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競馬回顧 2022年5回中京

第68回産経賞オールカマー(GⅡ)

ジェラルディーナ

+6kg。下見は後方を周回。現役オープン馬の中では下見で一番煩い馬だが、今日は1人で労せず曳けるレベル。見栄えのするタイプではないだけに、馬体増も好印象。好発。内のロバートソンキーだけ叩いて、行きたい馬に行かせて3列目のイン。全体で5〜6番手辺りから。下見でイレ込んでいた時も折り合い面は問題なく、今日もスムーズ。むしろズブさを時折見せる位だが、今日はインから抜けて来る脚もしっかりしていた。今日はイン有利な馬場状態で、その分の割引は必要だが、競馬が上手くなったことと、イレ込まなくなったことは収穫。胸を張ってGⅠへ向かうことになるが、当日輸送でイレ込まないことを条件に狙ってみる手も。

ロバートソンキー

前肢にバンテージ。少し細身だが、垢抜けた馬体。首でリズムを取って気配も良かった。歩様もスムーズ。元々、出脚の速い方ではないが、一完歩目に躓き、ジェラルディーナに叩かれて後方のイン。只管インでジッとして、追い出したのは坂下から。4角で馬群がバラけて、思いの外、前に馬が少なかったことも有るが、2着浮上する決め手となった追って一瞬の脚は見事だった。この脚が右手前のままだっただけに、今後アテにし辛い面は有るのだが、再度内枠を引いた時に狙ってみたい。

ウインキートス

下見は後方を周回。元々悪く見せる方が少ないタイプだが、前走東京戦でキッカケを掴んで、今日も馬体はそのまま。その前走と比較すれば落ち着いていたが。一完歩目は怪しかったが、そこからの出脚が速く、一旦はハナ。直ぐに外からバビット、キングオブドラゴンが来て3番手へ。前走の様な逃げる競馬ではなかったものの、この位置で我慢して走れていた様に見えたが、4角位から手応えが怪しくなり、頭が上がり気味。直線に向いてからも何時も程の粘りがなかった。デキに関しては問題なかった筈だが、今日は案外感の残る内容。これもジェラルディーナ同様、阪神戦を目標にする様だが、些か微妙。

バビット

前後肢にバンテージ。+14kg。エビで1年半以上の休養明けとなるが、数字分だけ腹回りが立派。あとは何時もと一緒。しっかり踏めていた上に、気配も悪くない。半馬身程、出負けしたが、大外枠だけには叩かれず、何時も通り自分の競馬。誰も鈴を付けに行かなかったことも有り、大外から仕掛けて行った割には1000m通過61.1秒とスロー。4角から突き放しに行くという感じではなかったが、イン有利な馬場状態も生かしてそれなりに踏ん張っていた。故障明けとしては充分過ぎる内容。次走、即一発が期待出来るかといえば別問題だが、脚元さえ無事なら引退迄にもう一つ、二つはタイトルを加算出来るかも。

テーオーロイヤル

前肢にバンテージ。ディスタンス戦を走る馬らしく、スッキリした造り。一息入れて、休養前の阪神戦で気になった歩様もマシになった。外からバビットとキングオブドラゴンに叩かれる展開にはなったが、上手く立て直して中段やや前から。外を回さられたが、道中の折り合いは全く問題なかった。直線に向いてからは一瞬だけ反応したが、登坂力がなく、掲示板止まり。鞍上の話では感触が一息だったとのことだが、内からしか頑張れない馬場状態だった影響も有るだろう。外を回った組では最先着という部分は高く評価したいところ。次走未定とのことだが、東京2500m戦に出て来るなら本命級。

デアリングタクト

前肢にバンテージ。+4kg。少し小走りが入る場面も有ったが、この馬としては許容範囲。休養前の阪神戦に上昇ムードが有ったが、今日は更に良くなっていた。この馬自身もゲートが微妙に悪かったが、外から次々来られて後方から。序盤はちょっと気負っていた様にも見えたが、許容範囲。向正面の頂点で折り合いが付き、その一方で時折見せるズブい面も今日はマシだった様に見えたが、いざ追ってからがモタついたのが痛かった。一応、坂を上り切ってからは伸びている。せめて掲示板は確保してほしかったところだが、あまり器用なタイプではないだけに、トリッキーな中山2200mならこんなモノかも。前走阪神戦で指摘した首が使える様になっていた点はそのまま。阪神戦目標だろうが、今日の敗戦で人気を落とす様なら、次走こそ狙ってみる手も。

ソーヴァリアント

骨折明けになるが、増減なし。ただ、見た目にキッチリ出来ていたかと言われれば少し怪しい。活気は有ったが、馬体の緩さも目に付いた。好発。出脚にも余裕有ったが、行く気なくジェラルディーナやテイオーロイヤルの間。全体で中段やや前から。競馬の上手いタイプで序盤はスムーズに走れていた様に見えたが、1000m辺りから追走が怪しくなり、最後は追うのを止めており、入線後に下馬。レース後の検査で心房細動を発症していたとのこと。一旦、放牧に出すとのことだが、昔と違って、心房細動が後に尾を引くケースは少なくなっており、立て直して改めて。

第70回神戸新聞杯(GⅡ)

ジャスティンパレス

前肢にバンテージ。+4kg。数字は大して変わっていないが、春とは別馬。明らかに馬が分厚くなった。歩様も一歩一歩にブレがなく、しっかりしていた。ゲートは五分程度。スタート直後は各馬が腹の探り合いをしていたが、出脚に余裕が有り、内にだけ寄せて好位で折り合いを付ける形。いい形で収まることが出来た。4角で2列目に浮上して、直線入口で先頭に並び掛けると、あとは独走だった。大分ドッシリして来たとはいえ、元来が素軽い造りで、競馬に注文も付かず、距離もこなせそう。今春の上位馬が軒並み居なくなっただけに、次走阪神戦も有力馬の1頭に。

ヤマニンゼスト

-12kg。大分腹回りがスキッとして来た。馬に活気が有るということもいえるのだが、完歩の小さい歩様。下見の雰囲気だけをいえば、距離面に疑問符が付いた。出脚が速いということはなさそうだが、縦の位置取りよりも横を重視して、最初から内ラチへ寄せる策。結果的に中段やや後方辺りから。只管インでジッとして、今日は完全なギャンブル騎乗。直線に向いてエンジンが掛かった際に、コントゥラットに寄られて挟まれそうになっていたが、何とか切り抜けてラスト200mの脚で2着浮上。今日は鞍上の好騎乗に尽きる。ただ、前走札幌戦も大外ブン回しながら最後にいい脚を使っており、1000万にはメドを立てていた。次走阪神戦も、今年のメンバーなら一概には。

ボルドグフーシュ

+6kg。数字は大して変わらないが、春と比較して大分ドッシリ見せる様になって来た。手先のスナップも利いている。出脚が速い方ではないとはいえ、行こうと思えばもう少し前に行ける筈だが、今日は徹底して脚を矯める競馬。向正面半ば迄ハレヴァンジルにフタをされていたが、壁がなくなって徐々に外へ持ち出し、3〜4角中間から進出。それでも直線に向いた段階ではかなり後ろの方だったが、大外から1頭だけ違う脚で権利は確保。ヤマニンゼストとは内外の差が有り、実質は2着といえる内容。ただ、トビの大きいタイプで、不器用なのは間違いない。3000mもこなせるだろうが、勝ち負けになるかどうかはまた別問題。

ジュンブロッサム

+6kg。元々良く見せる馬で、ほぼ出来ていたが、数字分だけ微妙な緩さを感じなくもない。歩様は悪くない。ゲートは五分。先行するつもりはなかった筈だが、序盤は掛かり気味に好位へ。向正面で折り合い、4角の手応えも悪くなく、外に振られながらもラスト200mで2番手に上がったが、そこからが踏ん張り切れなかった。血統から2000mが限界という話も有るが、これもトビが大きいので、あまり距離が短いと回転不足に泣きそう。今後の使い方が難しいタイプ。

ヴェローナシチー

前肢にバンテージ。元々が胴長でスカッとした造りだが、一息入ってもそのまま。皮膚を薄く見せて、現状のデキ自体もいい。歩様も力強い。出脚も怪しかったが、両サイドに挟まれたことも有り、後方の内目から。前有利な展開では有ったが、それ以上に今日は道中でずっと前外に馬が居て、中々動ける場面がなかった。直線に向いてからは前が開いていたが、今日は仕掛け遅れ。次走は穴人気しそうだが、次走阪神戦は狙い目に。

第76回朝日杯セントライト記念(GⅡ)

ガイアフォース

+8kg。芦毛で分かり辛いが、キッチリ出来ていた様に見えた。歩様もしっかりしていたが、キタサンブラック産駒としては完歩が小さい。この馬より内に居た人気馬が総じて先行したことも有り、一歩引いてそれらを眺める形で好位直後から。道中の行き振りは良かった。3〜4角でアスクビクターモアを目標に動いた際、アスクビクターモアの方が手応えに余裕が有った様にも見えたのだが、直線に向いてアスクビクターモアに渋太く抵抗されながらも、最後の最後にネジ伏せた。ただ、坂を上り切る直前で外へヨレる場面も有り、まだまだ若い。血統から人気になるだろうが、3000m保つかどうか微妙なところ。

アスクビクターモア

前肢にバンテージ。下見はどちらかといえば動きの多いタイプ。スッキリ見せて、手先も柔らかい。ほぼ出来ていた。好発。どんな競馬でも出来る馬だが、行きたい馬に行かせて好位から。折り合いには何等心配のない馬で、例に依って立ち回りはスムーズ。回り脚も速く、4角で競り掛けて来たガイアフォースに対しても余裕を持って突き放したが、坂を上り切って甘くなり、2着止まり。目標にさらた分も有るとはいえ、中山でドウデュースに勝って全国区になった馬だが、意外と坂が上れなかった。ただ、道中で余計なことをしないのと、先行力が有るので他馬が苦しむ分、3000mは歓迎材料。次走阪神戦は東京戦の1,2着馬が居ない状況だけに人気を集めそうだが、勝ち切るには展開の助けが欲しいところ。

ローシャムパーク

前肢にバンテージ。+6kg。元々のスケールは有る馬だとしても、成長分というより少し緩い。少しテンションが高いのもマイナス。出脚は速い方ではなさそうで、外から次々に来られて中段から。引っ掛かるイメージの有る馬だが、今日は鞍上のアシストが絶妙。内外に馬が居ない状態で、かつ前に馬を置く形で我慢させた。勝負どころからアスクビクターモアやガイアフォースを目標に動いたが、直線は回転数が足りず雪崩込んだだけだった。ただ、フットワーク自体はダイナミックで、上手く行けば大化けしそうな雰囲気は有る。仮に本格化しても中山向きではないだろうが。

セイウンハーデス

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+2kg。少し緩い部分も有るが、春より明らかに馬が良くなった。数字以上に成長を感じさせる。好発。出脚も速く、一旦は先手を奪ったが、ショウナンマグマに行かせて2番手から。兼ね合いが付く迄はともかく、2角手前では折り合いも付いていた。ただ、4角でアスクビクターモアに外から来られた際に、ほぼ無抵抗でマクられていたのが頂けない。鞍上の話では回り脚というより、気性的な問題とのことだが、直線はバタッと止まっていないだけに尚のこと勿体無い印象。今後は馬具を工夫するとのことだが、現状は東京の方がいい。

ラーグルフ

2歳時はイレ込んでいた馬だけに、馬体そのものはドッシリと見せて好印象。ただ、中山2200m向きかどうかは別問題。歩様にも力感がない。ゲートをヨレながら出て出脚が鈍り、中段やや後方のイン。初距離だが、折り合いは付いていた。ただ、これも回り脚が鈍く、直線入口でローシャムパークの1馬身後方に居ながら離される一方だった。次走は東京の自己条件へ向かうとのことだが、決して楽ではない。

第40回関西テレビ放送賞ローズステークス(GⅡ)

アートハウス

前後肢にバンテージ。ひと夏越したが、期待した程、良くなった印象はない。馬体はこれでもいいが、歩様の甘さが直っていない。好発。出脚にも余裕が有って、引っ張り気味に好位。道中は内外に馬が居て、特に外のベリーヴィーナスから受けるプレッシャーがキツかったが、我慢して走ってくれていた。4角手前でそのベリーヴィーナスに脚がなくなり、あとは追い出すタイミングだけ。スパッと切れる印象ではなかったが、坂を上り切った辺りで前を行くラリュエルを競り落として、サリエラの猛追も凌いで重賞初制覇。今春の経緯から鞍上にとっては是が非でも負けられない一戦だったが、取り敢えず勝てたのは何より。能力面は楽過ぎて良く分からない部分も多いのだが、馬体に意外と成長がなかった点と、追い出した時の鈍さから忙しい展開になった時がどうか。京都よりはまだ阪神の方がいいだろうが...。

サリエラ

シープスキンノーズバンド。-2kg。出来れば増えて出て来て欲しかったが...。トモのボリューム感は流石といったところだが、腹回りは薄い。下見から決め手一本の馬。ゲートは出ているが、出脚が甘く後方から。道中は引っ掛からず、かといってオッツケることもなく、流れに乗れていた。その一方で、3〜4角の反応は鈍く、後方の内目と楽な位置ではなかったが、坂下辺りで自然と前が開いて、ラスト100mの脚で2着浮上。追い出して直ぐもモタついていたが、最後の最後は1頭だけ脚が違っていた。能力は示したが、これもアートハウスとは違った意味で、忙しい競馬になった時がどうか。2018年に同じくこのレース2着だった姉サラキアと同レベルの素質は有りそうだが、小回りで走れる様になるには鍛錬が必要。

エグランタイン

シープスキンノーズバンド。腹回りがボテッとして、格好のいい馬ではないが、歩様はキビキビ。最初は直ぐ内のアートハウスをマークしたい様な雰囲気も有ったが、出脚がなくて最初からオッツケ気味。道中もところどころで押しており、むしろ後方に近い位置に置かれていた。これもサリエラ同様、手応えがないので内を回らざるを得ず、結果的にそれが正解。追い出して直ぐの脚はサリエラより速かった様に見えたが、最後はエンジンが掛かったサリエラに交わされ3着止まり。ただ、最後は止まったというより、サリエラの脚が凄かった。鞍上が上手く誤魔化していただけで、追い出して頭が上がりそうになっており、まだ完成度が低い印象。次走阪神戦は論外。

ラリュエル

背丈が低いことも有るが、426kgの馬としてはドッシリ見せる。歩様も中々力強い。気配も良かった。出脚が速いという訳ではなさそうだが、押して先行。同厩舎のパーソナルハイがハナで、兼ね合いを付けるべきところだが、抑え切れず道中はパーソナルハイにプレッシャーを掛けてしまっていた。結果的に4角でパーソナルハイに手応えがなくなり、坂下で先頭。この馬自身も力んでいたことも有り、坂を上り切った辺りで苦しくなった。バタッと止まっていないだけ馬は頑張っているともいえるが、所属馬を2頭共倒れにした鞍上も含めて、大いに課題が残った一戦。取り敢えず距離は短い方がいい。

メモリーレゾン

前後肢にバンテージ。このメンバーに入ると、馬のスケールで見劣るが、皮膚を薄く見せてデキは良かった。馬に活気が有るのもいい。直ぐ外のアートハウスとは出脚で差が有ったが、何とか抵抗しつつ中段の内目。向正面で馬群が前後2つに分かれたが、後方グループの先頭。3角手前辺りから徐々に差を詰め、あとはアートハウスに付いて行く形。ただ、道中から楽な追走ではなかったが、直線もアートハウスに離される一方。かなり能力差が有りそうな内容。次走未定だが、自己条件でも苦しいかも。

サマーマイルシリーズ第4戦 第67回京成杯オータムハンデキャップ(GⅢ)

ファルコニア

マイラー寄りの体型だが、前走小倉戦と比較して、今日の方がスッキリと映る。踏み込みが深いのも印象的。外枠勢ではクリノプレミアムの方が出脚は速かったが、押して好位。もっと掛かる位の行き振りの馬だった筈だが、今日はスローだったにも関わらず、オッツケ気味だった。直線に向いてからも追ってスパッと切れる印象ではなかったが、ジリジリ伸びて最後はネジ伏せる様な勝ち方だった。スパッと切れないから詰めが甘いということもいえるのだが、今日は底力を感じさせる内容。競馬も上手くなって来た。尤も、あくまでサマーマイルシリーズレベルで、GⅠでどうかというのはまた別の話。

ミッキーブリランテ

-8kg。少しでも絞れたのはいい傾向だが、今日でもまだボテッと映る位。歩様に力感が有って、最近の中では一番いい状態。半馬身程出遅れ。ただ、人気がなかったことも有り、今日はギャンブルに出た。直ぐに自分より外のクリノプレミアムやレインボーフラッグに叩かれていたが、外を一気に動いて2角でハナ。600m時点で35.5秒、1000m通過でも59.2秒と開幕週の馬場を考えればスローの流れに落とせた。4角で突き放す脚が有り、直線も渋太く抵抗。惜しい2着。馬も良く頑張ったが、鞍上の好判断が光った。

クリノプレミアム

牡馬相手だとそこ迄目立たないが、スカッと見せつつ、トモに迫力が有った。歩様も力強さが有って、一息入ってもデキは落ちていない。好発。出脚もソコソコ速い馬だが、内から主張して来たファルコニアには譲って好位直後。そのファルコニアを目標に乗られたが、4角での1馬身差が最後迄詰まらなかった。比較的、距離の守備範囲という点では広い馬だが、マイルだと少し決め手が甘い印象も。ベストは1800m。牝馬限定戦なら上位の馬。ただ、次走は東京になりそう。小回りの方が安定感は有る。

ミスニューヨーク

冬場に見掛けることが多い馬だが、この時期の方が流石に毛ヅヤはいい。歩様の硬さも含めて、あとは何時もと一緒。この馬としては好発。出脚に限界は有るが、そのまま積極的に乗られて中段から。開幕週のスローだけに、コースロスなく乗るのは当然といえば当然だが、前 (ファルコニア) と外 (クリノプレミアム) の馬にも脚が残っており、出て来られないまま終わってしまった。鞍上は責めを負うべきとはいえ、差し一手だけに、この手の失敗は仕方がないところ。これも昨秋辺りから堅実に走る様になっている。

ベレヌス

前走小倉戦と比較すると、今日の方が気合が乗っていた。元々胴長でスラっとしたタイプだが、今日の方がドッシリと見せる。最内枠、更にシュリが除外になったことも有り、戦前の想定通りハナ。ただ、向正面頂点辺りでミッキーブリランテに一気に来られて直ぐに2番手で我慢させる形。これはこれでスムーズに走れていたが、4角でミッキーブリランテに並び掛ける位置迄持って行けずじ、結果的に直線に向いてファルコニアとミッキーブリランテがずっと壁になっていた。サマーマイルシリーズのことを考えれば大事に乗りたい気持ちも分からないでもないが、結果的には何処かで積極的に乗るべきだった。ただ、馬はこの形でも走れることが分かったのは収穫。

サマースプリントシリーズ第6戦 第36回産経賞セントウルステークス(GⅡ)

メイケイエール

パシュファイヤー。前後肢にバンテージ。+12kg。数字上はデビュー以来、最高体重だが、今春が細く映っただけに、見た目はこれ位で丁度。休み明けの分、少し緩い程度。落ち着いているのは何時ものこと。例に依って1完歩目が遅いのだが、流石に行き脚は速く、立て直して好位。外からファストフォースが無理矢理先行したが、一気に行ってくれたことで連られることなく、前半3F32.5秒のハイペースも手伝って、我慢は利いていた。むしろ4角は少しオッツケ気味だった位だったが、追い出してからの反応は軽快で、登坂力が他馬とは別次元。あとは突き放す一方だった。ゲートがアテにならないので、全幅の信頼は置けないが、取り敢えず中山戦へ視界良好。また、過去に中京のみでGⅢ、GⅡ、GⅠと全グレードを勝った馬は居らず、来春にはそんな期待も掛かる。

ファストフォース

前後肢にバンテージ。+12kg。前走小倉戦もスッキリ見せて悪くなかったが、この馬体増でも見た目に太いという程ではない。一歩一歩がしっかり踏めていた。近走は先行して失敗していたが、今日も外から押して2番手。その後も1200m丸々追い通しといった感じで、3〜4角中間から逃げたシャンデリアムーンに併せに行って、4角先頭。メイケイエールにも坂を上り切った辺りで並ばれて苦しくなったかに見えたが、何とか粘って2着は確保した。見た目には無理矢理の先行策に見えてアテにし辛いとしても、コースロスを消した利も大きかったのだろうが、この馬にはこの方が合っている。

サンライズオネスト

少し頭が高いの毎度のことだが、それでいて歩様に非力な印象がないのがいい。馬体もドッシリ見せていた。ゲートは半馬身位分が悪かったが、押して中段。少頭数だったとはいえ、ハイペースの割に、このリカバーは結構早かった。後から追い掛けた割には内ラチ沿いを通れたことも大きく、直線も内から。馬場がいいとはいえ、上がり3F33.2秒だから止まってはいないが、坂を上り切った辺りから、他馬とは脚勢が一緒になっていた。スタート直後の追い上げに見どころが有り、ゲートさえ決まればGⅢを勝てる力は有るのだろうが、それ以外は何とも。そのゲートが最近悪くなっている点も気掛かり。

ダディーズビビット

+6kg。良く言えば重量感が有るということになるが、例に依って少し腹回りがボテッと映る。ただ、スプリント戦ならあくまで許容範囲。歩様もスムーズ。ゲートは五分程度。出脚も平均レベルで、そのまま中段から。従って3角の時点ではサンライズオネストと似た様な位置。そこから外を追い上げて、直線入口でメイケイエールの1馬身後方。ただ、そこ迄で脚を使ってしまったか、直線はジリジリだった。今日のハイペースが有ったにせよ、折り合いは意外とスムーズで、外へモタれる癖もマシだったが、今日の展開で外を回すとキツい。逆にいえばサンライズオネストとは能力差はない。

ソングライン

前肢にバンテージ。少し小走りが入っていたが、気にならない程度。馬体はこのメンバーなら上位。少し歩様が硬いのも何時も通り。微妙にゲートが悪く、後方。流石にこのペースだと道中の追走も楽ではなく、枠順の関係で外を回されたことも余計に応えた印象。直線に向いた段階では完全な圏外に見えた程だったが、一応は1分6秒台で走っており、大いに同情の余地が有る5着。放牧に出して一旦は立て直すとのことだが、米国遠征という点に関しては悲観することはない。

第7回紫苑ステークス(GⅢ)

スタニングローズ

+14kg。馬の迫力は有ったが、前を歩いていたサウンドビバーチェと比較すれば、少し緩さが残っていたか。歩様は2歳時と比較すれば、かなり良くなっている。ただ、少し気負い気味。出負け気味に見えたが、大外故に立て直しが利いて、好位の外。このレースにしてはスローとなったが、折り合いも付いていた。向正面後半で並び掛けて来たサンカルバに対し、叩かれない程度に抵抗。4角でサンカルバの余力がないことを確認しつつ、前のサウンドビバーチェを相手に切り替えての追い出し。登坂力ではサウンドビバーチェに負けそうになっていたが、上り切ってからネジ伏せる様にクビ差グイッと出て先着。元々器用なタイプだったが、折り合い面で盤石となったのが何より。主力が次々故障していく中で無事な点も何より。

サウンドビバーチェ

前肢にバンテージ。+14kg。今日のメンバーならスタニングローズと並んで馬振り上位。緩んだところもなく、歩様も力感たっぷり。気配も良かった。戦前に逃げるプランはなかったとのことだが、好発を決めて、誰も行かなかったことも有り、そのままハナへ。人気を背負っていたスタニングローズが好位でガッチリ抑えたことで、外枠からの先行策だった割には1000m通過60.8秒と、楽な流れ。向正面半ばから後ろの方では動きが有ったが、その点もスタニングローズが壁になってくれて楽が出来た。直線に向いてからもスタニングローズを突き放す脚が有ったが、坂を上り切って失速。今日の展開で勝てないなら何回やっても無理だろう。序盤に頭を上げそうになっていた点からも距離が長い。

ライラック

+8kg。434kgの数字の割に良く出来ていた。同じ数字でも新馬の時は緩かったが、今なら成長分。キビキビした歩様、毛ヅヤの良さも目に付いた。ゲートがそこ迄悪かった訳ではないが、外から先行した馬が多く、一旦は引かざるを得ない形となり、中段やや後方から。ただ、向正面でサークルオブライフ等、動いた馬が多く、3角ではほぼ最後方。3〜4角中間から外のシーグラスと一緒に進出。この時点では対サークルオブライフで1馬身後方。開幕週の距離損を考えれば結構キツい形だったが、最後迄ジリジリ伸びてクビ+クビ差迄追い詰めた。中山巧者らしい登坂力が武器の馬ということも有るが、3着ながら好内容。他馬が動いた際に連られることなく、走れていた点も好印象。次走注目。

サークルオブライフ

シープスキンノーズバンド。-22kg。数字程、細い印象はないのだが、逆にいえば中身がないかも。迫力もなかった。良し悪しはレース前に判断し辛い部分だが、普段は煩い馬が落ち着いていた。ゲートでアオッて1馬身出遅れ。出脚もなく後方から。尤も、行き振りが悪いのは今に始まったことではなく、この点は問題なし。スローを嫌って向正面半ばから動かして行き、4角迄の雰囲気はそこ迄悪くなかったが、直線は伸びがもうひとつ。権利は有るにせよ、3着は欲しかった競馬。ただそれ以前にレース後にエビが判明。今春からいいことがひとつもない。ツキに見放された印象。

カヨウネンカ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+16kg。休養前は使い詰めだったが、間隔を開けてマシになった。もう少し歩様が良くなればベスト。半馬身出遅れ。マトモだったら粘れる範囲だった気もしないでもないが、スタート直後から、外の馬が寄せて来る気配が有り、引いて後方。ライラックより内を回って距離を稼いたが、坂下で前が壁。結果的にライラックの外へ持ち出す形となり、際どく差を詰めたが、ここ迄。惜しい5着。未勝利上がりだが、500万は楽勝級。1000万迄は通用する筈。