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競馬回顧 2019年3回京都

第133回農林水産省賞典目黒記念(GⅡ)

ルックトゥワイス

2人曳き。細身の馬体は血統故。それでもメリハリが利いていた。歩様に硬さがないのも何より。スタート直後に内外から挟まれ、ならばと腹を括って後方のイン。ダービーが前残りだった影響も有るのか、1000m通過59.5秒、2000m通過1分58秒4と結構流れて、東京2500mらしい差し有利の展開に。直線向いて大外。ラスト300mでほぼアイスバブルとの一騎打ちとなったが、ラスト150mで振り切って最後は1馬身1/4差。レコードは馬場状態と展開に依るところも大きく、過信出来ないが、気持ちの続かない馬だけに大事に乗った鞍上の好プレーが光った。

アイスバブル

+10kg。数字は増えていたが、緩んだところはない。芦毛でも毛ヅヤも良好。本来は好位から運びたかった様だが、アオり気味にゲートを出てしまい、ダッシュが付かず、中段やや後方から。道中しっかり折り合いを付け、今日の展開で大事に乗ったのが正解。ただ、最後はルックトゥワイスにネジ伏せられた。一旦は勝ったかの場面を落としただけに悔いが残るが、休み明けは言い訳となるところ。デキは良かったが、我慢比べで負けるのは致し方ないところだろう。今後もチャンスは続く。

ソールインパクト

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+8kg。元々細身の馬で、太い印象はない。かなり煩かったのは良くなかっただろうが、冬場に有った歩様の硬さがなくなった。何時もはゲートの悪い馬だが、今日はむしろ好発。この馬の出脚でも中段から。結果的に外差しの展開にはなったが、中段のインなら道中は悪い形ではなかった。ラスト400m辺りから進路を探しつつ追い出し、両サイドのゴーフォザサミットやムイトオブリガードは退けたが、外から2頭。飛び道具にやられた様な格好。もう少しペースが遅ければ勝っていた可能性も有り、今日は展開の綾。冬場の方がこの馬向きの番組は多いが、冬場は馬が硬くなるのがネック。

ゴーフォザサミット

-12kg。極端に細い印象はないが、迫力はなくなったかも。歩様にも伸びを欠く。出脚で真っ先にブラストワンピースを叩きに行って好位のイン。積極的に行った分、多少掛かり気味。今日の展開で少しでも行きたがる場面が有ると辛い。ラスト200m迄先頭に立って、そこからは甘くなったが、これでも良く頑張っている方。重賞でマトモに走ったのは東京だけだが、時計勝負の馬場が向いている。

ムイトオブリガード

前後肢にバンテージ。腹袋がボテッと映る。淡々と歩いている点も含めて、一昔前に東京2500mで強かったタイプ。ゲートは五分に出ているが、前走阪神戦で差す競馬を試していたことも有り、今日も全く行く気なく後方から。道中は只管我慢して、直線も最内から。競馬としてはハマったが、最後は頭が上がっていた。このメンバーなら力で劣るとは考え辛く、時計に天井が有りそう。

第86回東京優駿(GⅠ)

ロジャーバローズ

2人曳き。前後肢にバンテージ。-8kg。数字は元々太く見せるタイプで見た目には気にならない。輸送が有っても前走京都戦以上に今日は落ち着いていたのが何より。好発。出脚も速かったが、鞍上がダービー初騎乗だったリオンリオンが決め打ちで逃げて、離れた2番手。下見で落ち着いていたことも有って、ペースこそ前走より少し速かったが、今日は折り合いが付いた。残り400mで先頭に立ち、ダノンキングリーもフラフラになりながら猛追したが、クビ差凌ぎ切った。馬場が味方したこと、サートゥルナーリアが失敗したこと、この2点は無論大きいが、この気性の難しい馬を大舞台に間に合わせて来た陣営の手腕はお見事。個人馬主だけに本当に仏国遠征するのかどうか疑問も有るが、こういう兎にも角にも頑張るタイプは向いている。

ダノンキングリー

前後肢にバンテージ。+4s。多少マイラー寄りだが、トモのボリューム感はメンバー中、随一。前走中山戦より更に迫力が出た。一戦毎に馬が良くなっている。ゲート先入れということも有って、少し煩かったが、サートゥルナーリアと違い、何とか五分に出て中段やや前辺りから。この枠で内ラチ沿いを走れたのは大きかった。直線向いて自然と前が開き、この時点でロジャーバローズとは3馬身差。充分圏内だったが、300m辺りで外にヨレて、その後手前が替わり、ここからは似た様な脚色になってしまった。最後は距離適性の差かも。もっと大事に乗れば問題ないだろうが、今日は自力で捕まえに行く展開になってしまった。

ヴェロックス

2人曳き。前後肢にバンテージ。+8kg。太い印象はなく、単純に成長分。毛ヅヤもピカピカ。好発も、出脚を使う気はなく中段から。リオンリオンに叩かれることが戦前から確実の展開だったことも有り、大事に乗られた。4角でサートゥルナーリアが早目に動いて並走、一旦は1馬身位出られたが、仕掛けのタイミングの差が有るにせよ、差し返したのはお見事だった。このメンバーの比較ではスタミナ型。まだまだ馬も良くなりそうで、秋には借りを返したいところ。

サートゥルナーリア

前後肢にバンテージ。-6kg。今日はキッチリ仕上げて来た。歩様もスムーズで下見の時点では完璧だった。返し馬迄は落ち着いていたが、ゲートに入って隣のダノンキングリーがチャカつき、連られて発送直前に潜りそうになり、2馬身近い出遅れ。出脚で有る程度カバーして、中段やや後方には取り付いていたが、序盤は多少行きたがっていた。それでも向正面で折り合いは付いたが、人気を背負って4角外から自力で動かざるを得ない展開。希代の馬といっても、今日の馬場でこの展開ではどうしようもない。一旦は3着だったが、最後は止まって4着に。力は十二分に示した内容。肝心なところで血統故の煩さが出たといえばそれ迄だが、それ以上に乗り替わりや必要以上に売れた単勝等、ツキを逃し易いことが色々積み重なった感も。

ニシノデイジー

途中から2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。このメンバーだと迫力負けする馬だが、それでも一時よりは差が縮まって来た感も。この馬としてはゲートが悪かったことも有り、イチかバチかで後方迄下げてインを突く策。サートゥルナーリアの早仕掛けも有って、内が開く展開となり、若干内にモタれ気味だったが、ジワジワ伸びてここ迄。能力そのものはお世辞にも高いといえないが、やはりセコい競馬は上手い。

第2回葵ステークス(重賞)

ディアンドル

良し悪しは別にして、短距離馬にしてはノンビリ歩けていた。小ぢんまりとして、490kgの馬には見えないが、裏を返せば完成度が高い。ゲートを決めて、行きたい馬3頭に行かせて少し離れた 4番手。ただ、4角の手応えが抜群で、楽勝かに思えたが、首が使えない走りで、アスターペガサスにアタマ差迄迫られた。これで5連勝だが、そろそろ天井が見えて来た感も。今日は斤量の部分も響いたとはいえ、恐らく時計にも限界が有りそう。次走、1分7秒台の決着になる様なら厳しい。

アスターペガサス

前後肢にバンテージ。発汗、イレ込みが目立つ。馬はこのメンバーなら負けていないが。好発も無理せず中段から。下見の気配の割に、前に馬を置けたとはいえ、馬群の外でも折り合いが付いていた。4角から外をジワッと進出。外から良く伸びたが、あと一歩が届かず。函館で重賞勝ちの1200mで一変した形だが、ラスト1Fの勢いなら突き抜けても良かった気もしないでもない。今日の馬場で1分8秒0は平凡。古馬相手では厳しいと見るのが妥当。

アウィルアウェイ

前後肢にバンテージ。重心の低い造り。クラシック目標だった馬だが、硬さがないのも何より。出たなりで好位直後。枠順通り、勝ったディアンドルを眺めながらの競馬。形の上では理想的だったが、デビュー戦以来の1200mで少し追走に汲々としている様にも見えた。直線向いても暫くエンジンが掛からず、勢いが付いたところでケイアイサクソニーに内から寄られて立て直す不利。スムーズでも2着だったかは微妙だが、勿体ない競馬になった。とはいえ、今日は経験の分が大きいだろう。慣れてくればこのメンバーでも互角。

ディープダイバー

前後肢にバンテージ。数字のない割にバランスの取れた造り。馬に活気も有った。ゲート自体は出ているが、57kgの影響なのか、出脚が明らかに鈍く後方に近い位置。道中も中々反応せず、マトモに走ったのはラスト100m。57kgで泣いている様だと先々苦しいが、馬格がないだけに余計に応えた印象も。今日の経験自体は今後に繋がる筈だが。

ケイアイサクソニー

オーストラリアンブリンカー。多少発汗は目立つが、集中して歩けていた。迫力では上の馬も居たが、踏み込みも力強い。前走阪神戦より出脚は速くなっていたが、1馬身抜ける迄に至らず、道中はホープフルサインとジャスティンに付いて来られた。それでもこの2頭が弱かったのは不幸中の幸いで、600m通過が34.0秒と丁度平均ペース。直線入口で一旦は突き放す形に持ち込み、強ければこれでも押し切ったのだろうが、そこから苦しくなって外にヨレてしまった。やはり出脚が足りない。

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第80回優駿牝馬(GⅠ)

ラヴズオンリユー

良くも悪くも迫力のないディープインパクト産駒。淡々と歩いていた。出脚が速いという訳ではなさそうだが、出脚を使わず1角迄に出来る限り内へ潜りつつ中段から。ジョディーの逃げをコントラチェックが突いて、1000m通過59.1秒。近年はダービーよりもオークスの方がペースが速いのだが、各馬折り合いを欠く馬は居なかった。直線向いて躊躇なく外へ持ち出し、ラスト400m過ぎに左手前になって、多少フラついていたが、それでも1頭違う脚。カレンブーケドールも渋太かったが、最後はネジ伏せる様に押し切った。これで4戦4勝全てメンバー中最速の上がり。時計も、ダービーレコードより速いオークスレコードと文句なし。馬場も速いが、それ以上に馬が強い。あとは兄リアルスティールの様な淡白さを出さなければ。

カレンブーケドール

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。デビュー当時より大分馬がパンとして来た。歩様もしっかり。今日はゲート五分。この馬の出脚でジワッと行かせて好位から。自分より後方のラヴズオンリユーは別にして、近くに居たクロノジェネシス、ダノンファンタジーを意識しながらの競馬。時計勝負の馬場で、外から出し抜けを食らわすイメージで乗られ、内からのクロノジェネシスは振り切ったが、ラヴズオンリユーには抵抗し切れなかった。とはいえ、マトモなら止まっておかしくないところで、最後に見せた抵抗は見事という外ない。能力や決め手は別にして、距離適性ではこの馬がNo.1。

クロノジェネシス

前走阪神戦から高値安定。トモにボリューム感が有って、歩様にバネが有る。1人で曳いていたが、気配も堪えが利いていた。ジョディー、コントラチェックと周囲の馬が行ってくれて、好位のイン。今日は五分に出たものの、元々ゲートの駐立が悪い上に、出脚が有る方ではなく、出した分、序盤が少し行きたがっていた。向正面で折り合いは付いたが、序盤のロスが有るだけにカレンブーケドールが早目に動いたことで早目に動かざるを得なかったのも応えた印象。一旦はほぼ追い付いているのだが、ラスト150mで明らかに甘くなった。同情の余地は有るとはいえ、能力以前の課題も残った。

ウィクトーリア

前肢にバンテージ。-6kg。前走より馬体が締まって、馬が良くなっていた。歩様も力強い。スタート寸前にゲート内で立ち上がって、タイミングが合わず出遅れ1馬身不利。そのまま腹を括って後方から。道中は全く動かず、直線勝負。多少内にモタれ気味だったが、行くところが全て自然と前が開いてここ迄。ゲートを五分に出ていればクロノジェネシスは交わせていたと考えるのは当然で、出遅れは毎度のこととはいえ、これも勿体ない競馬。

ダノンファンタジー

前後肢にバンテージ。-6kg。数字は減ったが、迫力は残っている。とはいえ、基本はマイラー。出脚は速い馬で、特に急かさずとも自然と好位。道中は基本的にクロノジェネシスと並走。ただ、カレンブーケドールの出し抜けに呼応したクロノジェネシスと違い、こちらは直線向いてワンテンポ待ってからの仕掛け。上手く乗られたが、それでこの結果ならやはり距離が長い。ただ、2歳時は決め手一本の印象だったが、競馬が上手くなっている。これが厩舎技量。

第26回平安ステークス(GⅢ)

チュウワウィザード

前後肢にバンテージ。+7kg。馬体はもう少し増えても良いかも。毛ヅヤが良くて、歩様もスムーズ。出脚は有る馬だが、今日は押して行った馬が多く、それらに抵抗せず後方に近い位置。オメガパフュームが向正面半ばで動いた際に少し番手を上げ、あとは付いて行く競馬。ただ、4角での反応が悪く、直線入口の段階で対オメガパフュームで3馬身位差が開いたのだが、モズアトラクションが迫るとエンジンが掛かって、一旦は先行されたモズアトラクションを差し返したところがゴールだった。中々勝負強い。交流戦なら先行策ということになりそうだが、コーナーで反応が悪かったのは若干気掛かり。大井なら問題はないとも思うが、やはり距離が有った方が色々誤魔化しが利く。

モズアトラクション

前後肢にバンテージ。一息入ったが、キッチリ出来ていた。首を使ってリズムを取り、歩様も力強い。時折出遅れる馬だが、今日はゲート五分。とはいえ、例に依って行く気なく後方から。チュウワウィザードが差す競馬とは想定していなかっただろうが、競馬はし易かった筈。基本的には付いて行く競馬だが、チュウワウィザードの手応えが4角でイマイチだったことで、コーナーで脚を使うこともなく、上手く脚を矯められた。一旦はハナだけ出て差し返したのは底力の差という以外にないが、展開さえハマればこのメンバーでもやれることが分かったのは収穫。東京2100mなら確実だろう。

オメガパフューム

シープスキンノーズバンド。+12kg。特に太い印象はないが、ダート馬としては元々迫力がないタイプ。毛ヅヤは良かった。元々積極的に乗られるタイプではないが、59kgを背負っていることも有り、急かさず乗られて後方から。最内枠だったが、最初から外へ持ち出し、リズムを大事にして乗られた。ペースが落ちた向正面で中段に進出。距離損を気にせず、3〜4角も大外から。前はしっかり掃除したが、最後に捕まったのは仕方ない。今日はこれで最高の騎乗。見た目は決して馬力の有るタイプではないのだが、なかなか強い。今日の反動がなければ次走大井戦でも有力。

アナザートゥルース

遮眼革。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。骨格のしっかりした馬で、馬は見栄えがする。ただ、毎度のことながらもう少し落ち着いて欲しい。好発。行けたら行くつもりだっただろうが、サンライズソアが主張して好位のイン。道中はスムーズに運んで、直線も上手く外に持ち出せたが、外から飛んで来た2頭はともかく、近くに居たオメガパフュームは捕まえたかった印象も。遮眼革着用して安定して走る様になっているが、決め手がないタイプ。前走阪神戦の様に早目先頭の競馬がベスト。

サンライズソア

シープスキンノーズバンド。下見だけパシュファイヤー。前後肢にバンテージ。+6kg。派手な馬装通り、気性的には怪しい面も有るが、休み明けでも緩い印象はない。出脚も有る馬だが、押してアナザートゥルースを叩いてハナ。とはいえ普段は先行しないマイネルオフィールにずっと絡まれていた。ペースこそ決して速くなかったが、息の入らない展開で終いが甘くなったのは致し方ないところ。大崩れはないが、競馬を楽にするにはもっと出脚が欲しい。

第14回ヴィクトリアマイル(GⅠ)

ノームコア

前後肢にバンテージ。この馬にしてはボリューム感の有る造り。歩様も一応は許容範囲。毛ヅヤも良かった。半馬身程出負けも、押して中段やや前辺りから。3角で若干狭くなり、少し番手が下がる場面も有ったが、あとはスムーズ。4角でラッキーライラックに付いて行って、直線はその外へ。追い出した段階では突き抜ける様な勢いではなく、ラスト300mで手前が替わって馬も苦しくなっているところをステッキを左手に持ち替えてもう一踏ん張り。今日は乗り役の勝利。ただ、馬はレース後故障判明とのこと。

プリモシーン

2人曳き。多少煩いのは毎度。シャープな造りで、如何にもディープインパクト産駒。ゲートを五分に出て中段。馬群の中だったが、ペースが速くて道中はスムーズ。直線に向いて脚力で外へ持ち出し、ラスト250m辺りで左手前になって一瞬ヨレながら、再び立て直して右手前に戻して猛追。恐らく目標としていたで有ろうラッキーライラックは捉えたが、前に1頭居た。前過ぎず、後ろ過ぎずで位置取りは完璧、直線もしっかり伸びているのだが、強いていえば鞍上の追う技術の差。少なくとも馬は責められない。

クロコスミア

-8kg。悪い時は直ぐに硬くなる馬だが、歩様が維持出来ていたのが何より。細い印象もない。好発も、行きたい馬に行かせて好位。内外の違いは有れど、これもラッキーライラックを意識して乗られた。一瞬の反応はラッキーライラックの方が鋭かったが、渋太く伸びて3着浮上。基本的に上がり33秒台の決着だと厳しい馬で、このレコードの割に上がりが掛かってくれたことが幸い。今年2走は勝負どころでスムーズさを欠く内容だったが、それでも差す競馬をしておいたのが今回に生きた印象も。

ラッキーライラック

前後肢にバンテージ。今年のメンバーなら迫力で一枚上。動きもパワフル。出脚でスッと好位。外から来た馬に一瞬だけ連られそうになっていたが、それ以外は折り合いも付いていた。直線に向いてからの反応も良く、一瞬は勝ったの場面だったが、勝ちに行った分、最後が甘くなった印象。基本的には器用さ身上の馬だが、今日はこのハイペースでそれが裏目に出た。もう少しペースが落ちる1800〜2000mの方が良いかも。

アエロリット

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬に活気も有って、馬体も悪くなかった。歩様も問題はなかった。ゲート自体は出ているが、そこからの出脚がこの馬本来のモノではなく、無理矢理ハナへ。1000m通過56.1秒はそれなりに速いとはいえ、今の馬場状態でこの馬なら踏ん張り切れるペースだが、序盤のロスが痛かった。最後、ちゃんと追っていない割には良く踏ん張っている。次走も東京、Cコース替わり初っ端とこの馬が走るパターンだが、兎に角出脚が戻るかどうかに尽きる。その点で無理矢理行ったのは好結果に繋がりそうだが。

第64回京王杯スプリングカップ(GⅡ)

タワーオブロンドン

-8kg。イレ込まないのが何より。首でリズムを取って馬に集中力が有った。数字は減ったが、重量感も有る。この馬としてはゲートを出た方で、急かさず乗られて中段から。1400mなら折り合いも問題なく付く。直線向いて少し待ってから追い出したが、鞍上のステッキに応えて突き抜けた。単純に一枚力が違った印象。レコードも馬場が良過ぎるだけ。マイルも一応こなせるので次走も圏内だが、今日のメンバーで勝ってもあまり能力の証明にはならないところ。要は距離よりも相手関係。

リナーテ

毛ヅヤが冴えて、研ぎ澄まされた馬体。この馬としてはゲートを出た方だが、トゥザクラウンが外へ寄せて来て、少し挟まれる場面。そこから立て直して中段から。道中の折り合いは付いていた。これも追い出しを我慢していたクチで、実質ラスト400mの競馬。少しエンジンが掛かる迄に時間が掛かったが、ラスト100mの伸びが強烈で2着浮上。前走京都戦もそうだが、脚の使いどころが難しいタイプで今日は上手く行った。ただ、以前よりゲートが安定して前に行ける様になったのは大きい。

ロジクライ

シープスキンノーズバンド。キッチリ出来ていた。暖かくなって毛ヅヤも良くなっており、前走中京戦以上。少し出して好位から。前述した様に、好発のトゥザクラウンが妙に外へヨレてくれたお陰で、内に進路が有り、上手くインへ潜り込めた。出した分なのか、この馬としては行きたがっていた様にも見えた。追ってからの反応も決して良い様に見えなかったが、そもそも前も開いて居らず、前が開いたラスト300m辺りからジワジワ伸びて3着。堅実なのは確かだが、今日の様な決め手勝負になると分が悪いところ。

トゥザクラウン

-8kg。この一族に有り勝ちな頭の高さがないのは好感。ただ、数字分だけ腹回りが寂しい印象も。好発も、外から徹底先行の構えで行ったブロワとそれに付いて行ったダイメイフジに行かせて3番手から。ペースはソコソコ速かったとはいえ、今週は馬場も絶好であくまで平均ペース。道中は折り合いも付いて、追ってからの反応も鋭かったが、如何せん抜け切ってから頭が上がって甘くなってしまった。今回から遮眼革を外したが、折り合い面や反応で良い方に出たものの、終いの粘りという点では悪い方に出たかも。重賞でも力は充分足りそうだが。

キャナルストリート

下見は最後方を周回も、落ち着いていた。馬体も悪くないが、短距離だけにもっと迫力は欲しいところ。この馬の出脚でジワッと行かせて好位から。折り合いは多少行きたがる場面は有ったが、引っ掛かる程ではなかった。直線はタワーオブロンドンとの併せ馬。負けたのは決め手の差という以外にない。それでも堅実は堅実。重賞となるとワンパンチ足りないにせよ、オープン特別なら。

第24回NHKマイルカップ(GⅠ)

アドマイヤマーズ

2人曳き。高値安定。前走中山戦と比較すれば今日の方が落ち着いていた。踏み込みもしっかり。半馬身出遅れ。とはいえ、この馬の出脚自体が速いのと、外枠ということも有り、リカバリーが利いて中段は確保。折り合いは付いていた。内のグランアレグリアに進路を造らせない様に、ダノンチェイサーと一緒に4角を締め気味に回り、例の接触も有ったが、直線を真っ直ぐ走って突き抜けた。土曜日が悲惨な天気となり、東京にしては外有利だった感も有ったが、単純に力が一枚違った印象。今後、決め手勝負で取り溢すことは考えられるとしても、土台のしっかりした馬だけに、息の長い活躍が期待出来そう。なお、このレースに外国産馬が出走しなかったのは3回目だそうだが、今回を含めて何れもダイワメジャー産駒が勝利しているとのこと。

ケイデンスコール

-6kg。水平首で淡々と歩けていた。歩様も問題なく、前走阪神戦で気になった左右のバランスの悪さは解消出来ていた。ゲート五分も、行く気なく後方から。只管脚を矯めて、坂下迄は死んだ振り。そこから馬場の良い大外へ持ち出して実質ラスト400mの競馬。最後に伸びて2着浮上。前走は中段から運んで坂で甘くなっており、その反省を踏まえて乗ったのが今日は好結果に結び付いた。今後へ繋がる内容ではないものの、一つのパターンが掴めたのは収穫。今日は問題ない様に見えたが、左右のバランスの問題がまだ残っているなら、左回りの方が向いているということもいえる。

カテドラル

パシュファイヤー。前公使にバンテージ。馬に重量感は有るが、寸詰まりの馬で如何にも短距離馬。気配もギリギリ堪えていた。出遅れ半馬身不利。前走阪神戦同様、後方の内目で脚を矯める形。グランアレグリアが降着となった様に、アドマイヤマーズとダノンチェイサーの挙動で内は進路が殆どなく、グルーヴィット等も詰まっていた馬も多かったが、そのグルーヴィットの内が1頭だけ開いており、脚でコジ開けて来た。前走たまたま差しに回らざるを得なかったことが新味を見せる形となったが、これが合っている様。

ダノンチェイサー

まだ迫力が有るというレベルではないが、前走京都戦と比べると大分馬はしっかりして来た。首でリズムを取って気配も上々。間違っても出脚は速くなさそうだが、押して好位のイン。出した分、多少行きたがっていたが、ブレーキは利いていた。4角手前でグランアレグリアが目の前に来て、通常なら付いて行くパターンだが、今日の馬場ならと早めに動いて外から被せに行って進路を潰す策。狙いとしては良かったが、内からグランアレグリアにブツけられて万事休す。とはいえ、何とかグランアレグリアには先着したかった。前走と比較すれば大分馬も良くなっていたとはいえ、まだまだ。

グランアレグリア

2人曳き。下見は最後方を周回。馬体はこれで良いのだが、前走阪神戦で気になった歩様の硬さが更に酷くなっていた。集中力を欠いていたのも好材料ではなかった。半馬身出遅れも、出して好位。流石に掛かっていた。内へ入れて何とか宥めようとしていたが、直線向いて進路がないことに気付き、慌てて外へ持ち出したところダノンチェイサーと接触。審議、降着と最悪の結果。デキがなくて出遅れたのが惨劇を招いた。走る馬なのは間違いないが、1戦毎の消耗が大きいタイプ?

第67回京都新聞杯(GⅡ)

レッドジェニアル

2人曳き。前後肢にバンテージ。発汗目立つが、馬は垢抜けた造り。まだ腰高で全体に力が付き切っていない印象も。好発。外枠ということも有り、無理せず中段待機。引いたタイミングが早かった為、内へ潜り込めたのは大きかった。ずっと前を壁にして折り合いを付け、直線は前が開く迄待ってから追い出して突き抜けた。とはいえ、今の京都でレースの上がり3Fが35.3秒は時計を要した方で、展開がハマった感が強い。右手前で内にモタれてもいた。今日は後述する様にロジャーバローズ1頭が目立っていた競馬。馬自体が良いので先々は走って来そうだが、恐らく本格化は来年以降。

ロジャーバローズ

2人曳き。前後肢にバンテージ。-6kg。絞れたのは良い傾向。今日はイレ込みもマシ。好発、出脚もソコソコ速かった。当初はハナへ行く気がなかったものの、さりとて誰も行く気がなく、馬と喧嘩するよりはと1角で押し出される形でハナへ。それでも、行ってからも少し力んでおり、落ち着いた1000m通過地点で掛かったモズベッロに来られる不運も有ったが、そこから少しペースを上げ、直線入口で接近して来たタガノディアマンテを突き放す場面。最後は右手前で脚が上がっていたものの、何とか2着は確保した。気性的な問題を別にすれば一番強い競馬をしている。東京戦は賞金面で厳しそうだが、秋に大化けしてもおかしくない。

サトノソロモン

2人曳き。550kgの大型馬で迫力は有るが、歩様に力強さがない。出脚は大して早くなさそうだが、少し出して好位のイン。向正面で出入りの激しい展開となったが、動けないインに居た分、自然と番手が下がり、3〜4角中間では中段辺り。坂の下りの反応は決して良く見えなかったものの、前述した様に、今日は上がりの掛かる展開となり、脚を矯めていた分の3着。競った相手がナイママでは高い評価はし辛い。今日は最低でも2着が欲しかったところ。大型馬の割に力が付き切っておらず、これも成長待ち。

ナイママ

2人曳き。前肢にバンテージ。前走中山戦辺りから良い時の雰囲気が戻って来た。発汗こそ目立つものの、馬体に重量感が出て来た。これも出脚が有る訳ではないものの、押して好位のイン。好調時は機動力がウリだった馬で、今日も勝負どころの手応えはサトノソロモンよりも良かった程。追い比べで最後に甘くなったが、一時の不振は完全に脱した。馬主はこのパターンに矢鱈拘っているが、最初から中央ならニシノデイジー程度には稼いでいた感も。合理性ではなく、哲学の問題なのだろうが。

タガノディアマンテ

前肢にバンテージ。見栄えがする馬ではないが、毛ヅヤが冴えてデキ自体は良さそう。折り合い面で大事に乗られて来た馬だが、この距離だと出脚は速く、スッと好位。展開上、出入りの激しい位置で、道中力んでいた影響も有っただろうが、直線は一瞬だけロジャーバローズに迫ったものの、最後は完全に脚が上がっていた。距離も微妙に長いのだろうが、今迄差していた馬が距離延長で積極策というのはナンセンスだった。

第41回新潟大賞典(GⅢ)

メールドグラース

遮眼革。全体に筋肉が付き切っていない。もう少し落ち着きも欲しい。好発切って、出脚を使わず中段から。外枠でも馬を前に置いて折り合いも付いていた。直線は少し我慢して、追い出したのはラスト400m辺りから。新潟で手前を替えずに走り切るのは案外難しいのだが、しっかり右手前のままフォームを崩すことなく、馬場のド真ん中を突き抜けた。馬は完成途上だが、それを鞍上が上手く御した格好。今週いきなり6勝のレーン騎手だが、これで良い馬も集まる筈で、GⅠ勝っても驚けない。

ミッキースワロー

このメンバーだと単純に馬が一枚上。とはいえ、腹回りは少し余裕残し。出遅れ1馬身不利。少し促して中段やや後方から。揉まれない位置で運べたが、道中は少し掛かり気味。ただ、直線は逆に少し進路を探すのに手間取り、前が開いてからも、今度は馬の方が物見をして頭が上がっていた。メールドグラースと3.5kg差で3/4馬身差ならハンデを言い訳に出来る範疇なのだが、能力は有っても気性的若さが解消し切れない。

ロシュフォール

2人曳き。-10kg。数字は減ったが、トモのボリューム感は落ちていない。気配も良かった。ゲートは出ているものの、出脚がサッパリで後方から。直線向いても追い出しを待てるだけ待って、実質300mの競馬に持ち込んだが、最後の最後に甘くなった様にも見えた。新潟でも、上がり32.8秒で負けたら馬は責められないのだが、もう少し末脚の持続性が欲しいところ。パワーアップすれば出脚も強化される筈で、この2点が少しでもマシになれば重賞に手が届く。

ルックトゥワイス

2人曳き。この馬としては無駄肉もなく、キッチリ出来ていたが、迫力に欠く。ゲートを五分に出てジワッと中段。メールドグラースを眺めながらの追走。直線向いて少し早目に仕掛けて、メールドグラースに並び掛けるところ迄は行ったのだが、そこから相手が追い出して一瞬で突き放され、更にクリノヤマトノオーと接触したことでフラフラになっていた。その割には渋太かったということもいえるのだが...。このメンバーでも圏内とはいえ、乗り方に工夫が要る。

ブラックスピネル

遮眼革。良い時はもっと馬体に張りが有ったが、今日は腹回りがボテッと映る。最初からの決め打ちだった様で、スタート直後に接触しているのだが、それでも押してハナへ。序盤のロスが有って1000m通過60.8秒ならスローに落とせた方だろう。直線向いて一旦は突き放す形迄は造ったが、最後は決め手の差。ただ、一昨年に東京マイルを逃げ切った時が上がり32.7秒。最悪は脱したとはいえ、ちょっと衰えが来ている。

第159回天皇賞・春(GⅠ)

フィエールマン

強調点がないのは何時ものこと。普通に緩んだところがなければ力は出せる。出遅れ1馬身不利。しかし、外枠が不幸中の幸いで、徐々にリカバーして中段。この馬とて、流石に鞍上が慌てると引っ掛かるのだろうが、坂の下りでは動かない等、冷静に乗られていた。丁寧に乗れば馬群の外でも折り合いが付くのが強み。2周目の坂の下りを利して進出。グローリーヴェイズも追い掛けて来て、直線入口でハナの分だけ一瞬出られたのだが、差し返してV。実戦で余計なことをしないのがディスタンス向き。逆にいえば2400m辺りで決め手の有る馬にやられるのは致し方ないところ。秋をどう戦うかが今後の焦点。

グローリーヴェイズ

2人曳き。前肢にバンテージ。一息入ったが、前走の状態は維持。もう少し力強さが有ればベストだが、気配も良かった。ゲート五分。行かせようと思えばもうすこし前に行ける出脚が有ったが、急かす理由もなく中段で折り合いに専念。この馬自身の位置取りはずっと一緒だったが、1周目のホームでフィエールマンが前に行って、マークに切り替える形。坂の下りでフィエールマンが動いて、外から一瞬は先頭。やったかの場面だったが、相手の底力が一枚上だった。前走もそうだが、最後の踏ん張りが甘い。フィエールマン同様、競馬が上手いのは確かなのだが。

パフォーマプロミス

-8kg。絞れた分、今日の方が馬体に張りが有った。気配もこれ位なら丁度。出たなりで中段から。折り合いが怪しい分、こちらはインへ入れていた。ただ、これが今日は良いのか悪いのか、2周目の坂の下りでフィエールマンやグローリーヴェイズに被される格好になり、一瞬行き場をなくしたのだが、結果的に勝ちはなくなったものの、脚が矯まる形となり、エタリオウとの3着争いを凌ぎ切った。基本的にはカンカン泣きする馬だが、これで58kgを背負い切ったといえるかどうか微妙なところ。レース後、骨折判明ということで何時も以上に馬が頑張ったことは確かだが。

エタリオウ

2人曳き。遮眼革。馬はこれで良いが、ちょっと集中力に欠く嫌いは有った。微妙に出遅れたことも有り、腹を括って最後方待機。一時は馬群と5馬身近く離れていたが、道中はリラックスして走れていた。2周目3角手前から進出、2周4角でフィエールマンやグローリーヴェイズの直後に付けたものの、そこからの脚がなかった。ただ、これはあくまで奇襲で、コーナーで動いていては相手の土俵で闘うだけ。ドン尻から行くならイチカバチかで直線一気に賭けた方が良かった気もしないでもない。

ユーキャンスマイル

+8kg。数字は増えたが、これはこれ。しっかり踏めて悪くなかった。毛ヅヤも前走東京戦より良くなっていた。出脚もない馬だが、ゲートも微妙に悪く後方に近い位置。道中は折り合ってスムーズ。2周目4角でエタリオウの直後ならそれ程悪い位置ではないのだが、追い出すと内にモタれてどうしようもなかった。左回りの方が無難。

第26回テレビ東京杯青葉賞(GⅡ)

リオンリオン

距離適性の怪しい馬が多かった中で、スカッと見せていた。気配もこれ位なら丁度。ゲートを斜めに出そうになっていたが、鞍上が上手くバランスを取って結果的に好発。出脚も速く、そのままハナへ。1000m通過59.9秒とソコソコのペースで飛ばし、3〜4角で少しだけペースを落として息を入れたが、後続も動いて来る気配がなく、直線向いても楽々単騎。直線入口で突き放し、最後は際どくなったものの一杯一杯振り切った。展開も向いたとはいえ、出脚が有ってスタミナが有るので競馬が楽になる。次走は相手が強いのだが、先行馬が皆居なくなってしまった印象も。その分だけ有利。

ランフォザローゼズ

-6kg。首でリズムを取って気配上々。馬体も迫力が有って纏まっている。少し出して好位から。逃げるリオンリオンの2馬身後方に2頭が追走、さらに3馬身離れた位置から。尤も、後続はそこから一時10馬身近く離れていた。ただ、直線向いてエンジンが中々掛からず、伸び出してからもフラフラ。マトモに走れたら勝っていた。乗り役もステッキを左右上手く対応しており、あくまで馬の問題。道中も、折り合いというよりは、むしろオッツケ気味だった。性能そのものは高いが、道悪も有るのか、まだ馬が若いのか...。

ピースワンパラディ

落ち着いていた点は好感が持てるが、寸が詰まったマイラー体型。前述した様に前4頭が飛ばす中、出たなりで後方グループの好位、全体で中段。1角迄に少しゴチャつき、マイルからの参戦だったこの馬には最悪の形だったが、意外に折り合いが付いていた。道中はしっかりインで脚を矯めて、直線も内から渋太く伸びていた。強いていえばラスト100m辺りで手前が替わって外にモタれていた点だが、この位は経験で変わりそう。競馬が上手いのが強み。1000万から再出発だが、最低でも準オープン迄は大丈夫。

キタサンバルカン

数字の割にしっかりした馬。歩様にも力強さが有る。気配も悪くない。外枠ということも有るが、ゲートも悪く後方から。前を壁にして折り合いを付けようとしていたが、序盤は結構行きたがっていたが、向こう正面で馬が納得した様で、そこからはスムーズ。直線だけ大外へ持ち出し、前とは15馬身以上離れていたが、1頭違う脚で追い込んで来た。コーナーの反応は決して良い様に見えなかったが、末脚は非凡。まだ500万にも使える馬だが、秋に希望が持てる。

サトノラディウス

シープスキンノーズバンド。-8kg。馬体は重量感有るが、少し発汗が目立った。大外枠だったが、少し出して中段から。ただ、ランフォザローゼズ同様、道中は少しオッツケ気味。直線も伸びそうで伸びなかった。前走中山の重馬場で凡走しており、良馬場の方が良いのは間違いないが、これだけ負けると少し能力差も感じるところ。

第54回サンケイスポーツ賞フローラステークス(GⅡ)

ウィクトーリア

2人曳き。テンションが上がっていないのは救いだが、腹回りはギリギリ。歩様にもスムーズさが欲しい。若干ゲート後手、更に直ぐ内のエトワールと接触と、踏んだり蹴ったりだったが、東京2000mの内枠の利は大きく、中段やや後方辺りから。出している分、多少力むのは仕方がないところだが、インで何とか我慢させられた。ただ、この位置では道中動くに動けず、直線も進路がなくて結構待たされており、マトモに開いたのはラスト250mだったが、前と7馬身程有ったのを捕まえてしまった。単純に力が抜けていたという以外にない。ただ、競馬は明らかに下手。今年は距離に不安の有る馬が多く、ノーチャンスとはいわないが、厳しそう。

シャドウディーヴァ

前後肢にバンテージ。垢抜けた馬体。毛ヅヤも良く、デキ自体も良さそう。インのローズテソーロだけ叩いて、中段やや前辺りから。折り合いはスムーズだったが、4角で少し動くに動けない形となり、直線も結構追い出しを待たされた。ラスト300m辺りで最内が開いて、一瞬良い脚を使っているのだが、外から来たウィクトーリアには届かず。ウィクトーリアとは道中のスムーズさが全く違っており、待たされたとはいえ評価の下がる敗戦。

ジョディー

2人曳き。前後肢にバンテージ。ダイワメジャー産駒らしい馬体。気配も良かった。出脚はウインゼノビアの方が速かったが、積極的に乗られて、叩いてハナへ。1000m通過60.4秒、坂下手前迄単騎で持ったまま。そこから追い出して、良く頑張っていたが、一瞬外にヨレてシャドウディーヴァに内をスクわれたのが痛かった。止まった訳ではないものの、最後は決め手の差だろう。馬体からは距離延長を歓迎しないが、過去のレース内容からも2000mの方が競馬はし易そう。東京戦の切符は逃したが、秋には間に合う筈。

パッシングスルー

+4kg。バランスの取れた造り。歩様もスムーズ。出たなりで中段から。下見で少しテンションが上がっていた割には折り合いはスムーズ。むしろ3〜4角中間の手応えがイマイチで、手が動いていた位だったが、直線で前が開いてからはそれなりに伸びている。強いていえば手前が何度も変わっていた分の負け。どうも一瞬の決め手に欠く印象も。能力そのものはこのメンバーでも互角。まだ500万に使える馬だが、1000万でも通用する筈。

フェアリーポルカ

落ち着きが有ったのは何より。迫力はないが、それなりにメリハリの利いた造り。ゲートは出ているが、大外枠故、中段がやっと。向正面で少し番手を上げ、コーナーでは我慢とそれなりにメリハリを付けて乗られたが、一瞬勝ったかの勢いながら最後に脚が鈍った。計算して上手く乗られたと思うのだが、内枠の馬にやられてしまった格好。一番強い内容。

第50回読売マイラーズカップ(GⅡ)

ダノンプレミアム

2人曳き。このメンバーでも馬は単純に上位だが、テンション高いのも相変わらず。好発。出脚も速かったが、流石に逃げる訳にも行かず、グァンチャーレに譲っての2番手から。そのグァンチャーレとは距離を少し取って、スローに落とさせ、上がりの勝負に持ち込ませてラスト200m手前で先頭に立つとそのまま押し切った。完勝。道中でも、鞍下の発汗が目立っていた様に、気性的にはギリギリの筈だが、折り合い面もギリギリ堪えてくれるのがこの馬の長所。とはいえ、今日はスロー過ぎてマトモな競馬にならなかった感も有る。次走東京戦へ向けて、本気でアーモンドアイに勝つ気が有るならば、もう少し強気に乗っても良かった。前回中京戦で述べた様に、押し出された場合も未知数。

グァンチャーレ

-8kg。暖かくなって絞れたことも有るが、今日は良く見せた。トモの甘さも何時もよりマシ。好発。出脚はダノンプレミアムの方が速そうだが、相手が控えてくれてハナへ。開幕集の馬場で1000m60.3秒は流石に遅い。仕掛けのタイミングもゆっくりだったが、ダノンプレミアムの決め手が一枚上だった。とはいえ、2着は確保。基本的には非力な馬で、平坦の方が良いタイプだが、前走は同じ京都でも力の要る馬場での勝利。少しずつでも強くなっている。

パクスアメリカーナ

前後肢にバンテージ。-8kg。相変わらずテンションは高いが、馬はキッチリ出来ていた。一歩目が速いという訳ではなさそうだが、行き脚が付いてからは速く、スッと3番手。道中は基本的にインディチャンプと並走。同厩舎ダノンプレミアム同様、これも下見の割に実戦で折り合いが付く。道中でインに居た分、4角を勢い付けて回ったインディチャンプに直線序盤は出られたが、最後に差して3着浮上。この上がりの競馬で中々強い内容。ダノンプレミアムがもう少し早目に仕掛けていれば2着で、被害者といえなくもない。本来なら次走狙い目となるが、残念ながら故障とのこと。

インディチャンプ

+10kg。毛ヅヤが良いのは前走東京戦同様だが、数字分だけ余裕残し。良し悪しは別にして前走の方が研ぎ澄まされた印象は有った。この馬としてはゲートを出た方。出脚が速い訳ではないが、少し押したら、引っ掛かってしまい、序盤は折り合いに汲々としていた。3角で馬が納得した様で、そこからはスムーズだったが、最後の最後に甘くなった。勿体ない内容。絞れれば変わりそうだが、これで積極的に乗れなくなったのは痛い。

ストーミーシー

前肢にバンテージ。腹回りがボテッと映る。これが絞れるだけでも大分違う筈だが...。例に依って出脚がサッパリで後方に近い位置。インで脚を矯めて、前も32秒前半の脚を使っているだけに流石に届かなかったが、この馬も32.0秒とメンバー中最速。今日の状態でこれだけ走れるなら能力は秘めているといえそう。兎にも角にも馬体さえ絞れれば。