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競馬回顧 2006年3回小倉・3回新潟

新潟2歳ステークス(GⅢ)

ゴールドアグリ

2人曳き。少し寸の詰まったタニノギムレット産駒だが、手先の軽さが素晴らしい。これからトモに筋肉が付いて来た時に、歩様の硬さが出なければGⅠ級。ゲートが甘く、そのまま後方待機。マイネルレーニアが外へ行った事も有るが、無理に外へ回さず馬群を割ってスタンドの影沿いに伸びて、マイネルーチェとの叩き合いを競り落とした。前述したスタンドの影でフワッとした分、着差は僅かだが、今日は完勝。ただ、このレースは毎年将来性を感じさせる馬が勝つ割に、その後が案外。ジンクス嵌らなければ。

マイネルーチェ

牝馬にしてはしっかりした造り。ただ、もう少し歩様にスムーズさが欲しい。出脚有りそうだが、同馬主マイネルレーニアが行った事も有って好位で控える形。そのマイネルレーニアが直線外へ出した影響で馬群がバラけたが、ワンテンポ待ってから追い出して、直線半ばからはゴールドアグリとの一騎打ち。ゴールドアグリとは性能差有りそうだが、出脚が有る割に渋太い末脚に好感が持てる。少し気の早い話だが、新装阪神で施行されるGⅠ戦が楽しみになった。

マイネルレーニア

腹回りボテッと映るが、そこはグラスワンダー産駒。歩様も、らしいといえばらしい。出脚は甘そうだが、新潟という事で皆が無理しない事も有ってハナへ。4角は思い切って、外ラチ沿い迄持ち出したが、結果的には思い切りが良過ぎたのと、前半スロー過ぎて決め手の差に泣いた印象。ただ、逃げ馬がこの展開だった事を思えば、良く走っている方。出脚が未知数なのがどうかだが、インが有利になる他場なら。

マルカハンニバル

全体にメリハリの無い造り。上位馬とはかなり差が有る。好発も、無理せずマイネルレーニアに行かせる形。早目に動いたのも結果的に良くなかったが、何処へ併せるかでマイネルレーニアへ併せに行って相手を間違えた感も。ただまあ、それが無くても3着有ったかどうか。上とは性能差有る。

クラウンプリンセス

デキが有る分、気持ちは堪えていたが、馬体はギリギリ。ただ、これが戻れば化けそうな雰囲気は有る。出脚は良さそうだが、一旦控えて中段から。渋太いは渋太いが最後は決め手の差。現状は馬体の成長待ち。

シャルマンレーヌ

数字通りの馬なのだが、歩様が走る馬っぽいのと、胴長に見せるのが良い。好発。出脚に余裕有って、外からジワッと好位から。多少行きたがっていたが、1200mの後だけに許容範囲。ただ、逃げたマイネルレーニアが外ラチ沿いに来て、包まれてしまったし、スタンドの影へ入った時に馬が戸惑っていた。今日は力を出し切っていない。

ニシノコンドコソ

トモの張り目立つ。首でリズムを取って、気配も良い。出負け。出脚も無く後方から。ただ、直線向いて外が売り切れていたし、この馬自身も手前が替わらず、内にモタれ気味。もう少し出脚が来るか、距離を延ばすかした方が競馬がし易いだろうが、今日は展開が特殊過ぎた。

小倉2歳ステークス(GⅢ)

アストンマーチャン

2人曳き。多少緩い。ただ、気合乗っていたし、手先のスナップも利いていた。好発。内のストラテジーにハナは譲ったが、出脚には余裕タップリ。4角で既に勝負有った様な印象で、直線もそのまま押し切った。外枠でスムーズに運べた利は相当有るだろうが、戦前述べた様に性能そのものが最上位だった。時計も優秀。この後は揉まれた時が課題となるが、出脚は相当に速い。不利は比較的食らい辛い馬。

ニシノマオ

+6kg。腹回り太く映るが、張りが有るので、走れなくは無い状態。この位のテンションなら問題は無いが、一汗かいた跡が有ったのは気になった。ゲートは甘かったが、そこからの出脚で逃げたストラテジーの直後。ただ、4角で手応え悪く、この段階では圏外と思われたのだが、手前が替わらないにも関わらず、渋太く伸びて2着確保。手応え悪かったのは、荒れた内目を通ったからで、これは気にしなくて良いが、前走も手前が替わらなかったのは気になるところ。アストンマーチャン以外の相手なら力量上位だが...。

スーサンライダー

2人曳き。まだ緩いのだが、デビュー時思えばかなりしっかりして来た。トモに肉が付いてきたのも大きい。距離延びて良いタイプとも思えず、テンション高いのもそこ迄では無いだけに、却って良い方に出そう。出脚でというより、最内枠を嫌ってオッツケて好位。結果的に前半脚を使った分、終いが伸び切れなかったが、外枠ならもう少し違った結果だっただろう。決して悪くない内容。

エイシンウェーブス

2人曳き。このメンバー、今夏坂路閉鎖していた割にトモのしっかりした馬が多いのだが、この馬はまだ頼りなく映る。出脚サッパリで後方から。3〜4角内目を回って、直線だけ外へ。戦前述べた様に力は有るのだが、如何せん非力過ぎる。ただ、逆に言えばそれでいてこれだけ走るのだから、本格化した時が楽しみ。ファンの立場からすれば、厩舎技量を計り易い馬。

ストラテジー

歩様が硬い。馬自体も上位とは差が有る。出脚はアストンマーチャンだったが、内に居た分、ハナへ行かされる形。ただ、蛇に睨まれた蛙というべきか、終始プレッシャーを受ける形になってしまい、4角では既に苦しくなっていた。それでも後続殆ど差して来ず、5着残ってしまう辺りに、このメンバーの程度が知れるが、アストンマーチャン一頭が強過ぎて、その馬にマークされたのでは仕方無い面も。見た目は未勝利クラスだが、そこ迄酷い馬では無さそう。

シルバーストーン

2人曳き。馬に集中力。歩様面も、良いとは言わないが、走られても不思議は無い程度。毛ヅヤも良く、デキは有る筈。ゲートは速かったが、そこからの出脚が無かったし、その後もズルズル。3角手前で既にステッキが入っていた。敗因不明。ただ、戦前述べた様に、不安説を克服しての勝利は、その後反動に泣くケースが殆ど。

サマー2000シリーズ農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

トップガンジョー

前走の東京戦の際にも述べたが、この位が一番走れる数字。1人で曳いている割には集中していたし、気配も悪くない。内枠で中途半端になるのを嫌って後方。後藤騎手、最初から直線は外へ出すという意識で乗って4角も大外。新潟得意という印象は無かったのだが、GⅢを57kgで勝った馬が57kg据え置きというのも恵まれていたのだろう、外ラチ沿いを良く伸びて快勝。ハンデと好騎乗が利いた。

サンレイジャスパー

馬は例に依って見栄えする。ただ、踏み込み自体は柔らか味が有る割に、トモの送りが硬い。尤も、力強さと硬さは紙一重なのだが。半ば意図的にゲート遅らせて中段やや後方。これも最初から外へ出すつもりで乗られていた。ジワジワ来て、ラスト400m程でトップガンジョーとヤマニンアラバスタとの間で狭いシーンも有ったが、ここからが渋太い。ハンデ、勝ち馬に併せられた利、そして外へ出せた利と、色々ハマッた面は有るのだが、一瞬の脚が無い分、小回りよりは新潟の方が競馬し易そうなのは確か。

ヴィータローザ

この馬としては許容範囲の歩様。馬体も更に締まって順当に良化。珍しく好発も、下げて中段から。外から早目に動いて自分のパターンだったが、直線内にモタれて、自ら悪い所へ行ってしまい、余計に苦しくなった。ただ、58kgで早目に動いてこの内容なら今日は勝ちに等しい内容。前走時に「アテにし辛いので、人気が無ければ少し押さえる程度、走られたら仕方が無いと思って割り切る位でも」と述べたが、3度目は競馬の常識として無いにしても、認識だけは変えた方が良さそう。

スウィフトカレント

落ち着いていたのは良い傾向。ただ、多少細いのと、歩様にもうひと伸びが無かった。ゲートは出ているが、最初から行く気無く後方から。ただ今日はセコく距離稼ごうとインを突いたのが裏目。福永騎手の想像以上に馬場が悪かった。この辺りは普段乗っている後藤騎手との差だろう。前走55kgで勝った馬が57kgというのも見込まれた印象。

ヤマニンアラバスタ

この馬にしてはフックラしている方だし、決して悪いとは思わない。叩いてそれなりに良化している筈だが...。道中は中段で、ヴィータローザと前後する位置。一瞬の反応は有って、トップガンジョーと馬体が併さるシーンも有ったのだが、ラスト300mで失速。まあ、昨年とはハンデが違うといえばそれ迄なのだが、良い位置に居ただけに案外の内容。2000mでこれなら往時のデキが無いと判断せざるを得ない。見限り時。

オースミグラスワン

2人曳き。腹回りボテッと見せるのは何時もの事。ただ、もう少し歩様が伸びて欲しい。道中は中段やや後方。今日は、サンレイジャスパーの外で躓くシーンが全てだが、前述した様にもう少し歩様が良くならないと他場で通用しない。現状あまりにもトロい。

ニシノナースコール

+8kg。重いといえば重いのだが、減るよりは遥かに良い傾向。ただ、今日は歩様が硬い。道中はトップガンジョーと前後する位置。そのままインを突いて、直線向いてからの反応はスウィフトカレントよりも良かった程だが、ラスト200m位で止まってしまった。最後は底力の差から来る距離適性の差だろう。小回りなら2000mでも誤魔化しが利くのだろうが、新潟で時計勝負となるとマイルで決め手に託す方が結果に繋がり易い。

サマースプリントシリーズキーンランドカップ(GⅢ)

チアフルスマイル

この馬にしては歩様もスムーズ。造りもこんなものだが、前走時にも述べた様にもう少し覇気を出して欲しい。1800mでも出脚でやられていた馬だが、大外枠が却って良かったのだろう、意外に行けて中段の外。先に動いたダンスオブサロメを見る形で進出したが、このダンスオブサロメが4角外にフクれて、そこをスクったのが最後の最後で利いた。勿論、それが無くても2着は有った訳だが、今日は激走したというよりは、単純にスプリントと1800m戦の相手関係といった印象。それだけ今のスプリント戦はメンバーが低調。

シーイズトウショウ

この馬にしては落ちついていたし毛ヅヤは良いが、歩様が硬い。シーイズトウショウにとっても、モアザンベストが行ったのは意外だっただろうが、何れにしてもこの馬の内で起きている事象。却ってシメシメといったところ。出脚が有って折り合いが付くので、自分の競馬に徹して、4角先頭。ラスト150mで完全に抜け切ったが、最後の最後でチアフルスマイル。抜け切ったところを一気に来られた分も有るが、今日はデキ落ちの影響も有った。中山への輸送が何ともならないだけに、GⅠを捨ててでも中京戦勝負だろうが、ここは危険な人気馬になる。

ビーナスライン

前走の函館戦同様気配が地味。ただ、前走の方が歩様に力強さが有った。半馬身程出負けして中段やや後方。シーイズトウショウが前を追い掛けなかった分、馬群がバラけなかった為、そのままインを突いてここ迄。先週の札幌記念でも述べたが、今の札幌は馬場が良い為、外で勢いを付けて行かないと中々届かない。状態面も落ち気味だった事を思えば、今日は地力を示した一戦。次走中山なら狙い目。

ブルーショットガン

ステップ自体には柔らかさが有ったが、トモの送りが多少硬い。ただ、張りも有って、全体としては合格点。意外に出脚が無くて後方。前に居たチアフルスマイルを追い掛けての競馬だったが、その1馬身差が最後迄詰まらなかった。今日は前半の位置取りが全て。枠の差も有るが、前走1800mで出脚が無かったチアフルスマイルが中段に居て、前走スプリントを使ったこの馬が後方から。硬さも出ていたとはいえ、そこ迄では無かっただけに、返し馬で何とかなる範囲だっただろう。見えないところで乗り役の差が出た気も。

ツルガオカハヤテ

2人曳き。+8kg。気配を表に出し、如何にも上昇馬。ただ、張りは有ったにせよ、気持ち重い。出脚が有って、シーイズトウショウの直後。外有利になったとはいえ、上手く運んでいたが、最後は決め手の差。外枠でスムーズに運べたならとは思うが、それでも複勝圏内は無かっただろう。上とは性能差有る。

サマー2000シリーズ札幌記念(GⅡ)

アドマイヤムーン

2人曳き。-8kg。滞在で大人しい馬が多い中、一頭目立つ気配。ただ、それでも前走の東京戦を思えば大人しい方。皮膚を薄く見せて、好状態をキープ。例に依って出脚が甘いのだが、内目へ誘導して、少しでも位置取り稼いで中段やや後方。早目に外に出し、3〜4角中間から一番外をマクって進出。スローで決め手勝負になった云々を別にしても、今日は完勝。中山でヨレた前科が有るだけに、直線で手前が替わらなかった部分は気になったが、その割には真っ直ぐ走れていた。早熟という話は単に2400mが保たないだけで、成長を認めて良いだろう。以前よりは末脚に持続性が出て来ている。

レクレドール

前走時にも述べたが、歩様に硬さが無いのが良い。馬体の張りも有り、余程札幌の水が合うのだろう。ゲートも出たが、歩様が良化した分、出脚が来て好位から。マヤノライジンが勝ちに行って前を潰し、その流れに乗じたのと、スローで上がりが速くなり過ぎ、インの馬が直線迄待ってから仕掛けていては遅い展開になった。先週同様、今日も展開だが、歩様が良化して展開呼び込める位置迄に持って行ける様になったのも大きい。

マチカネキララ

2人曳き。+8kg。この方が見栄えとしては良いが、一枚重い。歩様が良化して、今日は集中力が出た。出脚利かせて、好位のイン。レクレドールの項で述べた様に、インに居た分、却って仕掛けが遅れた面は有るのだが、それでも相手がレクレドール。外からアドマイヤムーンにやられたのは止むを得ぬとしても、実戦で毎回情けない。藤沢和雄厩舎の馬らしいといえばそうなのだが...。

マヤノライジン

2人曳き。これも馬に集中力。前走の函館戦が多少細目だっただけに、少しでも増えて出て来たのは良い傾向。出脚でマイソールサウンドに叩かれたが、競艇で言うところの替わりマイの様な状態にして、好位へ。勝ちに行った分、多少早かったとはいえ、外でスムーズに競馬出来て、納得のパターンに持ち込めた筈だが、追ってからが甘い。ちょっと上とは性能差が有る。

エリモハリアー

気配抜群! 1人で曳くと曳き手に甘えるか、逆方向に気が取られるか、どちらかに行きがちだが、この集中力は今迄無かったモノ。歩様もこの馬にしてはスムーズ。トモの張りも文句無く、完璧の一言に尽きる。マイソールサウンドとマヤノライジンにやられた事も有るが、この馬自身も出脚が甘くて中段。何時でも動ける外に居て、レクレドールとアドマイヤムーンの間に居たのだから、勝たなければ評価されない展開だが、アドマイヤムーンとは行き脚に差が有り過ぎた。札幌へのコース適性という部分も有るが、それ以前にGⅢのハンデ重賞とGⅡの定量戦とは相手が違うという事。

ファストタテヤマ

毛ヅヤが良くて、今季絶好調。歩様に硬さが無く、それで居て非力さも感じさせない。トモに力が付いてきたのが大きい。今年に入って漸く完成されて来た印象。最初から行く気無く最後方から。以前よりはコーナーでも動ける様になっているのだが、昨年とは違って今日はコーナーで動かないと間に合わない展開。今日は仕方が無かろう。前述した様に今年はデキが良いので、常に穴で一考の存在だが、逆に本格化してしまった分、安定して走る様になっていて、以前程の配当的妙味が無くなりつつ有る。

マイソールサウンド

-10kg。前走の函館戦も悪くなかったが、スカッと見せて、これはこれで悪くない。欲言えばトモの送りがもう少しスムーズになるのが理想だが。大外枠だったが、出脚良く2番手から。マヤノライジンが早目に来て苦しくなった面は有るのだが、それにしてももうちょっと粘って欲しかった。あの出脚が有る限り、何処かで一発有る筈だが、止まり方が急過ぎる。馬に気持ちが欲しい。

サマースプリントシリーズテレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

コスモフォーチュン

以前思えば馬はしっかりして来た。歩様も柔らかい。好発。サチノスイーティーがアオり気味に出たのを無理に行ったが、これとは喧嘩せず一旦2番手に引く形。荒れ馬場を嫌って外へ行ったサチノスイーティーとは対照的にインへ突き、4角で内から併せた時にも手応えに余裕が有った。結局のところ、見た目程内目の馬場が悪くなかったという事になるだろう。乗り役の意識と実際の馬場状態に差が有る。これでは馬券が買い辛い。主催者サイドは何か考えた方が良い。

ゴールデンキャスト

馬自体は通年あまり変化は無いのだが、夏場は歩様の硬さが無くなるのが良い。ゲートは出ているが、58kgが意外に応えているのか、出脚が甘くて中段。サチノスイーティーが4角外へ行って、後続が更に外になってしまう展開の中、そこから更にマルカキセキが出て来て、もう2頭分程外になってしまう最悪の展開だったが、それでも直線は渋太かった。一応は底力見せた一戦。ただ、今日は1分7秒台前半の決着で当たり前の馬場状態。その時計に合わせた競馬が出来ていないだけに、良く解らない部分も。

ホーマンテキーラ

2人曳き。-6kg。気配絶好。まだ多少重いが、それを差し引いて余り有る気合乗り。好位の外。道中スムーズに競馬出来た筈だが、最後の最後でゴールデンキャストに差されて3着に。コスモフォーチュンを別にすれば、今日は最高の競馬が出来た筈。一枚重いのは言い訳にならない事も無いが、それでも58kgのゴールデンキャストと差の無い競馬というのは不甲斐無い。とはいえ、他馬も似た様なモノ。次走に関しては相手次第という事になるが、基本線は見送り。

タマモホットプレイ

休み明けは走らない筈の馬だが、いきなりから完璧に近い仕上がり。歩様に非力さが無いのも意外。ゲート五分も、出脚が無くて後方。大外では無かったにせよ、ゴールデンキャストが抜けて来た道を通って来ているのだから、それなりの距離損が有る。今日は悪くない内容。何より実戦に行って気迫が有ったのが良い。前述した様に時計が遅過ぎて...の部分は有るが、通常なら次走狙い目となるケース。

リミットレスビッド

遮眼革。歩様もしっかりしているし、今季決して悪い様には見えない。出脚が有って、中段から。ただ、今日は4角で既に手応えが悪く、追ってからもジリジリ。58kgは確かにそうだが、相手が相手。前々走の中京戦がマグレだっただけで、芝に関しては重賞級では無い。

リボンアート

+26kg。太目は10kg分程。残りは成長分。悪い時は歩様の力強さが無くなるのだが、この点に関しても今日は及第点。出遅れて後方から。それでも行き振り良く運べたが、追い込み馬が馬群を割る形になった段階で苦しい。元々はゲートの良い馬だし、今日は度外視。

マルカキセキ

2人曳き。馬体に張りは有るのだが、まだ多少重い様にも映る。道中はリミットレスビッドの外。スプリント戦とはいえ、道中から手応え良くなかったし、GⅠでも差の無い競馬が出来るこの馬が、リミットレスビッドに差を付けられるのだから、デキが無いのだろう。暫く見送りたい。

北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

デアリングハート

2人曳き。気性面も堪えが利く様になっているし、何より馬体の張りが素晴らしい。今季絶好調。スタート直後、外枠勢が一瞬色気を見せていたが、これには付き合わずに中段から。今日に関してはアズマサンダースが引っ張ってくれたとはいえ、最近は折り合い付く様になっている。道中の貯金の分、4角では痺れる位の手応えで先頭。今日は完勝だが、直線半ば迄手前が替わらなかったのが今後の課題。左回りの方がスムーズな印象も有り、ベストは東京。

ヤマニンシュクル

この馬にしてはこれでも落ち着いている方。馬体そのものはここへ入れば断然だが、全部が及第点ギリギリ。デキに疑問。ゲートが悪くて後方から。最初からインに入れず、デアリングハートを目標に早目に動いて追撃態勢。ただ、この時にデアリングハートとは手応えの差が有り過ぎた。戦前は「限定戦GⅢなら無条件で本命」と述べたが、今日は黄信号灯る内容。この馬、今迄デキが悪かった事が無く、それが無くなって来たのも気掛かり。

レクレドール

+6kg。増えている割には緩んだところも無く、好感が持てる。歩様も以前よりはスムーズ。出脚は最悪に近いが、枠の利で中段。ずっとインを立ち回り、今日は展開利。あれだけヤマニンシュクルと通った位置に差が有ったのだし、このコースが得意という訳でも無い。時計が掛かる分、誤魔化しが利くというのは有るが、あくまでたまたま。

コアレスパティオ

2人曳き。見栄えという点ではヤマニンシュクルに次ぐ存在。張りも有って、手先のスナップが利いている。ゲート速くて、出脚にも余裕有ったが、なのに何時も通りの競馬という事で、後方から。勝負どころでは、デアリングハートを追撃したヤマニンシュクルを追い掛ける形。前が早目に止まって流れが向いたのが大きい。ただ、行こうと思えば前に行ける筈。後方から入着狙いならこれでも良いが、この出脚を無駄にするのも些か惜しい。

チアフルスマイル

歩様は何時もこんな感じ。造りはこれでも良いが、もうちょっと覇気が欲しい。ゲートは出ているが、出脚サッパリで最後方から。コアレスパティオの更に後を続く形で、決勝線でもそのまま。本来は器用さ有るタイプだが、この出脚の無さは課題。

ロフティーエイム

歩様に力強さが有るが、馬自体は凡庸。出脚良く、出すだけ出して好位のイン。前崩れの展開だったとはいえ、この位置なら悪くない筈だったが、前の馬がバテて来て、しかも後続が動いて外へ出せず、何も出来ないまま終わってしまった。今日は参考外。

マイネサマンサ

歩様が硬い。馬体以前にそれが全て。出脚は現役最上位に近い筈だが、ブルーメンブラットにアオられてオーバーペース。前半如何に楽に運ぶかが最大のポイントとなるこの馬にとって、歩様の悪化から来る出脚の低下は致命傷。今日の負けは展開だけでは無い。