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競馬回顧 2018年2回小倉

サマー2000シリーズ第5戦 第54回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

ブラストワンピース

シープスキンノーズバンド。流石にこのメンバーだと馬自体が一枚上。ただ、前走のダービーが太く映っただけに、もっと絞った方がベスト。休み明けで出脚が鈍ったか、若干出負けしたことも有って後方から。向正面の段階で出来る限り外へ馬を置かない様に、とはいえコーナーロスを最小限に留めつつも、直線は馬場の良い大外へ。最後はほぼ外ラチ沿いだったが、1頭だけ脚力が違った印象。圧勝だった。次走京都戦とのことで距離への対応が鍵となるが、取り敢えず折り合いが付いたのは収穫。下見のシルエットは明らかに太いのだが、この位ユッタリ造った方が気性的には良いのかも。

メートルダール

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。+20kg。数字はほぼ回復分で、張っていたが、如何せんイレ込みがキツい。元々がそういうタイプの馬だが、下見で気負っていたことも有って、最初から折り合いに専念して最後方から。ブラストワンピースを前に置いて我慢して走っていた。直線もブラストワンピースの直後から。中々真っ直ぐ走ってくれず、暫くは首をかなり外へ向けて追い辛そうにしていたが、内の馬をパスして追い出したところ内にモタれながらでも一瞬脚を使って2着浮上。良い時と悪い時の差が有る馬だが、マトモに走ればこのメンバーでも何とかなる能力は有る。今春中京戦が大人しくてサッパリだったことを考えると、今日位イレ込んでいても良いのかも。

ショウナンバッハ

遮眼革。馬体のキレが若干甘く、絶好調という訳ではなさそう。まずまず程度。出遅れ1馬身不利。そのまま後方から。これも折り合いは付いていた。直線は馬群のド真ん中へ突っ込んで、前が開いてからの追い出し。大外をノビノビ走ったブラストワンピースとメートルダールとは流石に脚が違ったが、多少狭いところをコジ開けながら3着は確保。左回りに良績集中している馬で、流石に今日は過小評価だった印象も有るが、展開が向いてこの程度という気もしないでもない。今後は厳しい。

エンジニア

パシュファイヤー。気配、デキとも良いが、明らかにマイラー体型。ゲートは出ているが、出脚が案外で後方に近い位置。完璧に折り合っていた訳ではないが、立ち回りはスムーズ。直線は眼前に居たブラストワンピースやメートルダールとは脚が全く違っていたものの、準オープン即重賞でこれだけ走れば上等という見方も出来る。2000mでも前走中京戦で勝っているが、元々走っていたマイルで一度見てみたいところ。

メドウラーク

-10kg。馬に細い印象はない。歩様に力がないのは毎度。新潟だと出脚がない訳ではないが、例に依ってジックリ乗られて後方から。インを突くのは最初からの決め打ちだった様で、直線だけ馬場の良い真ん中に出してここ迄。規定上、5着以上でないとサマー2000シリーズのチャンピオンとはならず、丸田騎手は大仕事が出来た。

第38回小倉2歳ステークス(GⅢ)

ファンタジスト

2人曳き。+16kg。馬体に張りは有ったが、腹回りは多少ボテッと映った。ただ、気配は上々。セプタリアンが外枠発走となって流石に出ッパはバラつき、この馬も決して良い方ではなかったが、それ以上に出脚が圧倒的に速かった。内の馬に譲っただけでほぼ労せず3番手が確保。右回りが初めてということで4角で少し外に逃げそうになっていたが、それでも前の馬を被せると、直線は独走だった。単純に絶対スピードが一枚違った印象。とはいえ、抜け出した際に耳を立てて、止めそうになっていた様に気性的に若い面も残っている。

アズマヘリテージ

前後肢にバンテージ。馬体に力が付いていない現状だが、歩様はしっかりしていた。とはいえ、集中力は散漫。半馬身出遅れ。これも出脚は有りそうで、出して行って有る程度良い位置に居たが、コースロスを嫌って、3角で位置取り構わずインへ潜りに行った。4角では前に何頭か馬が居たが、直線で最内が開いて2着浮上。新馬の時計が平凡だったことも有って妙に人気がなかったものの、戦前述べた様に多頭数で勝った強みが生きた印象。言い換えれば今後には繋がり辛い。

ミヤジシルフィード

-14kg。こちらは前走が太く、絞れたモノ。口から泡を飛ばして、気合も乗っていた。好発も、出脚が速い馬が他に居て、6番手辺り。これはこれだったが、3角から外の馬に被されてしまい、動くに動けない形となってしまった。直線向いてバラけてからはそれなりに伸びている。トビが大きいので、こういった形も向いているとは思えず、それなりに評価出来る3着。あとは中央場所でデビューした馬との力関係。

アーデントリー

前肢にバンテージ。コンパクトに纏まった馬体。歩様は結構ブレていたが。ゲートは出ているが、押しても進んで行かず最後方から。道中もお世辞にも手応えが良さそうに見えなかったが、最内を回して途中迄アズマヘリテージに付いて行く形でここ迄。今日の内容だけだと評価し辛い。ただ、前走はそれなりに出脚が有った。ゲートで待たされた影響もそれなりに有りそうで同情の余地は有る。

チュウワフライヤー

前後肢にバンテージ。数字通りの迫力が有って、歩様も力強い。出脚は他に速い馬も居たが、最内枠ということで何が何でもの構えでハナへ。出脚が甘かった割には楽に行かせて貰えた様にも見えたが、それでも重賞となると後続がそれなりに付いて来てしまい、直線は苦しくなった。初めて逃げる形で、競馬こそ普通に出来たものの、この形が板に付くには出脚がもっと欲しいところ。

第53回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(GⅢ)

ニシノデイジー

前後肢にバンテージ。下見所の外をノビノビ周回。馬体にキレが有って、歩様も伸びていた。最初から行く気なく中段やや後方で折り合いに専念。1角でナイママに少し寄られたことも有ったが、道中は多少力んでいた。ただ、そのナイママが向正面で動いてくれて、その直後で展開的には絶好の形になった。ナイママが3角で一呼吸入れて、再び4角手前から追い出して直線入口で先頭。上げ膳据え膳で勝たせて貰った格好。とはいえ、馬にもそれなりの能力がないと出来る芸当ではない。3代母のニシノフラワーは、1200m時代の1991年の覇者でも有るが、それ以上に、当時オーバーシードを初めて導入して異様に時計が掛かっていた阪神で阪神3歳牝馬ステークス、桜花賞と勝った洋芝血統。父ハービンジャーなら尚更。言い換えれば時計勝負でどうかだが、こういう条件になれば強い。

ナイママ

+6kg。前走が細かった。大物感はないが、毛ヅヤが良くて動きもキビキビしており、デキは間違いなく一番。ゲートは速かったが、外枠を克服する迄の出脚が足りず、前述した様に多少強引ながらも1角では中段。兎に角コースロスを最小限にしたかった様で、1角は縦位置は別にしても、横は内に1頭だけ。向正面で番手を上げたのも理屈は一緒。結果的に4角先頭で、ニシノデイジーの良い目標にされてしまった感は有ったが、ズルズル行きそうなところをクビ差で踏ん張った。一番強い競馬をしているのは間違いない。あとは成長力と如何に壊さず使えるかどうか。プレイアンドリアルの二の舞だけは避けたいところ。

クラージュゲリエ

2人曳き。-6kg。気配はこれで良いが、もう少し馬がフックラした方がベスト。細く映る。最内枠であまり位置取りを下げたくなかっただろうが、とはいえ急かす訳にも行かず中段やや後方から。その甲斐有って折り合いは付いていたが、3角手前から置かれ出して、コーナーもロクに回れていなかった。直線も一瞬突き抜けそうな脚勢だったが、内にササってマトモに追えなくなってしまい、立て直している間にゴール板を過ぎてしまった。勿体ない競馬。レースレベルは別にして、性能そのものは高そうだが、まだまだ。

エメラルファイト

毛ヅヤは悪くないが、馬体にメリハリがない。歩様に硬さが有ったのもマイナス。出遅れ1馬身不利。そのまま後方で折り合いに専念。3角迄は徒に動かず、当初は4角もインを突くつもりだった様だが、前の馬が次々下がって来て、結局は外へ。結果的にクラージュゲリエの後追いとなり、一手遅れてしまった。ただ、クラージュゲリエが内にモタれていたことを考えると、この馬自身も決め手が足りない。

アフランシール

2人曳き。前肢にバンテージ。+10kg。胴長の馬体で見栄えするが、明らかに緩く、歩様も頼りない。出脚は有って楽に好位は確保出来たが、最初から行きたがっていた。これも道中はインに居て、4角から下がって来る馬を捌きながらの競馬。流石にあれだけ力んで伸びないのは仕方がないところ。新馬の函館戦は折り合っていたが、一回使って悪い面が出て来た様。

第38回新潟2歳ステークス(GⅢ)

ケイデンスコール

2人曳き。腹袋がしっかりして、メリハリなく映るが、歩様はしっかり。ゲート自体は五分に出ているが、急かさず後方から。道中は馬を前に置いて脚を矯め、直線は大外。逃げたエルモンストロが馬場の真ん中へ持ち出した為、全体の馬群が外へ寄り、この馬は馬場の8分どころだったが、それでもしっかりした脚取りで突き抜けた。メンバー低調だった感は否めないとはいえ、大事に控える競馬を教えて来たことが生きた面も。取り敢えず3歳春迄は一線級で頑張ってくれそう。

アンブロークン

500kgを超える馬でも、全体に緩慢。歩様にも力がない。出遅れ1馬身不利。前に馬は居たが、道中はマトモに引っ掛かっていた。コーナーで何とか折り合いが付き、直線は馬場の6分どころから一旦は先頭。徐々に外へ寄せて最後は甘くなりながらも2着に踏ん張った。お世辞にも完成度の高い馬には見えないが、直前に雨が降ったことで馬場が悪くなり、馬格がモノをいった印象も。それだけ今年のメンバーは低調。

スティルネス

コンパクトに纏まった造りだが、歩様にギスギス感がないのは何より。ゲートを五分に出て好位から。1200mからの参戦だが、折り合いはスムーズ。逃げたエルモンストロはそれなりに飛ばしていたが、2番手以下が離れており、実質はスロー。従って展開的には悪くなかったのだが、この馬場で我慢比べが出来る馬格ではなかった。もう少し矯める乗り方なら勝っていた可能性も有っただろう。とはいえ、初のマイルでいきなりこの競馬が出来るのだからセンスは高い。成長して来ればきょうのメンバーに負けることはない筈。

ジョディー

前後肢にバンテージ。+16kg。多少緩さは残るが、馬体増自体には好感。もう少し馬力が来れば理想的。好発も、ジワッと行かせて中段から。道中は少し力んで走っていた上に外へ逃げ気味だった。直線はスティルネスを目標に追い出されたが、追い付くどころか更に外のケイデンスコールに交わされ、最後だけ内に切れ込みながら盛り返して4着。とはいえ、来年から降級がなくなることを考えると、2歳重賞は3,4着辺りが一番オイシイともいえるのだが。

エイシンゾーン

後肢にバンテージ。数字はないが、骨格はしっかりしたタイプ。ただ、全体に成長の余地は残す。ゲートを五分に出て好位の内目。前走中京戦もそうだったが、現状は前に壁がないと多少行きたがる面が有る。直線暫く先頭に立って見せ場は有ったが、今日の馬場で内目を通って頑張り通すのは至難の業。これで良く頑張っている方だろう。行ける出脚は有っても、もっと矯めた方が良さそう。

サマースプリントシリーズ第5戦 第13回キーンランドカップ(GⅢ)

ナックビーナス

2人曳き。悪い時の硬さがないのが何より。馬も迫力が有る。好発。この馬より内の馬が速くなかったことも有ってスンナリハナへ。多少絡まれたことも有って、前半600m33.7秒と、馬場状態を勘案すれば若干オーバーペースだが、それでも楽に先手を取れた利は大きく、むしろ後続の方が苦しくなった。直線入口で突き放すと、そのまま押し切って完勝。基本的に硬いタイプの馬で、如何に流れに乗れるかがポイントとなるが、ハナを切れればそれに越したことはない。ただ、今日はこういう馬場が向いた上に、内目の馬が挙ってゲートを失敗した利も大きかった印象も。

ダノンスマッシュ

2人曳き。前後肢にバンテージ。一歩一歩が力強く、このメンバーでも馬は負けていない。出脚は有りそうだったが、ゲートでナックビーナスと1馬身差が有り、その番手から。ペース速かったとはいえ、絶好位で運べたが、その割に直線入口でナックビーナスに突き放されて2着確保がやっとだった。あの位置が取れた以上、同じ2着でももっと際どい競馬に持ち込みたかったところ。馬は間違いなく良いので、先々もっと走って来るだろうが、現時点では重賞だと厳しい。今日は評価が下がる敗戦。

ペイシャフェリシタ

前後肢にバンテージ。スカッとした造り。姿勢が高く、トモに力がない様に映る。この馬としてはゲートを決めて好位から。前は少しやり合っていたが、序盤は上手くそれらを眺めながら運べた。ただ、3角でダノンスマッシュに前をカットされ一瞬手綱を引っ張る場面。良い脚が長く使えるタイプではないだけに、ちょっと勿体なかった。直線もダノンスマッシュが捕まえられそうでつかまえ切れず3着止まり。持ち味のセコい競馬は出来たが、これも重賞だとワンパンチ足りないとみるのが妥当。

キャンベルジュニア

-8kg。今春は明らかに太かったが、やっと絞れて来た。ただ、気配は地味。ゲートは出たが、1200mだと流石に忙しく、道中は中段。外枠に救われた分は有ったとしても、流れに乗るのに少し脚を使った印象。更にトビが大きいので、コーナリングも若干甘く、トゥラヴェスーラにマクられそうになっていた。直線も伸びてはいるが、ジワジワ。流石に小回り1200mは合わないが、その中での4着は地力の一端を示したともいえる。

スターオブペルシャ

オーストラリアンブリンカー。気配はむしろ地味な位だったが、馬体は緩んだところもなく悪くなかった。この相手だと出脚が通用せず、後方から。4角で動くに動けず、手綱を引っ張る場面も有り、直線もそのまま内から。前走が新潟マイルではなかったら、もっと出脚も付いて楽な競馬になっていたと思うが、今日はこれで良く捌いた方だろう。実績を考えてもベストは1400m。

レッツゴードンキ

近走はほぼ毎回同じ状態で走れている。強いていえば何時もより少し毛ヅヤが良い程度。これもマイルからの参戦で出脚が鈍り、後方から。岩田騎手らしく、コーナーは徒に動かず、直線だけ外へ。ただ、今日の展開で着順自体は仕方がないとはいえ、もう少し伸びてくれても良かった。1200mだと少し厳しくなっているかも。

サマー2000シリーズ第4戦 第54回札幌記念(GⅡ)

サングレーザー

馬体はこれで問題ないが、左後肢の踏み込みが若干甘いのは気になった。出たなりで中段から。勿論、距離はやってみないと分からないところで、インで折り合いに専念して大事に乗られた。サクラアンプルールが引き金を引いて、4角は昔のローカルハンデ重賞の様なマクり合戦となり、インに居たこの馬にとっては動くに動けない展開となったが、それが結果的に幸いした印象。直線で1頭分だけ有ったスペースに突っ込んで、一瞬の脚だけでハナ差制した。これで2000mが保ったとはいえないが、力の要る馬場を苦にしないのは強み。前走東京戦は外枠を早目に動いて失敗したが、時計勝負にも良績有り、マイラーとしては現役最強クラス。あとはデキの問題。下見はお世辞にも感心しなかった。

マカヒキ

2人曳き。休み明けで8割程度のデキ。昨秋の方が馬は明らかに良かった。トモに力強さを欠く。ゲートは出ているが、例に依って出脚がなく後方から。1000m通過59.1秒と、馬場状態を考えればソコソコ流れたが、前述した様にマクり合戦となってくれたことで、馬群が凝縮して絶好の展開になった。一瞬は突き抜ける勢いだったが、サングレーザーの立ち回りにやられた格好。これもデキが若干微妙な面は有るものの、一応は復活。時計の掛かる馬場は本質的には向かない筈だが、それでも走れたということで、精神面が立ち直っている点を評価したい。

モズカッチャン

2人曳き。UAE戦帰りだが、キッチリ出来ていた。気配も文句なし。外枠、出ッパも悪く、メリハリを利かせて最後方から。結果的にマカヒキをマークする形。ただ、使える脚はそれ程長くない馬で、4角はマカヒキが外をブン回したのに対し、こちらは躊躇なく馬群の中へ。サウンズオブアースの前が開いて、ここ迄。惜しい3着。抜け出して直ぐマカヒキに絞められていなければ勝っていた。馬も牡馬相手に良く頑張ったが、それ以上にサウンズオブアースは近走不振で、そこを狙えた鞍上の判断もお見事。

サウンズオブアース

休み明けということも有るのだろうが、悪い時の硬さがなかった。馬体も出来ている。ゲートは出ているが、例に依って出脚が甘く後方に近い位置。道中は少し鈍らな位の手応えだったが、勝負どころではマカヒキと一緒に進出。ラスト200mから脚勢が鈍り出したが、一瞬はオッと思わせる内容。とはいえ、今日の展開だと勝ち負け持ち込まないと値打ちはないところ。急に道悪で走り出した点も衰えのサインという気もしないでもない。

スティフェリオ

毛ヅヤが冴えて現状のデキ自体は良さそうだが、まだ馬の造りそのものが若い。好発。出脚は有りそうというより、むしろ抑え気味に好位。今日の展開でこの位置は一番キツかった筈だが、4角でサクラアンプルールにマクられそうになるのを必死で抵抗しながら直線は差し返した。手前が替わっていなかった辺りにまだ甘さは有るものの、今日は馬を強くしてくれる競馬。今後が楽しみに。

サマースプリントシリーズ第4戦 第53回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

アレスバローズ

前後肢にバンテージ。馬体は前走中京戦でも目に付いたが、それ以上に歩様が落ちていないのが何より。通常の相手なら出脚で負ける馬ではないが、今日は軽量で速い馬が多く、少し出して中段のイン。前走も流れたが、今日も前が飛ばして前半600mは32.4秒というハイペース。その割にコーナーで動いて行った馬が多く、4角でインが開いたのが大きかった。直線も1頭分ながらスペースを確保。先に抜け出したラブカンプーを捕まえて最後は1馬身半差。決勝線寸前で、頭を上げて馬は止めそうになっており、集中して走れていればレコードだっただろう。これで重賞連勝。完全に本格化した。あとは時計が掛かる馬場になった際がどうか。

ダイメイプリンセス

2人曳き。前走新潟戦も迫力満点だったが、今日もそのまま。多少テンション高いのもスプリント戦だけに許容範囲。今日もゲートを決めて中段の外。1000m戦以外は案外の馬だが、意外と折り合いは付いていた。3〜4角中間で仕掛けたトウショウピストのマクりに乗る形で動いて行ったが、良く差してはいるものの、結果的にアレスバローズとのコース取りの差が出た形。逆にいえば強い競馬をしている。ただ、これも時計が掛かった時が疑問。今日はペース自体が1000m戦の様なモノだった。

ラブカンプー

華奢でも何とか馬体は維持出来ている。歩様も幾らかマシになった。好発も、内から主張したゴールドクイーンとナインテイルズに行かせて3番手から。1000m戦の直後、更に前に壁がなかったことも有ったか、ちょっと行きたがっていた。ただ、前述したトウショウピストがマクりに来て、そのまま行かせて4角先頭。一瞬は勝ったかの展開だったが、流石に最後は甘くなった。とはいえ、見せ場タップリ。見た目からは手が出し辛い馬で、レースでの消耗も大きい筈だが、明らかにパフォーマンスが走る毎に上がっている。兎に角タフ。

グレイトチャーター

多少硬いのは何時ものこと。馬体は強調点もないが、減点材料もない。スタート直前にゲートを突き破ったが、躓き気味に出てしまい、カンパイとはならず、結局は後方から。ただ、上手く馬群が切れてインに潜り込めたのは不幸中の幸いだったか。4角で一瞬だけ外を意識したが、開かないと見るや否やアレスバローズの進路をそのまま通ってここ迄。殿負けだった前走中京戦から一変したとはいえ、今日は上手く行った感が強い。

セカンドテーブル

シープスキンノーズバンド。+8kg。増えるのは歓迎だが、少し緩い印象も有った。ゲート自体は出ているが、両サイドに挟まれる不利。これで出脚が鈍ったが、仕掛けて何とか中段から。このロスの割には流れに乗れている様にも見えた。直線向いてダイメイプリンセスの直後。流石に切れる脚は使えなかったが、雪崩れ込んで入着。今日のペースで先行したらどうなっていたか微妙だが、不慣れな競馬でこれだけやれれば上出来。

サマーマイルシリーズ第2戦 第53回関屋記念(GⅢ)

プリモシーン

+10kg。3歳牝馬だけに馬体増は素直に好感。尤も、寸の詰まったマイラー体型。今日はゲート五分。新潟だと流石に出脚で苦しい様なこともなく、中段やや後方で折り合いに専念。直線向いて軽く外へ持ち出されると、上がり33.4秒の脚で快勝。ただ、レコードにコンマ01秒ながら、追い出して直ぐの反応はもっと突き抜けても良かった。ラスト250m辺りで手前が替わって、そこから内にモタれた分、2着馬と差が広がらなかった格好。流石にこの相手でこの斤量なら決め手が上だったということになるが、これからGⅠ戦ということになると、もっと体質が強化されないと厳しい。

ワントゥワン

テンションが高く、馬自体にもギスギス感が有った。ゲートは出ているが、最近のパターン通り、最初から全く行く気がなく最後方から。折り合いは序盤だけ多少怪しかったが、下げたことも有って、直ぐにリラックスして走れていた。直線は前走中京戦同様、インを突きたかったところが外へ持ち出さざるを得なかった影響も有るが、この馬自身が良い脚が長く続かないタイプで、最後に甘くなった印象。ただ、プリモシーンと違って手前が替わっても真っ直ぐ走れていた点は好感が持てる。もう少し馬が良くなれば突き抜ける筈。

エイシンティンクル

前肢にバンテージ。胴長でスラッとした馬体。イレ込んでいる気配ではなかったが、時期が時期とはいえ、発汗が多いのは気になった。好発決めてハナ。後続が突いたことも有って、向正面では多少力んでいた様にも見えたが、後続が止めてくれてからはマイペース。この馬も1分31秒台で走って3着は確保した。ただ、新潟はマイペースで行けることが多く、力の有る逃げ馬ならむしろ勝ち易いコース。今日の展開で負けた以上、言い訳はない。

ヤングマンパワー

シープスキンノーズバンド。+18kg。馬体はこれでも良いが、もっと歩様に伸びが来ないとダメ。好発。外で壁がない状態だったが、少し掛かる位の行き振り。深追いすると伸び切れないので、昨年同様のイメージで乗られた。直線向いて一瞬だけオッと思わせる脚を見せたが、馬装通りの走法で詰めが甘いのも毎度。その昨年も+16kgで4着だった様に、恐らく夏場は体調そのものが良いのだろう。コース適性はあくまでたまたまで、新潟が特別得意という訳ではなさそう。

ロードクエスト

2人曳き。自分から引っ張って行く程の気配。腹袋が目立つのは体型も。出脚が速い訳ではないが、少し出して好位から。急かした割には折り合いも付いていた方だろう。直線はプリモシーンと一緒に伸びて来たが、ラスト200mでプリモシーンに交わされたところで、そのプリモシーンに寄られ、そこで逡巡してしまったのが痛かった。最後は微妙ながら盛り返している。出して行って一瞬の脚がないのは仕方がないところで、昔を考えれば持続力は増している。今なら改めて矯める競馬に徹しても良いかも。

第23回エルムステークス(GⅢ)

ハイランドピーク

-8kg。数字は減ったが、馬体充実。少し気負う位の気配も小回り戦だけに好感が持てる。今日はゲートを決めた。出脚自体は決して速くないが、仕掛けて好位。今日は馬に気力が有り、乗り役も強気に乗って3角から仕掛ける形。3〜4角中間辺りから逃げたドリームキラリと一騎打ち。直線入口で競り落とすと、あとは独走だった。今春の中山で横山典弘騎手が出遅れて失敗しているが、要は如何にゲートを出て、力任せに運べるかがポイント。今日は駐立に問題なかったが、その辺りが安定しないのが課題。性能そのものは高い。

ドリームキラリ

遮眼革。+12kg。腹回り多少ボテッと映る程度。馬体に張りが有って、極端に太いイン印象はない。出脚が速く、一瞬で1馬身抜けて、ほぼ労せずハナへ。1000m59.6秒だから平均ペース、後方待機のミツバは乗り役の意識になかっただろうが、ハイランドピークにピッタリマークされると厳しかったところで、間にブラゾンドゥリスが噛んでくれたのは有難かっただろう。それでもハイランドピークには許して貰えなかったが、直線入口で交わされてもバタッとは止まっておらず、2着は確保。距離を問わずハナなら渋太い。ただ、前走中京戦はマテラスカイ相手にスピード負けしており、1400mで如何に出脚負けしないかがカギとなる。1800mが保つならその方が競馬はし易いだろう。

ミツバ

遮眼革。馬体はそれ程迫力の有るタイプではなく、何時ものこの馬。歩様に勢いが有って、デキに問題はない。ゲートは出ているが、出脚サッパリで後方。外枠ならまた違った対処法も有ったが、内枠だけに一回最後方迄下げざるを得なかった。そこからほぼ追い通しだったが、4角でも前と10馬身位の差が有り、これでも相当頑張っている方。要は小回りが絶望的に向かない。ハイランドピークを別にすれば、一枚上の能力を持っている。

ロンドンタウン

前後肢にバンテージ。前走もそうだったが、少し太い。緩さも有って、決して良くは見せなかった。520kgは切った方が良さそう。ゲートは五分程度に出て好位直後。ソコソコ流れた割に行き振りは良かった。勝負どころの手応えも決して悪くなかったが、前と似た様な脚色で雪崩れ込んだだけで、最後はミツバに捕まって4着に。昨年の覇者で、もう少し走れても良いのだが、馬体が太かったのとメンバーが強くなった分か。

アンジュデジール

唯一の牝馬だが、そこ迄見劣らない。とはいえ、もう少ししっかり踏めると理想的。ゲートは若干安目を売ったが、少し仕掛けて好位から。ハイランドピークの強さは乗り役も良く分かっているところでマークする形。牡馬相手ということで直線で伸びることはなかったが、掲示板は確保。昨年の様にもっと軽い馬場になって欲しかったところだろう。それでも牝馬戦なら現役トップクラスといえるだけの能力は示した。今後も馬主孝行な馬として頑張ってくれる筈。

第10回レパードステークス(GⅢ)

グリム

後肢にバンテージ。重心の低いダート馬らしい体型。もう少し歩様に力強さが出ると理想的。スタート直後に躓いた様にも見えたが、立て直してからの出脚が速く、ハナへ。1000m通過が61.9秒とスローに近い流れに落とせた上に、2番手に居たフロリアヌスの手応えがイマイチだったのもこの馬には良い方に向いた。ただ、基本的にはヒラボクラターシュの展開だった筈。差されておかしくない勢いで来られたが、最後の踏ん張りが勝利に繋がった。前走東京戦の様に自分のパターンに持ち込めなかった時が課題だが、渋太い面が分かっただけでも。

ヒラボクラターシュ

前後肢にバンテージ。馬主の好みだろうが、重厚感の有る馬体。悪く言えば腹回りがボテッと映る。好発。出脚も有ったが、枠が遠く、ジワッと行かせる形で好位の外。行き振りも良く、4角手前で少し仕掛けを待てる位の余裕も有った。直線の勢いでは差し切っていたが、最後の最後に甘くなって2着止まり。能力の問題か、ずっと外を回された分かが微妙だが、大トビだけにこの競馬が合っているのは確か。

ビッグスモーキー

530kgの馬だが、トモに迫力は有るものの、腹回りはスカッとしたメリハリの利いた馬体。気配も良かった。一完歩目は決して速くなかったが、行き脚が直ぐに付いて3番手から。逃げた馬が勝つ流れで、展開的には悪くなかったが、直線向いて一瞬反応したものの、左手前に戻ってからが甘かった。前走福島戦からもう少しやれても良い筈。広いコースは向いていても、左回りが案外かも。

ドンフォルティス

前後肢にバンテージ。少し寸が詰まった脚長の体型。しっかり踏めていて、気配も良かった。この馬の出脚で中段から。向正面でステッキが飛んでおり、お世辞にも手応えは良さそうに見えなかったが、直線で外へ持ち出してからはジワジワ伸びている。頭が微妙に高いので、距離は1800mでも微妙に長いのだろうが、それ以上に砂を被ったのがマズかった様。現状だと1400m辺りで差す競馬が向いていそう。

アルクトス

前後肢にバンテージ。骨格の確かな大型馬。見栄えはするが、まだ緩い部分も残る。好発。ハナへ行ける出脚だったが、グリムに譲って、その直後から。道中は脚が矯まっている様に見えたが、いざ追ってからが案外。良馬場だとパワー面で厳しいのかも。未勝利、500万と不良、重で制しており、渋った馬場がベスト。

サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第54回小倉記念(GⅢ)

トリオンフ

2人曳き。雄大な馬体で見栄えがする。下見は完歩の小さい歩様だが、レースに行けばこれでも飛ぶ。出脚は一番速かった位だが、マウントゴールドに行かせて2番手。道中もソノ気になっており、結構行きたがっていた。押さえ切れない手応えで、3角過ぎから被せに行って、4角手前で既に先頭。あとは独走だった。レコード決着だが、恐らくこの時計なら他馬は付いて来れないという計算も有っただろう。次走は東京戦直行とのことだが、今年は意外に2000mベストという馬が少なく、この時計で走れるなら面白い存在。

サトノクロニクル

天皇賞以来ということで、完璧ではないが、歩様がしっかりして来たのが今年の成長。3200mの後だけに出脚がサッパリで、最初からステッキが飛んでいたが、外枠に救われて何とか好位を確保。トリオンフをマークする形。4角も持ったままのトリオンフに対し、置かれ掛かっていたが、ギリギリマウントゴールドを捕まえて2着浮上。今日の内容だけをいえば2000mが短いということになるが、前述した様に臨戦過程の問題の方が大きいだろう。かつては馬が貧弱でこういった急かす競馬をしてしまうと競馬にならなかったが、この競馬が出来る様になったことを一番評価したい。

マウントゴールド

+10kg。この時期の馬体増は歓迎材料だが、今日は煩い。出脚はトリオンフの方が速かったが、そのトリオンフに行く気がなく、押し出される形でハナへ。見た目はトリオンフにずっと絡まれる形だったが、それでも1000m通過60.0秒だから可愛がってくれた方だろう。3角過ぎからレースが動いたことで、この馬も苦しくなったが、後続も脚が上がっており、何とか3着は確保した。今日の競馬でもう一段強くなりそう。まだ準オープンにも使える馬だが、充分重賞クラス。

レイホーロマンス

+6kg。トモに迫力が有って、数字より大きく見せる。歩様もしっかりしていた。出脚は有ったが、折り合い重視で乗られて後方に近い位置。内ラチ沿いはキョウヘイに取られたものの、基本的にはコースロスなく乗られた。直線はそれなりに伸びていたが、前も止まっておらず、雪崩れ込んだ様な雰囲気で入着。もう少し前で乗られたら、ということにはなるが、軽ハンデを生かす騎乗だけに仕方がないところ。現状だと展開が有って何とか3着が有るかどうかという程度。

ストーンウェア

一息入って-6kg。今後の上積みは期待出来ない仕上げだが、今日のところはキッチリ出来ていた。出脚が抜群に速いという訳ではなさそうだが、内2頭はそれ以上に出脚がなく、それらだけ叩いて好位から。道中はコースロスなく回し、3〜4角中間からサトノクロニクルを追い掛けるイメージで乗られたが、最後は脚色一緒になってしまった。蛯名騎手にJRA全10場重賞制覇の記録が掛かっており、休み明けでもそれなりに仕上げられていただけに、この差は馬の能力という外ない。

サマースプリントシリーズ第3戦 第18回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

ダイメイプリンセス

2人曳き。+4kg。馬体は増えたが、むしろ前走中京戦より締まっていた。気配も今回の方が上。毎度のことながらゲート自体は決して速くないが、出脚は有って好位から。外枠は基本有利だが、差し馬となると前が壁になることも多く、今日も暫く開かなかった。バラけたのはラスト300m程。そこから一気に突き抜けた。結果的に上手く脚を矯められた感も有ったが、時計もソコソコ速く、完勝といえる内容。特殊な競馬だけに次走以降は厳しいのだろうが、今日のところは文句なし。

ラブカンプー

このメンバーでは明らかに格下。まだ馬が華奢。歩様にも力がない。斤量の恩恵は大きい様で、前走京都戦より出脚が有ってスッとハナ。道中もスピード負けするかと思ったが、少し抑える位の余裕が有った程。流石にダイメイプリンセスの決め手は違っていたが、楽々2着は確保した。ただ、時計が速かった様に追い風の恩恵が有った気もしないでもない。馬力はないだけに余計に吉と出た。周回コースで何処迄踏ん張りが利くかは未知数。

ナインテイルズ

毛ヅヤピカピカ。歩様に伸びが有りながら、踏み込みが深い。外枠の馬にゲートを失敗した馬が多かったが、この馬は出た方でラブカンプーの直後から。手応えは決して悪くなかったが、ラスト150m辺りから徐々に脚が鈍って3着止まり。対ラブカンプーで5kg差有っただけに力負けではないが、外枠の恩恵も有った。評価に迷うところ。直線競馬の適性は間違いなく高いのだろうが。

レジーナフォルテ

腹回りがボテッと映るのは体型。緩んでなければ力は出せる。歩様も多少硬いが、こんなモノ。これもラブカンプーの直後。ナインテイルズが外に居て、この馬が内に居る形。枠順がどれだけ響いたかが良く分からない面も有るが、ナインテイルズより早く手が動いてしまい、何とか4着に粘り込むのがやっとだった。昨年3着馬だが、ナインテイルズとは斤量差が有っただけに、今年の方がレベルが高いのだろう。

ラインスピリット

多少発汗有った割に、ノンビリ歩いていた。440kgの馬だが、無駄なところがなく完成度が高い。スタート直後に躓いたことも有って、出脚がかなり鈍った。道中も結構早目にステッキが飛んでおり、苦しい競馬に。隣に居たカラクレナイの方が手応えが良く、一旦は前に出られているのだが、差し返して掲示板は確保。前とは離されたが、それなりに内容は有った。1200mの方が向く筈で、今年の低レベルなら何処かで一発有っても。

第66回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

ディアドラ

2人曳き。少し煩いが、大分迫力が出て来た。流石にこのメンバーだと馬が単純に一枚上。ゲートは五分に出ているが、行く気なく後方から。外枠でも直ぐに内に寄せ、コースロスを無くす方向で乗られた。このレースはイン有利になり勝ちだが、ティーエスクライの逃げが1000m通過59.1秒と牝馬戦にしては流れたのが幸い。3〜4角中間から外をマクるイメージで進出して、直線半ばで前を捕まえるとアッという間に3馬身差。大楽勝だった。昨秋からも成長している。今秋は香港戦を目標にする様だが、香港は招待レースでも、個人馬主にはそれなりの負担は有る。それだけの勝算は有りそう。

フロンテアクイーン

シープスキンノーズバンド。-14kg。元々これ位で走っており、極端に細いという程ではない。歩様もこれなら許容範囲。出脚はそこ迄速い方ではなく、中段から。こちらはディアドラとは対照的に最初から何時でも動ける外を追走。眼前に居たエテルナミノルを目標に4角手前から動いて行ったが、ディアドラとは回り脚が違っており、直線入口で出られてしまったのが痛かった。逆にいえば立て直して短い直線を良く伸びている。これで4戦連続2着とツキに見放された感も有るが、勝負どころでの反応の悪さが致命傷になっている。

ソウルスターリング

歩様に力強さが有って、2歳時程の迫力はないにせよ、馬体もスッキリ出来ていた。気配も悪くない。出脚は速くスッと好位。ただ、序盤は行きたがっていたのも確か。ローカル重賞の様なマクり合戦となり、好位から自力で動かざるを得ない一番キツい展開になったのは確かだが、それでもこの相手なら2着は確保したかったところだろう。舌がハミを越していたり、直線で内にモタれたりとまだまだ細かいところも甘く、絶望に近い3着。

トーセンビクトリー

前後肢にバンテージ。力感の有る馬ではないが、歩様に柔らか味が有って、デキに問題はない。奇数枠か急遽の乗り替わりが影響したか、珍しくゲートが微妙に悪く、中段から。本当に欲しい位置はソウルスターリングの位置だった筈。それでも今日の展開で4角でインへ潜って一息入れられたのは大きかった筈。直線もソウルスターリングの直後から進路は有ったが、外の馬の決め手に屈した。堅実では有るが、これも往時の力はないと見るのが妥当。

アンドリエッテ

前後肢にバンテージ。マイラー体型だが、深い踏み込みが印象的。例に依って出脚が甘く後方から。比較的内目を通っていたが、4角で内を狙って進路をなくし、慌てて直線入口で外へ持ち出そうとしたところ、ディアドラやフロンテアクイーンに被されてしまった。最後は伸びているだけに勿体ない。上手く乗れば2着有った競馬。