サウンドワールドにコウエイロマンが絡んで、前半3F32.6秒。それをクルーピアスターが強引にマクり、インの先行勢が戦意喪失。そのクルーピアが直線半ばでタレたところを、満を持して差した。この馬とて3、4角中間から一気の仕掛けだが、小回りでもコーナーの緩い小倉で直一気は至難の技なのもまた確か。
ゲートアオる。この段階で、勝ち馬をニシオセーラムと決めつけてのレース。しかも、勝ち馬の通った位置は完璧に前が開いていた。以前烏丸S回顧で、例え能力が足りずとも乗り役が勝ち馬を予め知っているのといないのとでは結果は違ってくる筈と述べたが、正にその通りの結果。
逆にこちらはサウンドワールドをマークで、3角手前から一気の仕掛け。まあこの馬の存在が無ければ、ニシオセーラムも勝てなかった可能性もあるが、相手を間違えていいお膳立てといったところ。従って、今日は道化を演じただけだが、ただその割によく抵抗しており、次走注目。
この馬は先行勢を見ながらの追走。一瞬、4角この馬のシーンもあったが、そこでクルーピアのマクりでインが窮屈に。今季4着続きも全て内容は濃い。
絞れたのは好感も、もう一絞り。内枠なだけに、ゲート失敗は寧ろ良かったかも知れないが、4角13番手では流石に届かない。まあ、それでも絞れていれば鬼脚を繰り出すのかも知れないが。
ピリッとした脚がないだけに、どうしても早目早目。それがスタミナロスに繋がっている。何かしらの武器が欲しいところ。
まさか、コウエイロマンが来るとは...。
ここでは一枚上の力。しかし、大外枠、スローの2番手も終始突かれる展開、エスジーの直線向いての絶妙な仕掛けのタイミング、全てを差し引いても、500万上がりの馬にハナ差しかないのは、2枚上の力と断言するにはどうか?
誰も行く素振りがないのでハナへ。ところがいざハナへ行けば、マイネルアパッシュとケイアイマイウルフが引っ掛かり、連れてフサイチゴールドも前へと中々厳しい展開。とはいえ、この馬の場合もともと好位差しの馬で、ハナへ行かずとも競馬が出来るので、引っ掛かった連中を、一旦やり過ごして、またスローに戻せた。結果、降級馬相手にハナ差2着。この自在性は高く評価したい。
道中押し通しでこの馬少々ズブい。前走圧勝だが、クラス上がると...ということなのだろう。2角で掛かった馬が結構いて、シメシメの展開だと思っていたら前がうまく兼ね合いまんまとスローにされ、慌てて動いたら競馬が終わっていたという面もあるが、人気背負ってでも、小倉で前に行けない馬には信頼性は期待出来ない。
引っ掛かった外枠の馬達とは違い、うまく前を壁にして折り合えた。ただ逆の言い方をすれば理想的な競馬でここまで。力不足は否めないところ。
デキ落ち、出負け。押して中段から、うまく内々を捌いてきたが、直線尻尾を振って追い辛いシーン。その分伸び切れず。
後方からも、前で決まってしまう流れでは届かない。
スローで引っ掛かってしまった。
最初行かせるつもりだった筈だが、速くなりそうとみるや一転、後方待機策に変更。実際にはスローペースになってしまったが、一団の展開になったので揉まれ込んでいたことを考えればこれはこれで良かったのだろう。4角も我慢してイン狙い。これも何とか捌き切った。
最内枠で出方が鍵だったが、これをうまくやり過ごして中段の外に出せた。外から教科書通りの好位差しで、叩き合いも最後追い負け。準オープンなら勝てると思っての横綱相撲だが、ヴィエントシチーがカド番大関程度の能力があったといこと。
4角一番手応えの良かった馬が先頭。しかし、そこからが甘い。上がりが速すぎたということか?
4角でヴィエントシチーの直ぐ前。ヴィエントと力差があるとは思えず、従って4角で大外を通ってしまった分の差といえるだろう。
3、4角中間でエイシンエーケンが動いた時、ついて行けなかった。これが全て。
揉まれるとよくないのか?
攻め馬動いているだけに気性の問題の筈。障害を飛ばせてみるのも一考しては?
勝負処から追い通しで、マルカキャンディの方が数段楽な手応えの筈だが、最後競り勝ってしまった。追い切りを終い重点に替えたのが奏功とでもいったところか。時計優秀なのは確かだが。
そのミッキーダンスの前にいたのだが、4角では楽勝の手応え。気分良く行き過ぎたのもあるのろうが、直前の追い切り手控えた影響が出たのかも?
勝負処で外に振り回されたのも影響しているが、そこでかなりモタついてしまった。その分、伸び切れず。東京コースに良績のトニービン産駒。逆にいえば、小回りでは得てしてこんなものだが。
出負けして後方からで、3角から自力で動いていくのだが、今日は平均的に速い流れで相当に脚を使っている。その分、終い甘くなった。
好位追走も4角で置かれたのが痛い。時計勝負がダメなのか...。
道中のペースはスローだったがそこはハンデ戦。3角からサクラナミキオーがダイワをツツきだし、一気にペースが上がってしまった。こうなると、後ろの馬が競馬がやり易くなる。4角までは気合いをつける程度で外で流れに任せ、直線勝負。416kgの馬体に52kgの軽量。加えて、ご丁寧に前が止まり易く、そしてインを通った馬に不利な馬場。条件が実に揃っていた。
上記したことは殆どこの馬にも当てはまる。しかし、唯一の違いがちょっと抜け出しが早かったこと。ただ、この馬としてインを一掃した時点で競馬が終わっていたのかも知れない。だとすれば仕方がなかったが、何れにせよその結果、外から更にもう一頭の強襲を許してしまった。
この中間不安説が流れ、出来落ちが囁かれたが、どうもデマだったよう。それでも、まだ不安要素は残っていて、ハンデを見込まれたという話も残っていた。結果としては、先行グループの中では最先着。それらをクリアしたとは云ってもよいのだろう。しかも、道中の主導権はサクラナミキオーが持っていただけに一層頑張りは光る。
この馬、良馬場でないと力を発揮出来ない筈でその意味からはよく辛抱したとも言えるし、マークする立場で、展開有利だった筈だから、だらしがなったとも言える。ただ、こういう中途半端な着順の多い馬で、その度に判断に憂慮するが、今回も例外ではない。
後方からソコソコ来てはいるが、明らかに作戦を間違えた。上位軽ハンデ馬は差し馬だが、上位入線の背負っていた組は前で闘っていた。レガシーハンターが象徴的だったが、背負って瞬発力勝負はこの馬場ではキツい。
イレ込み癖が解消せぬことには。
ブリリアントロードの項で述べた通り。
後続が来るのが早かったということになるが、舌がハミを越していた。
発汗量は多いものの、一応出来ていたとは云えるのだろう。この日はかなり時計の掛かる日で、こういう強引な逃げタイプには有利な馬場だったので、一層強く見えた。最後、脚が上がっていたが、ソラを遣ったとのことで気にしなくていいだろう。だだ、このあとスンナリが必須条件の馬にはなって欲しくないが...。
ゲート失敗も、小回り向きのダッシュ力があるのか、すぐに好位に取り付いていった。勝ち馬以外の先行勢は皆、既に3角で手応えが怪しいのだが、この馬だけがそこからが意外に渋太い。その分の2着。外枠で揉まれなかったのがよかったかも。
こちらは後方待機組。4角も我慢してイン狙い。好位勢総崩れの展開もありここまで。
古馬混合と4歳限定戦ではペースが違うということなのだろう。初距離も多分に応えているか。
一瞬は2着もと思われたが、G前1F地点で脱落。やはり、距離ということになるだろう。
それぞれ+12kg、+10kgは誤算。
この週の福島が特にそうなのだが、内外均等の馬場状態で、芝の葉長が長い場合、前崩れにも関わらず外が伸びず、イン強襲がよく決まり、見る側だけでなく、乗る側も賭けになってしまう。今日はゲートを五分に出る事によって、リスクを減らし、現実には4角でダンゴになったので、全く不利なく、そしてイン強襲。あとは力通りに。
この馬もトゥナンテの後を狙ってイン強襲。ただ、トゥナンテの直後というのは、リスクが少なかったし、同馬主だからか、トゥナンテがご丁寧にインを開けてくれた。ただ、夏場で仕方がないとはいえ、相変わらず華奢な点は今後気掛り。
今日は社台レースホースの連携プレーにハマった印象。具体的には、ミッドナイトベットに仕事を邪魔され、3角でこれを嫌って一気に脚を使ってしまった。見た目にはこれでも勝てる筈だが、スタートして2Fから6Fまで11.1-12.4-11.5-11.5-11.9で息が入り辛い流れ。そこで、無理に4角押さえて、今度はトウショウノアに来られた。それを意識するものだから、4角外にフクれトゥナンテのイン強襲を許し、踏んだり蹴ったり。
汗をかく時期はいいのだろう、出来は良くなってきた。しかし、良馬場も力の要る馬場は良くない筈、加えて4角捌き損ねる不利。特に社台の連携がうまく行っただけに、対称的。
今季ずっと好調キープ。そう切れないだけに前々で闘わざるを得ないだけに、外を回ることになる。しかも外から届き難い馬場。仕方なし。
結局は家賃が高かったということになるのだろう。
前走は後方待機策で直線だけの競馬。今回は色気を持って、早めでしかも大外。それではどうやっても無理。
本日の傾向として、小回りを意識してかかなり全体的に仕掛けが早かった。加えて、芝の葉長が長いのか、微妙に力を要す馬場。従って、前崩れの条件は揃っていたのだが、このレースに関して云えば、サウンドワールドが上手く運んでいて、流れ自体は前残りのそれ。そこを大外から上がり33.3秒で突っ込んだのだから、ケチのつけようがない。あとは今後の話だが、目標が9月末のスプリンターズステークスと聞く。スローで差せた辺り、期待が高まるが、今日の馬体がギリギリで、如何に体調を維持していくかが、鍵となるだろう。
もう往時のダッシュ力が無いのだろうが、それにしてもハナ切る意志の無かったユメノセテコウユーに押さないと前に出られないというのは頂けない。ただ、いいペースで逃げられたし、気性的にハナさえ切れれば強く、ユメノセテに一旦前に出られながら、差し返したのは好感が持てる。
二の脚が速く、サウンドワールドを待つ余裕さえあった。ただ、そのまま行かせる選択肢もあったかもしれない。というのは、実際には脚質転換中ということで控えたのだが、直線、一旦サウンドを捕らえながら、差し返された辺りに不満は残るから。無論、共倒れの危険はあったが、力不足は明白なのだから、勝つ手段はそれしか無かった様に思える。
道中は後方も、4角から自力で捕まえに行ってのこの内容。休み明けでも仕上がっていたこともあるが、今日の内容は着差(その着差もたったクビ差!)以上に評価しておいたほうがよい。次走、反動なくば要注意。
こちらは逆に4角でインを狙って矯めてみた。前が開いていたのでここまでは伸びたが、従って、着差こそ僅かだが、これ以上は望み薄。
平坦、小回りでうまく立ち回る馬だけに、今日のような重賞紛いのレースでは誤魔化しが効かないし、時計も速すぎ。
休み明けから走ろうと思えば、もうちょっと細い方がよい。しかしある程度、好調期間を長くしようと思えば、いま位の方がよい。今日は陣営が後者を選択してきた、ただそれだけのこと。