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競馬回顧 2020年2回阪神

第27回マーチステークス(GⅢ)

スワーヴアラミス

前後肢にバンテージ。ダート馬としては所作がしなやか。バランスの取れた馬体で、毛ヅヤも良かった。本来は出ッパの速い馬だが、2日延期になった影響が有ったとのことで微妙に出遅れて、無理矢理の先行策。道中はまだしも、内にモタれていた様で、勝負どころの手応えも怪しかったが、クリンチャーに並ばれても最後迄渋太く抜かせなかった。競馬は出遅れが祟って力任せになったが、今日は馬の底力が救ってくれた。これが須貝厩舎としては初のダート重賞制覇とのことだが、本来は競馬の上手い馬で、一気にGⅠ迄決めたいところ。

クリンチャー

芝で不振だった時もデキが悪い印象はなかったが、今日も決して悪くない。今皮膚を薄く見せて、馬体にも張りが有る。前走阪神戦からダートだが、ダートスタートは初めてということで一完歩目で躓く不利が有り、後方から。芝で走っていた時から根性一本で走る馬で、4角の回り脚は1頭違っていた。直線入口でスワーヴアラミスとの併せ馬。一旦は前に出そうになっていたが、最後はスワーヴアラミスに差し返された。この馬も出ッパは痛かったが、スワーヴアラミスも失敗しており、完敗ということになるのだが、トップハンデで見込まれた中でこれだけ走れば上等。まだまだ稼げる。

レピアーウィット

パシュファイヤー。-10kg。もっと絞ってもいい位だが、休み明けの馬体減の割に硬さがなかったのは何より。毛ヅヤも悪くない。前走もそうだったが、アオりながら出てしまい、後方から。砂を被るとマズい馬で、今日は最初から外へ。それでも後方から行く以上、砂を被った様でところどころで手応えが悪くなっていたが、それでも回り脚自体は悪くなく4角で中段。最後迄ジワジワ伸びて3着浮上。パシュファイヤーは今回からとのことで、その効果も有りそうだが、この手の矯正馬具は使って行く内に効果が薄れ易い。今後も集中力を何処迄保たせるかが鍵となる。

アシャカトブ

前後肢にバンテージ。骨格のしっかりした馬で見栄えがする。多少小走りは入っていたが、イレ込んでいたという程ではなく、むしろ好気合と見たい。スワーヴアラミスに付いて行く形で、その一段後ろ、全体で5〜6番手から。道中もずっとスワーヴアラミスマークで運び、展開としては絶好に近い形だったが、追ってからが案外。幾ら前が強いといっても、今日の内容とハンデで馬券圏内を外したのは頂けない。今日は今日でいい経験だが、もうワンランクレベルを上げないと通用しない。

メイショウワザシ

馬名とは違い、重戦車の様な造りだが、決して太い印象はない。一歩一歩がしっかりしていたのも好感。ゲートを決め、出脚も速く2番手から。4角からスワーヴアラミスの進出に併せて4角先頭。坂下辺り迄は良かったが、そこからは余力が残っていなかった。1000m通過62.0秒と特にハイペースだった訳ではなく、これも重賞では壁が有りそう。

第50回高松宮記念(GⅠ)

モズスーパーフレア

2歳時から迫力では牡馬顔負けの馬だが、今シーズンはややスッキリした造り。毛ヅヤも維持出来ていた。少しテンションが高いのもスプリント戦なら許容範囲。ゲートは五分程度。しかし、競られた昨年とは違い、今日は出脚で1F時点2馬身抜けた。前走京都戦で行き切っておいたのがいい方に出た。前半3F34.2秒と馬場状態を考慮しても決して速くない流れで、直線向いても突き放す場面は有ったが、そこから後続が殺到。一旦は完全に出られたクリノガウディを差し返そうとしていたところがゴールだった。外が利く馬場で、他馬が遠慮して楽に行けたことが最大の勝因だが、あれだけ楽に行った以上はスカッと勝ちたかったところ。そういう点では少し評価が下がる。

グランアレグリア

2人曳き。+12kg。目一杯仕上げて来たという印象ではないが、牝馬だけに多少フックラ見せる位なら悪くない。落ち着いていたのも好感。出遅れ1馬身不利。更初の1200mということも有って、出脚が付いて行けず後方から。道中の行き振りも決して良くなかったが、後方から1頭違う脚で追い込んで来た。ほぼ前で決まる展開で、唯一の追い込みだから力が断然だったという外ない。しかもこの馬自身がロクに流れに乗れていない状況だと考えれば、尚更評価が上がる。あとは使い込めないので、走ってみないと分からない部分が有るのがネック。間隔を開けて使う馬だから、初のスプリントでも対応出来るのかも知れないが。

ダイアトニック

前々走京都戦が太く、前走阪神戦から仕上がっていたが、今日も高値安定。トモにボリューム感が有って、この点では迫力上位。前走はゲートが怪しかったが、今日は好発。出脚も有って、楽に好位から。眼前に居たセイウンコウセイの内か外で一瞬迷ったが、セイウンコウセイが外へ持ち出したのを確認して内へ。ただ、本来の中京なら少し待った位は何の影響もないのだが、今日はエンジンが掛かったところでクリノガウディに寄られてしまった。最後は盛り返しているが、これがワンテンポ早かったら、勝っていた可能性も有り、タイミングが悪過ぎた。ただ、以前は京都専用馬だったが、前走で阪神をこなし、今日は中京と、馬は間違いなく成長している。

クリノガウディー

毛ヅヤが冴えて、今日は歩様に柔らか味が有った。馬体はこのメンバーに入ると明らかに見劣るが。好発。セイウンコウセイにも出脚で負けておらず、暫く並走していたが、1F過ぎに引いて、その直後から。道中はしっかり流れに乗って、直線も手応え通りに伸びたが、元々左にモタれる癖が有り、ヨレたところに馬が居て痛恨の降着に。ただ、行かせて甘いというパターンも多い馬が、今年に限ってはそれでも頑張って前へ行ったことが激走に繋がった感も有る。中央競馬においてGⅠ1位入線降着馬は、過去メジロマックイーン、カワカミプリンセス、ブエナビスタと全てGⅠ馬。上記3頭はその時点で既にGⅠ馬だったが、この馬も帳尻を合わせたいところ。

シヴァージ

シープスキンノーズバンド。太く映るのは何時ものこと。緩んだところがなければ力は出せる。歩様もスムーズ。ゲートは一応五分に出ているが、行く気なく後方から。基本的にはグランアレグリアをマークする形。一瞬の反応はグランアレグリアと違っていたが、ジリジリ伸びて入着。ゲートは出るに越したことはないが、ダート転向してまだ間もない馬がGⅠでこれだけやれれば充分。出脚自体は決して悪くない馬で、何処かでチャンス有りそう。

ダノンスマッシュ

-4kg。前走中山戦からそこ迄良くなった印象はない。決して走れない状態ではないが、もうちょっと良くなって欲しかったところ。また微妙にゲートが悪く、行けるだけ前へ行ったが、ペースが速くなく馬群が密集するところへ突っ込んでしまい、マトモに揉まれ込んでしまった。中京だけに直線に向いてからはバラけてくれたが、少し淡白な部分も有り、全く伸びず。毎度のことながら、GⅠになると運がない。それに尽きる。

タワーオブロンドン

-6kg。もう10kg絞っていい。前走中山戦よりはマシだが、まだ腹回りがボテッと映る。馬に活気が有って、デキ自体は悪くないが。1200mで出脚が速くないのは何時ものことで中段から。枠が枠だけに多少揉まれる場面は有ったが、後述するダノンスマッシュを考えれば遥かにマシで、3角で外へ持ち出せた。あとは直線に向いて伸びるだけだったが、追って全く案外。乗り役の話ではトモが外へ流れたとのことだが、確かに直線入口で一瞬滑る場面が有った。パワーは有るので、馬場自体はこなす筈だが、滑る馬場は良くなかった様。

第68回日経賞(GⅡ)

ミッキースワロー

前後肢にバンテージ。骨格のしっかりした馬で、常に良く見せる。そういう点では何時ものこの馬。多少、集中力は散漫なのも何時も通り。ゲートは五分に出たが、外枠ということも有り、急かさず後方の近い位置。距離を意識して何時も程の回り脚で一気に行く感じではなかったが、4角でスティッフェリオを目標に射程圏。直線は外へモタれながらも最後迄止まる気配はなく伸びていた。戦前は距離を嫌う向きも有ったのだが、今日の内容なら問題なさそう。ただ、この馬の場合は小回りローカルと中山以外では全く通用しない。

モズベッロ

2人曳き。-6kg。数字以上にスカッと見せる。ただ、毛ヅヤが悪い訳でもなく、歩様や馬体のしなやかさも有った。例に依って出脚は速い方ではないが、行かせた前走京都戦と違い、今日は外を回差れるのを嫌って1周目のホームで少しずつ内へ。2周目3角からミッキースワローを目掛けて、マクり切りそうになっていたが、直線入口でミッキースワローに盛り返され、更に寄られて2着に。ただ、この馬も内にモタれていたことは確かで、マトモなら勝っていたかどうかは微妙だろう。とはいえ、前走52kgから別定56kgで走ったのだから立派。今後もチャンスは続く。

スティッフェリオ

-6kg。小ぢんまりと見せるのは昔からだが、もう少し歩様がスムーズになるとベスト。毛ヅヤは悪くない。好発も、今日は最初からの決め打ちだった様で、急かすことはせず中段から。序盤は少し馬群と離して外を回っていたことも有って、折り合いは付いていた。早目に動いて2周目4角手前で先頭。直線は手前が変わらず流石に押し切れなかったが、最近の中では諦めずに走っていた。ただ、気性的な問題というよりは、馬場の問題の方が大きいだろう。基本的にはラチを頼って走る馬で、特に前走が悲惨だったが、内の馬場が悪過ぎて競馬にならなかった。これが出来るなら内が悪くても競馬が出来る。

サンアップルトン

前肢にバンテージ。首が長いので余計にそう映るが、妙に物見をしていた。馬体は悪くないが、その分、非力に映る。ゲートを出てから進んで行かず最後方から。2周目3角過ぎから外を進出して、4角でモズベッロの直後。ただ、ミッキースワローが外へモタれて来た関係で、やはり馬が気を遣って思い切り走っていない様にも見えた。追い込み有利の馬場と展開が向いた感は否めないが、中山2500mの場合は極端になり勝ちで、そうなる確率は決して低くない。

アイスバブル

-8kg。-8kg。結構キッチリ仕上げて来た。馬体に緩んだところがなく、毛ヅヤも良くて、何より気配がいい。外枠ということも有り、全く行く気なく後方から。今日の展開ならこれはこれでいいのだが、回り脚が他馬と違った様で、少し置かれ加減。直線向いてからは良く盛り返している。やはり東京向き。

第67回毎日杯(GⅢ)

サトノインプレッサ

毛ヅヤが冴えて、現状のデキ自体はいい。ただ、歩様は幾らか良くなったが、もっとメリハリが付きそうな馬体。前走京都戦程ではないが、今日もゲート内がジッとして居られず1馬身の出遅れでそのまま後方から。道中の折り合いは付いていた。取り敢えず賞金が欲しいところで、安全策で外を回す手も有ったと思うのだが、少々狭くともコジ開けてくる脚に自信が有ったのか、馬場適性が有ると読んだのか、前が開く迄待って実質1Fだけの決め手で勝った様な形。最後は追ってもいなかった。今後は東京マイルへ回る様だが、20年前なら大本命のパターン。ただ、最近は本物のマイラーが勝っている感も有り、出遅れないに越したことはない。

アルジャンナ

2人曳き。-6kg。皮膚を薄く見せて、馬体も締まって来た。馬はこれでいいのだが、かなり気負っている印象も。眼がかなり血走っている。ゲート内はこれも決して大人しい馬ではないが、何とか五分に出て好位から。前走京都戦もそうだが、下見の割に意外と我慢して走っている。直線は少し外へ持ち出して、追ってからもそれなりに反応しているのだが、真っ直ぐ走れておらず、フラフラしたところをサトノインプレッサに進路を譲る形となってしまい、2着止まり。完敗の内容。次走は未定だが、現状でGⅠとなると厳しくなった。

ダノンアレー

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。このメンバーなら馬の迫力は上位。いい馬だが、トモのボリューム感や歩様等、まだ甘さも残る。好発。出脚も有って一瞬はハナ。ただ、内からアーヴィンドが出て来たはいいが、中途半端に並走。そこを途中からメイショウラツワンが叩気に出て、そこで引いて3番手から。馬自身は特に戸惑っている様子はなかったものの、もう少し違うやり方は有っただろう。この馬自身、まだまだ甘さが有って決め手不足の面が有る馬だが、余計に厳しくなった。その中での3着は良く頑張っている方。クラシックで勝ち負けに持ち込むのは些か厳しいが、先々は走って来そう。

メイショウラツワン

前後肢にバンテージ。皮膚に厚ぼったさが残り、全体的にまだ緩い印象。ただ、馬自体は決してヒケを取っていない。ジワッと馬の気に任せて先行。前述した様にダノンアレーやアーヴィンドのペースが中途半端で、ならばとハナへ。1000m59.6秒は馬場状態を考えればスローではないが、それでも単騎のまま4角を回って来れた。最後は登坂力の差で明らかに脚が上がっていた。ただ、トビ自体は大きい。これもトモがパンとすれば通用しそう。

メイショウダジン

前後肢にバンテージ。-12kg。初芝の馬だが、歩様が硬いのは如何にもといった印象。毛ヅヤは悪くないが、ちょっと迫力で上とは差が有る。ゲートは出ているが、出脚がサッパリで押しても全く進んで行かず後方から。道中は一応付いて行けた。直線も回転数不足ながら、ジリジリ伸びて来ていた。このままだと厳しいが、出脚は経験で変わって来そうで、一応は芝にもメド。