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競馬回顧 2016年3回京都

第130回農林水産省賞典目黒記念(GⅡ)

クリプトグラム

2人曳き。前肢にバンテージ。トモの造りが力強い。連勝馬らしい馬体の張りが有る。ゲートは五分に出ているが、引っ掛かりそうになった為、控えて中段やや後方から。眼前のマリアライトを目標に、直線もマリアライトの外へ。斤量差の関係も有ったが、一瞬で決着を付けてしまった。抜け切ってから差し返された様に見えたのは、ソラを遣った影響だろう。今後も期待が持てる勝ち方だったが、レース後に骨折が判明。年内は全休となる様。

マリアライト

2人曳き。前肢にバンテージ。前走中山戦でも出来ていたが、叩いて更に上昇。毛ヅヤピカピカ。この距離だと、出脚はソコソコ速い方だが、行きたい馬に行かせて好位直後。ただ、1角でマイネルラクリマに外から寄られて頭を上げる場面が有ったのは結構痛かった筈。2角で立て直してそこからは流れに乗って直線も伸びて来たが、56kg背負っている分、追っての脚がジワジワ。そこを勝ち馬に上手くやられてしまった。ただ、最後盛り返している様に力は見せている。こういった斤量をこなした経験も今後へ向けて大きく、東京なら牡馬相手でも。

ヒットザターゲット

昨年も決して良くなかったが、今年も良くは見せない。この馬の休み明けとしては悪くないという見方も出来るのだが。スタート直後に軽く躓いて出脚が微妙に鈍ったが、何とか中段のインは確保。枠は違ったが、最内枠から制した昨年と同じ形に持ち込めた。内からジワジワ伸びてここ迄。昨年2着のレコンダイトには先着しており、この馬の力は出し切った格好。今年は上位2頭が強かっただけ。インを突けば、というエクスキューズは付くが、それが叶えば相変わらず堅実。

レコンダイト

シープスキンノーズバンド。-6kg。マイナス体重だが、この馬にしては馬を大きく見せる。歩様も硬さがなくなった。内の馬だけ叩いてその気になれば好位辺りから競馬出来そうだったが、ジックリ乗られて中段やや後方から。4角を回ってマリアライトの直後と、上手く乗られているのだが、ワンパンチが出なかった。昨年は勝ちに行った分も有ったが、どうもこの距離だと最後が微妙に甘くなる。2500mは微妙に長いかも。

モンドインテロ

2人曳き。気配絶好。多少マイラー気味にも見える寸詰まりの体型だが、母父ブライアンズタイムの影響だろう。毛ヅヤも良かった。少し促して中段のイン。道中で少し番手を上げて、直線向いた段階では前が開いていたが、追ってからがジリジリ。ただ、最後迄伸びているのも間違いなく、恐らくは瞬発力の問題だろう。スタミナは持っている。

第83回東京優駿(GⅠ)

マカヒキ

2人曳き。前走中山戦辺りから確実に馬が良くなっている。落ち着いていて、毛ヅヤも良かった。この馬としては好発。例年なら1角のポジション争いが激しくなるのだが、今年は割と隊列がスッと決まり、出脚を使わず中段のイン。この位置が楽に取れたのは大きかった。1000m通過1分丁度だったが、良馬場のダービーで1000m通過が1分を超えると途端に内枠しか勝たなくなるのだが、今年もそのパターン。道中ではサトノダイヤモンドはこの馬の外に居たが、その差が明暗を分けた。直線では一足先にエアスピネルが抜けたところを狙ったが、外にサトノダイヤモンドも居て、締められそうになりながら、一瞬の脚でコジ開けて伸びて来た。最後は完全に首の上げ下げで、決勝線寸前では明らかにサトノダイヤモンドの方が前に居た。前走後に述べた様に良い脚が一瞬しか続かず、エイシンフラッシュタイプ。オーナーの馬運で勝った様なモノ。

サトノダイヤモンド

-4kg。当然だが、絞って来た。周回重ねる毎にテンションは上がって来たが、緩さが大分なくなっていた。ゲート五分に出て、出たなりで中段。前述した様に内にマカヒキを置く形。スローの中段、バラけた位置と絶好の展開。直線もエアスピネルを目標に、スムーズに外へ出して伸びているのだが、追い出して一瞬の反応が悪く、そこをマカヒキに突かれてしまい、しかも馬が逡巡して外にモタれてしまっている。立て直してからは良く伸びているが、首の上げ下げで負けた格好。どちらかといえばフォームはこの馬の方が重心が低いのだが、それでも届かなかったのだからツキの問題に敗因を求める外ない。力を出し切れていないリオンディーズを別にして、今日示したパフォーマンスは明らかに世代最強。オーナーの悲願は何処かで適う筈。

ディーマジェスティ

中間一頓挫が有ったとのことだが、太目が解消されており、見た目には悪くない。多少硬い程度。ゲートが少し悪かった影響も有るが、最初から内ラチ沿いを通る気はなく、内にロードクエストを置きつつマカヒキ、サトノダイヤモンドを眺める格好。直線も今日のペースでこの2頭の外ではキツい。しかも、サトノダイヤモンドが外にモタれてラスト100m程で立て直したのも痛かった。末脚の持続力ではこの馬No.1だったのは間違いなく、半馬身差なら力は充分に示したといえるが、このレースは勝者以外に価値がない。最内枠だけに頑張ればマカヒキの位置が取れた筈で、乗り役は折角の絶好枠と勝てるチャンスを無駄にしてしまった。

エアスピネル

2人曳き。前後肢にバンテージ。マイラー気質だけに少し気負っていたのはマイナス。馬は血統馬らしく、垢抜けた雰囲気。例に依って出脚を利かせて好位のイン。折り合いも付いて最高の形に持ち込めた。恐らく乗り役の中では出し抜けを意識していた様な早目の仕掛けに見えたが、ただ抜け出して直ぐに上位2頭に迫られており、突き放せなかったのは誤算だったか。最後は失速の4着。馬がマイラーなのか、相手が強過ぎるのか、両方の要素は有るとしてもやはり後者の方がウエイトは大きいのだろう。

リオンディーズ

前後肢にバンテージ。下見はアテにならない。エピファネイアもそうだったが、毎回落ち着いている。そして、抜けて一番良く見せるのも毎度。舌を括ったそうで、その効果が有ったか、抑えは利いたが、スタート直後から馬が怒っており、頭を上げていた。落ち着いのは2角辺り。直線は馬群を捌いて伸びてはいるが、前も33秒前半で上がる展開ではどうしようもない。結果的に前走中山戦で無茶した影響が出た印象も。折角の能力が中々生かせない。

第77回優駿牝馬(GⅠ)

シンハライト

前後肢にバンテージ。-4kg。減って良いことはないが、気配が良くて、毛ヅヤが冴えていたのがせめてもの救い。流石に踏み込みは1頭別格。微妙にゲートが悪かった影響も有るが、出脚も一息で後方から。道中はインで我慢させる外なく、直線もデンコウアンジュを外へ弾いて乗り役は騎乗停止となる等、無理矢理ながらも、ラスト200mで前が開くと1頭違う脚で抜け出した。着差はクビでも完勝。人気通り、力が違った。11年前に同じ3番枠で制したシーザリオもかなり馬群を捌くのに梃子摺った様に、致し方ない部分も有るのだろうが、競馬は楽に勝つに越したことはないというのは毎回述べている通り。今後の課題は馬体維持r。

チェッキーノ

2人曳き。前走よりは馬体が締まって良くなっていた。マイラー体型なのも確かだが。最初からあまり行く気はなかった様だが、馬も行きたがっており、下げて後方から。前に馬を置いて折り合わせる形。向正面ではシンハライトの直ぐ外に居た。少し外を回され過ぎた感は有ったが、4角でシンハライトを上手く内に閉じ込めたのは狙い通りだっただろう。シンハライトの決め手が凄過ぎただけで、直線向いてからはしっかり脚を使っている。ただ、トビは大きいものの、マイラーの気性が早くも見え隠れして来た。2000mは何とかなるだろうが、その先は使い方に注意が要りそう。

ビッシュ

シープスキンノーズバンド。+12kg。馬体回復したのは大きい。脚取りしっかり。外からレッドアヴァンセに来られ、これに抵抗する形で先行。中段辺りに居た。1角過ぎに引っ掛かる場面は有ったが、そこからは折り合いが付いた。1000m通過は1分を切って59.8秒、ここ迄は速かったが、そこから一気にペースが落ちたことも有り、前走と違って強気に直線手前から動いて行く形。人気2頭が後ろに居て、狙い通り出し抜けを食らわせたが、相手が強かった。ただ、地元戦の利が有ったとはいえ、2月デビュー、400kgソコソコの馬を大舞台でしっかり仕上げて来た陣営の手腕は評価されるべき。

ジェラシー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。胴が長く、ユッタリとした造り。馬を大きく見せる。今日は全く行く気なく、最後方から。直線迄待って、チェッキーノの直後。追い出しての反応が少し鈍い様にも見えたが、エンジン掛かってからはチェッキーノと同じ位の脚を使っている。デビュー当時は引っ掛かっていた馬だったが、3歳になってその点は改善。ただ、反応の鈍さは完全に解消出来ていない。これが直れば上位とも戦える馬になりそう。

ペプチドサブル

馬体に強調点はないが、中1週でも特に硬さはない。淡々と歩いていた。もう少し前に行きたかったところだろうが、外から来られて中段やや後方から。折り合いは元々問題ない馬で、ビッシュの一歩前の位置で立ち回りは間違っていないが、ラスト1Fでフラフラになって甘くなっていた。流石にこの相手で輸送込みの中1週は厳しかったが、このレースが出来るなら1000万は楽勝レベル。距離の融通性も有りそう。

第23回平安ステークス(GⅢ)

アスカノロマン

前肢にバンテージ。一息入っていた割に集中力が有った。まずまずのデキ。好発。最近は好位からの競馬が多かったが、出脚が一番速かったロワジャルダンが控えたことでそれならと促してハナへ。外枠がどうかと思ったが、楽に行けて枠の不利が消せたのは大きかった。3〜4角中間で引き付けてはいたが、4角を持ったままで回って直線向いた段階で勝負有り。一瞬の間に5馬身程のリードが出来ており、最後はオイデオイデの楽勝だった。ただ、抜け出すところでステッキがかなり入っていた辺り、ソラを遣う癖は有る様。

クリノスターオー

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。相変わらず毛ヅヤピカピカ。馬体にも張りが有り、前走中山戦で気になった頭の高さがなくなっていた。アスカノロマンに叩かれる形となったが、内の馬を全部叩いてくれた為、立て直して2番手。例に依ってというべきか、4角の手応えが悪く、アスカノロマンとはアッという間に差が出来てしまったが、それでも一杯一杯2着は守り通した。記録上は「行った行った」だが、このパターンは通常追っ掛けバテを起こす筈で、そうならなかったのはこの馬が頑張ったか、後続がダラしないかということになる。恐らくは後者の確率の方が高そう。

クリソライト

遮眼革。水平首で気配上々。歩様も力強い。例に依ってこの距離だと一瞬の出脚が一息で好位から。内ラチから2頭が間に入っており、道中の手応えは悪くなかったとしても、この枠にしては外を回されていた。4角の手応えもかなり良かった様に見えたのだが、いざ追ってからが案外。止まってはいないのだろうが、瞬発力がない。今日の手はこの距離での次善策に過ぎず、長い距離で行かせる形が向いている。

サンマルデューク

数字の割にトモの甘い造り。歩様にも力感がない。ゲートも悪かったが、何時も通り最初から行く気なく最後方から。道中の行き振りが悪く、4角でも離れた最後方だったが、直線迄待ってから外へ。前のアスカノロマンがブッちぎる展開が向いた面は有るが、ここ迄押し上げて来た。アテには出来ないが、坂の有るコースの方が確率は高い。

マイネルクロップ

繋のみのバンテージ。馬体に変わった様子はない。もう少ししっかり踏んで欲しいところ。出脚は悪くなく、好位馬群の中。ロワジャルダンの方がゲートは速かったが、進んで行かず、ずっと並走する形になってしまったのは地味に痛かった。直線向いてジリジリ伸びてはいるが、ここ迄。下見は良くなった印象がなかったが、近走のボロ負けを考えれば復調ムード。交流戦なら圏内。

第11回ヴィクトリアマイル(GⅠ)

ストレイトガール

2人曳き。珍しく気合が乗っていた。今日は前走阪神戦より歩様がスムーズ。気になった硬さもなくなっていた。好発も、内が叩ける気配ではなく、下げて中段。上手く内に潜り込んでいた。昨年の件も有って前は結構流れたが、直線は馬場の内目からノーステッキで抜け出すと、ここで一気に伸びて数馬身差のリード。この差を詰められることなく押し切った。実況通り、他馬を寄せ付けることなく、単純に強かった。昨年もそうだが、1分31秒台で走れる馬がこの馬しか居なかったということだろう。外枠の不利を乗り役の腕で消したのも大きい。

ミッキークイーン

2人曳き。3歳時は馬体細化に苦しんだ馬で、数字をキープ出来たのは何より。毛ヅヤも良かった。このメンバーでも出脚は互角だったが、無理せず中段やや後方から。このペースでストレイトガールの近い位置なら展開的にもベストだっただろう。直線向いて、ストレイトガールの手応えが良いのを確認すると、直後に進路を取ったのも正解。競馬は全て上手く行っているが、マイルと時計勝負の適性がなかった格好。追い出すと一瞬の内に前と離れてしまった。2着確保が地力と見て良いのでは?

ショウナンパンドラ

前後肢にバンテージ。-10kg。数字は絞れたモノ。スカッと見せて本来の状態。歩様のキビキビ感も好印象。上へジャンプする様にゲートを出てしまい、ダッシュ付かず後方から。それでもミッキークイーンの位置が取れていればまだ違ったのだが、その外に居たことで4角も大外へ行かざるを得なくなってしまった。この時計でも有り、その上でのミッキークイーンとのハナ差は勝ちに等しい。あとは毎回15番枠のクジ運だろう。馬連導入前の単枠指定が有った時代ならまだしも、GⅠで3回連続同じ枠番というのも滅多にない珍記録。

スマートレイアー

前後肢にバンテージ。年齢が年齢で大きくは変わらず。前走阪神戦でも結構良く見せていた。乗り役は行けたら行く位の気持ちだっただろうが、多少ゲートで安目を売ったのと、今日はレッドリヴェールが引かず、3角手前で譲る形。更に抑えが利かなくなったカフェブリリアントが動いて来て、前は息が入らない展開になってしまった。その中では誤魔化していた方だろうが、最後に甘くなってしまったのは止むを得ないところだろう。ミッキークイーンやショウナンパンドラとの実績の差を考えるとこれでも良く走っている。それだけ競馬が上手くなっているということ。

ルージュバック

2人曳き。3歳時から劇的に成長した訳ではないが、実が詰まって来た。確実に良くなっている。ゲートは互角程度だったが、出脚は有って中段。縦横共良い位置が確保出来た。4角でストレイトガールと並走と、この時点でも上手く運べていたが、直線の反応が鈍く、最後の最後に伸びて来た格好。これも距離が短い様な印象。ただ、ミッキークイーンやショウナンパンドラも適性という点では似た様なモノで、この2頭とは能力差が有る。

第61回京王杯スプリングカップ(GⅡ)

サトノアラジン

-8kg。絞れた点には好感。気配が大きく変わったとは思わないが、数字分だけ締まった印象。半馬身程出遅れて後方から。向正面では我慢させている様に見えたが、逆に3角過ぎから少し手が動いている様に見えた。そんなチグハグな状態で外から直線突き抜けたのだから強い。上がり32.4秒もスローとはいえ、簡単に出せる数字ではない。前走中山戦で述べた様に広いコースが合っているのは間違いないのだが、どうも掴みどころがない。昨年よりは強くなっているのは確かだが、次走は何とも。

サンライズメジャー

前後肢にバンテージ。-8kg。これも間隔の短い休み明け3戦目で絞れた分だけ上向いたといった程度。デキが良くなった様には見えない。出脚で誤魔化しているだけでサトノアラジン以上の出負け。ただ、外でダッシングブレイズ等に行かれたことも有り、腹括って後方から。追い出しも負けてるだけ待って仕掛ける形。戸崎騎手も、恐らく前は捕まえる自信が有っただろうが、それ以上にサトノアラジンが伸びたということだろう。平坦の方が良績残していた馬だったが、新味が出たといえそう。

ロサギガンティア

今年初戦。気の良いタイプで、気配は良かったが、少し緩い。上位2頭程ではないが、これもゲートが微妙に悪く、少し出して好位のイン。ただ、先行争いというより、押し付け合いになって隊列決まる迄少し時間が掛かっており、もう一つ前の列で競馬したかったところか。その分、ポジション確保してからは少し行きたがっていた。内を捌いてこの馬としては脚を使っているが、舌がハミを越しており、最後は少し甘くなった。詰めが甘いのは何時ものことでは有るが、今日は一応休み明けが言い訳となるか。

ダッシングブレイズ

トモに迫力が有って見栄えがする。歩様にも力感が有った。大外枠だったが、この馬なりに積極的に乗られて中段から。序盤に頭を上げる場面は有ったものの、直線向いて出て来た来た位置もそれ程悪くなかったが、追っての反応が鈍い。この馬自身も内にモタれていたが、外から上位2頭に行かれてしまい、この馬は最後の最後に伸びて来た。1400mは明らかに短い。

アイライン

前肢にバンテージ。この相手だと迫力負けするが、小さいなりに良く出来ている。出脚がサッパリで後方から。最初からインに入れて、決め打ちの追い込み。外に持ち出せず、暫く待っている場面も有ったが、坂を上がって一瞬の脚は際立っていた。急かせると良くなさそうだが、1400m以下なら決め手はオープンでも通用する。

第21回NHKマイルカップ(GⅠ)

メジャーエンブレム

前肢にバンテージ。スプリンタータイプのシュウジを別にすれば1頭馬が違っていた。毛ヅヤは馬体の張り等、むしろ前走阪神戦以上。好発。今日は前走の轍を踏まぬ様、今日は気合を入れてハナへ。物語を考えると、これに競り掛けて行く勇気は他馬になかった。坂下では結構引き付けていたが、坂の途中で突き放すと、そのリードを一杯一杯振り切った。追い出しはもう少し我慢させても良かっただろうが、今日はスタートから馬の能力を信じて強気に乗った形。ロードクエストに後述する不利がなければやられていた可能性も有るのだが、ラチを頼れれば馬は間違いなく強い。乗り役は前走の失敗を半分返せたのでは? 前走負けてここへ回って来た格好だが、距離は保つ筈。ここ迄来たら目指すは父の妹ダイワスカーレットへの道。

ロードクエスト

2人曳き。-6kg。少し気負っていたのは許容範囲。間隔詰めた3戦目で、良くなっている印象もないが、デキに問題はなさそう。馬体は締まっており、歩様も問題ない。この馬にしてはゲートは出ているが、後方から。これはこれだが、3角でハクサンルドルフが下がって来た際に追突。躓く様な格好になって、リズムを欠いたのは痛かった。メジャーエンブレムが引き付けた為、後続が横に広がったのもこの馬には不運だったか。内外大きく離れての3/4馬身差は乗り役も悔いが残るだろう。勝てるレースを落としたといえばそうだが、そもそも中山戦を目指したのがボタンの掛け違いの始まりという気もしないでもない。2歳時のブランドを保ったまま、最初から東京戦だったなら、果たしてメジャーエンブレムも出走して来たかどうか。二兎を追って全部逃した感が強い。

レインボーライン

少しチャカつくが、数字の割には大きく見せるタイプ。ゲートは速い方だったが、大外枠で無理せず中段。例に依って外は回されたくないところで、前に馬を置く形はコーナーでは変えず、直線向いてから外へ。この馬らしく、ジワジワだったが、長く良い脚を使っている。前走中山戦で述べた様に広いコースの方が向く。結果的に外枠で良かったといったところ。例年の水準級とはいわないが、恐らく昨年のクラリティスカイよりは強い。

ダンツプリウス

前走中山戦でも述べたが、少し腹回りがボテッと見せるのは同馬主ダンツフレームに良く似ている。しっかりゲートを決めて先行。器用さ一本の馬で、例に依って立ち回りにはソツがなく、直線向いてメジャーエンブレムに4馬身程なら勝負圏内だったが、内に居たブランボヌールが外にモタれて来たのは痛かったかも。そこで前との距離が離れてしまった。流石に単純な決め手勝負になると分の悪さが出てしまう。強いていえば、結果的にもう少し内枠が欲しかったかも。3角手前辺りでイモータルが上がって来た際に引いており、この事象の影響でブランボヌールの幅寄せを食らった格好になっている。

トウショウドラフタ

シープスキンノーズバンド。マイラー体型。トモは緩いが、踏み込みは深い。ロードクエストと同レベルの出遅れで後方から。内に居たが、少し掛かっていた。直線はスペースを探しながらだったが、坂を上がった位で前は開いており、最後はむしろ甘くなった様に見えた。折り合っていれば3着は有った内容。今年に入ってスローでも折り合いは付いていただけに案外感が残る。今年の成長だった筈の部分がなくなってしまった。今日の競馬だけをいえばマイルは少し長い。

第38回新潟大賞典(GⅢ)

パッションダンス

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬格が有って、元々良く見せるタイプだが、馬も張っていた。中々歩様も力強い。戦前から想定されていた逃げ馬2頭が行ってその直後。少し急かせると掛かる部分も有る馬だが、新潟は出脚を使わずに先行出来るので折り合いが付く。新潟とはいえ、比較的スローだったが、ラスト200mで前を捕まえると、例に依って大トビの走法で危なげなく押し切った。回転数が少ないので一線級相手だとキツいのだが、新潟で少し相手が軽化すると持ち味が発揮出来る。人気はなかったが、ハンデが特に恵まれた訳でもなく、順当勝ち。先週のカレンミロティックもそうだが、今年は8歳馬が穴を開けるケースが多い。

フルーキー

前後肢にバンテージ。毛ヅヤピカピカ。止め絵に問題はないのだが、少し歩様が硬い。中段で折り合いを付ける形。多少折り合いが怪しいのは何時ものことで、インで上手く脚を矯められた。直線向いても伸びてはいるが、馬群を捌きながらで前が捕まえ切れなかった。ただ、追い出した時の脚勢から3着馬と僅差になる理由がない。最後は明らかに甘くなっており、ちょっと距離が長そうに見えた。正月の中山戦で述べた様に、ベストは1800mでは?

シャイニープリンス

前後肢にバンテージ。気配は地味だったが、馬体は緩んだところもなくしっかり踏めていた。ゲートは速い方だったが、内の出方を窺いながら好位。パッションダンスを眺めながらの競馬だから作戦としてはバッチリだった。追って右手前だった時は真っ直ぐ走っていたが、左手前に替わってフラフラ。その分、伸びを欠いた。左回り自体は問題ないが、キングヘイロー産駒らしく良い脚が長く続かない面は有り、東京や新潟ならマイルの方が誤魔化しが利く。

ダコール

スカッと見せるのは何時ものこと。毛ヅヤも悪くなく、特に減点材料はない。ゲートは出ているが、下げて中段やや後方から。それでも何時もよりは前で競馬していた。追ってからもそれなりに伸びているが、58kg背負って決め手勝負となると分が悪かった。実績考えると58kgは見込まれ過ぎでも有るのだが、能力の問題というよりは、競馬のイロハの問題ということになるだろう。

マイネルミラノ

遮眼革。+10kg。立派になったというより、腹回りが弛んだだけ。毛ヅヤも一息。ゲートを決めてハナ。枠の並びも有って、メイショウナルトが控えてくれたことでスンナリ行けた。それなりに頑張っているが、速い脚はない。雨が降って時計が掛かった方が良いだろう。33秒台の脚はない。

第64回京都新聞杯(GⅡ)

スマートオーディン

2人曳き。前後肢にバンテージ。前走阪神戦と変わらず。瞬発力身上で歴代の世代最強クラスと比較すれば見劣るが、この厩舎らしい迫力は有る。距離延長で最初から行く気はなかっただろうが、ダッシュが付かず、後方から。乗り役お得意のバラけた位置でも、結構引っ張っていた。馬が納得したのは向正面辺り。ただ、そんな形でも3角から何時でも動ける外へ持ち出し、4角で中段、直線向いて仕掛けられると楽々突き抜けて見せた。着差以上の余裕。馬場が乾いてくれたのは良かった。今年何度も使っているフレーズだが、これで例年の水準級。つまり今年は相手が強い。ただ、以前にも述べた様にダノンシャンティ産駒は良くも悪くもダノンシャンティというケースが多く、気性面のコントロールが中々難しいのだが、今のところの出世頭が父が所属した松田国英厩舎というのは偶然ではないのだろう。

アグネスフォルテ

下見は少し煩いタイプ。数字の割に馬を大きく見せて、毛ヅヤも良かった。ジワッと行かせて2番手。ちょっと力んでいる様に見えるのは何時ものこと。これでこの馬としては流れに乗れている。坂の下りで逃げたカルムパシオンを見切り、スローの展開を早目に出し抜け食らわせる様な形で最高の乗り方だったが、今日はスマートオーディンが強過ぎた。これも東京戦だそうで、ここは出走するだけになりそうだが、ただ今年のレベルの高さを考えると古馬相手でもいきなり通用しそう。そこが馬券の狙い目に。

ロイカバード

前後肢にバンテージ。-10kg。細く見せず、数字は勝負懸けて造って来た分だろうが、相変わらずチャカつく。ゲートは出ているが、折り合いに専念して後方から。尤も、その甲斐はなく、1角で思い切り頭を上げており、最初から外へ持ち出していたが、向正面辺り迄は引っ掛かっていた。直線向いてスマートオーディンには一瞬で交わされたが、目標にしていたブラックスピネルとの追い比べは制して3着。今年のレベルを考えると力はソコソコ持っていそうだが、重賞で3着続きという運のなさはネックかも。特に今日は造っていただけに...。1000万なら単勝1倍台でも圧勝するのも間違いないのだが。

ブラックスピネル

+8kg。腹回りが少し緩んで映る。馬はこのメンバーでも負けていないが。好発。出脚も有る方だが、1角迄距離が短い2200m戦ということも有って好位直後の外。何時もより位置取りが後ろになった分か、これも少し掛かっていた様に見えた。直線はロイカバードとの競り合いに負けて4着。先行馬が外々回されたのは応えた筈で、多少太かったのも言い訳にすれば2着以下との能力差はそれ程ないだろう。

エルプシャフト

前後肢にバンテージ。この血統にしては歩様がスムーズ。馬体も纏まっている。出遅れ過ぎでは有るが、ゲートが悪いのもこの血統故で最後方から。4角でもスマートオーディンを追い掛ける様な気配ではなく、単純な直線勝負。重心の低い走法には好感が持てるのだが、右手前のままで伸びあぐねた。例年なら新馬即でも何とかなるのだろうが、今年のレベルでは通用しなかった。ただ、素質を持っているのは間違いなく、条件戦から改めて。

第153回天皇賞・春(GⅠ)

キタサンブラック

前肢にバンテージ。気合は乗っていたが、前走阪神戦でも出来ていた。暖かくなって毛ヅヤが良くなった程度。好発。ゲート出てから決めたそうだが、そのままハナへ。最内枠から先行されると中々競り掛け辛く一瞬で隊列を決めたのは大きかった。トゥインクル辺りがマクりを狙っていたフシも有ったが、道中もペースを余り落とさないことで他馬の進出を防いでいる。逃げながら後方の動きを止めるというのは乗り役の腕以外の何物でもない。直線も一旦はカレンミロティックに首程出られながら差し返しており、全盛期の岡部幸雄騎手を観ているかの様だった。武豊騎手はこれで天皇賞・春は7勝目だそうだが、最も満足の行く騎乗では? 戦前は逃げない方が良いだろうと述べたが、今日は出脚を使わずに行けたことが功を奏している。次走阪神戦になるだろうが、距離短縮すると出脚を求められそう。逃げない方が良いのは間違いない。

カレンミロティック

前後肢にバンテージ。見た目には昨年と変わらず、前走阪神戦よりは確実に馬体が締まっており、叩いて順当に良化。微妙に出負けしていたが、出脚でスッとキタサンブラックの直後へ。出脚を使っている分、多少行きたがったが、元々ハンドリングは良い馬で折り合いは付いた。キタサンブラックのペースが絶妙で、当然この馬もその恩恵は大きく、直線向いてゴールドアクターを弾いてキタサンブラックに並び掛けた際にはやったかに思われたが、最後は差し返された。ハナ差、しかも4cm差だそうだが、人気を考えたら大健闘。今更ながらディスタンス戦は器用さが大事。負けた理由を探せば、ゲートの失敗が最後の最後で出た形になるが、これも毎回述べているキタサンブラックの物語性と興行力にやられたというのが正確なところだろう。ただ、止め際の歩様が明らかにおかしかった。これも阪神戦になる様だが、恐らく用なし。

シュヴァルグラン

2人曳き。デキ自体は前走阪神戦辺りから良くなっていたが、今日はイレ込キツい。ゲートは普通に出ているが、枠の並びの関係で目の前に居たトーセンレーヴが下がって来て、その隙にアドマイヤデウスに入られてしまい、内ラチ沿いはキタサンブラック-カレンミロティック-アドマイヤデウスと並んで、その直後。今日の展開ではこれで仕方がない。直線向く迄動くに動けず、最後は多少脚を余しての3着。アドマイヤデウスの位置が取れていたら際どい競馬になっていた。いきなりの58sでこの結果なら実質的な勝ち馬といって良い。

タンタアレグリア

シープスキンノーズバンド。この距離にしては煩い馬が多い中で、1頭気配を消していた。胴長の造りで多少トモが甘いのは何時ものこと。ゲートは出ているが、外を回らされそうな気配が有り、内へ潜って後方に控える形。折り合いは付いた。負けた以上、この手が最善ではなかったということだが、枠順を考えたらこれはこれで仕方がなかった。2周目4角で上手く馬群を捌いて比較的コースロスなく立ち回って来た。3F34.3秒はメンバー中最速の上がり。ただ、トビが大きいタイプで、窮屈な競馬は向いていない様に見える。内々を立ち回って結果が出るかどうかは微妙な面は有る。

トーホウジャッカル

前肢にバンテージ。-12kg。細く見せるという程ではなかった。スカッと見せてこれはこれ。小走り入っていたが、これはこの馬のパターン。むしろ大人しい位。スタート直後に好位置を取ろうと促していたが、内外から行かれて結局は中段やや後方。少し掛かり気味になっており、2周目3〜4角の中間からゴールドアクターを目標に進出。一瞬は夢を見るかの様な脚色だったが、最後に甘くなった。正攻法が結果的に強引過ぎたということになるが、一応は復調ムード。

ゴールドアクター

2人曳き。デキ自体は良かったが、例に依ってチャカつく。何時もよりヒドいかどうかは微妙だが。好発も、一瞬行く素振りを見せたサウンズオブアースが控えてしまい、中段やや前辺りから。淡々と流れている様に見えて外は多少出入りが有り、ところどころで行きたがっていた。人気だけに早目に動くのは当然で、直線入口でキタサンブラックの1馬身位迄持って来たが、そこでガス欠。負け過ぎ感も有るのだが、長距離戦でミスが有るとこんなモノという気もしないでもない。今日は枠に殺されただけで参考外にしたい。

第23回テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

ヴァンキッシュラン

前後肢にバンテージ。重厚な造りで、馬は1頭抜けている。落ち着きも有った。出脚は有りそうだったが、ジワッと行かせて中段。向こう正面に入った辺りで前との間隔が大きくなったが、前の馬を総じて行きたがっており、この馬は折り合いが付いていたので差が出来た格好。直線向いて直ぐ追い出していたが、ラスト200mで前を捕まえると後続にセーフティリードを付けて快勝。追い出して左手前だった際に内にモタれていたのが気になるといえば気になるが、力は間違いなく上。時計はレースレコードでこそないものの、2004年ハイアーゲームの2分24秒1にコンマ1秒。そのレベルは有るだろう。

レッドエルディスト

まだ筋肉が付き切っていない馬体。歩様にももう少し伸びが欲しい。例に依って出脚一息で、後方に近い位置。折り合いは付く馬で、ジックリ構えて直線勝負。ヴァンキッシュランには届く気配ではなかったものの、ジワジワ最後迄真っ直ぐ走っていた印象。良い脚を長く使えるタイプ。ダービーで勝ち負けになるかといわれると厳しいだろうが、まだ馬体も若いだけに先々は走って来そう。

レーヴァテイン

良し悪しは別にして、ガサがない分だけ完成度が高い。ゲート出ないのは血統故。少し促して中段やや後方。折り合いは問題なく流れに乗れていたが、直線向いてヴァンキッシュランの直後に居ながら一瞬の内に離されてしまった。プロディガルサンを交わして格好は付けたものの、明らかに能力差が有るやられ方だった。今年はレベルが高いのも確かだが、このレースを制した兄2頭より劣る。見た目に完成度が高いだけにこれ以上が有るかどうかも微妙。

プロディガルサン

+8kg。落ち着いていたが、数字分だけ少し緩慢に映る。ゲートはソロッと出していたが、掛かり気味に好位へ。ずっと力んでいた様に見えた。上位馬の上がりが速い分、スローのレースに映るが、実際はソコソコ流れており、道中、これだけ脚を使ってしまうと終いが保たない。尤も、折り合っていたレーヴァテインとは0.2秒差で、能力の絶対値は差がない。賞金は恐らく足りる馬で折り合いひとつ。

メートルダール

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。気配は上々。皮膚を薄く見せてコンパクトに纏まった馬体。出遅れ1馬身不利。スタート直後に頭を上げて行きたがる素振りを見せており、後方で馬を前に置いて折り合いを付ける形。4角手前から動いて、直線向いてプロディガルサンと並走していたが、トビが大きいだけで前に進んで行かない。早目に動いた分、最後は脚が上がっていた。見どころなしの内容。

第51回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)

チェッキーノ

2人曳き。良くいえばフックラした造りだが、まだ馬が緩い。歩様にももう少し伸びが欲しい。前走中山戦と違い、ゲートは五分に出て中段から。比較的縦長の展開となり、大外枠の割に2角以外はコースロスなく回って来れたが、直線、特にラスト2Fの伸びは1頭ケタが違っていた。単純に強い。またしてもレースレコードで、例年の勝ち馬よりは強いだろう。その点では次走も圏内。ただ、距離が微妙。春迄は何とかなる可能性も高いとはいえ、血統はマイラー。コディーノよりはトビが大きい印象も有るのだが...。

パールコード

前後肢にバンテージ。-14kg。数字が有るので細く見せない。デビュー戦からすると22kg減となり、これよりは締まった印象も有るのだが、前走中山戦との比較では全く変わらない。ゲートで若干分が悪かったとはいえ、出脚は悪くなさそうだったが、クィーンズベストに叩かれる形となったことも有って、少し行きたがったのは痛かったかも。東京とはいえ、その分何時もより番手が下がった。直線迄待ってチェッキーノと一緒に伸びて来たが、ラスト200m辺りからの決め手が違っていた。チェッキーノとは能力差大きい。ただ、これで例年の水準クラス。

アウェイク

前後肢にバンテージ。一息入ったが出来ていた。歩様も力強い。スタート直後に外から寄られる展開となったが、自分のスペースを上手く確保して中段から。チェッキーノやパールコードと似た様な位置に居た。内から少し外へ持ち出し、上位2頭が抜け出した後から追い込んで3着。中々渋太い。ただ、外へ持ち出した際にかなり外へフクれて、モタつく場面が有った。あれがなければ2着は際どくなっていただろう。まだ馬が若い。

フロンテアクイーン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。チャカつくのは毎度。馬体が増えた点には好感。スタート直後に内外の馬と接触している影響も有るのだろうが、掛かってしまい、更に2角手前でまたしても同じ馬2頭に内外でサンドイッチされる形。先団馬群には居たが、下見が気負っていただけに隊列落ち着く前にこの手の不利が有ると競馬にならない。最後は力尽きた格好の4着だが、これで良く粘っている方だろう。賞金的に足りる筈で、出られれば思い切って狙ってみる手も。

ビッシュ

シープスキンノーズバンド。400kgソコソコの馬だけに、馬体減が良いことはないが、見た目は何とか走れる範囲。歩様にも硬さはなかった。最初から行く気なく最後方から。これはこれで良いが、今日の展開で4角大外は芸がなかった。ただ、上がり3Fはチェッキーノと同じ34.6秒。最速ならまだしも、同じ脚というのは評価が下がるのでは?

第47回読売マイラーズカップ(GⅡ)

クルーガー

前後肢にバンテージ。ガッチリとした造りで、数字通り大きく見せる。もうチョイ踏み込みに力強さが来れば理想的。出遅れ1馬身不利。腹を括って後方で折り合いに専念。4角迄はダノンシャークの直後に居て、坂を下ってダノンシャークの内に飛び込めたのが大きかった。最内が開く形となり、ダノンシャークをクビ差凌いだ。尤も、直線入口で横一線の展開となり、開幕週のインに居た利が大き過ぎるレースになった。能力判定不能。次走は余程のことがない限り、厳しいだろうが、恐らく人気にすらならない。

ダノンシャーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。毎度ながらデキに問題はない。ただ、もっとシャープな方が走るイメージは有るが。珍しくゲート五分。とはいえ、行かせると引っ掛かる馬で、中段から。インで決まる競馬で上手く立ち回れたが、前述した様に結果的にはラチ沿いを狙うべきだった。クルーガーの進路が出来てしまい、この着差だけに惜しい。ただ、決め手勝負で勝って来た馬が後ろからの馬に差された事実は大きい。もっと矯めないとダメという気もしないでもないが、能力の衰えと受け取ることも出来る。

クラレント

+10kg。馬体が緩い。増えた分も有るのだろうが、年齢も感じるところ。出脚を聞かせてジワッと1Fでハナに立ったが、実際に逃げるつもりはなかった様で、サンライズメジャーとアルマワイオリに行かせる形。軽い馬場の平均ペースは得意とするところで、こうやって楽に行かせられると渋太い。内外からやられたのは現状の能力だが、太い影響も有っただろう。大崩れも多くなって来たとはいえ、能力自体は全盛期からそれ程衰えていない。

フィエロ

軽い造りは毎度。今日は重厚感の有る馬が揃ったが、これはこれで見栄えがする。海外遠征帰りでも、デキに問題ない。ゲートがほんの少しだけ悪く、積極的に乗れない形となったところを内外から行かれて番手が下がってしまう形。3角ではほぼ最後方。しかも、3角過ぎから少し行きたがる素振りを見せており、更に展開を悪くしてしまった。ただ、直線向いて右手前のままで、内にモタれていたのは気になった。これだけ毎回人気になりながら重賞未勝利で、今日は乗り替わりも大きかっただろうが、相変わらず微妙に競馬が下手。

アルバートドッグ

皮膚を薄く見せて高値安定。手先のスナップが利いていた。ゲート自体は五分だが、出脚が一息で後方から。これも道中引っ掛かりそうになっていたが、何とか宥めた。ただ、今日は直線の捌きが失敗。ダノンリバティとフィエロの間を狙ったところ、フィエロが内にモタれて進路がなくなり、その外へ立て直す場面。最低1馬身の不利が有った。それでこの着差なら強い競馬をしている。戦前は期待したが、やはり能力は持っている。距離もこの位が良さそう。