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競馬回顧 2020年1回阪神

第69回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

ガロアクリーク

-10kg。数字は絞れたと見ていい。要は締まって来たということになるが、それでいて迫力も残っているが、動きが全体に硬い。ゲートはアオりながら出た形だが、一応は五分。出脚も悪くなさそうで、1角進入時ヴェルトライゼンデの真横だったが、そこからは番手を下げてマークする格好。ヴェルトライゼンデが動いた際に一瞬付き合わず、一呼吸置いてから外のサクセッションに抵抗しつつ、動く形。今日はこの回り脚が速かった。直線入口でヴェルトライゼンデとほぼ呑み込んでおり、最後は微妙に盛り返された感も有るとはいえ、悠々押し切った。一瞬の回り脚を生かし切ったことが大きかった。ただ、血統だけでなく、首が使えていない走法だけに、1800mでも長い様な印象も。

ヴェルトライゼンデ

馬体はこのメンバーなら迫力で一枚抜けている。今年初戦でもデキ自体も良さそうだが、ちょっと物見が目立った。半馬身程出遅れ。少し促して中段から。この分、序盤は力んでいたが、向正面でファルコニアが動き、3〜4角中間辺りからこれも追い掛けようとしても、進んで行かなかった。直線向いてからは盛り返そうとしていたが、外のガロアクリークには届かず。前走もそうだが、回り脚が甘い。成長すれば違う可能性も有るが、現状で中山は厳しい。結果的にコーナーを走っている時間が長い1800mも良くなかったかも。ベストは東京。

サクセッション

シープスキンノーズバンド。マイラー寄りの体型だが、メリハリが利いた造り。ただ、馬装通り、頭の高さも目に付いた。内の出方を窺いながら、後方に近い位置。道中の折り合いは問題なかったが、ガロアクリークを潰して、ヴェルトライゼンデとの一騎打ちに持ち込みたかったにも関わらず、そのガロアクリークに回り脚で負けてしまい、最後は3着確保がやっとだった。距離自体も微妙。東京へ直行する様だが、仕方がないところ。

ファルコニア

前後肢にバンテージ。450kgの馬だが、背丈が低いだけで幅が有って、バランスの取れた造り。気配も良かった。出遅れ1馬身不利。序盤はそのまま後方に居たが、1000m通過1分03秒2の超スローを嫌って、向正面で一気に進出。これはこれで間違っていないが、直線で踏ん張る脚がなかった。とはいえ、3着とは僅差。現状だと重賞では通用しないが、全兄トーセンカンビーナが古馬になって良くなったことを考えれば、暫く時間は掛かるとしても、楽しみを持って待てる。

アオイクレアトール

芦毛にしては毛ヅヤが冴えていた。現状のデキ自体はいいだろうが、数字の割に馬が貧弱。もっと筋肉が付いて来ないことには。前走東京戦も速かったが、今日も出脚が速く、一気に先手を奪ってハナ。前述した様にスローに落とせたが、結果的に決め手負けした感も有り、もう少し飛ばしても良かったかも。兎に角、脚勢が止まっている様には見えなかった。登坂力も問題なさそうで、上手く運べば何処かで一発有りそう。

第68回阪神大賞典(GⅡ)

ユーキャンスマイル

+12kg。自身初の500kg台だが、見た目はもっと増えてもいい位。歩様に多少怪しい部分の有る馬だが、休み明けを考慮すればまだマシな方。ゲートは出ているが、最初から行く気なく後方から。今日はキセキが競馬を壊した感が有り、ジックリ乗ったのが正解。乗り役は外へ出したかったとのことだが、結果的に内からコーナーワークで差を詰めて馬群を割る形となり、最後に脚を使って突き抜けた。ただ、右回りはモタれる面も有った馬が、今日もそういう素振りが全くなかったという訳ではないものの、制御の範疇に収まって来た。今のディスタンス路線はイマイチレベルが低く、充分有望。

トーセンカンビーナ

前後肢にバンテージ。一歩一歩が力強い。450kgの馬でも、トモにボリューム感が有って、デキだけならコレ。キセキ程ではないが、2馬身程の出遅れで後方から。キセキが1周目のホームで上がって行って、そこからは殿から。前述した様に、今日の展開ならこれで正解だが、コーナーでの反応が悪かったのと、直線向いても一瞬の脚がなく、進路を確保するのに時間を要した分の2着。この2点がスムーズなら勝っていた。ただ、次走の京都はゲートで遅れると全く出番がないことが多い。出遅れは毎度のことで、余程ハマらないことには。

メイショウテンゲン

シープスキンノーズバンド。+6kg。迫力がないのは何時ものことで、高値安定。少しずつでも成長を感じさせる。相変わらず毛ヅヤも悪くない。これもゲートが微妙に悪く、後方に近い位置。 道中の折り合いは問題なく、ジリっぽいことも有って、早目に外を追い上げて行ったが、やはりジリジリだった。ただ、最後迄脚は使えており、距離適性は高い。基本的には道悪の方が向いている馬で、今日は3分03秒の展開で良く走ったといえる3着。3歳時と比較してフォームに伸びが出て来た感も有り、見た目だけでなく、レース内容にも成長も感じさせた。先々は良馬場でも対応出来る様になりそう。

ムイトオブリガード

前後肢にバンテージ。+18kg。流石に500kgを超えると太く映る。毛ヅヤは悪くなく、デキ自体に問題はなさそうだが。ゲートを決めて、一瞬はハナに立ったが、外からドレッドノータスとタイセイトレイルが行って3番手から。繰り返しになるが、途中でキセキが動く展開となり、前は絶望的に苦しくなったが、結果的に一歩引いた位置で立ち回れたのは大正解だった。ただ、今日は最低でも2着を死守したかったところだろう。このメンバーならそれ程、力量差が有るとも思えず、最後甘くなったのは太目が祟った以外にない。陣営としては悔いの残る競馬。

メロディーレーン

馬格がなさ過ぎて状態面の分かり辛い馬だが、毛ヅヤも多少良くなって来たかも。ただ、歩様は明らかに昨夏の方が良かった。何時もは後方からの馬だが、枠と斤量を生かしたいとのことで、中段のイン。直線も内からジリジリ来ていたが、内を突く形は良くなさそう。古馬相手でオープンだと少し壁も感じるところだが、他馬を気にせず、外をノビノビ走らせた方がまだ可能性が有る。

キセキ

前後肢にバンテージ。多少チャカつく面は有ったが、下見でケチを付ける部分はない。迫力では一枚抜けた存在。ゲート内で膠着。5馬身程の出遅れ。それでもこの距離で、馬群には直ぐ取り付けたが、馬が行きたがってどうしようもなく、1周目のホームで手綱を緩めて好位。この位置で何とか我慢は出来たが、坂を上る脚がなかった。それで0.6秒差なら良く頑張ったということもいえるのだが、気性面が破綻している。暫く掛かりそう。ただ、この馬の場合は、既に一度そういうことになっている。立て直せた経験が有るのはまだ救いが有る。

第34回フラワーカップ(GⅢ)

アブレイズ

人気は全くなかったが、馬は良さそう。寸の詰まった体型だが、トモにボリューム感が有る。もう少し落ち着いてくれるとベストだが。好発。出脚も一番速い位でスンナリの2番手。1000m59.2秒だから中山1800mとしてはソコソコ流れていたが、意外と引っ掛かる馬が多かった。この馬も1角だけ怪しかったが、あとは短手綱で堪えていたのが大きかった。逃げたナリノクリスティーを4角で交わし直線入口で先頭。後続が誰も差して来ず、そのまま押し切った。見た目だけなら単純に強い。ただ、今日は上がりが掛かる馬場になり、パワー勝負だったのが向いた感も有る。GⅠに有り勝ちなスピード優先の馬場となった際が未知数。

レッドルレーヴ

数字通り、馬体に迫力はないが、キビキビ歩けていた。首の動きに推進力を感じさせたのが印象的。直ぐ内のアブレイズが先行したが、出脚もなく付いて行かず、中段から。丁度馬群の切れ目で他馬のプレッシャーもなく、ユッタリ運べた。お世辞にも4角の回り脚は速くなさそうで、外の後続に呑まれそうになっていたが、何とか堪えて直線に向くと一瞬は勝ったかの勢いだったが、坂を上り切って甘くなった。細かいところで鍛錬不足も感じるところ。次走東京戦とのことだが、2000mに延びるのはマイナス、馬場が軽くなるのはプラスということになる。

シーズンズギフト

悪い馬ではないが、もうちょっと馬体にメリハリが欲しいところ。トモの送りに左右で差が有る。現状はバランスが悪い。アブレイズに外から叩かれる形となったが、立て直して好位。口向きはイマイチ悪そうだったが、これも他馬と比較すれば道中は折り合いが付いていた方。4角で包まれそうになったが、脚自体には余裕が有り、上手く矯めが利いていた。逆にいえば道中のロスが少なかっただけに、最後内にモタれたのは頂けない。道中も含めて、要は見た目通り、馬体に芯が入っていない。一旦、放牧に出して、春は諦める様だが、個人馬主でもない限りはクラシックを狙ってもいいことは何ひとつない。

チェスナットドレス

オーストラリアンブリンカー。横の比較で馬体が見劣るということはないが、まだまだ歩様に力強さが足りない。ゲートは決めたというより、速い方だったが、そこからが進んで行かず後方から。道中もボコボコの馬場を気にしている部分も有るのか、行き振りが悪く、腹を括って直線迄待ってから進路を探して抜けて来たら、早目に動いた組が止まって4着浮上。鈍足ランナーがバテずに最後迄頑張って走ったという印象。時計が掛かれば今後も面白い存在といえるが、500万脱出には相当苦労しそう。

クリスティ

3歳牝馬としては良く出来ている。芦毛でも毛ヅヤも良く映るが、姿勢が高く、歩様にも硬さが有った。ゲートは微妙に悪かったが、出脚でカバーして好位から。序盤にロスが有った割には我慢して走れていた。ただ、4角で回り脚が苦しく、直線も挽回し切れないまま終わってしまった。フォーム的に止まっているという訳ではないのだが...。これではオープンで通用しない。

第54回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

エーボス

-6kg。腹回りが少しシャープになった。元々細身の馬で、これ以上減って欲しくないところ。歩様はスムーズ。半馬身程出負け。少し出して行って中段。出遅れて出した分、引っ掛かる場面も有った。ただ、3角辺りで落ち着いて、直線向いても一瞬は反応しなかったが、敢えて狭いところへ進路を取ると、馬が急に根性を発揮して、1頭だけ違う脚で突き抜けた。2走前の京都戦に中段から差す競馬が上手く行かず、それ故に前走は先行策に出たと思うのだが、それはそれで甘くなり、今回は出遅れて仕方なしに差しに回ったら今迄にない決め手を発揮と、掴みどころがない。前走のメンバーがソコソコ強かったのは間違いないだろうが、脚の使いどころに難しさが有りそう。

ヤマカツマーメイド

シープスキンノーズバンド。元々歩様は悪くない馬だが、昨秋と比較すれば馬体が成長している。非力な印象がなくなった。エーボス程ではないが、微妙に出負け。何とか出脚でカバーして好位から。1000m56.5秒と結構流れたとはいえ、流れには乗れていた。4角もスムーズに捌いて、しっかり伸びているが、エーボスにやられて2着。ただ、相手は一瞬の脚を最後に上手く生かした感も有り、競馬そのものは最高に運べた。次走GⅠ勝ち負けとなると微妙だが、少なくとも器用さは世代屈指で、大崩れも考え辛い。

ナイントゥファイブ

+4kg。馬体は決して悪くないが、姿勢が高い。歩様も頼りなく、まだ馬に力が付き切っていない。ゲート五分。出脚は一番速い位だったが、最内からカリオストロが主張して2番手。このペースでもずっと手応えは良く、4角手前からカリオストロに並び掛けて行った。流石にこのペースで最後迄踏ん張り切るという訳には行かなかったが、3着は確保。まだ非力な状態でこのスピードは楽しみな存在。現状は1200mの方がいいとしても、パワーが付けば距離も保つ筈で、後々はタイトルも取れる器。

カリオストロ

+4kg。休み明けになるが、この時期の牝馬だけに馬体が増えるのは無条件で歓迎。トモに丸みが有り、決して太い訳でもない。ゲートが微妙に悪かったことも有るが、出脚もナイントゥファイブの方が速かったが、無理矢理行ってハナへ。その分、前述した様に1000m通過が56.5秒とオーバーペースとなり、坂を上り切ったところで力尽きた。前走は馬場もイン有利だったが、それ以上に他に速い馬が居らず上手く行った面も有る。先行に拘るなら出脚はもっと欲しいところ。

フェアレストトレイル

胸がい。前後肢にバンテージ。もっと増えるに越したことはないが、434kgの馬としては良く出来ている。ただ、気配に乏しい。出脚自体はソコソコ有る馬だが、内外から行った馬に抵抗せず、中段のイン。上手くポケットに納まった。4角もスムーズだったが、いざ追って全身を使って大きいストライドで走っている割に伸びなかった。要は回転不足。ただ、フォームはディープインパクトに限りなく近い。距離を延ばせば一発有るかも。

第56回金鯱賞(GⅡ)

サートゥルナーリア

前後肢にバンテージ。負ける時も下見は落ち着いているが、今日も同様。仕上げという点では甘い部分も有ったが、このメンバーだと馬が違い過ぎる。単純に分厚い。歩様もスムーズ。無論、この一族だけに、出脚は速いのだが、今日は引っ掛かったら全て台無しになるところで折り合い重視で5番手辺りから。取り敢えずその課題はクリア出来ていた。あとは正攻法で回って来るだけだが、坂下迄持ったままで先頭に並び掛けた段階で勝負有り。ノーステッキで軽く追われただけで突き抜けた。トビの大きさや高さも一族由来で、今日は文句なし。ただ、昨今の情勢故、海外遠征がし辛い。一戦毎の消耗が激しい印象も有り、今後は番組を探しながら鍛錬を積む必要が有る。肝心なところで故障したり、躓いたりする等、一族に付き纏うツキのなさはこの馬にも感じるところ。

サトノソルタス

遮眼革。キビキビした歩様。ほぼ500kgの割に馬を大きく見せないが、しっかり踏めている。今年初戦でも、キッチリ出来ていた。出脚が速いという訳ではなさそうだが、外から少し出し気味に好位から。各馬、サートゥルナーリアを意識して載るのは当然で、大事に乗る必要が有る中京なら尚更だが、敢えてサートゥルナーリアを無視して、早目早目の立ち回り。4角で出し抜けを狙いに行ったが、持ったままでサートゥルナーリアに来られては仕方がないところ。とはいえ、後続も差して来ず、悠々2着は確保した。同じプラットフォームの前走が前が詰まる消化不良の競馬だったが、エンジンの掛かりが遅いタイプだけに、今日の競馬も合っていた。

ダイワキャグニー

2人曳き。遮眼革。前後肢にバンテージ。+6kg。腹回りはもう少し絞った方が良いかも。あとは気配を含めて問題ないが。出脚は結構怪しかったが、戦前の想定通り、注文を付けてハナへ。1000m通過63.6秒と、超スローに落とし、しかも一人旅に持ち込んだが、流石にこのクラスになると4角で突き放す脚がなく、3着確保がやっとだった。とはいえ、左回りでラチが頼れれば堅実。出脚がないので叩かれる展開になると苦しいが、最低でも好位へ行けるメンバー構成になれば、今後も勝ち負けに持ち込めそう。

ギベオン

+8kg。今日は毛ヅヤが冴えている。ベスト体重の良く分からない馬だが、見た目に太い印象はない。変にイレ込んでいないのも何より。ジワッと行かせつつ、サートゥルナーリアを叩いて好位のイン。セコく運んだのは間違っていないが、直線向いてダイワキャグニーの内を狙ったが入れず、更にサートゥルナーリアにも来られて、立て直している間に競馬が終わっていた。最後の最後には差して来ている。せめてペースが流れていればというところだが、最近は期待を集めてサッパリというケースが多い中で、ちゃんと走れるところを示せたのは収穫。

ラストドラフト

近走、毎回述べている様に、昨春とは別馬。非力な印象が全くなくなった。馬に活気も有ったが、ちょっと歩様が落ちて来た。出脚があまり速くないということも有るが、中段からサートゥルナーリアをマークする形。ただ、4角の手応えが全く違っており、前述した様にサートゥルナーリアは持ったままだったが、こちらは幾らオッツケていても離される一方だった。力は確実に付いているが、出脚がない割に機動力がない。もう少し現代競馬に対応出来る能力が欲しい。

第38回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

フェアリーポルカ

+6kg。大分ドッシリ見せる様になって来た。皮膚を薄く見せてデキも良さそう。前走小倉戦からはデキ一変。ゲートは直ぐ外のメイショウグロッケの方が速かったが、叩かれるのを嫌って抵抗しつつ好位のイン。激しい牡丹雪となり、馬場も悪かったが、視界も怪しいところで、4角で上手く外へ持ち出せたのが大きかった。外に持ち出した際に、ちょっと前と距離が開いてしまったのだが、1頭だけ違う脚で突き抜けた。単純に強かった印象。道悪も上手いのだろうが、馬自体も良くなっている。これならGⅠでもソコソコ勝負になる筈。あとは良馬場での決め手比べでどうか。

リュヌルージュ

格上挑戦だが、馬自体が負けている印象はない。推進力の有る歩様で、単純にヤル気が有りそう。外枠だったが、モルフェオルフェの逃げに乗る形で2番手。道悪は全く苦にしていない様で、道中の行き振りも抜群に良かった。勿論、馬場を考えれば早目早目の策は正解だが、後続が来ていないにも関わらず、4角手前からモルフェオルフェを捕まえに行って、更に直線は真っ直ぐ追えず、外へヨレてフラフラだった。フェアリーポルカもいい脚だったが、鞍上の技術不足で負けた感が強い。ハンデ50kgとはいえ、勝ちに等しい内容。

エスポワール

前後肢にバンテージ。+8kg。もう少し馬体を締めても良さそうだが、牝馬だけに許容範囲。背丈が高くて見栄えがする。一完歩目が妙に遅かったが、そこから挽回して中段から。基本的に馬場は特に苦にしている様には見えなかったが、フェアリーポルカの更に外を回されていてはキツい。一瞬の反応が悪かったことも有って、デンコウアンジュの猛追を凌ぐのがやっとだった。恐らく気性的には道悪を苦にしないのだろうが、一瞬の反応が悪い辺りは走法とは合っていないのかも。何れにしてもマトモな状態でやりたいところ。

デンコウアンジュ

前肢にバンテージ。一応、前走小倉戦の状態を維持。牝馬としては重量感が有って、毛ヅヤも悪くない。気配に乏しいのは毎度。元々それ程出脚の速い方ではなく、出たなりで中団やや後方。エスポワールをマークする様な形。今日の展開で前が捕まらないのは仕方がないとしても、となればエスポワールには先着したかったところだが、回り脚や坂下迄の勢いはエスポワールに勝っていたのだが、登坂力が甘く、突き抜け切れなかった。これも馬場は苦にしないタイプだが、やはり平坦の方が無難。

レイホーロマンス

寸が詰まって背丈の低い馬で、あまり見栄えはしないのだが、手先に柔らか味が有って硬さがないのが何より。ゲートもイマイチだったが、今日も出脚もなく最後方から。過去の競馬からこういう馬場を苦にする印象はないのだが、3角からの行き振りが悪く、直線も腹を括って最内へ。今日は結構馬群がバラけたことも有って、掲示板は確保したが、最後は脚が上がり気味になっており、評価し辛い内容。これも前走小倉戦で述べた様に平坦の方が向く。

第34回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

シャインガーネット

前後肢にバンテージ。牡馬相手でも馬体全体の迫力では負けていない。下見の外を周回して、歩様に力強さが有った点も好感。出脚自体はソコソコ速い馬だが、ゲートで速い馬が居たり、押して行った馬も多く、5,6番手から。前走中山戦が追っ掛けバテしたことも有り、引っ張り切りで乗られたが、他馬が押していた中で、裏を返せばいいスピードを持っているということもいえるだろう。直線は期待通りに弾けてくれた。オーナーはアルクトスで昨年のプロキオンステークスを勝っており、芝ダートの違いは有れど、何故か中京1400mとは相性がいい。次走は阪神戦をスキップして、左回りを求めて東京戦とのことだが、この脚ならチャンス有りそう。

ラウダシオン

多少チャカつく場面が有ったのは何時ものこと。トモに厚みが有って、歩様も一歩一歩しっかり歩けていた。ゲートを決めて好位から。前は飛ばしてバラバラ。深追いを避けたが、これも引っ張り気味というよりはちょっと口を割る様な場面も一瞬有り、折り合いは怪しかった。直線向いてからはそれなりに伸びているが、シャインガーネット程の切れる脚は使えず。控えても競馬は出来るが、勝った前走東京戦は逃げの手で、その影響も有っただろう。2歳時と違ってゲートが決まる様になったのは成長だが、もう少し競馬に対する慣れが要る。

ヴェスターヴァルト

前後肢にバンテージ。寸が詰まって腹袋がしっかりしたタイプ。短距離ならこの造りで充分。気配も良かったが、歩様の硬さがマイナス。出たなりで、出脚をあまり使わず中段から。丁度シャインガーネットをマークする様な格好。ただ、内外前に馬が居て、更に馬場が悪いことも有って、ちょっと窮屈な位置。その分、追っての反応が一瞬悪く、その間に前との差が広がってしまった。2着ラウダシオンとは2馬身半差だけに逆転していたとは考え辛いが、同じ3着だったとしても、もうちょっとスムーズに走りたかったところ。

トリプルエース

+14kg。馬体は増えたが、見た目には緩くは映らない。ただ、歩様も含めて硬い印象も有る。気配は良く、首を下げて集中力も有った。出遅れ1馬身不利。何とか挽回しようとしていたが、これもヴェスターヴァルトと似た様な位置に突っ込んでしまい、道中はかなり窮屈な形での追走を強いられた。直線に向いてからはそれなりに伸びているが、これもスムーズだったら結果は違っていた。勿体ない内容。こういうことを今後招かない為にもせめてゲートは決めたい。

レッドライデン

+6kg。馬体に迫力が有るというタイプではないが、シャープな造りでデキだけならコレ。外をノンビリ歩いていた点も好感。ゲートで半馬身程後手に回り、後方から。ヴェスターヴァルトやトリプルエースの一歩後ろの位置で、少なくともゴチャつかない位置で運べた。直線もインを突いてオッと思わせたが、最後に甘くなった。ただ、今日の内容だけだと、甘くなったのが馬場なのか、末脚の持続性の問題なのか微妙。前々走中山戦の内容を含めれば、馬場の所為にしたいところだが。

第57回報知杯弥生賞ディープインパクト記念(GⅡ)

サトノフラッグ

シープスキンノーズバンド。ここでも馬は負けていないどころか上位クラス。オーナー好みのドッシリと見せるタイプの馬だが、歩様にも柔らか味が有る。ゲートは出ているが、道悪だったことも有り、一旦下げて馬群の切れ目から馬場のいい外へ。更に後ろにブラックホールがマークしていることを確認しつつ、3角過ぎから一気に進出、直線も早仕掛けにへこたれることなく、そのまま押し切った。様々なタイプを出すディープインパクト産駒だが、回り脚が速かったのが特徴。前走東京戦で見せた追ってモタれる面も、今日はなかった。次走も同じ条件だけに有力ということになるが、尤も、後述する様に今日は4角でワーケアをフタしたのが最大の勝因という気もしないでもない。あとはここに出て来なかった組との相手関係。

ワーケア

例に依って下見の外を周回して、ドッシリと見せる。歩様も2歳時と比較すれば力強さが出て来た。スタート直後に内へ少しヨレて出脚が鈍ったが、立て直して中段やや後方から。こちらは比較的コースロスなく乗られたが、4角でサトノフラッグ-ブラックホールの連動が壁になり、直線迄待ってから追い出す形。結果的に一手遅れてしまった。この馬場で切れる脚は使えない中で最後は良く差している。今日の段階では前走で述べたヴェルトライゼンデと五分という評価は変わらず。ヴェルトライゼンデが来週出走する様で、これがリトマス試験紙となりそう。

オーソリティ

2人曳き。当初は500kgを超える馬の割に軽い造りだったが、幾らかでも重量感が出て来た。歩様もしっかりしており、気配も良かった。外からジワッと行かせて中段から。内の出方を窺いながら中段やや前から。前3頭が飛ばして距離は有ったが、道中の折り合いは付いていた。これで位置取りは悪くなかったが、サトノフラッグがマクりに出て、動かされる形。後続に差されるのは仕方がないとしても、潰しに来たサトノフラッグには先着したかった。良馬場でどうかという部分は残すとしても、ちょっと課題の残る3着。

ブラックホール

前肢にバンテージ。430kgだが、コンパクトに纏まって均整が取れている。完成度が高い。歩様もこの血統に有り勝ちな硬さもない。ゲートは出ているが、出脚もなく、行く気もなくで後方から。たまたまサトノフラッグが下げて来たことで、これをマークする形。サトノフラッグのマクりにコーナーでは付いて行けたが、直線では脚が続かず。道悪自体は上手く、展開もハマってこの程度という感も。ゴールドシップ産駒で化ける余地は有るだろうが、現状では話にならない。

オーロアドーネ

前走東京戦と増減なしだが、もう少し腹回りに締まりが出て欲しいところ。馬自体が格負けしている印象はないが。歩様もスムーズ。パンサラッサが好発を決めて、そこをウインカーネリアンを叩いて、更にデゥヴィナシオンも絡んで、離れた4番手から。この時点では好位置だったが、3角で外からオーソリティが動く気配を見せたことで、この3頭を自力で捕まえる形になってしまった。新馬即重賞だった馬がこうなると流石にキツい。5着でも良く踏ん張った方だろう。次走マイル戦でどうかという部分も有るが、このレース自体が馬を強くする内容でも有り、今後も楽しみに。

第15回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

ダノンスマッシュ

前後肢にバンテージ。完璧ではないが、ほぼ出来ていた。歩様もスムーズ。首でリズムを取って、落ち着きも有った。最近のパターンでゲート内が煩く、1馬身出遅れも、出脚で挽回して好位。行きたがることもなく、4角は手応え充分。直線向いて前も直ぐに空き、坂を上がってナックビーナスとの一騎打ちを競り落とした。ゲートを除けば完璧な内容。現状のスプリント路線で、どう考えても総合力では一歩抜けているのだが、あとは運の問題に尽きる。今日は出遅れながら内枠を上手く捌いていたが、これが本番になると途端に上手く行かなくなる。

ナックビーナス

馬体に柔軟性が出て、若い頃と比べると歩様が格段に良くなった。毛ヅヤもこの時期の牝馬としては冴えている。出脚も昔より速くなっているが、エンゲルヘンが主張して2番手から。前半600m33.1秒だからソコソコ流れたが、直線入口で前を捉えてダノンスマッシュ以外は突き放しているが、相手が強かった。これで4年連続2着の珍記録だが、内容そのものも今回が一番良く、競馬が明らかに上手くなっている。中京は全くコース形態が異なるとはいえ、最近は他場でもソコソコ走る様になっており、軽視禁物。

タワーオブロンドン

+6kg。数字以上に厚ぼったく映る。毛ヅヤも一息。ただ、馬に活気が有って精神面は問題なさそう。ダノンスマッシュと同レベルで出遅れたが、スプリント転向後は折り合いが付く様になった替わりにズブくなっており、ダノンスマッシュとは出脚が違い中段から。とはいえ、基本的にはダノンスマッシュの後追いの形は出来たが、大型馬が内に入っていた影響なのか、休み明けなのか、4角の反応が一息で、一瞬モタついている間に他馬との兼ね合いで更に進路が狭くなってしまった。何とか坂を上るところで前をコジ開けたが、最後はグランドボヌールに差されそうになっていた。58kgの影響も有るだろうが、もうちょっと格好は付けて欲しかったところ。ただ、ベストが1400mの馬で、中京に替わるのは好材料。出遅れリスクもダノンスマッシュよりは少ない。

グランドボヌール

もう少し馬体がシャープに映るとベストだが、良くいえば馬体フックラ。リズミカルな歩様で気配は良さそう。行かせると引っ掛かる可能性の有る馬だが、上手く出しつつ好位のイン。前を壁にして折り合いは4角で付いていた。前にダノンスマッシュ、横にタワーオブロンドンと絶好の形。直線もスムーズだったが、ただ、登坂力がタワーオブロンドンと違っていた。上り切ってからは再び盛り返しているものの、底力の差を見せ付けられた。とはいえ、負けた相手がタワーオブロンドンなら仕方がないところ。GⅢのメンバーなら充分足りる。

キングハート

初遮眼革。前肢にバンテージ。最近の中では悪くない方だが、流石に年齢を感じさせる馬体。ただ、歩様に伸びが有ったのは好感。狭い場面が有ったとはいえ、出脚も大分苦しくなっているが、押して何とか中段。直線は少し外へ持ち出して、ジワジワ伸びてここ迄。一昨年の勝ち馬だが、坂が上れるのが強み。斤量次第の面は有るが、オープン特別等、もう少しメンバーが楽になれば馬券圏内も。

第27回チューリップ賞(GⅡ)

マルターズディオサ

数字通り、ほぼ出来ていた。例に依って数字の割には良く出来た造り。一歩一歩に力強さが有り、毛ヅヤも良かった。ゲートは五分程度。前走のイメージから矯めて乗られた方が良さそうな印象も有ったが、積極的に乗られ、当初は中段だったが、3角手前で進出し、好位へ。追っ掛けバテを覚悟で乗られた。レシステンシアの逃げが意外とスローで、一瞬の反応は鈍かったが、ジワジワ脚を伸ばして内から追撃のクラヴァシュドールもハナ差凌ぎ切った。勝ちに行って勝ったのだから単純に強い。後述する様に、レシステンシアが本番で自分の競馬に徹してどうなるかという問題は有るが、確実に前走よりは強くなっている。

クラヴァシュドール

前後肢にバンテージ。-6kg。無論、馬体も減らないに越したことはないのだが、それ以上にテンションが高い。ただ、流石に馬は垢抜けている。ゲートは微妙に安目を売ったが、出脚と枠の利で挽回して好位。これもレシステンシアを明らかに意識して乗られた。下見でテンションが高かった割には折り合いも付いており、直線は内ラチ沿いへ飛び込んで一瞬だけ先頭に立ったが、マルターズディオサにネジ伏せられた。ハナ差でも枠の差を考えれば完敗。例に依って器用さは有るのだが、もうワンパンチがない。まずは馬体回復と落ち着きということになりそう。

レシステンシア

前後肢にバンテージ。如何にもバネを感じさせる歩様。今日は落ち着きも有ったが、その分、多少緩い印象も。ゲートを決めて一瞬でハナ。例に依って出脚が速いので、ペースを落とすことも容易で、前走の1000m通過が57.5秒に対し、今日は59.3秒。楽に行けて手応えも抜群だったが、いざ追ってからが案外。前走はここから突き放す脚が有ったが、ラスト200mで交わされそうになり、右手前になったことも有って雪崩れ込むのがやっとだった。かといって前走の上がりは35.2秒で、今回は34.2秒だから速脚がないのは確かだろう。結果的にはペースを上げるべきだったということになるが、ダイワメジャー産駒だけにこの手のボロが出るのは仕方がないところ。ペースは幾らでも握れる出脚の有る馬で、本番で行き成り崩れるより良かったと思う外ない。

イズジョーノキセキ

胸がい。前後肢にバンテージ。440kgの数字の割に背丈が高く、まだ馬が薄い。ただ、歩様もそれなりにしっかりしており、毛ヅヤを含めて現状のデキとすれば悪くない。ゲートをポコンと出て、1馬身程出負け。腹を括って、そのままバラけた後方からジックリと。純粋に直線だけの競馬で、4角でインが突けないとなると、直線迄向いてから一番外へ。良く伸びているが、前3頭には届かず。評価のし辛い内容だが、前走東京戦のメンバーがソコソコ揃っていた中での5着も含めるなら、500万は楽勝級。ただ、まだ馬がしっかりしていないので、広いコースでひと脚に賭ける競馬の方が良さそう。

スマートリアン

後肢にバンテージ。寸が詰まったマイラー体型。馬の完成度が高いだけに、もっと力強く踏めるとベストだが、現状でも非力な印象はない。半馬身程出負け。これも急かすことなく、後方から。基本的にはイズジョーノキセキの一歩前で立ち回り、それなりに伸びているが、イズジョーノキセキには伸び負けた。道中もそうだが、追い出すと頭が上がる場面が有る。下見はともかく、まだ力が付き切っていない。

第94回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ダノンキングリー

2人曳き。前後肢にバンテージ。+6kg。太いという程ではなく、多少緩い程度。歩様に柔軟性も有って、休み明けとしては上等。外からマルターズアポジーとソウルスターリングが行く展開となったが、この馬の出脚を生かして内の馬だけ叩いて3番手から。前の逃げが遅かったというよりは、後続がこの馬マークだったことでペースが上がらず、マルターズアポジーが1000m通過59.3秒。この馬の位置でほぼジャスト1分のペース。3〜4角中間から徐々に差を詰め、坂下で先頭。登坂力で後続を突き放して、そのまま押し切った。ウインブライトが凡走したことも大きかったが、流石にこのメンバーでは力が違った印象。尤も、昨秋は本番で意外な程ダラしなかった。今回もそうなりそうな気もしないでもない。

ラッキーライラック

前後肢にバンテージ。+11kg。首も胴も長いということも有るが、このメンバーでも雄大な馬体はひと際目立つ。歩様も軽やかで、如何にも状態が良さそう。基本的には出脚の有る馬だが、前走、前々走で2200,2400mと使っていた関係も有った様で、出脚が鈍り、押したところで外枠で一瞬引っ掛かりそうになり、無理せずダノンキングリーをマークする形。同様の理由で勝負どころの手応えが妙に渋かったが、それでも坂下でエンジンが掛かると、ダイナミックなフォームで伸びて2着浮上。前々走京都戦が最後の花火かと思っていたのだが、高値安定で走っている。ただ、ステッキを入れた際に、尻尾を振ってちょっと抵抗する場面も有った。次走は阪神戦とのことだが、過信は避けたいところ。

ソウルスターリング

遮眼革。後肢にバンテージ。+18kg。弛んでいる印象はなく、数字なりの迫力が有った。また、イレ込み易い馬だが、無観客ということも有ってか、今日はノンビリ。何故か、ずっと舌がハミを越していたが。ゲートを出た際にヨレてしまい、出脚はダノンキングリーの方が速かったが、押してマルターズアポジーに食らい付いて行って2番手から。ちょっと力みながらの追走にも見えたが、馬の気に任せて4角手前から並び掛けて行き、坂で流石に苦しくなったが、何とか3着は確保した。無観客も良かっただろうが、この騒動で輸送も比較的楽に出来た方が大きいだろう。これで引退とのことだが、滞在メインで使っていれば、もう少し稼げた筈。

インディチャンプ

+16kg。数字は香港戦で減っていただけで回復分。攻め馬も有る程度やれており、緩い印象もなかった。序に毛ヅヤも上々。ゲートは決めたが、行く気はなく折り合いに専念して中段やや後方のイン。引っ張り気味の追走は何時ものことで、4角を回り切ってラッキーライラックと同じ位置に出て来た時には最低でも馬券圏内は有るかに見えたが、いざ追ってサッパリだった。尤も、走らない時は常に案外感の有る馬で、コンスタントに一生懸命走るタイプではない。今日はベストではない1800mだったことも有り、度外視したい。

ペルシアンナイト

+8kg。500kgを越えたのはデビュー以来初だが、特に太い印象はなく、出来ていた。それなりに気合も乗っている。元々ゲートは悪いとはいえ、出遅れ1馬身不利。今日のスローでは後方でジッとしていてもいいことはなく、3角過ぎから外を進出。4角では手応えの悪いラッキーライラックを飲み込みそうになっていた程の勢いだったが、直線で止まった。これも負ける時はコロッと負けるタイプ。上がりの速い展開が向かないというのも確実で、今日は仕方がない。

ウインブライト

2人曳き。気合乗り上々。馬体はそれ程迫力の有るタイプではなく、この馬なりに出来ていたが、今日は若干歩様が硬いのがマイナス。普段は好位のインで流れに乗るタイプだが、ラッキーライラックに抵抗され、諦めて中段から。道中は問題ない様に見えたが、中山だとひと脚が確実に使える筈の馬が今日は勝負どころからの手応えが渋く、直線も全く伸びなかった。やはり内枠でないとダメなのか...。

第64回阪急杯(GⅢ)

ベストアクター

シープスキンノーズバンド。-6kg。このメンバーに入るとヒョロヒョロ。歩様にも力がなく、下見からは手が出せない馬。唯一、毛ヅヤだけは良かったが。ゲートは決めたが、外枠故か、行く気はなく中段から。丁度馬群のド真ん中で、切れ目が出来て比較的コースロスなく回って来れた。ペース自体はソコソコ流れたが、開幕週ということも有って各馬の仕掛けは早目、4角で包まれる形にはなったが、結果的に脚を矯める形になった。直線で前の馬がもがき合いになる中で、坂を上り切ってからひと脚使って突き抜けた。1400mベストということも有るが、今日は展開が向いた以外にない。ディープインパクト産駒だけにこれでも決め手は持っているということなのだろうが、先々オープンで安定して走ろうと思えば、馬体のパワーアップがないことには。

フィアーノロマーノ

+8kg。550kgを超える大型馬で目立たないが、多少緩く映るのは確か。ただ、この馬は何時もこんな感じ。歩様が伸びていたのも毎度。微妙に出負けしていたが、出脚でカバーして好位グループのイン。道中はポケットに入って、3角で前の馬に追い付いて一瞬引っ張った以外は、然程揉まれずに済んだ。ただ、直線向いて例のダイアトニックに寄られる不利。大型馬で一瞬の動きはノロく、こうなるとキツい。とはいえ、何か有れば揉まれ弱いといわれる中で、最後は盛り返していた。今日のメンバーでこの内容なら前走以上に走ったとはいえそう。尤も、次走は東京マイルとのこと。詰めの甘さが露呈しそうな気もしないでもない。

ダイアトニック

前後肢にバンテージ。-14kg。前走京都戦が太い状態で、数字通りちゃんと締めて来た。馬に活気が有った点も好感。これもゲートが怪しかったクチだが、内枠で開幕週ということも有って先行。流石に出脚は速く、一瞬はハナも覗かせていた程だったが、引いて番手から。直線に向いて内に切れ込みながらも一瞬の脚が速く、一旦は完全に抜け出していたが、結果的に抜け出すのが早過ぎた様で、ベストアクターに捕まって2位入線。勝負には負けたが、比べ馬では勝っている。内に切れ込んだあとは、右手前になって外へヨレており、相変わらずフラフラだが、1400mで先行しても脚が使えたのは収穫。次走1200mでどうかだが、左回りさえ問題なければ広いコースに替わるのはプラス。

スマートオーディン

-8kg。今シーズンはずっと太い印象が有り、漸く絞れて来た。歩様に硬さもなく、気配面も良かった。ゲートは出たが、例に依ってジワッと下げて後方から。小細工なしで4角も大外を回して直線勝負。近走はサッパリだったが、昨年同様の脚でここ迄伸びて来た。勝ち負けは細かい展開の綾だろう。3角で一瞬掛かる場面が有ったこと、また4角で馬群が固まったことで、昨年より外を回される形になったのが届かなかった要因。今後もアテには出来ないが、何れにしても馬は頑張っている。

ステルヴィオ

2人曳き。+6kg。気配抜群! 数字が有ってもコンパクトに纏まった馬体。如何にもマイラーといった雰囲気。ゲート内の駐立が悪く、出遅れ1馬身不利。押して、何とか挽回して3角で中段。直線は前の馬がフラフラで進路を探す形になってしまった。最大の問題はゲートだが、バラけてから少なくとも150mは有った筈で、もう少し伸びて欲しかった印象も有る。マイルの方がいいのは確かだろう。