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競馬回顧 2016年4回阪神

グローバルスプリントチャレンジ第8戦 第50回スプリンターズステークス(GⅠ)

レッドファルクス

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。まあまあ出来ていた。気配も休み明けにしては上々。今日はゲート五分。8枠2頭、ミッキーアイルとネロに叩かれる形になったが、この枠で立て直す余裕が有り、好位直後を追走。引っ掛かる馬も居た中で、折り合いも付いていた。4格手前から動いたのも地味に好判断。坂下で外に持ち出そうとしたビッグアーサーの進路を潰して、坂を上る辺りから一気の伸び。前走中京戦が妙に強かったが、右回りでも結果を出せたのは収穫。新星誕生といって良い。

ミッキーアイル

良い時は少し重量感が有った。毛ヅヤは悪くないが、満点はやれない。スプリンターの出脚ではないのだが、今日は決め打ちでハナへ。300m程でスピードが乗って2番手と少し離れて抑える位だった。600m通過33.4秒とスプリント戦としては逃げ馬が残れるペース。4角で一旦引き付けて追い出し、渋太い脚を見せたが、最後にレッドファルクスの決め手に屈した。一度でも叩いていれば勝っていたか。ハナへ行ったのが他馬を苦しくした分、有利に働いた。ただ、本質がスプリンターではない印象も。少し出脚が足りない先行馬が中々勝てないのはスプリント戦で良く有るパターンでは有る。

ソルヴェイグ

-10kg。トモの張りは悪くなかったが、流石に腹は少し巻き気味。好発。ビッグアーサーを叩いて2番手のイン。上手く流れに乗った。ただ、直線向いてシュウジが内へ寄せて来て、進路が中々なかった。坂を上がった辺りで漸く前が開いて何とか3着。後述のビッグアーサーに限らず、他馬も似た様なモノだが、惜しい競馬。前走札幌戦の内容に案外感も有ったのだが、この競馬が出来ればGⅠでも足りる。器用さが有るのが最大のセールスポイントで、今回出走していたサクラゴスペルの後継者にはなれる。つまり東京1400mで狙い目に。

シュウジ

2人曳き。前肢にバンテージ。+12kg。今日の段階では多少太いのだろうが、ビッグアーサー同様、スプリント戦ならこれはこれ。今日はゲートを問題なくクリア。道中はビッグアーサーと並走。4角手前で仕掛けてソルヴェイグにフタをする形。ソルヴェイグだけは出すまいと暫く頑張っていたが、坂を上る辺りで微妙に甘くなり、ソルヴェイグに進路を譲ってしまい4着に。大差はないところだが、不利がなかっただけに4着は少し評価が下がる内容。

スノードラゴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。スカッと見せる。意外な程、歩様がスムーズ。出脚が速い馬が多く、外から来られて中段辺りから。直線は目の前に居たレッドファルクスとも遜色なく、良く伸びている。枠に殺されただけ。次走はマイル転向という話も有る様だが、父アドマイヤコジーンが穴を開けたパターン。歴史をなぞるなら外枠条件で狙い目に。

ビッグアーサー

叩いて更に良化。見た目もスプリンター。最初からあまり行く気はなかった様だが、ゲートで若干分が悪かったうえに、ソルヴェイグに叩かれて5,6番手辺り。掛かっていたのはスプリント戦だけに然程マイナスではなかった筈だが、直線向いて右往左往。挙句躓いて競馬にならなかった。ハナではなくとも、ソルヴェイグに叩かれていなかったら、この展開にはなっていない。ゲート失敗すれば考えられた展開では有るが、最悪の形になった。

凱旋門賞初売記念 20回シリウスステークス(GⅢ)

マスクゾロ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。気配は良かったが、馬装通り少し頭が高い。その分、歩様も非力に見える。芝の出脚が少し怪しい気配だったが、最内枠でも有り、主張してハナへ。1000m通過60.5秒とまずまずのペースで飛ばし、単騎で気分よく行けた。こういったケースの場合、2番手が実力馬だと苦しくなることも多いが、ピオネロが直線向く迄待ってくれたのが幸い。このレースはこういったパターンが多いのだが、この点もこの馬を楽にさせた。直線向いて外にヨレて恩の有ったピオネロに幅寄せ。それでいてのクビ差は負けに等しい。過怠金10万円とのことだが、かなり甘い裁定。

ピオネロ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。数字の割に背丈が低く、馬に幅が有る。外枠だったが、出脚が結構速く、ほぼ持ったままで1角で2番手のイン。少し掛かる位の行き振りで、4角抜群の手応え。追い出して坂下辺りでエンジンが掛かったところで例の不利。降着ではなかったということで、不利がなくても着順が替わっていなかったとの裁定だが、間違いなく不利がなければ勝っていた。初重賞制覇が懸かっていただけに尚のこと勿体ない。序にいえば外から来たアポロケンタッキーは少し内を開けていた。充分避けられた事象。

アポロケンタッキー

560kgを越す大型馬で仕方がない面も有るが、少し緩い。芝での出脚が一息だったが、押して好位の外。斤量57.5kgも応えているのだろう、道中の手応えも一息だったが、追える乗り役が必死で追ってここ迄。クビ、アタマなら斤量を考えたら勝ちに等しい内容。今日は稍重だったが、良馬場なら勝っていただろう。馬格を生かした馬力が有るのが長所。昔の東京大賞典3000m,2800mの時代なら大本命となるレベル。長距離の交流戦に出て来た時が狙い目。

ミツバ

遮眼革。毛ヅヤ冴える。歩様が少し硬いが、推進力が有り、小さいなりに馬体も纏まっている。芝の出脚がなかったが、何時ものことで後方から。3角過ぎから外を回って進出。前で決まる展開の中、4角中段ではどうしようもないのだが、これで良く追い込んでいる方だろう。オープンでも展開一つの馬。東京2100mなら充分届く脚は持っている。

カゼノコ

前後肢にバンテージ。重量感はないが、決め手身上の馬で元々こんなタイプ。歩様がキビキビ。ゲートも悪かったが、例に依って後方待機。これはこれだが、4角でトーシンイーグルに寄られて躓く場面が有ったのは痛恨だった。58kg背負って今日の展開だと馬券圏内は微妙だが、4着は有っただろう。

第62回産経賞オールカマー(GⅡ)

ゴールドアクター

2人曳き。パシュファイヤー。前走京都戦を考えたらイレ込みはマシ。馬体も相変わらず抜群に良く見せる。好発。出脚も速い馬だが、折り合い面も有り、好位で宥めて追走。課題の折り合いも付いた。4角はマリアライトを待ってからの追い出し。従って展開を読み違えた形だが、それでもサトノノブレスに坂下で並び掛けると問題にしなかった。着差こそクビだが、完勝。前走はイン逃げで決まる競馬で、マトモなら古馬最強クラス。次走ジャパンカップだそうで、最近は決め手身上の馬が強い印象も有るのだが、この馬の能力を持ってすれば父子制覇の確率は決して低くない。

サトノノブレス

+10kg。毛色で分かり辛いだけで、腹回りは数字分だけ太い。ただ、緩んではいない様で、デキは恐らく春以上。前が飛ばす展開でバラけたが、この馬の出脚でゴールドアクターの一歩前からの競馬。4角の手応えが抜群で、前は絶対に捕まえられるとの自信から敢えて外のゴールドアクターに併せに行った。狙いは悪くなく、僅差の競馬には持ち込んだが、やはり力差は大きかった様。最後はネジ伏せられた。2kg差有っただけに見た目以上の完敗。ただ、今年に入って述べている様にGⅡクラスは充分。絞れれば更に動ける筈で、次走も圏内。

ツクバアズマオー

中間の攻め馬から抜群に良かった。水平首で馬に集中力。馬体も纏まっている。半馬身程出負けしたことも有り、後方からジックリと。基本的にはインに居て、マリアライトがマクり合戦に持ち込んだところで、その直後から。前がサトノノブレスとゴールドアクターの位置で、しかもサトノノブレスが外へ寄せて行ったことで直線も進路が出来た。坂を上がってから一押しが利かなかった辺りに一線級との力量差が見え隠れするが、中山は堅実。

クリールカイザー

パシュファイヤー。前肢にバンテージ。踏み込み力強い。馬体に迫力が有って、気配も文句なし。出脚利かせてハナ...の筈が、何が何でもの構えでエーシンマックスが来て2番手に控える形。ただ、エーシンマックスは飛ばしてくれて1000m59.9秒。道中はそこから3馬身程離れており、この馬としては上手いペースで行けた。4角手前でエーシンマックスを見切り、出し抜けを狙ったが、マリアライトのマクりがサトノノブレスとゴールドアクターの仕掛けを早くしてしまった。それでも並の相手ならこれで決まっていた筈。相手が一枚上手だった。

マリアライト

2人曳き。前肢にバンテージ。数字はほぼ変わっていないが、少し緩い。珍しくゲート出たが、押しても進んで行かないのは毎度のことで後方から。途中でマクって行く形は造ったが、4角迄だった。尤も、昨年末の中山戦もこんな感じ。休み明けは元々走らないタイプで、叩いて変わってくれれば。

第64回神戸新聞杯(GⅡ)

サトノダイヤモンド

何かが万全ではない気もしないでもないが、馬体重増減なしで出来ていた。単勝1.2倍の1番人気、流石にルメール騎手といえどもオッズは頭に過ったか、少し仕掛けて好位置を取りに行く形。しかし、微妙なところではあったが、序盤が引っ掛かりそうになり、宥めている内に中段で落ち着いた。ずっと前の馬を壁に置いて直線だけ外へ。内から来たミッキーロケットも渋太かったが、最後は底力でネジ伏せた。このレースは毎年追い込み有利で、今日の馬場なら尚更だった筈だが、競馬を失敗した上で勝ち切ったことは評価出来る。デキの問題もこれを叩いてシャキッとするだろう。次走は毎回述べている様にオーナーの馬運。コース適性も若干怪しいが、それ以前の問題。

ミッキーロケット

-10kg。デビュー以来最低体重だが、細い印象はない。鞍下の発汗もこの時期で許容範囲。気配も良かった。枠の並びの関係も有り、サトノダイヤモンドを徹底してマークする形。常にサトノダイヤモンドより内を回っており、4角迄は立ち回りも完璧だった。4角で少し引っ張る場面は有ったが、それ迄に矯めた脚を生かして伸びて来た。一瞬の脚では勝ったかの勢いだったが、これで勝てないとなると今日はどうやっても勝ちがない。ただ、次走京都戦に関しては器用さが全てといっていいプラットフォーム。その点で逆転の目も。

レッドエルヴィスト

仕上がっていた。毛ヅヤが良い。歩様も多少硬いが、キビキビ。ゲート自体が速くない馬だが、出脚もなく後方からジックリと。目の前にサトノダイヤモンドとミッキーロケットが居て、レースとしては悪くない形で進められた。直線向いてサトノダイヤモンドの一馬身後方と勝負圏内に居たが、追って3馬身差付けられたのは案外感も残った。4着カフジプリンスにアタマ差迄迫られ、アワヤ権利を逃すところでも有った。4角でミッキーロケットと接触した分は有るのだが...。距離が原因とは思えず、速い脚がないという結論になるだろう。次走、穴人気するだろうが、嫌ってみたい気も。

カフジプリンス

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。-6kg。馬体はスッキリしてこの方が良いが、もう少し歩様に力感が欲しい。出脚は有りそうだったが、権利取りを懸けて中段で待機。丁度、向正面と番手が下がって来たサトノダイヤモンドと並走。4角の手応えが悪いのは毎回だが、坂を上る辺りでエンジンが掛かり、3着迄あと一歩だった。北海道の様な小回りでズブいのは仕方がないが、阪神外回りでこれだと苦しい。東京2500mで渋った時に一発が期待出来る程度で、あとの条件だと単勝は手が出し辛い。

エアスピネル

2人曳き。前後肢にバンテージ。良し悪しは別として馬体に重量感が増した。戦前の決め打ちだった様で、後方から。折り合いも付いており、3着位は有っても良かったが、坂を上る脚がなかった。今日の形でダメだと3000mは論外。内枠引けば何とかなる可能性も有るが、コースが特殊過ぎるだけ。基本的にはマイラー色が強くなっている。

第70回朝日杯セントライト記念(GⅡ)

ディーマジェスティ

+4kg。テンション高い。馬体もトライアルとしては満点といったところ。本番でこれだと緩い。乗り役のゲートの出し方が下手という気もしないでもないが、公式記録上はスタート直後にマウントロブソンに寄られて後方から。早目に何時でも動ける外へ持ち出し、内回りとの合流地点辺りから外を動いて行く形。回り脚が抜群に速く、坂下で先頭。ここで少し待つ余裕が有った程。着差以上に圧倒的だった。下見の雰囲気から叩いての上積みも大きく、京都戦はゲートさえ失敗しなければ勝ち負け必至。

ゼーヴィント

2人曳き。イレ込みは前走福島戦同様。馬体はこういった気性だけ有ってキッチリ出来ていた。好発。行けるなら行きたい様な素振りも見せていたが、馬自身が引っ掛かりそうになっており、好位で折り合いを付ける形。1000m61.0秒とスロー、しかも前に壁がない状態だった割には我慢して走っていた。後ろからディーマジェスティがレースを動かし、それに併せる形で進出。ノーブルマーズが間に噛んでくれたことはこの馬には有利に働いた筈で、良く食らい付いているが、相手の方が着差以上に余裕が有った。完敗の内容。それでも、乗り役の腕込みとはいえ、下見でチャカつく割にはレースで折り合いが付くのが何より。内枠を生かせるだけの器用さも有り、この手の馬が京都戦向き。

プロディガルサン

パシュファイヤー。+8kg。少し余裕残しだが、現時点ではまずまず。最初から行く気なく後方からジックリと。当初はディーマジェスティより前に居たが、先に動いたディーマジェスティを追い掛ける形で進出。ただ、直線でディーマジェスティが少し外にヨレたタイミングで、この馬は内へモタれており、立て直すロスが有ったのが痛かった。尤も、2着ゼーヴィントとの差は1馬身1/4差有り、この事象がなくても2着はなかったかも。完敗の内容だが、2歳時は折り合い面が怪しかった馬でジックリ乗れば折り合いが付いたのは収穫。

ネイチャーレット

チャカつく。迫力がないだけで、馬のデキ自体は悪くないが。出遅れ1馬身不利。最後方からディーマジェスティを眺めながら進めて行く形。向正面の頂点で少し行きたがる素振りも見せていたが、前に馬を置いて我慢させていた。ディーマジェスティが動いた場面でも我慢。4角も外へ回さず、イチかバチかで馬群の中へ突っ込んでここ迄。500万上がりの馬だが、今日は馬よりも乗り役を褒めたい。腹を括って乗ったのが掲示板確保に繋がった。馬に力が有れば3着確保出来ている。次走自己条件だろうが、人気でも危険。

ノーブルマーズ

シープスキンノーズバンド。筋肉の輪郭が浮いており、デキは上々。水平首で気配も悪くない。外枠だったが、少し出して行って中段。折り合いは付いていたが、ディーマジェスティが早目に動いた際に抵抗せざるを得ず、一番キツい形になってしまった。それでも、4角では完全にマクられてしまったことを考えれば良く粘っている方だろう。ジャングルポケット産駒で広いコースならソコソコやれる。

第34回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

シンハライト

2人曳き。前後肢にバンテージ。+14kg。春より馬を大きく見せる。数字は成長分で上手く夏を越せた様子。出脚を使わず、中段やや後方で前の出方を見ながらジックリと。この馬場で4角大外ブン回しは些か無謀にも見えたが、追っての脚が1頭ケタ違いだった。ジュエラーの凡走は有ったにせよ強い。坂下で右手前になってからの伸びが特に強烈で、恐らくベストは左回りなのだろうが、今日の展開で勝ったのお見事。着差が僅かなのも何時ものことで、小回り2000mしかも右回りとなると何となく危なっかしさは残るのだが、次走は大本命となる。

クロコスミア

+14kg。2歳時から権利取りの為に無理使いしていた馬で、馬体増は素直に好感。多少歩様に力がないのも硬いよりはマシ。出脚が速いイメージはなかったが、最内枠、差し馬が苦しい馬場状態ということも有って、少し押してハナへ。途中でラベンダーヴァレイが動いたが、好位にジュエラーが居て、元々前に居た馬はともかく、後続はこれより前には行けないところ。1000m通過も59.9秒と逃げ馬としては理想的なペースだった。4角でも誰にも来ず、ジュエラーに脚がなかったのもこの馬には絶好だったが、最後にシンハライト。これでやられたら仕方がない。ただ、前述した様に3歳春はマトモな状態で使えていなかった筈で、一息入れて立て直せばこれ位走れても不思議はない。乗り替わりも馬に新味が出たという点では良かったのでは? 尤も、逃げたといっても出脚が速い訳ではなく、次走アテには出来ないのだが、この手の馬は古馬になってからが走る。

カイザーバル

前後肢にバンテージ。-14kg。前走札幌戦が大幅馬体増。多少スッキリ映るが、極端に細い訳ではない。好発。出脚も余裕が有ったが、クロコスミアが行ったことも有り、好位のインに収まる形。道悪はサッパリの馬だが、決して行き振りは悪くなかった。3角手前でジュエラーに前をカットされそうになって押した影響も有り、3〜4角中間で掛かる位の行き振り。この位の馬場だったら何とかこなせる様。直線はキレる印象ではなかったが、ジワジワ伸びて権利は確保した。折り合いも前を壁に出来れば末脚に響く程ではなさそう。器用さは有るので、前に行けさえすれば次走も面白い。

デンコウアンジュ

前肢にバンテージ。+8kg。毛ヅヤは良かったが、少し馬が緩く映った。7〜8割のデキ。ゲートをしっかり出たことと馬場状態も有って、少し促して中段から。コーナーは馬群の切れ目でインに入れていた。勝負どころでは外から来たレッドアヴァンセに内から併せたかったところだが、この脚がなく立て直して外へ。エンジンの掛かりが悪かった割には良く伸びているが、間に1頭噛んだことで前に届かなかった。ただ、権利の有る馬で試走としては悪くない。小回り2000mは絶望的に向かないが、外回り2200mでの一発は期待出来る。

アットザシーサイド

メリハリが利いて走れる態勢。気配も良かった。出脚が速く、器用さは有る馬で、ゲートを決めてスッと好位。逃げたクロコスミアが残る展開で番手確保は絶好の展開。折り合いも付いていた。4角でクロコスミアに並び掛け、何とかなったかに見えたが、いざ追ってサッパリ。道中の完璧さを考えると余計に情けない止まり方だった。道悪の下手さ加減は他馬も似た様なモノで、距離の壁か。

ジュエラー

2人曳き。+10kg。落ち着いていたのは何よりだが、馬体に張りがなく、歩様にも力強さを欠く。ジワッと行かせて好位。折り合いは付いており、道中は問題なく運べた様に見えたが、追ってからが案外。尤も、坂を上る辺りで乗り役も諦めており、実質は5,6着。アットザシーサイド同様、距離面を疑うところだが、今日のところはデキと馬場状態に原因を求めたい。何れも次走京都戦は好転する確率が高く、巻き返しの余地は残した。

サマーマイルシリーズ第3戦 第61回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

ロードクエスト

2人曳き。気合乗り上々。筋肉の輪郭も浮いていたが、踏み込みが浅く、歩様が怪しい。ゲートをポコンと出て1馬身出遅れ。一旦立て直して、外回りの頂点で既に中段やや後方の外。そこで一旦我慢して、3角過ぎから再び外を追い上げる形。流れに全く乗らず、力任せに押し切った。今年は3歳馬のレベルが高く、同世代戦では中々勝たせて貰えなかったが、流石に古馬のイマイチどころを相手にハンデ差が有ると力の差が有り過ぎた印象。相変わらず中山を使い続ける陣営の選択は理解出来ないが、馬も慣れて来た様でコーナリングは大分上手くなって来た。マイルならGⅠ級。

カフェブリリアント

+18kg。少し緩い程度。ただ、歩様に硬さがなく、悪い時のギスギス感がなくなった。好発。外から何頭か行ったが、引いて好位直後。抑え過ぎる位だったが、それでも直ぐに折り合いが付いた。直線は狭いながらもスッと前が開き、この一瞬の脚も速かった。ロードクエストとは力量差有ったが、ちゃんと競馬が出来たのは大きい。何時走るか分からない面も有った馬だが、この内容なら今後安定して走ってくれそう。

ダノンプラチナ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。-18kg。前走東京戦が太く、多少迫力がない程度。それよりも歩様が一息。明らかに硬い。ゲートで立ち上がりそうになったところで開けられ、出遅れ1馬身不利。枠の関係も有って、ロードクエストを後追いする形。ただ、4角の回り脚がロードクエストの方が速く、直線も伸びてはいるが、前とは少し離されてしまった。58kgのハンデも応えただろう。歩様が良くなればこの条件でも何とかなりそうだが、前走に引き続き、悪条件が複数重なってしまうのがこの馬のツキのなさ。

ダイワリベラル

後肢にバンテージ。+10kg。少し腹回りがボテッと映る。この数字で太いということはない筈だが。五分程度には出ているが、好発切ったカフェブリリアントに前を抑え込まれる形となり、中段から。ダノンプラチナがロードクエストの後追いだった様に、こちらはカフェブリリアントの後追い。春に中山マイルで4着だったが、外を回ってのモノで内容はこちらの方が良かった。この時の方がデキが良かったとはいえ、一瞬の脚がないので今日の形は向いていない。

クラリティスカイ

前後肢にバンテージ。見た目は何時も悪くない。歩様にも柔らかみが有る。時々出遅れる馬だが、五分出て少し仕掛けて好位馬群の中。3角で引っ張っていた割に切れなかった様な印象も有るのだが、最後迄バテずに伸びているのも確か。ハンデ57.5kgを考慮すればまあまあそれなりに走っている。距離も現状はもう少し有った方が良さそう。

サマースプリントシリーズ第6戦 第30回セントウルステークス(GⅡ)

ビッグアーサー

+4kg。ゼッケンが小さく見える程、例に依って太く映るが、今年に入ってからはこんな感じ。休み明けの問題ではない。奇数枠だったが、珍しくゲート五分。出脚自体は元々速く、そのまま行かせてハナへ。スノードラゴンが外から競り掛けて来たが、スピードに任せて突き放す形。前半600m33.1秒はまずまず速いが、4角でスノードラゴンの手応えが怪しくなるのに対し、こちらは余力充分。直線はオイデオイデの楽勝だった。単純に強い。次走中山戦でもゲートが本当に出るのか怪しい面は有るが、再度の五分ならまず負けない。

ネロ

前後肢にバンテージ。スカッと見せる毎度の造り。課題の歩様はマシになっていた。ゲートは出ているが、様子を窺っている内に、スノードラゴンに叩かれる形となり、一旦好位に控える形。交わされた直後は怯んだのか、手応えが悪くなって置かれ掛けたが、4角で再びエンジンが掛かると外から伸びてここ迄。乗り役のいう通り、アットウィルの位置に居れば、もう1馬身前に居た筈で、能力を証明する2着。ただ、前走新潟戦でベルカントに完敗しており、3着以下がダラしないという印象も強いのだが。

ラヴァーズポイント

+8kg。トモのボリューム感が際立っている。毛ヅヤも維持出来ている。出脚はネロのの方が速かったが、前述した様にネロがスノードラゴンに交わされた際に手応えが悪くなり、この馬がスッと3番手。スノードラゴンを目標に2着が確保出来ればといったところだっただろうが、坂上で交わした途端、ネロに強襲されて3着に。惜しい内容。前走小倉戦はハナへ行って失敗したが、好位で目標が有った方が良さそう。今夏使い詰めで恐らく次走辺りは疲れが出る頃だろうが、能力そのものはもう少し相手が軽くなれば充分足りる。

アースソニック

前後にバンテージ。-8kg。もう少し馬体にメリハリが欲しい。緩慢に映る。2,3番枠のエイシンブルズアイとダンスディレクターがゲート失敗して自然と好位のイン。時々引っ掛かる馬だが、出脚を使わずに行けたことで折り合いが付いた。直線向いて前も開いていたが、伸びはジリジリ。今日の内容だと2着がないと値打ちはない。ただ、折り合いが付けば一脚使えるだけに、3連勝式となると馬券から外し辛い面も有る。

スノードラゴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。毛ヅヤ真っ白で何ともいえない部分も有るが、歩様に硬さはない。例に依ってゲートは決して速くなかったが、今日は果敢に2番手。ビックアーサーの方が明らかにスピードは有ったが、バテるのも構わずマトモに追い掛けて行った。手前が替わらず坂を上がるところで苦しくなったが、試走に徹したと考えるなら悪くない内容。時計が掛かる条件で、外枠ならチャンスは有る。

第1回紫苑ステークス(GⅢ)

ビッシュ

シープスキンノーズバンド。成長した様子はないが、ディープインパクト産駒らしい肉付き。歩様がこの数字にしては抜群に深い。好発。1角迄の先行争いが少し激しくなったが、中段やや後方から。後述する様に3角でゴチャつく場面が有ったが、その前に動いたファータグリーンに付いて行く形で外目を動いていたのが正解。馬にも能力が有り、4角の手応えも抜群で少し待つ位の余裕が有った。坂を上る脚で勝負有り。坂を上がり切ってからは右手前になって馬が遊んでいた程だった。阪神戦のメンバーとは相当レベル差有るのは間違いないが、今日の内容なら2強の間に割って入れる可能性は充分。

ヴィブロス

皮膚を薄く見せて、キッチリ出来ていた。踏み込みも力強い。落ち着いていたのも何より。ゲートは五分に出ているが、少し掛かりそうな気配が有り、馬を前に置く形。中段辺りに居た。3角でビッシュやファータグリーンが先に動いたタイミングで例のアクシデントが有り、前の馬と接触したのが痛かった。この事象そのものは概ね1馬身の不利だったが、乗り役も馬にダメージがないか確認したとのことで、4角でビッシュからは5馬身程の差が出来てしまった。尤も、ビッシュは前で遊んでいたことを考えると微妙な面も有るのだが、最後が2馬身半差だから近い評価は出来るだろう。あとは折り合いが問題。次走乗り役未定とのことだが、今日の乗り役の場合、折り合い面を気にして位置取りを悪くしてしまうことが多く...。

フロンテアクイーン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。+8kg。最後方を周回していた様にテンション高い。馬体のバランスの良さはこのメンバーに入ると上位だが。出脚は速く、急かすことなくスタートして暫くは横一線だったが、坂を上り切った辺りで諦めて好位に引く形。2角手前で多少怪しい場面も有ったが、下見でイレ込んでいた割には折り合いも付いていた。3角の事象も接触はしておらず、少し馬が驚いた程度。馬群の切れ目でビッシュの外に出す展開も絶好だったが、それで後ろのヴィブロスに3馬身半もやられており、能力差は相当有る。次走負けると準オープンということになるが、そこでも若干怪しい内容。

パーシーズベスト

前後肢にバンテージ。出来ていたが、馬体に迫力がなく、特に強調する点もない。気配も地味。スタート直後に内のパールコードに寄られたことも有ったが、行く気もなく後方から。早目に外へ持ち出し、3角からビッシュに付いて行こうとステッキも飛んでいたが、この回り脚で大きく差を付けられてしまった。ここで付いて行っていればフロンテアクイーンの進路もなく、3着だっただろうが、直線はコーナーでの手応えの悪さを考えると良く差して来ている。平場500万からのいきなりでも有り、悪くない内容といえるだろう。1000万は何とかなりそう。

パールコード

前後肢にバンテージ。+16kg。休養前の前走東京戦が-14kg。当時、それ程細くは見せなかったが、変わらずスッキリ映る。毛ヅヤも悪くなく、淡々と歩いていた。先行争いに首だけ突っ込んでいたが、1角手前で引いて好位直後。少しペースが速かったとはいえ、これはこれだったが、今日はここからが不利続き。3角で締め気味に回ったところ、ウインファビラスの進路がなくなって接触する場面。4角では前のエンジェルフェイスの脚がなくて待たされ、直線も狭くなってファータグリーンとパーシーズベストの間で押し競饅頭になっていた。今日は参考外。