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競馬回顧 2015年1回阪神

第64回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

キタサンブラック

前後肢にバンテージ。重量感はないが、バランスが取れた造りで、見栄えする。ハナへ行っても良い位の勢いだったが、タケデンタイガーが主張して2番手。東京で2戦2勝の馬で、トビが大きく、ダノンメジャーが来たことも有り、4角手前で先を行くタケデンタイガーを見切って先頭。最後はリアルスティールに迫られたものの、何とか振り切った。先週と違い、今週の中山は妙に内が有利になっており、過信は出来ないのだが、多頭数で先行すると強いタイプ。次走も有力。

リアルスティール

相変わらずトモが甘い歩様。垢抜けた造りでは有るが、まだ子供。ダノンプラチナに出脚でやられて中段やや後方から。何とかネジ込めそうでは有ったが、深追いすると恐らく引っ掛かっていた。1000m通過が62.6秒のスローで、早目に動かないとマズいのは乗り役も分かっていたが、勝負どころで一気にペースが上がり、直線迄待ってからの勝負。今日の展開でこれでは届かない。良く追い込んだともいえるが、馬の若さを考えると現状はスローの差し馬。上手くハマッた感は有る。今日は頭数も少なく、フルゲートの中山でペースが上がる様だと却って危険かも。

ダノンプラチナ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。馬体はマイラーだが、今日は落ち着いている。今日はゲートを決めて中段から。スローでかなり引っ張る場面が有ったのは仕方がないところか。折り合い以外はスムーズに運んで、リアルスティールには差されたが、現状は行かせるとこんなモノかも。これも差しに徹した方が良さそう。

ベルーフ

2人曳き。マイラー体型だが、歩様に推進力が有る。出遅れ1馬身不利。序盤は後方に居たが、内目は開いており、すこしずつ進出して4角で好位。上手く乗られたが、あと一歩だった。ただ、上手く乗れる様になっただけでも収穫。勿論、ベストはマクりだとしても、確実に進歩している。

ダノンメジャー

歩様が力強い。馬体もパワフルで、大分良くなっている。1角進入時に眼前のフォワードカフェが外へ飛びそうになり、ここで1回手綱を引っ張る場面。1馬身程ロスしている。それでも早目に動いて、格好は付けた。決め手では差が有るだろうが、今日はダイワメジャー産駒らしく走れたことを評価したい。差し比べではディープインパクト産駒に分が有る筈で、この競馬が板に付けば。

第63回阪神大賞典(GⅡ)

ゴールドシップ

2人曳き。遮眼革。シープスキンノーズバンド。-8kg。下見は淡々と歩くタイプ。この馬にしてはスカッと見せていた。例に依ってゲートが少し悪かったが、押して押して中段。今日は道中の行き振りからして違っていた。4角先頭で回って来て、デニムアンドルビーに並ばれる場面も有ったが、最後は底力でネジ伏せた。完勝。年々パフォーマンスが落ちているのも確かで次走京都戦は厳しいが、同一重賞3連覇は立派。

デニムアンドルビー

前後肢にバンテージ。休み明けでも牝馬らしくほぼ出来ていた。毛ヅヤも冴えていた。中段で折り合いに専念。序盤はゴールドシップと並走していた。ゴールドシップが何時も通り早目に動き、それに連れる形で進出。一瞬は並んでやったかの場面だったが、この距離での底力勝負となると相手に分が有った。一昨年秋から全てGⅠに使っていた馬で、GⅡに来れば単純に実力上位。折り合いも付く馬でこの距離も悪くなさそう。次走未定だが、時計勝負となる京都戦なら本命に推す手も。

ラストインパクト

+6kg。デニムアンドルビーとは違い、一息入って少し緩い。点数付けるなら80点位のデキ。最初から競馬になっていないサイモントルナーレは別にして、全く行く気なく最後方から。追い出しもワンテンポ遅らせてイチかバチかの奇襲策。折り合いは付いて申し分のない形になったが、追って内にモタれ気味。距離は有るだろうが、デニムアンドルビーも得意としているとは思えず、デニムアンドルビーとの3馬身差が現状の実力。

カレンミロティック

前後肢にバンテージ。しっかり踏めており、まずまず。取り立てて良い訳でもないが。内外の様子を窺いながら中段から。これも器用さ一本に近い馬だが、上手く流れに乗れた。2周目4角でゴールドシップの内目から進出し、ここ迄は良かったが、最内を狙って坂下で前の馬にカットされる不利が有った。そこから再び伸びており、マトモなら3着は有っただろう。痛恨の競馬になってしまった。

フーラブライド

+8kg。ちょっと太いかも。歩様はこんなモノだが。積極的に乗られて好位から。ゴールドシップが動いた際に一旦中段迄下げて、そこから再び追い出す形。今日はゴールドシップの後方に居た組が有利だったが、それでもこれだけ差が開くと言い訳が出来ない。牡馬相手のディスタンス戦では力差が有る。

ラブリーデイ

+8kg。更に馬体増。毛ヅヤはピカピカでデキの良さは感じるが、ちょっと太い。何時も通りの先行策で好位から。2000m通過迄は良かったが、そこでゴールドシップが番手を上げて、そこでほぼ余力がなくなっていた。フーラブライドの項で述べた様に展開も有るのだろうが、距離も長い。

第29回フラワーカップ(GⅢ)

アルビアーノ

-12kg。あくまで絞れたモノ。ただ、非力な歩様がマイナス。毛ヅヤも一息で、デキは良い様には見えず。好発。出脚はほぼ使わず、1角へ逃げ込んでハナ。最初から押さえに掛かっていた。1000m通過61.7秒は超の付くスロー。これだけ楽に行ければ誰でも勝てる。4角でも誰にも絡まれず坂下で突き離して楽勝だった。今日は参考外。

アースライズ

ガサのない馬で、もっと増えても良い位出脚は結構速かったが、最初から外へ持ち出すつもりで、馬群がバラけるのを待っている間に中段。多少折り合いを欠く場面は有ったが、このペースでは他馬も似た様なモノ。4角で馬群の中に押し込められて、少し苦しい位置になったが、それでも馬群をコジ開けて伸びて来た。根性が有って、中々勝負強い。未勝利から、しかも年明け初戦だったが、中々強い内容。

ディアマイダーリン

前後肢にバンテージ。+10kg。馬体に迫力が出た。歩様も悪くない。出遅れ1馬身不利。これも早目に外へ持ち出ていたクチ。ペースがスローと見るや否や、向こう正面で進出して中段。最後3着に落ちたのは残念だったが、この流れで外を自力で動いて行っただけに仕方がないところか。能力面は勝ち馬とも遜色ない。

ロッカフラベイビー

シープスキンノーズバンド。-8kg。数字がないだけにあまり減ってほしくないが、細い印象はない。歩様もキビキビ。ゲートは少し悪かったが、出脚が抜群に速く、スッと中段。折り合いも付いて外枠としては上手く乗られた。4角でも内に手応えの良いアースライズが居て、内に閉じ込めているのだが、坂を上る脚がなく、結局4着。現状はパワー不足か。

ローテッド

前肢にバンテージ。まだ冬毛が残る。キビキビ歩けている点には好感持てるが。出遅れ2馬身不利。馬群に取り付くだけでも脚を使わされている。外から少しずつ動いて行ったが、今日の展開ではこれが精一杯。メンバー中最速の脚だけに、今日はゲートが全て。

第29回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

タガノアザガル

毛ヅヤ冴える。トモにボリューム感が有るが、その割に頭が高く、歩様に力がない。この枠で押して好位のイン。出脚が決して速かった訳ではないが、枠の利でアクティブミノルの直後へネジ込んだ。直線向いて外へ持ち出し、アクティブミノルとの叩き合いを制した。下見は頭が高いが、追い出すとグッと重心が下がり、実戦向き。松田大作騎手はこれが初重賞制覇だが、追えるタイプなのも良い方に出た。ただ、今日は雨上がりで明らかに内が有利だった。こういった少し時計の掛かる馬場も上手そうで、それ以上でもなさそう。

アクティブミノル

-6kg。トモに丸みが有って、出来は悪くなさそう。気配も良かった。恐らく乗り役の問題だろうが、ゲートはイマイチだったところを無理矢理ハナへ。それでもこの馬のスピードで単騎逃げの形。ただ、3角過ぎてペースを落とした際にセカンドテーブルに来られたのが痛い。ちょっと下を気にする素振りも有った。その上でのハナ差2着は勝ちに等しい。逃げ馬の割に展開にツキがない気も。勿論、この馬自身ももう少し出脚が有ると楽だが。

ヤマカツエース

馬体にメリハリがなく、トモに力が付き切っていない。ゲートが少し悪く後方に近い位置になったが、上手く内へ潜れた。直線は進路を探しながらだったが、バラけてからは一気の伸び。こういう馬場は苦手な様で、コーナーでは何度もノメッっていた。それでこの着差は好内容といえる。良馬場で見直したい。

フミノムーン

前後肢にバンテージ。ちょっと煩いが、背丈が低いだけで、馬体は充実している。例に依って後方に近い位置でジックリと。届かなかったのはイン有利な馬場状態だった影響も大きいが、、コーナーを逆手前で回って外にフクれそうになる等、雑な部分が残っている。早目に動いて最後失速しており、馬場状態で次走人気になる様なら嫌ってみる手も。

ブラッククローバー

前肢にバンテージ。歩様は力強いが、腹回りがボテッと映る。好発切って好位。出脚が速く、この馬としては少し矯め気味の追走。17番枠だったが、先行した分、外を回されずに済んだか。フミノムーンとの併せ馬で最後力尽きており、距離には疑問も有るが、スプリンターとしては上級。

第33回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

バウンスシャッセ

多少トモの送りが硬いが、これは何時ものこと。数字通りに見せており、悪くない。ちょっとゲートが悪く後方から。急かさなければ折り合いは付く。中山1800mにしては珍しい縦長のハイペース、1000m通過が59.2秒とソコソコ流れた。30年前のローカルハンデ重賞の様なマクり合戦となり、結構外を回されているが、キッチリ差し切った。展開が向いたのと馬場が回復したのが大きいが、暫くこの路線を賑わす存在となりそう。

アイスフォーリス

硬いなりにキビキビ。真っ白な馬体だが、張りも有った。引退レースということも有るのか、この馬にしては積極策で中段から。上手く馬群を割って、坂上で先頭に立ったが、バウンスシャッセの決め手が一枚上だった。最終戦が初重賞制覇なら中々カッコ良かったが、相手は外を回っているだけに完敗と言わざるを得ない。

パワースポット

2人曳き。シープスキンノーズバンド。下見だけパシュファイヤー。+10kg。筋肉が浮いて太目感はない。例によって全く行く気なく後方から。前走京都戦の様にインを強襲する競馬の方が多いタイプだが、今日は思い切って大外。流石に中山では3着が一杯だったが、良く伸びている。ただ、このペースでも少し掛かる位の行き振りで、距離は延びない方が良さそう。マイルの差し馬。

ケイティバローズ

前後肢にバンテージ。少し動きが鈍い気もしたが、馬体には迫力が有る。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。3角過ぎからバウンスシャッセを意識して、マークする形で動いて行きながらも、最後はパワースポットに差されている。先行するよりこの形の方が良さそうだが、勝ち負け持ち込むにはもう少し決め手を磨きたいところ。もっとも、まだ準オープンにも使える立場で、重賞でこれだけやれれば充分なのだが。

シャトーブランシュ

前後肢にバンテージ。牝馬らしいスカッとした造りだが、デキは悪くない。道中は6〜7番手。出脚は結構速かったが、1角迄に距離がない中山1800mだけに届かない。道中折り合いは付いていたが、3角辺りから置かれてしまい、包まれる場面が有ったのが痛かった。最後は伸びているが、明らかにコーナーの脚がない。広いコース向き。

第49回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

クイーンズリング

2人曳き。-20kg。トモに張りが有り、極端に細い印象はない。気合も乗っていた。出遅れ1馬身不利。ただ、本番が外回りのマイル戦ということを考えると急かす訳にも行かずジックリと。追い出して馬場を気にしたか、少しモタついた様にも見えたが、坂を上る脚が速かった。良い決め手を持っている。馬体減は何とも言えないが、マイルに延びるのもむしろ歓迎だろう。あとはチューリップ賞組との相手関係。

ペルフィカ

前肢にバンテージ。数字の割にしっかりした造りだが、チャカついているのはマイナス。これも少し悪かったが、押してもまり進んで行かず後方から。ただ、丁度この馬の居たところに馬が居らず、上手くインへ潜り込めた。直線も最内が綺麗に開いた。これで負けたら勝ったクイーンズリングを称える外ない。一瞬の脚は有りそうだが、あまりに上手く行き過ぎて能力判定不能。

ムーンエクスプレス

毛ヅヤは悪くないが、こじんまりとした造り。ゲートを決めて、ジワッと好位。前に壁がない分は有ったが、折り合いも付いていた方だろう。ただ、追い出して何度かノメる場面は有った。一瞬は先頭に立っているのだが、前に壁がなかった分とノメった分で差された印象。「器用さ一本」の評価は変わらないが、自力で競馬を造っての3着だけに好内容といえる。

スマートプラネット

明らかにイレ込んでいた。歩様もチャカついていて分かり辛いが、甘い様な印象。押しても出脚が甘く何とか中段。追ってからのトビは中々大きかったが、回転が足らない印象。せめてムーンエクスプレスを掴まえていれば値打ちも出たが...。

ラッフォルツァート

少しトモが甘いのと、冬毛が抜け切っていない。ゲートは少し悪かったが、出脚でカバーして中段。ただ、最初からノメっており、直線は苦しいかに見えたが、それを考えれば良く頑張っている。

レオパルディナ

ちゃんと出来ていた。多少硬いが、筋肉の付き方も悪くない。ゲートをスッと出て、好位のイン。折り合いは付く様になっている。4角迄は良かったが、直線向いて前が開かないどころか、むしろ下がって来る馬にブレーキを踏まされる有様。立て直してからは伸びている。一本調子のレッテルは外して良さそうだが、今日は参考外。

第51回中日新聞杯(GⅢ)

ディサイファ

前肢にバンテージ。-10kg。暖かくなって絞れて来た。一歩一歩が力強い。毛ヅヤも冴えて文句なし。行く気がないだけで出脚は速い方だが、無理せず中段でジックリ脚を矯める形。上手く折り合いも付いていた。直線向いての手応えが抜群で、あとは何処を割るかといったところだったが、そこで少しモタついているにも関わらずアッサリ突き抜けた。内枠の利は否定しないが、ここでは力が違ったか。前走中山戦を考えると距離もそれ程延びない方が良いのだろう。

デウスウルト

前後肢にバンテージ。+10kg。少し緩いが、太い印象はない。この馬にしては落ち着いている。好発。内の馬を少し煽っておいて、自分は好位に引く形。4角回って、前が居なくなり、立ち回りは完璧だったが、ディサイファとは決め手が違っていた。ハンデ2kg差でやられただけに言い訳なしで、若干決め手の差も感じるが、これで重賞で3回連続で馬券になっており、堅実は堅実。あまり背負わされない内にタイトルが欲しいところ。

マイネルミラノ

遮眼革。この馬としては悪くないが、ここへ入ると馬が貧弱。この枠で積極的に乗られてハナへ。多少雨の影響は有った筈だが、開幕週でも有り、これが正解。1000m通過が61.6秒とスローに落とせたのも良かった。直線を向いて、坂を上り切った辺りでも先頭で粘っており、一瞬はやったかに見えたが、流石に甘くなった。ただ、中京でなかったら勝っていたかも。チャンスはその内回って来るだろう。

パッションダンス

2人曳き。前後肢にバンテージ。腹回りが多少ボテッと映るが、アバラは少し浮いており、タイ体型も有りそう。好発。戦前から決めていたのか、意外な先行策。序盤少し力んだが、充分許容範囲。ただ、追ってからは前を掴まえるどころか、むしろ突き離され気味になり、結局4着。中身のない競馬だった。ハイペースの我慢比べなら違った答えも有るのかも知れないが、イマドキそんな展開は中々期待出来ないところ。どうも終いがタルい。

ミトラ

前肢にバンテージ。前走中山戦と変わらず。高いレベルで平行線。この枠で行き切れず道中は中段。向正面に入る辺り迄、少し噛んでいた。決して伸びていない訳ではないが、この位置からの決め手勝負で来れるだけの脚は持っていない。その点では外枠に泣いたか。ハンデも多少見込まれていた。

第52回報知杯弥生賞(GⅡ)

サトノクラウン

+8kg。数字は成長分。もっと増えても良い位。今日はゲート内でも暴れることなく、五分のスタート。折り合いは付く馬で、中段でしっかり脚が矯められた。4角で少し外へ持ち出されると前走東京戦同様、一瞬の脚が別次元。一気に突き放して快勝。ただ、毎年そうだが、このレースは少頭数になるのでフルゲートの皐月賞とは直結し辛い。この馬もそういった面は持っている。

ブライトエンブレム

2人曳き。+10kg。この中でも充分上位だが、もう少しトモに迫力が欲しいところ。出遅れた上に真っ直ぐゲートを出ず、他馬と接触して後方から。ただ、その割には折り合っていた。3〜4角中間から外を回って進出した際に、グァンチャーレが外にフクれて、1頭分余計に外を回された。道中のコース取りの差を考えれば1馬身半差はないに等しい。こちらの方が小回り向きなのも間違いなく、次走はこちらを本命に採りたいところ。気が早い話だが、昨年のトゥザワールド同様、有馬記念でも狙ってみたい。

タガノエスプレッソ

前後肢にバンテージ。-6kg。この方がキリッと映る。休み明けの馬体減だが、この方が良さそう。歩様も力強い。ゲート内で少しガタついており、案の定出遅れ。基本はマイラーだが、後方からインを突いて、とにかくセコい競馬。狙い通り、上手く立ち回って渋太く伸びて来た。この内容なら距離は何とかなる。折り合いが付くのも強み。

グァンチャーレ

前肢にバンテージ。ちょっと細いかも。この馬自身がそういうタイプだが、迫力に欠く。出ッパでブライトエンブレムと接触したのも有るが、距離も意識して乗られて後方から。バラけた位置迄下げており、我慢して走れていた。4角で少しフクれてしまったが、この馬が弾いた形となったブライトエンブレムに差されたのだから言い訳なしだろう。ここへ入るとちょっと能力差が有る。

トーセンバジル

前肢にバンテージ。毛ヅヤ冴える。馬体も出来ていたが、何か迫力不足。少し行きたがっていたのは確かだが、後方で自分のパターンの競馬。4角回ってグァンチャーレがフクれ、良い展開になったが、伸び切れず。これではクラシックが遠い。

シャイニングレイ

前後肢にバンテージ。下見は落ち着いていたが、馬場入り時にラチに接触する程の大立回りを披露。半ばパニック状態だった。そんな中でもゲートは出てスッと2番手。最初から力んでいたのは仕方がないところ。今日は4角迄格好を付けただけだが、今日は参考外。

第10回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

サクラゴスペル

シープスキンノーズバンド。後肢にバンテージ。+10kg。この馬体増はむしろプラス。歩様も悪くない。出脚はまあまあ速いタイプだが、今日は無理せずジックリと。接触する場面も有ったが、怒ることなく、落ち着いて走れていた。直線も思い切って大外へ。基本的には前有利だった筈だが、それでも差し切って快勝。一昨年の勝ち馬だが、少し時計が掛かった時の中山は走る。

ハクサンムーン

2人曳き。パシュファイヤー。+10kg。特にマイナス材料はない。馬場入り時の回転も含めて、何時ものこの馬。ゲートは少し悪かったが、出脚で一気にハナへ。600m通過が34.0秒なら逃げ切って良いのだが、最後にモタれて甘くなってしまった。1200mなら一線級なのも間違いないが、今日の相手で56kgだと何とかならなかったのかという気もしないでもない。

ベステゲシェンク

相変わらずトモが甘い。馬体も見栄えはしない。ゲートが少し悪く、今日も後方から。これもサクラゴスペルと同じ位置で、ゴチャつく場面。4角でもスマートオリオンと接触している。その上でのクビ差3着は良く走っている。下見が悲惨なので中々手が出し辛い馬だが、成長すればGⅠでも勝てる。

ラインスピリット

-8kg。キビキビ歩いていたが、少し馬体が寂しい。ハクサンムーンには出脚でやられたが、スッと2番手。上手く流れに乗れた。坂を上がってからが少し甘くなったが、前走は京都のマイルで2着に粘っており、ハナへ行かせると渋太い。今日は初東上で馬体減に泣いた形となるが、輸送も経験すれば問題ない筈で、オープンでも充分足りる。

ワキノブレイブ

前肢にバンテージ。造りが小ぢんまりとしていたが、集中力が有った。出脚に差が有ったが、何とか好位。後方はゴチャつく場面も有った中、上手く立ち回っているが、追って案外。乗り役の話ではパンパンの良馬場の方が良いとのことだが、オープンでは少し足りないのも確か。

第22回チューリップ賞(GⅢ)

ココロノアイ

前肢にバンテージ。+10kg。多少太いが、迫力は有った。毛ヅヤも良い。出遅れ1馬身不利。こんな馬場でも掛かる位の行き振り。4角では中段に取り付いており、直線は早目にせんとうに立つとそのまま押し切った。ただ。1分37秒7で決まる馬場状態で、これでは走れない馬も居た筈。パワーは感じさせるが、それ以上の評価もどうか。

アンドリエッテ

前後肢にバンテージ。+10kg。馬体回復自体が好材料だが、緩んだ印象もなかった。歩様も力強い。好発も控えて後方。3角でラチに接触してブレーキを掛ける場面も有ったが、大外から1頭違う脚で伸びて来た。前走東京戦は馬体減で末脚が鈍っただけで、脚は持っている。今日でも内枠から下げる競馬をしてしまった為、2着に終わっただけで、外枠なら勝っていただろう。この競馬なら本番も楽しみ。

レッツゴードンキ

良くも悪くも変わらず。落ち着いていたのは何よりだが。ゲートは五分だったが、行きたがるのをそのまま行かせて3角でハナへ。ハナへ行っても少し力んでいた様にも見えた。ブチコも早目に動いて、目標にもされたが、その割には良く粘っている。相変わらず手前がコーナーと直線で逆になる等、おかしなところは有るが、力は見せた。勝負根性一本で走っている為、混戦の方が強いタイプで、次走も一概には。

ロカ

前後肢にバンテージ。やはりトモが甘い様な歩様。馬は見栄えするが。序盤は少し掛かり気味。3角過ぎには折り合っていたが。直線は伸びているが、ジワジワ。強敵相手にブツけて来たが、結局権利が取れないままだった。今日は馬場も有るが、前走東京戦でも触れた様に、距離が短い。もっとユッタリ運んだ方が良さそう。今日のココロノアイやレッツゴードンキの様に、今年は引っ掛かる馬が多く、権利さえ取れればオークスは決してノーチャンスではない筈だが。

アスカビレン

テンション高いのはマイナス。馬自体はしっかりしているが。好発。行きたい馬に行かせて好位辺りで競馬したかったところだが、手綱を思い切り引っ張る場面が有り、結局は後方から。4角は外へ回さざるを得ず、アンドリエッテには伸び負けたものの、ここ迄伸びて来た。乗り役が下手打っただけで、この内容ならオープンでも足りる。距離ももっと延びた方が良いだろう。

コンテッサトゥーレ

前肢にバンテージ。少し緩い。前走京都戦の方がデキは良かった。今日はゲートを決めて、中段から。この形で世直線伸びなかったのは残念だが、追い出してあからさまにノメる場面が有り、こういう馬場は不向き。良馬場で改めて。

第89回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ヌーヴォレコルト

前肢にバンテージ。イレ込みはマシ。派手さはないが、無駄肉もない。珍しく好発。中山も昼過ぎから雨が降り、馬場が渋っていたが、行き振りも良かった。4角で外に出せず、窮屈なところを何とかネジ込んでロゴタイプとの一騎打ちを制した。元々器用さは有る馬で、前で競馬出来たのが正解。ただ、ゲートがアテに出来ない。今日も少頭数にも助けられた。

ロゴタイプ

2人曳き。前後肢にバンテージ。マイラー体型だが、気配は文句なし。タイキパーシヴァルが逃げて離れた2番手。下見通り、馬にヤル気が有り、手応え抜群で4角を回って来た。勝ったかと思ったが、結果的に先頭に立つのが早かったか。内からヌーヴォデコルトに強襲され、惜敗。斤量差も有って、競馬では勝っている。前走のダート挑戦には疑問も有り、負け癖が付いてしまっているのがどうかだが、完全復活成ったと見て良い。

ステファノス

馬体にキレが有る。落ち着いているのも何より。大外枠であまり行く気はなく、目の前のイスラボニータをマークする形。ただ、そのイスラボニータが伸びてくれれば良かったのだが、直線で甘くなってしまい、アテが外れてしまった。前2頭は内目を通っていた馬でも有り、少し着差は開いたにせよ、評価出来る3着。ただ、この馬の場合は道悪巧者なのが明白。良馬場では足りないのも間違いないのだが。

マイネルフロスト

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。気配は良いが、トモが甘い。出脚は有る方で、道中はイスラボニータと似た様な位置。手応え良さそうに見えたし、勝負圏内に居たが、追ってからがピリッとした脚が使えず。距離はこれ位の方が競馬し易そうだが、ワンパンチがない。

イスラボニータ

+10kg。やはり基本はマイラー。ただ、見た目が一息。枠は遠かったが、出脚は速く、好位で流れに乗れた。これで伸びなければ仕方がないところ。この手のコンパクトなパワータイプは道悪を苦にしない傾向も有り、今日はデキのなさが敗因だろう。ただ、乗り役は案外道悪を得意としていないというデータも。

第59回阪急杯(GⅢ)

ダイワマッジョーレ

重心の低い歩き方。一息入ったが、そんなに変わらない。ゲートも少し悪かったが、例によって後方から。折り合いは付いていた。3〜4角中間から外を徐々に進出して直線は大外へ。この馬場でもスパッと切れる脚を使って大接戦を制した。ローブティサージュを別にして、先行馬がそれなりに失敗している気もしないでもないが、重賞で勝ち切るイメージがなかった馬が僅差でも勝ち切ったのは評価したい。馬場も距離も向く。

ミッキーアイル

+4kg。トモの送りが少し硬い。馬体は出来ているが、満点はやれない。レース前から控える競馬を示唆しており、実際に3番手から。調教からこの形を意識してたものの、付け焼刃故に、道中は力んでいた様に見えたが、直線は少しでも馬場の良い外へ持ち出すとスルスル伸びて来た。戦前は人気を落としていたが、思わぬ好走。無論、逃げた方が確率は高いだろうが、可能性は広がった。

ローブティサージュ

+8kg。この馬としてはまずまず。迫力不足は何時ものこと。この馬の出脚でミッキーアイルの直後から。掛かる位の行き振りで、道悪も問題はなさそう。コースロスなく立ち回って、一瞬はやったかの場面だったが、これで負けたら仕方がない。前走京都戦はレース前のアクシデントで競馬を投げた様な感じだっただけに、仕切り直せたのは何よりだった。

サドンストーム

前後肢にバンテージ。馬体にもボリューム有るが、踏み込みが力強い。最近はゲートも出るイメージだったが、今日は出遅れ。ただ、この枠でロスは最小限に留められたか。リカバーで出脚を使ったが、折り合いも付いた。馬群の中からジワジワ伸びているものの、ダイワマッジョーレの方が決め手が上だった。最近は堅実に走るが、もうワンパンチ欲しいのも確か。

ダノンシャーク

前後肢にバンテージ。+18kg。決め手身上の馬で、もっとスカッとした方が走るタイプ。ただ、デキ自体は間違いなく良い。出脚もそうだが、前走京都戦が控える競馬で成功しており、今日も差す形。悪い立ち回りではなかったが、伸びなかったのは馬場の影響だろう。前と差が開いて見栄えは悪いが、良馬場なら変われる筈。

コパノリチャード

前後肢にバンテージ。少し腹回りに緩さも有るが、許容範囲。ニホンピルアンバーが好発を切り、行かせて好位から。4角でメイショウヤタロウに来られ、早目先頭の形を余儀なくされた。坂下で先頭には立ったが、そこから粘る脚がなかった。デキも怪しいが、今日は展開を敗因にしたい。

第24回アーリントンカップ(GⅢ)

ヤングマンパワー

シープスキンノーズバンド。少しチャカついていた。馬体も数字は有るものの、まだ緩い。レースでもそんな気配が有り、スタート直後からかなり行きたがっていたが、内外前に馬が居て窮屈な競馬を強いられ、結果的に我慢がさせられた様な形。バラけてからも直ぐには反応せず、ジワジワだったが、ネオスターダムの粗相にも助けられて1着。頭の高さもどうしようもないところで、今日はツキが味方した意外にない。

アルマワイオリ

毛ヅヤが悪くないし、意外に出来ていた。集中力も有る。最初からの決め打ちだろうが、折り合い重視で最後方から。この形なら一応スムーズ。直線もしっかり伸びている。ただ、今日は開幕週で前に1頭居たのは仕方がない。GⅠ2着の割に妙に人気がなかったが、力は見せている。

マテンロウハピネス

2人曳き。首でリズムを取って落ち着いていた。しっかり踏めていた点も評価出来る。ジャジャウマナラシも捨て身で行っていたが、負けじと外から先行してハナへ。結果的に行き切って正解だったか。道中だけでなく、直線でもネオスターダムに内をスクわれる等、出入りが激しい展開だったが、最後迄渋太く粘っていた。出脚が有ればもう少し楽になるが、この競馬ならオープンでも勝てる。

ナヴィオン

良くも悪くも変わらず。減点材料はないが、迫力に欠く。珍しく好発。これで最後方迄下げる訳にも行かず、中段やや後方から。怖がりの馬だが、見た目にはそんな素振りはなかった。ただ、直線の捌き方がマズかった。最初は外目へ出すつもりだったのが少しずつ内へ進路を取り、結局ラチ沿いへ。ここで怖がりの癖が出てしまい、最後にネオスターダムとマテンロウハピネスの間を割れず終いに。ネオスターダムが内ラチに接触したのも影響しているだろう。最近は能力にも疑問符が付いていただけに良馬場なら何とかなるメドが立ったのは収穫。東京で見直したい。

ネオスターダム

前後肢にバンテージ。-4kg。もっと絞れても良い位。まだ腹回りばボテッと映る。それでも、気配は確実に良くなっている。出脚も相当速いのだろうが、外から来られて序盤から行きたがっていた。それでも何とか馬を前に置いて我慢させていたが、直線でインを突いた際の反応が抜群。一旦は完全に抜け切っているのだが、坂を上がって左からステッキを入れた際に内ラチに接触。これでスピードが鈍り、後続に捕まってしまった。勿体ない競馬に。