとコズむのだが、今日は問題なかった。ゲート五分。ダノンスマッシュが大外から逃げ、好位勢が固まって、中段でポツンと追走。中間にソコソコ雨が降ったことで、インを突く気はなく、4角手前から外へ持ち出して、アーモンドアイに対して出し抜けを食らわす様な競馬。ラスト300mでダノンスマッシュを捕まえてあとは独走だった。馬も文句なしで強く、今の東京マイル適性で勝っていたという以外にないが、休み明けでないと走らない馬を、ちゃんと仕上げて来たことも大きい。

アーモンドアイ

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。牡馬相手だと馬は目立たなくなるのは毎度。特に落ちた印象もなければ、良くなった印象もない。歩様は維持出来ていた。出遅れ1馬身不利。何とか出脚でカバーして中段やや後方から。直線向いて暫く前が開かなかったことも確かだが、ちょっと伸び自体も甘かった印象。最後もあくまでインディチャンプが止まった分の2着。単なるマイル適性というよりは、東京マイルに対する適性で劣ったということになるが、細かい悪条件も重なった。出遅れが一番痛かったが、道中もノビノビ走れていたグランアレグリアに対し、こちらはペルシアンナイトにフタをされ、直線はケイアイノーテックが壁になった。枠の並びから好位抜け出しは難しそうに見えたのだが、出遅れで更に難しくしてしまった。

インディチャンプ

この馬としては集中力が有った。前走京都戦の段階でほぼ出来ていたが、気配を含めればもう一段上のデキ。歩様もキビキビ。ゲートは五分に出たが、周囲に速い馬が多く、アーモンドアイと似た様な位置。ゲートを出た分、内ラチ沿いを走っていたということになるのだが、ちょっと道中は馬場を気にしていた様にも見えた。それでも直線はインから捌いて抜けて来たのだが、ラスト300mで左手前になって苦しくなっていた。いい脚は一瞬しかないだけに馬場が渋ったのが応えた。

ノームコア

前走も決して悪くなかったが、馬のバランスが良くなって更に上向いている。歩様がしなやかなのも好印象。ゲートが悪く後方から。道中はずっと内で我慢して直線だけ外へ。良く伸びているが、これも出遅れが痛かった。ゲートさえ出ていれば馬券圏内有っただろう。ただ、昨年の骨折はこの馬に微妙な影を落としており、当時の1分30秒5はもう不可能。今日は渋った馬場が向いた印象も有る。

ケイアイノーテック

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。ちょっと胴長気味。昔の東京巧者タイプ。毛ヅヤも冴えて、デキ自体も良さそう。このメンバーだと出脚で苦しく後方から。決め手勝負では分が悪いと踏んだ様で、4角手前から進出、今日はこれで正解だった。流石に上位には敵わなかったが、最近重賞の掲示板もままならなくなっていた中でこの5着は大きい。近年の傾向として時計勝負になると育成に長けた大手牧場ばかりが強いのだが、雨も味方した。

第73回農林水産省賞典鳴尾記念(GⅢ)

パフォーマプロミス

+14kg。1年以上の休み明け。太いという印象はないが、明らかに馬体は緩い。歩様はこんなモノで、活気は有ったが。好発。下見で気合が乗っていたことも有ってか、今日は良過ぎる位の行き振り。最初から引っ張っていたのだが、それでもゲートを出たことと最内枠の利が大きく中段は確保出来た。向正面で何とか折り合い付き、脚も有ったが、直線だけ外へ持ち出してラヴズオンリーユーに併せに行き、一騎打ちを僅かに競り勝った。展開はかなり向いたにせよ、このメンバーなら勝ってもおかしくない馬でそこ迄の驚きはない。ただ、今後という話は別で、長期休養明けを緩い状態で激走すると反動が出易い。現代の調教技量なら違うのかも知れないが、過去に学ぶなら次走は厳しい。

ラヴズオンリーユー

+8kg。前走東京戦の段階でキッチリ出来ていたが、それ以上に良くなった印象はない。今日は硬さも気になった。スタート直後にサトノフェイバーに叩かれる展開となったが、立て直して好位から。道中の折り合いは全く問題なかった。4角の手応えが多少渋い様にも見えたが、直線は内から併せて来たパフォーマプロミスに渋太く伸びていた。結果はハナ差負けだが、スローVTRでは一瞬出た場面も有り、首の上げ下げで負けた格好。陣営としては取り溢した形だろうが、パフォーマプロミスに上手く運ばれた感も有り、致し方ない面も。強いていえば、道中は好位確保でも、スタート直後に叩かれた分、内外に馬が居て、ベストの位置取りではなかったのが響いたか。少なくとも馬は頑張っており、中距離なら現役屈指の能力が有る。

レッドジェニアル

前後肢にバンテージ。発汗はそれなりに有ったが、この馬としては落ち着いている。馬体も3歳時と比較して大分迫力が出て来た。出遅れ1馬身不利。出脚もなさそうで、そのまま後方。最初から内ラチ沿いへ寄せていた。道中は只管我慢して、直線も内から。外回りとはいえ、阪神にしては意外と前が開き、惜しいところ迄詰めて来た。実質競馬が終わった後とはいえ、半馬身差だからこの馬も能力は持っている。ちゃんと坂が上れた点も好印象。見た目通り、少なくとも3歳時よりは成長が有りそう。

サイモンラムセス

遮眼革。10歳馬としては馬体に張りが有って、若々しい。ただ、今に始まったことではないのだが、歩様は硬い。ゲートは出ているが、この馬としては意外と進んで行かず後方から。2角辺りで一旦最後方迄下げて、これもインから。レッドジェニアルの後追いの様な格好だったが、最後迄ジリジリ伸びていた。頭が高い走法の割には集中力が続いていた。もう一度馬券圏内が有るかどうかは微妙だが、一つ形が出来たことは確か。

レッドガラン

2人曳き。前後肢にバンテージ。気配抜群。馬体にはまだ成長の余地を残すが、トモに張りが有って、現状のデキとしてはマックスに近い。この馬の出脚でジワッと先行。道中の折り合いは問題なく、ノビノビ走れている様に見えたが、道中は左後方にアメリカズカップが居て、ちょっと4角で外へ逃げそうになっていた。3走前の東京戦もそうだったが、外に馬が居ると気にする面が有る。直線伸びなかったのは、それとは別に距離が長いのだろうが、矯めて外一気の方がこの馬には合っている。