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競馬回顧 2021年5回阪神

第66回京阪杯(GⅢ)

エイティーンガール

この時期の牝馬にしては毛ヅヤが冴えていた。馬体に張りが有って、歩様もしっかり。最近の中でもいい方。例に依って出遅れ、そのまま最後方から。いい時は行き振りから違うケースが多い馬だが、今日はそこ迄ではなく、3角過ぎからあくまでタイセイビジョンに付いて行くといった程度。それでも坂下辺りでエンジンが掛かると1頭だけ脚が違っていた。ハマるかハマらないかは時の運だが、時計が掛かってくれたことは間違いなく味方した。基本的には1分8秒台の決着になる北海道の方がいいが、それとて展開に左右される面は否めない。アテにはし辛い。

タイセイビジョン

前肢にバンテージ。前を歩くファストフォースを比較すると如何にも細身だが、これは元々。それよりも、今日はテンションが高いのがマイナス。1200mだと出脚で付いて行けず後方から。それでもこのメンバーなら力は一枚上で、3角過ぎから自力で進出。ここの行き振りは1頭目立っていた。結果的に後ろのエイティーンガールに捕まっており、鞍上は大事に乗った方が良かったと悔いていたが、とはいえファストフォースを捕まえるのもギリギリ。今日はこれで仕方がないところ。地力に疑う余地はない。

ファストフォース

遮眼革。前後肢にバンテージ。腹周りがボテッと映るのは何時ものこと。無論、もうひと絞り有った方がいいが、それでも馬は張っていた。歩様も伸びやかで、夏場の状態を維持出来ている。ゲートはやや後手に回ったが、今日は最初からの決め打ちでハナへ。鞍上は重賞に乗るのも年に数回のジョッキーで、悔いのない様に中途半端は嫌う形。結果的に鞍上の気合勝ちで、他馬が控えてくれて600m通過が34.3秒と、そこ迄速いペースにならなかった。直線に向いても突き放す脚が有り、最後は内目の馬場が悪かった分、捕まったが、見せ場タップリの内容。出来れば2着が欲しかったところでは有るが、馬だけでなく鞍上にとってもいい競馬が出来た。

アイラブテーラー

-4kg。腹帯が食い込み気味で、もうひと絞り有ってもいいだろうが、馬体の張りは悪くない。歩様にも力強さが有った。出遅れは毎度のこと。そのまま後方から。基本的にはエイティーンガールの後を追う形。いい脚で伸びているが、坂を上る際に内にモタれ気味で、一瞬他馬と接触しそうになったのが痛かった。阪神でも勝っているが、基本的には平坦コースの方が向いている。かといって小回りでは出遅れ癖がネックで、引退迄にチャンスは数回有ればいいところだろうが、そこを如何にモノに出来るか。

シゲルピンクルビー

前後肢にバンテージ。3歳牝馬でも馬はそこ迄負けていないが、トモが少し甘い。気性的に散漫なのもマイナス。今日はゲート五分。この馬の1200mにしては出脚が有って、好位から。油断すると引っ掛かる馬だが、今日は折り合いも付いた。それだけにもうちょっと頑張ってくれても良かったが...。これが1200m転向4戦目だが、まだ微妙に慣れていない面が有るのかも。位置取りにしても、もう少しこの馬に合うところを探す必要が有りそう。

ジャパン・オータムインターナショナル ロンジン賞 第41回ジャパンカップ(GⅠ)

コントレイル

-8kg。前走が生涯最高のデキだっただけに、一枚落ちる印象。悔いのない様、目一杯仕上げたのだろうが、見た目には少し細く映る。歩様や気配に問題が有った訳ではないのだが。今日は好発。行きたい馬に行かせて中段やや前辺り。結果的に前走の似た様な位置取りだが、今日は相手のことは考えずにジックリと。キセキが向正面で一気に動いたが、特に気にせず、4角であまり包まれない様に軽く外へ持ち出した程度で、追い出しもあくまでマイペース。先に抜け出したオーソリティをラスト150mで競り落とし、あとは独走だった。タイムは2分24秒7、独走といっても後続に2馬身差。時計とは縁のなかった馬だが、気性的に無駄なことをしないのが最大の長所。菊花賞の反動ということで、今年に入ってそこが薄れていたが、最後に立ち直った姿を披露出来たのは何よりだった。

オーソリティ

2人曳き。+2kg。また馬体増。前走もそうだったが、更にボテッと映った。歩様も少し窮屈だったが、恐らくは中2週というよりも太い分だろう。馬はグランアレグリアから変わったが、鞍上としてはコントレイルに対し、出し抜けを食らわすイメージで乗られた。出脚がそこ迄速い訳ではないだろうが、少し押して好位から。1角でハナに居たアリストテレスが外へ逸走しそうになり、一瞬ゴチャついたが、あとはスムーズに運べた。ただ、直線向いて後続を待たずに追い出した割に、頭が上がり気味になって、意外な程、モタついていた。コントレイルに並ばれてからは暫く抵抗出来たが、それもラスト150m迄。前走を考えると走っていない。一枚太い分が応えたか...。

シャフリヤール

2人曳き。-6kg。前走中京戦が太かっただけに、絞れたモノ。数字は446kgだが、それ以上に迫力が有る。ただ、今日は歩様が少し硬目。気配面も基本がマイラーだけに、もう少しゆったり構えてくれても良かった。好発。コントレイルを含めた内の馬を叩いて好位。これも1角で有った件の巻き添えを食う形となったが、この馬の2400mとしては我慢して走れていた方だった。4角で早目抜け出しを目論むオーソリティの直後と、展開的にも絶好だったが、追い出してから手前を何度も替えてフラフラになっていた。距離も長いだろうが、今日はそれ以前に単純な体力不足といった気もしないでもない。まずは鍛錬。

サンレイポケット

前後肢にバンテージ。例に依って、このメンバーに入ると馬が少し薄いのだが、下見所の外を周回して活気充分。前走も気配は抜群に良かったが、今日も上々。好発。取り敢えず出すだけ出して、少しずつ内へ潜って行く形。2角手前で内ラチ沿いへ寄せ、シャフリヤールとコントレイルの間、全体で6番手辺りから。4角迄ジッとして、直線だけ外へ。上位3頭とは追い出して一瞬の脚が違い、ここ軽く数馬身チギられたが、最後に盛り返した分の4着。左回りは実に渋太い。ただ、この馬としては4着で4500万貰えれば充分といえば充分だろうが、もう少し早く動けば3着7500万の夢が見られた可能性は有った。

グランドグローリー

ブルームもそうだったが、毛を刈り込んだ跡。欧州の馬だけ有って落ち着いていたが、日本調教馬とは迫力で差が有る。隣のキセキよりはマシだったが、やはり出脚が通用せず、中段のイン。ただ、2角で外の馬に寄られて手綱を引っ張る場面が有り、1列分とはいえ、番手が下がったのは痛かったか。そこからはスムーズだったが、直線向いてサンレイポケットの外。追って少し頭は高くなっていたが、ジリジリ最後迄脚が使えた分の入着。日本でもGⅡなら通用しそうだが、これで引退とのこと。

第8回ラジオNIKKEI杯京都2歳ステークス(GⅢ)

ジャスティンロック

迫力を感じさせる造りではなく、まだこれからの馬。それでも歩様にブレはなく、体幹がしっかりしていそうなタイプ。出遅れたというより、ゲートが開いてから進んで行かず、腹を括って後方からジックリと。3角から外を進出して自らレースを動かし、4角で先団の大外。展開的には一番脚を使わされる形だったが、抵抗した馬が直線で1頭ずつ脱落していく中で、最後迄ジワジワ伸びて一番前のビーアストニッシドを競り落とした。切れるというより馬力とスタミナを生かした形。今後は東京の瞬発力勝負に対応出来るかが鍵に。

ビーアストニッシド

2人曳き。数字は466kgだが、このメンバーに入ると、全体的な迫力で一枚上。ただ、テンションが高い。1200mでも不安になりそうなチャカつき振り。ゲートでポンと出て、ならばとハナへ。この出脚は速かった。調教師の話では道中で物見をしていたとのことだが、確かに道中は少し頭の高い走りで、結果的に1000m通過が62.8秒のスロー。これを楽々単騎で行けたのが大きかった。4角で後続が並び掛けて来たが、最後迄渋太く抵抗。惜しい2着だった。今日の内容だけなら今後も面白い存在。ただ、下見でイレ込んでいただけに、レースで行き振りがどうなるかはゲートが開いてみないと分からない部分も。

フィデル

+12kg。7月小倉の新馬以来で、もう少し馬体を締めてもいいだろうが、ほぼ成長分。歩様にも伸びやかさが有った。押して先行した外のグッドフェイスは行かせつつ、馬の気に任せて好位の外。それでもところどころで力む場面が有り、お世辞にもスムーズだったとはいい難いのだが、ジャスティンロックのマクりに抵抗する形で動かされた割には良く踏ん張っていた。もうひと完歩有ればビーアストニッシドは捕まえていただろう。メンバーレベル的な部分は有るが、根性はピカイチ。500万は楽勝級。

ポッドボレット

前後肢にバンテージ。まだ馬体はアンバランスな部分も残しているが、トモにボリューム感が有って、素質は有りそう。毛ヅヤも冴えて、現状のデキ自体もいい。歩様も問題はない。ゲートは出たが、折り合いを重視して中段から。道中はスムーズに走れていたが、枠なりのインに居た関係で4角でのマクり合戦に付き合う形にならず、全部行かせてから外へ持ち出す形。序盤のペースが遅過ぎて、流石にこの形では一手遅い。最後はいい脚だったが、前とは競馬が違っただけに何とも言えない部分も。ただ、トビ自体は中々ダイナミック。もう少し回転数が来れば大化けしてもおかしくない。

シホノスペランツァ

馬体は少し地味。まだ力が付き切っておらず、トモの送りも甘そうに見えた。少し煩いのもマイナス。一完歩目が遅かったが、押して好位のイン。ポッドボレットの一段前から。スローでも折り合いは付いていた、というよりうしろオッツケる場面も有った。直線に向いても一瞬ビーアストニッシドが最内を開けてくれたのだが、そこを突っ込む瞬発力がなく、モタついている間に競馬が終わってしまった。ポッドボレット以上に回転数が足らない。500万でも厳しい。

ジャパン・オータムインターナショナル 第38回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

グランアレグリア

2人曳き。前走東京戦より落ち着いていたのはいい傾向。ただ、馬体は変化ない。無論、このメンバーなら迫力上位だが。半馬身程出遅れ。前走が2000mだったことも有り、行き振りも良くはなく、後方に近い位置。今日は折り合いが付いた。鞍上も変に内へ入れなかったことも有るが、4角で外でフタをしていリプレーザ馬が居なくなり、ちょっと早目の追い出し。この馬の場合は折り合いが付くかどうかで、今日は条件が整ってちゃんと脚が使えた。戦前は脚元が微妙という話も有ったが、以前にも述べた様に昔なら故障していた筈の馬。厩舎技量で大団円に導いた。

シュネルマイスター

前走東京戦と大きくは変わらず。少し厚ぼったい。それでも変わらず動きに柔軟性が有るのはこの馬最大の長所。これもゲートが微妙に悪かったが、内枠の利が有った分、中段は確保。セコい競馬は出来たが、前の馬を捌くのに苦労して、実質はラスト200mの競馬。前が開いた段階ではグランアレグリアの勢いが違っていた。逆にいえばそれで3/4馬身差なら良く頑張ったといえるだろう。この馬としてはこれでもゲートがマシになった方だが、やはりもう一段前で闘える様にしたい。

ダノンザキッド

2人曳き。前後肢にバンテージ。毛ヅヤは冴えていたが、馬体もこれでいいが、気性面が鍵となる馬だけに、もう少し落ち着いて欲しいところ。ゲートは五分。折り合いを考えると、無理に急かす訳にも行かず、ジワッと中段から。多少力むのは仕方がないところで、今年の中では一番マシだった。直線はサウンドキアラとグレナディアガーズの間を割って伸びて来た。グランアレグリアとシュネルマイスターの瞬発力は一枚違ったが、3着は確保。先々に繋がる内容。折り合いさえもっとスムーズになればもう一度GⅠに手が届く筈。

インディチャンプ

休み明けだが、休養前の前走東京戦と大きくは変わらず。この馬の場合はもう少し活気が有った方がいい。ゲート五分。この馬の出脚で中段やや前辺り。折り合いは全く問題ない馬で、今日もスムーズに立ち回れた。直線向いた段階で前も開き、完璧に運んだが、瞬発力で見劣った。特に登坂力がもうひとつ。阪神でも勝っている馬だが、坂がないか、有っても東京が限界か。次走、香港遠征とのことだが、この点で条件は向く。

ホウオウアマゾン

前肢にバンテージ。腹帯がかなり食い込んでおり、もうひと絞り有った方がいい。首を上下に振ってイラついていたのも気になった。ゲートを決め、最内枠ということで迷わずハナへ。2番手がクリノガウディーということで、1000m通過59.3秒のスローを楽々単騎で行かせて貰えた。結果的にスロー過ぎて決め手の差が出た格好だが、直線で一旦はサリオスに交わされながら差し返した辺りに地力の一端は示している。

第26回東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)

イクイノックス

+8kg。新馬の新潟戦が少し細く映っただけに、馬体が増えるのはいい傾向。脚長で見栄えがするが、歩様が硬いのがマイナス。アオり気味に出たことも有るが、出てからも進んで行かず後方から。コーナーは只管ジッとして直線だけ外へ。エンジンが掛かってからの脚は1頭だけ違っており、あまりに早く抜け出してしまい、そこからは手前が替わって遊んでいた程だった。末脚の持続力も有りそうだが、歩様だけでなく走りが硬いのは気になるところ。折り合いは付くが、距離が保つのかどうか、故障しないのかどうか、少し怪しさが有る。

アサヒ

シープスキンブローバンド。物見もしながら、ノンビリと歩けていた点に好感。馬体に強調点はないが、歩様もしっかりしていた。前走同様、出たなりの中段で我慢させる形。行き振りが怪しいところで押して引っ張る場面も有り、鞍上との折り合いが微妙に悪かったが、直線で少し外へ持ち出されると、イクイノックスと一緒に伸びて来た。最高スピードには差が有り、並走出来たのは実質200m程度だが、最後迄渋太く脚を伸ばして2着は悠々確保した。イクイノックスの能力を測りかねる部分も有り、何とも言えないところだが、GⅢなら何とかなるかなというところ。

テンダネス

どちらかといえばコロンとしたマイラー体型。キビキビ歩いて、活気も有った。デキ、気配ともまずまず。出脚は速く、一瞬はハナへ立ったが、外からナバロンとデリカテスが行って、その3番手から。この2頭が後続を離す展開は悪くなかったが、更にアルナシームが押し上げて来て、馬が気を遣っていた様にも見えた。直線もインから一瞬は伸びて先頭に立ったが、最後は失速。もう少しスムーズな流れだったらまた違ったのかも知れないが、現状は少し距離が長いかも。1800mでギリギリといったレベル。

ダンテスヴュー

寸の詰まった体型。腹回りは少しボテッと映るが、緩いという印象はなく、叩いて確実に良くなっていた。歩様も滑らか。ゲートは五分か少し分が悪い程度だった、外枠ということも有り、折り合いに専念。序盤はそれでも頭を上げる場面は有った。コーナーで内を回り、直線入口でアサヒが眼前。このアサヒが外へ行ってくれことで内の進路が開いたが、追ってからはジリジリだった。もう少し決め手が欲しいところ。現状だと500万でも勝ち切る迄ないかも。

レッドベルアーム

2人曳き。後肢にバンテージ。+6kg。少し皮膚を厚ぼったく見せた。歩様にも力がなく、まだこれからの馬。スタート直後に狭くなって出脚が鈍ったが、頑張って中段から。その割には道中の折り合いは付いていた様にも見えたが。コーナーで外へ逃げ加減。直線もイマイチ伸び切れなかった。前走は阪神だったが、左回りが初めてで馬が戸惑った様子。まずは慣れるのが先決。

ジャパン・オータムインターナショナル 第46回エリザベス女王杯(GⅠ)

アカイイト

腹袋のしっかりしたタイプだが、今日はそこ迄太い様には見せない。それでいて、歩様に窮屈さがないのがいい。ゲートをポコンと出たことも有るが、行く気もなく後方からジックリと。1000m通過59.0秒だから決して遅いペースではなかった割に、道中で行きたがっていたレイパパレが待ち切れずに早仕掛けしたことも勝因のひとつだが、3〜4角の行き振りが抜群で、直線入口でほぼ先頭。レイパパレを登坂力で競り落とし、内容的には横綱相撲だった。人気は全くなかったが、単純に強い。気性面は別にして、スイープトウショウの再来といえるかも。

ステラリア

春より幾らかでも増えている様に、馬体自体は迫力を増しているが、その割に歩様が甘い。スタート直後に少し押したところ、行きたがってしまい、ならばと控えて中段から。折り合いが付いたのは隊列が固まった1角辺り。そこから4角迄はスムーズだったが、4角てアカイイトのマクりに抵抗し切れず、挟まりそうになって一旦立て直す場面。その割には最後迄渋太く伸びていた。前走は案外だったが、上積みは大きかった様。もう少し歩様に力強さが来ればタイトルに手が届いても。

クラヴェル

シープスキンノーズバンド。重心の低い馬で、456kgの割にドッシリと見せるタイプ。歩様も力強い。ゲートも微妙に悪かったが、最近のパターン通り、折り合いに専念して、後方待機策。この鞍上らしく、外へ回すことはせず、徹底したイン狙い。4角で一瞬だけ他馬と接触して引っ張る場面も有ったが、直線は上手く捌いて来た。ただ、上手く捌いたからこそ2着が欲しかったところ。坂を上って微妙に甘くなった様にも見えた。鞍上が毎回一瞬の脚を上手く生かしているが、何か一つ間違うと何処にも居ない危険も。そろそろ人気になりそうで次走は嫌ってみてもいいかも。

ソフトフルート

数字にの割は細身に見せる。トモの蹴りが弱く、引き摺る様な歩き方。毛ヅヤだけは良かったが、それ以外に強調点はない。ゲートは五分に出ているが、外から叩かれたことも有り、直ぐに控えて後方から。道中はほぼクラヴェルと並走で、折り合いは全く問題がなかった。1頭分だけ外を回って来た様な形だが、直線に向いて伸びてはいながらも、坂を上り切ってクラヴェルと一緒に脚が上がった分の4着。相手関係というよりは、登坂力不足。

イズジョーノキセキ

小走りが入る場面も有ったが、皮膚を薄く見せてデキ自体が良さそう。馬自体はそこ迄春と変化はないが、デキが上向いた。この馬の出脚で中段の内目。これも折り合いは付いていたが、4角でロザムールと接触して鞍上が立ち上がりそうになる場面。結果的に直線はステラリアと同じ位置からの併せ馬となり、僅かに見劣ったが、3着クラヴェルとは同タイムの接戦。スムーズだったら馬券圏内迄有っただろう。一瞬の脚は上が居るが、重心の低い走りで、堅実に脚を使ってくれるタイプ。オープンでも足りる。

ウインマリリン

パシュファイヤー。-4kg。この中間は一頓挫有ったとのことだが、歩様よりも数字以上にガレて見えたのが気になった。単純にデキ落ち。出脚は速く、スッと好位。道折り合いが付くのも何時ものこと。ソコソコ流れた割に仕掛けのタイミングが早い展開とはなったが、4角で既に脚がなかった、最近のこの馬としては考えられない止まり方。デキの問題以外にない。

第56回デイリー杯2歳ステークス(GⅡ)

セリフォス

2人曳き。前後肢にバンテージ。単純に馬振りは抜けている。緩んだところもなく、デキ自体も良さそう。前走新潟戦同様、ゲートが微妙に悪かったことも有るが、行く気もなく後方から序盤はジックリと。3角過ぎから外を進出、小細工なしで強気の競馬。直線はずっと右手前のままで突き放すには至らなかったが、坂を上り切って左手前に替えて最後は力でネジ伏せた。ただ、4角はフクれ気味、直線も手前を替えるのが遅いと相変わらず不器用。今日は頭数が少なくなった点も味方しただろう。この時期は兎に角勝つのが大事だが、頭数が増えた時が厄介。

ソネットフレーズ

舌がハミを越して遊んでいた。良くいえば落ち着いているともいえるが、馬はもう少し迫力が欲しいところ。歩様も硬目。今日は一応ゲート五分。鞍上にハナへ行く気はなく、好位のインで控える形。前走新潟戦は壁がない割に2番手で我慢出来ていたが、今日は少し行きたがっていたか。内目の馬場状態がかなり怪しくなっているとはいえ、今日のスローなら形の上では絶好で、直線は何度か手前を替えてフラフラになりながらもいい脚を使っていた。最後にネジ伏せられたのは馬力の差だろう。脚の使いどころが少し難しいタイプだろうが、一瞬の脚は有る。

カワキタレブリー

2人曳き。仕草はまだ子供だが、430kgの数字の割には纏まっている。歩様も硬いということはない。ゲートは五分も、出脚が通用せず後方5番手。走りがまだ固まっておらず、道中の手応えも決していい様には見えなかったが、だからこそイチかバチかで最内を突いたのが正解。追ってからも頭が上がっていたが、渋太く伸びていた。恐らく現状はリズム良く走らせないとダメで、500万で人気を背負って確実に勝てるかといえばそうでもないだろうが、力は足りる。今後も穴党を喜ばせてくれる存在となりそう。

プルパレイ

2人曳き。前後肢にバンテージ。重厚感は有るが、少し立派過ぎる。もう少しシャキッと歩いて欲しいところ。出脚が抜群に速い訳ではなく、向正面では好位に居たが、馬の気に任せて3角辺りからハナへ。無理して行った訳ではなく、スムーズに運べているのだが、直線は単純に回転不足。1頭だけ鈍さが目についた。鞍上もレース後は反省していた様だが、もっと早目に動いた方が良かった。現状はダートの方がいいかも。

スタニングローズ

-6kg。このメンバーなら迫力は上位。元々がコロンとした体型で、大分無駄肉が取れて来た。歩様もスムーズ。好発。一旦はそのままハナへ行ったが、3角でプルパレイが来て、その番手に控える形。ここで多少行きたがっていた様にも見えたが、それにしても直線は伸びなかった。ここまでほぼ月1回の出走。見た目は問題なかったとしても、中身がヘバっていたか...。

第26回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GⅢ)

ソリストサンダー

後肢にバンテージ。多少重いだろうが、はち切れんばかりの造り。気配も良さそうで、デキは充実。ゲートは五分以上。直ぐ内のダイワキャグニーに付いて行く手も有ったが、行く気はなく中段から。今日は何故か内に居た馬が悉く詰まる展開だったが、4角でワイドファラオに外から並び掛けられた以外は結果的に馬群の外を回ったのがいい方に出た。直線向いて、自然と前が開き、追い出しを待つ余裕。あまりにも楽に抜け出してしまい、先頭に立って一瞬は馬が気を抜こうとしていた程だったが、内から来たエアスピネルがきただけ伸びた。見た目には完勝。ただ、単に楽だったというだけでなく、マトモに走れてない馬も多い。能力判定不能。

エアスピネル

前後肢にバンテージ。元々がカッコいい馬で、比較上は迫力上位だが、少し年齢も感じるところ。ただ、歩様が滑らかなのがいい。好発。ダイワキャグニーに有る程度、抵抗しつつ好位直後。無論、コースロスは出来る限り少なくするのが競馬の常套で、東京なら内で待っていても直線で何処かが開くという期待は有っただろうが、全部の馬が同時に下がって来る形となり、仕方なしにソリストサンダーのところ迄持ち出し、ワンテンポどころかツーテンポ遅れての追い出し。悲惨な競馬でも良く伸びて来たが、ソリストサンダーの方が圧倒的に余裕が有った。マトモに走ってどうだったかは何とも言えないところだが、東京マイルは堅実。

オメガレインボー

シープスキンノーズバンド。歩様がスムーズかつ一歩一歩が力強い。馬体も纏まっていて、良く出来ていた。これもゲートは分がいい方だったが、一切急かすことなく自然と番手が下がり、後方に近い位置でジッと待機。鞍上は4角で内に進路がないことに気付いた様で、直線は外へ。ここでスムーズに外へ持ち出せたことで、前は充分射程圏だったが、最後は少し甘くなった様にも見えた。前走函館戦もそうだが、いい形で伸びてもそれが最後迄持続しない。もう一段のパワーアップが必要。

ブルベアイリーデ

迫力はないが、この馬としてはキッチリ出来ていた。筋肉の輪郭が浮いて、毛ヅヤも冴えていた。歩様は少し硬いが、ダート馬としては許容範囲。ゲートは出ているが、あまり行き振りが宜しくなく、直ぐに切り替えて内へ入れつつ中段やや後方から。4角も置かれ加減になっており、内からブツけられる場面。その割に直線は狭いところを結構いい脚で伸びて来ていたが、ラスト200mでオメガレインボーに外から並ばれると耳を絞って自分で止めてしまった。勿体ない競馬。気性面を上手くコントロール出来る様になれば、ここでも足りる。

スリーグランド

前後肢にバンテージ。腹回りがかなりボテッと映る。ダートとはいえ、もうひと絞り有った方が。歩様も硬さこそないが、少し窮屈だった。行こうと思えば行ける筈だが、初マイルということで、急かさず中段から。ただ、道中で少し力むのは仕方がないところ。最後こそ甘くなったが、直線も良く頑張っていた。経験さえ積めば折り合いも問題ない筈で、スムーズならこのメンバーでも足りる。

第11回みやこステークス(GⅢ)

メイショウハリオ

前肢にバンテージ。休み明けを激走しての中2週だが、歩様に硬さがないのは何より。腹袋が目立つのは毎度。ダートならこれ位で丁度。半馬身出負けしたが、内枠だったことも有り、少し押して中段は確保。砂を被っても全く気にする素振りはなく、出来る限り枠なりでコースロスなく乗られた。4角もジッとして直線迄向いてから進路を探す形。決して広いスペースではなかったが、ダンビュライトとメイショウムラクモの間を脚の違いでコジ開け、ロードブレスの猛追も一杯一杯凌ぎ切った。前走そのままの競馬。ハマったことは間違いないのだが、これが出来ればウェスタールンドの後継者になれる。余談ながら、「2頭出しは人気薄を狙え」は昭和の競馬の教科書に書いて有った話で、最近は少なくなったが、メイショウカズサが勝った今夏の小倉戦等、こと「メイショウ」に関しては今でも結構多い印象も。

ロードブレス

後肢にバンテージ。-6kg。数字分だけ締まった印象。何時もあまり人気にならないが、黒光りしてパワフルな造り。今日も文句なし。気配も良かった。ゲートは怪しくとも、行こうと思えばもう少し行けた筈だが、結局引いて中段やや後方。メイショウハリオの直後から。こうなれば道中はジッと我慢する以外にないが、4角も前外に馬が居て、動くに動けない展開。それでも直線に向いて暫くして前が開き、1頭だけ違う脚でグイグイ伸びて来た。惜しい2着。流石に57kgなら力が違うところを証明した。ただ、今日は前崩れの展開がたまたまハマっただけで、鞍上はもう少し工夫して乗らないとダメ。何かひとつ違えば勝っていた。

アナザートゥルース

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。実戦だとムラ馬だが、下見は高値安定。ノンビリ歩いている点も何時もと変わらず、トモに張りが有って、迫力満点。砂を被るとサッパリの馬だが、今日はゲートを決め、頑張ってハナへ。2番手のアシャカトブが早々に控えてくれたことで1000m62.1秒と楽なペースで行けた。スローは他馬も承知で、仕掛けが早くなるのは致し方ないところだが、自分の形に持ち込めたことで地力を発揮。直線は突き放す脚が有った。決め手の有る馬に捕まったのは仕方がないところ。出脚がそこ迄速くないので、中々難しいとはいえ、能力減がないことは証明出来た。

プリティーチャンス

2人曳き。遮眼革。前後肢にバンテージ。+6kg。芝馬の様な品のいいタイプ。悪くいえば少し細身だけに、少しでも増えるのはいい傾向。皮膚を薄く見せてデキは良かった。スタート直後に外へヨレ気味となり、出脚が付かず後方から。4角手前からロードブレスに対してフタをするイメージで乗られ、上位2頭の瞬発力には適わなかったものの、結構トビが大きく、最後迄ジリジリ伸びていた。もう少し枠が内で、中段辺りに付けられていれば結果も違っただろう。今の馬格で地方の馬場がこなせるか微妙だが、慣れてくれば限定戦で長く稼げる存在となる筈。

メイショウムラクモ

オーストラリアンブリンカー。下見は最後方を周回。迫力で負けている訳ではないが、古馬の中に入ると子供っぽさは残る。古馬相手だと出脚が通用せず中段から。それでも道中の行き振りには問題がなく、流れには乗れていた。ただ、一瞬の反応がなく、上位2頭には並ぶ間もなく、内外から交わされながらも、最後迄ジリジリ伸びていた印象。渋太いことだけは確か。もう少し馬力が欲しいところ。そうすれば出脚が瞬発力のどちかかが来る筈。

クリンチャー

+4kg。ダート馬としては鉄砲が利くタイプだが、今日は少し緩く映った。歩様に問題はなく、一応は走れる状態ではだっただろうが。ゲートを躓きながら出てしまい、出脚が鈍って一旦は中段。ただ、外の馬が行き切って、隊列が決まるや否や、外へ持ち出して何時でも動くと言わんばかりの雰囲気で妙に強気に乗られていた。実際に3角過ぎからエクスパートランの進出に併せて動き、この4角の手応えは悪くなかったが、直線向いて一瞬反応しただけで失速。矯めたところで味はない馬なのだろうが、今日はデキが甘い状況だっただけにもう少し大事に乗っても良かったかも。

第59回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

オーソリティ

2人曳き。+12kg。デビュー以来、最高体重。当初は線の細い馬だっただけに、減るよりはいいだろうが、微妙に立派。好発。外枠の先行馬に少し抵抗しつつ、好位3番手グループの一角。時折、行きたがる面も見せる馬だが、今日は完璧に折り合っていた。直線に向いて自然と前が開き、少し追い出しを待っていた位だったが、左手前のまま突き抜け、ラスト100mを切って右手前となっても脚勢衰えずそのまま押し切った。スローペースで前に居た利はかなり大きかっただろうが、トップハンデで後続に2馬身半差なら文句なし。現時点で次走未定だが、ジャパンカップでも有力馬の1頭。

マイネルウィルトス

シープスキンノーズバンド。毛ヅヤは良かったが、少しゆったりとした造り。それでも歩様は伸びやかで馬に柔軟性が有りそう。ゲートが微妙に悪かったことも有り、これ迄の最長距離が2000mということでジックリ乗られ、序盤は後方に近い位置。完璧ではなかったが、馬も何とか我慢して走っていた。スローペースということで、3角から徐々に進出、4角ではオーソリティの1馬身後方迄押し上げる形。流石に直線は脚が続かなかったが、手前を何度も替えて内にモタれながらも2着は確保した。最後は馬体の柔軟性が初距離を保たせた形。まだまだ稼げそう。

フライライクバード

2人曳き。少し気負っていたが、馬体はシャープ。皮膚を薄く見せて、デキ自体は良好。ただ、例に依って歩様に力感が欲しい。ゲートは出ているが、外の出方を窺いながら好位直後。オーソリティをマークする形で運ぶ形。スローとはいえ、ちょっと道中は力んでいたか。これも追い出してから暫くして左手前になっていたが、展開的には向いていただけに直線はもうちょっと踏ん張って欲しかったところ。ラスト150m辺りから明らかに甘くなっていた。もう少し折り合いがスムーズならまた違うのだろうが、このままだと距離が長い。

レクセランス

2人曳き。前後肢にバンテージ。-8kg。デビュー以来、最低体重。馬体を絞ってお釣りなく仕上げて来た。歩様も力強く、デビュー以来、一番いい状態。怪しいながらもゲートは一応五分に出たが、鞍上に行く気がなく中段のインでジックリと。スローで馬群が固まり、直線は一瞬行き場をなくしそうになったが、マイネルウィルトスの外へ持ち出し、最後の最後にジリジリ伸びて来た。ただ、トビが大きく、回転不足の馬だけに今日の競馬は向いていなかった感も。以前、阪神でかなり内にモタれていたが、左回りで比較的真っ直ぐ走ってくれた点は良かったが。

ディアマンミノル

姿勢が高く、その分歩様が甘く映る。その点では前走阪神戦の方が良かったかも。重賞のメンバーで馬が迫力負けするのは毎度のことだが。例に依って1完歩目が遅く、後方から。前走同様、待機策に徹し、コーナーで少し惰性を付けつつ、直線は大外へ。今日は追い込みにはどうしようもない展開だったが、この5着は前走よりも高い評価が出来る。何処かでハマっていいが...。

第57回京王杯2歳ステークス(GⅡ)

キングエルメス

+18kg。札幌戦以来、2か月半振りの馬体増だが、ほぼ成長分。歩様も明らかに力強くなった。ただ、寸が詰まったマイラー体型。前走札幌戦は出遅れたが、今日はゲート五分。出脚が抜群に速いという訳ではないが、押して2番手。揉まれずにゆったり走れた。4角も手応え充分に直線へ向き、後続を待たずに追い出したが、2着のトウシンマカオが来たら来ただけ伸びて快勝。前走札幌戦は内にモタれていたが、最後に怪しくなりながらも前走よりはマシだった。楽過ぎて、今日のレースだけで強い弱いは良く分からないが、トビが大きいので、前走の様に小回りで出遅れると悲惨なことになる半面、今日の様にストライドを邪魔されない形なら頑張れるということはいえるだろう。取り敢えず距離は保ちそう。

トウシンマカオ

前後肢にバンテージ。+6kg。これも新馬の新潟戦から2か月開いたが、馬は出来ていた。ただ、何かに驚く場面も有り、気性的に子供。好発。馬もヤル気になっていたが、内の馬が主張したことと、鞍上に行く気がなく単手綱で4番手から。これでも前走よりはマシで、一応は我慢は利いていた。追ってからもしっかりした脚取りで伸びているが、キングエルメスの方が単純能力が上だった様で伸びても伸びても追い付かなかった。ただ、ビッグアーサー産駒で、この馬自身も追い出すと頭が上がるタイプ。距離は短ければ短い程良くて、直線の長いコースも歓迎しないことは明らか。

ラブリイユアアイズ

-8kg。元々ガサのない馬だが、腹が巻き気味。歩様も微妙に硬さが出て来ており、下見はいいところなし。ゲートが微妙に悪かったが、少し押して中段。出脚を使った分も有るのか、序盤は首を振って行きたがっていた。直線に向いてトウシンマカオの直後。前2頭が最後に外へ張って来たのは微妙に鬱陶しかっただろうが、最後迄ジリジリ頑張っていた。状態面が怪しかった割には良く踏ん張ったといえるだろう。前走札幌戦も意外に強かったが、能力は持っている。

コラリン

2人曳き。冬毛が出ていたのか、毛を刈った跡。どちらかといえばコロンとした体型だが、歩様もしっかりしており、毛ヅヤ以外は悪くない。例に依って1馬身出遅れ。中段やや後方から。道中は折り合いも付いて、リラックスして走れていた。結果的に前で決まる展開だったとはいえ、直線に向いてからも一瞬は届きそうな脚勢だったのだが、最後に左手前になって甘くなった。トウシンマカオ同様、これも距離が長そう。

レッツリブオン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。馬装通り、頭の高さが目に付いた。それでも438kgの数字を考えたら、非力な印象はない。好発。内の馬が主張して来たこととも有り、無理せず中段から。道中はスムーズに走れていた。直線に向いてコラリンと接触しながら伸びて来たが、ラスト200mで脱落しながら、最後の最後に盛り返した分の5着。良く分からない内容。下見の割には首が使えている気もしないでもないが、もう少し距離が有った方がいいのは確か。

第26回KBS京都賞ファンタジーステークス(GⅢ)

ウォーターナビレラ

2人曳き。雄大な造りで、馬格で一枚抜けていた。落ち着きも有ったが、今日は歩様が硬いのがマイナス。好発。戦前から想定されていた通り、ナムラデイリリーがハナへ行って、その2番手から。正味の出脚は外のスマートプレジールの方が速かっただろうが、枠の分、いい位置が確保出来た。序盤は結構行きたがっており、折り合いが付いたといえるのは3角辺り。4角の反応は一瞬だけナムラクレアの方が良く、直線入口で並び掛けられたが、登坂力で突き放して快勝。今日のメンバーでどうかという部分も有るのだが、単純に強かった。次走は距離云々より、一線級との相手関係に尽きる。

ナムラクレア

これもこのメンバーだと馬は上位だが、決して迫力が有るという程ではない。ただ、休み明けの割には毛ヅヤを含めてキッチリ出来ていた。1200mで勝って来た割に出脚が速い方ではなく、押して中段。四方を馬に囲まれて、道中行きたがるのは仕方がないところ。無理矢理でもウォーターナビレラの後ろで我慢させ、スペースが出来た4角でウォーターナビレラと並走。この辺りの反応は良かったが、登坂力で差を付けられた。上り切ってからは盛り返しており、距離面は何とかなりそう。無論、道中の折り合いは課題となるが、まだ奥が有りそうな馬。

ママコチャ

現状で半姉のソダシと比べるのは可哀そうだが、歩様は意外としっかりしている。ただ、口から泡を吹いて、気性的に早くも怪しい部分が出て来ているのが気になるところ。微妙に出負けして無理せず中段。出脚自体は有りそうで、道中も折り合い面は全く問題がなかった。ただ、今日はずっと外を回されたのが応えた感も。ジリジリとは伸びていたが、最後は馬が諦めた様な3着。ただ、今日はメンバーが大概。500万なら何とかなるだろうが、次走重賞となるとやや厳しいかも。

ホワイトターフ

前後肢にバンテージ。下見は未勝利クラス。トモに力がないので、姿勢が高く、馬体にもメリハリを欠く。出ッパも微妙に悪かったが、進み方も悪く後方。最初から殿に下げて、内目へ寄せて入着狙いの競馬。馬場状態は決して良くないのだが、今日は比較的馬群が固まって内有利の展開になり、マトモな競馬をした馬が止まった分の4着。それでも3着とは3馬身半差。新馬は4kg減の50kgが利いて何とか勝ったが、現状は500万でも入着すら怪しいレベル。

アネゴハダ

-6kg。明らかに腹が巻いているという状況でもないが、減るのはいい傾向ではない。それでも歩様にブレがなく、見た目の割に良く出来ている馬。ゲートは五分も、芝の出脚は速い方ではなく、出たなりで中段やや後方から。道中は動くに動けない展開で、特に4角はスマートプレジールが下がって来て更に位置取りが後ろとなったが、ホワイトターフ同様、今日はこれでも来れる展開で最後に脚を使って掲示板は確保。ただ、前3頭との差は仕方がないとしても、4着が欲しかったところ。評価に迷う一戦では有る。