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競馬回顧 2016年1回阪神

第30回フラワーカップ(GⅢ)

エンジェルフェイス

2人曳き。前肢にバンテージ。トモが盛り上がっており、馬はここへ入っても上位。歩様も力強い。好発。出脚も速く、スッとハナへ。隊列を一瞬で決めたことで1000m通過61.5秒とスローに落とせた。ただ、直線向いて突き放す程の脚はなく、今日の展開だともうちょっと差を付けても良かった。完勝は完勝だが、上のレベルに行くと疑問も。未勝利脱出に3戦要した様に相手なりのタイプかも知れないが...。

ゲッカコウ

ちょっとチャカつくが、馬体にはメリハリが利いている。出脚はアオイサンシャインの方が速く、前から3列目。オカマ掘りそうになる場面は有ったが、道中は折り合いが付いていた。直線は暫く前が開かなかったが、脚で外の馬を弾いて際どい2着争いを制した。マイネルの馬らしく、中々勝負強い。出脚が甘いので、距離はもう少し延びた方が良さそう。その方が小細工が生きる。

ウインクルサーテ

前後肢にバンテージ。-6kg。毛ヅヤは良かったが、流石に貧弱。直ぐ内のエンジェルフェイスが逃げる形になったが、その利は使わず中段から。上手くインへ潜り込んだ。直線は思い切って外へ持ち出し、良く伸びたが惜しい3着。成長して来れば重賞にも手が届きそうだが、400kgソコソコの馬が既に6戦を消化。この使い方では馬は良くならない。

ギモーヴ

前後肢にバンテージ。少し間隔が開いたが、ほぼ出来ていた。少し硬さが有る程度。出負け気味だったが、仕掛けて好位。道中は折り合いが付いていたが、4角が少しズブく、直線も外にモタれていた。エンジン掛かってからは渋太く伸びており、現状はユッタリ運べる東京向き。

エテルナミノル

後肢にバンテージ。初芝だが、馬体はかなりスッキリ映る。歩様も軽い。エンジェルフェイスの先行策に乗って2番手。出脚も有って、スッと流れに乗れた。ただ、4角で少し並び掛けそうになる場面は有ったものの、そのあとは差が詰まらなかった。初芝でこれだけやれれば上等だが、この手のタイプは決め手不足という可能性も高い。

第65回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

マウントロブソン

皮膚を薄く見せて、芦毛にしては毛ヅヤが良い。スカッとした造りもディープインパクト。出ムチが入っていた程、出脚が鈍かったが、1角迄距離のない中山1800mでは枠の利が大きく、好位から。出した分、少し力んだだけで折り合いは問題なさそう。1角進入時ではインに居たが、早目に何時でも動ける外へ。4角であまり外を回したくなかったのか、7枠2頭の前で少し待っていたが、この2頭に脚がなくその間にマイネルハニーに突き放されてしまった。クビ差でも、このロスが有りながら捕まえたのだから大したモノ。次走は相手が強力だろうが、この手の馬は時計勝負に強い。レコードが出る様な馬場なら一発も。

マイネルハニー

2人曳き。+6kg。ちょっと太いのと、毛ヅヤが一息。ただ、気配は良かった。デキの問題はなさそう。アドマイヤモラールのゲートが速かったが、それを1角で制してハナへ。1000m通過60.3秒と単騎で行く形としては理想的なペース。坂を上がって突き放し、やったかと思ったが、最後の最後に捕まった。惜しい2着。マツリダゴッホ産駒で回り脚が速いのが中山向き。前走中京戦も稍重だった様に、少し緩い馬場も向いていそう。

ロードクエスト

2人曳き。キビキビ歩けていた。馬体もキッチリ出来ていた。下見だけメンコを付けていたが、レース直前に外す。ゲートが速い方ではなく、例に依って後方から。しかし、今日の展開で4角最後方では厳しい。これでも良く追い込んでいる方だろう。このメンバーなら地力は一枚上。ただ、コーナリングが少しぎこちなかった様に中山は不向き。東京なら突き抜けて良いが、次走も中山とのこと。

プランスシャルマン

前肢にバンテージ。数字よりは馬を大きく見せる。歩様も悪くない。スタート直後から結構押していたが、出脚がイマイチで中段。しかし、2角過ぎから番手を上げて積極的に動いて行く形。1,3着馬は外を回らされていたことを考えると上手く行ったが、あと一歩の4着。最後はミッキーロケットにも捕まりそうになっていた。上位とは能力差大きい。

ミッキーロケット

気配上々。大きく見せる馬ではないが、一歩一歩が力強い。ゲート内で暴れたのが響いて、出遅れ2馬身不利。最後方から行くしかなく、今日はこの段階で絶望的。ただ、流石はルメール騎手で、4角で上手く馬群を捌いてあと一完歩在れば4着だった。能力は持っている。

第64回阪神大賞典(GⅡ)

シュヴァルグラン

2人曳き。-10kg。前走京都戦より上向いた。毛ヅヤと馬体の張りが良化。最初から行く気なく、中段やや後方から。急かしていないので折り合いも付いた。有力どころの中では一番後ろに居た格好だが、前の馬が動いたのを見て、抜群の手応えでマクる形。2周目4角では乗り役も勝ちを確信していた表情だった。坂下で先頭に立ち、上り切ってステッキを入れると突き放した。完勝。ただ、前走はレーヴミストラルに2kg差ハンデを貰いながら完敗。今日は55sで、58kg背負わされることも有り、次走本命ではない。

タンタアレグリア

シープスキンノーズバンド。スカッと見せるのは毎度。もうちょっとしっかり踏んで欲しい気もするが。出たなりで中段から。折り合いは付いていた。前のトーホウジャッカルの動きを見て仕掛ける形になったが、2周目4角でシュヴァルグランに抵抗するのがやっと。坂を上る迄は何とか食らい付いていたが、そこで力尽きた。しかし、悠々2着は確保。良馬場だったらこれ位は走れる。

アドマイヤデウス

2人曳き。暖かくなって、毛ヅヤは前走京都戦以上。馬体に張りが有った。落ち着きが有ったのが前走と違う点。逃げる想定も有った様だが、カレンミロティックが主張して、その直後から。一瞬だけ追突しそうになったが、数馬身間隔を取ってからは折り合いもスムーズ。ただ今日は2周目4角の捌きが大失敗。カレンミロティックのインを狙ったが、微妙な狭さで入り切れず、待っている間に前2頭が抜けてしまっていた。馬が頑張った3着。次走京都戦で狙い目となるかどうかは、前と離されただけに何とも言えないところは有るのだが、昨春と違ってこの距離でも折り合いが付いたのは収穫。

タマモベストプレイ

1回叩いて順当に良化。歩様に多少力がないのは血統故。出脚の良さも血統でスッと2番手。2周目4角でトーホウジャッカルの気配を察して動いたが、外から来た上位2頭の勢いが違っていた。内で詰まっていたアドマイヤデウスにも捕まってしまい4着に。過去に散々述べて来た様に、道中で無駄なことをしないニュータイプで、その分、兄達と違い距離が保つのだが、3000mとなると少し長いのかも。

マイネルメダリスト

-12kg。体型も有るが、前走東京戦はボテッと映っただけに、これはこれ。出脚は速かったが、先行激化を嫌って中段から。ラチ沿い通れたのは大きかった筈。勝負どころでは、上位2頭がマクってから外へ持ち出す形。最後迄ジワジワ伸びているが、右手前のままだったのが少し響いたかも。左回りの方が良いタイプ。

トーホウジャッカル

2人曳き。+18kg。馬体回復自体は良い傾向だが、少し腹回りが緩い。前3頭の出脚が速かったが、少し出し気味に4番手から。1周目4角迄はちょっと力んでいた様に見えたが、そこからは折り合いが付いた。2周目3角過ぎから積極的に動いて行ったが、4角で既に脚がなくなっていた。見せ場なしの惨敗。今日は休み明けが言い訳になるが、次走変われなかったらかなり厳しい。

第30回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

トウショウドラフタ

シープスキンノーズバンド。落ち着いていたのが何より。馬体、歩様共力強い。ゲートをソロッと出して後方に近い位置。乗り役が相当自信を持っていたのか、直線は他馬を全部行かせて最後に大外へ。1頭違う脚だった。戦前述べた様に、道中で余計なことをしなくなり、折り合いが付く様になったのが大きい。切れるタイプだけに道悪は良いと思わないが、折り合いが付いているとその影響も最小限に留められる。あとはマイルへの適性。

ブレイブスマッシュ

2人曳き。前後肢にバンテージ。少しテンション高いが、馬体はシャープ。ゲートは出ているが、行く気なく下げて後方から。4角ではトウショウドラフタと似た様な位置に居たが、こちらは内を突く形。中京でこんな馬場なら必ず前は開くのだが、上手くすり抜けて来た。そこでシゲルノコギリザメとの追い比べになったが、これを制して2着確保。道悪は間違いなく鬼。

シゲルノコギリザメ

毛ヅヤが大分良くなって来た。馬体に張りが有って、まずまず。無理矢理抵抗しようと思えば出来た範囲だが、ミスキララが出張して控える形。しかし、前は不良馬場で58.4秒で飛ばしており、離れた2番手で正解だった。2着以内で賞金加算出来なかったところは能力とペースだろうが、あと一歩。恐らく道悪は得意。距離も1400m位の方が合っている。

マディディ

2人曳き。前肢にバンテージ。淡々と歩いていた。迫力はないが、バランスの取れた造り。スタート直後から全く進んで行かず後方から。ずっと押していた。直線向いてから暫く反応しなかったが、最後にエンジンが掛かって4着に。恐らく距離が短い。外国人ジョッキーが乗っていたので競馬になっただけ。

ラズールリッキー

前肢にバンテージ。450kgの割に見栄えがする。ただ、気配が散漫。枠が遠いだけで、出脚が抜群に速く、好位の外。道中は結構行きたがっていた。この馬場でこの形は結構キツい筈だが、最後迄諦めずに頑張っている。気性的に距離は短い方が良いだろうが、根性はピカイチ。何時かハンデ戦で一発期待出来そう。

シュウジ

寸詰まりだが、迫力有る馬体。古馬相手でも圧倒しそうな威圧感。出脚でジワッと好位。このペースでもかなり押さえていたのは流石のスピードだが、3角辺りで一回ノメってしまうと、そこからはどうしようもなかった。今日は競馬にならず。参考外。

第34回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

シュンドルボン

前後肢にバンテージ。毛ヅヤ冴える。歩様が力強く、馬体もパワフル。恐らくは枠順決まった段階からの決め打ちだっただろう、ルージュバックをマークする形で後方から。3〜4角中間もルージュバックに連れる様に動いて、差し切り。ルージュバックにアクシデントも有ったが、実績を考えたら大金星といえるだろう。こういう馬場が合っている。

ルージュバック

2人曳き。気合が乗っていた。馬体もいきなりから出来ていた。中段やや後方の外。出たなりで折り合いに専念。途中で動いた馬はそのまま行かせ、直線もしっかり脚を使っているが、シュンドルボンに捕まってしまった。小細工なしで競馬して普通に勝ちパターンだっただけに案外感は残るのだが、左前を落鉄していたとのこと。今日はこれを言い訳にしたい。

メイショウスザンナ

前後肢にバンテージ。-6kg。胴長の造りだが、歩様が力強い。毛ヅヤも良かったが、元々そんなに悪い印象はなかった。中段のインから。内外で違いは有ったが、昨夏札幌戦と同じく、脚を矯める競馬が出来た。直線で少し外へ持ち出してここ迄。先行させると伸びないことが多く、この形が合っている。マクった馬が多かったのも良い方に向いた。遮眼革外した効果も有ったかも。

アルマディヴァン

少しテンション高いが、許容範囲。高値安定。ゲートも決めたが、引っ掛かるよりはとハナへ。多少仕掛けていたが、ハナへ行ってからは折り合いが付いた。1000m通過が63.7秒とスロー過ぎたことで、フレイムコードとリメインサイレントが来て行かせる格好になったが、直線は馬群を割って伸びている。ただ、この馬は牡馬相手の方が走る変わり種。限定戦の成績が悪い。

ハピネスダンサー

前後肢にバンテージ。-6kg。ちょっと硬い印象も出て来たが、若い頃から馬体は見栄えする。ゲートは速かったが、外枠の馬が先行して中段に控える形。ただ、今日の展開でルージュバックやシュンドルボンに先を越されると一手遅い。坂下ではシュンドルボンと並走位の位置関係だったが、こちらは前に馬が居た。重賞でも圏内だが、今年の3走は勝てるチャンスが有ったのを逃している印象も。

第50回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

ソルヴェイグ

-6kg。雰囲気は悪くはないが、気配は地味。出脚利かせて好位のイン。向正面ではサルドナが内に居たが、3角で控えてくれたのが結構大きかった。出脚で無理していないので折り合いも付いた。直線は自然と前が開き、坂を上るところでソラを遣ったのか、頭が上がりそうになっていたが、上り切ってもう一伸び。戦前述べた様に3番手グループの大接戦だったが、枠がモノを言った格好。高い評価は出来ない。

アットザシーサイド

これ以上は煩くなって欲しくないところ。ただ、馬体が筋肉が浮いて、数字の割に良く出来ている。ゲートは五分程度だったが、中段から。道中は折り合うというより、少し促している様に見えたが、直線向いてからは良く伸びている。前述した様に今年の中では低レベルの一戦でも、このメンバーでは一番強い競馬。距離ももっと延びた方が良い。

キャンディバローズ

テンション高いが、馬体が増えたのは何より。馬体に丸みが有った。出脚は一番速かったが、少し内のソルヴェイグに抵抗される形。ハナへ行く迄に少し走らされた。3〜4角中間で少しリードを広げ、ソルヴェイグに交わされながらもなんとか2着は確保の態勢だったが、坂を上がって甘くなった。ソルヴェイグに突かれたのが少し痛かったとはいえ、今日の競馬で2着がないのは頂けない。昨秋の重賞制覇はフロックと見るのが妥当。

ダイアナヘイロー

-4kg。非力なのか、歩様が直ぐにブレてしまう。馬も少し緩い。半馬身程出遅れ。後方待機策を余儀なくされたが、道中は口を割って少し掛かっていた。4角の捌きも後手に回っているのだが、それでも1頭違う脚で追い込んで来た。今日は乗り役のミス。権利が懸かっていただけに勿体ない内容。ただ、この馬自身は成長すれば重賞の一つや二つは楽に勝てる筈。この厩舎だけに過度の期待も禁物だが...。

ソーディヴァイン

2人曳き。前肢にバンテージ。チャカついていたが、馬は520kg有り、雄大な造り。キャンディバローズの先行策に乗って2番手。何とか宥めようとしていたが、かなり力んでいた。直線は伸び切れずの5着という形だが、フォームそのものは結構力強い。本職のダートなら結構良いところ迄行くのでは?

第52回中日新聞杯(GⅢ)

サトノノブレス

変わらず上々。口泡と飛ばして、気配も良かった。出脚は速い馬だが、急かさず好位。インに拘らず、終始何時でも動ける位置に居た。直線向いてからの反応が一瞬悪いのは前走京都戦同様だが、そこからが渋太い。レーススタイルとしてはスローの上がり勝負だが、インに居たら瞬時の反応がなく伸びていなかっただろう。58kgとこの馬の癖を生かした好騎乗。菊花賞2着馬だが、前走少し甘くなったことを考えると、現状、距離はこの位の方が良さそう。

ファントムライト

毛ヅヤ冴える。馬体も締まっていた。出脚はサッパリだったが、戦前からの決め打ちだった様で、無理矢理押して3番手へ。ただ、直ぐに折り合いが付いた。ヤマニンボワラクテを目標に、といってもヤマニンボワラクテが中々交わせなかったが、外からサトノノブレスが来てもう一伸び。昨秋の福島戦は少しコーナーでモタついた様に見えたが、広いコースは合っていそう。東京の道悪で狙ってみたいタイプ。

レコンダイト

+12kg。元々は細身の馬。これはこれで良さそう。ただ、今日は明らかに煩い。好発。内へ何頭か叩く形になったが、外から来られて中段に控える形。上手くインに潜り込めたが、直線向いてサトノノブレスがモタつき、そこで待たされたのが痛かった。バラけてからは伸びており、2着は有った競馬。やはり良馬場ならこれ位は走る。インに入れたのは結果だけをいえば騎乗ミスだが、下見が煩かっただけに止むを得ない面も。乗り役には同情の余地が有る。

ヤマニンボワラクテ

前後肢にバンテージ。脚長で見栄えする。毛ヅヤは怪しいが、歩様も力強い。外からロンギングダンサーが逃げたが、抵抗しつつ2番手。外枠からの先行策だが、折り合いが付いて比較的楽に行けた。ただ、4角で少し力んだのが結果的に痛かったかも。坂を上がって少し甘くなった様に見えた。中京実績で人気になっていたが、オープンだとこんなモノかも。ただ、明らかに力の要る馬場は得意。北海道でも狙える。

バウンスシャッセ

-6kg。前走は勝つには勝ったが、デキ一息。絞れて今回の方が遥かに良かった。折り合いに専念して中段やや後方のイン。前走と違い、折り合いは付いていた。直線は手応え充分だったが、直線向いて前が壁。サトノノブレスの後を狙ったが、レコンダイトが塞いでしまい、どうしようもなかった。勢いを考えるとスムーズなら勝っていたのでは? 55.5kgは少し見込まれた気もしたが、本当に力を付けている。

第53回報知杯弥生賞(GⅡ)

マカヒキ

2人曳き。垢抜けた造りという意味ではリオンディーズに分が有るが、推進力の有る歩様。毛ヅヤが冴えており、デキ自体が良い。出遅れ1馬身不利。1角は馬を前に置いて折り合いを付け、3角手前から少しずつ番手を上げて、4角で中段。この回り脚が速かった。坂下でエアスピネルを捕まえると、ゴール前寸前でリオンディーズも交わしてみせた。後述2頭は引っ掛かる場面が有ったとはいえ、土曜日の牝馬戦に続いてレースレコード。2分切ったのも中々センセーショナルだ。しいていえばこのレースを追い込みで勝った場合、ダービーでは好走するものの、皐月賞で案外というパターンが多いのだが、ここ迄来ると歴史に惑わされているということになるのかも。

リオンディーズ

前後肢にバンテージ。まだ3戦目の馬で使う毎に良くなっている。明らかに兄エピファネイアより上。落ち着いていたのも何より。ちょっと出脚が鈍かったが、1番人気で後方へ付ける訳にも行かず、少し気合を付けたところ掛かってしまい、4番手。それでも4角は抑えきれない手応えで、前を一気にマクり、先頭で出て来たが、マカヒキにアッサリやられてしまった。とはいえ、この馬も2分切る時計で駆けている。ゲートが悪かったのは気になるが、前へ行ってあの脚が使えたのは流石。あとは気性面。例年なら楽勝のレベルだが...。

エアスピネル

2人曳き。前後肢にバンテージ。今日は落ち着いていた。馬体も大幅に良くなった印象はないが、前走阪神戦以上。スタート直後から行きたがっており、宥めて中段から。道中も引っ張る程ではなかったが、少し力んでいた様に見えた。4角でリオンディーズの直後。絶好の目標にもなった筈だが、交わせず終い。今日は器の差を見せ付けられた格好。次走、奇襲を打たない限りは逆転はない。

タイセイサミット

前後肢にバンテージ。まだ馬が緩い。上位馬とはトモのボリューム感でも差が有る。これもスタート直後は少し行きたがっていたが、直ぐに折り合いが付いて中段のイン。4角迄は食らい付いていたが、直線は勝負にならなかった。ただ、こういった経験が後々生きて来ることも多い。これはこれで貴重な財産。

アドマイヤエイカン

連闘で-6kg。叩いて馬がシャキッとした。踏み込みもしっかり。出脚が甘い馬で、急かしても後方から。岩田騎手らしく、終始インを回って来たが、ここ迄。上位馬が凄いのだろうが、この馬自身も少し成長がない。

第11回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

エイシンブルズアイ

前後肢にバンテージ。多少腹回りがボテッと映るが、体型も有ろう。キビキビ歩けていて、近走は高値安定。マイルの後で出脚が鈍り、後方に近い位置。3角過ぎから少しオッツケていた様にも見えたが、直線向いてからの伸びが中々ダイナミック。今日はハクサンムーンの勝ちパターンだった筈で、今日は単純に強い。今年に入ってからの使い方に疑問符も付くが、ベストは1200mか。次走は中京戦とのことだが、左回りさえこなせば有力。

ハクサンムーン

2人曳き。例に依って下見は最後方を周回。良いとも思わないが、悪くもない。下見だけでは判断し辛い馬。最近は出脚が鈍っている印象も有ったが、今日は速かった。一瞬の内に2馬身抜けていた。600m32.7秒で飛ばしたが、それでも単騎で行けたのが大きかった。4角回って坂下で後続を突き放す場面。やったかと思ったところでエイシンブルズアイに差されたが、この馬の肝ともいえる出脚を見せたのは大きい。ただ、次走はミッキーアイルとの兼ね合いが微妙。

スノードラゴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。+10kg。太いというより緩い。ただ、1年以上休んでこれなら良く出来ている方。元々出脚が有る方ではなく後方から。これも4角の手応えがそこ迄良かった訳ではないのだが、エイシンブルズアイの外へ持ち出されるとジワジワ伸びてここ迄。力は見せた。父アドマイヤコジーンは2回の骨折を乗り越えてGⅠV。以前に述べた様に外枠と道悪が好走条件だが、この2つが叶えば復活の場面も有って良い。

ネロ

前後肢にバンテージ。-8kg。今日も少し歩様が一息。馬体も緩く映った。今日も出脚が一息だったが、押して好位。早目にハクサンムーンを捕まえに行ったが、突き放されて後続にも差される形。格の違いを見せ付けられた。賞金的にGⅠは出走可能だろうが、歩様の悪さを考えると立て直して秋に備えた方が賢明だろう。

アルビアーノ

何時ものこの馬。歩様も昨秋から良くなっている。時々出ない時が有るのだが、今日も出遅れて後方から。4角でも最後方、直線向いてエンジン掛かったところで寄られて進路がなくなり万事休す。立て直してからも伸びており、脚は見せた。純粋スプリンターではないので、あの位置に居た気もしないでもないのだが、今日の経験は大きいだろう。

第23回チューリップ賞(GⅢ)

シンハライト

前後肢にバンテージ。緩んだところがなく完成度高い。ただ、少し歩様が硬い。ゲートはやや後手。スタート直後に少し行きたがっており、宥めて後方。ジュエラーのほぼ真横。隊列が決まってからは折り合っていた。4角でジュエラーを締めて回ろうとしていたが、ウインファビラスが一旦外にフクれたところから返って来る形になり、ジュエラーには進路が出来てしまった。その上で追い比べを制したのだから価値が有る。時計も優秀で、今年流行りのレースレコード。例年ならメジャーエンブレムでどうしようもないところだったが、逆転の目も出て来たか。

ジュエラー

2人曳き。-6kg。相変わらず線は細いが、トモの造りが牝馬の中では別格。ただ、少しテンション高い。前走京都戦よりはゲート出ており、中段やや後方のイン。スタート後1F辺りの勢いは怪しかったが、前走よりは折り合いが付いていた。前述した様に直線はスムーズに外へ持ち出し、良く伸びているが、最後の最後でシンハライトに捕まった。首の上げ下げというよりは、最後にフワッとしたところを差された感が強い。決め手ではシンハライトに分が有ったと見る外ないだろう。ただ、これはあくまで個性の問題。この馬も能力は示した。

ラベンダーヴァレイ

+20kg。馬体増は好感。もっと増えても良い位だが、今日は気配が良かった。出脚は速い方だったが、内の馬が何頭か行ったのを見て、好位に控える形。折り合いはスムーズだった。直線でクィーンズベストが少し外へ持ち出したところで内を突き、ペースを考えたら最高の競馬が出来たが、外から2頭。これで負けたらどうしようもない。とはいえ、今日は権利が取れたのが何より。

クィーンズベスト

前後肢にバンテージ。-8kg。数字は減ったが、全体に丸みの有る身体付き。ただ、連闘でも気配は地味。好発。少し押して2番手から。外国人ジョッキーに多いパターンだが、逃げた馬 (ヴィブロス)にピッタリくっ付いて行く形。直線向いてからも伸びているが、最後は決め手の差か。ただ、1分33秒1はほぼ自力で叩き出した時計。差して来た馬とは違い、この点は別枠で評価すべき。

デンコウアンジュ

前肢にバンテージ。今年初戦だが、出来ていた。もう少し歩様に力強さが出れば。例に依って1馬身程出遅れたが、枠の利で中段。リカバーは上手く行った様に見えたが、追ってから少し内にモタれていた。それでも、権利が有る馬だけに試走としてはまずまずといえるが、上位馬とはやはりスケールの差が大きい。

カイザーバル

前後肢にバンテージ。前走京都戦でも良く見えた。好調持続。恐らく最初からの決め打ちだったのだろうが、ゲートをソロッと出して後方のインへ。権利がなかっただけにこれはこれだが、直線で見事に前が壁になった。坂を上がる途中で何とか前は開いて、中途半端に脚を見せているだけに尚のこと悔やまれる。良馬場なら差はないが、不完全燃焼。

第90回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ドゥラメンテ

+18kg。腹回りはむしろスカッと映る。トモに迫力が出て、休養前以上。ゲートは少し悪かったが、意外に出脚が速くスッと中段。道中の折り合いも意外な程付いていた。4角手前から一気に動いて坂下で先頭。外からアンビシャスに迫られたが、抜け出すのが早かった分だろう。完勝だった。恐らく出脚が良くなっているのもパワーアップしているからこそだろう。父キングカメハメハはエビで競走馬生命を絶たれたが、骨折だったのが不幸中の幸いで、間違いなく休養が良い方に働いた。次走はUAE遠征となる様だが、大本命となるだろう。

アンビシャス

2人曳き。+6kg。3歳時は頼りないイメージも有ったが、最早別馬。馬体に厚みが増した。アオる様にゲートを出てしまい、後方から。ただ、今日は1800mということも有って折り合いが付いた。ドゥラメンテが先に動いたのは見えていた筈だが、直線迄待ってからの追い出し。外から1頭違う脚で伸びて来たが、僅かに届かず。斤量差が有るだけに完敗なのだが、中山でこれだけ走れば本格化といって良いのでは? 坂を上がって重心がグッと沈んだ走法が本物の証。

リアルスティール

2人曳き。+8kg。少しテンション高い。数字はこれでも良いが、やはり歩様が少し非力。出脚は有る方で道中は中段のイン。直線もそうだが、ところどころで内にモタれていた。立ち回りは上手く行っているのだが、もう一伸びがない。次走は乗り役交代させる様で、スムーズに競馬出来ていないだけに止むを得ない選択だろう。ただ、ドゥラメンテと違い、この馬の場合は骨折して昨秋無理矢理使ってしまった。勿論程度は違うのだが、昨秋の結果が悪かったことも有り、無理が今に祟っている感も有る。

フルーキー

前後肢にバンテージ。ちょこまかした歩様。毛ヅヤはピカピカ。何時ものこの馬。今日は少し前の位置を取りに行ったが、出脚で差が有って、ドゥラメンテの直後。イスラボニータが向正面で動いた際に少し連られそうになっていたが、それ以外は折り合いも付いていた。ドゥラメンテの直後だから展開的にはドンピシャだが、それでもちょっと離されてしまった。1800mは手堅いが、底が見えた印象も。

レッドレイヴン

少し煩い。毛ヅヤは悪くなかったが、腹回りが少しボテッと映る。昔から出脚が有る方ではなく後方から。全く人気がなかっただけに腹を括って内を回り、前のバテた馬を交わして入着。次走狙える様な内容ではないが、賞金を咥えて来たのは何より。乗り役は最高の仕事が出来たといって良いのでは?

第60回阪急杯(GⅢ)

ミッキーアイル

+8kg。デキ自体は元々そんなに悪くない。馬体は増えたが、休み明けとしては及第点。ゲートは五分だったが、出脚で一瞬でハナ。1000m56.4秒だから決して遅くないが、道中は引っ張り気味の逃げだった。直線もスピードを生かしてそのまま押し切り。この手の馬は勝てる展開の幅が狭いことが多く、逃げた方が確率は高くなるが、スピードは一枚違った。ただ、1200mとなると純粋スプリンターでない限り、逃げて勝つのは厳しい。昨年の様に馬場が荒れた方が確率は高いだろう。

オメガヴェンデッタ

前肢にバンテージ。下見は後方を周回。-12kg。数字は絞れたモノ。歩様も柔らかみが有る。最近はゲートが怪しいイメージも有ったが、五分に出て中段やや前から。ソコソコ流れたことも有り、折り合いは付いていた。展開的には追っ掛けバテしそうな形だが、坂を上がって内からプラヴィッシモに出られながら、差し返して2着。これ迄平坦ばかりを使われて来た様に、登坂力が若干怪しいながらも、中々渋太い。力は付けていると見て良さそう。チャンスが回って来る日も近い。

プラヴィッシモ

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。ひとりで曳けていた様に落ち着いていた。馬体も厚みが有ってまずまず。ミッキーアイルの出脚には敵わなかったが、この馬の出脚で好位のイン。最高の立ち回りで一瞬は2番手に上がったが、オメガヴェンデッタに差し返された。開幕週でも有り、今日の内容で2着がないのは評価が下がる。オープンだと少し足らない。

ミッキーラブソング

首でリズムを取って気配上々。少し手先だけで歩いている感は有るが、スカッと見せていた。出脚は速くなさそうだったが、スタート直後から押して何とか中段。3〜4角中間で少し息を入れて、直線は外へ。追って頭が高く、ジリジリだったが、急かしている分も有るだろう。マイルなら前走京都戦の様に前に行っても競馬になるが、1400m、特に今日の様な速い馬が居る組み合わせになると矯めた方が確実か。

サドンストーム

前後肢にバンテージ。-8kg。前走京都戦は太かった。絞れた分、休養前よりむしろ良く見せる。筋肉が浮く様になった。この馬にしてはゲートが出た方で中段やや後方から。道中はインで我慢して、直線はゼロスを弾いて多少強引ながらもミッキーラブソングの外へ持ち出し、4着同着迄。ただ、前述した様に基本的には好位勢が追っ掛けバテする展開。あまり評価出来る内容ではない。

レッツゴードンキ

+10kg。多少チャカつく。少し太いが、馬体はパワフル。出脚でミッキーアイルにやられて2番手。以前を考えるとこれでもマシなのだろうが、やはり少し力む面は有る。その分、直線も伸びを欠いた。ベストはハナ。

第25回アーリントンカップ(GⅢ)

レインボーライン

少し緩く映る位だが、馬体フックラ。それでも430kg台の割に馬を大きく見せる。造り自体は良く出来ている。ゲートとは出ているが、出脚が一息で後方から。流れに乗る迄、暫く間が有った様にも見えたが、3〜4角中間でエンジン掛かってからは良い脚を長く使っている。ただ、掲示板圏内が全て同タイムと差は僅か。乗り役の腕で勝った感も強い。GⅠとなると厳しそう。

ダンツプリウス

レインボーラインとは対照的に500sを超える馬だが、バランスの取れた造りで大きく見せない。シゲルノコギリザメの出ッパが少し悪く、先団グループが固まる形になったが、それを見ながらジックリと。前走中山戦も器用さ一本で勝った様な競馬だったが、今日も器用さが有るからこそこの位置が取れる。道中でロスがないので、直線向いてもちゃんと伸びているが、内の馬には競り勝ったものの、外から勝ち馬に来られた。惜しい内容。名前の通り、中々省エネ。今日は外枠だったが、内枠なら強敵相手でも。

ロワアブソリュー

馬振りではこのメンバーに入ると断然。あとは気性面。ゲート最後入れはプラスに出るかと思ったが、また出遅れて後方から。ただ、諦めが悪かった前走京都戦と違い、今日は腹を括っていた分、折り合いが付いた。大外から伸びているが、レインボーラインとの間に1頭ビップライブリーが噛んでしまい、これが少し外へフクれた影響で届かなかった。能力そのものは最上位。トビが大きいので一瞬の脚がなく、差す形に拘るのも良いとは思わないのだが、気性面を考えると現状はこれがベター。

レオナルド

2人曳き。皮膚を薄く見せる。馬体もコンパクトに纏まっており、瞬発力タイプ。外に速い馬が居たが、この馬としては出た方。少し促して2番手から。2番手確保する迄に時間は有ったが、そこで折り合いが付いた。ただ、1000m通過のペースは平均的だったが、シゲルノコギリザメが出遅れながら行った分、序盤が若干流れて差し有利の展開になって、踏ん張りが利かなかった格好。この馬自身も、出脚を強化させた方が競馬が楽になる。

アーバンキッド

2人曳き。前後肢にバンテージ。腹回りが緩慢だが、歩様は力強い。出脚は速かったが、引っ掛かりそうになり、好位に待機。それでも少し行きたがっていたか。坂下で一旦は先頭だったが、そこからが甘くなってしまった。引っ掛かった割には良く粘っているといえるが、今日は競馬が中途半端。