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競馬回顧 2016年2回京都

第33回フェブラリーステークス(GⅠ)

モーニン

オーストラリアンブリンカー。前走で述べた通り、馬自体が上位。歩様に力感が有る。コパノリッキーで行けない位、スプリンタータイプが何頭か行って、何時もよりはやや後方から。それでも何時も通り、4角で早目に動いて前に取り付き、ラスト200mで先頭に立つとそのまま押し切った。勝てそうで勝てない根岸ステークス組だったが、レコードが出る馬場が味方した感は有る。今日は普段より後ろから行っていた様にマイルは微妙に長いのは間違いないだろう。良馬場だと怪しい部分が残る。

ノンコノユメ

2人曳き。前後肢にバンテージ。毛ヅヤピカピカ。軽い造りは相変わらず。この馬にしてはゲート出た方だが、出脚が付いて行けず後方から。暫く押しているのに付いて行けなかった。3角で追い付いたが、直線向いて暫く反応せず、今日は絶望的かに思われたところから伸びて来た。地力を見せた2着。土曜日の様な馬場ではなく、当日晴れてくれたのはまだ良かったが、レコード決着になると追い込みは厳しい。

アスカノロマン

毛ヅヤは大差ないが、前走中京戦より馬体が締まっていた。この相手だと出脚が厳しく、先団馬群の一番後ろ。それでも行き脚が付いてからの行き振りは悪くなかった。直線は外へ持ち出し、ノンコノユメの1馬身前。一瞬の反応はノンコノユメより良かったし、実際伸びているのだが、惜しい3着。決め手では負けたが、競馬の幅を見せた。今後、器用さが武器になりそう。

ベストウォーリア

前後肢にバンテージ。ちょっとボテッと映る。7〜8割のデキ。あまり行く気はなかっただろうが、出脚は悪くなく、中段辺り。流れには乗れていた。直線向いて前のロワジャルダンが伸びたことで進路も出来たが、少しジリっぽくなってしまったか。能力の問題というよりは、少し重目だったのと、馬場適性の問題が大きい。出来れば時計が掛かった方が良いタイプ。

ロワジャルダン

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。大分力強さが出て来た。本格化。スッと流れに乗って好位。悪くない位置だったが、モーニンが3角手前で外から来た際に少し掛かったのは痛かったか。それでもモーニンを目標に伸びているのだが、最後は追っ掛けバテの格好。この馬場でもう一踏ん張りを期待したが、この馬の場合はもっと雨が残って欲しかったクチか。

第50回小倉大賞典(GⅢ)

アルバートドック

-8kg。馬体スッキリ。踏み込みに力強さも有った。ゲートは分が悪い方だったが、何時も通り後方でジックリと。折り合いは付いていた。少し馬場が悪かったのと、前述した通り前が流れた影響も有って、昔の小倉らしいマクり合戦の様な展開に。結果的にインに居た利が大きかった。ラスト100mで抜け出すとダコールの強襲を僅かに凌ぎ切った。数完歩後には態勢入れ替わっており、全てが上手く行っての勝利。これが松田博資厩舎にとって最後の重賞となる様だが、佐賀出身の松田博師だけに偶然ではないのだろう。

ダコール

-14kg。これも絞れたと見て良さそう。気配も悪くなかった。これもゲート若干分が悪く後方から。手応えが良かったことも有るが、アルバートドックとは対照的にこちらはマクりに行く形。マクるといっても、最後の方に仕掛けているだけに、展開としてはハマっている。良く伸びたが、アルバートドックにあの競馬をされては仕方がない。58kgのトップハンデでも有り、実質的な勝ち馬。

ネオリアリズム

2人曳き。+20kg。数字程太くはないが、冬毛が目立ち、馬体は見栄えが悪い。出遅れ1馬身不利。これも後方から。少し序盤は行きたがっていた様に見えたが、それでも3角から果敢にマクッて行く形。少し外に膨れたが、ほぼマクり切るだけの脚が有った。ただ、直線は少し内にモタれ気味。3着は細かいロスが響いた格好だが、そこが修正出来れば勝ち負けになりそう。この厩舎なら楽しみは有る。

ケイティープライド

前後肢にバンテージ。全体に硬い。使い込んで落ちてきている。出脚が速く、内の馬を叩いたが、更に外から行った馬も多く、結局中段から。出脚を使っていないので折り合いも付いており、マクり合戦で内に居た利も大きかったが、上位馬とは決め手が違った。この馬が一番上手く運べており、それで勝てないとなると重賞はかなり遠い。

ハピネスダンサー

前後肢にバンテージ。胴長の造り。この時期にしては毛ヅヤが良い。少し仕掛けて中段から。ペース的には悪くない位置だったが、出入りが激しい展開となっただけに息が入れ辛い形たったかも。ジワジワ来ているが、切れるという感じではなかった。

第66回ダイヤモンドステークス(GⅢ)

トゥインクル

2人曳き。前後肢にバンテージ。-14kg。前走京都戦が太かっただけ。出たなりで中段。行き振りは良かったが、2周目3角迄はジッと待機。しかし、そこからの手応えが他馬とは全く違っており、4角で先頭に立つと直線は独走だった。記録上は稍重だが、見た目は不良馬場。未勝利脱出も2分35秒掛かった不良馬場で、こういう馬場は鬼。2走前の中山で経験値不足と述べたが、オープンで2走して来た経験も大きかった筈。

フェイムゲーム

2人曳き。遠征は別にして、過去最高体重。多少立派かも知れないが、過去3年で一番良く見せた位。馬が若い。ゲートが少し悪かったことも有り、メリハリを付ける競馬で後方のイン。道中は少し掛かる位の行き振りだった。2周目3角から馬群を捌いて進出。直線は外に持ち出されて、前と5〜6馬身程だったが、トゥインクルも同じ脚で伸びていた。結果的に位置取りの差ということになるが、ハンデも背負っていただけに仕方がないところ。毎回述べている通り、中々重賞3連覇は難しい。自分の力は示した。

ファタモルガーナ

前肢にバンテージ。-6kg。叩いて順当に良化。歩様も伸びていた。少し出して1枠2頭を叩いて中段のイン。普段ならこれで良い位置だが、バテて来る馬も居てちょっと待たされたかも。その間に上位2頭とは離れてしまった。向いてからは一瞬良い脚を使っている。尤も、昨年と同斤量。2着馬は0.5kg増量していただけに言い訳なし。大きな能力減はないとはいえ、ここからの上積みも見込み辛い。

タンタアレグリア

シープスキンノーズバンド。スカッと見せていた。気配に乏しいが、距離が距離だけにこれはこれ。数字通り出来ていた。道中の行き振りは悪くない様に見えたが、追ってからが伸びそうで伸びなかった。明らかに道悪適性に差が有る。トゥインクルの項で述べた様に経験で変わる可能性は有るのだが、血統は良馬場向き。今日はこれで良く走っているといえるのでは?

マイネルメダリスト

遮眼革。腹袋がしっかりしており、内臓は強いのだろうが、その分少しボテッと映る。あまり行く気はなかった様だが、出脚は速く好位のイン。内でジッとしていたが、直線は伸びずバテず。道悪が得意とも思えないが、良馬場だと決め手負けするだけにこれはこれで良かったかも。重賞だと少し苦しい。

第51回京都牝馬ステークス(GⅢ)

クイーンズリング

-6kg。減って良いことはないが、数字の割にトモの造りが大きい。脚長で見栄えがする。ここへ入ると馬が一枚上。この馬としてはゲート出た方で好位から。道悪も有って、何とか折り合っていた。直線向いた時の雰囲気はすぐ前に居たスナッチマインドの方が良かったが、外へ持ち出してからは良く伸びた。差し優勢な馬場状態で、中途半端な位置取りにも見えただけに、展開的にはマジックタイムの勝ちパターンだった筈。単純に馬が強い。

マジックタイム

前肢にバンテージ。-8kg。絞れたと見て良さそう。少しチャカついていたが、デキは文句なし。道中は中段やや後方。出脚は余り良さそうではなかったが、行き脚が付いてからの手応えはまずまず。4角で少しゴチャついたのは少し痛かったが、直線の脚は1頭際立っていた。届かなかったのは勝ち馬との底力の差だろう。ただ、戦前は穴人気していた様にこういう馬場は得意。

ウインプリメーラ

前後肢にバンテージ。今日も落ち着いていた。馬体の雰囲気は前走の方が良かった気もするが、しっかり踏めていた。好発。出脚も速かったが、スプリンタータイプが先行したことで引いて好位から。ただ、ちょっと道中の手応えが悪かった。4角でも押し通しで、圏外の手応えに見えた程。諦めずに差して来ている辺りは馬も力を付けてきているといえそうだが、道悪は恐らく向かない。

スナッチマインド

下見だけパシュファイヤー。前肢にバンテージ。雨で分かり辛いが、毛ヅヤは悪くなさそう。馬体も締まっていた。ゲートは五分程度だったが、少し促して好位直後。4角の手応えが抜群で、脚も有ったが、追い出して一瞬の間に内へ切れ込んでしまった。真っ直ぐ走っていれば勝ち負けだっただろう。勿体ない競馬に。社台系の良い馬に乗せて貰うことも多い菱田騎手だが、昨年のラストインパクト等、最近粗相が目立つ。

ウリウリ

下見は最近の中でも一番。硬さがなくなっていた。少し出して中段やや前から。直線は一瞬だけ脚を使っているが、57kgを背負っていることも有り、この馬場では伸び切れないの止むを得ないところ。以前を考えたらこれでも良く走っている。尤も、こういった適性が変わって来るのは衰えのサインで有ることも多いのだが...。

第50回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

ディーマジェスティ

取消明けだが、数字分だけ多少太い程度。気配はヤル気充分。ゲートも少し悪かったが、中段やや後方から。今日は内の馬場、特にコーナーのグリップが悪そうで、この馬も少し手応えが悪かった様に見えたのだが、直線向いて少し外へ持ち出されるとしっかり脚を使って突き抜けた。人気馬が走っていないので、能力評価が難しいのだが、根性は評価出来る。未勝利上がりでいきなり重賞を勝った辺り、相手なりに走れるタイプなのだろう。強敵相手でも馬券には必ず絡めたい馬。

イモータル

イレ込みキツいが、毛ヅヤピカピカ。馬体も見栄えする。デキは文句なし。出脚が速く、スッと好位の外。壁がない展開で少し手応えが良過ぎる様な気もしたが、この馬場だけにこれはこれで良かったか。気分良く行っている分、最後が甘くなって何かにやられるのは止むを得ないところ。この馬場でも自分の力は出し切れた。一線級とは能力差も感じつつも、左回りで巻き返しに成功。

メートルダール

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬体は迫力有るが、少しイレ込む。ゲートは出ているが、行く気なく後方から。乗り役の話ではハートレーをマークしていたとのこと。ただ、今日はこれが見当違いだった。ハートレーがサッパリで、4角で既にアラアラ。アテが外れた格好。上位2頭が内を回っいたのとは対照的に、この馬は大外へ持ち出さざるを得なかった。最後は内にモタれながらも良く伸びている。馬装通り、頭の高い走法で、この手のタイプは道悪がマイナスにならない。

リスペクトアース

前肢にバンテージ。-8kg。数字より軽快な造り。それでいて、歩様もしっかり。好発。出脚も速くハナへ。1000m通過60秒丁度と理想的なペースで行けた。ただ、馬場が気になったか、何度か突っ掛けた様なフォームになっていた。最後迄止まっている様にも見えないのだが、雪崩込んだだけ。この馬自身、それ程決め手が有るタイプではないとはいえ、良馬場の方が良さそう。

ファイアクリスタル

2人曳き。毛ヅヤが冴えないのは牝馬故に仕方がないが、ちょっと歩様が非力。馬体そのものは負けていない。スタート直後に他馬と接触したが、積極的に出して行って中段。向正面では少し掛かる場面も有ったが、直ぐに折り合いは付いた。直線はフラフラながら、最後迄止まっていない。今日の馬場ではノーチャンスで、土曜日に限定戦が有っただけに勿体ない気もするのだが、この経験そのものは今後に生きて来そう。

スマートオーディン

2人曳き。+12kg。結構攻め馬やっていたが、微妙に太い。ダノンシャンティ産駒だけに落ち着いていたのは何よりだが。やや出負け気味。少し力んでいた様に見えたが、これは何時ものこと。直線迄待って、綺麗に外へ持ち出せたが、追って案外。ただ、内に居て、これも多少ノメッていた様にも見えた。今日は馬場を敗因にしたい。

ハートレー

手先だけで歩いている様に見えるのは前走中山戦同様。馬体がそれ程目立つタイプではないが、皮膚を薄く見せて、デキ自体は問題なかった。今日はゲート五分。枠なりに外を走っていたが、何度もノメッていた。4角でアラアラだった。大敗は横山典弘騎手の何時ものパターンで追っていないだけだが、それでも掲示板はなかった。これも馬場を言い訳にするしかない。

第109回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

サトノクラウン

-6kg。馬体が減っており、出来ていたというより、むしろ少し寂しく映る。ゲートは少し悪かったが、この馬場でも行き振りが良く、好位から。道中も自分から進んで走って行く雰囲気で、3角から多少出入りの激しい競馬になったが、そこは我慢させて、坂の下りでノメりながらも進出すると、あとはオイデオイデの楽勝だった。恐らく血統だろうが、道悪適性は相当。今日は最初不良で、途中から重馬場になったが、後半レースの方がむしろ時計が掛かる様になっていた。

タッチングスピーチ

+8kg。牝馬でも迫力満点。毛ヅヤも良かった。珍しく好発。少し促していたが、これも何時もより進んで行く感じが有って中段やや後方。コーナーでも、それ程置かれる雰囲気はなく、ちゃんと反応して差して来た。乗り役の話ではそれでもズブかったとのことだが、道悪が問題ない以上、時計が掛かった方が誤魔化しが利くという面は有りそう。牡馬相手にこれだけやれた以上、一線級とも能力差はない。

アドマイヤデウス

2人曳き。ちょっと煩いが、デキ自体はまずまず。馬も張っていた。出たなりで中段のイン。ずっと内に居たが、岩田騎手でも今日の馬場は外に出したかった筈。4角が特にヒドかったが、かなりノメッていた。その証に直線は馬場の真ん中まで持ち出している。その中での3着は良く走っているといえるだろう。GⅠでは足らないとしても、GⅡならチャンスは続く。

ヒストリカル

テンション高いのは何時ものこと。デキは悪くない。出たなりで、後方の外をジックリと。3角からタッチングスピーチを目標に、直線は併せ馬の形になったが、一瞬の反応自体はタッチングスピーチに勝っていたものの、差し返された様な格好に。距離も長いのかも知れないが、この馬場で折り合いが付いただけにちょっとダラしない内容。底力でやられた感が強い。

ヤマカツエース

+12kg。太く見せず。元々脚長でバランスの取れた馬だったが、そこに筋肉が付いた。目下充実している。前走中山戦同様、距離を意識して中段やや後方から。ただ、裏目に出た前走と違い、早目に外に持ち出して上手く乗られた様に見えたが、直線の途中迄勢いが有ったものの、ラスト1Fで甘くなった。この馬場が言い訳にはなるが、この馬の場合はやはり距離面も疑いたくなる。

レーヴミストラル

これで平行線。毛ヅヤも問題なく、良い方のデキ。例に依って出遅れて後方から。最初から行き振りが悪かったが、向正面から付いて行くのもやっと。全く競馬にならなかった。道悪は昨秋の東京戦でソコソコ走っていたが、ここ迄悪くなると厳しかった様。

第51回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

メジャーエンブレム

前肢にバンテージ。馬自体が多少立派だが、迫力断然。歩様も推進力満点。好発切ってそのままハナ。人気馬の逃げはマークがキツくなるのが相場で、後続も近くに居たが、この馬自身に手応えが有り、むしろ引き付け気味の逃げ。その証拠に直線向いてからは独走だった。1分32秒5も破格。先週の京都戦もレース史上最速だったが、昨年の1分34秒0がそれ迄の最速で、1分33秒台で決着した年がなく、歴史に対しても圧倒的だった。阪神は勿論、東京に関しても、恐らく能力の違いで距離もクリア出来そう。このまま無事を祈るのみ。

フロンテアクイーン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。かなり煩く、毛ヅヤも冴えなかったが、馬体は丸みを残した造りでまずまず。スキップも小気味良い。半馬身程出負けしたが、少し出して中段のイン。折り合いは付いていた。直線だけ外へ出して、前とは離されながらも良く伸びている。坂を上がって左手前になっていたり、レース前のイレ込み等、細かい課題も有るのだが、毎度のことながら、賞金を加算出来たのは何より。

ロッテンマイヤー

前後肢にバンテージ。毛ヅヤが一息だが、歩様は力強い。少なくとも内のフロンテアクイーンよりは出ているが、行かせる気がなかった様で中段から。前走京都戦は先行策だったが、今日は馬群の中での競馬で少し戸惑っていた様に見えた。トビが大きいので、そもそも馬群の中の競馬は向いていなさそう。直線でバラけてからはジワジワ脚を使っている。2着が欲しかったところでは有るが、能力は持っている。クラシックへ向けて無理使いしなければ重賞は楽に手が届く筈。

ダイワドレッサー

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。スカッとした造り。もう少し歩様に力強さが欲しい。これもゲートが少し悪く、中段やや後方から。向正面の行き振りは悪くなかったが、コーナーで少しオッツケ気味。直線もエンジンが掛かるのが遅く、最後の最後に差して来た印象。恐らく、マイルでも短い。馬力強化すれば変わる可能性も有るが、現状はもっとゆったり構えないと持ち味が生きないタイプ。

ラブリーアモン

2人曳き。胴回りがボテッと映る。毛ヅヤが良くて、内臓面は強いのだろうが、もう少しトモにボリューム感が来ないと見栄えが悪い。ゲートはむしろ速かった位だが、出脚がイマイチで後方から。道中はこの枠にしてはコースロスが少なかったが、直線入口でサプルマインドがフラつき、直線でで大外へ行ってしまったのが勿体なかった。何とか4着同着には持ち込んだものの、競馬が終わった後。2着以下とは差はない筈。

第66回東京新聞杯(GⅢ)

スマートレイアー

前後肢にバンテージ。下見は後方を周回。大分白くなったが、馬体の張りはまずまず。珍しく好発。ならばと積極的にハナへ。こういった展開は2番手の馬が展開のカギを握るのだが、2番手マイネルアウラートがガッチリ抑えてくれて、スローの単騎で行けた。直線向いても、後方に居た時と同じ脚を使って押し切り快勝。毎回述べている様に使える脚は一瞬で、この馬にとって東京の直線は長過ぎるのだが、ハナに行っていれば充分保つ。毎回、これが出来るのかどうかは微妙でも、今日のところは兎に角お見事。

エキストラエンド

前後肢にバンテージ。昨年は夏にも走っていたが、基本的には冬場の方が良いタイプ。何より毛ヅヤが良かった。ゲートは分が悪い方だったが、内の1,2番枠が更に悪く、ネジ込む様に好位。多少力んでいた様に見えたが、他馬も似た様なモノ。このペースでこの位置を取れたのが何より大きかった。直線で無理矢理内を狙ったダッシングブレイズと接触したが、乗り役が後ろを振り返った以外、馬はそのまま走って2着入線。この馬が好走するのは、ほぼ毎回このパターン。

マイネルアウラート

前肢にバンテージ。馬体は地味だが、歩様がしっかりしていた。この時期にしては毛ヅヤも悪くない。出脚はスマートレイアーより速かった位だが、枠の並びも有って2番手から。折り合っていい形だったが、坂を上る辺りでスマートレイアーに突き放された。この部分の瞬発力では相当の差が有る。どちらかといえば小回り向き。

ダノンプラチナ

シープスキンノーズバンド。+11kg。明らかに腹回りがボテッと映る。流石に太い。ゲート内で立ち上がった直後にゲートを開けられ、1馬身出遅れ。このスローで痛恨だった。ダッシングブレイズの事故も有り、外回したのは結果的に正解だったとしても、今日のスローではこの段階で苦しい。太目も祟り、合わせ技一本になってしまった。能力は有る馬だが、変な粗相が多く、もどかしさが残る。

テイエムタイホー

前走京都戦よりはノビノビ歩いていた。馬体も重量感が有る。1馬身近い好発だったが、折り合い重視で出脚を使わず3番手から。折り合いは何とか付いていたが、前走京都戦と違い、前に馬が置けなかったのが少し痛かった。直線はその分、甘くなってしまった。内枠の方が好走率は高いだろう。

第56回きさらぎ賞(NHK賞)(GⅢ)

サトノダイヤモンド

トモは大きく造ってあるが、少し非力な歩様。かなり未完成感が有る。。ゲートは五分程度。内の出方を窺いつつ中段やや後方から。道中は余計なことをせずじっくり構えて、直線迄待ってからの追い出し。仕掛けてからの反応が抜群で、一瞬で3馬身以上の差を付けてしまった。ステッキは気合を付ける為の一発のみ。楽勝だった。タイムもこのレース史上最速。過去の勝ち馬に例えるならスペシャルウィーク級のインパクトが有った。競馬に注文は付かないが、下見から馬はまだまだ良くなりそう。

レプランシュ

前後肢にバンテージ。下見から全身を使って推進力を感じさせる周回。デキの問題ではなく、単純に持って生まれた才能。最初から行く気なく後方から。内でジックリと折り合いを付け、直線だけ外へ。追って瞬時に反応出来なかったが、加速が付いて重心が沈んだフォームになってからは良い伸びを見せた。賞金を加算出来たのは何より。ただ、サトノダイヤモンドは勿論、引っ掛かっていたロイカバードにもアタマ差。フォームに見どころの有る馬だが、器の差は如何ともし難い。

ロイカバード

前後肢にバンテージ。迫力はないが、完成度の高い馬体。しっかり踏めていた。道中は後方。乗り役は最初から抑えに掛かっているのだが、それでも行きたがっていた。3角過ぎからは何とか馬も納得した様で、サトノダイヤモンドに対して追撃態勢は整えたが、序盤のロスは大きく、最後はレプランシュにも交わされてしまった。ここで賞金を加算出来なかったのは痛恨。余程のことがない限り、クラシックは絶望的に。

ノガロ

+10kg。脚が長いので馬体増が目立たない。もっと増えても良い位。外からジワッと好位。3角迄はスムーズだったが、坂の下りで少し外に逃げ気味、逆に直線は手前が替わらず内にモタれ気味とまだまだ馬が若い。現時点では能力差が有る。ただ、脚の長さもひとつ持って生まれた才能といえる。先々、重賞のひとつ位は勝てる筈。

オンザロックス

前後肢にバンテージ。連闘で少し硬い歩様。寸詰りだが、トモもボリューム感は有る。最初から決めていたのだろうが、押して押してハナへ。1F辺りで引っ掛かっロワアブソリューに絡まれたが、それを振り切ってからはマイペース。1000m1分を少し切る絶妙なペースで行けたが、前との差は余りにも大きすぎた。前走のダート戦を別にして、未勝利脱出後は重賞ばかりを使っているが、今日の内容だと500万も怪しい。

ロワアブソリュー

-8kg。下見から気性が若い。馬体ももっと締めた方が良い。ゲート内でロイカバードが気になった様で、ゲート内でずっと横を向いていたところを開けられて出遅れ。それでもハナに行ければまだ違ったが、オンザロックスに主張されて全く流れに乗れなかった。これでは4角余力なしも仕方がないところ。兎に角気性面に尽きる。

根岸競馬場開設150周年記念 第30回根岸ステークス(GⅢ)

モーニン

後肢にバンテージ。歩様に力感が有る。実績の割に売れていたが、ここでも負けていない。出遅れたが、出脚で挽回して好位の外。今日は余程自信が有ったのか、直線迄待たず4角でグレープブランデーを締めて坂下で先頭。早目に動いた分、タールタンに迫られただけで、内容的には完勝だった。規程の関係で昨年迄は登録が40頭以上ということも少なくないレースだったが、今年はその半分。例年なら除外を食っていた可能性も高く、何より運が有る。このレースからフェブラリーステークスは中々連動しないのだが、今年こそという感も。

タールタン

2人曳き。真っ白で毛ヅヤが分かり辛いが、馬体はパワフル。好発も、急かす気はなく中段。上手く馬群の薄いところに収まり、外を回らずに済んだ。先団グループとは少し離れた位置で脚も矯められた。勝ちに行ったモーニンが捕まらない辺りは能力差も認めざるを得ないが、操作性が良いのが何より。前走阪神戦もポケットに居て、インから抜けて来る競馬だった。8歳にして初の重賞連対というのも中々渋い。

グレープブランデー

遮眼革。前後肢にバンテージ。馬体は何時も良く見せる馬だが、気迫が戻っていた。好発。内からレッドファルクス外からも何頭か行ったが、引かずにそのまま3〜4角中間迄並走。4角でモーニンを行かせて、その外へ。前々走は馬が止めていたが、今日は最後迄集中して走っていた。タールタンには後ろから差される格好にはなったが、58kg背負った分だろう。全盛期の力はないものの、この内容ならまだ賞金は稼げる。

タガノトネール

ちょっと硬いが、何時ものこと。筋肉が浮いて、この馬としては悪くない。前走以上。ゲートは五分程度だったが、積極的に乗られて2番手。基本的には早目早目で動いていた。坂を上る脚で逃げるシゲルガガを捕まえたが、その段階でモーニンが傍に居て、ほぼ無抵抗だった。ただ、3角辺り迄もモーニンが居た。それを避ける様に3角で少し動いたのだが、また4角で来られてと、かなりキツい形になっている。モーニンとは能力差有るものの、今日の経験は今後に生きて来るだろう。

アンズチャン

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬体に張りが有る。皮膚を薄く見せて、この時期の牝馬にしては雰囲気悪くない。ゲートは多少分が悪い程度だったが、例に依って芝でもダートでも出脚がサッパリで最後方から。直線も何時も通り大外へ。良く追い込んでいるが、今日は競馬が終わった後。昔とは馬も違うのだが、ブロードアピールの域はまだまだ遠い。現状は展開の助けが要る。

第21回シルクロードステークス(GⅢ)

ダンスディレクター

叩いてさらに上昇。前走阪神戦も悪くなかったが、毛ヅヤが明らかに良くなった。この馬としてはゲート出た方で、多少掛かりながらも積極的に乗られて好位。それでも、目の前に居たセカンドテーブルがガッチリ抑えたのは、脚が矯まるという点でこの馬にとって良かったかも。直線向いて、前が開いてからは何時ものこの馬の脚を使っていた。初重賞制覇だが、この馬の実力を考えるならあくまで時間の問題だった。僅かでも運が向けばこの位は出来て当然。GⅠでも足りる筈。

ローレルベローチェ

イレ込む。後ろ蹴りも数発放っていた程。スプリント戦だけにこれはこれで良いが、少し余裕残し。アクティブミノルもゲート速かったが、出脚がケタ違いで一瞬の内にハナへ。前走もそうだたが、3角で後続に3馬身位離している。4角でもその差をキープして、何とか押し切りたかったところだが、直線はビッグアーサーにアッサリ捕まってしまった。強いていえば、これだけ出脚が有る以上、前半3F33.7は少し速かった。それはそれで切れ負けした可能性も有るのだが、34秒台だったら終いの粘りが違っていたかも。何れにしても出脚が速いスプリンターは圧倒的に有利。今後もチャンスは続く。

ワキノブレイブ

前肢にバンテージ。数字分だけスカッと見せる。もう少し踏み込みが深いとベスト。出脚が違い過ぎてローレルベローチェには無抵抗だったが、何とか好位。ダンスディレクターもそうだが、今日はコーナーで動かなかった馬が上位に入線。この馬も4角では動かず、直線迄待ってからネロの外へ出す形。右手前だった際に少し外へモタれたが、左手前に替わってからは一番キレる脚を使っていた。人気はなかったが、折り合えば良い脚が使える。内枠時には馬券に絡めたい。

セカンドテーブル

チャカついていたが、馬自体はまずまず。張りも有った。ゲートは微妙に悪かったが、仕掛けて先行。ただ、出脚で差が有って、前を深追い出来なかった。その分、ローレルベローチェを楽に逃がしてしまった。最後は追っ掛けバテの様な格好。2歳時の東京戦の様に、1400m辺りの外枠でジワッと行った方が良さそうだが、かといって外枠を克服出来るだけの能力もない。もう少しゲートを出るだけでも大分違うのだが...。

ビッグアーサー

冬毛は目立つが、リズム良く歩いていた。フレグモーネで一息入ったそうだが、デキは悪くない。ゲートはこの馬としては速かったが、無理せず中段。ただ、3角過ぎに少しノメる様な場面が有り、そこからむしろ馬に余裕がなくなったのか、掛かり気味に動いてしまった。こうなると終いが保たない。ワキノブレイブが外へ飛び気味だったのも余計に応えただろう。ただ、人気だけに後方でジッとしている訳にも行かず、今日はこれで仕方がないところ。

ネロ

前後肢にバンテージ。+6kg。馬体はバランス取れているが、少し歩様が落ちている。ゲートは出ているが、意外に出脚が鈍く、押して押してやっと好位。直線は止まり過ぎだが、外から行き過ぎてしまった感も強い。歩様が硬くなっていただけに、渋化がもう少し残って欲しかったところ。