Sakura Archives

競馬回顧 2009年1回阪神・2回中山

第58回フジテレビ賞スプリングステークス(JpnⅡ)

アンライバルド

2人曳き。テンション高いのは個性としても、メリハリの無い馬体。皮膚の薄さは有るので良い馬だとは思うが、下見からは抜けた印象無くて。土曜日の限定戦もそうだが、1角の主導権争いが結構熾烈で、出脚負けして中段から。馬場が渋り、今日はイン一辺倒では無かったにせよ、道中一度としてインに入れる場面が無かった割には追っての脚が強烈だった。かなり強い内容。ただ、今日でも2角辺り迄行きたがる場面。距離延長で積極的に乗れるとは思えず、課題も見え隠れ。

レッドスパーダ

-14kg。ガレ気味。気性的にもギスギスした感が有って、下見は最悪に近かったが。出脚は一番速かった位だが、リスペクトキャットに行かせて2番手。毎回の話になるが、この位置で流れに乗れた馬が圧倒的に有利な上に前半1000mが62.6秒は如何にも遅い。今日は儲けモノの2着。

フィフスペトル

2人曳き。距離不安囁かれる馬で、テンション高いのはややマイナス。馬体はトライアルとしては及第点だが、トモが甘い様な歩様は気になった。道中は中段やや後方。1角手前で他馬と接触して掛かり気味。4角も、外へ持ち出す際に他馬に先んじられ、仕掛けが後手に。今日は勝てた競馬。

サンカルロ

気配まずまず。ただ馬は地味。これも出脚負けしていたが、内へ潜って中段やや後方。外へ持ち出す馬も多い中、内を狙っての追い出し。その分、仕掛けが遅れたが、直線の脚は中々のそれ。この競馬で距離云々を論ずるのは早計だが、瞬発力は有りそう。オープンでも足りる馬。

セイクリッドバレー

テンション高過ぎ。まだ線の細さは有るが、骨格の良い馬。化ける要素は有る。出脚有りそうだったが、この枠でも有り無理出来ず後方から。ただ、乗り方が馬鹿正直過ぎ。道中ずっと外々を回されてしまい、苦しくなってしまった。逆に言えば馬は良く走っている。フィフスペトル辺りとも遜色無い馬。

リクエストソング

前走京都戦時にも触れた様にまだ華奢。相変わらず毛ヅヤは良いが、歩様にも伸びが無い。道中は中段。揉まれたのか、丸々1周行きたがって競馬にならず。直線失速も仕方無し。参考外。

ツクバホクトオー

叩いて形になって来た。ただ、踏み込みの力強さがもう少し。今日はゲート五分。本来の出脚見せて好位から。ただ、前に壁が無いのが応えたのか、道中少し行きたがっていて早漏気味に。現状はマイルがベスト。

第57回阪神大賞典(GⅡ)

アサクサキングス

2人曳き。増減無し。前走京都戦同様、少し太い様にも映る。この馬なりの出脚で中段のイン。珍しく前半は行きたがっていた。ただ、1周目の決勝線を過ぎてテイエムプリキュアが暴走。ペース落ち着く場面が無かったのが、持久力に優るこの馬には絶好の展開に。直線はマッチレースになっていたが、ヒカルカザブエ程度なら格が違うのか、遊んでいた様にも見えた程。ただまあ、2走続けて展開ドンピシャ。1番人気で走る馬とも思えず、次走は消してこそ妙味。

ヒカルカザブエ

2人曳き。下見だけパシュファイヤー。-14kg。極端に細いという訳ではない。気配,馬体の張りとも上々。歩様にも伸び。今日はゲート五分に出て好位から。流れに乗って早目の進出だったが、アサクサキングスだけが付いて来て、直線は相手の方がかなり余裕が有った。能力的にはオープン特別級だが、器用さは有るのでどんな競馬でも出来るのが強み。

ナムラクレセント

2人曳き。休み明けでシャキッとしていない部分は有るのだが、馬体は悪くない。行きたがるのを宥めてでも後方から。上位馬がテイエムプリキュア目掛けての早仕掛けで、脱落して行く馬も居る中、ワンテンポ待ったのが正解。ただ、例に依って頭が高い。この辺りが解決すれば重賞でも勝ち負け出来る馬になるのだが。

スクリーンヒーロー

馬体の張りも有って、ほぼ仕上がっていた。ただ、もう少し馬を大きく見せて欲しい。小じんまりと映った。出脚速く、好位のイン。道中は折り合いが付き、2周目4角でワンテンポ待つ仕掛けも予定通りだっただろうが、追い出して一瞬故障したのかと思わせる程ノメる場面。そこからはフォームがバラバラに。戦前は馬場適性有りそうと期待する向きも有ったが、距離が長過ぎる上にこういう極端な馬場は駄目。

トウカイトリック

+8kg。今日は久々に良かった。馬体も良く見せたが、何より歩様が力強い。スタート直後は外の出方を窺っていたが、人気馬が全て中段より前へ行き、その直後から。直線レーサーなので2周目3角で置かれてしまうのだが、直線はジワジワ伸びている。次走も注目。

オウケンブルースリ

馬振りの良さは相変わらず。ただ、今日はイレ込みキツ過ぎた。内の出方を見ながら中段。3角過ぎにヒカルカザブエが動くのを見て、アサクサキングスと一緒に動いて行ったが、坂下で一杯に。これも馬場状態が敗因。

第23回フラワーカップ(GⅢ)

ヴィーヴァヴォドカ

-10kg。メリハリ利いていたが、余裕の無い造り。出脚はむしろ分が悪かったが、競艇でいう所の段々スタートの形になり、これを壁にして1角逃げ込みハナへ。今日はこれが一番大きい。唯一残っているラチ沿い1頭分の良い所を通り、坂を上がって突き放すタイミングも完璧だった。今日は漁夫の利感が大きい。他馬に優るところが有ったとすれば内枠勢に出脚甘い馬が揃い、その中では少し速かった程度だろう。特に一番感謝すべきは自身は最下位になりながらディアジーナをブロックしてくれたショウサンウルルだろう。今日の馬体減も良い方に出る筈が無く、次走見送り。

ディアジーナ

気配は上々。ただ、少し寸詰まり気味。微妙な面も有るのだが。少し出したにせよ、間違い無く出脚は一番速かったが、叩く迄が無く内の馬に1角逃げ込まれて好位で控える形。この影響で道中は掛かり気味。ヴィーヴァヴォドカが坂を上がって突き放す中、1頭敢然と追い込んで来た。横山典弘騎手が中山で強いのは毎回好位のインに居るからで、今の中山、特に1800mで外回ってこの競馬なら地力が一枚違うと見て良い。次走も圏内。

マジックシアター

シープスキンノーズバンド。目立たないが、バランスの取れた馬体で悪くない。出脚に差が有って中段のイン。位置取り悪くなった分、直線向いて待たされ、その間に競馬が終わっていたが、イン捌いてジリジリとは伸びている。少なくともヴィーヴァヴォドカとは力量差無いと見て良いだろう。2番人気推されただけの事は有る。今年はネオユニヴァース産駒の当たり年。

ナリタシリカ

数字の無い馬だが、背丈が無いだけ。歩様に柔らか味が有るのも特筆出来る。好発。出脚は甘い気もしたが、これもショウサンウルルの頑張りを活かして2番手。直線向いてイン有利の馬場で粘り込んでいるが、手前も中々替わらずかなり苦しそうだった。家賃が高い。

ダイアナバローズ

歩様がダート馬。馬体もまだ完成途上。好発。ヴィーヴァヴォドカに出脚でやられて好位から。イン有利の馬場で枠なりにずっと最内回っただけだが、重心の低い走りには好感。成長すれば化ける可能性も。

第23回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

ジョーカプチーノ

2人曳き。落ち着いていたのが何より。トモの張りも上々。出遅れ1馬身不利も、出脚でカバーして中段。ほぼ枠なりの位置取りから、直線ずっと逆手前だったにも関わらず真っ直ぐ伸びて快勝。前走小倉戦の時計がソコソコ速く、穴人気になっていたが、一本調子気味に見えた馬、正に瓢箪から駒。メンバーが例年より揃っていて、まだ余裕も有りそうな勝ち振り。道悪は前々走東京戦からサッパリだが、距離延長は問題無さそうで、マイルで強敵相手でも通用する筈。

カツヨトワイニング

-8kg。400kg切る馬体は如何にも細い。ただ、歩様はキビキビ。例に依って出脚サッパリで後方から。道中の行き振りも怪しかったが、4角から最内狙い、追って頭が上がりながら、前も開いて脚も有った。前々走中山戦時に触れた様に、馬格の無さで苦しい部分は有るのだが、能力は持っている。ただ、頭の高い走法と今日の馬体減は今後へ向け大きな課題。距離も1200mがベスト。

ルシュクル

2人曳き。毛ヅヤも悪くなく、トモの丸みもしっかり。出脚はそこ迄速くない筈だが、食らい付いて行って好位の内目。4角、外へ持ち出す際にゲットフルマークスと少し接触する場面も有ったのだが、それなりに伸びている。先行勢では最先着。もうワンパンチに欠く嫌いは有るのだが、1400m迄なら堅実。

レッドヴァンクール

脚長気味だが、馬振りも目立つ。馬だけならコレ。枠の利も有るが、五分の出脚で好位直後。初芝の馬が道中スムーズに流れに乗れていた。ただ、追って一瞬の脚が無く、モタついている間に最内をカツヨトワイニングに入られたのが痛い。カツヨトワイニングの行き場が無くなって3着が有った。現状はダートがベスト。芝なら時計掛かった方が良さそう。

オメガユリシス

この馬なりに良いデキ。歩様伸びていたのも好感。出遅れ1馬身不利。出脚もサッパリで、一時は17番手の馬からも5馬身位離れていた。ただ、そこから行き脚が付き、3〜4角中間で馬群に取り付き、直線外目からメンバー中最速の上がりで差の無い位置迄に。マイルで上手く折り合える様だと化けそう。

エイシンクエスト

2人曳き。馬振りが良いというよりは少し太い。歩様も力強さに欠く。出たなりで、丁度目の前に居たゲットフルマークスをマークする様な格好。道中はスムーズに見えたが、直線向いてジョーカプチーノに並ばれても抵抗すら出来なかった。人気には推されていたが、力量不足のやられ方。

デグラーティア

-14kg。中間熱発が有って大幅馬体減。それでも細い印象無く、外目をキビキビ歩いて、むしろ下見は良く見えた方。ゲートでアオって1馬身出遅れ。道中はジョーカプチーノと前後する位置に居たが、4角で既にアラアラの手応え。下見はともかく、中身が無かったとしか考えられず。

ゲットフルマークス

2人曳き。止め絵は文句無しだが、相変わらずチャカつき目立ち。好発。例に依って出脚は一番速い位だが、内からツルマルジャパンとノアウイニングが来て3番手の外。結果的に前崩れの展開にはなったが、道中はかなり楽が出来ていた筈。にも関わらず追ってサッパリというのは意外な結果。久々の影響有ったにしても...。

第27回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

キストゥヘヴン

シープスキンノーズバンド。-4kg。前走は少し太かったので、絞れて良化。バネを感じさせる歩様も特筆出来る。少し出して好位のイン。毎回の事だが、横山典弘騎手はこの位置を確保しつつ折り合いを付けるのが抜群に上手い。実況の通り、内から鮮やかに抜け出した。何せピンクカメオですら粘り込めるのだから、外を回しては競馬にならない馬場状態。今日も最高の乗り方が出来ている。引退レースをトップハンデ背負って勝ったにも関わらず、完全に馬が脇役扱い。

ピンクカメオ

シープスキンノーズバンド。+10kg。前走阪神戦は明らかに細かったので、それを思えば良いのだが、まだ筋肉になっていない状態。ただ、歩様にキレが来た。出脚はかなり厳しそうだったが、押して押してハナ。その割に道中は掛かる事無く進めた。直線、粘りが利いたのはこの馬場状態が大きいだけに、能力面での評価云々は何とも言えない面も有るのだが、あの出脚と道中の行き振りを思うと、今迄使っていた距離が間違っていたのは間違い無いだろう。あのズブさなら2400m辺りを先行して粘り込む策の方が。

ダンスオールナイト

シープスキンノーズバンド。小走り入っていたが、無駄な仕草が無く、気配絶好。ただ、馬体は貧弱と迄は行かないにせよ、少し薄手。出脚平凡だったが、上手く内に入れて中段から。4角でキストゥヘヴンの直後、馬装通り追い出して頭が上がるのだが、この手の馬はハンデが利く。エルコンドルパサー産駒だけ有って道悪も向いた。

ザレマ

以前は歩様の甘い馬だったが、今季は馬体に実が入り、歩様にも力強さが。ゲート少し悪かったのも有るが、近走出脚が鈍っていて、好位取るのに脚を使わされ、その影響で道中掛かり気味。直線もキストゥヘヴンに内をスクわれたのは拙かった。見た目は良くなっているのだが、逆に素軽さが無くなった印象。

マイネカンナ

シープスキンノーズバンド。走る小型馬らしいキビキビした歩様。出負け気味に出て、中段やや後方。道中は枠なりにインに居て、直線向いてキストゥヘヴンの直後に居たが、そこからの脚で突き放された。デキは良いが、力量差も相当。

トールポピー

2人曳き。+14kg。腹回りボテッと映る。成長分とは言えず、単に太いだけ。スタート直後は積極的に出して、良い位置取ろうと内を窺ったが、結局行き場が無くて控える格好。今日の馬場で外回しては競馬にならず、敗戦自体は仕方が無いのだが、追い出して頭が上がり気味。リビアーモとは数馬身脚が違った。まだ暫く掛かりそう。

ヤマニンメルベイユ

見た目は出来ているが、この歩様では駄目。良い時はもっと伸びている。好発。もっと出脚が有る馬だが、結構押しているのにハナが叩けず2番手から。直線向いてもズルズル。これもまだデキが来ていない状態。

第43回報知杯フィリーズレビュー(JpnⅡ)

ワンカラット

出来過ぎ感も有るのだが、皮膚を薄く見せて状態面は文句無し。歩様も力強い。出脚は一番速かった位だが、控えて好位のイン。毎回の話だが、出脚を使わずにこの位置が取れる馬が現代競馬では圧倒的に有利。あとはインから教科書通りに追い出すだけ。以前は出脚で良い位置取られるパターンが多かったが、対ブエナビスタを思うとそれが来たのは大きい。残り16頭を障害物に上手く使えば次走逆転も。

アイアムカミノマゴ

馬振りだけならコレ。ただ、少し鈍重過ぎる嫌いも。ゲート少し悪かった事も有って中段から。慣れない競馬という事も有って、道中は少し行きたがっていたが、直線コウエイハートを外へ弾くファイトを見せて、ここ迄。まあ、もう少し決め手が欲しいというのは有るのだが、恐らくはこの距離が短い。東京で狙い目に。

レディルージュ

2人曳き。小さい馬だが、トモは張っている。歩様もキビキビ。出脚悪くなく、道中はワンカラットと前後する位置。ただ、外に居て仕方が無い分は有るにせよ、今日は結果的に早仕掛け。坂下で先頭に立って内外から差されてしまった。見た目は人気薄での激走だが、中身は強い内容。次走も要注意。

ミクロコスモス

トモが流れている。前走東京戦のデキは無い。道中後方だったが、今日は折り合い付いていた。直線外へ持ち出して、追撃態勢造ったが、そこからの脚が無かった。イン有利の馬場も有るが、デキが落ちている影響でこの馬自身が走っていない。ただその結果が4着というのは如何にも運が無い。運の無い馬は何処迄も運が無い典型。

アイレンベルク

2人曳き。これも背丈が無いだけで造りはしっかり。気配は地味だが。例に依って出脚サッパリで後方から。道中の手応えはイマイチに見えるのだが、直線外から良い脚を長く使っている。これも距離が短そう。

第57回トヨタ賞中京記念(GⅢ)

サクラオリオン

馬が張っていたのが何より。気配は地味だが、毛ヅヤも良く、明らかにデキが良い。出脚イマイチだったが、内へ潜って眼前に居たヤマニンキングリーをマーク。唯でさえ有利な展開だったが、そのヤマニンキングリーが早仕掛けして更に有利に。オープンへ上がって以降、時計が無くて中々厳しい面も有ったのだが、今日は下が渋ってこの点も味方した。時計が速くなる今後数ヶ月間は出番無いだろうが、今年は夏以降変則開催が続くので、 馬場悪化した時に出番が。

ヤマニンキングリー

+4kg。変わらずデキ自体は良いが、今日は少し余裕残し。スタート直後にレッツゴーキリシマを急かせておいて中段のイン。開幕週で前有利の傾向、当然前に逃げ切られるのだけは避けようと早目の仕掛け。これはこれで良いのだが、今日は前を捕まえてからの突き放す脚が無かった。恐らくは道悪が良くない馬で仕方が無いのだが、今度こそチャンスと思えただけに、運の無さも。

レッツゴーキリシマ

皮膚を薄く見せ止め絵は良いのだが、近況歩様が一息。出脚の違いで一旦はハナも、外からヴィクトリーが主張して2番手。ただ、この距離だと道中力まずという訳には行かないのだが、その割に追って一旦は先頭の場面。流石にこの辺りのローカル重賞なら地力上位。ただ、未だ重賞未勝利の身。次走、中山のマイル戦は確実に勝ちたいところ。

ヴィクトリー

パシュファイヤー。前走京都戦の段階で概ね走れる状態だったが、今日も変わらず。今日もゲート五分。出脚は怪しいが、押して押してハナ。それでも道中折り合って進み、4角はオッツケている馬が多い中、手応え良く回って来たが、最後は失速。斤量面も大きいのだが、今週はイン圧倒的有利な馬場状態、それで掴まったのだから課題は残る。レッツゴーキリシマは距離に課題が有って行く気が無かったにも関わらず、ハナ切る迄に1F程。やはり出脚が無いので序盤が苦しい。これでは駄目。

メイショウクオリア

2人曳き。トモの張りは有るのだが、その割に歩様に力が無い。もう少し行ける出脚の有る馬だが、ヤマニンキングリーマークの競馬。ただ、最内入って結果的に仕掛けが遅れた格好。最後はソコソコ伸びているだけに惜しい。これも時計勝負に疑問が有るので、次走即狙い目とは行かないのだが、走られても不思議は無い馬。

第46回報知杯弥生賞(JpnⅡ)

ロジユニヴァース

2人曳き。今日は逆にまだ増えても良い様な造り。更に成長している。喧嘩するよりはといったところなのだろうが、やはりスタート直後はどうしても行きたがる傾向。そのままハナへ。行き切って折り合った。馬場が悪いとはいえ、1000m62秒で行ければかなり矯めて行けた形。4角で一回引き付けて、追ってみたら後続は手も足も出なかった。比べ馬という点では圧勝だが、更にザッツザプレンティ化して来た感が。ミホノブルボンになるのも一つの手だが...。

ミッキーペトラ

見た目もそうだが、トモの送りがしっかりして来た。一息入れて逆に良化。好発。出脚が特別速かったという訳ではないが、ハナへ行こうとしたところをロジユニヴァースが来て2番手から。そのロジユニヴァースがスロー落として、多少行きたがっていたが、一応宥め切って伸びてはいないせよ、2着粘り通した。前走の未勝利戦も武豊騎手が絶賛していて、かなり強い内容。重賞馬2頭が凡走すれば、あとは差が無かった。

モエレエキスパート

+10kg。元々華奢な印象が有っただけに、これは良い傾向。ただ、歩様が硬い。出脚はイマイチだったが、スタート直後からインへ入れて好位へ。展開利,コース利は当然利いているが、元々オープン勝ちも有る馬。一時、デキ落ち感も有ったのだが、馬体回復してそれなりに持ち直して来たのも大きいだろう。あとはこの歩様なので時計勝負でどうか。

キタサンアミーゴ

数字の無い馬だが、造りは悪くない。出脚イマイチで後方のイン。直線もインを突いて3着狙い。坂下での反応が良く、内からモエレエキスパートに迫るのだが、あと一歩が届かない。惜しい内容。

ケイアイライジン

2人曳き。大きいというだけでまだトモが甘い。出脚一息で後方。ただ、2角で行きたがって完全に持って行かれ、その割に4角ズブくステッキ入れても全く反応せずと悲惨な競馬に。大外から来た事を思えばこれでも良く追い込んでいる方だろう。競馬が分かって来れば。

アーリーロブスト

2人曳き。ここなら馬は上位だが、前走述べた様に大物感も無くて。出脚悪くない馬だが、外からロジユニヴァースが行った事も有って中段やや後方。最後伸びていない訳ではないが、この馬は前で立ち回ってこそ。外から追い込むだけの脚は無い。

セイウンワンダー

+12kg。テンション高いのは気にならないが、今日は明らかに太い。一旦ロジユニヴァースに叩かれる格好にはなったが、この頭数で前がバラけて好位へ。4角外から来たハイローラーに併せての進出だったが、直線サッパリ。今日は全く走っていない。絞れれば違う筈。

第4回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

アーバニティ

連闘。-6kg。ただ馬は充実一途。歩様の硬さも無し。ゲート少し後手。出脚でカバーして好位争いに首だけ突っ込んで直ぐに引く形。道中も揉まれず運んで、4角でコスモベルの直後。しかも、見事に前が開いた。前走内容からここでも通用の馬というのは見えていたが、日曜日も含め、正月開催のネヴァブションから中山重賞4連勝中の横山典弘騎手の騎乗。乗り役が上手過ぎて能力判定がし辛い。自力で仕掛けた競馬でないのもマイナス。

コスモベル

-10kg。毛ヅヤが一息も、手先の軽さが目立った。これも微妙に出負けしているが、出脚で2番手グループのイン。番手だけは取られない様に意識しての競馬。サープラスシンガーがラチ沿いを開けてくれて、一旦は先頭も最後にアーバニティ。乗り役の話に言わせると揉まれ弱いとの事だが、ラチ沿い走ると馬場の良否を問わず結果が出るタイプ。

アポロドルチェ

スプリントで開花というよりは、下見で集中して歩ける様になって結果が出る様に。従って出脚は鈍く、道中も追走で一杯といった感じ。今の馬場で4角外を回してこの着差ならほぼ勝ちに等しい内容。道悪走るというよりは追走に苦労するので時計に限界が有り、他馬が苦しむ分有利といった程度の話だろう。そういう意味では1400〜1600m辺りの方が良さそうなのだが、それはそれで相手強化されるデメリットが。痛し痒し。

ソルジャーズソング

-12kg。前走京都戦が太かった。毛ヅヤは一息だが、歩様は相変わらずキビキビ。例に依ってゲートが悪く後方から。道中で無理しないのは前走同様だが、今日は直線外へ。アポロドルチェ同様、内外の差で着順決まっただけで、際どく追い詰めている。ただまあ、これも時計が掛かった方が良いクチ。パンパンの良馬場でどうかという面は有るが。

サープラスシンガー

増減無しで少し太いのもそうだが、それよりも歩様が落ちて来たのがマイナス。好発切ってハナ。まあ、矯め逃げといえば聞こえは良いが、出脚がイマイチ鈍いので、一瞬追い付かれそうになって再び出す様な格好。直線はズルズルと迄は行っていないのだが、坂を上がって失速。デキ落ち気配も有るが、前走時に述べた様に底が浅く、能力そのものが重賞では足りず。

キンシャサノキセキ

+10kg。多少余裕残し。気配はこれで良いが。出負けした訳ではないが、アオり気味のスタート。その分、出脚が鈍ったが、二の脚で好位へ。ただ、元々が坂を上がる脚がイマイチの馬。今日の様に馬場が悪くて序盤にロス、しかもデキも万全ではないとなると当然のように失速してしまう。平坦で改めて。

第16回チューリップ賞(GⅢ)

ブエナビスタ

大して見栄えしないのは元々。戦前の報道はデキ八分といった雰囲気だったが、皮膚を薄く見せ思ったよりは遥かに良いデキ。ゲート五分も一回最後方に下げての競馬。3角で外へ持ち出し、前がフリーになるや否や、ハミが掛かり押さえ切れずに好位へ。ただ、先週のファリダットとは違い、4角で一息入った分、終いが残っていた。前のサクラミモザが後続を一旦突き放しており、楽に捕まえたという訳ではないが、しっかり脚を伸ばして1馬身1/4差。勿論、4角での矯めは大きかったといっても相当のロス。他馬に出来る芸当ではなく、今更ながら能力の違いをまざまざと見せ付けた。ただ、競馬の下手さも改めて露呈。馬券的にはひたすら嫌い続けるのも一つの手。

サクラミモザ

トモが張ってしっかり踏めている点に好感。ただ、寸詰まり気味。好発。出脚もまあまあ速くハナ。道中は単騎で、直線迄向いて一旦は突き放す場面も。ただ、例に依ってスロー必至の阪神マイル、圧倒的人気馬が追い込み脚質でしかも早仕掛けと来れば、後続は絶対に動けない展開。出脚も、他馬が使っていないだけという可能性が高く、その辺りの利も相当有っただろう。初芝思えば良く走っているのだが、良く分からぬ面も。

ルージュバンブー

-10kg。馬体絞れたのも大きいが、毛ヅヤが良化。ただ、まだ筋肉が付き切っておらず、造りにメリハリが無い。その分、歩様も甘い。出脚イマイチも枠の利で中段。ここで折り合いを付けて、直線もインから。坂下迄前が開かず、開いた時にはブエナビスタが先行していたのだが、それなりに脚を伸ばして最後脚を余しつつも権利は確保。前が詰まった事で次走穴人気になりそうだが、スローの最内枠は世間で考えられているよりも遥かに有利。穴なら別の馬を探した方が得策。

ブロードストリート

-8kg。腹が巻くと迄は行かないにせよギリギリ。気配は良いが。出脚強力というタイプではないので、出たなりで中段。折り合い面はスムーズで、4角外からブエナビスタが来た際にも一旦我慢して、直線バラけてからの追い出し。ただ、戦前に述べた様に、追い出して頭が上がるので、坂が上れずジリジリに。人気になっていたが、現状はこの程度。

ジェルミナル

2人曳き。これもまだ細い。気配が良いのが救いだが、1週前に調教飛ばしてこれでは話にならず。出脚は有る筈だが、ブエナビスタを意識したとの事で後方から。外をマクッたブエナビスタには付き合わず、馬群突っ込んで狭いところをコジ開けたのだが、そこ迄。良い脚が長く続かない印象。現状は鍛錬不足。

第83回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

カンパニー

馬は今更変わらないにせよ、歩様が悪い時のパターンだったが...。今日はゲート五分。出脚は無いのだが、横山典弘騎手、外へ叩かれる前に1角へ飛び込み、気迫の先行策。ここ迄持って来れば仕事の8割は終わった様なモノ。道中遊ばせぬ様には走らせて、あとはキングストレイルを交わすタイミングだけ。最近は力が出せずに終わるパターンが多かっただけに、ネジを締め直すという意味でも今日の勝利は大きい。

ドリームジャーニー

2人曳き。少しテンション高いが、馬体が締まって来たのが良い傾向。キビキビ歩けていた。アオり気味に出て後方から。道中は少し宥めての追走。4角徒に外を回さず、馬群を縫っての進出だったが、直線切れに切れた。捌き方も上手かったのだが、今日はデキが良くて馬場をこなした形。前走はGⅠの直後で調整の難しさが有ったのだろう。

アドマイヤフジ

馬体に張り。変わらず良い状態。歩様に柔らか味が有るのが良い。出脚はかなり速い部類だが、1角で内からカンパニーに張られて3番手から。あまり道悪は良くないだけに、追っての脚が鈍く、カンパニーが捕まえ切れず。乗り役の気迫負け。

キングストレイル

前走時にも述べた様に、今季はデキ安定。好発。出してハナ。道中は単騎だが、少し行きたがっていた。これで暴走なら仕方が無いのだが、1000m通過が61.9秒。結果論にはなるが、最後決め手有る馬にやられた訳で、もう少し飛ばしても良かったかも。能力的には4着程度が妥当なメンバー構成だったが、今日は一工夫で馬券圏内有った。

エアシェイディ

2人曳き。良い時を思うと少し落ちて来た感も。出たなりで道中は中段。道中は過不足無く進めていたが、4角アドマイヤフジに並んでそこで止まった。外回ると伸びない馬場とはいえ、精々数頭分。前との差が出来ているだけに、走っていない。デキ落ち?

第53回阪急杯(GⅢ)

ビービーガルダン

遮眼革。前走京都戦もデキは良かったが、今回もキッチリ出来ていた。出脚は一番速かった位だが、外から来たローレルゲレイロに譲って2番手。ローレルゲレイロがソコソコのペースで飛ばし、離しての逃げになったが、直線迄待ってからの追い出し。坂下で並び掛けた段階でもほぼ持ったまま。兎に角楽だった。ただこの馬、コーナリングが下手で、コーナーで脚を使う展開になると前走のパターンに陥る。次走内枠で脚を矯められれば良いが、枠順が鍵に。

ローレルゲレイロ

オーストラリアンブリンカー。完璧ではない気もするのだが、まあまあの線は行っている。出脚ではビービーガルダンの方が優っている様に見えたが、スローを嫌ってハナへ。ただ、序盤にこういう行かせ方をしている分、少しロスは有った印象。それが直線向いてからの手応えの差になっているが、それでも最後迄止まっていない。1馬身1/4差は良く踏ん張っている方だろう。次走も圏内。

ドラゴンファング

少し太い位に見えるが、馬は張っている。目下デキが良い。好発。ビービーガルダンやローレルゲレイロとは喧嘩せず3番手から。従って脚が矯め易い競馬が出来ている筈だが、追って前の2頭に突き放された。決め手不足。

フィールドベアー

冬場良くないイメージも有ったが、今季は硬さが無いのが良い。この距離でも出脚負けは無く、好位直後。1400mは約2年振りだが、流れに乗って最後迄脚を伸ばせていた。数年前のマイル一辺倒から、少しずつ2000mの馬が充実して来て、逆にこの路線手薄感出て来たのだが、まあまあの内容。

トウショウカレッジ

+6kg。今日は少し重い気もするのだが、走れる状態はキープ。ゲート少し悪かった上に出脚も鈍く後方から。道中はしっかり矯めて直線大外。良く伸びているが、今日は前が止まらない馬場。前の2頭とは実力差も有るだけに、仕方が無いところ。

ファリダット

歩様しっかり。下見は減点無し。折り合い意識して、ジックリ乗っていたが、3角辺りから思い切り行きたがって、4角好位。これでは終いが伸びない。力は通用だが、例に依って競馬が下手。

第18回アーリントンカップ(GⅢ)

ダブルウェッジ

毛ヅヤは良かったが、数字程馬を大きく見せず、歩様にも伸びが無い。好発。出脚も速い馬だが、外からマイネルエルフとジョーメテオが行って3番手から。道中、前がバラけ気味だったが、後続を引き付けてからの追い出し。今週の阪神は兎に角行った者勝ちの様相。この馬も内にモタれていて、大して伸びていないのだが、前も伸びず後続も伸びずで結果的にこの馬が最先着。前々走京都戦で述べた様に出脚は速いのだが、それ以上は無さそう。距離延長で更に用無しに。

マイネルエルフ

地味だが、バランスの取れた造り。一息入って、逆に馬が良くなった。出して先団に取り付き、一瞬ダブルウェッジの出方を窺ったが、外からジョーメテオが何が何でもの構えで来て、そのままダブルウェッジを叩いて2番手。前述した様に先行有利の馬場だが、この辺りは多少のロスが。これも先行有利の馬場で粘りが利いただけといった印象が強いのだが、成長は認めねばなるまい。

ミッキーパンプキン

相変わらず姿勢が高く、トモの甘い歩様。出遅れ1馬身不利。道中行きたがっていたが、乗り役も腹を括ってのて待機策。追ってタルいがこの馬のパターンだが、この馬場状態で外回って差して来た組では最先着。少し頭が高い走法ながらも最後迄伸びていた。このメンバーだからといった面は有るが、この形が出来たのは収穫。

アイアンルック

-4kgだが、数字以上に馬体が締まって来た。出遅れ1馬身半不利。道中は後方、この馬場で徒に外へ回さないのは当然だが、結果的に捌き損ねて最悪の形に。まあ、脚が有ればコジ開けられる来れる位のスペースは有ったのだが、1戦1勝の身でそれを期待するのは酷というモノ。ただ、バラけてからの最後の脚に能力の片鱗が。重賞勝てる日も遠くない筈。

タイガーストーン

特筆するところも無いのだが、状態面良さそう。何より気配が良い。出脚に余裕有ったが、無理せず中段から。流れに乗りつつバラけた3角でインに納まり、ダブルウェッジの直後から脚を伸ばしているが、最後に外から2頭。微妙に距離が長い。

ツクバホクトオー

-16kg。大幅馬体減だが、前走東京戦が太かった。これ位で丁度。ゲートをソロッと出して道中は最後方から。前走もそうだったが、この形でないと折り合いが付かない様だ。直線外へ持ち出したが、その割に伸びていない。これは暫く掛かりそう。

スーニ

2人曳き。馬体は見栄えするが、歩様がダート馬。この枠でもスッと好位の取れる出脚。ただ、4角手前辺りから外へ逃げていて、直線もズルズル。現状はダートなのだろう。