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競馬回顧 2019年5回阪神

ジャパン・オータムインターナショナル 第20回チャンピオンズカップ(GⅠ)

クリソベリル

+11kg。数字が増えた割に締まった印象。3歳馬は迫力負けするケースが多いのだが、流石に550kgも有ると負けていない。ゲートは五分程度だったが、出脚は有りそう。インティの先行策に乗りつつ、その番手のインを確保。今日の様な決め手勝負の展開だと、好位置で脚を矯められた馬が有利。直線向いて、コジ開ける脚も有ったが、進路だけなくさない様に乗られ、先に抜け出そうとしていたゴールドドリームと逃げているインティとの間を割って伸びて来た。枠が替わって一つ間違うと、不利を食らって負けていた可能性も高いのだが、抽選運も含めて勝負強い。馬に勢いも有るのだろうが、馬群を苦にしない気性はダートで強い。

ゴールドドリーム

前後肢にバンテージ。+10kg。攻め強化しての馬体増は素直に好感。多少硬さは有ったが、前走船橋戦よりは明らかに上向き。時々ゲートで失敗する馬だが、今日は五分に出て積極策。前が団子の展開で、後方から行けば外を回らざるを得ないのは明らかで、これがベストの選択。王者の責務として、早目にインティを捉えに行ったが、内で脚を矯めていたクリソベリルにやられたのは責められないところだろう。基本的には枠の差だが、これという強力な取り柄が有る訳ではなく、総合力で勝負するタイプだけに、何かにやられるのは仕方がないところ。

インティ

前後肢にバンテージ。-4kg。前走京都戦でもほぼ出来ていたが、見た目はその状態を維持。歩様にも柔らか味が有った。好発。出脚の違いで楽々ハナへ。1000m通過60.8秒ならハイペースとはいえず、4角も単騎で回って来れたが、直線向いて突き放すだけの脚がなかった。ラスト200m辺りから脚色が鈍り、3着止まり。前走は最後追っていなかったとはいえサッパリで、そのダメージがなかったことが分かっただけでも良しとすべきなのだろうが、今日は上位2頭との底力の差を見せ付けられた感も。ベストはマイルかも。

チュウワウィザード

前後肢にバンテージ。胴長の造りだが、馬体締まって気配も良好。手先のスナップも利いていた。先行馬の割に出脚は速い方ではなく、頑張ってインティに付いて行こうとしていたが、クリソベリルに入られてしまう形。今日は結果的にこれが痛恨だった。道中は何の問題もなくスムーズに運べたが、直線で待たされゴールドドリームの外へ持ち出していては一手遅い。上がり3F36秒を切る展開では尚のこと厳しかった。これも馬は責められないところ。

キングズガード

トモにボリューム感が有って、8歳馬でも筋肉は落ちていない。集中力が有って、気配も良かった。前走京都戦同様、出遅れ1馬身不利。1400mなら有る程度付いて行く手も有るが、1800mなら何時も通りの待機策。直線は馬群を割る形で良く伸びている。左回りは例に依って内にモタれる嫌いが有るとはいえ、充分矯正が利く範囲。届かなかったのは相手関係よりも展開だろう。アテには出来ないが、何処かで一発も。

第70回チャレンジカップ(GⅢ)

ロードマイウェイ

+6kg。胴長の470kgを考えればしっかりした造りの馬。歩様にも伸びが有って一歩一歩がしっかりしている。けヅヤも悪くない。ゲートを真っ直ぐ出ず、ダッシュ付かず後方から。距離云々は関係なく、元々そういう傾向の有る馬だが、道中はちょっと掛かっていた。ただ、直線で外へ持ち出されると1頭脚が違った。掛かり気味だったことも有って道中は頭が高いのだが、いざ追い出すと首が下がるのが長所。これで5連勝だが、前走,今回はアタマ差と中々勝負強い。今日の競馬ではGⅢ云々は論じ辛いのだが、折り合いさえスムーズなら通用する下地は持っている。

トリオンフ

2人曳き。前肢にバンテージ。+18kg。緩んだところがなく、休み明け云々関係なく、550kgでこれだけ仕上げるのは難しい。馬に活気も有った。戦前はブラックスピネルが逃げるという想定も有ったが、ブラックスピネルに行く気がなく、ならばとハナへ。1000m通過61.2秒とスロー。1馬身後ろにノーブルマーズが居た程度で、基本的には単騎で運べた。直線向いて二の脚で突き放し、一瞬はやったかの場面だったが、最後にロードマイウェイ。最後は休み明けというより、あくまで頭が高い走法の弱点が出た形。これだけ出来ていれば2走目のポカということも考え辛く、次走も普通に走れる筈。

ブレステイキング

初関西遠征だったが、特に問題はなさそう。緩んだところがなくしっかり出来ていた。多少物見はしていたが、イレ込んでいる気配もなかった。出脚はイマイチだったが、押して枠の利も手伝って中段から。道中は折り合いも付いてスムーズに運べた。ただ、今日はコーナーでジッとしていたことが裏目に出て、捌き損ねではないものの、結果的に仕掛け遅れになった印象。外へ出せる雰囲気でもなかったが、上手くやれば2着は有った競馬。少なくとも馬は頑張っており、このメンバーでも通用する。

ハッピーグリン

前肢にバンテージ。馬体に迫力が有るということはないが、毎度のことながら如何にもヤル気充分といった気配。下見は何時も良く見せる。恐らく最初からの決め打ちで後方、直ぐに内ラチ沿いへ寄せていた。直線だけ外へ持ち出して、ロードマイウェイを一旦行かせてからの追い出しで、実質ラスト1Fの競馬でここ迄伸びて来た。半ば入着狙いとはいえ、中々の内容。長い距離でも走っているが、重賞だとワンパンチ足りない面も有り、本当のベストは2000mかも。

ゴーフォザサミット

3歳時はもっと格好良く見せていた馬だが、ちょっと馬体がボテッと映る。歩様にも伸びがなくなった。ゲートは五分に出たが、出脚も内の馬と似た様なレベルで諦めてインへ入れて後方から。道中は宥めながらの追走。これも外へ持ち出せず、仕方なしのインを突いたが、一瞬だけ脚を使ってここ迄。今季は案外の競馬が続いていたが、差す形でも脚が有ったのは収穫。

第53回スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ)

モンドインテロ

オーストラリアンブリンカー。迫力が有る訳ではないが、コンパクトに纏まった馬。毛ヅヤも悪くなく、何時もながら落ち着いて歩けていた。ゲートを決め、少し出して3番手から。2周目のホームで出入りが激しくなり、我関せずで一歩下げた位置に引く形。2000m通過で2分9秒1と遅く、ロングスパートの競馬になったが、昨年ズブさが裏目に出て3着だった様に、反応が悪い面が有り、徐々にスピードに乗せる様に乗られ、登坂力で決着を付けた。単純に早目に動かすと2016年の様に終いが甘くなる面が有り、脚の使いどころが難しいのだが、ビュイック騎手は昨年3着の失敗を上手く生かした。馬よりも、鞍上の手腕を評価したい。

アルバート

前後肢にバンテージ。この時期にしては毛ヅヤが冴えている。この馬としては気合も乗っていて、歩様に硬さもなく、この年齢としては満点。ゲートも微妙に悪かったが、行く気もなく後方から。前述した様に、2周目のホームから出入りが生じる展開だったが、今日は兎に角ジックリ乗られ、マトモに動かしたのは2周目の3角から。この回り脚が速く勢いを付けて、更に登坂力を生かして2着浮上。これも大事に乗ったのが正解だったということになるのだが、転厩前は馬の状態が悪く、明らかに環境が変わったのが良い方に出た。まだやれる。

エイシンクリック

前後肢にバンテージ。-10kg。どちらかといえば寸が詰まった体型だが、数字分だけスッキリした印象。馬に活気が有ってデキも良さそう。スタート直後に最内枠のオジュウチョウサンが外に大きくヨレ、接触こそなかったが、行き場なく後方から。最初は折り合いを付けるのに汲々としており、1周したところで乗り役が諦めて外へ持ち出してハナへ。そこからは一時は2番手に4〜5馬身付ける大逃げに近い形を採る場面も有ったが、3角辺りからオジュウチョウサンが追い掛けて来て、息を入れる暇がなかった。流石に最後は甘くなったものの、今日の展開なら良く頑張っている方だろう。間違いなくスタミナは持っている。あとはゲートを決めて序盤をスムーズに運べる様になれば。

メイショウテンゲン

シープスキンノーズバンド。今季はデキ一息。明らかに馬体が緩い。歩様が多少硬いのは春と同様だが。アオり気味に出て1馬身出遅れ。そのまま後方からジックリと。距離が未経験ということで、多少序盤は行きたがる場面が有ったが、前を壁にして我慢させる形。ただ、似た様な競馬だったアルバートとは回り脚で差が有り、2周目4角でチェスナットコートに弾かれる様な場面も有った。それで4着なら良く走っている方だろう。下見は感心しなかったが、キッカケは掴めたか。

サンシロウ

遮眼革。冬毛が目立って、見た目はイマイチだが、馬体の張りは悪くない。水平首でノンビリ歩いていた点も好感。これもオジュウチョウサンに寄られた形だが、何とか立て直して中段のイン。基本的にはジッとしていたが、これも経験不足で力む場面は有った。最後は内からジワジワ来ているが、細かいところは経験の問題だろう。1000万で5戦連続2着の馬だが、戦績通り相手なりに堅実。