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競馬回顧 2010年2回京都・1回東京

第27回フェブラリーステークス(GⅠ)

エスポワールシチー

今日は然程良い様には見えなかった。本気で仕上げていないそうだが、確かに馬体の張りが一息。ゲート少し悪く、これがこの馬の最悪のパターンだった筈だが、出脚でスンナリ好位。殆ど出していないので、折り合い面でも我慢が利く。ローレルゲレイロが4角で脚を矯めたところで、持ったままで進出。坂下から追い出してそこからは独走。この時計もかなり速い。無事が大前提だが、今日のデキでこれだけ走るならもう一つ奥を見込んで良い。

テスタマッタ

トモの張りは流石だが、若干寸詰まり気味。デキ自体は問題無さそう。例に依って後方から。序盤は掛かっていたが、向正面半ばで折り合いが付いた。例に依ってコーナリングが怪しいのだが、直線向いて暫く前が開かなかったにも関わらず、追い出しての伸びはしっかり。追い込み馬故のアテに出来ぬ面は有るのだが、東京なら堅実。ただ、レース後に骨折が判明し。

サクセスブロッケン

2人曳き。+11kg。元々が細身に見せていた馬で、文句無しの馬体。これも微妙に出負け気味。押して好位取りに行ったが、出し過ぎで口を割っての追走。前々走同様、一旦は2番手に上がっているが、またしても追っ掛けバテ。骨折明けいきなりだった内田博幸騎手、どう乗ってもエスポワールシチーを負かすのは無理だったとはいえ、乗り方次第では2着有った筈だが。

ケイアイテンジン

少し太く映るが、ダートのマイル戦ならこれはこれ。この枠で、ハナも想定していた筈だが、完全に出脚負けして好位止まり。3着とは1秒近くチギられており、何とも言えぬ部分は有るのだが、砂を被っても競馬が出来た点は収穫。今後これが良い方に繋がれば。

グロリアスノア

前走と然程変わらず。良くなった印象は無い。この馬の出脚で中段から。時計が速過ぎて外を回った組はかなり苦しかった筈だが、その中では最先着。前述した様に、前が遥か彼方で、微妙な面も有るのだが、少なくとも前走がフロックでなかったのは間違い無いところ。

第45回デイリー杯クイーンカップ(GⅢ)

アプリコットフィズ

数字は無いが、垢抜けた馬体。後肢の踏み込みの深さが特筆モノ。ビービーエーディンの方がゲート速かったが、引っ掛からない程度に抵抗して好位から。直線向いても暫く持ったまま。中々手前が替わらなかったが、替ってからの四肢の伸びが印象的。楽勝だった。前走中山戦は運の悪さを見せたが、今日はビービーエーディンを交わした直後にビービーエーディンが外側に斜行。抜け出すタイミングが遅れていたら危ないところだった。3歳牝馬の中では今のところ一番強いのは今更の話。今春の間は全て本命に。

プリンセスメモリー

少しチャカついていたが、400kg切る様な馬はこれ位の気持ちで丁度。ゲートは出ているが、下げて後方から。コーナーをキッチリ回り、直線も最内へ。暫く前が開かなかったが、前述ビービーエーディンが外へモタれてスペースが出来たところへ突っ込んで2着浮上。デビュー戦から直線はインを狙う競馬ばかりだが、インが利く馬場状態ならソコソコ走っている。

テイラーバートン

-6kg。今日は少し細い。非力な歩様も相変わらず。出脚は大して速くないが、この枠で少し仕掛けたら行きたがって2番手。それでも4角の雰囲気は悪くなく、一旦は2着確保かと思われたが、最後の踏ん張りが利かなかった。前走中山戦もそうだったが、まだ馬が難しい。

トーセンフリージア

+8kg。折角増えたのだから、筋肉にしたかった。毛ヅヤは良いが、今日は緩く映る。また出遅れたが、押して中段やや後方。枠なりにインを回り、ジワジワ伸びているが、直後に居たプリンセスメモリーに差されたのは頂けない。この距離ではジリッぽさが残る。

ブルーミングアレー

2人曳き。トモにボリューム感が有り、この時期の3歳牝馬にしては良く出来た馬。道中は好位。外から引っ掛かったギンザボナンザに連られそうになって、序盤は少しチグハグ。ただ、他馬も似た様なモノで、エイシンフラッシュとの差を思うと、もう少し伸びて良い筈だったが、案外。見た目は悪くなかったが、デキ落ち?

第103回農林水産省賞典京都記念(GⅡ)

ブエナビスタ

+14kg。前走中山戦も悪くなかったが、減って良い筈は無く、今日は目論見通りの仕上げ。毛ヅヤがパッとしないのは仕方が無いところも。出して前と離れた3番手。追い込み馬を引っ掛からぬ様に出して好位確保するのはこの乗り役の御家芸。昨秋悪夢を見たプラットフォームだが、4角で射程圏に捉え、並び掛けて来たジャガーメイルを振り切って1/2馬身差。ただ、並び掛けられて逆手前、以前よりフォームに迫力が無くなった印象も有る。数字上のパフォーマンスは文句無し、余力も感じたが、3歳時の貯金で食い繋いでいる印象も強い。まあ、ディープインパクトも何度かそう思わせる場面が有ったのだが、UAE戦は現状楽観視出来ぬ。

ジャガーメイル

先週取消にも関わらず即使って来る位だから、デキには問題無い。道中は中段。ブエナビスタをマークしての競馬。直線は一瞬やったかの場面だったが、そこからがブエナビスタの底力。重賞未勝利の馬だが、今日はグランプリホースに先着し、GⅢ勝った位の価値は有る2着。ただ、左前肢フレグモーネなら1週間程度では使えない筈だが...。馬は悪くないが、先週の発表には疑問が残る。

ドリームジャーニー

+12kg。多少太い。テンション高いのは気にならないが。この馬としては普通のゲート。例に依って後方から。坂の下りで動きたかったところだが、サンライズマックスに先に動かれて直線迄待ってからの競馬。前もかなり速い脚で上がっており、今日は仕方無し。この馬はこういうところは負ける馬。

ホクトスルタン

+16kg。かなり白くなって来た。腹回りにも相当な余裕。出脚はセラフィックロンプの方が若干速い気もしたが、当然のように主張してハナ。道中はスローの単騎、決め手の差で負けたが、上がり3F34.8秒だから止まってはいない。最後迄頑張っている。昨年期待した天皇賞父系4代制覇の夢は未だ消えていない。

セラフィックロンプ

前走もそうだったが、今季はデキが良い。歩様に硬さが無く、毛ヅヤが抜群。出脚は一番速かった位だが、ホクトスルタンに行かせて2番手。これも最後は決め手の差だが、行かせても競馬になる事が分かったのは収穫。ハンデが軽い内にクィーンスプマンテやテイエムプリキュアの真似をしてみるのも一つの手。

第60回ダイヤモンドステークス(GⅢ)

フォゲッタブル

この距離思えばこれで良いが、この馬の場合は最終的に2000m迄はこなして欲しい筈。そうなるともう少し重量感が欲しい。出たなりで、中段やや後方から。1周目スタンド前で一瞬行きたがった以外は折り合いスムーズ。大事に乗って、直線も外へ。直線は左手前のままだったが、それでも突き抜けた。57kg背負ってこの勝ち方なら文句無し。近年、このカテゴリーが手薄という事も有って、今春京都でアッサリという事になりそう。

ベルウッドローツェ

シープスキンノーズバンド。キビキビ歩いていて、バランス取れた造り。成程ディスタンス向き。ジワッと好位。インに居たが、1角辺り迄は行きたがってそれなりのロス。それでも直線は渋太く脚を伸ばした。見た目通りにステイヤー。普段は折り合う馬で、折り合い面はたまたまだと思うのだが、賞金稼ぐ為には2500mをこなせるかどうかがポイント。

ドリームフライト

毛ヅヤ悪くなかったが、少し太い様にも映る。歩様にも柔らか味が欲しい。昨年同様の逃げ。その昨年はフローテーションが引っ掛かって、ハイペース誘発したが、今回は単騎。最後の最後で3着に落ちたが、寸前迄踏ん張っていた。ただこの馬、基本的に出脚が鈍い。勿論ハンデも利いているが、今日はこの枠とこのコース形態でスンナリハナに立てたのも大きい。

メインストリーム

-8kg。この距離ならこの造りで充分。皮膚を薄く見せる点にも好感。乗り役はもう少し前に行きたかった様だが、出脚負けして後方から。ただ、折り合い自体は実にスムーズ。結果的にフォゲッタブルマークの競馬。ただ、フォゲッタブル同様に手前が替わっていないのだが、こちらは苦しがってのモノ。内にモタれていた。真っ直ぐなら2着有ったかも。

トウカイトリック

昨季からデキが良い。歩様もこの馬にしてはスムーズ、毛ヅヤも良い。道中は中段やや後方。丁度、フォゲッタブルを前後する位置。外回したフォゲッタブルとは対照的に内を突いたが、最後に狭い場面。ただ、馬格の無い馬がこのハンデをクリアしたのは立派。老いて益々盛ん。

ヒカルカザブエ

スカッとした造りでトモに張り。これこそステイヤー。好位のインで立ち回りは絶好。ただ、2周目向正面後半から置かれ出して、直線もフォームがバラバラ。故障でなければ良いが...。

第50回きさらぎ賞(NHK賞)(GⅢ)

ネオヴァンドーム

2人曳き。馬体に張りが無く、歩様も硬い。横の比較では一番悪く見えた位。出脚が一息で中段から。枠を活かしてコースロス無く回るのは当然だが、直線向いて外へ持ち出すのに失敗して、改めて内を突く形。今日はこの辺の反応が俊敏だった。抜け出してからは外へモタれて過怠金50,000円取られたが、未勝利も2着続きの馬で、相手なりに走れるタイプ。ただ、下見がパッとしなかったのも確か。これ以上は今後を待ちたい。

レーヴドリアン

馬体は目立たないが、集中力が有って、キビキビした雰囲気に好感。押しても動かず、出脚がサッパリで最後方から。直線も大外。全身使ってフォームもダイナミック、良く伸びているが、右前が外向気味。左回りで人気背負った時が絶好の蹴飛ばし時。

ステージプレゼンス

全身使えていて雰囲気悪くない。これも出脚が無く、出して中段。追い出して一瞬の反応は良かったが、最後に内にモタれて伸びが鈍った。前走は追い出して頭が高く、手応え程には伸びないイメージが有ったのだが、今日は頭の高さこそマシになっていたが、甘いのは相変わらず。もう少し鍛錬が必要。

インペリアルマーチ

2人曳き。+8kg。もっと絞れた方が良い。歩様もまだ甘いが、それでもトライアンフマーチのこの時期を思えばまだマシ。出脚が有って、ジワッと好位。宥めて、一応は折り合えた。ただ、追い出してからが若干甘い。4角で手前が替わり、外へ膨れる粗相も有った。まずは20kg程、絞ってから。

ダイワバーバリアン

-6kg。落ち着いていた点が何より。まだ力が付き切っていないのだが、垢抜けた馬体が印象的。折り合い意識しつつ、中段の内目。若干、仕掛けが遅れたのと、追い出して真っ直ぐ走れていない分が届かず。結果的に乗り方が消極的過ぎたが、この辺が距離に弱みの有る馬の辛さ。

第44回共同通信杯(トキノミノル記念)(GⅢ)

ハンソデバンド

-6kg。締まって来たが、体型はマイラー。歩様にもスムーズさが欲しい。またしても好発。スタート直後はかなり行きたがっていたが、何とか我慢させて2番手。直線も手応え充分、一旦アリゼオを引き付けて追い出した時には楽勝かと思ったが、ラスト200mで左手前。かなり苦しい態勢を一杯一杯凌いでハナ差。昨年暮れに述べた様に、5年10年に一度の馬が数頭居て、今年のクラシック路線は凄まじいハイレベル。その中へ入ると正直霞むのだが、この勝負根性は高く評価したい。最初からNHKマイルカップを目標なら面白い存在になるが、一生に一度のクラシック。ここ迄来て夢を見ぬのも馬に失礼。

ダノンシャンティ

2人曳き。まだトモに甘さが残るのだが、馬は間違い無く良くなって来た。見た目だけならGⅠで通用。出遅れたが、少し出して中段馬群へ突っ込む形。ただ、この過程で頭を上げて行きたがっていた。そのままコースロス無く回して、直線だけアリゼオの外へ。これも左手前ながら良く伸びているのだが、未だ馬の完成度が低く、四肢の伸びでハンソデバンドやアリゼオとは差が有る。逆に言えば未完成の状態でこのパフォーマンス。馬の器は相当。

アリゼオ

馬振りは文句無し。ただ、今日はチャカつき目立ち、集中力を欠く。ハンソデバンドのゲートが速過ぎるだけで、出脚は悪くなく好位から。ただ、道中はこれも行きたがっていた。それでも手応え充分に追い出し待っていた程だったが、ハンソデバンドが捕まえ切れず、最後ダノンシャンティに差されて3着。戦前は単勝1倍台の一本被りだったが、前走中山戦の内容が大した事無かった。馬振りは目立つので、何時か化ける可能性は否定しないが、現状はこの程度の馬。

ダイワアセット

小走り入っていたが、気合乗りと取れる範囲。馬もバランス取れて悪くない。出脚利かせて好位。短手綱でガッチリ抑えて折り合いに専念。ただ、立ち回りが完璧だったにも関わらず、前とは2馬身差。上とは差が有りそうだが、立ち回り上手い点は評価したい。次走自己条件なら一本被りになるだろうが、期待に応えてくれそう。

アースステップ

上位馬とは雰囲気で差を感じるが、手先のスナップが利いていて、この馬としてはかなり良い方のデキ。出脚負けして中段。内を回って直線でアリゼオの直後。そこから一瞬で突き放されたのだが、ジワジワ伸びてここ迄。再度の重賞掲示板だが、まだまだ。

第15回シルクロードステークス(GⅢ)

アルティマトゥーレ

厳寒期で状態面不安視していたが、意外に雰囲気が良かった。陣営に言わせると未だ万全ではないとの話だが、元々が良く見せぬ馬で、これでまあまあレベル。今日はゲート五分。間違い無く出脚は一番速いが、ショウナンカザンが行って控える形。こうなれば他馬も無理出来ず、必然ペースも落ちる。4角でも手応え楽。あとは抜け出すタイミングだけ。デキさえ戻ればこの位は当然の馬。内枠時に競馬がし辛い様な印象も有るが、引退レースの次走も楽勝出来る筈。出脚の重要性を日本一理解しているこの乗り役を確保している点も、今後へ向けて心強い。

ショウナンカザン

少し腹回りボテッと映るが、毛ヅヤが良くデキ自体は悪くない。出脚はアルティマトゥーレだったが、この枠でも有り主張してハナ。前述した様に隊列がスンナリ決まって、スロー。アルティマトゥーレとは能力差有るのだが、これだけ恵まれれば2着は確保出来る。

シンボリグラン

+12kg。数字上は少し太い程度。見た目にも太くない。この馬の場合は歩様さえスムーズなら力は出せる。出負け気味も、枠の利で中段。スローも有って、少し掛かる位の行き振り。最内からジワジワ脚を伸ばしてここ迄。スローで人気の差し馬が死んだ分は有るが、毎回それなりに堅実。

シャウトライン

-2kg。これではまだ太い。もう一つ前で競馬したかったところだが、アルティマトゥーレに叩かれて好位直後。スローで4角辺りはかなり行きたがっていた。直線それなりに伸びているが、引っ掛かった分と位置取り、そして一枚重い分で4着止まり。この3つを全て無くすのは難しいにしても、太目は厩舎技量で何とか出来た筈。これが無いだけでも3着は有った様に思うのだが。勿体無い競馬に。

ラインブラッド

馬振り目立つ訳ではないが、毛ヅヤ冴えていた。ゲートは速い方だったが、道中の行き振りが悪く、4角の段階で後方に近い位置。それでもコースロス無く回って、内から伸びている。1400m位の方が競馬はし易い筈だが、1400mのオープン戦はレース数が少ない上に、相手も強いのが...。

プレミアムボックス

止め絵は昨季一連のデキをキープ。ただ、少し歩様に硬さが。出遅れて、例に依っての待機策。ただ、そこから何時もなら外へ回すところだが、今日はこのペースで諦めてイチかバチかのイン強襲策。後方待機組では最先着だから、この判断は間違っていないが、展開が向かなかった。とはいえ、追い込み馬が2回連続で結果出して、3回目を期待する方が酷というモノ。まあ、これが出来ればデュランダルなのだが、そのレベルは近い様で遥か彼方。

エイシンタイガー

2人曳き。ホライゾネット。馬体もボリューム感が有り、下見だけならコレ。出たなりで好位直後。今日はスローでずっと外々回された。結局、4角の位置取りのまま入線。何度か述べている様に、この馬を成績程は評価していないのだが、兎に角何か取り柄が欲しい。プレミアムボックスの様な終いの脚でもアルティマトゥーレの様な出脚でも何でも良いのだが、このままでは中間着並べるだけの馬に。

第44回小倉大賞典(GⅢ)

オースミスパーク

気性的な怪しさは見せていたが、毛ヅヤが良かった。出脚が速い訳ではないが、押してハナ。取消,逸走で他の逃げ馬がアクシデントに見舞われる中、大外枠で強引ながらもハナへ行けたのが大きかった。押した影響で3角過ぎ迄ハミを取っての逃げ、通常なら4角で一息入れてというところだが、今日はそのまま突っ走って逃げ切り。逃げ馬はこの方が良い時も有る。大外枠からの逃げも、他馬のマークが甘くなるという点で良い方に出たかも。

ナリタクリスタル

確かに馬は負けていないが、勝ってもいない。それよりも歩様に伸びが欲しい。出脚速く、スッと好位。ただ、ソラを遣う癖がネック。早仕掛けが出来ず、マイネルスターリーに叩かれてから立て直しての直線。結果的には2着でも、そのマイネルスターリーから不利を受けたのだから、競馬としては付いて行くべきだった。相手なりなのに、これだけ乗り辛い馬も珍しいが、この馬に武豊騎手は合っている。近年不振と叩かれつつも、これは外国人ジョッキーが意外に苦手とする部分。そこが唯一の救い。

マヤノライジン

馬に集中力。しっかり踏めていた点も強調出来る。中段の内目。比較的コースロス無く回って来たのと、3角から無理せず脚を矯めていたのが上がりの掛かる展開で大正解だった。元々は函館巧者。こういう展開なら着は拾える。

ダンスインザモア

シープスキンノーズバンド。バランス取れた造り。最近の中では一番良い方。歩様もしっかりしていた。道中は離れた最後方。3角から追い上げて、4角大外は予定の策だが、決勝線手前で例の不利。ただ、小回り中京とはいえ、今日の展開で勝てないのだからこの馬も高が知れている。2・3着はともかく、今後も勝つ事は無いだろう。

マイネルスターリー

+14kg。休み明けにしては雰囲気が有る。デキ自体は悪くないだろうが、太いのも確か。やや出負け気味。出脚も無く後方から。マクり切る迄は行っていないが、3角過ぎから外目を進出。直線真っ直ぐ走っていれば届いていた筈だが、内からステッキ入れたところを苦しがって外へモタれ降着。馬は力の有るところを示したが、乗り役はもう一回頭を冷やして。

ドリームサンデー

+6kg。これもデキは悪くないが、少し太い。ゲート入り後に前扉の誤作動で逸走。馬体や心拍数は異常無かっただろうが、気持ちが抜けたのは間違い無いだろう。本来の出脚も無くなっていただけに、返還が妥当だったと思うのだが。

第24回根岸ステークス(GⅢ)

グロリアスノア

-8kg。馬が萎んだ様な造り。あまり良い様には見えなかったが...。好発。先行争いにクビだけ突っ込んで好位に控える形。バラけた位置で脚が矯められた。4角、比較的コースロス無く回し、直線一気。コーナーの脚は怪しいが、ラスト300mで右手前に替えてからの脚が強烈だった。今日は単純に強かった。1400mはむしろ短い印象も有っただけに、馬が本物なのだろう。勢い買って次走この馬に期待する手も有るが、今日のデキは感心しなかった。反動出る方に賭ける手も。

サマーウインド

迫力は有るが、寸の詰まった造り。出脚速く、スッと2番手。道中は引っ張り切りの手応えで、宥めるのに懸命。直線も追い出しを待っていた程だったが、寸前で甘くなった。現状は1400mでギリギリ。スプリントなら相当の器だが、見た目通りにスプリンター。

オーロマイスター

シープスキンノーズバンド。チャカついている割にしっかり踏めていた。好調。ただ、少し太い。この枠でも有り、道中は無理せず中段やや後方。この距離なら折り合いもスムーズ、外から良く伸びたが、ここ迄。1800mでも前に壁が造れると話は違うのだが、思い切って乗れるという点ではこの距離がベスト。

スーニ

2人曳き。この馬にしては落ち着いている。馬は抜けたNo.1。承知の通り、折り合いに課題の有る馬で、有る程度矯めて行きたかったところだが、途中からガツンと引っ掛かって一気に2番手へ。58kg背負って直線はバッタリかと思ったが、その割には止まっていない。色々課題も有るが、一応は底力を見せた一戦。

ワンダーポデリオ

馬はここへ入ると辛いが、キビキビ歩いている点には好感。これも先行争いに一瞬クビだけ突っ込んで控える形。内でジッと脚を矯め、中々前が開かず正味使った脚はラスト1F手前から。まあ、この伸びは悪くなかったが、内に居た利も有り、今日だけではまだ何とも。

第45回京都牝馬ステークス(GⅢ)

ヒカルアマランサス

少し馬が細く映った。それ以外は問題無いのだが。出脚は有る筈だが、道中は離れた最後方から。4角は大外。右手前のままだったが、馬場の6分どころを一気に突き抜けた。斤量利も大きいが、何より乗り役の判断が見事。前走中京戦では少し追って甘い印象も有ったのだが、距離短縮と思い切りの良さで新味引き出した。ただ正直、これが次に繋がるとは思えないのだが...。

ベストロケーション

芦毛で緩慢に見えるのは止むを得ぬところ。この馬にしては歩様がマシ。ゲートは一番速かった位だが、内からザレマが来て控える形。4角手応え充分にザレマへ並び掛け、一旦は勝ったかの場面だったが、そこからザレマが渋太くて最後迄突き放せず、更にヒカルアマランサスが飛んで来た。オープン初挑戦でこれだけやれれば上等だが、基本線が歩様の硬い馬で、今日はこれ以上無い条件。出来れば勝ちたかったところ。

ザレマ

+6kg。良く見せるが、少し太い筈。ただ、歩様がスムーズだったのが何より。出脚が速くスンナリハナ。乗り役は2番手から競馬したかった様だが、これはこれで自分の形。4角の手応えはベストロケーションとは大分差が有ったのだが、最後迄渋太く抵抗。56kg思えば良く頑張っている。

ワンカラット

皮膚を薄く見せ、馬は抜群に見えた。ジワッと好位。スローで当然といえば当然だが、手応え良く追走出来ており、4角ではこれが勝ったかの場面だったが、直線一瞬モタついて伸び切れなかった。スローの決め手勝負は得意でないとはいえ、案外感は残る。戦前述べた様に力は有る筈だが...。

チェレブリタ

2人曳き。馬は自体は良いが、テンション高過ぎるのはマイナス。急かさず後方から。道中折り合っての追走。前も開かなかったが、徒に動かず直線向く迄待ってからの追い出し。ヒカルアマランサスは別にして、力強い掻き込みで一瞬は見せ場有ったが、ラスト100mで甘くなってしまった。良い脚が長く続かない。

第60回東京新聞杯(GⅢ)

レッドスパーダ

昨季から馬は良くなっている。トモのボリューム感が増した。ハナに行ける出脚だったが、マイネルファルケが主張して2番手。直線向いてからも暫く追い出しを待つ余裕、坂上で先頭に立ち、そのまま押し切った。時計も速く、数字上は文句無しの内容。ただ、抜け出して直ぐ逆手前に。Dコースでインしか伸びない馬場状態。過信は禁物だ。GⅠで人気になるなら絶好のお客さんに。

トライアンフマーチ

以前思えば歩様しっかり。一応は本格化。ゲート出ているが、無理せず中段。道中はエイシンフォワードと併走。これが直線向いてからも続いたが、最後ハナ差先着。1頭分外回っていたから、エイシンフォワードとの比較だけを言えばこの馬の方が間違い無く強いと見て良いだろう。下見通り、馬がしっかりして来て、道中の追走が楽になっている面が大きい。ただ、母系が短距離志向なので、何とも言えない面は有るのだが、本来は2000〜2400mで追い込みに徹した方が良さそうな馬。

エイシンフォワード

悪くないが、大して良い様にも見えず。地味。レッドスパーダに出脚で負けて中段待機。前述した様にトライアンフマーチと最初から最後迄併走。最後にハナ差追い負けた。勿論、以前思えばデキは良くなっているが、もう少し成長が欲しい。競馬センスは有るのだが。

マイネルファルケ

2人曳き。+10kg。輸送が無ければこんなモノ。デキ自体も変わらず。出脚怪しかったが、押して押してハナ。上がりが速く、スロー扱いになっているが、1000m通過58.2秒は狙い通りのペースだろう。それでダメなのだから、上位馬の決め手が上だったという事。この馬としてはもう少し時計が掛かって欲しいのと、もっと楽に逃げる出脚が欲しい。

リザーブカード

パシュファイヤー。これも何時ものこの馬。歩様も許容範囲。後方からの競馬は何時も通りだが、一旦下げて内へ入れる形。得意の東京マイルでここ迄詰めて来たが、上位3頭は全てG,JpnⅠ2着馬。今年は相手が強かった感。とはいえ、毎回述べている様に、毎回人気にならない。3連単のトリには必ず要る馬。

アブソリュート

+8kg。中長期に見て変動激しいのが良いとは思わないのだが、関東圏の方が輸送減りが無いのは確か。出遅れ1馬身不利も、何とか中段から。これもコースロス無く回っているが、あくまでこの馬なりの伸びしかなく、道中の差が詰まらなかった。東京マイルは堅実だが、絶対能力で上位と差。

スマイルジャック

2人曳き。今日は落ち着いていた。デキは文句無し。折り合いに専念して中段から。その折り合いは今日はスムーズ。ただ、直線向いて肝心なところで前が詰まり、このスローでそこから盛り返すとは行かなかった。仕方が無いが、戦前述べた様に毎回同じ競馬なのも確か。上手い下手の論評は避けるが、気分転換に乗り役を替えるのも一つの手。