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競馬回顧 2018年1回京都

第52回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

アーモンドアイ

シープスキンノーズバンド。小ぢんまりとした造りで如何にもキレ者。牝馬だけに淡々と歩いていた点も好感。首を下げたところでゲートが開いてしまい、出遅れ2馬身不利。後方からでは有ったが、出脚自体は有りそうで、直ぐに馬群には取り付いていた。直線は自信を持って大外へ。1000m通過61.8秒とスローだったが、それでも纏めて差し切った。強いの一言。ラスト150m程で右手前になってしまっていたが、関係なく最後迄伸びていた点も評価出来る。今年のメンバーは若干牡馬が低調だったとはいえ、このレースを牝馬が勝つのは2012年ジェンティルドンナ以来で、ジェンティルドンナのその後の活躍は周知の通り。今後の成長次第では有るが、現時点ではそれだけの可能性を秘めているということはいえる。

ツヅミモン

2人曳き。この時期の牝馬で540kgも有ることを考えれば完成度は高い。歩様もスムーズ。出脚が速く、ハナも覗かせていたが、カシアスに行かせて2番手。馬を前に置かない2番手だったが、このスローでも折り合いは付いていた。直線はカシアスとの追い比べ。並ぶ間もなく交わして行ったアーモンドアイは別にして、道悪で牡馬相手に競り勝ったのだからそれなりの評価が必要。良馬場の決め手勝負になった際や、これだけ馬格が有ると却って距離をこなせない可能性等、不確定要素は有るのだが、それを上回る魅力は見せてくれた。

カシアス

2人曳き。前肢にバンテージ。高値安定。もう少し歩様に柔らか味が有っても良いが、下見が大分落ち着いて来たのが何より。好発。出脚はツヅミモンの方が速かったが、ツヅミモンが行く気がなく押し出されてハナへ。前述した様に雨中でもかなりのスローの逃げ。明らかにツヅミモンの方が勢いが良く、4角の手応えはズルズル行きそうな雰囲気も有ったが、それでも良く踏ん張っている。ただ、相手は牝馬。勿論57kgも影響しているだろうが、評価が難しい3着。

ファストアプローチ

しっかり踏めていたが、少し緩いのと気配に乏しい。出遅れ1馬身不利。押して徐々に番手を上げ、3角で中段位置。スローだったことも有って、インに拘って只管セコく乗られたが、直線は大して伸びず。トビが大きくて回転数が足らないタイプ。明らかに直線はノメっていた。このメンバーなら勝てる能力を持っているが、道悪は全くダメ。

カフジバンガード

2人曳き。-10kg。馬体が目立つ訳ではないが、この時期にしては毛ヅヤが良い。気配も集中力が有って良かった。ゲートのタイミングが合わず出遅れ1馬身不利。道中は折り合いを欠くというより、ペースと自分のリズムが合っていなかった印象。直線も、展開を考えれば伸びているとはいえ、アーモンドアイに後ろからやられたのも確か。折角の道悪だったが、千載一遇のチャンスを逃した格好。

第34回フェアリーステークス(GⅢ)

プリモシーン

+8kg。馬体増は素直に好感。一戦毎に馬が良くなっている。ただ、もう少し落ち着いて欲しい。外枠の馬のゲートが総じて悪かったが、出脚でカバーして中段。恐らく乗り役は相当自信が有った様で、暴走のフィルハーモニーを別にすれば結構早目に動いている。4角だけ一瞬スカーレットカラーに叩かれそうになっていたが、何とか踏ん張ると直線の脚でアッサリ突き放して完勝。例年の勝ち馬は一瞬の脚がハマっただけか、先行逃げ切りといったパターンばかりだったが、この馬は明らかに本物。前身のテレビ東京賞3歳牝馬ステークスからは過去にメジロラモーヌが出ているものの、現行レース名となってからクラシックウイナーは不在だが、歴史の風穴を開けるかも。

スカーレットカラー

前肢にバンテージ。-8kg。数字は減ったが、馬体に細い印象はない。歩様の力強さが特筆モノ。微妙にゲートが悪く、後方に近い位置。出遅れた分、少し押していたが、何とか折り合いは付いていた。3〜4角中間から、プリモシーンを目標に進出。4角の勢いではプリモシーンに勝っていたが、直線は突き放されて2着止まり。プリモシーンとは能力差有るだろうが、取り敢えず賞金を加算出来たのは何より。馬体さえ回復すればもう少し走れても良いが、現時点では重賞で勝ち切る場面は想像し辛い。

レッドベルローズ

シープスキンノーズバンド。寸詰まりの馬体で、数字の割には迫力が有るが、気性が子供。これもゲートが悪かったが、道中も乗り役に反抗してみたり、追っても進まない等、兎に角チグハグ。4角の手応えも決して良い様に見えなかったが、それでもここ迄伸びて来た。坂の途中で右手前に替わっていたのだが、坂を上り切った段階で1馬身半有ったスカーレットカラーとの差がクビ迄詰めているのだから、結構良い脚を持っているといえる。現時点では東京の方が安心感が有るが、先々化けるかも。

ハトホル

前肢にバンテージ。小ぢんまりとした造りもそうだが、歩様がかなり非力に映る。ゲートは五分に出ているが、出脚が付かず後方から。4角迄インを回って、直線で何処か差し場が有ればといったところだったが、結局開いているところがなくそこから一番外へ。実質競馬が終わった後だけにこの4着は馬の力でもぎ取ったといえるが、下見の雰囲気からは手が出し辛い部分も有る。まずは成長が欲しいところ。

トロワゼトワル

馬体は3歳牝馬としては良く出来ているが、物見が激しく集中力に欠ける。出遅れ1馬身不利。ゲートが開く直前に突っ掛けてしまい、出遅れ1馬身不利。そのまま最後方から。マクりの展開になったが、それに付いて行かず直線だけ大外へ。直線は伸びているが、更に外からハトホルに差されたのは案外感が残る。先行出来ていれば結果は違ったかも知れないが、GⅢだけにもう少し見せ場が欲しかったところ。

第56回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

ブラックムーン

前後肢にバンテージ。-6kg。馬体が締まって好ムード。脚取りもしっかりしていた。ゲートは五分に出ているが、例に依って後方から。外枠のウインガニオンが先行したことで序盤は速くなったが、完全な中弛みの展開。差し馬にとっては決して有利とはいえない状況だったが、坂の下りで外から追い上げて、その勢いのまま直線も突き抜けた。少頭数が向いたのは間違いないが、とはいえ一枚性能が違うといわんばかりの勝ち振りだった。昨年より一枚落ちるメンバーだったが、大物が挙って引退した為、今年は路線問わずレベルの低下が著しい。現時点でGⅠを勝ち切る迄はどうかだが、馬券圏内は充分見込めるパフォーマンス。

クルーガー

前後肢にバンテージ。意外に落ち着いていた。多少太いだろうが、馬体に迫力が有る。毛ヅヤも良かった。ウインガニオン程ではなかったが、この馬も好発。ただ、最初から引っ掛かりそうになっており、宥めつつ中段待機。前を壁にして折り合いを付けた分、その間にブラックムーンに一気に行かれてしまったが、直線は馬群を割って伸びて来た。57.5kgのトップハンデでも有り、地力で掴んだ2着。これも今年のレベルなら楽しみが有るということになるが、器用さが有る点も長所。特に内枠時の一発に注意しておきたい。

レッドアンシェル

2人曳き。パシュファイヤー。最後方を周回。デキが悪いという訳ではないが、全体に力が付き切っていない印象。迫力不足。ゲートで安目を売った割に出脚は速かったが、ウインガニオンに叩かれる形となり、それ以上は深追いせず好位から。折り合いは付いたが、直線は伸びがもう一つ。内外からやられただけに見栄えも悪い内容だった。上位2頭より軽かっただけに完敗の内容。昨秋から猛威を振るった明け4歳馬だが、流石に全部が全部とは行かない。

ダノンメジャー

前肢にバンテージ。元々悪く見せないタイプだが、その中では馬体の張りが甘いかも。この馬の出脚でジワッと行かせて好位から。マイルだとハナへ行けない点がネックだが、次善策として揉まれずに競馬出来た。4角を回って来る雰囲気も悪くなかったが、直線は鋭さ負けした格好。もう少し途中のペースが流れて欲しかったところだろう。家賃が高いという状態ではないが、マイルだと色々注文が付く。現状だと小回り1800m辺りがこの馬の展開となる確率が高い。

ストーミーシー

2人曳き。気配自体は悪くないが、冬毛目立つ。最近のパターン通り、行く気なく後方から。4角で外を回したブラックムーンとは対照的に直線迄待ってから進路を探す形。半分着狙いの様な競馬だが、際どい位置迄追い込んで来た。今後へ向けて勝つ迄はどうかだが、2,3着は有りそう。

第67回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

セダブリランテス

+8kg。多少腹回りがボテッと映るが、歩様に勢いが有って馬に活気が有る。例に依って出脚が速く、スッと2番手。向正面で中段に居たマイネルミラノが一気にハナへ行ってレースが動いたが、勝負どころからの反応が悪く、直線向いた段階では少し離される場面。この段階では厳しいかに見えたが、坂下辺りからジワジワ伸びて何とか捕まえた。このメンバーならもう少し楽に勝って欲しかったところだが、前走東京2500mを使った影響も有ったとするなら、やはり地力は一枚上ということになる。まだ色々試している段階なのだろうが、馬にとっては良し悪し有る。

ウインブライト

2人曳き。+10kg。気で走る馬で大きな問題ではないだろうが、多少太い。ただ、毛ヅヤが良いので、現状のデキ自体も良かった筈。ゲートも速かったが、これも出脚は有る馬で楽に好位を確保。枠なりにインで折り合いを付け、直線もスムーズに捌いて坂下で先頭。一瞬はやったかの場面だったが、あとひと踏ん張りが効かず。結果的に一枚太い分が響いたかも。何れにしても堅実。次走ハンデ戦なら57kgとなるだろうが、このハンデさえこなせば有力。

ストレンジクォーク

前肢にバンテージ。気配は地味だが、筋肉の輪郭が浮いてデキ自体は良さそう。出ッパの差でフェルメッツァに叩かれる形となったが、インへ潜りに行って中段やや後方から。前の馬との兼ね合いで、少し手綱を引っ張る場面も有り、道中は窮屈に見えたが、直線で進路を見つけてからは良く伸びている。その直線もタイセイサミットが邪魔になっており、上手く捌いていればもっと際どくなっていた。3歳時の2走を別にすれば実質初重賞チャレンジの形だが、充分足りる内容。前走京都戦が重馬場で勝っており、少し時計が掛かる馬場ならタイトルゲットの場面も。

ブラックバゴ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+14kg。数字は回復分で、太目感はないが、少し歩様の伸びが欲しいところ。気配は悪くない。例に依って出脚がなく後方から。岩田騎手が騎乗していたが、トビが大きいので外へ回さざるを得ず、4角も大外。上がり3Fは33.8秒と唯一の33秒台で、最後は良く詰めたが、今日は展開が向かず。兎に角不器用で、東京だとキレ負けすることが多いタイプ。今後も展開次第となるが、次走が中山2200mとのことで、持続力勝負になり易い舞台。昨秋オールカマーは大敗だったが、突き抜ける可能性は有る。

ダイワキャグニー

2人曳き。前後肢にバンテージ。下見は最後方を周回。馬体は充実しているが、テンションが高い。最近はもう少し前で競馬していたが、2000mということも有り、内外から来られても抵抗せず中段から。道中は少し力んでいた。今日は4角で外を回された段階で勝負圏外ということになるが、最後迄諦めずに伸びていた。ベストは東京マイルだろうが、毎日王冠4着からGⅢなら能力は上位。その点は垣間見えた5着。