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競馬回顧 2017年1回阪神

第31回フラワーカップ(GⅢ)

ファンディーナ

2人曳き。前後肢にバンテージ。単純に馬が別物。迫力が全く違う。毛ヅヤもピカピカで現状のデキ自体も良い。最早脚力の違いということになるのだろうが、出脚が抜群に速く、外枠からでもスッと2番手。ドロウアカードの逃げが1000m61.1秒とスローだったが、手綱は引っ張りながらも我慢して走っていた。掛かるというよりは、単純に他馬とのスピード差が相当有りそう。余程手応えが有り余っていたのか、4角手前でドロウアカードを見切り、あとは独走。乗り役は坂を上る途中でターフビジョンを確認し抑えていた程だった。トビの高さが本物の相。12年前の覇者、シーザリオと同等の評価が出来るだろう。数年に1頭のバケモノ級は間違いない。次走阪神戦なら対ソウルスターリングでどうかという面は有ったが、皐月賞なら大本命。

シーズララバイ

-4kg。細身だが、メリハリの利いた馬体。多少チャカつくのがマイナス。スタート直後に寄られた様な格好となり、後方から。前走東京戦もそうだったが、この形だと折り合いが付く。4角手前から一気に動いて、直線入口で前を射程圏。最後迄渋太く伸びて2着確保した。ファンディーナがが千切る展開で展開向いた感は有るのだが、この馬とすれば追い込みで結果が出たのは収穫。現状でタイトルに手が届くことはないだろうが、今後の成長次第では。

ドロウアカード

シープスキンノーズバンド。マルタンガール。前後肢にバンテージ。これも細身の造り。馬のバランスは悪くないが、馬装通り少し頭が高く、その分だけ歩様にも力感を欠く。隣の馬を気にしていたのか、ゲートオープン時点では横を向いていたが、それでも出脚は速くスッとハナへ。ファンディーナが抑えてくれたことで、前述した様に1000m61.1秒とマイペースで行けた。4角はファンディーナに一気に行かれたが、それでもバテた印象はなく、良く粘っていた。悪くない内容。レース内容だけ見れば距離延長が有利となる筈だが、馬装はその逆を示唆しており。

エバープリンセス

多少集中力を欠く面も有ったが、牝馬はこれ位でも。数字の割には出来ている。ファンディーナに付いて行くと引っ掛かりそうな気配も有り、折り合いに専念して後方から。前に馬を置く分にスムーズに走っていた。勝負どころでもシーズララバイに付いて行ったが、4角時の1馬身差が最後迄詰まらずそのままだった。道中リラックスして走れればそれなりに伸びるが、もう少し決め手が欲しいところ。距離延長でも折り合い面がこのままなら、まだ延びた方が良いのだろう。

ハナレイムーン

使って前走東京戦よりテンションが上がって来た。馬体も少し寂しくなった印象。ファンディーナの方が出脚は速かったが、抵抗しつつ好位。ファンディーナを見ながらの競馬は悪い展開ではなかっただろうが、序盤は少し掛かり気味。3着ドロウアカードとの比較から止まっている形ではなさそうだが、決め手の差は如何ともし難かった。このままでは重賞で通用しない。成長が欲しい。

ディーパワンサ

2人曳き。前後肢にバンテージ。+8kg。この馬格の馬体増は歓迎したいところだが、今日に限れば多少太く映る。ただ、歩様に力強さが有り、気配も良かった。出脚はそうでもなさそうだったが、 最内枠ということも有り、仕掛けて好位のイン。折り合いも付いて中山としては絶好の競馬が出来た。ファンディーナがブッちぎる展開で、前も開いていたが、追って案外だった。器用そうには見えず内枠の競馬が良くなかったか、馬体増が応えたか、若しくは距離か。色々敗因は考えられるが...。

第66回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

ウインブライト

2人曳き。-12kg。細い位のステイゴールド産駒は昔から走るパターン。芦毛だが毛ヅヤも冴えていた。まだ色々競馬を試している段階とのことだが、内の馬の方がゲートが速かったことも有って、出脚を使わず後方で折り合いに専念。小回り中山1800m、しかも各馬が権利取りへ懸命となっていることも有って、4角の段階で横一線だったが、一番大外。かなりの距離損は有ったが、先に抜け出したプラチナヴォイスを捕まえ、後続のアウトライアーズの追撃を振り切って押し切った。回り脚の速さがステイゴールド。馬体細化が気にならないでもないが、中山向きは間違いないところだろう。今年のメンバーならこれで通用しても不思議はない。

アウトライアーズ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。落ち着いて来たのは良い傾向。馬装通り、頭が高いのがマイナス。トモの踏み込みに弱い印象はないが。出負けして後方。この枠だが、後方がバラけて内ラチ沿いを上手く確保出来た。前々走東京戦の2000mだけでなく、前走のマイル戦も少し行きたがっていた様に見えたが、今日はこの位置で前走程度に我慢して走れていた。4角少し外へ持ち出して、上手くウインブライトの内へ併せ、脚を最後迄残せた。競馬としては完璧に運んでおり、あそこまで行ったら勝ちたかったところだろうが、ウインブライトとは能力差が有りそう。

プラチナヴォイス

2人曳き。遮眼革。-6kg。馬はこれで良いが、如何せんイレ込みがキツい。ゲートは五分だが、内の馬が5頭位雁行で1角に突っ込み、それらを見ながら中段から。他馬を近くに置かない位置で珍しく折り合って走っていた。従って道中は問題なく、マクりに行って内の馬も全部潰しているのだが、抜け出すと内ラチにヘバり付いてしまって終いが甘くなり3着に。乗り役の話では1頭になって馬が寂しくなってしまったとのこと。能力負けではなさそうで、余計にややこしいが、何れにしても調教や馬具を工夫する等の対処が要る。

サトノアレス

馬体が締まって、ほぼ満点の仕上がり。ただ如何せん、完全なマイラー体型。出ッパ自体も悪かったが、直後に躓いた様な感じとなり、最後方から。道中の折り合いは付いていた様に見えた。4角でトリコロールブルーと接触する様な形になったものの、直線は伸びずバテず。こんなモノといえばこんなモノという気もしないでもないが、最後のフォームが乱れておらず、単に本気で走っていないだけかも。スタート直後か接触の件で脚元おかしくしていなければ良いが...。

トリコロールブルー

2人曳き。数字は480kg有るが、ここへ入ると馬が貧弱。毛ヅヤが良いので、現状のデキは問題ないだろうが。これも外枠でゲートが悪かったことも有り、後方から。4角の接触を別にすれば今日の展開だともうちょっと何とかなっても良いが、直線は雪崩込んだだけだった。鞍上人気で矢鱈売れていたが、今日の内容だとオープンでも厳しい。

第65回阪神大賞典(GⅡ)

サトノダイヤモンド

3歳春の弱さが大分なくなって来た。雄大な馬体で見栄えがする。仕上げたかどうかは別にして、馬としてはこれでほぼ完成形だろう。毛ヅヤもピカピカ。どんな競馬でも出来る馬だが、この距離で無理することなく後方待機。1周目の3〜4角で馬が勘違いしたか、多少引っ張る場面も有ったが、直ぐに納得して折り合いも付いた。シュヴァルグランが2周目3〜4角中間で先に動き、これを目標に進出。坂を上る辺りから内ラチへモタれるシュヴァルグランとは対照的に真っ直ぐ伸びて快勝。試走としては文句なしの内容。何より3分2秒6の時計が速い。ただ、毎年述べている通り、次走は器用さと枠順がモノをいう。実力だけでなく、運も持っているこの馬ならという期待も抱かせるが、アテには出来ない。

シュヴァルグラン

2人曳き。-10kg。中間から陣営に気合が入っており、いきなりから目一杯の仕上げ。やはりこの馬はこの位がベスト。サトノダイヤモンドとは馬のスケールが別物。好発。行きたい馬に行かせて中段から。折り合いは直ぐに付いた。早目に外へ持ち出していたサトノダイヤモンドの気配を察し、2周目3角から自力で外から押し上げて行く形。4角でマクり切ったが、相手が楽に付いて来ており、坂を上る辺りで内へモタれて苦しくなった。真っ向勝負の形で敗れると、別戦法の馬にやられることも少なくないのだが、2着確保して地力を示したという評価で良いだろう。かつてはゲートが怪しかったが、今回はゲートを出た点も評価出来る。地味だが、これが次走に向けて最大の収穫。

トーセンバジル

多少コロンとした体型にも見えるが、馬体は充実している。歩様にも力感が有り、今日は気配も良かった。出負けして後方から。マイペースを守って走れていた。2周目3角からサトノダイヤモンドを目標に進出したが、4角の回り脚で少し差が有り、その差が最後迄詰まらなかった。シュヴァルグランの項で述べたことの裏返しとなるが、サトノダイヤモンドマークに徹した以上、2着がないと値打ちがない。今日の競馬で馬が強くなる可能性は否定しないが、今日示した能力だけだとGⅢを勝つのも少し怪しい印象。

タマモベストプレイ

例に依って気配は地味。多少トモの甘さも感じさせるが、毎回述べている様にこの一族としては良くここ迄鍛えた方。例に依って出脚は速いが、今日はマドリードカフェが何が何でもの構えで生き、レーヴミストラルが引っ掛かって3番手から。前半は出入りの激しい展開となり、更に1周目3角でウインスペクトルが大逃げを打つ形。とはいえ、こういった展開も手慣れたモノで、動じず走っていた。スムーズだったら3着有っただろうが、それでも充分好走といえる4着。兎に角確実に賞金を咥えて来る。

スピリッツミノル

多少硬さが有るのは何時ものこと。ドッシリ見せる点も毎度。戦前は前へ行きたかった様だが、この馬の出脚では苦しく中段から。勝負どころでも一旦は置かれそうになっていたが、内を回って押して追い上げ、最後迄止まらず伸びていた。5着だが、惜しい競馬。今日の展開でこれだとスローになると更に厳しいということになるが、ディスタンス戦でバテないのは何よりの強み。3連勝式の押さえとしては常に足しておいた方が良さそう。

第31回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

コウソクストレート

前後肢にバンテージ。-4kg。気配は地味だったが、下手に気負うよりはこの方が良い。ただ、もう少し腹回りを絞った方が理想的。ゲートが微妙に悪かったことも有るが、行く気もなく後方でバラけた位置。課題の折り合いは、完璧だったという訳ではなかったものの、周囲に馬が居なかったことでかなりマシになっていた。小細工せず、4角から外へ回し一追い毎に伸びて最後はクビ差。「してやったり」の騎乗だった。今のところ、左回りの1400mがベストの様で、前走京都戦よりは条件好転していたということになるのだろうが、恵まれてこの状態で、しかもそんな都合の良い番組はもう世代限定戦にはない。ここからが試金石。

ボンセルヴィーソ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+6kg。馬はここへ入ると最上位。しっかり踏めていた点にも好感。他に速い馬が居て、中京戦ということも有り、好位に控える競馬。折り合ってスムーズに運べていた。直線向いて抜群の手応えだったことも有り、追い出しを我慢して、勝ちパターンだったが、差し有利の中京で何かにやられるのは仕方がないところか。重賞が遠いこの馬の限界でも有るだろうが、前走阪神戦で競馬が壊れた中でも粘っており、何れにしても競馬は上手い。相手なりのタイプ。

メイソンジュニア

+14kg。数字は回復分。ソエで休んだとのことだが、歩様は悪くない。ただ、多少チャカつく面も有った。内の馬の方がゲート、出脚とも速かったが、外のレジーナフォルテに付いて行く形で2番手。ここで結構脚を使っており、多少行きたがるのは許容範囲。前に馬を置いてからは我慢して走っていた。余程能力が違わない限り、中京で序盤に無駄な脚を使うと、ほぼ勝つのは無理。これで良く粘っている3着。出脚強化なら重賞でも足りる。

ダイイチターミナル

前後肢にバンテージ。小さい割に良く出来ている。歩様に伸びが有って、気配も良かった。隣で躓いていたナイトバナレットとは違い、ゲートは五分。行こうと思えば行ける筈だが、前走阪神戦から追い込みに徹しており、今日も後方から。4角手前でそのナイトバナレットが動いて一旦先に行かせてから立て直して外へ。付いて行っても最後迄伸びたかどうかは微妙だが、最後の脚は目に付いた。取り敢えずのところ、追い込みが板に付いて来たということはいえる。父コンデュイットから距離延長も悪くないのでは? ちなみに母ベルグチケットは1200mで施行された2000年のこのレースで6着。それよりは前進した格好。

デスティニーソング

前後肢にバンテージ。小柄な馬で見栄えはしないが、バランスそのものは悪くない。ゲートは微妙に悪かったが、上手くスペースを見付けて立て直して中段から。馬群の中だったとはいえ、1200mの後ということを考えれば折り合いも付いていた方だろう。4角でボンセルヴィーソの直後、展開的にも悪くなかった筈だが、ラスト100m辺り迄1馬身圏内。そこで甘くなった。1200mだとまた違うのかも知れないが、1400mでオープンとなると少し厳しいかも。

第35回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

トーセンビクトリー

前後肢にバンテージ。+6kg。3歳時は細く映ったが、大分しっかりして来た。歩様もスムーズ。出脚が抜群に速く、内の3頭を叩いて好位のイン。馬は少し行きたがっていたが、乗り役の微妙な手綱の操作で何とか堪えていた。1000m62.4秒とスローになったことも有り、中山でこうなると絶好の展開。軽く外へ持ち出されると脚取り確かに伸びて快勝。直線は、道中並走していたパールコードの内を狙う手も有った筈だが、その外へ行ったのはそれだけ手応えに自信が有ったのだろう。重賞でもソコソコ走っていた馬だが、展開だけでなく、ハンデも恵まれていたか。今日のところはそれ以上でもない気はするが、今の低調な古馬牝馬路線を考えるとこの馬でも出番は充分。

マジックタイム

2人曳き。多少硬さは有ったが、牝馬相手なら馬は上位。ゲートが悪いのは昔からだが、外枠で立て直す余裕が有り、中段やや後方から。少し掛かり気味に見えながら前向きに走るのも何時ものこと。スローでも中々動くに動けない展開の中、人気を背負って引退レースだったことも有り、3〜4角中間から自力で外を回って進出。届くことはなかったものの、勝ったトーセンビクトリーにあと一歩迄迫った。関東の牝馬路線では安定して走っており、何時の間にか強くなっていた印象。このメンバーでトップハンデとなったのが何よりの勲章。

クインズミラーグロ

前肢にバンテージ。+10kg。またしても馬体増だが、多少腹回りがゆったりした程度。太いという程ではない。ゲートが少しアオり気味だったが、軽く押して好位のイン。トーセンビクトリーの直後から。折り合いも付いていた。前述した様に、直線はトーセンビクトリーがパールコードの外へ行ったことで、この馬にも進路が出来た。Vロードといっても過言ではなかった筈だが、いざ追ってからが甘かった。戦前から不可解だったが、前走3着からの1kg減だけに言い訳がない。追って首が使えていない走法で、この点が改善されないと重賞では厳しい。

パールコード

前後肢にバンテージ。毛ヅヤ冴えるが、例に依って馬格の割に腹が巻き気味。少し気性面に集中力を欠く。好発。出脚も速い馬で、大外枠でも積極的に好位へ。多少行きたがるのは止むを得ないところで、外枠のスローを考えればこれ以上ない競馬が出来た。一応休み明けは言い訳となるが、何か甘いのは何時ものこと。相手なりで馬券からは外せないが、重賞で勝ち切るには何か工夫が要る。

デニムアンドルビー

前後肢にバンテージ。+8kg。前走東京戦も悪くなかったが、更に良くなっている。デキだけならコレ。歩様から瞬発力を感じさせる。ゲートは五分に出ているが、出脚がサッパリで後方から。折り合いは不安のない馬で、ゆったり走れていた。直線大外へ持ち出し、マジックタイムとの1馬身が最後迄詰まらなかった。スローと中山では仕方がないところだが、馬としてはほぼ完全復活。マイルでどうかという問題は有るが、東京なら。

第51回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

カラクレナイ

前後肢にバンテージ。もう少し馬体が増えた方がベストだが、手先のスナップが利いている。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。乗り役に自信が有った様で、4角手前から押し上げて行く形。この回り脚が結構速かった。直線向いても脚勢鈍ることなく、最後迄伸び切って快勝。今日のメンバーレベルの問題は有るが、大外回して勝った以上文句なし。乗り役は6週連続日曜日のメーンカードを制しているとのことで、些か出来過ぎ感も有るのだが、先週のアストラエンブレム等、競馬の下手な実力馬を上手く勝たせている。時計もまずまず速く、次走も軽視出来ない。

レーヌミノル

今年に入って1回使っている分も有るが、このメンバーなら馬は上位。好発。内枠の馬に行かせて中段やや前辺りから。ガッチリ抑えてはいたものの、我慢して走っていた。4角でも引っ張り切りで、楽勝の手応えだったが、直線向いて一気に絞めに行ってしまい、内に居た馬に不利を与えて騎乗停止になった上に、馬もソラを遣ってカラクレナイの強襲を許してしまった。二重の意味で残念な競馬に。1400m戦で今日は必勝態勢だった筈だが...。馬よりも騎手にダメージが残る敗戦。

ゴールドケープ

前肢にバンテージ。馬格はないが、全身を使って歩いていた点に好感。毛ヅヤも冴えていた。偶数番の馬にゴネた馬がいて、ゲート内で待たされ、2馬身以上の出遅れ。そのまま最後方から。痛恨とはいえ、結果的にリラックスして走れていたかも。直線だけ外へ持ち出し、カラクレナイを追う様に伸びて来た。デビュー戦以外は好位からの競馬が主体だったが、母父デュランダルの新味が出たといえそう。次走これで馬券圏内とは思えないが、クラブ馬としては間違いなく当たりの馬。全身を使える走法から故障は少ない筈で、古馬迄コンスタントに走ってくれるだろう。

ジューヌエコール

前後肢にバンテージ。歩様は多少怪しいが、牝馬にしてはしっかりした造り。これもちょっとゲートが悪かったが、出脚使って好位のイン。少し行きたがっており、3角手前で一段前へ。何とか前を壁にしてがまんさせていたが、前が開いたら今度はレーヌミノルが内に切れ込んでしまい、ブレーキを掛ける場面。内回りでは挽回が利かないのは致し方ないところ。ただ、1400mで掛かっただけに次走は余程のことがない限り圏外。

ヤマカツグレース

前駆が勝った体型。もう少しトモがパンとした方がベスト。半馬身程出負けして中段やや後方から。不利ではないが、多少窮屈な競馬を強いられた様にも見えた。ただ、4角でレーヌミノルが切れ込んでこちらは恩恵を受けたクチ。ジワジワと伸びている。この内容だと500万は何とかなりそうだが、オープンではまだまだ。

第53回金鯱賞(GⅡ)

ヤマカツエース

+8kg。多少太い様な気もするが、馬には張りが有る。歩様の力強さも増した。この馬の出脚でジワッと行かせて、中段やや前辺りから。例に依ってペースに関係なく折り合いが付くのが長所。直線は少しだけ外へ持ち出し、手応えの割にスパッと切れる印象ではなかったが、ジワジワ伸びて何時の間にか2着に対し1馬身1/4差を付けていた。強さを感じさせる馬ではないものの、兎に角器用さが有るのが長所。次走GⅠで決め手負けする確率も高いのだが、ソツなく立ち回れば馬券圏内も。

ロードヴァンドール

2人曳き。多少煩いが、逃げ馬だけに許容範囲。前走小倉戦もそうだったが、このメンバーでも馬は負けていない。ゲートを真っ直ぐ出なかった分も有るが、出脚というよりは、押してハナへ。外枠からのこの形はハイペースになり易いのだが、1000m60.4秒なら遅い方のペースに持ち込めたといえる。道中はずっと単騎で、好位勢をフラつきながら凌いで2着確保。外から飛んで来たヤマカツエースには無抵抗だったが、併せると渋太い。やはり前走が相当良い経験になった様。これなら重賞一つといわず、何回でも勝てる筈。

スズカデヴィアス

+10kg。太い印象はなく、成長分も。もうちょっとブレずに歩いてくれると理想的だが。出脚は余裕が有りそうだったが、無理せず中段。枠の並びから、最初から有る程度決めていた様だが、ヤマカツエースをマークする格好。展開上はこれで正解だが、4角でピッタリ付いて行かず内からルミナスウォリアーに入られたのが少し痛かったかも。2,3着が僅差だっただけに、尚のこと勿体ない印象が残る。何れにしても差す形が大分板に付いて来た。重賞となるともうワンパンチ欲しいだろうが、少なくともフロックではない。ちょっと時計の掛かる馬場も合う。

ナスノセイカン

オーストラリアンブリンカー。前肢にバンテージ。トモの迫力で上位と差。デキは悪くなさそうだが、気配も地味。出脚は五分程度で、1枠2頭を壁にしてその直後。ヤマカツエースの一歩前に居た。4角迄は開幕週の内枠としては悪くない競馬が出来た。惜しいのは直線向いて捌くのに右往左往が有った点。迷っていた訳ではないだけに乗り役は責められないが、これも着差が際どかっただけに勿体ないところ。ただ、直線は大外へ持ち出すことの多かった馬が今日は枠なりの競馬が出来た。スローの割にゴチャつく展開でなかった分も有るのだが、一応は収穫。

ルミナスウォリアー

2人曳き。-6kg。絞れて好ムード。首を上下させて気配を表に出していた。例に依って出脚が甘く、仕掛けてやっと中段。その分、序盤は掛かり気味だったが、2角では折り合っており、これは許容範囲。4角外へ持ち出し、ヤマカツエースとスズカデヴィアスの間は絶好のポジションだったが、追ってジリジリ。手堅いが、東京でも33秒台の脚がない馬で、今日のスローだと決め手負けした形。

ルージュバック

2人曳き。今年初戦だが、キッチリ出来ていた。むしろ馬体の張りは昨秋以上。枠を生かすべく、近くの馬よりは先行させる形。逃げたロードヴァンドールの直後に居た。ただ、直線向いて狭いところをコジ開ける脚がなく、モタついている間にレースが終わってしまった。少なくとも脚がなかった訳でない。広いところをノビノビ走らせた方が良いのだろうが、何れにしても今日は完全に消化不良。

第54回報知杯弥生賞(GⅡ)

カデナ

2人曳き。今年初戦だが、出来ていた。落ち着き振りも目立っていた。最初から行く気なく後方から。一瞬掛かりそうな場面も有ったが、無理に内へ入れず、リズム重視で走らせていた様に見えた。それが功を奏した様で、向正面で外を進出したコマノインパルスに連られなかったのは大きかった。3〜4角中間から動いて、直線入口で好位。馬場のド真ん中を豪快に突き抜けた。ただ、回り脚が速かったのは収穫だが、それ以外は課題だらけ。まず今日は前の組が競馬を失敗しており、レースレベル低調、時計も平凡だった。そして、本番フルゲートでこれだけリズム良く走れるかどうか。特に後者は致命傷になり易い。

マイスタイル

2人曳き。マイラー体型だが、コンパクトに纏まっている。多少テンション高いのはマイナス。横山典弘騎手ということで、決め打ちのハナ。出脚も有りそうで、外からジワッと行けた。特に向正面半ば迄が遅く、好位勢は窮屈そうに走っており、最高の形に持ち込めた。4角で引き付けて、直線は完全に突き放している。このクラスで何かにやられるのは仕方がないところだろう。次走、多少厳しい気もするが、再度展開利を享受出来れば。

ダンビュライト

下見は最後方を周回。馬体にはキレが有ったが、ちょっと煩い。出脚は五分程度だったが、少し出して好位から。見た目には折り合い付いていたが、このスローで内外前後に馬が居る状況が果たしてスムーズだったか微妙なところ。直線も前が開いて捌いているのだが、3着確保がやっとだった。今日に関しては同情の余地が有る。尤も、前走京都戦で底が割れた感。大外ブン回しの真っ向勝負で何とかなる馬でもなさそう。次走はほぼ圏外。

ベストアプローチ

2人曳き。チャカつくのは毎度。もう少し力強さが有っても良いが、均整の取れた馬体。意外に出脚は悪くなく中段のイン。枠なりのレースでこれはこれだったが、4角で捌き損ねて、狙ったところをダンビュライトに入られ、一旦立て直す場面が有ったのが痛かった。最後はダンビュライトと同タイム迄追い込んでおり、この能力比較では明らかにこの馬が上。今後はダービーへ向け、再調整ということになるのだろうが、不器用なのは間違いなく、東京の方が合っている。権利さえ取れれば無様なレースにはならない筈。

サトノマックス

2人曳き。少し寸詰まりの体型。締まって来た。下見では頭の高さも気にならず。出脚も速そうではなかったが、行く気もなく後方からジックリと。ちょっと折り合いを付けるのに苦労していた様に見えた。カデナを目標に動いて行ったが、ここ迄。今日のところは色々な差が出た形だが、新馬で見せていた頭の高さがかなりマシになっている。先々走って来るかも。

グローブシアター

前後肢にバンテージ。歩様のキビキビ感は血統故だろうが、線が細い。スタート直後からかなり押していたが、出脚がサッパリでやっと中段。道中も折り合っていたというより、むしろ行き振りが悪かった。追ってからも伸びずバテず。本気で走っているのかすら怪しい状況で、これだと暫く掛かりそう。

第12回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

メラグラーナ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-8kg。トモの丸みがなくなりギスギス感が出て来た。歩様が硬いのもマイナス。ゲートは五分だったが、行きたい馬に行かせて中段から。乗り役が相当自信を持っていた様で、揉まれない位置で追走していた。4角も躊躇なく外へ持ち出し、一追い毎に伸びた。少々ロスは有っても、ストライドが大きいのでこの乗り方が合っているのだろう。シープスキンノーズバンドが上手く利いている様に見える。ただ、下見は関心しなかった。次走は来ない方に賭けるのが妥当。

ナックビーナス

2人曳き。何時ものテンション。数字の割に大きく見せないのは毎度。1200mだと若干出脚が足りない気もしないでもないのだが、内枠ということも有って有る程度出して行って好位から。折り合いも付いて狙い通りの騎乗は出来た様。直線も少し追い出しを待つ位の余裕が有り、前も開いていたが、メラグラーナが外からそれ以上の脚を使っていた。追い出しを待たずにどうなっていたかは微妙だが、ちょっと悔いが残るかも。何れにしても馬は頑張っていて、中山は鬼の様に走る。

クリスマス

2人曳き。後肢にバンテージ。-6kg。腹が巻いて、ちょっと細く映る。チャカついていたのもマイナス。内の2番ナックビーナス、3番ブレイブスマッシュが似た様な出脚で、並走は得策ではなく、一段下げる形。その分、4角でも外を回す形になったのが痛かったか。良い脚で差しているものの、あとワンパンチが出なかった。勿論、メラグラーナに外から交わされた以上、言い訳なしだが、枠が逆だったらナックビーナスに先着出来る可能性は有った。

ブレイブスマッシュ

2人曳き。前後肢にバンテージ。毎度ながらイレ込み気味。もう一絞り有った方がベスト。好発。前述した様に、ナックビーナスとは似た様な出脚で並走。折り合いは付いていた。直線向いて前が開くや否や一気に仕掛けて先頭。やったかに見えたが、坂を上がって失速。惜しい競馬だった。近走、惜しい競馬が続いているが、毎回あと一歩が足りず。1200mの適性は有る。冬場で絞り辛いのだろうが、480kg台で出て来た時が狙い目となりそう。

ブラヴィッシモ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。連闘。多少歩様が硬くなった程度で、充分及第点。枠も有るが、出脚も一息で後方から。1400mの後で、道中も少し行き振りが悪く、戸惑っている様に見えた。直線も外へ持ち出す余裕はなく、苦し紛れにインを突いたが、ここでエンジンが掛かって近い位置迄追い込んでいる。4角でもう少し付いて行けていれば際どくなっていた。力は通用しそう。とはいえ、これで一息入れるということになるのだろうが、立て直して改めて。

第24回チューリップ賞(GⅢ)

ソウルスターリング

2人曳き。馬は説明不要で圧倒的。テンション上がってないのが何より。好発。出脚も速そうだったが、控えて好位から。この時に少し頭が上がったが、直ぐに折り合いは付いた。直線で外に持ち出して追い出されると、危なげなく突き放して快勝。坂を上る際に多少内にモタれたのと、手前が替わったのが課題といえば課題だが、1分33秒2は昨年のシンハライト (1分32秒8) に次ぐ歴代2位。その昨年はハナ差勝負だったが、今年は2馬身差有った。世代最強は疑う余地がなく、やはりこの馬が真打。次走は単勝1倍台前半のオッズでも逆らう余地はない。

ミスパンテール

-8kg。新馬の札幌戦よりは馬体が締まっていた。気配も有ったが、この馬もっと良くなりそう。ゲートは出ているが、前走同様に行く気なく後方から。休み明けの一発権利取りで、今日の策は当然といえば当然。4角でリスグラシューの内から併せようとしていたが、最低でも3着と手応えに余裕が有った様で一番外へ持ち出して2着確保した。戦前述べた様に、馬格が有って、重心の低い走りが本物の相。次走は反動に泣く危険も有るのだが、最悪の条件でここ迄走ったのだから文句なし。古馬になればGⅠに手が届いても不思議はない。

リスグラシュー

数字の割に馬を大きく見える。歩様にも伸びが有った。ゲートも悪かったが、出脚も一息で後方から。向正面はスムーズに見えたが、3角で外に居たビップキャッツアイが行きたがり、この馬も連られた様に見えた。間に1頭噛んでいたことも有ったが、ソウルスターリングに並ぶどころか、突き放される一方。2着もキープ出来なかった。課題の残る敗戦。今日は上手く仕上げたと思うのだが、それでも馬格のなさ故に調整面で追い込めない部分が出て来るのは致し方ないところ。本番は真っ向勝負ではない、何か別の策を練ることになりそう。

ミリッサ

2人曳き。前後肢にバンテージ。まだ気負っているが、毛ヅヤが良くなった。馬も小さい割には良く出来ているが、歩様に力強さが欲しい。ゲートを五分に出たが、折り合い重視で追走。3角辺りでは中段に居たが、4角では後方に近い位置。直線でソウルスターリングの真後ろに持って来た際には権利は取れたかに見えたが、いざ追ってからが甘かった。前走京都戦よりはマシだったが、行きたがっており、ロスが相当。この相手になると中々通用しない。この馬自身も非力な面が有って、坂は上れないタイプなのだろうが。

カワキタエンカ

前後肢にバンテージ。腹袋がしっかりしており、デキの変動が少なそうなタイプ。落ち着きも有った。出脚が速く、一旦はハナも、外から何頭か来て好位に控える形。道中も折り合っていた。追ってからも反応軽快で先頭の場面も有ったが、直ぐソウルスターリングに交わされ、踏ん張り切れずここ迄。今日のところは決め手負けということになるが、心肺能力そのものは遜色ない。上がりが掛かる展開ならオープンでも。

第91回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ネオリアリズム

香港戦と比較して+15kg。馬体に張りが有って、目下のデキは良さそうだが、多少太い。頭が高いのもマイナス。ゲート内がやや煩かったが、五分のスタート。ロゴタイプが主張してその直後に収まる形。元々頭の高い走法だが、多少手綱は引っ張っていた。向正面でマイネルミラノが動いた際にこれも付いて行き、そこからの我慢比べは見た目以上に厳しかった筈だが、最後迄止まらないどころか、むしろ二枚腰が残っていた。このメンバーなら勝っても不思議はないが、今日は内容が素晴らしい。昨春とは別馬。走法からロスが多く、流れに乗れなかった時の脆さは有るとしても、、性能そのものが相当底上げされている。

サクラアンプルール

腹回りがボテッと映る割に、トモが薄い。歩様にも力がない。ゲートも微妙に悪かったが、まず内へ潜りに行って中段やや後方から。ひたすらラチ沿いを通って、直線もインへ。この頭数でスムーズに捌けたことも有って、僅差の位置迄追い込んで来た。開幕週の中山が多分に味方したのは確かだが、前走東京戦が惜しい競馬でオープンでもメドは立っていた。下見からまだ良化の余地を残しており、ここから成長が有ればタイトルにも手が届きそう。

ロゴタイプ

2人曳き。前肢にバンテージ。気配に乏しいが、馬体に張りが有って今季も好調。恐らくは最初からの決め打ちでハナへ。少し押して行った分、掛かり気味だった。その故に向正面でペースを落としたのだが、そこでマイネルミラノが一気に行って一旦控える形。4角から再び前を捕まえに行き、坂を上がってからも踏ん張っていた。道中がもう少しスムーズだったら勝っていた。最後の詰めの甘さよりも、出脚が少し鈍かったのが気にならないでもないが、休み明けの影響も有ったか。これを叩いて気配が戻れば、まだまだやれる。

アンビシャス

2人曳き。馬体は出来ていたが、左後肢の送りが若干硬い印象も。出遅れ1馬身不利。このコンビの何時ものパターンで後方から。早目に外へ持ち出したことも有るが、道中は少し掛かり気味。4角は少し我慢させて回り切る直前から追い出したが、前とインが粘る今日の展開ではどうしようもなかった。ルメール騎手が乗ると出遅れ率が高く、ちょっと鞍が合ってないかも。この馬に関しては先行させられる横山典弘騎手の方が合っている。

ヴィブロス

+10kg。といっても元々が410kg台。太い印象はなく、歩様もしっかりしていた。ゲートは五分に出たが、外から来られる形となり、中段やや後方から。これも道中は少し行きたがっていた。向正面で前の馬が動いた際にスペースが出来て、少し押し上げて4角で好位。直線も上手く捌いたが、追ってワンパンチが出なかった。一昨年にヌーヴォレコルトが勝っただけに、牡馬相手でももう少し頑張って欲しい気もするが、休み明けとしては一応及第点。何よりこの血統は叩けば変わる。

リアルスティール

相変わらず強調点のない馬体。完歩の小さい歩様も何時もと一緒。道中は中段。スタート直後だけは行きたがっていたが、そこからは折り合いスムーズ。これなら何とかなっても良かったが、4角で既にアラアラだった。敗因不明だが、兎に角今日は走っていない。何か気分屋のところが有る。

第61回阪急杯(GⅢ)

トーキングドラム

前肢にバンテージ。今日は硬さがないのが何より。纏まった馬体で、毛ヅヤも悪くなかった。ゲートは五分に出ているが、行きたい馬に行かせて中段。ここで折り合いを付けたのが大きかった。直線に向いての反応も抜群で、少し待たされたものの、最内をコジ開ける様に伸びて来た。前走京都戦で外を回ったのが裏目に出たが、同じ轍を踏まなかった。一瞬の決め手は有るのだろうが、今日はギャンブルが当たった印象の方が強い。何より1分21秒4の時計が低調。

ヒルノデイバロー

遮眼革。淡々と歩いていたが、馬は毎度のことながら良く見せる。この馬にしてはゲートを出た方だが、出脚がなく後方から。ただ、最近は馬群に置かれない様になっており、今日も馬群には取り付いていた。何時もの大外ブン回しと違い、直線もシュウジの外が上手く開いて一瞬は勝ったかに見えたが、そこからトーキングドラムが渋太く2着迄。ここ迄行ったら勝ちたかったところだが...。この内容だと重賞に手が届くことはなさそう。

ナガラオリオン

+4kg。馬体に張りが有って、デキそのものは上々。初芝、ゲートも悪かったが、そのまま後方から。直ぐに内ラチ沿いに付け、4角辺りからスペースを窺っていたが、丁度真ん中が開いてジワジワ伸びて来た。今日はあくまでメンバーと時計が掛かっての好走だが、一応、走法から芝はこなしたといえそう。尤も、最後は少し甘くなった様にも見えただけに、ダート同様にベストは1200mなのだろうが。

ブラヴィッシモ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。-14kg。前走京都戦が太かった。これ位で丁度。下見は落ち着いていた。戦前はハナへ行くかに思われたが、事情の有るカオスモスに譲って好位から。インでセコい競馬は出来たが、道中は掛かり気味。直線向いてもなかなか前が開かなかった。最内をトーキングドラムに入られ、シュウジの後を狙ったらむしろ下がって来てと踏んだり蹴ったり。マトモなら最低でも3着は有った内容。このメンバーなら力は互角。次走連闘だそうだが、狙い目。

メドウラーク

もうちょっと歩様に推進力が有ると理想的。馬は悪くない。半馬身程出負け。出脚もサッパリで後方から。初の1400mということも有るが、スピードに乗る迄、かなり時間を要した。最後は伸びているが、道中あれだけオッツケていると、思う様には伸びてくれない。今日の展開で漸く掲示板では重賞は遠い。この馬自身はマイル以上の方が向くのだろうが、それはそれで更に相手が強化される。

シュウジ

2人曳き。+8kg。多少太いとはいえ、馬体は一枚上だが、今日は下見からテンションが高かった。好発。出脚も一番速かったが、こうなると抑えるのに一苦労。行かせていれば結果が違った可能性も有るのだが、最内のカオスモスが徹底先行の構えを見せて、乗り役・武幸四郎騎手の事情が事情だけに引かざるを得ない。道中力んでしまい、坂下迄だった。前走はたまたま上手く行ったが、少しでも気分を損ねると1400m以上は厳しい。逆にいえば今日は力負けではなく、次走は1200mで巻き返しの目も。

第26回アーリントンカップ(GⅢ)

ペルシアンナイト

前走京都戦と変わらず。もう少し力強さが欲しいのは確か。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。最内枠のカロスが好発切ってハナ。これがペースを落としたことで好位勢は行きたがっていた馬が多かったが、更に馬群がバラける形でも折り合いは付いていた。トビが大きいので、内へ入れても良いことはなく、早目に外へ持ち出し、直線は豪快に突き抜けた。このメンバーなら力が違った印象。良馬場に回復したのもやはり良い方に出た様。ただ、トビは大きいが、回転数が足らない様にも見える。時計だけは水準だが、今日は相手も大概だっただけに、GⅠで通用するとは思えず。

レッドアンシェル

2人曳き。返し馬迄パシュファイヤー。これでもマシな方なのだろうが、かなり気負い気味。馬体も寸が詰まったマイラー仕様。これも出遅れ。行かせる気もなく、後方待機。こちらは手綱を引っ張り気味だったが、好位勢よりは余程リラックスして走っていた。前を行くペルシアンナイトを目標に、直線向いて暫くは食らい付いていたが、坂を上る辺りで手前が替わり、内にモタれ気味。そこで突き放されてしまった。力量差は有りそうだが、取り敢えず賞金を加算出来たことと、矯めて伸びることが分かったのは収穫。

ディバインコード

前肢にバンテージ。初西下だが、むしろ腹回りがボテッと映る程。これで5場目ということも有って落ち着いていた。好発。出脚も有りそうだったが、最内のカロスに行かせて好位のイン。これはこれだったが、道中だけでなく追ってから更に頭が上がっていた。こうなると推進力が前に向かない。開幕週の馬場でこれだと重賞は遠い。現実は堅実だが、次走人気になってくれる様なら飛ばし頃。

ブゼットジョリー

前後肢にバンテージ。昨夏の新潟戦とは別馬。踏み込みが深くなった。もっと増えた方がベストだが、馬も負けていない。これも微妙にゲートが悪かったが、掛かり気味に中段へ。何とか内へ押し込めて折り合いを付けようとして、その試みは一応上手く行ったか。直線は伸びているが、今度は内にモタれ気味。素質は有りそうだが、この程度だと2歳時から上積みがない様な印象。馬体が増えて来ないのがネックか。

ジョーストリクトリ

500kg有る割に迫力不足。歩様にもイマイチ力強さがない。ただ、毛ヅヤは冴えており、現状のデキとしては上々。内枠勢に行ってくれた馬が多く、その直後に潜り込む形。道中は多少噛んでいた程度で、これよりヒドいのも居た。内へ潜り込んでセコい競馬が出来たが、追ってもう一つ。切れる印象ではなかった。現状では力不足。