東京7F戦はコース形態から速くなりようがない。今日も例に洩れず速いペースではなかったのだが、各馬がグラスワンダーを相手ではないと考えていて、皆色気を持って仕掛けが相当に早くなってしまった。その流れを待つだけ待って一番最後に仕掛けたのがこの馬。この馬の甘さが解消された訳ではなく、見かけは圧勝だが今日は恵まれたと断言できる。
外枠故に、コーナーで外に振り回されるのを嫌って、道中2番手での競馬。そして前で楽を出来た分、これが奏功しての2着。ただ、今日はトライアルで、本番は1F延びる。通常後ろから競馬をする筈だが、前で競馬をしたということは、安田記念を捨ててここが目一杯の勝負だったかも。
東京1400mで外枠不利が定説。それは、過去何回も内枠の馬に今日のようなこういう乗り方にやられてきたから。ただ2着馬とは地力が違い、交わせないのは仕方がない。今日は馬より騎手を褒めたい。
後方にいたこの馬ですら仕掛けが早くて、最後止まっているのだから、どれだけスティンガーが仕掛けを遅らせたか判るというもの。ただ、今日は休み明け。試走としては上々で本番に期待を持たせた。
ブリンカーの効果で、集中して走っていた。ただ、この馬の性格上、できればラチを頼って競馬をさせたいのと、前に馬を置いて競馬がしたかった筈。外枠がこの馬にはアダになってしまった。
一見すると雪崩込んだだけなのだが、注意して見ると直線半ば(坂)で外にモタれ加減。しかし最後、坂上から立て直して、差を詰めてきた。手前は替えていたので、坂が合わなかったのか、それとも最後伸びかけた時、ウメノファイバーと馬体を併せる形だっただけに、馬が諦めていたのか。
気性的に外から被せられると、引っ掛かってしまう。
この馬が無条件でよく見えていたのは3歳時の話で、最近では細いよりは太く見えた方がマシとか、かなり消極的な見方しかされないのだが、今日も多少太いのでなんとかなるかなといったレベル。従って、本当のデキは誰も解らないのだが、今日はそんなことより、手前もしっかり替えて普通に走れていても、他馬にマークすらされなくなったという方が問題。
出遅れても慌てないのが、武騎手のいいところ。この馬は坂は駄目。しかし、小回りの忙しい競馬も駄目。ということで、平坦で直線の長い京都コースがベスト。また、ある程度矯めて行ける1400mもベストということで、勿論馬の力も高く評価したいのだが、今日は条件が揃いすぎていた感もある。今後はオープンの京都1400mでどうかという話だが、オープンだと流石にペースがキツい。そこにどこまで順応できるかが課題。
出来は普通に見えた。道中は中段のインで矯めていたが、外回りで行くとこ行くとこ前が開いていた。軽ハンデもあり、寸前でオカノスピカを捕らえる。
ゲイリーイグリットが凄まじ過ぎただけで、本来は先行有利な流れ。G前1F地点で一旦は抜け出したが...。最後は距離か。
京都外回りはイン強襲が穴パターンだが、この馬も中段のインから伸びてきた。芝のスピード競馬がどうかと思われてだけに、それに対応できたの収穫。
外を振り回されたこともあるが、鋭さ負けの形。
この馬も鋭さ負けの形だが、この馬はかなり後ろから行っていたのも影響している。
スピードの柔軟性に欠けるので、ダートの方がいい。
前走チャカつく素振りもあったが、今日は下見で寝ているとさえ思える程。だから道中完璧に折り合える。そして、その結果、かなりいい脚を長く使えた。前走は外厩先のアクシデントが相当に影響していたようで、この馬の評価を多少上方修正しなければならないのだろう。
猛稽古の成果が出て−8kg。そうなるとイレ込みの不安が出てくるのだが、現実は落ち着いていた。道中、中団のインから競馬を進め、G前300mで先頭に立つも、寸前で差されてしまった。勝ち馬とは末脚の持続性の点で分が悪かっただけ。
この馬も落ち着いていた。道中、最後方待機を決め込んだが、ラスト100mで脚色が一緒になってしまった。今日の為に、前走時からコース追いに切り替えてきて、成果は出ていたのだが、あと一歩足りなかった。
やはり内目の馬場は伸びる。ただ、落鉄の影響もあってここまで。
よく見える。中山1200mの後だけに引っ掛かってしまった。その割によく抵抗しているし、ペースに慣れればマイルでも充分やれるだろう。
いい脚が長く続かないので矯めて乗られた。しかし、頭の高い走法だけに東京が向かない。
まともに掛かってしまった。内枠がどうも駄目な様。
馬体が減り続けていただけに、何より増えて出てきたのは好感が持てる。道中、後方で矯めて直線一気。これでダービーが面白くなった。
この馬も押せ押せで使ってきただけに、減らなかったのは好感が持てる。前半、多少掛かり気味だったが、直線は最後まで渋太い伸び。遮眼革の効果が相当あるようで、馬群の中で競馬が出来るようになったのは大きい。後はダービーまで微妙に間隔が開くので、疲れがドッと出なければいいのだが...。
こちらは逆に絞れてきたのが好感。インをうまく立ち回ってきたが、追い出してインにササってしまった。その分の3着。
最後よく詰めてきたが、内枠の影響で道中まともに揉まれてしまい、しかも4角で多少捌き損ねてしまった。惜しい。
+8kgは馬体が戻っただけ。今日はスローだっただけに、決め手に欠けるこの馬には辛い流れ。しかし、2着馬とは差は僅か。
4角ではこの馬が勝ったと思ったのだが、そこからが全く伸び切れず。「突っ張ったような感じで、道中から本来の走り振りではなかった。どうもなければいが...。
(武豊騎手・週刊競馬ブック)」
抜けた馬が3頭いて、一番人気が真ん中で競馬をするという構図は昨年と一緒。そして、真ん中の馬が勝って、後ろの馬が2着に来るという構図も昨年と一緒。馬の能力に自信があれば、真ん中で競馬をするのが一番安全なのだろう。今後はどうしても華奢に見せる辺りが超一流馬を目指すなら課題になってくるだろう。
今日は武豊騎手はあわよくば程度で乗っていた筈。ナリタに3角マクリでも打って貰えればチャンスもあったが、ナリタに普通に乗られては、ああやって2着確保以外に乗り方はなかった。レース後のイベントで「4角で勝ったと思った。」と武騎手がインタビューで答えていたそうだが、アメリカに修行ではなく、勝負に行くような人間がテイエムと騎乗馬の脚色の比較くらい出来ない筈がないと思うのだが...。
1ヶ月前の事を思えばよく立ち直ったと思う。ラスカルスズカの項にも述べた通り、今日のポイントは2周目3角で馬が行きたがった時にマクリを打たなかったこと。4角で対テイエム1馬身差ではいくら何でもちょっと分が悪いだろう。失敗に終わっていた危険もあったかも知れないが、3着も4着以下も変わらないと思うのだが。
4角アワヤのシーンも、終わってみれば瞬発力不足ということになるだろう。しかし、もうちょっと流れが速くなって欲しかったのでは?
マイナス20kgも細く見えなかった。中身はともかく今まで太かったのも事実なのだろう。脚元に不安のある馬だけに、それが完全に解消されたとなれば、時計勝負にも対応出来るようになるかも。
戦前指摘した通り、全く問題なく折り合えた。道中は中段で3角から進出して先団に取り付き、4角で一息入れる余裕も見せて完勝。ハンデ戦でソコソコ背負っていながらこの強さだから、このメンバーでは力が違ったとしか言い様がない。
ジョッキーが勝つ馬を予め知って競馬をするのと、そうでないのとでは結果も違ってくるだろう。今日は武豊騎手がトウカイパルサーには通用しないことを知っていて、最初から勝負を諦めていた。従ってトウカイ徹底マークに切り替えていたのが好判断。それでもここまでな辺り、準オープンではちょっと苦しいのかも。
ポイントは一つ。4角でタヤスバラードの進出についていけなかったこと。その結果、直線入り口で10番手。ジョッキーは置かれたことを残念がっていたが、長くいい脚が使えないだけに、むしろよかったと思うのだが。
例によって道中後方。この馬もいい脚が長くないだけに京都は向く。いい馬場、道中脚を使わずに済む距離、そして軽ハンデも手伝って今日はいつも以上の頑張り。
少しでも増えたのは好感も本調子には程遠い。雪崩込んだだけ。
速いペースをまともに追っかけただけに、むしろよく頑張っている部類。
一応、4角で見せ場は作ったがハンデ戦でここまでな辺り、前崩れにならないと出番はないかも。
この馬の底力は別としても、現状レースで見せている能力は900万でギリギリ通用のレベル。
今日は判断が難しい。というのは、トミケンライデン、タイキトレジャーに控えてもらって単騎での競馬。その上、後続がオースミジェットがスマートボーイを潰してくれると考えていて、オースミジェットマークで動いていた訳で、そう考えれば恵まれた面は否定出来ない。しかし、考え方を変えると、2番手がオースミジェットというのは相当のプレッシャーだったと考えることも可能だ。絞れた上積みとマーチステークスのレース振りから今日の圧勝劇は予見可能で、今日のところは時計に対応できたことだけを収穫にしておきたい。
ここ数走は4角の手応え程伸びて来なかったが、今日は一応手応え分は伸びた。断言は出来ないが、そうデキに変わりがなかっただけに、ここ数走は直線の坂が良くなかったよう。京都実績だけで走ったような論調を見かけるが、小回りでも雨が降って時計の速いダートという条件になれば、そちらの方が狙いやすい。
まだ太い。やはり前走同様に4角で口を割ってしまった。直線向いて、2着はあるような感じでホーマンスピリットに1馬身差まで迫ったが、そこからがジリ。伸び切れないのはともかく、4角で置かれるのはダートでは致命傷といってよく、直線一気の利く東京でないと厳しいのかも。
ゲートで後手を踏む。あまり器用ではないだけにジックリ乗られたが、今日の上がりではどうやっても届かない。
スマートボーイにとっては時計勝負の馬場でもこの馬にとってはもっと時計の速い馬場の方が理想。トップハンデということで早目2番手の競馬。直線失速も仕方のないところ。
流石にオープンと今日の馬場状態ということになるとマクり切れない。能力云々より中央オープンの全体に緩みのないペースというのはこの馬にとって歓迎ではないのだろう。公営の交流競走に活路を見出してみては?
前走は全く走れない体つきだったが、かなり締まってきてよく見えた。攻め馬で幾ら走ろうが、血統、脚質からダートは論外で、芝ならソコソコはやれて不思議ない。
ハナさえ切れれば単純に強いのか、今日はうまく逃げたのか議論の余地はあろうが、開幕週で前が止まらない馬場のアシストとミスズシャルダンがだらしなったということだけは確実に言える。
今日はイマイチ華奢に見せる。上でだらしないとは述べたが、3角から4角にかけてポートブライアンズに馬体を併せるまでに相当の脚を使わされている。脚がそう長く使えるタイプではないだけに同情の余地はある。それより、時計勝負に対応出来た点は収穫。
数字上は絞れてきたが、見た目は緩い。幸騎手はラチを頼るクセを知っているらしく、出来るだけインを通ろうとしていた。しかし置かれた分を差し引いてもインに固執しすぎて脚があるにも関わらず、4角で前が完全に壁。なんとか外へ出したが、現実に届いたかどうかは別にして、もうちょっと着差は詰まっていたのは確かだろう。
まだ馬体が戻り切っていない。直線半ばで脚色が前と一緒になってしまったが、現状オープンだと力量的にこんなモノという気がする。
追走に手一杯。白富士ステークスは余程ペリエがうまく乗ったようで、基本的にはスピード競馬は向かないよう。
いつも通り伸びているが、こういう馬場だと前が止まってくれないので仕方がない。マクろうにも、1200M〜1400Mのラップが11.7秒、1400M〜1600Mのラップが11.2秒では自力進出すらできない。
ビッグバイキング同様、追走に骨を折っていて時計勝負の馬場は向かない。