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競馬回顧 2010年5回阪神・5回中山

第55回有馬記念(GⅠ)

ヴィクトワールピサ

変わらず歩様にしなやかさが有る。今季馬体の成長度で怪しい部分も有ったが、重量感が有ったのも何より。例に依って枠の利を活かしつつ好位のイン。今日も折り合いは多少怪しいが、比較的前がバラけていた分も有り、最近のこの馬にしてはマシな部類。スローを嫌い、向正面でハナ。ただ、トーセンジョーダンも譲らずでそれならと一度4角で脚を矯めてからの追い出しに。この辺の匙加減が今日は絶妙だった。坂下で再び先頭に立ち、最後一杯一杯振り切った。枠順含めて何か一つ違っていてもやられていただろう。戦前述べた様に、2歳時は中山が向く雰囲気ではなかったのだが、武豊騎手が競馬を教え込んだのが最後の最後に出た。今日も含め、今秋は殆ど外国人ジョッキーが持って行ったが、こういう細かいところでの日本人ジョッキーの働きも大きい。「本当にありがとうございます。判定の間はずっと祈っていたんですが、とても長く感じました。自分の馬の方が頭が下がっていると感じてはいましたが、自分の角度からでは分からない部分もありました。先生からは少し前に行って欲しいと言われていたんですが、その通りいい位置につけられたのが良かったですね。ヴィクトワールピサはとても大好きな馬。馬にありがとうと言いたいし、いつもこんなレースができたらいいですね。この勝利を妻や子供たちや皆さんに捧げたいと思います。メリークリスマス! (デムーロ騎手・週刊競馬ブック)」

ブエナビスタ

馬体は判で押した様に変わらず。歩様が少し硬い気もするが、今季は毛ヅヤが良い。ゲートも少し悪かったが、内枠に先行馬が多く、これらが皆前に行って中段やや後方。これはこれで仕方が無いのだが、それよりも道中、メイショウベルーガが執拗に横付けしており、これが4角迄邪魔になり、直線向く迄我慢せざるを得なかった。最後は次元の違う脚だったが、痛恨の2p差になった。圧倒的に強い内容だが、それでも勝てないのが競馬。昨年も述べた様に、中山はこれが有るから面白い。ただ、前走東京戦の件が無かったら、降着にならぬ程度にメイショウベルーガを弾くか、無理矢理内突く位の事は有った筈。戦前からスミヨン騎手が乗れていない雰囲気有ったが、それがモロに出てしまった。

トゥザグローリー

かなり使い詰めだが、歩様が落ちて来ない。馬はここへ入ると並レベルだが。スタートで半馬身程後手踏んだが、ペルーサよりは出脚が速く、これを制して3番手。折り合いには自信が有るから出来る策だろう。前述の通り、ヴィクトワールピサが向正面で動き、一旦行かせて3角から追い掛ける競馬。4角の手応えはヴィクトワールピサの方が余裕有る様に見えたが、坂上でブエナビスタが来た際に抵抗する脚は見せた。前走小倉戦で触れた様に、キングカメハメハよりはトゥザヴィクトリーの影響が強い馬だが、母 (2001年) と同じ3着というのは中々良く出来た結果。ただ、池江泰郎厩舎が来年解散という事で今季無理使いになってしまっている。新聞等の表面上は来年が楽しみになったという話になるのだが、このツケを清算してからになりそう。ヴィクトワールピサやブエナビスタが意外にデキ落ちせず保つのはフォームに無駄が無いから。前述の通りでトゥザヴィクトリーの影響が有り、当面の結果に大差は無くとも、頭の高さがこういう点でジワジワ効いて来る。

ペルーサ

今日も少し太く映るが、馬に集中力有って、歩様も力強い。意外にも好発。戦前はゲート出たら大逃げだという話も有った様だが、馬の出脚任せにしか乗らないこの乗り役でも有り、好位に控える形。立ち回りとしては過不足無く出来ているが、元々トビの大きい馬で、根本的に中山が向かない。今日はスローとなっただけに前へ行った事自体は正解だったのだろうが、ゲート出たら出たで慣れぬ先行策も案外キツいモノ。勿論、ゲート練習続きというのも相当ストレス溜まる筈で、ここ迄馬は良く頑張ったと言えそうだが、馬券的には噛ませ犬になってしまった。

トーセンジョーダン

2人曳き。+10s。見た目だけを言えばこの位数字が有った方が良さそう。この方がドッシリと見せる。枠順見て戦前から決めていたのだろうが、押してハナ。この形はソコソコ流れるのが通常だが、意外に折り合いが早く付き、1000m通過62.0秒のスローに。ただスロー過ぎた分、ヴィクトワールピサの奇襲を呼び込んでしまい、これが痛恨となってしまった。もう少し1秒速いペースなら違った筈だが、今日は騎乗ミス。前走東京戦で述べた様に器用さに欠けるので、この先行策自体は間違っていないのだが。

ルーラーシップ

-4s。叩いて順当に良化。馬体が締まって歩様も落ちていない。1馬身出遅れ。1周目4角ではブエナビスタの外に居たが、徐々に番手を上げて1角で中段。向正面で好位に取り付いて、ここからが苦しくなってしまった。逆に言えば今日の6着は良く粘っている方。これもフォームがしっかりした馬で、簡単にはバテないのが強み。前走阪神戦で述べた様に、細かい取り溢しは仕方無し。

エイシンフラッシュ

2人曳き。好調教がこの中間話題になっていたが、前走東京戦よりはマシといった程度。気配は中々だったが、止め絵だけを言えば今春の方が確実に良かった。珍しく出遅れ。多少怪しい部分は有る馬だが、ここ迄大きく遅れたのは初めて。折り合いも有って、最初から内に入れて一発狙う策。今春東京戦もそうだったが、この馬この形なら我慢が利く。ただ、3角過ぎにフォゲッタブルが下がって来て一手分だけ後手踏まされたのが痛い。直線は来季に望みを託せるだけの脚は有った。前述した様に、それなりにデキが戻ってきており、来季は違う筈。

ダノンシャンティ

+14s。多少太いが、馬体の張りそのものは悪くない。少しテンション高いのは何時もの事だが、地下馬道からが酷かった。ゲートは出たが、下げて後方から。スタート直後からほぼ操縦不能に近く、後方で何度もドリームジャーニーと接触。それでいて直線伸び掛かっており、この馬能力は高い。戦前述べた様に、ヴィクトワールピサやブエナビスタは乗り易さを付けて今日が有るだけに、この馬も何処迄乗れる様になるか、調教師の手腕が試される。

ドリームジャーニー

2人曳き。+12kg。少し太いのだろうが、デキ自体は確実に良い。派手に出遅れて後方から。ダノンシャンティの項で述べた様に、何度も接触してこの馬もかなり行きたがっていた。今日はダノンシャンティが酷過ぎたとはいえ、これも元々は乗り辛さの有る馬。今日は競馬にならず。スローでも有り、敗戦自体は仕方が無いにせよ、最近ゲートを遅れ過ぎるのは課題。せめて1馬身以内に収めたい。

第27回ラジオNIKKEI杯2歳ステークス(GⅢ)

ダノンバラード

少し歩様が硬い。期待馬だそうだが、馬体もバランス取れているだけで迫力に欠ける。ゲートが少し悪かったが、全く行く気無く後方から。折り合い完璧ではなかったが、もっと酷い馬の方が多く、横の比較ではかなりマシな方。直線だけ外へ持ち出して、自分の決め手が発揮出来た。坂を上がって内にモタれたのは気になったが、乗り役に言わせると物見をしていたとの事。中々の内容。ただ、戦前述べた様に、今日はレースのレベルが低い。新聞屋は「ディープインパクト産駒の初重賞制覇が父と同じ池江泰郎厩舎と武豊騎手だった」で良いのだが、冷静に考えて来年定年の厩舎にそこ迄の期待馬が行くかどうか。かつて渡辺栄厩舎に所属していたスイープトウショウの様な例も有るとはいえ、そのスイープトウショウも転厩後のGⅠ勝ちは秋迄待たされた。きさらぎ賞か共同通信杯で始動というのも馬が蔑ろにされている感が。

オールアズワン

+10s。数字は成長分も有ろう。一応は出来ていたが、テンション高いのがマイナス。ゲートは速い方だったが、行かせる気はなく中段。ただ、後述する様にユニバーサルバンクがずっと内から併せて来て、馬が行きたがってしまい、見た目以上に苦しい競馬。4角諦めて外を回して一旦は先頭だから、能力は間違い無く相当。最後もダノンバラードに良く抵抗している。派手さを言えばダノンバラードの方が上になるだろうが、実力は五分。

コティリオン

数字はソコソコだが、コンパクトに纏まった造り。如何にもなディープインパクト産駒。1角迄は掛かっていたが、向正面で何とか折り合い、前走東京戦思えばまだ良い方。コーナー右手前で走って外へフクれそうになっていたのもディープインパクトを彷彿とさせるが、坂を上がる途中で一瞬狭くなり一手後手踏んだのが痛い。その間にダノンバラードが抜けてしまっていた。あれが無ければと思うのは当然。従ってこれも内容としては悪くない。

ウインバリアシオン

毛ヅヤが冴えずデキの良し悪しは微妙だが、数字通り一応は出来ていた。外回されるのを嫌って、前ヅケ気味に出したら行きたがって好位。ちょっと序盤のロスが痛くて、最後失速したが、強気に乗ったこの競馬は活きて来る筈。ただ、乗り役もコメントしていたが、出脚が甘い。多頭数でどうか。

アドマイヤコリン

数字は無いが、中々垢抜けた造り。毛ヅヤが良いのが目立つ。ゲートは少し悪かったが、少し出したら一気にハナへ。一瞬は暴走しそうな雰囲気だったが、前走京都戦同様ハナへ行って折り合いが付き、1000m通過が61.7秒。数字が無い分、坂を上る脚で苦しくなったとはいえ、最後迄止まっていない。前述したガサの無さから限界も有ろうが、500万は楽に勝てる。

ショウナンマイティ

+6kg。少し太いが馬体には張り。ただ、トモが甘い。好発。ゲートに関しては一番速かった位だが、折り合いに専念して後方から。ただ、向正面で頭上げる等、かなり引っ掛かっていた。戦前はトモが甘いので阪神はダメだろう判断したのだが、それ以前の問題だった。暫く掛かりそう。

マーベラスカイザー

+8s。少し太いというか緩い。前走京都戦を思うと案外感が有る。出遅れて最後方から。前に馬が居なくなってから行きたがってしまい、3角で中段、4角で好位。馬の気に任せて積極的に乗られたが、坂下迄。引っ掛かる馬ではない筈なのだが...。デキも怪しかったが、同じ負けるにしても内容が悪い。

ユニバーサルバンク

馬振り中々。この相手でも上位。出脚は使わず、オールアズワンだけ前に行かさない様に乗られて好位。道中は折り合いが付いた。4角でもオールアズワンを警戒して、内に入れぬ様に回り、自分は何処か馬群を割ろうとしていたのだが、ウインバリアシオンとオールアズワンの間が割れずに躓いて万事休す。着順はこの段階から全く追っていないので、全く気にならないが、手応え有っただけに勿体無い競馬になってしまった。オールアズワンを警戒し過ぎて策に溺れた感。

第48回農林水産省賞典愛知杯(GⅢ)

セラフィックロンプ

+6s。前走京都戦でメイチに仕上げて、今回は通常の造り。それでも今年は好調期間が長い。今日でも横の比較では一番良く見せていた。出脚は速いが、出ムチ使う馬も居て好位に。折り合いは付く馬で、スムーズな立ち回りが出来たが、4角前2頭と離されてこれらを自力で捕まえに行く形。少し強引にも見えたが、内をスクッたブロードストリートを差し返したのだから立派の一言。前走で述べた様に、少しでも軽い相手なら展開一つの馬なのだが、先行して粘るイメージは有っても根性を見せたのはデキの為せる技。一昨年に続いてのこのレース2勝目となったが、今年は下見通り充実の一年に。

ブロードストリート

-6s。スカッと見せる馬体。瞬発力身上の馬で、この造りでまあまあ。元々とは出脚が怪しかったが、何とか中段から。内を立ち回っての競馬だったが、3角でテイエムオ`ーロラが故障して、これを避ける場面が有ったのは結果的に痛恨となった。ただそれでも内スクッて一瞬ハナは覗かせており、セラフィックロンプに追い負けたのは案外感が残る。初めて背負う56kgだったが、意外に斤量が応えた?

ヒカルアマランサス

-12s。数字は絞れたモノ。集中力欠くのは初コースで許容範囲だが、相変わらず歩様が硬い。この馬は時々有るのだが、出遅れて後方から。ただ、この馬にとってこの距離は長いのでこれはこれ。ただ、前走もそうだった様に、追っての反応が鈍い。直線向いてからはそれなりに伸びているが、特にコーナーでの脚が無かった。このズブさが距離面で融通利かせているが、56s背負ってからの症状だけに、これもブロードストリート同様カンカン泣きしている可能性が高い。

イタリアンレッド

トモのボリュームも有って、この相手でも馬は見劣らず。オープンでも行ける筈だが、行く気無く後方から。小倉実績買われて穴人気していたが、確かに4角での手応えはヒカルアマランサスよりかなり分が良かった。逆に言えばそれで3着確保出来ないのだから、着差以上に力が足らない。

コスモネモシン

毛ヅヤが良くて、馬の造りも格好付いていたが、この馬の癖を思うとテンション高いのは減点材料。小倉開催という事で直前入厩避けたのだが...。行きたがるのを宥めて中段やや後方。バラけた位置で好きな様に乗れた筈だが、テイエムオーロラが故障して避けた馬を更に避ける形となり、4角も外回らざるを得なかったのはかなり痛かった。3着は確保出来る態勢だったが、一応言い訳は有る。

第62回朝日杯フューチュリティステークス(GⅠ)

グランプリボス

2人曳き。相変わらず骨格はしっかり。筋肉の付き方には変化無いが、毛ヅヤがマシになった分だけ、前走東京戦以上。出脚は速かったが、折り合い意識して中段に。デムーロ騎手、戦前から想定していた策だったのだろうが、前に馬を置いて我慢は利いていた。4角でゴチャつき、直線坂下でサダムパテックを行かせて外へ持ち出しての差しは一手遅いのだが、それでチギったのだから馬の決め手は文句無し。ただ、4角の事象はあくまで相手のアドマイヤサガスに脚が無かった分、降着とはならなかっただけ。今年、特に秋の東京開催以降は特定外国人騎手による故意のラフプレーが目立っていたのだが、デムーロ騎手お前もかといった印象。

リアルインパクト

2人曳き。相変わらずバランスの取れた馬体。これで迫力が来れば文句無しだが、ディープインパクト産駒に他馬の基準を当て嵌めても仕方が無かろう。この馬の出脚で中段。マイルで折り合い懸念されていたが、内で何とか折り合っていた。直線もラチ沿い通ってそれなりの伸び。ただ、前走東京戦でも述べたが、走法がディープインパクト。こういう小細工利かせる競馬は向かないだろう。東京で改めて。

リベルタス

毛ヅヤが良く、馬体の張りという点でも上々。馬振りも含めて下見だけならコレ。出脚はまあまあ速かったが、1番枠オースミイージーが行って好位へ控える形。序盤多少怪しいながらも折り合いは付いていた。直線向いても不利無く捌いており、逆に言えばこの競馬で勝てないのは案外感が残る。結果だけいえばこの馬以外は先行勢総崩れだったが、単純に先行グループの馬が弱かっただけ。GⅠは遠い。

サダムパテック

2人曳き。前走東京戦も良かった訳ではないのだが、今日は馬体の張りが一息。歩様はしっかりしているが、少なくとも上積みは感じられず。例に依って出遅れ。掛かるのも織り込んでの1番人気だったが、掛かり方が異常だった。それでも一瞬は先頭に立とうかの場面は立派。この気性を矯正して行くのは中々難しいとは思うが、間違い無くこの馬がこの世代最強。

リフトザウイングス

絞れた前走東京戦からマトモな状態に。前駆が真っ直ぐ伸びないのは父ハーツクライを彷彿とさせるが、中々垢抜けた馬体。ゲートも少し悪かったが、出脚が更に無く、少し乗り役が手を動かしたら今度は行きたがって...。更に間の悪い事にグランプリボスを起点として、アドマイヤサガスが内から飛んで来るアクシデント。それを思えば直線の脚は中々だった。前述の通りでハーツクライ同様、コーナーの脚は無いだろう。これも力は有る。

第5回阪神カップ(GⅡ)

キンシャサノキセキ

+6s。前走京都戦で気になった歩様の硬さは解消。デキも良いと思うが、数字通り太い。ジワッと好位。序盤はかなり行きたがっていたが、1400m以上の距離では何時もの事。前走京都戦と違い前に馬が居た分と、この馬自身も先行していた分で、競馬になった。4角内へ潜ったスミヨン騎手の捌きも上手かったが、最後は力でネジ伏せたという勝ち方。この辺りの相手なら地力が違った。一番良いところは香港調教馬に持って行かれたが、この路線なら文句無く最強の日本調教馬。

レッドスパーダ

休み明け関係無く、相変わらずメリハリの無い造り。下見だけでは毎回手が出し辛い馬。好発。意外にもビービーガルダンより出脚が速く、アッサリハナ。速過ぎず遅過ぎずのペースは完璧だったが、最後はキンシャサノキセキの底力が一枚上。ただ、この馬も休み明け。キンシャサノキセキが少しでも捌き損ねていたらの印象も有る。毎回評価の難しい馬だが、出脚が速く競馬が上手い点は評価出来る。

マイネルフォーグ

毛ヅヤが冴えずイマイチ感は有るが、今季の中では一番マシ。歩様の硬さが無かったのが何より。出脚は他に速い馬が居たが、枠の利も有って中段。4角迄はインベタだったが、直線向いてキンシャノキセキの直後に付けたのが正解だった。他馬の凡走にも助けられジワジワ脚を使って3着。1400mしか走らない馬で、この馬にとってのダービーだったが、この馬の力を思えばベストの結果。

ガルボ

相変わらず厚ぼったさの残る馬体だが、歩様に柔らか味が有った点には好感が持てた。この距離では出脚で若干苦しいが、出して好位。4角迄は上手く乗られたが、直線向いてレッドスパーダとエイシンタイガーの間で狭くなる場面。見方を変えると追って一瞬の脚がレッドスパーダより速かったからこの事象を招いたとも言える。内回りだったのもアンラッキーだったか。何れにしても器用さ活かす競馬なら堅実。

ゴールスキー

例に依ってチャカつく。トモは張っているが、その割に歩様が頼りないのも前走京都戦同様。ゲートが少し分悪かったが、出脚も使えず中段。行きたがっていただけでなく、外へもモタれ気味。これは向正面からそうだった。直線伸びないのも仕方が無かろう。現状は馬が未完成故に、一戦毎の消耗度が大きい。

リーチザクラウン

この相手でも馬振りは上位。落ち着きも有り、数字通りキッチリ出来ていた。出たなりで中段やや後方。下手に内に入れると引っ掛かる馬で、武豊騎手らしく、少し馬群と離して折り合わせる策。これは上手く行ったが、この距離では瞬発力が足らず。折り合い懸念して1400mからの使い出しとなったが、2000mがベスト。

ビービーガルダン

+10kg。数字通り太いが、それ以前にデキが無い。歩様が硬いのも減点材料。前述の通りで、レッドスパーダには完全に出脚でやられて好位に控える形。ただこの馬、外から被されるとダメで、今日は全く競馬にならなかった。デキが無いから出脚が無いのだと思うが、暫く掛かりそうなやられ方。

第62回農林水産省賞典阪神ジュベナイルフィリーズ(GⅠ)

レーヴディソール

2走前札幌戦を思うと見た目にはトモの甘さが解消。ただ、右後肢の送りが若干浅く、満点はやれぬ。半馬身程出負けしたが、デビュー以来一番マシ。このコース形態になってからスロー必至、戦前は大外ブン回しでどうかと思ったが、結果的にはまだ後方にアヴェンチュラが居た。下手な内枠よりは上手く運べた方だろう。坂を上がる脚が速く、上る勢いで勝ったと思わせた。唯一、坂を上って逆手前だったのが頂けないが、この厩舎は細かい悪癖を直して来るのが上手い。この点だけをいえば毎回ペルーサを出遅れさせる藤沢和雄厩舎とは対照的。春になれば問答無用の存在になるのだろう。

ホエールキャプチャ

2人曳き。相変わらずしっかりとした造り。この相手でも上位。今日はゲート五分。出脚自体は有る馬で、スンナリ好位。行きたがる馬が多い中、このスローでもしっかり折り合っいたのは印象的。直線向いて少し狭いシーンは有ったものの、この馬の脚でコジ開け、坂を上がって一瞬は先頭に立ったが...。最後はレーヴディソールを称える外無いだろう。クロフネ産駒で芝となると色々限界は有るだろうが、今日はゲートを五分に出て器用さ見せた点を評価しておきたい。

ライステラス

この数字にしてはトモの造りも悪くないが、歩様が硬い。枠は遠かったが、出脚悪くなく好位から。ただ、道中は少し行きたがっており、坂下で先頭に立ったのも乗り役が待ち切れなかったから。逆に言えば今日は能力面で確保した3着。折り合い面は今後の課題になるが、能力だけをいえばホエールキャプチャと互角と判断出来る。

アヴェンチュラ

-12s。前走札幌戦でも細かった位の馬だが、付くべきところには筋肉が付いた。前走からそのまま減った訳ではない。1馬身出遅れて後方から。今日はこのスローでも折り合い付いていたが、この展開で直線向いてレーヴディソールの更に後方では辛いところ。ジャングルポケット産駒らしいトビの大きさでジワジワとは伸びているが、坂でレーヴディソールに突き放された。レース後骨折も判明し、踏んだり蹴ったりの競馬に。

ツルマルワンピース

トモの張りはそれなりにしっかり。まずまず。ジワッと好位。道中は少し力んでいた様にも見えた。元々決め手で少し甘い上に、道中のロスも有って伸び切れなかったが、堅実は堅実。派手さが無く基本的には人気にならないタイプの馬だろうが、この競馬を続けて行けば何処かで穴開ける場面は有って良い。

マイネイサベル

2人曳き。夏場思えば毛ヅヤ一息だが、輪郭はしっかりしており、デキ自体が悪いとも思えず。ゲートは一番速かった位だったが、無理せず好位。直線向いて一瞬モタついたのが結果的に痛かったが、最後の脚は上位馬とも遜色無かった。手前を替えるのが遅いのは父テレグノシスからの遺伝。折り合いに問題が無く、切れずバテずのタイプ。まだ早い話だが、東京戦の穴馬に。

ダンスファンタジア

馬は間違い無く良い。ただ、下見で周回重ねる毎に煩くなり、地下馬道では母ダンスインザムードのオークスを思い出させた程。痛恨の出遅れ。後方で我慢出来ていればまだ良かったが、途中から引っ掛かって4角で好位。逆に言えば見せ場は造ったと言えるのだが、坂を上れず失速。下見から怪しい素振りは有ったが、前述母馬のオークスの様な結果に。土曜日のトゥザグローリーや今日のマイネイサベルもそうだが、血統はこういう面も伝えている。適性で馬券予想するだけが血統ではなく、馬の癖にも注目して見ると面白い。父母共内国産ばかりの現代競馬なら尚更だ。

第3回カペラステークス(GⅢ)

セイクリムズン

何時もながら気配には乏しいが、馬は張っていた。今季は絶好調。出脚は速かったが、この枠でも有り好位から。前半3F33.0秒は今年の高松宮記念やスプリンターズステークスより速いペース。その分なのか、4角の手応えの割に坂下でモタついたが、ティアップワイルドを差し返してV。ベストは1400mだろうが、外枠でスムーズに運べたのが大きい。ただ、前走東京戦でもほぼ変わらぬメンバーに圧勝。これから距離を保たせられればグロリアスノア級の働きは期待出来る。

ティアップワイルド

毛ヅヤがまあまあ。今回妙に人気無かったが、デキは悪くない。これも枠の関係で控えただけで、出脚は有って中段。セイクリムズンの坂下での粗相は別にして、4角でこれの手応えが良く、セイクリムズンを目標に追い出す形。実際クビ程度は出ているが、前述の通り最後差し返されての2着。走って当然の馬だが、今夏の阪神戦で述べた様に時計に天井が有る。

エノク

少し太い様にも見えるが、バネを感じさせる歩様。出脚苦しいが、ステッキ入れて中段。道中不利無く立ち回れているが、セイクリムズンとティアップワイルドが抜けてからの競馬では一手遅い。今日は枠順の差に泣いた印象。ただ、直線で右手前のまま。これも時計勝負は歓迎しないタイプだろう。

シルクフォーチュン

馬振りでは目立たないが、バランス取れて皮膚の薄さは有る。1馬身出遅れて後方からの競馬。一応最後それなりの脚で詰めているとはいえ、何時も通りの4角大外でここ迄。ただ、今日はこれ以上無い展開だろう。前の馬が34秒で上がっているなら別だが、36秒で上がっている以上、力が有れば勝てる筈。以上は現状では少し力が足らないと判断したい。

マルカベンチャー

シルクフォーチュン同様、ダートの差し馬らしい軽さの有る造り。ゲートも遅いのだが、行く気も無く後方から。この距離でもかなりジックリ乗られており、直線迄待ってからの追い出し。皆の脚が上がっている分、最後の1Fの脚は目立ったが、競馬が終わった後。1200mは短過ぎるが、1400mは折り合いの心配が出て来る。注文が多い馬。

スーニ

2人曳き。相変わらず馬は抜群。気配も文句無し。出脚が若干怪しかったが、セイクリムズンと前後する位置。直線はジリジリ伸びて一瞬は先頭の場面も有ったが、そこからが甘い。もう少し走って良い様に思うのだが、現状は見掛け倒し。

ナムラタイタン

2人曳き。前走東京もそうだが、馬体の張りが本当ではない。今季はデキ一息。痛恨の出遅れ。道中オッツケ通しで、4角セイクリムズンの直後迄は持って来たが、そこ迄。デキの問題も大きいと思うが、ゲートも響いた。

第46回中日新聞杯(GⅢ)

トゥザグローリー

馬振りは元々上位。使い詰め故、状態面を測る上で歩様がどうかだったが、今日もスムーズ。直ぐ外のメイショウクオリアが中途半端に控えたのは誤算だっただろうが、この馬も出脚で苦しく中段のイン。ただ、向正面で前述メイショウクオリアの手応えが怪しく、戒告こそ取られたものの、3角では労せず好位に取り付く事が出来た。4角でも少し追い出しを待つ余裕、直線向いてからはラスト1F地点で既に捕えており楽勝だった。追って少し頭が高いのは、似た様な走法だった母トゥザヴィクトリーを懐かしむ程度で良さそうだが、それよりも今季アパパネに対して述べた総合力で何となく勝つ的雰囲気がこの馬にも有る。GⅠとなると、もうワンパンチ出せる様にしたい。

コスモファントム

+10s。腹帯食い込んでおり、少し太いのだが、しっかり踏める様になったのが今季の特徴。出脚でメイショウクオリアを押さえ込み、枠でミヤビランベリを制してハナ。1角の時点では既に隊列固まっており、序盤からかなり楽に行けた。オープン戦でなくても1000m通過60.8秒はスロー。このミヤビランベリが絡んで来る気配が無く、4角でも単騎。直線でトゥザグローリーにはアッサリ捕まったが、2着は悠々確保出来た。もう少し抵抗して欲しかった気もするが、基本はマイラー。

ゲシュタルト

今季初っ端が悪過ぎたが、大分良くなって来た。普通には走れる状態。行きたい馬に行かせて中段。道中折り合って過不足無い立ち回りが出来たが、4角でトゥザグローリーの直後に居た筈がそこから突き放されてしまった。斤量分考慮しても、現状は能力差が有る。この状態で鍛えていかないと先行きが暗い。

サンライズマックス

2人曳き。+12kg。休み明けだが、昨春のデキが戻っていた。悪い時はゲートからダメだが、今日は五分。それでもこの枠でも有り後方からの競馬となるのだが、このスローで4角大外では競馬にならなかった。逆に言えば最後は自分の脚で追い込んでおり、価値の有る4着。次走注目だが、過剰人気に推される典型的パターン。最終的にはオッズ次第になりそう。

バトルバニヤン

腹回りボテッと映るのは元々。夏場の唸るデキはないにしても、まずまず。出脚が鈍く後方から。道中は少し行きたがっていたが、これは毎度。直線前の馬を捌く際に強引過ぎて過怠金取られたが、ラチ沿いをひたすら走って直線も内からジワジワと。最終的に春の小倉戦が目標になるだろうが、スローで良いタイプとも思えず、サンライズマックスよりもこの馬を狙う手も。

ナムラクレセント

戦前述べた様にトモがパンとしたのは大きい。歩様の非力さが無くなった。少し出して中段。少し行きたがっていたが、これは何時もの事。3角過ぎから早目に動いているが、4角回ってサンライズマックスの2頭分内から直線僅かに伸び負け。この辺りの差は馬の個性として片付けても良い範疇なのだろう。力は付けている馬だが、展開が悪かった。

ヤマニンキングリー

+12s。張りが一息だが、この馬の場合増えるのは常に良い傾向。出脚は有る馬で、ジワッと好位直後。ただ、道中は後方に居た筈の3角ナムラクレセントにマクられ、直線向いても伸び案外。まだ本当ではないのだろうが、今迄馬体重の増減が激しい分、鍛錬に陣営の意識が向いていなかった。この数字で鍛えていけばもう一花咲かせられる筈だが。

ジャパン・オータムインターナショナル 第11回ジャパンカップダート(GⅠ)

トランセンド

前走京都戦と変わらず。昨年思えば成長は有るが、元々が大して見栄えする馬ではない。出ッパで半馬身抜けた。1角迄に一瞬頭上げる場面が有って、スムーズではなかったが、枠の利も有って単騎逃げ。ただ前走と違いバーディバーディが1馬身後方で追走、その分ペースは速く、4角でもバーディバーディが積極策。苦しい雰囲気も有ったが、坂を上がって突き放す二枚腰。ハナへ行った時は妙に強い。ただ更に強調すべきはこの馬の運の良さ。前走後に「次走はエスポワールシチー次第」と述べて、スマートファルコン共々運良く回避してくれたが、3歳時からこの馬の行くところには新設重賞が有る。今日の枠順や馬場状態もこの馬には絶好。史上最強運馬はテイエムオペラオーだろうが、この点だけなら現役最強なのは間違い無い。

グロリアスノア

+10s。デビュー以来最高体重。何時も細身に見せるこの馬としては少し太いのだが、今季は休み明けから毛ヅヤが良く、少し煩い位の気配もデキが良い証。2角辺り迄は行きたがっていたが、1角でスッと引いて中段やや後方。乗り役の指示には従っていた。3角過ぎにダイショウジェットがマクりに動き、これを行かせてワンテンポ待ってからの追い出し。東京戦同様の脚で追い込んでここ迄。ダートでもスピード優先の馬で、あまり時計掛かって良い馬ではなく、今日はソコソコ流れたペース、不凍剤撒いていない中での稍重、この2点がこの馬に向いた。来春は東京戦が目標になろうが、オーナーの進言を得て今回騎乗の小林慎一郎騎手が再び騎乗する事になるのだろう。しかも東京戦はエスポワールシチーとトランセンドがやり合いそう。今回以上の浪花節的結果は充分。

アドマイヤスバル

+14s。少し歩様が硬いのだが、数字が増えた分良く見せる。毛ヅヤも良かった。出脚で差が有って中段。コースロス無くという意図は当然だが、砂を被ると良くないのか、3角過ぎから妙に手応えが悪く、ここでの勢いがグロリアスノアとの差。相手関係無く似た様な着順だが、勝負どころで置かれる癖は有り、今季初っ端札幌戦の様にゲートに失敗すると競馬にならなくなる。最後に我慢比べになる分、GⅠでの好走確率が高いのだろうが。

バーディバーディ

+6s。攻め強化して馬体増。前走東京戦の段階では暫く掛かると思ったが、意外に良化急。好発も、出脚は速くなかったが、積極的に乗られて2番手。勝負どころからも積極的で、3角過ぎから並び掛ける強気の競馬。直線入り口で一瞬やったかの場面だったが、坂を上がって振り切られ追っ掛けバテの形。ただ、一昨年8着,昨年4着馬サクセスブロッケンも追っ掛けバテして更に強くなった。来年はもうワンランク上の競馬が期待出来る。

シルクメビウス

普段CWの馬が最終追い切りを何故かBコースで追っていて、宜しくない雰囲気も有ったのだが、多少歩様が硬い以外はまあまあ。例に依って出脚が無く後方から。3角からマクッたダイショウジェットが行き切ってくれれば展開違ったが、流石にそれは適わず、後手踏まされた格好に。確かに4角外を回らずグロリアスノアに付いて行けば馬券圏内有ったかも知れないが、2番人気の馬が8番人気の直後に付けるのはギャンブル過ぎる。最後の脚に地力の一端は見え隠れしているが、今日は枠順が仇。

ラヴェリータ

牝馬にしては重量感感じさせる造り。芦毛だが、毛ヅヤも良く、下見だけならコレ。出脚は苦しいが、トランセンドをまーくすべく出して好位のイン。道中序盤からそうなのだが、少し追走が苦しく、4角からは追い通し。直線も伸びずバテず。大きく負けた訳ではないのだが、この馬場ではスピードが足らなかった印象。

キングスエンブレム

腹回り少し余裕有るのだが、その割にトモが薄い。デキは良いと思うのだが、馬が完成途上。これもゲート速かったが、出脚で差が有って中段のイン。砂は被っても平気な筈で、3角迄の雰囲気は悪くなかったが、直線サッパリ。この馬に関して何度も述べている様に、基本はスローの差し馬。このペースでは辛い。

ヴァーミリアン

この相手では格上感有る馬体だが、トモが薄くなって来たのが年齢分。今日はゲート五分。意外に出脚も有って中段から。ただ、向正面過ぎから徐々に置かれ出し、4角では最後方。この馬場ではスピードで苦しいのは確かだが、それにしても止まり過ぎ。これで引退だそうだが、止む無しと思える結果。

第63回農林水産省賞典鳴尾記念(GⅢ)

ルーラーシップ

+12s。贔屓目に見ても80点。この相手なら馬振りで圧倒だが、腹回りに少し余裕。出さず急かさずで中段。前走東京戦と比較して1000m通過で3秒違うペース、これなら折り合いが付く。直線も外回して競馬をしたというよりは自分の走りに撤して楽勝。ただ、4角回って暫くモタつき、坂に掛かって逆手前。例に依って上へ飛ぶ走法はダイナミックだが、これが休み明けの分だろう。今後、スローにハマって取り溢す場面は多そうで、距離適性が狭い印象も有るのだが、ポテンシャルは現役屈指。ここらの相手では格が違うのは確か。

ヒルノダムール

2人曳き。少し硬い歩様はこの馬独特。瞬発力身上の馬で、重量感感じさせない造り。一応は及第点。出脚は五分だったが、控えて中段やや後方。直線一番外からこの馬の脚は使って2着浮上したが、追い出して内にモタれ通し。この点は今迄見られなかった癖。見た目は悪いと思わなかったが、何処か疲れが有る様な印象。一度立て直す事になりそう。

リルダヴァル

前々走東京戦は2走目のポカ的雰囲気が下見から有ったが、今日は歩様もスムーズ。これも馬は軽いのだが、この馬としてはまあまあ。長手綱で乗れるタイプではないが、この馬としては折り合って中段。出脚も速い馬で割とスムーズに立ち回っていた様に見えたが、内にモタれていたヒルノダムールに追い負けている様ではダメ。馬が未完成で、休み明け初っ端に道悪で走った影響が未だに効いている。暫く掛かる筈。

シルポート

+6s。腹回りボテッと映る。皮膚の薄さが感じられず、やはり今季はデキが一息。リトルアマポーラと出脚五分だったのは情けないが、主張してハナ。単騎でこの馬のペース、直線も追い出し我慢する位だったが、追って鋭さ負け。これなら待たずに突き放した方が良かった事になるのだろう。ただ、相手関係有るとはいえ、東京戦2走よりは内容が良い。最悪は脱したと見たい。

ショウリュウムーン

今春から完成度が高く、成長案外だが、相変わらず歩様はしっかり。あまり出脚に速いタイプではないが、行く馬が少ない組み合わせでジワッと2番手。坂の手前で手前が替わって一瞬内にササッたが、直ぐに戻してこの馬なりの伸び。この相手思えば悪くない内容。

アドマイヤメジャー

良くも悪くも何時ものこの馬。馬を大きく見せないのが現状の天井。折り合い意識しつつ中段のイン。特に悪い立ち回りに見えなかったが、直線向いても伸びる気配すら無かった。前走京都戦で負かしたリルダヴァルには先着出来て良い筈で、元々評価していない馬にしても負け過ぎ感が有る。結果だけ見ると広いコースがダメという事になるのだが、敗因不明。

第44回スポーツニッポン賞ステイヤーズステークス(GⅡ)

コスモヘレノス

+2s。またプラス体重で今日も太いのだが、トモの造りは相変わらず目立つ。毛ヅヤも良く、デキが良いのは確か。枠の利も活かして2番手。道中は所々で少し力んでいる様にも見えたのだが、インで我慢。フォゲッタブルが2周目向正面から動いてかなり競馬が激しくなったが、内で脚を残して直線勝負。この馬も4角の手応えが良かった訳ではないのだが、他馬がそれ以上に脚を使っており、スパッと抜け出して快勝。前走東京戦後に良いスタミナが有ると述べたが、今日はそれ以前に松岡騎手が上手く乗った印象が強い。

ジャミール

前走東京戦と良くも悪くも変わらず。まずまず。この乗り役でも有り、行く気無く後方から。前述の通り、2周目向正面でフォゲッタブルが動いたが、この馬は3角過ぎから進出、直線迄待ってから一番外へ。4角での手応えが抜群だったが、いざ追い出して内にモタれた上に、頭が上がる有様。乗り役の話では気性面の問題だろうとの事。相変わらずもどかしい。

ネヴァブション

2人曳き。毛ヅヤが多少怪しいが、キビキビした歩様と必要充分なトモの張り。意外に出脚怪しかったが、押して中段のイン。乗り役は折り合い面を敗因に挙げていたが、これは他馬も似た様なモノ。それよりも上位2頭がワンテンポ追い出しを待っていたのが大きい。この馬は正攻法が仇になった。ただ、昨年から中山では常にそれなりの競馬。次走も圏内。

モンテクリスエス

2人曳き。遮眼革。-8s。馬体絞ってメイチの仕上げ。久々に良い状態。ゲートが少し悪く、中段やや後方。普段はズブさが目立つ馬だが、後方外から来たネヴァブションに併せて進出し、直線入り口では一瞬先頭の場面。最後は甘くなったにせよ、見せ場は造った。 下見通り復調ムード。

フォゲッタブル

以前思えばしっかり歩けているが、毛ヅヤが冴えず。行く気無く後方から。ただ、道中行きたがっていて、1周目3角で番手を上げ、更に2周目向正面から一気に動いて、4角先頭。馬が行きたがったので仕方が無い面は有るのだが、強引過ぎた感も強い。

トウカイメロディ

2人曳き。+8s。この馬にしては気合乗っていた。歩様もこれなら許容範囲。多少出脚怪しいが、好位からの競馬。2周目3角でマクりに来たフォゲッタブルは一旦行かせたが、ここから立て直したところへ更にモンテクリスエスとネヴァブションが襲い掛かって来て苦しくなった。今日は一応展開。