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競馬回顧 2011年4回小倉・3回新潟5日目以降 (4回新潟)

第31回新潟2歳ステークス(GⅢ)

モンストール

皮膚を薄く見せた筋肉質の造り。出脚は速かったが、折り合いに専念して中段から。1000m通過60.7秒はこの時期の新潟戦とはいえ、スローだが、行きたがる馬の多い中、その折り合いはマシだった方。直線各馬が横一線に並んでの追い比べとなったが、真ん中からジワジワ脚を伸ばし、そのまま押し切った。このレースのタイレコードだそうだが、スローを上がりの速さで引き上げた格好。決勝線寸前に右ステッキに反応して内へ大きくヨレた以外は文句無しの内容だ。小倉のエピセアロームと並び、これもかなりの能力有りそうだが、毎年同じ事を述べている様にこのレースの勝ち馬は何故かその後が続かない。トビが大きく、そうなりそうな要素も有り、ジンクスにハマらねば良いが...。

ジャスタウェイ

モンストールと似た様な体型だが、比較して少しメリハリ無く映る。ゲートも少し悪かったが、出脚でも差有って後方に近い位置から。ただ、道中はかなり行きたがっており、頭を上げる場面も有った。それでも直線はメンバー中最速の上がり。モンストールとの差は位置取りと折り合いの分。後続には5馬身差付けており、競馬で示したパフォーマンスはモンストールと同等の評価が出来る。現状の競馬センスの差が出た。つまり、あとは折り合いとゲート。

クイーンアルタミラ

歩様もそうだが、馬体自体が非力に映る。出遅れ1馬身不利。ジャスタウェイの直後から。この馬は折り合っていた方。直線向いてもそのままジャスタウェイの直後に居たが、決勝線時点では5馬身差。上がりタイムにして0.6秒違った。追ってからも少しフラつく場面が有り、下見通り馬が完成途上。上位2頭とは着差通りの開きが有る。

ダローネガ

少しイレ込んでいたが、トモのボリューム感は中々。乗り役の腰が落ちて出脚が鈍ったが、押して2番手。多少気負って走っているのは仕方がないところだが、直線向いてからが瞬時に反応出来ず、馬群に沈みそうになったところで再びエンジン掛かって何とか4着。乗り役の話では「走りが若い」との事だが、これから鍛えて競馬覚えて来れば。

クリッピングエリア

新馬思えば大分引き締まって来た。ただ、トモの送りが硬い。ゲートが悪く後方から。3角で内へ、といっても皆が数頭分開けて走っているのだが、直線もそのまま内へ。ジワジワだが、最後迄しっかり伸びて入着。シンボリクリスエス産駒らしさは有る。これも成長待ちだろう。

第31回小倉2歳ステークス(GⅢ)

エピセアローム

少し物見していたが、歩様にバネ。ここでは馬が違った。出遅れ1馬身不利も、外枠の利が大きくジワジワ仕掛けて4角で好位。今日も初戦同様、コーナーで外へ逃げていたが、それでも向いてからの脚はしっかりしており完勝。距離も保つので、今日の1200mは余興の域。メイショウボーラーやタムロチェリー等、出世馬が意外に多いレースだが、コーナリングがスムーズになれば案外GⅠ級と思うのだが。

マコトリヴァーサル

2人曳き。チャカつく。馬体は迫力有るが、少し太く映る。如何にもスプリンター。ゲートは一番速かったが、出方を窺っている内に急に行き脚が鈍り、3角では既に後方。何故かコーナーの脚はサッパリだったが、直線は外から脚を伸ばし2着は確保。前走ハナ切ったのだが、そういう症状は無く、何とも言えない内容。距離もこの内容なら保って良いが、前述した様に見た目はスプリンター。能力はそれなりに有るとしても、適性云々も分からず。

ハギノコメント

馬体に強調点は無いが、伸びの有る歩様。初芝の影響か、出脚がサッパリ。腹括って離れた道中は最後方から。3〜4角中間から外へ持ち出し、直線は大外へ。実質競馬が終わった後だったが、ローラーも日曜11Rともなると流石に保たず、外が利く馬場でここ迄。ただ、少し頭の高い走法。芝はこなせるとしても、距離には限界有りそう。

ヴェアデイロス

+6s。最初は集中力欠いていたが、周回重ねる毎に落ち着いて来た。馬体は数字無いが、バランスは取れている。前走よりペース速くなった分なのか、出脚で差が有り中段から。道中馬群を捌きつつ、3角でエピセアロームの直後を確保。従って展開上は悪くなかった筈だが、追っての伸びがもう一つだった。上位馬とは能力差有る。

ゴーイングパワー

2人曳き。この時期の2歳馬はこんなモノと思うのだが、妙に緩く映った。行き切れる出脚だったが、無理せず3番手。控えて少しムキになっている様にも見えたのだが、この分なのか追って一息。この時期に控える競馬を試すのは当然だが、差し当たってのベストはハナ?

アイラブリリ

+12s。増える事自体は良い傾向だが、当面どうかとなれば別。前3頭が飛ばし、4番手グループの外。まずまずペース速かったとはいえ、4角エピセアロームが外に逃げているから叩かれていないだけで、脚の差はかなり有った。乗り役に言わせると非力で緩い馬場が応えたとの事だが...。

サマー2000シリーズ第5戦 第47回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

ナリタクリスタル

増減無しも馬体に張りが出て来た。好調といえるゾーンではないが、叩いた上積みは有る。好発。気性的にハナへは行きたくない筈で、サンライズベガを行かせての2番手。単にペースが遅いだけではなく、道中淡々と流れた印象。早目に交わすとソラを遣ってしまうのは武豊騎手が良く話す通りで、サンライズベガを可愛がるだけ可愛がって最後だけ交わす形も思い通りだっただろう。昨年述べた様に新潟が合うとは思わないのだが、ジックリ乗れて最後に交わす競馬が合っている分は有りそう。

サンライズベガ

-8s。毛ヅヤが良い分が大きいのだろうが、今日は馬体の雰囲気が良かった。近走案外の競馬が続き、新味求めたと同時に、ナリタクリスタルと並走している時は少し行きたがる素振りも見せていた事も有り、思い切ってハナへ。行き切ってからは折り合っていた。直線徐々に馬場の良い外へ持ち出したが、前述した様にナリタクリスタルが可愛がってくれる展開がこの馬とって幸い。下見のデキは良かったのだが、能力を評価出来る2着ではない。

セイクリッドバレー

今季は毛ヅヤが良い。文句無し。スタート直後はかなり押していたが、出脚サッパリで後方から。道中動いて良い事がないのは当然としても、スローで外へ持ち出す余裕がなく、イン突いたのは苦し紛れだっただろう。それでもこの展開の中で良く差しており、今日は最悪の展開だった中、3着確保したのは立派なのだが、最後脚が上がり気味。前走思えば仕掛けは遅らせていた筈だが、今日は案外感が残る。末脚の持続性が無くなって来た。

タッチミーノット

前走中山戦と変わらず。相変わらずメリハリのない造り。ゲート出たが、無理せず自然と中段。外でスムーズな立ち回りだったが、追ってから妙にジリッぽい。スローで前が有利な展開だったとはいえ、32秒台の脚を使えない以上は展開だけの所為には出来ない。戦前述べた様にセリクリッドバレーとも能力差有る。

プティプランセス

コンパクトに纏まった造り。迫力はないが、皮膚が薄く、デキ自体は良い。行く気無く後方から。ただ、コーナーの脚がサッパリで、3〜4角は付いて行くだけで押す必要が有る位だったが、直線大外へ持ち出し、ラスト100mで漸くエンジン掛かり、僅差の5着。見た目はリッターカーだが、トビが大きくズブさが有る。中山では手が出し辛い。

オペラブラーボ

シープスキンノーズバンド。気配は良かったが、馬体は緩慢に映る。道中は離れた3番手。スムーズに追走出来ていたが、いざ追って案外。時計掛かった方が良いに決まっているのだが、33秒前半で上がった経験も有り、今日は全く動けていない。まだ本当ではない?

エオリアンアープ

数字はないが、キレの有る造り。連勝の勢いは感じられた。例に依って出遅れて後方から。4角での手応えが悪く、直線も全く伸びず。乗り役に言わせると中1週が応えたとの事だが...。

ヤマニンキングリー

キビキビ歩けており、前走小倉戦と変わらず。この相手なら出脚は一番速い筈だが、好位でガッチリ抑えての追走。この馬の競馬は出来た筈だが、これも追って一息。元々そうだが、脚元の影響で尚更時計が掛かる芝の方が良いのは間違いないのだが...。負け過ぎ感も有る。

サマースプリントシリーズ第4戦 第6回キーンランドカップ(GⅢ)

カレンチャン

皮膚を薄く見せた上でドッシリとした造り。少し歩様は硬いのだが、目下絶好調。出脚には余裕有ったが、無理せず好位から。道中も引っ張り切りの手応え。ただ、意外に出方が難しい4枠8番。3〜4角中間で外からパドトロワに早目来られ、包まれて良い事は無く、仕掛けがワンテンポ早くなってしまったのだが、それでも危なげなく押し切った。今日は文句無く強い内容。ただ、少し歩様が硬くなっており、これはデキ落ちのサイン。次走中山戦は嫌って妙味。

ビービーガルダン

今日は馬体に張り。全盛期の迫力はないにせよまずまず。斤量と年齢分で近走出脚が鈍っているのだが、今日も先行集団の直後。結果的に内に潜る格好となり、コーナーをコースロス無く、また前述した様にパドトロワが早仕掛け。これが最後上がりが掛かる要因ともなり、今日は展開が向いた。元々洋芝も得意。札幌1500mで重賞有るなら話は別だが、次走には繋がらぬ好走。

パドトロワ

地味な気配は何時も通り。馬体に柔軟性がないのだが、その分だけ馬は張っている。先行した5頭雁行の一番外。ずっと外回され、苦し紛れの早目スパート。この馬自身が追って切れるタイプではないだけに、次善手は打てたのだが、最後甘くなるのは仕方がないところ。結果的に外枠が響いた感。ただ、ここ迄1200m1分7秒台で走っておらず時計がない。この点が中央へ戻ってどうか。

ケイアイアストン

尻跳ね。トモに厚みがなく、歩様も硬い。良いところがない。出脚はサープラスシンガーにも負けていないが、近況通り中段で脚を矯める策。インをスムーズに捌いて来たが、一瞬反応しただけで終わってしまった。相変わらずワンパンチがないのだが、今日は少し上がり掛かっただけに、更に案外感が有る。パドトロワと違い、こちらは時計勝負の方が良さそう。

ショウナンカザン

トモの送りが硬いのがマイナス。毛ヅヤだけは良かったが、馬体の張りも案外。ゲート出ているが、出脚が鈍く中段やや後方。4角でも動けずショウナンアルバにマクられていた位だったが、外へ持ち出してからは良く伸びた。出脚は少し硬さが有った影響も有ろうが、ベストは1400m。

グランプリエンゼル

+8kg。寸が詰まっているだけに、ボリューム感有るのだが、少し重目。これもゲート出ている割に出脚が付かず後方から。直線だけ外へ持ち出したが、大して伸びず。今季デキがない?

ジョーカプチーノ

芦毛で分かり辛いのだが、腹回りが弛んで見えた。歩様にも力がなく、鍛錬不足。出脚は速いが、先行集団には付き合わずそれらを眺めながらの競馬。外回ったとはいえ、ペース的には絶好だった筈だが、追ってサッパリだった。これも下見通り本当ではなかったという事だろう。

第3回レパードステークス(GⅢ)

ボレアス

2人曳き。今日は重量感有った。馬体増の変動が激しく、戦前は中身を疑うところだが、下見からは減点材料無し。ゲートは出ているが、例に依って出脚が鈍く後方に近い位置。向正面からのペースが遅く、団子の競馬になった事も有ったが、道中は少し掛かる位の行き振り。これを早目に外へ持ち出し、直線一気に突き抜けた。左回りでも機動力の有るところを見せ、この相手では力が違った印象。戦前はデキを疑っていたのだが、この点が問題無くなっていたのが大きい。とにかくデキを維持出来るかどうか、今後はそれに尽きる。

タカオノボル

少しチャカつき気味。数字のない馬で、その点はダートで不利なのだろうが、皮膚を薄く見せ、デキそのものは叩いて順当に良化。少し出して好位のイン。テンは速いものの、道中のペースがガクンと落ちる展開になったが、ここに居る分には然程影響を受けず。ただ、追ってスパッと切れるタイプではなく、その意味で追い出しが遅れる分だけ位置取りが仇となってしまい、外で早目に態勢整えていたボレアスの勢いが違っていた。まあ、ああいう思い切った競馬が出来るかどうか、そこにも能力差は出るのだが。

タナトス

2人曳き。コンパクトに纏まっており、馬体は悪くないが、テンション高い。好発。押して先行。1角迄はハナへの勢いだったが、内からファストワーカーが抵抗、道中はこれと並走してレースを引っ張る形。前述した様に、途中でペースが落ちたのだが、下見のイレ込み関係無く折り合いは付いていた。4角でそのファストワーカーを見切って先頭。1頭脚が違っていたボレアスは別にして、直線向いてタガノロックオンにも一旦出られる場面が有ったのだが差し返して3着。ワンペースの馬だろうが、渋太さは有る。ハナ行ける組み合わせならチャンス充分。

タガノロックオン

+4s。馬体に張りは有ったが、少しボテッと映る。曳き手をグイグイ引っ張っており、気配は上々。スタート直後は行く気無く、中段辺りに居たが、スロー嫌って向正面で動く策。直線向いてタナトスを交わした時には最低2着の態勢だったが、そこからが甘く、最後はタナトスにも差し返されていた。策自体は間違っておらず、馬が応えてくれなかった印象が強い。脚の使いどころに難しさが有る。

ダートムーア

2人曳き。+6s。フラムドパシオンの下。牝馬だが、まだ重量感がない。アオり気味に出て、出脚が鈍り最後方から。向正面でペースが落ちた際にボレアスの直後を確保。新潟にしては上手く乗られたが、4角での機動力や直線向いての反応はかなり違っていた。牡馬相手にこれだけ走れば限定戦行って大威張りの存在だが、成長の余地はかなり残している。

サトノサミット

バランスの取れた馬体。芦毛だが、毛ヅヤも冴えており、デキ自体は良い。押しても全く進まず、出脚がサッパリで後方から。4角迄はずっと内に居て、コースロス無く運んだが、ダートムーアの後では二手遅い。最後は一番外へ持ち出してジワジワ伸びているのだが...。馬体からパワーは有るのだろうが、レースに必要な脚が無い。

インディーズゲーム

2人曳き。気配自体は堪えていたが、一息入って少し緩い。出脚は一番速い位だったが、距離を意識して控える形。序盤はかなり行きたがっていた。向正面でもサミットストーンにラチ沿い取られ、馬群の中で砂を被って揉まれ込む最悪の展開に。それでも直線バラけてからは一瞬伸び掛かる場面。休み明けだった分も考慮すれば内容そのものは悪くない。次走狙い目に。

レックスパレード

+6s。今日は妙に緩く映った。馬振りは良いがデキ案外。出脚は有る筈だが、無理せず中段から。距離損はともかく、道中外目でスムーズな競馬が出来たが、ペースが遅い筈の向正面で既に乗り役の手が動いていた。下見通りデキに敗因求める外無いのだが、それにしても負け過ぎ。

サマー2000シリーズ第4戦 第47回札幌記念(GⅡ)

トーセンジョーダン

2人曳き。一息入って満点はやれぬ。ただ、歩様がしっかりしていて、気配自体は良かった。出脚は鈍いのだが、大外枠の分叩かれず、押して好位。道中も手応え悪く、この段階では馬券圏外に思えたが、直線外から来たレッドディザイアに並ばれて漸く目覚め、最後迄抜かせぬ走りでV。ジャングルポケット産駒が外からのマクりを堪えて直線差し返す競馬は先週と同じ展開。正月に中山で小回りこなしており、今日のズブさは休み明けの影響と見たい。格上の力を披露。

アクシオン

-14kg。前走函館戦より馬体が締まっていた。全盛期よりは筋肉量落ちているだけに、今はこれでベストなのだろう。積極的に乗られて好位のイン。直線向いても、スムーズに前を捌き、この脚が中々俊敏。完璧な競馬が出来たが、最後はトーセンジョーダンに捻じ伏せられた様な格好に。デキが戻って、得意の洋芝。枠も活かしたが、相手が悪かったとしか言い様がない。

レッドディザイア

キッチリ出来ていた。下見所の外目を周回し、気配も文句無し。ゲートが少し悪く、後方から。道中少し行きたがっていた影響も有ったのか、3角からマクる形でジワッと進出、4角は大外へ。一瞬の勢いは一番良かった位だが、最後が甘くなり、トーセンジョーダンや内のアクシオンに差し返されて3着。悪い内容ではないが、心肺系に課題が有るだけに、最後の一踏ん張りが甘いのは今後へ向けて不安材料に。

コスモネモシン

2人曳き。-4s。歩様に硬さもなく、連闘で更に上昇。2000mが少し長い影響も有って、これも後方から。レッドディザイアの直ぐ前に居て、少し行きたがっていた。そのレッドディザイアがマクりに行った際に内から抵抗しつつ進出。流石にレッドディザイアとは脚が違うのだが、それでも進路を残す程度には食い下がっており、直線もジワジワ伸びて4着浮上。この相手でこれだけやれれば上出来だろう。今回連闘だけに、次走へ繋がる話ではないのだが、目下のデキの良さは証明。

カリバーン

遮眼革。デュランダル産駒らしく、馬体に迫力有るタイプではないが、スカッと見せて歩様もキビキビ。外からキングトップガンが主張、これに行かせての2番手から。手応え良く追走し、早目にバテたキングトップガンを交わして4角先頭。乗り役も一瞬は夢を見た筈だが、そこからは決め手の差。初重賞挑戦だったが、壁に跳ね返された格好。

ネオヴァンドーム

-8s。この相手ではメリハリのない造りが目立つが、歩様の甘さも含めてこれでもマシになった部類。道中は中段から。4角レッドディザイアがマクりに来た際に、少し行き場が無かったが、それでも上手く立ち回って、トーセンジョーダンの直後。直線内を狙って進路も有ったが、伸びが案外だった。休み明けの影響も少し有るだろうが、パワー不足。洋芝は合わないか?

ヤングアットハート

最近これで走っているのだが、相変わらず少し緩く映る。出脚が甘く、押して何とか中段のイン。道中も少し押し気味で手応え悪かったが、直線もその通り伸びを欠いた。新潟血統だけに、素直に新潟戦使った方が良かった気も。相手関係も有るが、少なくとも札幌は向かない。

キングトップガン

+10s。骨格が良いので然程目立たないが、数字通り少し太い。逃げ馬不在の組み合わせで思い切ってハナ。1000m通過が60.4秒、大して速いペースでもなく、見た目にも道中楽だったが、4角で既に一杯。太い影響有ったにしても負け過ぎ。相手が違ったのか...。

サマースプリントシリーズ第3戦 第46回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

トウカイミステリー

+18s。オーストラリアンブリンカー。デビュー以来最高体重になるが、前走新潟戦は減り過ぎ。少し太いが、馬体には張り。立て直した効果大。出脚は負けていないが、行く気無く後方から。道中は手応え良く、4角迄コースロス無く回し、直線だけ外へ。ハイペースで馬群バラけたのも捌き易かったのだろうが、ラスト200mで前の脚が上がったところを一気に強襲した。ただ、展開ハマッた上に、6勝中4勝が滞在競馬。中央でどうか。

エーシンリジル

+16s。少し緩さも感じるのだが、もっと増えても良い位。普段は好位から競馬出来る馬だが、このペースでは出脚が通用せずオッツケ気味に何とか中段。それでも上手く内のポケットにハマり、絶好の展開になった。直線向いてのテイエムオオタカの幅寄せは少し痛かったものの、ラスト50mで一旦は先頭の場面。惜しい内容だが、出脚に限界見えたのは痛い。ここがトウカイミステリーとの差。

エーシンヴァーゴウ

-2s。今日は落ち着いていた。前走新潟戦思えば太い印象も無い。道中は好位から。かなり流れたが、少し掛かる位の行き振り。オーバルコースでもスムーズに回って、直線半ばでテイエムオオタカを捕まえようとしたところで脚が上がり、内からエーシンリジル、外からトウカイミステリー。牝馬が55.5kg背負ってまずまずの内容だが、このペースでも掛かっていたのは頂けない。サマースプリントシリーズ止まりの馬。

テイエムオオタカ

変わらずバランスの取れた造りでまずまずだが、少し迫力不足。輸送分? メモリアルイヤーの方がゲートは速かったが、出脚と枠でハナ。ただ最初から外へモタれていた。直線でもエーシンリジルに幅寄せする場面。道中メモリアルイヤーにビッシリ競られて600m通過32.4秒。良く粘ってはいるが、全てひっくるめて馬の完成度が低い分が有る。

ヘッドライナー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。好調持続。下見でも外をキビキビと周回出来ていた。斤量分も有るのだが、メモリアルイヤーに出脚でやられ、一度立て直して好位。4角での手応えも怪しかったが、それでもジワジワ伸びて僅差の5着。斤量差イーブンなら勝ちに等しい競馬。揉まれなければ、好位からの競馬も板に付いたといえそうだが、これだけ斤量背負って勝ち切る場面迄も中々。

タマモナイスプレイ

オーストラリアンブリンカー。毛ヅヤが冴えてトモの甘さが解消。これも今季はデキが良い。これもこのペースでは出脚が厳しく、中段から。3〜4角中段から自力で動いて格好は造ったが、そこ迄だった。前々走阪神戦の様に時計が掛かれば1200mでも走れるが、ベストは1400m。

シゲルキョクチョウ

2人曳き。デキ自体は間違いなく良い。トモの造りも昨年より成長感じる。この斤量ならもっと行けるかと思ったが、テイエムオオタカとは二の脚が違っており、やられた途端にズルズル後退していた。デキは戻っていただけに、もっとやれて良い筈だが、スピード通用しないのでは話にならず。

第59回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

アヴェンチュラ

-4s。馬振り断然だが、まだ成長の余地も相当残している。もう20s増やして筋肉に出来れば化け物級に。道中は無理せず好位から。直前から雨が降り、少し下を気にしたのか、3〜4角中間でハミを掛け直す場面。そこをコスモネモシンに外からマクられ、苦しくなったが、叩かれなかったのが幸いし、最後差し返した。力が一枚違った感。ただ、勝負どころでの手応えの悪さは、ジャングルポケット産駒でトビが大きいタイプといった面も有りそう。今日の競馬なら秋の京都戦は人気になるだろうが、この点から嫌ってみる手も。

コスモネモシン

2人曳き。この馬はこれで堪えている方。以前は器用な印象だったが、最近は折り合いが怪しくなっており、今日は後方でジックリと。勝負どころで余程手応え良かったのか、3〜4角からマクりに行ったが、行き切れずに内からアヴェンチュラに抵抗されての2着。開幕週にも関わらず外が利く馬場状態は上手く活かしたが、対アヴェンチュラで1頭分位開いており、もう少しコーナーをタイトに回れていればといった印象も。勿体無さは残る。

アニメイトバイオ

2人曳き。-6s。現状この位がベスト体重。重量感感じさせて緩んだところも無かった。ゲート少し悪かったが、何とか中段。外が伸びる馬場状態とはいえ、内で器用さ活かす競馬が出来たのだが、4角での手応えが怪しく、直線差して来ているとはいえ、僅差だけにこのロスが惜しい。ただ、アヴェンチュラとは違い、絶対に回り脚は有る筈で、直線の雨が応えた?

ブロードストリート

-14s。馬はキビキビ歩いており、気配自体は良かったが、数字通り細い。ゲートも少し悪いが、出脚鈍く後方から。4角でも行き場が無く、直線迄待ってからの追い出しに。今日の展開でこれだけ差せれば上等。前走阪神戦で触れた様に、4歳時を棒に振った影響は有るのだが、近況の限定戦は他も大概。3歳馬やフミノイマージンの様な新興勢力が居なければ差はない。

ショウリュウムーン

+8s。馬体はこれで良いが、少し歩様が硬いのがマイナス。何時も通り中段からの競馬。コスモネモシンにマクられたのは少し痛かったが、直線もジリジリ。雨は得意としており、もっと早く降って欲しかったところだろう。馬もまだ復調途上。

レディアルバローザ

+8s。太い印象もなく、相変わらず歩様に力強さが有る。この枠でも有り、好位のイン。直線前も開き、スムーズに競馬出来たが、僅差にせよ追ってもう一つだった。乗り役は馬場状態を理由にしていたが、広いコース向きの印象も有る。状態面には文句なく、コース替わって改めて。

第46回関屋記念(GⅢ)

レインボーペガサス

下見は落ち着いていた。この相手なら馬自体が上位。出たなりで好位。戦前は折り合い懸念したが、3角迄で治まったのが最大の勝因。これで直線向いてからも暫く追い出し待つ余裕が出来た。馬場の3分どころからラスト300mで先頭。そのまま後続の追撃を振り切った。その折り合いは新潟でこれなら2000m迄は問題は無さそう。3歳春には期待されながら勝ち切れず、遠回りは有ったが、秋に可能性の繋がる馬が勝った印象。サトノフローラやセイクリッドバレーでは楽しみが無い。

エアラフォン

+12s。少し立派過ぎる。この厳暑期だが、他馬と比較しても発汗目立った。ゲート自体は出ているが、二の矢が続かず後方から。更に後方に居たセイクリッドバレーが4角手前から動いたのは早仕掛け過ぎたとしても、全く抵抗出来ず、4角でズブさを見せる場面。ただ、ラスト400mになってから盛り返し、一追い毎に伸びて2着浮上。前走京都戦は普通に動けていただけに、今日の機動力の無さは+12sが大きかった様。立て直して改めて。

サトノフローラ

+6s。ここへ入ると馬がまだ子供。気配は良いが、馬自体は今日の函館戦へ入って互角。行く気無く後方から。ただ、3角手前から少し行きたがっていたのは痛かっただろう。その分なのか、この斤量でもセイクリッドバレーと脚色がほぼ一緒だった。最後前述セイクリッドバレーが止まった分の3着。高い評価は与え辛い内容。次走自己条件なら人気になるだろうが、嫌って妙味。

マイネルクラリティ

腹回りはボテッと映るが、トモにボリューム感。出脚が怪しかったが、新潟でも少し出して中段。丁度レインボーペガサスを見ながらの競馬。直線向いての手応えがレインボーペガサスとは大分違っていたが、それでも渋太く伸びて入着。元々上がり掛かってのタイプだが、エアラフォン同様、もう少し絞れれば俊敏さが出て来る筈。

セイクリッドバレー

何より毛ヅヤが良かった。馬体にも張り。満点やれる。例に依って後方から。これはこれで良いが、3角から動いて無駄な脚を使い、ジワジワ伸びたものの、最後に甘くなってしまった。丸山騎手、この馬で今春には人馬初重賞制覇の場面も有ったが、降ろされても仕方がない騎乗。

第43回函館2歳ステークス(GⅢ)

ファインチョイス

キビキビした歩様。数字はないが、トモの造りも目立った。マスイデアの出脚が目立ったが、この外でジワッと好位。引っ掛かる馬が多い中、折り合いはスムーズ。これが大きかった。直線向いてアッサリ抜け出しオイデオイデの楽勝。ただ、乗り役に言わせると遊んでいたそうだが、直線クビが使えていないのは気になった。距離には限界有ると見たい。

アイムユアーズ

コンパクトに纏まった馬体。完成度は高い。出遅れ1馬身不利。少し出して中段やや後方から。3角から動いて行ったが、内からナイスヘイローに併され、そのナイスヘイローが外へ逃げ気味で、更に外を回されてしまった。前には離されたが、評価出来る2着。前走は右手前のままだったが、今日は直線手前を替えており、これで終わる馬ではなさそう。

ナイスヘイロー

2人曳き。気配は絶好。青鹿毛で毛ヅヤは良く見せて当然だが、フックラした造り。出脚が鈍く、中段から。この枠でも有り、揉まれる展開になったが、3〜4角中間で上手く外へ。4角では少し外へ逃げ加減、アイムユアーズとは脚が違っていたが3着は確保。初めての競馬でこれなら内容は悪くないが、キングヘイロー産駒らしく頭の高い走法が厄介。

コスモメガトロン

2人曳き。落ち着いていたが、まだ馬が少し緩い。出遅れ1馬身不利。好位迄押し上げたが、この影響が大きく、行きたがっていた。ただ、4角での手応えは圏外の手応えだったが、直線バラけてからの伸びはまずまず。少なくとも函館の小回りが合う馬ではない。東京で改めて。

エクスクライム

2人曳き。毛ヅヤは中々だが、馬はまだ子供。出脚が速い方ではなく、枠の利で何とか中段。3角で少し行きたがる場面が有った以外はスムーズ。直線だけ大外へ持ち出したが、2,3着馬が抜け出した後では一手後手。この辺りのロスは有るが、出脚が甘いのは辛い。現状は500万レベル。

エクセルシオール

緩く映った。もう少し絞った方が良い。好発。出脚も速かったが、マスイデアが主張して2番手。初戦は外へ逃げる面が有り、それ思えば今日はスムーズだが、3角辺り迄行きたがっていたのが痛い。直線は余力無し。ベストはハナ。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第47回小倉記念(GⅢ)

イタリアンレッド

+4s。イレ込みは毎度だが、少しでも増えて出て来た点には好感。折り合いが有るので、あまり行く気は無かった筈だが、少し馬の機に任せたら自然と中段。その折り合いも、1角迄は怪しかったが、このハイペースで道中はスムーズ。外をノビノビ走って直線楽に突き抜けた。最後は抑える余裕も有った位だが、それでも展開向いた感は強い。スローの多い現代競馬でハイペースの追い込みは評価しないというのが基本線だが、前走中山戦で課題にした乗り易さは大分来た印象は有る。

キタサンアミーゴ

+8s。デビュー以来最高体重も太目感無し。もっと増えても良い位。春はメリハリが無く見えたが、一息入れて成長している。歩様もキビキビ。あまり行く気も無さそうだったが、この距離では出脚も鈍く後方から。これもこのペースで折り合いは付いたクチ。コーナーの脚は流石に苦しいのだが、結果的にイタリアンレッドに先導される形で、渋太く伸びて2着浮上。今でもレコードとして残っている1800mのダイタクバートラムもそうだが、小倉中距離のレコード決着は非力なステイヤータイプが良く走る。従ってあくまで条件合っただけで、本来の職場で即狙い目とは行かない。

リクエストソング

-4s。もっと絞れても良い位。毛ヅヤは良いが、腹回りがボテッと映る。戦前からの指示だった様だが、押して押して好位のイン。このハイペースで4角の手応えが良かったという訳ではないのだが、それでも先行勢では一番粘っての3着。前走京都戦は太い影響で機動力が落ちていたと判断していたのだが、本来の血統が出て来たのかも。2400m戦へ出て来た時が面白い。

ヤマニンキングリー

-4s。長期休養明けだが、キッチリ出来ていた。気配も上々。この馬の出脚で、無理せず好位直後。道中はラチ沿いをリクエストソングを見ながらの追走。4角での手応えも良く、最低馬券圏内は有ったと思ったが、直線向いた段階で反応が鈍くなっていた。休み明けいきなりのレコード決着は厳しかったか。ただ、戦前述べた様に、脚元が怪しいので、叩いての変わり身が期待し辛いタイプ。千載一遇の勝機を逃した感は有って。

エーシンジーライン

メンバー中一番良く見せた。特にトモの張りが抜群。出脚が怪しく、ホクトスルタン迄は叩けず、押して何とか2番手。開幕週とはいえ、1000m通過57.1秒はハイペース。それでも4角でホクトスルタンを交わして直線は先頭。自分の形は造ったが、最後に甘くなってしまった。大外枠の逃げ馬は行き切らないとダメなのだが、ホクトスルタンも2番手では妙味無く、仕方がないところ。馬は頑張っており、チャンスは続く。

ナリタクリスタル

-8kg。歩様はしっかりしていたが、少し張りが無い様に映った。中段やや後方のイン。ペースが速いとはいえ、道中の手応えが妙に悪く、追走で骨を折っていた印象。最後は6着迄押し上げて来たが、上がりが掛かっただけの話。案外感残る内容。デキに原因を求めたい。

サンライズマックス

2人曳き。+8kg。これも張り一息。例に依って後方から。基本的には行き振りの良い馬で、道中の雰囲気は悪くなかった。直線もインを突き、一瞬だけ反応したが、それだけだった。これもヤマニンキングリー同様、休み明けのレコード決着という事になろうが、叩いて変われそうな雰囲気は有る。次走改めて。

アドマイヤメジャー

戦前は陣営が強気だったが、皮膚が薄くデキ自体は良い。行く気無く後方からも、道中は行きたがる場面。直線も行き場が無かったが、それも道中の位置取りが悪いから。枠順も有るのだが、乗り易さが無いのがイタリアンレッドとの差に。

コスモファントム

馬体はこれで良いが、少し歩様が硬い。外枠の分だけ押していたが、道中は好位の外。基本的にはハイペースに泣いたという事になるのだが、3角で既にステッキが入っていた。少なくともエーシンジーラインが4角先頭の場面迄造る脚が有っただけに、イマイチ感が残る。今季見送った方が賢明か。