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競馬回顧 2018年2回阪神

第78回皐月賞(GⅠ)

エポカドーロ

2人曳き。コンパクトに纏まったマイラー体型。前走同様、落ち着きも有った。好発。戦前はハナへという話も有ったが、例の3頭が何が何でもの構えで行って大きく離れた4番手。1000m通過59.2秒だったが、そこから凡そ1秒遅れており、この馬の位置でほぼ平均ペース。馬場の良い外を選んで追い上げ、前の馬が少しずつ脚色が鈍っていく中で坂を上り切って捕まえて押し切った。特殊な競馬となり、能力判定が難しいのだが、前走で示した器用さが生きたということはいえる。器用さを生かせば次走東京戦も好戦ということになるが、マイラー体型だけに2400mは歓迎しない。

サンリヴァル

-12kg。もう少し落ち着いてくれるのがベストだが、馬体減は気にならない。相変わらず完成度が高い。ゲートは五分程度だったが、出脚が速く、スッとエポカドーロの直後へ。従ってこれも展開的には絶好の形となったが、追って内にモタれしまいマトモに追えない場面が有ったのが痛かった。エポカドーロが比較的真っ直ぐ走れていただけに余計に目立ってしまった。現状はラチを頼った方が安心感は有る。昨年末に述べた様に道悪は得意としており、千載一遇のチャンスを逃した感も。

ジェネラーレウーノ

2人曳き。前肢にバンテージ。多少煩いが、ここ目標にキッチリ造って来た。出脚は一番速かったが、内からアイトーンが主張、更に外からジュンヴァルロも来て3頭で引っ張る形。馬場を考えると行き過ぎたということになるのだが、見た目にはリラックスして走れていた。直線向いてからも他の2頭より脚が残っていたが、坂を上ってからが苦しくなり、何とか3着に。後続は後続で差せない馬場状態だったが、良く頑張っている。今日はスタミナと出脚を証明。間違いなくダービー向きで、叩いた上積みも見込める次走は狙い目に。

ステルヴィオ

2人曳き。-6kg。気配は良かったが、腹回りが少しスッキリ。多少細い。元々出脚は速くない方だが、スタート直後からノメッた様な感じになっており、更に出脚が付かず後方から。ただ、更に後方に居たキタノコマンドールが先に動いた中で、勝負どころの機動力に助けられた。直線向いてキタノコマンドールより内に抜け出せた分の4着。道悪に泣いただけで、前走より内容は良くなった。ダービーへ向けて希望が持てるということになるが、今日の馬体減は感心しなかった。何処迄攻め馬をやれるかが鍵となる。

キタノコマンドール

後肢にバンテージ。+12kg。成長分も有るだろうが、全部実になっているという訳でもなさそう。見た目は多少緩い。出脚が速い方ではなく後方から。これも道悪は得意としていない様で、2角過ぎから行き振りが悪くなり、一旦は最後方。3角過ぎからマクりに行ったが、大して進まず、内からステルヴィオとワグネリアンに併せて、更に外を回されてしまった。それを考えれば良く追い込んだともいえる。何かと話題の馬だが、それ故明らかにダービー目標のローテーションで、次走は上積みも大きいだろう。

ワグネリアン

2人曳き。後肢にバンテージ。この中間は多少攻め馬が手緩い気もしたのだが、若干馬体の張りが怪しい。ゲートは五分だったが、折り合い重視で後方から。決め手を生かすタイプだけに馬場の良いところを選びながらの追走。恐らく意図した騎乗は出来た筈だが、外に居たキタノコマンドールにやられた些かダラしないところ。道悪は良い訳になるが、他馬と違ってそこ迄ノメッていた様にも見えなかっただけに、下見通りデキ落ちだったかも。

第23回アンタレスステークス(GⅢ)

グレイトパール

前後肢にバンテージ。+8kg。長期休養明けということを考えれば許容範囲なのだろうが、多少緩かったのは確か。好発。枠なりの競馬をするつもりは最初からなかった様で、一旦後方迄下げてから外へ。道中は壁も多くて結構ロスが有った筈だが、向正面半ばでスペースが出来たところでジワジワ押し上げて4角で好位。ミツバもかなり渋太かったが、その勢いのまま直線伸びて最後は1馬身1/4差。初の1800m、休み明けと条件は悪かったが、兎に角圧倒的に強かった。交流戦でどうかだが、中央の適距離なら負ける場面は想像し辛い。今年に入ってゴシップ続きだった中内田厩舎だが、良い露払いとなった。

ミツバ

遮眼革。馬体がこれで良いが、もう少し歩様に力強さが出ると理想的。出脚はサッパリに近いが、外枠で挽回が利いて何とか中段から。コーナーで外を回されるのを嫌ったとのことで、向正面で一気に動いて2番手。直線も一旦は抜け出しているのだが、外からグレイトパール。乗り方としては120%だった筈で、これで捕まったら仕方がない。ただ、時折、競馬を投げることも有った中で、大分安定して来た。馬が変わったというよりは、乗り役が癖を掴んで来たのだろう。

クインズサターン

遮眼革。前後肢にバンテージ。ダート馬としては迫力のない方だが、一歩一歩が力強い。この乗り役らしく、急かすことなく出たなりで後方から。グレイトパールを意識して動く形で展開としては悪くなかったが、4角でモンドインテロに張られて必要以上に外を回されたのが痛かった。これで1馬身位ロスしている。最後は良く差を詰めており、2着ミツバとは半馬身差だから、実質的には2着の競馬だった。交流重賞へ使うとなると、前走中山戦の2着だけでは心許なく、賞金を加算したかったところで、痛恨の3着に。

トップディーヴォ

遮眼革。+9kg。腹回りがボテッと映ったが、外を周回してキビキビ歩けていた。毛ヅヤも冴えており、デキ自体は良さそう。ゲートは出ているが、出脚が甘く、急かして何とか中段。グレイトパールやミツバ等、途中で動いた馬が多く、出入りの激しい展開となって仕掛け遅れた感も有ったが、ジワジワ伸びて来た。ただ、馬装通り、揉まれて良い馬ではないだけに、今日は良く頑張ったという見方も出来る。年内何処かでタイトルに手が届いても。

ユラノト

2人曳き。オーストラリアンブリンカー。-14kg。今年初戦だが、前走が太かった面も。これも歩様はしっかりしていた。マイネルバサラには叩かれる形となったが、この馬も出脚は速く好位の外。スンナリの展開なら絶好の形ということになるのだが、出入りの激しい展開となってキツい形になってしまった。直線はほぼ無抵抗だったが、何とか掲示板は確保。初重賞チャレンジだっただけに良く頑張ったといえる。次走狙い目。

第27回アーリントンカップ(GⅢ)

タワーオブロンドン

-8kg。デビュー以来、最低体重。細い印象はなく、これはこれ。落ち着きも有った。ゲートが微妙に悪かったことも有るが、恐らく最初から行く気はなかった筈で、後方から。馬群のバラけた位置に居たが、折り合いは付いていた。直線は坂下迄前が開かなかったが、半ば脚で弾いてコジ開けてからは一気の伸び。坂を上る途中で右手前になってからの加速が素晴らしく、これなら文句なしの内容。2歳時はスプリント色が強い印象も有ったが、調整面で折り合いを意識つつ、馬体を絞ったのが奏功している。これなら次走へ向けても大きな課題はない。先週のアーモンドアイより遅い時計というのは気にならないでもないが、次走東京戦はメンバー的にも低調となりそうで、有力馬の1頭ということになるだろう。

パクスアメリカーナ

2人曳き。前後肢にバンテージ。-8kg。多少煩い面は有るが、馬体が締まって来た。歩様も力強い。出脚は速くなさそうで、スタート直後は少し出し気味だったが、インディチャンプに叩かれたことも有り、結局は中段から。それでも直線はラスト300m辺りで狭いところを擦り抜けて来ると、ここ迄。トビが大きいだけに一瞬の決め手はない筈で、今日は苦手な競馬を強いられながら頑張ったといえる内容。勝ち切る場面迄は想像し辛いものの、東京ならこの脚を生かせる筈。あとはこれ以上テンションが上がらなければ。

レッドヴェイロン

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。毛ヅヤが冴えて現状のデキ自体は良いが、若干歩様が甘い。1馬身程出遅れて後方から。乗り役はインへ入れたかった様だが、内は内で馬が居て、タワーオブロンドンをマークする形。直線も結局は大外へ。タワーオブロンドン同様、坂の途中で右手前になっていたが、ジワジワ伸びて権利は確保。前走逃げて勝っただけに意外な一面を見せたといえそうだが、今日の内容だけをいえば上位とは差が有る。

インディチャンプ

小ぢんまりとしたタイプだが、馬体に張りが有って動きはキビキビ。ゲートはパクスアメリカーナの方が若干分が良かったが、押して好位。毎度のこととはいえ、インでも多少行きたがっていた。直線も一瞬は脚を使って抜け出しているのだが、坂が上り切れず寸前で4着に。前走が仕掛け遅れたことも有っての積極策だった様だが、結果的には裏目に出た。折り合いさえ付けば問題はないということになるのだろうが、現状だと末脚の持続性に難が有る。

ダノンスマッシュ

馬のデキ自体は何等問題はないが、集中力を欠いてテンションが高い。ゲートは五分程度だったが、外枠からジワッと行かせて好位の外。見た目の折り合いは付いていたが、直線向いていざ追ってからが甘かった。1000m通過58.7秒とソコソコ流れたことも有り、行かせたのが良くなかったかも。ベストは1400m。マイルだと乗り方に工夫が要る。

第78回桜花賞(GⅠ)

アーモンドアイ

シープスキンノーズバンド。前走京都戦同様、淡々と歩いていた点に好感。馬体も迫力が増している。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。決して流れた訳ではないのだが、乗り役は余程自自信が有ったのか、直線迄待って正攻法で大外。手前は何度か替わってフラついていた点が気にならないでもないが、キレにキレた。単純に決め手が違った。今年から5着迄がオークスへの権利が貰えるということで、例年より大事に乗った馬の方が多かった筈だが、それで突き抜けるのだから、時計も含めてケチの付け様がない。次走へ向けて、馬体も明らかに良くなっており、輸送のない点も好材料。本当にアパパネやジェンティルドンナの跡を追えるかも。

ラッキーライラック

前後肢にバンテージ。-6kg。例に依って落ち着いている。馬体も相変わらず充実しており、下見からは減点材料はない。好発。一旦はハナも覗かせていたが、逃げる訳には行かず、コーディエライトとアンヴァルに行かせて3番手のイン。序盤だけ行きたがったが、直ぐに折り合いも付いて最内枠としては理想的な競馬が出来た。追い出しも待てた程で、直線もちゃんと伸びているのだが、アーモンドアイの決め手が勝ったという外ない。1分33秒4で走っている以上、馬は責められない。ただ、馬格が有るので距離延長は歓迎。東京の決め手勝負になれば再びアーモンドアイが優勢ともいえるが、馬券的安定感をいえばこの馬を上に評価するという見方も出来る。

リリーノーブル

馬体は前走でも出来ていたが、暖かくなって毛ヅヤが良くなっている。出脚は充分速かったが、内外の出方を窺いながら中段やや前辺りから。前走よりはマシだったが、壁がない状態だと少し掛かり気味の追走。何とかレッドサクヤを前に置いて宥め、直線も坂下迄待っていたが、アーモンドアイには並ぶ間もなく交わされてしまった。前走を考えれば良く走っているともいえるが、この内容で距離延長を歓迎するかどうかは微妙。上位2頭が数年に一度のレベルだけに尚更。

トーセンブレス

2人曳き。前後肢にバンテージ。寸詰まりだが、トモの迫力は目立つ。ゲートで安目を売って後方に近い位置。決め手を生かす馬で、出脚を使わずに乗って折り合いは付いていた。直線は外へ持ち出し、1頭分のスペースに中々突っ込んで行けなかったが、最後の最後に伸びてここ迄。例年ならそれ程悪い内容ではないということになるのだが、今年のメンバーだと中々難しいところ。とはいえ、将来性は有るので、秋以降に改めて狙う手も。

マウレア

数字なりに良く出来ているが、トモが甘いのがまだ解消出来ず。外枠で急かす訳にも行かず、出たなりで中段やや後方から。折り合いは付いていたが、前走と違ってずっと外を回されてしまった感も有る。直線も伸びずバテずでここ迄。ただ、前走で先着したリリーノーブルに0.3秒差。リリーノーブルもそれなりに外を回っており、ちょっと差を付けられ過ぎた感も有る。枠が替わっても次走東京戦は厳しいかも。

プリモシーン

2人曳き。多少テンション高いが、毛ヅヤはピカピカ。馬体にもメリハリが利いている。3馬身近い出遅れ。勿論、最後方からの競馬となるが、アーモンドアイと対照的に直ぐに内ラチへ寄せていた。ただ、今日は直線で前が開かず。イチかバチがハマらなかっただけで評価を下げる内容ではないが、テンションが上がって来た点は次走東京戦が距離延長となるだけに多少気掛かり材料。

第36回ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

カツジ

-12kg。馬体スッキリ。キビキビ歩けていた点にも好感が持てた。ゲート自体も微妙に悪かったが、外から来られて出脚が鈍り後方から。折り合いは付く馬だが、馬群と離れた位置でジックリ待機。4角手前からゴールドギアの進出に内から併せ、一旦は先に抜け出したケイアイノーテックをアタマ差捕まえた。昨秋の京都戦で外にモタれる場面も有ったが、今日は真っ直ぐ走れており、成長している。4角の回り脚も中々速かった。次走はメンバー次第ということになるが、恐らくは左回りの方が競馬はし易いだろう。

ケイアイノーテック

前後肢にバンテージ。-12kg。カツジ同様、締まったと見たい。これもしっかり踏めており、歩様が良くなっていた。多少出負けしたが、外枠で挽回が利いて中段から。カツジはゴールドギアに併せたが、こちらはカイザーメランジェに併せて進出。4角は9頭横に並んで、そのド真ん中に居た。直線向いて、一瞬へこたれそうになり、一旦は外に出られているのだが、伸び返してここ迄。惜しい2着。2歳時は回転不足の嫌いも有ったが、大分良くなっている。これなら次走でも足りそう。

デルタバローズ

2人曳き。重厚感は有るが、実際太いかも。折角の馬体だけにもう少し歩様にも力感が欲しい。これもゲートが微妙に悪かったが、最内のコスモイグナーツが行ってくれて好位のインを確保。引っ張り気味の追走だったが、これでもこの馬としてはマシな方。前述した様に4角は横長の展開となり、インに居たこの馬には絶好の形だったが、最後に伸び負けた。折り合えばソコソコの力は持っているが、前走2000mでマトモに掛かっており、過信はし辛い。特に外枠が当たると厳しそう。

ゴールドギア

2人曳き。気配は良かったが、姿勢が高く、トモの甘さが目立つ。ゲートは決して悪くなかったが、進んで行かず最後方から。差しが届く展開では有ったが、カツジに上手く併されてしまい、大外も大外になってしまった。坂を上って明らかに脚色が鈍っている。内容は悪くないだけに、能力には有る程度の評価が必要だが、前走にしても出脚がなくて平場500万にも関わらず3着止まりと、競馬に注文が付く。

アイスフィヨルド

前肢にバンテージ。寸詰まりのマイラー体型。毛ヅヤは悪くなく、デキに問題はない。本当はもう少し前で競馬したかっただろうが、この馬より内枠の馬に好位置を取られ、中段のイン。内を捌いて伸びて来たが、前に届く迄には至らず掲示板止まり。スムーズに立ち回れるタイプでは有るが、重賞で勝ち負けとなるともうワンパンチ欲しいところ。

第61回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

ミスパンテール

馬体は相変わらず迫力充分。ただ、今日はテンションが高過ぎる。好発。逃げ馬不在の組み合わせだったことも有り、ハナへ。1000m通過61.0秒とスローに落とせた。4角迄持ったままの単騎に持ち込み、直線はスパッと切れる印象ではなかったにせよ、相手が来たら来ただけ伸びて押し切った。恐らくは下見でテンションが上がっていただけに、逃げの手は戦前からの想定だったのだろう。その中で折り合いが付いたことは収穫といえるが、昨秋から一戦毎に煩くなっている印象も有る。次走東京戦も気性面が鍵。輸送が有るだけに尚更ネック。

レッドアヴァンセ

前後肢にバンテージ。特筆すべき点はないが、皮膚を薄く見せて現状のデキは良い。ゲート自体は速い方ではなかったが、ミスパンテールに付いて行く形で2番手へ。スローで結果的に良い展開になった。このペースで壁がない状態でも折り合いも付いていた。ただ、直線向いてちょっとフラフラ。右手前になってしまっていたのはミスパンテールも一緒だったが、届かなかったのはその分の差。どちらかといえば平坦コースに良績を残している馬で、そういう面は今日も見え隠れしている。

リスグラシュー

2人曳き。少し物見をする位の精神的余裕が有った。馬体も充実一途。行きたい馬に行かせて中段から。これもスローの中で、折り合いは付いていた。枠なりの競馬で動くに動けなかった上に、直線も前が開く迄に少し待たされたのが痛かった。この展開なら充分走っている方だろう。前走東京戦から馬群が割れる様になっており、今日も狭いスペースを抜けて来ている。少なくとも馬に非はない。次走東京戦で改めての狙い。

アドマイヤリード

+6kg。歩様にスムーズさが出て来た。毛ヅヤも悪くなく、昨年以上。好発。ハナへ行ける位だったが、ミスパンテールが主張して好位のインから。これはこれだったが、ジュールポレールも同じ位置を狙った為、枠の関係で一段後ろからの競馬を強いられた。結果的に直線でジュールポレールが右往左往して捌き損ねてしまった。スローでなければまだ何とかなったが、今日の展開では届かない。とはいえ、馬は復調ムード。次走東京戦は何故かリピーターが強い舞台でも有り、今度こそ何とかしたいところ。

ジュールポレール

増減なしだが、一息入った分、緩さが残る。毛ヅヤも若干甘い。ゲートが開く寸前に立ち上がりそうになっていたが、何とか五分に出て好位。スローだけに逃げ馬の真後ろは皆が一番欲しい位置で、最高の形に持ち込めた。直線も難なく捌けたが、要は決め手の差。最後の最後で両サイドから来られて手綱を引っ張る場面も有ったが、既に決着が付いた後だった。ただ、ジワジワ脚を使えるタイプで、次走東京に替わる点は歓迎。展開一つだろう。

ソウルスターリング

妙に歩様が甘い。馬体も2歳時の方が迫力有った。やや出負け気味だったことも有り、当初は後方だったが、スローで行きたがったことも有り、そのまま行かせて3番手へ。外国人ジョッキーお得意のパターンだったが、直線はサッパリだった。気性的に淡白な面が有り、急な雨でヤル気を殺がれたという見方も出来るのだが、今日の内容だけでは次走以降手が出し辛い。

第62回大阪杯(GⅠ)

スワーヴリチャード

2人曳き。-4kg。大分シャープになった。妙にユッタリ歩けていたのが良いのか悪いのか良く分からないが。当初は先行するつもりだった様だが、出遅れて後方から。1000m通過が61.1秒と遅く、その前から行きたがる馬が多かったが、向正面で一気に動いて3角過ぎに先頭。4角で内ラチ迄行けたのが大きかった。直線向いて直ぐ手前を替えて、ラスト100mで右手前に戻っていたが、後続を寄せ付けずに押し切った。外枠の不利と苦手な右回りを奇襲で消した形。やはりベストは左回りなのだろう。その点で東京戦参戦は判断としては間違っていない。マイルでどうかという部分は有るとはいえ、今年はレベルが大概。

ペルシアンナイト

前走中山戦と数字は変わらないが、見た目にはボリューム感が増した印象。2000mは微妙というところで、ゲートは五分でも折り合いに専念して後方に近い位置。序盤は結構掛かっていたが、内で行き場がなく我慢させられる展開で、向正面で脚が矯められた。4角迄内に居て、直線は少し外へ持ち出して進路を確保すると2着浮上。乱戦になり、極論でいえば勝つ気がなかったのが奏功した印象。やはり2000mは長く、乗り方に工夫が要る。マイルならまだ良いが、秋に人気背負った時が飛ばし頃。

アルアイン

2人曳き。-6kg。悪くないが、この馬はもっと気合が乗っていた方が良いかも。馬体もまだ緩さを残す。好発。出脚も速い馬だが、外から来た馬には抵抗せず好位の外。ただ、スワーヴリチャード以外にもゴールドアクター等、動いた馬が多く、出入りの激しい位置になってしまったか。その分、3〜4角の手応えが悪かった。上手く内へ潜って一旦は2番手だったが、今日はデキが甘かったことも有り、一踏ん張りが利かず。気持ちで走るタイプだけに間隔を詰めた方が良いのかも。次走は月内の香港戦だそうだが、ここが正念場。

ヤマカツエース

-4kg。数字上はもっと絞れるのがベストだが、見た目には大分スッキリして来た。もうチョイ前で競馬したかったところだろうが、サトノダイヤモンドと似た様な出脚で引かざるを得ず、中段から。出入りの激しい展開を内でやり過ごすことが出来たが、ずっと内に居た為、4角ではほぼ後方。直線は内目を捌いて、ペルシアンナイトと同じ位置に出て来たが、そこからは決め手の差が出てしまった。サトノダイヤモンドの位置が取れていればもう少し際どくなっていたということになるが、やはりGⅠだと良くて2,3着の馬。

ミッキースワロー

2人曳き。-10kg。これはこれで良いが、今日も少し歩様に硬さを感じた。半馬身程出遅れたことも有るが、このメンバーで行ける出脚もなく後方から。スワーヴリチャードがラスト1000mで動いたのに対し、こちらはもう1F待った辺りから。結果的にコーナーで外を回されてしまったが、それを考慮すれば良く追い込んでいる方だろう。能力は持っている割に、馬群が捌けず、細かいところで不器用な面が有る。特にもうひと出脚有ると違う筈だが。

サトノダイヤモンド

前走中京戦も極端に悪かった訳ではないが、叩いての上積みは有った。キリッとした造りで、歩様にも伸びが有る。内のミッキースワローを叩いて好位。ただ、この馬を叩いたスマートレイアーにあまり行く気がなく、向正面で中段。3〜4角でもスマートレイアーに脚がなかったため、途中は外へ切り替えざるを得なかった。今日は競馬にならず。ただ、最後の最後に伸びている。前走もそうだったが、この馬自身もエンジンの掛かりが遅い。現状はもう少し距離が有った方が良いのだろう。

第50回ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

ヒーズインラブ

毎度のことながら独特の歩様。馬体は重厚感有るが、ダート馬のイメージ。若干出負け気味だったが、少し促して中段。上手く馬群がバラけてコースロスなく乗れた。4角も外を回さず内で脚を矯め、馬群を割って突き抜けた。前走阪神戦もそうだったが、一瞬だけでも良い脚を使えるのが強み。今日のメンバーで勝っても中々威張れたモノではないのだが、この脚が有れば東京でセコい立ち回りでも競馬になるだろう。

キャンベルジュニア

+10kg。デキ自体は悪くないだろうが、数字分だけ太い。抜群の出脚で一旦はハナも、直ぐにマルターズアポジーに譲って好位のイン。折り合いが付いて、4角でもスムーズに捌けた。完全な勝ちパターンだったが、坂を上り切って直ぐにヒーズインラブに捕まっていた。今日はハンデ的にも恵まれた感が有り、次走以降の東京での真っ向勝負では厳しいことも有り、今日が初タイトルへ千載一遇のチャンスだった筈。太目が祟ったと見る外なく、堀厩舎にしては珍しい失態。

ストーミーシー

前肢にバンテージ。-8kg。馬体スッキリ。ただ、気配は地味。歩様にもう少し柔軟性が欲しい。半馬身程出遅れたことも有るが、外枠でも有り、無理せず後方から。急かすと引っ掛かるが、この形なら折り合いが付くのは近走で証明済。Bコース替わり初っ端で、今週は時計が速く届かなかったが、4角手前から動いてこの回り脚も中々速く、良い脚を長く使っている。正月の京都戦で触れた様に勝つ迄は中々厳しい気もするのだが、2,3着なら今後も充分。

テオドール

大型馬だけに迫力は有るが、もっと絞った方が良いかも。ただ、レースで引っ掛かる馬で、落ち着いていた点には好感。出脚も鈍かったが、折り合い重視で乗られて後方から。まだ力んでいる様に見えるが、それでも以前を考えたらかなりマシになっていた。道中は内目で我慢させて、直線は少し外へ持ち出すと自然と前が開いてここ迄。折り合い面でも流れる小回りの方が良いとのことだが、切れる脚が欲しいところ。年末の中山戦の様にハナへ行った方が現状としては無難な気もしないでもない。

グレーターロンドン

多少歩様が硬いのは何時ものこと。馬体は締まっており、悪くない。行こうと思えば行ける様になっているが、今日は何時もの待機策。只管インを狙ったが、坂を上り切る直前迄前が開かなかった。開いてからは伸びているが、今日はギャンブル失敗。単勝3.6倍とはいえ、1番人気だっただけにイチかバチかの乗り方は感心しないのだが、久々に片鱗は見せた。これで変わってくれれば。

第48回高松宮記念(GⅠ)

ファインニードル

前後肢にバンテージ。-8kg。全身が筋肉といった馬体。今日は抜けて馬が良く見せた。踏み込みも力強い。比較的、枠なりに内枠の馬が先行する展開となったが、枠より少し前の好位から。前が少し流れたことも有って前走京都戦よりは後ろからの競馬となったが、出脚を使わずに流れに乗れた。4角でも内に入れることなく、そのまま外へ。直線もしっかり脚を使って最後はハナ差。前走京都戦は太目だったが、叩いて馬が良くなっていたのが大きい。尤も、スプリント戦らしく、競馬を失敗している馬も多い。前走内容だけだとここ迄走れるとは想定出来なかっただけに、能力レベルは良く分からないというのが正直な印象。

レッツゴードンキ

+8kg。多少ボテッと映るが、緩んだ印象はない。それよりも今日は妙に気配が地味。内枠の馬が先行してくれたことも有り、好位で上手く内へ潜れた。勿論スプリント戦なら折り合いは付く。直線は馬場の良いところを選んで、各馬が最内を開けており、そこをスクッたが、追って外にモタれてしまった。恐らくは馬の問題というよりも、周囲の馬に手応えがなかった為に乗り役が慌てたのだろう。その判断は間違っていなかったが、ハナ差負けは結果的に真っ直ぐ走らなかった分ということになる。GⅠとなると毎回何かにやられているが、今日もそのパターン。ここ迄来ると、適性や能力の問題ではなく、単にツキから見放されているだけ。

ナックビーナス

重心の低い造りで、今年は明らかにデキが良い。歩様は相変わらずヒドいが、見なかったことにするしかない。出脚は悪くない馬で、この馬の出脚で好位から。3角では外にファインニードル、内にレッツゴードンキが居た。直線は前に馬が居て、少し待たされる形になったが、ソラを遣う癖が有る馬で、これはこれで脚が矯められて、ここ迄。中山以外だと勝つ迄は厳しいものの、少し時計が掛かる馬場は合っていたのだろう。とはいえ、この馬に走られる様だと、スプリントのレベルは相当低いといわざるを得ない。

ダンスディレクター

前肢にバンテージ。概ね何時ものこの馬。馬体もシャープ。若干出負けしたが、上手く内に潜り込んで中段から。外を回しても良いタイプではなく、これはこれで良かったが、3角で狭くなって引っ張る場面。そこからが暫く馬が怒ってしまっていた。レッツゴードンキを追い掛ける形で、そこからの対応は完璧だったが、最後に伸びを欠いたのは道中のロスが有った分だろう。逆にいえば結構惜しい。昨年は故障で使えなかったり、ところどころでツキのなさを感じさせる馬だが、今年のレベルなら充分トップクラス。何処かで一発有っても。

ブリザード

2人曳き。遮眼革。多少歩様が硬いのは香港調教馬に多いパターン。スプリンターらしい重厚感有る造り。ゲートを五分に出て好位から。出脚が速い訳ではなく、少し促したことも有って、序盤は掛かり気味だったが、許容範囲。4角で外に持ち出して一瞬は反応しているのだが、追い出すとフラフラになり、伸びを欠いた。乗り役の話では馬場を気にしたとのことで、その影響も有ったのだろうが、初の左回りも応えた気もしないでもない。

レッドファルクス

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。-6kg。気配はこれで良いが、歩様が悪い時のパターン。馬も少し細く映った。ゲートは五分だったが、最近のパターン通り、出脚が鈍く後方から。直線はインを突いて、暫くエンジンが掛からなかったが、掛かってからはそれなりの脚を使っている。届かなかったのは右往左往してスムーズに捌けていないだけ。もう一段前で競馬出来ていれば結果は違っただろうが、今日の歩様ではズブさが出てしまう。

第25回マーチステークス(GⅢ)

センチュリオン

前肢にバンテージ。腹袋がしっかりしたタイプ。歩様もダート馬として見れば悪くない。出脚も少し差が有ったが、内外のディアデルレイ、エピカリスに行かせて好位から。61.7秒と平均ペースの展開で絶好の形になった。あとは交わすタイミングだけで、直線はラスト150m辺りで先頭に立つと、クインズサターンの猛追を辛くも凌いだ。これが初重賞制覇となり、更に8勝全て中山1800mとなったが、最近は小回りのダートに適した機動力が光る。裏を返せばそれでやっとハナ差。馬券の予想とは別に、この馬の絶対能力としては高い評価は出来ない。

クインズサターン

遮眼革。前後肢にバンテージ。芦毛でも毛ヅヤが冴えて纏まった馬体。歩様も問題なく、高値安定。隣でハイランドピークがスタート直後に躓いていたが、この馬も出脚が鈍く後方に近い位置。ただ、最初に内へ潜ったことで1角では既に中段へ取り付いており、今日の展開だと有る程度前に居ないと競馬にならず、序盤を上手く立ち回れたのは大きかっただろう。4角でセンチュリオンの2馬身後方。最後がハナ差だけにアルタイルの内外で迷ったのが痛恨となった感は有るのだが、ジワジワ伸びてここ迄。先行している分、何時も程の脚が使えなかったのは仕方がないところだが、55kgが味方して機動力が有ったのが好走の要因。

ロワジャルダン

後肢にバンテージ。-22kg。中央時代から元々馬体重の変動が激しい馬。今日もこれはこれで悪くない。歩様が多少怪しいのも何時も通り。例に依って出脚が速く、ハナへも行ける程だったが、無理せず楽に好位を確保。4角迄は上手く運べたが、前2頭を交わすのに手間取り、ワンテンポどころか2テンポ待たされてしまった。何とか3着迄持って来たが、スムーズなら勝っていただろう。内枠限定は相変わらずだが、今日の時計が掛かる馬場で走れるのだから地方に行ってパワーアップしたということはいえそう。

アルタイル

遮眼革。もう少し毛ヅヤが良くなって欲しい。動きもまだ硬い。時折出遅れる馬だが、今日は五分に出て、出たなりで好位直後。丁度センチュリオンをマークする形。良い感じで流れに乗れているように見えた。そのセンチュリオンを目標に最後迄乗られたものの、道中の1馬身差が最後迄そのままだった。センチュリオンとは同斤だけに純粋に能力差ということになるのだろうが、前走はもう少し頑張って走っていた。硬さが影響しているのか、同じパフォーマンスが毎回出来ないタイプかも。

コスモカナディアン

2人曳き。パシュファイヤー。-6kg。馬体が締まって来た。ただ、姿勢が若干高く、力強さに欠く。この馬の出脚で中段。基本的にはコースロスなく乗りたかった様だが、道中は少し力んでの追走。走る位置はほぼ完璧だった筈でも、直線は外からクインズサターン、内からロワジャルダンに交わされ掲示板止まり。今日は行きたがったのが敗因。前々走中京戦からもう少し走って欲しかったところだが。

第66回日経賞(GⅡ)

ガンコ

初コースということでところどころで物見をしていた様で、下見での頭の高さが気になったが、それを考えれば歩様に非力な印象はない。馬体も充実している。一旦はロードヴァンドールがハナに立ったが、馬場の良い外へ持ち出そうとしていたロードヴァンドールに対し、こちらはコースロスを嫌った関係で4角からこちらがハナへ。ただ、1角でキセキがハナへ行ってそこからは再び2番手。向正面では2馬身程前に置いて、2周目3角過ぎから再び差を詰め、4角で内から抜いて先頭。坂下で左手前に替えるともう一伸びして押し切った。出入りの激しい展開となった中で、折り合いが付いていた点が評価出来る。出脚も速く、3200mさえ保てば京都戦でも最有力。

チェスナットコート

気配はこれで良いが、もう少し歩様に力感が欲しい。馬体は小さいなりに纏まっていて、毛ヅヤも冴えていたが。半馬身出遅れて後方に近い位置。道中は馬場の良い外を追走。折り合いは付いていたというより、少しズブい位だった。2周目3角過ぎからサクラアンプルールのマクりに内から併せる形で進出。手応えはサクラアンプルールの方が上だったが、何とか堪えると直線は差し返して2着浮上。兎に角渋太かった。広いコース向きなのだろうが、実績上位のサクラアンプルールに地力勝負で勝ったのだから中々の内容。東京2500mの春秋2戦でタイトルを取りたいところ。

サクラアンプルール

もう少し歩様に力強さが欲しい気もするのだが、馬自体は前走からほぼ出来ていた。枠が外だったことも有ったか、行く気なく後方から。自在性の有る馬で折り合いは付いていた。2周目3角から外を動いて進出、この回り脚は速かったが、前述した様に内に居てほぼ叩いた筈のチェスナットコートに差し返されてしまった。最後3着確保した点に地力の一端を見せたともいえるのだが、案外感が残る。昨年の有馬記念が良くも悪くもインパクトの残るレースだったが、恐らくは2500mが長いのだろう。前走が案外だったのは休み明けが原因で、ベストは中距離。

ロードヴァンドール

2人曳き。遮眼革着用だが、落ち着いていた。重量感の有る馬体も目に付く。出脚が速く、一旦はハナへ立ったが、直ぐにガンコが主張、更にキセキも暴走して3番手から。ハナではなかったが、折り合いは付いていた。2周目4角は、逃げたキセキが内を開け、その内をガンコが突いて、この馬は外へ行かざるを得ず、内外から来られた割には良く踏ん張っている。昨年迄は重賞だと甘い馬だったが、京都戦、今回と評価出来る内容。特に今回は好位でのレースだっただけに尚のこと価値が有る。選択肢が広がる4着。

トーセンバジル

今年初戦だが、馬は出来ていた。多少小走りは入っていたが、気配も何時も通り。スタート直後は前と遠くない位置に居たが、出入りの激しい展開となり、結局は中段から。2周目4角でガンコの真後ろと、展開的には絶好だったが、勝負どころからの手応えが悪く、直線も内にモタれて追い辛そうになっていた。乗り役の話では緩い馬場を気にしたとのことだが、何れにしても器用さの有る馬ではなく、中山は根本的に不向き。

キセキ

前後肢にバンテージ。垢抜けた馬体はこのメンバーなら断然。文句なしに出来ている。ただ如何せんテンションが高過ぎる。ゲートをポコンと出て、ダッシュが鈍り、後方から。ただ、最初から行きたがっており、1角で動いてハナ。ここで折り合いが付けばまだ話は違ったが、そこからも引っ掛かっていた。2周目4角迄は格好を付けていたものの、直線は全く伸びなかった。動くなら直線部分でコーナーで動いたら止まるのは仕方がないところ。気性面を何とかしないと。

第65回毎日杯(GⅢ)

ブラストワンピース

シープスキンノーズバンド。雄大な馬体で見栄えがする。踏み込みもしっかり。関東馬だが、落ち着いていた点も好感が持てる。ゲートは他に速い馬が居たが、少し仕掛けると出脚が付いてスッと2番手。折り合いもほぼ問題がなかった。直線向いて、内からスッと抜け出し、あとは独走だった。抜け出す際に内ラチに接触したダメージと、決勝線手前で耳を立てており、何かを気にした点が気にならないでもないが、単純に強い内容。この後は東京戦直行だそうだが、強敵相手に戦って来なかった点が裏目出る可能性も高いものの、距離に不安がないのは強み。

ギベオン

毛ヅヤは良かったが、少し腹回りがボテッと映る。500kgを切るのが現状のベスト。ゲートは若干安目を売ったが、この枠でも上手くスペースが出来てジワッと中段。上手くリカバー出来た。直線は軽く外へ持ち出し、ここも簡単に進路を確保。あとは伸びるだけだったが、追って坂下で少しフラつき、手前が替わって坂を上がってからが甘くなった。真っ直ぐ駆け上がって来れていればもう少し際どくなっていただろう。この時期は賞金確保が最優先で、その点ではノルマクリアということになるが、このままでは本番で通用しない。

インディチャンプ

毛ヅヤが冴えてコンパクトに纏まった馬体だが、多少歩様にブレを感じる点がマイナス。出遅れた割に出脚が速そうだったが、逆に引っ掛かってしまい、引っ張っている間に最後方に。その後は岩田騎手らしく、出来るだけコースロスなく乗られたが、捌いた位置がギベオンの外で一手遅れてしまった。ギベオンにもタラレバは有るのだが、こちらも序盤がスムーズだったら2着有った内容。折り合いは経験の問題も大きく、東京戦の権利取りへもう一度使う形になるだろうが、権利は取れそう。

ノストラダムス

前後肢にバンテージ。推進力が有る歩様で、馬にヤル気を感じさせる。馬体も締まっており、現時点での完成度が高い。ゲートは出たが、出脚が一息で後方に近い位置。とはいえ、馬群が団子になってブラストワンピースの直後に付けており、展開としては絶好だった。内から一瞬だけ脚を使ったものの、外から2頭。トビが大きい割に持続性がなかった。折り合いはこの馬としては付いていた方だが、この内容と500万も怪しい。次走人気になるだろうが、特に単勝は危険。

ウォーターパルフェ

トモの造りがしっかりしており、歩様にも伸びが有る。現状のデキとしては悪くない。出脚が抜群に速かったという訳ではないが、誰も行く気がないのを見て、ならばとハナへ。1000m通過60.3秒だから平均か、スローに近い流れ。直線入口でブラストワンピースに内をスクわれ、逃げ馬としては悪い形になったのだが、それでも何とかこの位置に粘り込んだ。まだ500万に使える馬だが、この内容なら充分勝てる。出脚がイマイチ甘いので、出来るだけ楽に逃げたいところでは有るが。