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競馬回顧 2015年1回京都

第56回アメリカジョッキークラブカップ(GⅡ)

クリールカイザー

下見だけパシュファイヤー。レースで遮眼革。前肢にバンテージ。重量感が有って、しっかり踏めていた。好発。最初からの決め打ちで逃げる形。ラインブラッドが2角辺りでハナへ奪ったが、これに付き合わなかったのが正解だった。4角で再び先頭に立つと、モタつく後続を後目に押し切った。基本的には決め手不足の馬だが、今日は乗り方でカバーした格好。逃げると渋太く、京都で久々の逃げ切り劇が有っても。

ミトラ

前肢にバンテージ。距離に不安が有る馬で、ゆったり構えていたのは何より。ただ、トモの送りに少し硬さが有る。マイルでも先行出来る出脚の馬で、スッと好位。前に壁がなかった上に、途中でラインブラッドが来た割には折り合いも付いていた。これも上手く乗られたが、それでも最後迄止まっていないのは立派。ベストの中山マイルは意外にレース数が少なく、距離にメドが立ったのは大きい。

エアソミュール

前後肢にバンテージ。デキに関しては問題なし。気配は何時もこんなモノ。特段大人しい訳ではない。出たなりで中段。前走中京戦の失敗も有ってハミを替えたそうだが、そう急かさなければ折り合いは何とかなる。不適距離で伸びては来ているが、今日の展開では仕方なしか。3着でも地力の一端は示した。

マイネルフロスト

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬体はキリッとしているが、ちょっと歩様が硬いのがマイナス。珍しく出負けして後方から。向正面から少し押し上げて、ゴールドシップをマークする格好になっていたが、思いの外動けず、内から上手く捌いてエアソミュールの直後から伸びて来た。3着迄あと一歩。これも"層の厚い"4歳馬の中に含めて良さそう。

ディサイファ

前肢にバンテージ。歩様が伸びていて、力強い。デキは文句なし。出脚は勝っていたが、クリールカイザーが主張して逃げる形。好位で引いて4角でも矯める余裕が有った程で、今日は勝ったかの展開だったが、追ってからが案外。この馬自身、初距離を考えれば悪くないのだが、他馬も似た様なモノでちょっと評価が難しい。

ゴールドシップ

2人曳き。遮眼革。シープスキンノーズバンド。正直、良いとも思わないが、下見に怪しい部分はない。硬さもなかった。ゲートは出たが、外から次々に来られて一旦立て直す形。向正面で中段に押し上げたものの、3〜4角中間の反応が案外。むしろ直線に向いてからの方が伸びている。2200mは流石に短い様。特に今日は2,3,5着馬がマイラータイプで、そういう流れと馬場状態になったという側面も有るだろう。この馬自身も一昨年から阪神は全勝、他で全敗と中山は意外に苦手。

第32回東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ)

コパノリッキー

+11kg。数字は回復分。馬体に迫力が有って、歩様も力強い。今日も躓き気味だったが、他馬もにた様なモノで、スンナリ2番手。3角でペースが落ち、馬群が固まりそうになっていたが、4角手前から一気に進出してあとひたすら独走だった。先月の2走は消化不良だったが、やっと本領を発揮。本番へ弾みが付いたといえるだろう。芝での出脚は速く、東京マイルのスピード戦なら前走大井戦の借りを返せる筈。

グランドシチー

遮眼革。完歩の小さい歩様がマイナス。馬体の雰囲気は悪くないが、動きは感心しない。出脚がなく、例に依って後方から。ただ、ペースが落ちた3角で早目に押し上げて4角で中段。コパノリッキーが圧勝して、好位勢が追っ掛けバテする展開も向いた。昨年2着で近走も堅実に走っており、展開一つの馬。強いていうなら外枠の方が競馬がし易そうな印象は有る。

インカンテーション

前後肢にバンテージ。+10kg。見た目から馬体増は良い方に解釈したい。毛ヅヤも良かった。スタート直後に躓き、そのまま最後方から。スローでも直線迄待って大外へ。今日はこれが有利な展開で伸びて来た。グランドシチーが掴まらない部分に不満も有るのだが、躓いた際に落鉄していたというのは言い訳になる。次走も圏内。

マイネルバイカ

もう少し絞れても良いが、一歩一歩が力強い。出脚はかなり厳しそうだったが、只管押して好位。終始も押し通しだった。伸びたかどうかは微妙だが、前に居た組では渋太く粘っている。最近の中京は週央でも雨が有ると時計が速くなり易く、今日もそのパターン。もっと時計の掛かる馬場の方が向いている。

ソロル

2人曳き。+10kg。少し太いかも。少しチャカつくのは毎度だが。前へツンのめる様な格好になっていたが、立て直して中段やや後方。その位置でジッと我慢して、直線は最内へ。器用に回って来たが、今日の展開だと2,3着有っても良さそうだった。少し物足りなさっが残る。良績は右回りに集中しており、その分なのか、単に太いだけなのか。

ナムラビクター

2人曳き。シープスキンノーズバンド。+4kg。張りが有ってデキ自体は良いのだが、流石に太い。真っ直ぐ出ていないが、立て直してからの出脚は速く、好位から。ただ、マイネルバイカにピッタリ併されて、この馬の弱点を突かれた格好。前走はスローでまだスムーズだったが、今日の様に4角で団子になる様な格好だとボロが出る。基本的にはアテに出来る馬ではない。

第50回京都牝馬ステークス(GⅢ)

ケイアイエレガント

前肢にバンテージ。気配は地味。馬体も強調するところはないが、何時もこんなモノ。出ッパ自体は速かったものの、ゲートを出た際の姿勢が悪かったが、少し促すと行き脚が付いてハナへ。内の馬はほぼ無抵抗で楽に行けた。1000m通過が59.7秒は昨年と比較して0.8秒遅いペース。直線入口で突き離すと、そのリードを生かして粘り切った。恵まれた面も大きいが、昨春はキャトルフィーユと互角の馬。勝って当然といえば当然の実力。

ゴールデンナンバー

後肢にバンテージ。アクシデント明けだが、馬が良くなっていた。馬体も出来ていたが、歩様が伸びている上に力強い。出遅れ1馬身不利。腹を括って、最初からイン狙い。スローで馬群が固まった為に最内が開き、最後は1頭で追い込んで来た。手術明けだったが、見た目から出来ており、昨春でもG#8544;で最速の上がりをマークする等、力は有った馬。これも不当に人気がなかっただけ。

パワースポット

2人曳き。下見だけパシュファイヤー。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。多少チャカつくのは何時ものこと。しっかり踏めており、まずまず。これも出遅れ。道中はちょっと力みが入っていたかも。ゴールデンナンバーの直ぐ前に居て、ジワジワだが、伸びて来た。上位とは能力差有りそうだが、前走中京戦でも引っ掛かっていただけに、マイルがプラスに出たのは間違いないところ。

マコトブリジャール

+6kg。寸が詰まってマイラー体型。トモにボリューム感が有って、デキ自体は良い。内枠勢の中では出脚が速く、好位のイン。スムーズに運んだが、もう一伸びが利かず。オープンで勝ち負け持ち込むにはもう少し地力強化が必要だが、直線でウリウリのところ迄、外へ持ち出していたのをワンテンポ待っても良かったかも。結果論だが、外へ行き過ぎた感も有る。

ウリウリ

2人曳き。シャープな造りで、昨年とほぼ一緒。少しテンション高いのも同様。ジワッと好位直後。あくまで何とかのレベルだが、折り合いも付いていたが、追って一瞬で終わってしまった。どうも使える脚が短い。その点では1400mの方が楽だが、今日のところは枠に泣いた。

キャトルフィーユ

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。馬の迫力は断然。硬さもなく、好調持続。ゲートは出ているが、イマイチ進んで行かず後方から。インを突いていればまだ違ったが、人気で早目に動かざるを得ず、外へ回して苦しくなった。近走は中距離で末脚を伸ばす競馬が多く、それが出脚に響いたかも。

第62回日経新春杯(GⅡ)

アドマイヤデウス

前肢にバンテージ。+8kg。馬は出来ている。チャカついていたのがどうかだが、骨折明けを考えればプラスにも受け取れる。好発。内の3頭だけ叩いて好位のイン。下見の気配の割に、というエクスキューズを付ければ折り合っていた方だろう。4角ではハギノハイブリッド最内の取り合いになったが、一瞬の脚で競り勝ち、抜け切った。岩田騎手らしい立ち回りだったのも確かだが、今年に入ってウインフルブルームが京都金杯を制覇、超A級が居ないだけで今年の4歳馬は層が厚い。

フーラブライド

-6kg。この時期の牝馬としては毛ヅヤが良い。最近の中では一番。ジワッと好位。ただ、最近は控える競馬が多く、何時もよりは行きたがっていた様にも見えた。その上にアドマイヤデウスより終始1頭分以上外を回っており、斤量差を考慮すれば明らかに一枚上のパフォーマンスが出来た。これで引退の筈が現役続行、しかも阪神大賞典だそうだが、これは流石に相手が強いとしても牡馬相手の方が微妙にパフォーマンスが上がっている。

アドマイヤフライト

前肢にバンテージ。+20kg。数字程ではないにしても、腹回りはダブついている。出脚は速く、外からアドマイヤデウスを叩く形で前から3〜4番手。折り合いもスムーズだった。直線向いた際にも勝ったかの手応えで、実際に一旦は抜け出しているのだが、寸前で甘くなってしまった。馬体増の影響が響いたと見たい。

コウエイオトメ

馬に集中力が有る。馬体もキリッとしており、文句なし。道中は中段やや前。出来れば何処かで内へ潜りたかったところだが、最初から割とペースが遅く、外を回された上に引っ掛かっていた。前とは少し差が有ったものの、良く差している方だろう。フーラブライドと4kg差で同じ位置から追い負けており、能力差は相当大きいのも確かだが。

ダコール

+8kg。強調する様なところもなさそうだが、太目感はない。最初から行く気なく、インへ潜る策。4角でアドマイヤ2頭の2馬身差後方なら悪くない位置だが、もう一伸びがなかった。枠順が内ならもう一つ前で競馬出来た可能性も高いが、それでも3着が有ったかどうかというところ。基本的には重賞で勝ち負けの馬ではない。

第55回京成杯(GⅢ)

ベルーフ

2人曳き。垢抜けたという感じではないが、荒々しさが有ってこれはこれ。緩んだところはなかった。ゲートは出ているが、出脚が鈍く、急かして中段。その結果、道中は少し掛かっていた。1000m通過が61.9秒とスローで、ほぼ絶望的な位置取りに見えたが、力任せに外を回って差し切ってしまうのだから強い。ただ、ハービンジャー産駒は不器用というのが定説になりつつ有り、この馬も口向きの悪さ等、その部分からは脱し切れていない。

ブラックバゴ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。変わらず良く見せる。理想をいえば歩様に力強さが欲しい。これも出脚は速くないが、ペースが落ちたところでガツンと掛かって終い中段から。頭の上げ方ではベルーフの比ではなく、メンバーの中でも1,2で行きたがっていた。ただ、スローで早仕掛けした馬も居て、4角でバラけたのは幸い。変な位置に入ってしまったが、出て来るスペースが有った。今日で賞金を加算出来たのは大きいが、掛かり方が酷くなっている。素質は感じるものの、エピファネイア的遠回りをさせられそう。

クルーガー

前後肢にバンテージ。キリッとしてバランスの取れた造り。毛ヅヤもこの時期にしては冴えている。出脚は速かったが、1角手前で外からバルビエールに寄られて狭い場面。勝負どころでも、内に居た為、ブラックバゴの更に後ろに押し込められていたが、そこから捌いて突っ込んで来た。これも力は有りそう。器用さも問題なく、総合力は高そうな馬。

ソールインパクト

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-4kg。少しでも絞れたのは良い傾向。相変わらず雰囲気は良い。最初からインへ潜る策だった様で、行く気なく後方から。内を捌いて上手く伸びているが、3,4着馬の後ろでは一手遅いと言わざるを得ない。タイム差なしで能力自体は遜色ないが。

ダノンリバティ

-16kg。絞れたと見て良さそう。歩様にも硬さはない。やっとゲートを五分に出て好位。立ち回りはスムーズだが、コスモナインボールにマクられている分、1頭分外へ回されたのが少し痛かったかも。結果的に内が開いて、ベルーフを除く3頭に差し込まれている。通常なら開いたとしても1頭分のところだろう。この馬自身は、ゲート出た点こそ評価出来るが、この形だと決め手不足。

第31回フェアリーステークス(GⅢ)

ノットフォーマル

-8kg。腹回りが丁度良くなり、絞れたと見て良さそう。毛ヅヤもこの中では良い方。内のヤマタケマツリの方がゲート速かったが、叩いてハナへ。1000m通過が1分丁度のスロー。後続もピッタリくっついて来ており、見た目にもスピード感を感じない逃げだったが、直線に向いてからがとにかく渋太い。時計が平凡で、この先オープンで勝つことはないだろうが、ダートなら可能性が有るのかも。

ローデッド

前肢にバンテージ。手先にバネが利いていた。ここでは馬が違う。出遅れたというよりは、外のトーセンラークに寄られて後方から。3角過ぎから一気に動いて、4角では既に前団。流石にここ迄で脚を使わされており、直線は内にモタれていたが、バテずに2着は確保。展開はどうあれ、中山マイルの外枠で連対迄持って来れば力は一枚違うと見て良い。あとは一線級との相手関係。

テンダリーヴォイス

右側だけオーストラリアンブリンカー。後肢にバンテージ。-8kg。骨格のしっかりした馬で、数字より大きく見せるタイプ。細い印象はない。ただ、冬毛は目立つ。ヤマタケマツリが叩いて、この直後だが、道中でヤマタケマツリの番手が下がり、4角では後方に近い位置に。上手く捌いてはいるが、少し勿体なかったかも。直線は良い脚を使っている。少なくともコートシャルマンよりは上の評価が出来る。

コートシャルマン

前後肢にバンテージ。テンダリーヴォイスよりはマシだが、これも腹回りに冬毛。馬体は見栄えしないが、しっかり踏めていた。出脚はテンダリーヴォイスと一緒位だったが、少し出し気味に好位。従って立ち回りとしてはテンダリーヴォイスよりスムーズに来れているのだが、追ってからが案外。1馬身後ろ位から捕まっている。乗り役の話では馬場を気にしたとのことだが...。

メイショウメイゲツ

下見は内目をトボトボ歩いており、気配に乏しい。馬体も地味。ゲートが悪く後方から。3角過ぎに一度ローデッドにマクられる形となったが、そこで動かず、直線は馬群の外目から追い上げる形。つまりは競馬が終わった後だった。広いコースの方が良さそうだが、現状は500万で何とか連対のレベル。

第49回日刊スポーツ賞シンザン記念(GⅢ)

グァンチャーレ

前肢にバンテージ。+12kg。太い印象はない。この時期にしては毛ヅヤが良く、歩様も伸びている。ゲートはポコンと出て、中段やや後方から。バラけた位置で折り合いは付いていた。この馬より更に後ろに居た組が4角でモタつく中、この馬の反応が一番良かった。真っ先に抜け出して、楽勝かに思われたが、勝つには勝ったとしても、最後は写真判定に追い込まれた。この時期は賞金が何よりも大事なのはいうまでもないが、能力的には疑問符が付く。

ロードフェリーチェ

2人曳き。無駄肉がなく、全身筋肉といった造り。数字がない割に好感の持てる馬だが、ちょっとイレ込む。半馬身程出遅れ。直ぐに引っ掛かりそうになっており、折り合いに専念。坂の下りでも首を上げており、ハンドリングがかなり悪そうだった。コーナーで内を回った利も大きいが、気性面のロスを考えたら直線は良く伸びている。難しい部分も有るが、性能は高い。

ナヴィオン

良くも悪くも変わらず。毛ヅヤも落ちていない。珍しく好発も、控えて最後方から。前へ行けるに越したことはないが、気性面を考えると、これはこれで仕方がないところ。これも直線に向いてから進路を探す形となり、ロードフェリーチェがフクれたところを突いて伸びて来た。あと一歩だが、今日は自分の力を出し切っての敗戦で、言い訳なし。ちょっと成長がないかも。

ダッシングブレイズ

2人曳き。ツル首で気配絶好。バランスの取れた造りでここへ入ると馬は最上位。これも何時も通り後方から。ゲートは出ているが、行く気がなかった。折り合いも問題はなかったが、直線入口で、内からロードフェリーチェが張り出して来て、このロスが痛かった上に、この馬自身も右回りが初めてだった影響なのか、手前が何度も替わっていた。力は明らかに最上位だが、今日は勝てる星を落とした印象。前走中京戦も含めてツキがないのは気掛かり。

レンイングランド

-6kg。スカッとした造りで、悪くなかった。気配が少し煩かった。好発切ってハナ。1000m通過が1分を超える単騎。今日は逃げ切らないと値打ちがない。しかも、上位4頭は直線の決め手だけで飛んで来た馬。ラスト100m辺り迄は先頭だったが、そこ迄だった。これでダメなら距離が長い以外にない。

第53回スポーツニッポン賞京都金杯(GⅢ)

ウインフルブルーム

ホウライアキコも別周回だったが、この馬も後方を周回。良さそうには見えないが、悪くもない程度。トモが多少甘いのは何時ものこと。ゲートは他に速い馬が居たが、枠の利と出脚でハナへ。1000m通過が58.8秒はオープンのマイル戦としてはかなり遅い流れを単騎で回って来れた。ホウライアキコが掛かって来られた時が厄介だったが、間にグランデッツァが入り、これもこの馬にとっては幸いした。ただ、直線向いてグランデッツァが直ぐに並び掛けて、やられたかに見えたが、そこからがどうして渋太い。少なくともこの形なら相当なレベル。出脚の関係で、距離はもう少し有った方が競馬はし易そうだが。

エキストラエンド

前後肢にバンテージ。+6kg。冬場が得意なだけ有って、更に良くなった。筋肉が浮いて、歩様もしっかりしていた。内枠の馬に先行してくれた馬が多く、行かせた馬も多かったが、それでも中段やや前は楽に確保。最内からジワジワ脚を伸ばしている。ハンデ差等、惜しいながらも敗因は色々考えられるが、昨年秋から目に付いた乗り役の重賞2着病も大きいかも。何せ昨年8月から勝っていない。

マイネルメリエンダ

+10kg。もっと増えても良い位。キビキビ歩けており、少なくとも太くはない。ウインフルブルームの出脚が速く、それだけ行かせて、直後に控える形。戦前からの想定通りだったが、セコい立ち回りが出来た。ただ、前走東京戦でもそうだったが、スローを好位で流れに乗れる器用さは有るものの、そこからもうワンパンチがないのは確か。今日でも後ろに居たエキストラエンドに差されていては値打ちがない。内枠ならまだしも、重賞で外枠となると馬券圏内迄はないだろう。

フルーキー

前後肢にバンテージ。デキ自体は良いが、前走阪神戦同様、少し完歩の小さい歩様がマイナス。出たなりで、少し掛かり気味に好位。それでも一応、勝負どころでは折り合いも付き、それなりに脚は矯められた筈。直線も伸びてはいるが、これもワンパンチがなかった。もう少し切れる脚が使えると勝ち負けだが、少なくともここ2走は似た様な内容。ただ、成長は歩様の伸びで判断出来そうな気もする。下見は常に要チェックだろう。

グランデッツァ

前後肢にバンテージ。冬毛が目立つ。動き自体が悪いとは思わないが...。好発。スッと2番手。見た目には折り合いも付き、坂の下りでは手応え充分。直線向いた段階では勝ったかに思えたが、並び掛けて相手のウインフルブルームが渋太く、しかもラスト100mで急に甘くなり、5着に。先行するとこのパターンが多いのは確かだが、それにしてもダラしがない。戦前にも少し触れた様に、どうも見掛け倒し。

第64回日刊スポーツ賞中山金杯(GⅢ)

ラブリーデイ

2人曳き。前走中京戦から本調子。何処という訳でもないが、全体的な雰囲気は変わらず良かった。出たなりで好位。道中はロゴタイプと並走。気性も有るのだろうが、内に居た分、リラックスして走れていた様に見えた。4角でロゴタイプを先に行かせ、ワンテンポ待ってからの追い出し。一騎打ちに持ち込んで押し切った。ただ、ちょっと坂を上る際に外へヨレたのは気掛かり。レコード駆けだが、あまり時計が速くない馬場の方が向くのかも。

ロゴタイプ

前肢にバンテージ。気配が表に出て来た。動きや馬体にキレが有って、ここへ入ると馬自体も上。徹底先行の構えを見せたのが3頭居て、その直後から。不利なく回って来たが、ちょっと気持ち良く行き過ぎたかも。実況に有った様に、ネジ伏せる様に坂下で先頭に立ち、完全復活かに思われたが、マークしたラブリーデイにやられてしまった。それでも58kgを背負っていたことを考えれば悪くない。一応は復調ムード。

デウスウルト

前後肢にバンテージ。オープンへ入ると少し馬が華奢に映るが、歩様が伸びている。デキ自体は良い。行く気なく後方に近い位置。ただ、馬群が2つに分かれて、実質は中段。コーナーワークで差を詰めて、4角は前から4馬身程の位置迄持ってきたが、一瞬良い脚が有ったものの、坂を上がって前と脚色が一緒になってしまった。やはり使える脚の短さは課題となる様。堅実は堅実なのだが。

パッションダンス

2人曳き。前後肢にバンテージ。少しチャカつく。まだ完璧ではないが、叩いて順当に良化。好発も、主張した馬も多く、先行馬群の後方。上手くインへ潜り込んで、コースロスなく回ってきたが、トビが大きいので、こういう小回りコースでは決め手負けしてしまう。器用さ自体は有るのだが、広いコースをセコく立ち回れる時に狙ってみたい。

アイスフォーリス

トモの送りが硬いのは何時ものこと。真っ白な芦毛で分かり辛い部分も多いが、悪くはなくとも、良くもなさそう。出脚はない方で後方からの競馬は仕方がないところ。4角も内を回って来たが、ちょっと直線入口でモタついた様にも見えた。向いてからはそれなりに伸びているが、上位とはその分の差。これなら限定戦なら通用しそうだが、近走はその限定戦で負けており、掴みどころがない。