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競馬回顧 2004年4回京都・4回東京

日本中央競馬会創立50周年記念 天皇賞・秋(GⅠ)

ゼンノロブロイ

+6kg。今にして思うと春は造り過ぎていたか。13年前の1番人気と同じ13番枠だが、対照的に中段のインへ潜りに行く策。今日は乾き掛けの道悪だったが、こういうケースは通常外を回るケースが有利にも関わらず、今日は朝からインを通った馬が圧倒的に有利な馬場状態。ペリエ騎手、これを意識したのだろうし、この馬自身もこういうセコい競馬が得意で、直線インからアッサリ抜け出した。勿論、器用だからそれが出来るのだが、2400m以上は小細工して乗る必要が有り、そういう意味では2000mがベスト。勿論、今日は小細工もかなり利いているが。

ダンスインザムード

-8kg。下見で乗り役を乗せたら却って落ち着いた。桜花賞と似た様な造りで多少細身に見せるのだが、この方が良い。道中は3番手から。前走は多少行きたがる素振りも有ったのだが、ルメール騎手、今日は折り合いピタリ。ゼンノロブロイの項で述べた様に今日はイン有利な馬場状態で、一旦は抜け出すシーン。オークス時に述べた様に左回りは手前の替え方が下手な分が一枚落ちるのだが、一枚落ちても天皇賞2着。展開利有ったとしても凄いの一言に尽きる。

アドマイヤグルーヴ

-12kg。マーメイドステークスと同じ数字だが、今季はデキが全く違う。13年前の1番人気に乗っていた武豊騎手、今日はゼンノロブロイ同様に控えてインに潜る策。これも内から伸び掛かっているのだが、前のダンスインザムードも止まらない。意外に能力差なのかも。

ツルマルボーイ

+6kg。この造りだと一枚重い。何時もよりは前へ。ただ、この形は何度か試みられてきたのだが、意外に味が無い。それでも、安田記念同様に馬群を捌いてソコソコまで詰めていて、この辺りは流石の地力。

ローエングリン

デキは有るのだが、とにかく歩様が悪過ぎる。例に依ってハナへ。ただ、毎回述べている様に、ハナに立つまでがムキになる分、立ってからがスローになってしまう。前回時述べた様に現状GⅡが限界の馬。

ナリタセンチュリー

2人曳き。歩様は相変わらずとして、デキは良さそう。何時も通り後方から。前述した様に今日はイン天国で、外を回った馬が全く伸びない中、この馬一頭が外を回って一際目立つ伸び。2400mの馬で、スローだったのも流れに乗り易かったのだろうが、今日は評価して良い。

テレグノシス

2人曳き。稀に硬い時が有るのだが、前走同様スムーズ。今季は素晴らしいの一言に尽きる。これも後方から。一応折り合っている様に見えたのだが、このスローは過去に経験の無い流れ。ナリタセンチュリーとは二律背反な面の有る馬で、両立は有り得ないと思っていたが、今日は仕方が無い。

サクラプレジデント

中山記念はイマイチ毛ヅヤが冴えなかったが、今日はソコソコ。ただ、歩様がこの馬にしては案外。道中はアドマイヤグルーヴと前後する位置。掛かり気味の追走は休養前と同様だが、直線向いて全く弾けなかった。歩様が良くなるのを条件に、もう1走猶予を。

毎日放送賞 スワンステークス(GⅡ)

タマモホットプレイ

+10kgもまだ細いが、シンザン記念時もこんなモノ。中段の内目。稀に行きたがるケースも有る馬だが、今日はスムーズ。直線だけ外へ出したが、切れに切れた。ハマッたのは否めないが、以前と比較するとフォームが良くなった印象。戦前述べた様に、1400mもベスト。

マイネルソロモン

シープスキンノーズバンド。前走から歩様にスムーズさを欠く。道中は掛かり気味に中段。ゴールデンキャストをマークする形ならまだ良かったが、掛かり気味に行って位置取りが前になった分、ゴールデンキャストに併され、同じタイミングでスパートする羽目になってしまった。元々使える脚が一瞬しか無く、折り合い難しいだけに余計に乗り難しいタイプなのだが、ただ逆にいえばこの展開で2着なのだから、それなりに強い。デキが落ち加減だっただけに、尚更だ。

メイショウボーラー

+14kg。今春酷使した疲れは無さそう。歩様もスムーズだったし、毛ヅヤも良かった。内枠に何が何でものギャラントアロー、最初から行く気無くジワッと好位へ。ただ、今日は自力で前を捕まえに行く展開。今年強い3歳馬とはいえ、残念ながらこの展開で勝てる程の能力差は持ち合わせていなかったという事。

ゴールデンキャスト

+16kg。デビュー以来最高体重だが、太いどころか馬が萎んだ様に見える。距離を意識してか、最近にしては矯めて乗られたが、4角は何時も通りのマクる競馬。ただ、良馬場前提の馬とはいえ、見た目程には伸びなかった印象。距離か能力か、はたまた両方か。

フォルクローレ

今日は歩様がイマイチ。中段やや後方。人気どころが早仕掛けで展開は絶好だったが、前走同様伸び切れない。まだ重賞級では無さそう。

ギャラントアロー

この造りで良い筈なのだが...。内枠でも有り、望み通りのハナ。同じ2番枠でも、1200mの高松宮記念より楽に行けている筈だが、にも関わらず追って案外。休み明け走らない傾向の馬とはいえ負け過ぎで、次走試金石。

東京中日スポーツ杯 武蔵野ステークス(GⅢ)

ピットファイター

2人曳き。チャカついて歩様が解らなかったが、デキは有りそう。芝は実績無い馬だが、今日は好発からダッシュ利かせて楽に好位。直線も楽に抜け出して最後は抑える余裕。昨年にはイサオヒート,カイトヒルウインド,そしてプリサイスマシーンにも先着した馬。多少ハマった感も有るが、実力的には上位だった。

サイレンスボーイ

歩様の硬さがネックだった馬だが、今日はスムーズ。東京マイルの大外枠は意外に乗り難しいのだが、馬の気に任せて好位へ。元々1400mで結果を残していた馬で、ちょっと正攻法過ぎた分が最後止まった印象だが、内容的には勝ち馬より上。歩様が良くなった点も好感が持て、今後が楽しみになって来た。

ベルモントパティ

2人曳き。毛ヅヤピカピカ。文句無し。ゲート悪くなかったが、控えて最後方で折り合いを付ける策。直線は、馬場の真ん中を割って一頭際立つ伸び。過去5勝の内、重・不良で3勝と、こういう馬場も得意。

エイシンハンプトン

春とほぼ同様のデキ。歩様はイマイチだが、馬は見栄えする。中段のイン。休養前のプロキオンステークスで一瞬置かれ掛けていたが、今日はスムーズ。直線多少狭くなったとはいえ、コジ開けて見せ場は造った。悪くない内容。

メイショウムネノリ

ダービー時は雰囲気に呑まれて気負っていたが、同じ東京でも雨のGⅢ戦、今日は大人しかった。ただ、歩様は相変わらず。追い出せばそうでも無いのだが、道中姿勢が高い走法。これは結構ロスが有る筈で、その分が追い出してからジリッっぽい。ちょっと矯正の必要が有りそう。

トップオブワールド

-8kg。絞れたし悪くない筈だが。やや出負けして後方。1000m通過58.0秒と、それなりにペースも速かった割に、それ程バラけずに外に出せずインを突いたら前が壁。今日は参考外。

エコルプレイス

2人曳き。削っても馬は断然。何故これで走らないのか不思議で仕方無い程。道悪で余計に酷かったと思うが、スタート地点が芝のコースはダッシュの乗りが悪い。直線半ばで全く抵抗無く止まってしまったし、東京はどうも競馬がチグハグ。

日本中央競馬会創立50周年記念 菊花賞(GⅠ)

デルタブルース

2人曳き。+10kg。重いのは重いが、スズカマンボよりはマシ。ただ、歩様がダンスインザダーク産駒本格化前と言わんばかりのモノ。ゲートも良かったが、ジワッと前へ。イマドキの菊花賞、この辺りの位置取りで流れに乗れる馬が圧倒的に有利。あとは坂上でスパートし、4角先頭。昨年よりは後続との差が少なかったとはいえ、その後続が伸びて来ずそのまま押し切り。こういう競馬が出来る強みは否定しないが、今日は展開一本だろう。

ホオキパウェーブ

2人曳き。かなり良い方とはいえ、前走の方が確実に良かった。横山典弘騎手、下見で多少煩いのを気にしたのだと思うが、折り合いに専念して後方から。横山典騎手の言う「2周目3角過ぎに何度かジャンプ」のシーンは確認出来なかったが、多少置かれ掛けて内外包まれてしまったのは確かで、この形では2着が精一杯。イン突いてもうちょっとだったが...。

オペラシチー

2人曳き。-8kg。評判の割に見栄えしない印象も有ったのだが、削ってもそれなりには残っていた。佐藤哲三騎手、最内枠でどう乗るかが見物だったが、1周目4角で最後方に下げ、そこから少しずつ少しずつ前へ。これも坂上スパートの組で、そういう意味では勝てなかった以上多少疑問の余地も残るのだが、佐々木晶三厩舎は6歳,7歳でも関係無く走るだけに、長い目で見ておきたい。

コスモバルク

2人曳き。この体重は仕上げが難しいのだろう、緩い印象が残る。坂の下りで行きたがって、セントライト記念同様に逃げて折り合わせる形。ただ、2000m通過2分4秒1はスロー過ぎた印象も。何処かで突き放す展開に持ち込まないとこの展開になってしまう。まあ、それが出来ないから距離が長いという事なのだろうが。

ストラタジェム

馬のスケールはともかく、仕上げはキッチリ。坂の下りで行きたがったが、下ってからは折り合い付いて中段のインで我慢させる形。1回行きたがった影響か、坂を下るまで待って、先に仕掛けたホオキパウェーブの進路を追い掛ける様に伸びて来た。他馬が走らなさ過ぎたとしか言い様が無い。

スズカマンボ

2人曳き。+10kg。朝日チャレンジカップの476kgがベストで、これだと一枚重く映る。オペラシチー程極端では無いが、1回下げて外へ。坂の下りでちゃんとスパート出来ているのだが、伸び切れなかった。漸くハーツクライには先着出来たとはいえ、どうも距離が長い嫌いが。

ハーツクライ

やはり成長が無い。最後方から。これも坂の下りで動いているのだが、ダービーから述べている様にコーナーで動けないタイプの馬で、他馬より余計に脚を使っているから、直線伸び切れない。戦前から想像付いた通りの負け方。

ハイアーゲーム

左側だけ遮眼革。前走思うと歩様はマシだし、重心も下がって来た。例に依って出負け。この馬の場合は出遅れる事自体がデキの無さの証明だが、中途半端に前へ行って更に無駄な脚を使わされた印象も。やはり天皇賞へ向かうべきだった。

富士ステークス(GⅢ)

アドマイヤマックス

2人曳き。絶好調で使えた事が無い馬だが、今日は比較的良い方。最内枠で策は一つしかないのだが、中段のイン。スタート直後に一瞬首を上げ掛けた以外はスムーズ。直線も、前が開くまで待ってからのラスト150mの瞬発力は昨年の安田記念同様のモノ。ただ、今日はこの馬の一瞬の脚を最大限に生かし切った印象。良い脚が長く続かない嫌いが有って、京都は合わなさそう。

モノポール

多少細身だが、それも含めて如何にもサンデーサイレンス産駒らしい造り。毛ヅヤ,張りは目立った。好位直後。馬群の中で気を遣った部分は有るだろうが、見た目にはスムーズ。追い出しも待てるだけ待ってから追い出したが、もっと矯めていたのがアドマイヤマックス。能力最上位馬に最高の競馬をされてしまった印象で、仕方が無いだろう。

メテオバースト

+18kg。ホライゾネット。毛ヅヤは良い様に見えたが、造りが緩い。道中は後方のイン。ただ、改装後の東京にありがちなマイルでもスローな流れで、前とはそれ程差が無く直線は外へ。手前さえスムーズに替えていれば更にという印象で、期待以上の内容。能力は相当だ。

ロードフラッグ

2人曳き。毛ヅヤは冴えないが、歩様は良くなった。中段のインで折り合いに専念も、岡部幸雄騎手のいう「上手に走っていた」状態で、折り合い意識し過ぎて位置取り悪くなってしまった印象。直線向いて捌くのに手間取ってしまった。ただ、広いコースの時計勝負は堅実。悪くない内容。

シャイニンルビー

デキも良いのだろうが、歩様に非力さが無いのが今季の特徴。出負けのイーグルカフェを除けば最後方。ただ、直線一番外へ回せば良かったのに、中途半端な処へ突っ込んでしまい、一瞬前が詰まるシーン。これが無ければもうちょっと際どかった筈で、北村宏司騎手、相変わらずの進歩の無さ。

ダイワバンディット

2人曳き。煩いのも何時も通りなら、見栄えするのも何時も通り。ただ、見栄え良過ぎて本当のデキが掴み辛い気も。中段で馬群の中。直線も前が開かなかったとはいえ、その内ズルズルと後退してしまった。道中は大人しく走っている様には見えたのだが、好走例は全て外に馬を置かない時。今日の形は良くない。

マイネルモルゲン

一枚重いのと、前回良かった歩様が何時ものそれに逆戻り。恐らくマイネルゼストがハナで話がついていたのだろう、ゲート良かったにも関わらず控える形。ただ、今日は歩様が悪かっただけに、この形は味が無い。マイネルゼストも行き切れなかったし、ラフィアンは時々こういうミスが。

イーグルカフェ

歩様もスムーズで、馬体に張り。デビュー以来一番良いかも。例に依ってというより、それ以上に出負け。最内立ち回って一瞬伸び掛かったのだが、前と離れ過ぎて馬が行きたがった分が痛い。仕方が無いといえばそれで終わりだが、今日はデキが有ってベストの東京マイル。勿体無さ過ぎる。

秋華賞(GⅠ)

スイープトウショウ

馬が張っていたし、叩いての良化度急。ゲート先入れ。例に依ってゲート悪く後方から。前走のトライアルは仕掛けどころを間違えた池添騎手、今日はちゃんと脚を計って直線勝負。このレース、時にペースが速くなるだけに、済し崩しに脚を使わされる可能性も有ったのだが、今日はそれ程でも無かっただけに、終いまで脚が残せた。毎回ゲート試験だし、調整にも相当苦労している様で、今後もアテにし辛いが、思えば春に一度転厩している馬。果たして転厩していなかったらどうだったか。

ヤマニンシュクル

造りも良かったが、珍しく落ち着いていた。今日も中段。外でジワッと競馬出来たし、直線良く伸びて3着馬とは5馬身差。前走の札幌戦で、本来の追い込む競馬に徹した方がと述べたが、スローの決め手勝負ではスイープトウショウの方が分が良いだけに、今日はこの策でむしろ正解。展開が悪かったとしか。

ウイングレット

もっと気負うタイプだが、一人で曳けている様に今日はまだマシ。中段でヤマニンシュクルと前後する位置。多少気負ったところは有るのだが、今日は内外前後ガチガチで、馬が諦めて折り合えてしまった形。中々全能力を競馬に向けられないだけで、力は持っていて、今日は全能力を出し切れた印象。これで馬が学習してくれれば儲けモノだが。

ダンスインザムード

2人曳き。イレ込みは今更。毛ヅヤ良かったし、馬の造りはこれで良い筈。好位のイン。レース毎に道中の所作が悪くなって来たし、今週前崩れの展開が多かった京都コース、抜け切るタイミングも早過ぎた。内枠で策が限られて来るだけに、それを潰されれば仕方が無いのだが、道中が悪過ぎるだけに一回立て直した方が。

ヤマニンアラバスタ

2人曳き。-4kg。元々細身だけこれでも許容範囲。中段やや後方。道中外へ回して伸びてはいるが、元々器用さを生かすタイプで、こういう真っ向勝負では苦しい。柴田善臣騎手、もう一工夫が欲しかったか。

レクレドール

-8kg。歩様は良くなっていたが、如何せん細い。何時も通り出遅れて後方から。これも直線外へ回したが、追ってからはスイープトウショウの方が一枚上。前走はハマッた印象も有ったし、下見で細かっただけに、現状こんなモノなのだろう。

グローリアスデイズ

気負っていたのもそうだが、左右の歩様のバランスが悪過ぎる。ゲート入りゴネる。中段やや後方。結果論でも良い位置に居た筈だが、直線反応せず。どうせゲート再審査だし、あの歩様。一度立て直した方が良さそうだが。

府中牝馬ステークス(GⅡ)

オースミハルカ

2人曳き。前回も述べたが、これでもマシな方。造りもシッカリしていた。戦前はこの馬がハナかと思われたが、メイショウバトラーに行かせて2番手。仮令離れていたとしても、逃げ馬のこの形は味が無いケースが大半なのだが、直線半ばで一度逆手前になり、坂を上がって手前を戻してもう一伸び。川島信二騎手、ステッキで追っていた武幸四郎騎手とは対照的に、ひたすら両手で手綱扱いて追っていたが、恐らくヤネの操作で手前を替えていたのだろう。今日はリヴァプールでサフラン賞も勝っていて、とても先週まで東京を2回しか乗っていなかった騎手とは思えない騎乗振り。この形で答えを出した馬も立派だが、今日はそれ以上に川島信騎手を称えたい。

メイショウバトラー

+8kg。今日は気配目立った。東京に自信の武幸四郎騎手、大外枠にも関わらず果敢にハナへ。気持ち良く行っている割にペースそれ程でも無かったし、4角でも2馬身のリード。今週の東京は前残り続出で、ほぼ逃げ込み態勢に見えたのだが、最後の最後で捕まった。ハナ差だけに枠が内外逆なら結果も違っただろう。仕方が無い。

スティルインラブ

-10kgよりも、今日は単純にデキが無かった。前半は多少行きたがっていたが、道中は中段。直線はインを捌いて来たが、3着まで。57kg,前残りの馬場と展開、色々言い訳は有ろうが、先週のアドマイヤグルーヴは確実にもっと良い競馬をしていた。次走GⅠだが、現状でアドマイヤグルーヴに勝てるとはとても思えず、このままでは良くて2着止まりだし、その2着もそれなりの3歳馬が出て来ればかなり危なっかしい。

エリモピクシー

気配は地味だが、歩様さえスムーズなら問題無し。ダンシングブレーブ産駒らしく揉まれ弱い馬で、今日は縦長でバラける理想的な展開。直線も大事に外へ回し、良く伸びているが、今日は前が止まらなかっただけ。メンバー中最速の上がりで詰めているし、限定戦なら展開一つ。

エルノヴァ

歩様は何時もの事だし、デキはかなり良い筈。 出ッパが多少悪く中段やや後方。直線はスムーズに外へ出せたのも有るが、前が止まらない馬場を思えばそれなりに詰めている。一応オープンにメドは立てられたか。

オースミコスモ

悪くないのだが、毎回述べている様に細く映る方がこの馬走る。道中は中段。スムーズに運べてはいるが、前走同様もうワンパンチが出せない。最近斤量背負わされている上、オースミハルカが居ると前へ行き難く、競馬がし辛い印象。次走定量戦で改めて。

トシザダンサー

-10kg。細かったし、気負っていた。前半多少行きたがっていたとはいえ、追って案外。馬体減が影響したとしか。

デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)

ペールギュント

落ち着いていたし馬は良いが、一枚重い。ゲート互角も、押さえて最後方。結構行きたがっていて、小牧騎手、先週同様策に溺れたと思ったのだが、外へ回したら鋭い脚を長く使った。母ツィンクルブライドは頭の高さがネックだった馬で、それ故良い脚が長く使えず桜花賞を勝ち損ねたが、この馬はフォームもしっかりしているのが良い。これだけ切れると距離は限界有りそうだが、デュランダルの後継者になれる可能性も。

ライラプス

2人曳き。気配一変! 新馬時はもっと非力な感じだったが、ちゃんと歩ける程度にはなっていた。好位のイン。多少のロスは有るが、他馬を思えばスムーズ。ペールギュントは別格だが、エイシンヴァイデンに競り勝ったのは立派。下見を別にして、新馬時も松田国英厩舎らしい手足の素軽いフォームで、如何にも本物感を漂わせていたのだが、いきなりからそれを証明する形。ここまでデビューした2歳牝馬では抜けたNo.1だ。

シルクタイガー

+14kgも、太い印象は全く無いし、歩様もキビキビ。ペールギュント同様最後方からも、ペールギュントとは対照的に最内へ。最後は持続力でヒケを取ってしまったが、最近京都外回りの最内差しが利かなくなっているだけに、悪くない内容。ちょっと首の高い走法で、マイルまでの馬だろうが、歩様は良いだけに決め手を磨いていけば。

エイシンヴァイデン

今日は煩いし、造りが緩慢。前走同様2番手から。一応折り合い付いていた様に見えたし、一旦は抜け出しているのだが、そこまで。確かにペースも速かったし、今週は前崩れの展開多かったのだが、ライラプスに競り負けたのは言い訳無し。今後は期待出来そうに無い。

ショウナンパントル

バランスの良い馬だが、デキが無さそう。控えて中段。ただ、少なくとも新潟戦よりはペース速かった筈だが、また行きたがってしまった。まあ、今日はデキも怪しかったし、行きたがった割には渋太く伸びているのだが、この内容では限定戦でも勝ち切るまで無さそう。

アドマイヤムサシ

2人曳き。馬良いが、イレ込み。後方も多少力みながら。伸びていない訳では無いのだが、勝ち馬は更に後ろから来ただけに不満の残る内容。軌道に乗るまで静観した方が良さそう。

オーヴェール

馬体締まって来た。道中は好位から。折り合いは付いていたが、直線は殆ど反応せず。やはり距離が長いか。

シックスセンス

2人曳き。多少気負っているとはいえ、馬振りは流石。道中気負っていた。これも暫く掛かりそう。

農林水産省賞典 京都大賞典(GⅡ)

ナリタセンチュリー

2人曳き。多少煩いのは何時も通りだが、毎回述べている様に歩様が気に入らない。例に依って後方待機。詳しくはゼンノロブロイの項で述べるが、前も多少やり合っていて、これが嵌った印象も有るのだが、それでもゼンノロブロイを負かしたのだから立派。トニービン産駒なので直線でしか動けないとはいえ、この歩様の割にペースの緩急に強く、次走東京で更に。

ゼンノロブロイ

何時も通りの造り。良いとまでは思えない。好位のイン。ダイタクバートラムの逃げがスローで、逃げている馬が意外な以外は期待通りの流れだったが、坂の下りでアドマイヤグルーヴがレニングラードを突く形で動かした為、馬が待ち切れなくなってしまった。抜け切るのも多少早く、元々そういう馬だけに余計に痛かっただろう。とにかくツキが無い。

レニングラード

トニービン産駒の悪い時に有りがちな完歩の小さい歩様。道中は中段。矯めてブッ放すだけなら、テン乗りでも問題無いのだが、福永騎手、アドマイヤグルーヴを意識しつつゼンノロブロイをマークという器用な事をやろうとして末脚無くした印象。こちらはトニービン産駒、相手2騎はサンデーサイレンス産駒なのだから、ナリタセンチュリーの様に最初から決め打ちなら結果は違った筈。

アドマイヤグルーヴ

2人曳き。休養前のマーメイドステークスは酷い状態だったが、一息入れてデキが有った。有力馬2騎を前に置き、理想的な位置取り。ただ、57kgを背負って乗り手に自信が無いのか、早目に動いて前のレニングラードが連動してしまい、長く良い脚を要求される展開になってしまった。ただ、今春の金鯱賞もこういう競馬で、次走の限定戦でキッチリ。そういう意味ではエリザベス女王杯へ向けて好スタートと言えるのでは。

ダイタクバートラム

トモの張りは流石だが、このトモを思うと歩様に力強さが無い。ゲートも悪くなったが、意表を突いてハナへ。ただ、慣れない逃げで、馬も戸惑っていたし、スロー過ぎて最後は鋭さ負け。今日は策に溺れた形。

毎日王冠(GⅡ)

テレグノシス

休み明けだが、馬体の張りが目に付いた。デビュー以来最高の状態。何時も通り後方から外へ回す競馬も、京王杯スプリングカップ時に述べた様に直線でのヨレ癖がマシになった。今年は下見の気配からして違うのだが、この部分の進歩が相当。これなら距離もこなせる筈で、ツルマルボーイとも差を感じず、今のところ打倒キングカメハメハ一番手。

ローエングリン

今季地味に良いデキなのだが、如何せん歩様がネック。ゲートはシェルゲームも、行き振り良くハナへ。ただ、やはり前半ムキになる傾向。ムキにならなければもう少しペースが上げられる筈で、そうすれば後続の脚を使わせられるのだが、現状どうしても控え気味になってしまう。現状では、良くてGⅡの馬か。

ブルーイレヴン

今日も多少硬い歩様。ただ、デキ自体は悪くない筈。道中は中段。直線向いた時は一瞬コレというシーンも有ったのだが、坂を上がってそこまで。新潟で負かしたトーセンダンディがオールカマーを逃げ切るという椿事が有ったものの、その新潟のメンバーが弱かっただけに、この相手ならこんなモノなのだろうが、あの止まり方は坂も応えている気が。

プリサイスマシーン

これでもこの馬とすれば歩様良い方。馬体に張りも有った。ゲート良く好位のイン。こういう歩様なのでこの馬向きの競馬では無いのだが、東京1800mとしては最高の競馬。道悪を想定してか妙に人気になっていたが、現状の力量からすればこれでも良く走っている方。

ヴィータローザ

下見入って来た当初激しく暴れていた。これでは。押して好位の外。早目に2番手進出し、前を自力で捕まえに行ったが、追って案外。この一族にしては、堅実というか切れないタイプなのだが、今日は前半から行き振りが悪かった。馬場入りも割と大人しかっただけに、下見で燃え尽きたか。

シェルゲーム

馬体の成長もそうだが、もうちょっと歩様にスムーズさが出て来ないと。ゲートこそ良かったが、ローエングリンに行かせて2番手。ただ、やはり2番手ではムキになるし、現状では奇襲打たない限りは力量不足。成長が欲しい。