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競馬回顧 2014年2回小倉

JRA創立60周年記念 サマー2000シリーズ第5戦 第50回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

マーティンボロ

2人曳き。前肢にバンテージ。前走小倉戦で出来ていた。気配も変わらず良かった。好発も控えて中段。折り合いは心配ない馬で、4角迄は良かったが、ラストインパクトが壁になり外へ出せず例の粗相。玉突きの様な状況になってしまった。特に不利を受けたのがニューダイナスティ。この馬自身は8月生まれということも有り、遅咲きながら本格化しているが、後味が悪い競馬に。

クランモンタナ

充実した馬体。首を水平に保ち、気配も文句なし。ゲートは少し悪かったが、新潟2000mで問題なく、ジワッと先行。追ってからもジワジワ脚を使い、一旦はトーセンジャガーに出られているのだが、差し返して2着。今日のマーティンボロはヨレヨレだっただけに不利を食らった可能性も高いが、マーティンボロと併せていたら結果は違ったかも。決め手はともかく、勝負根性は凄い。

ラストインパクト

馬体はスカッとしているが、歩様が力強い。最初から行く気なく後方に待機。4角回ってマーティンボロの直後に居たが、マーティンボロを内へ閉じ込めたのを確認し、そこからここで外へ持ち出して不利なく伸びて来れた。ただ、今日は基本的に勝ちパターン。最高に乗られている。夏場は良くないのかも知れないが、今日で勝てないと先々厳しい様な気も。

トーセンジャガー

2人曳き。少しイレ込んでいたが、馬体に緩んだところはなく、デキはまずまず。道中はマーティンボロと似た様な位置。クランモンタナを目標に、これも過不足ない競馬が出来ているが、一旦はクランモンタナを先行したにも関わらず差し返されて4着。まだこの相手で勝ち切るのは地力が足らない印象。

アロマカフェ

淡々と歩いていたが、しっかり踏めていた。緩んだところもなく、悪くない。出たなりで好位直後のイン。コーナーでも内目を回り、直線抜け出さんかのところ迄だった。接触はあくまで軽微。伸びに影響する程ではなかった。今日のところは力負け。

第34回小倉2歳ステークス(GⅢ)

オーミアリス

前走と変わらず。多少トモが甘いものの、完成度は高い。毛ヅヤが良く、デキ自体も良さそう。出遅れ1馬身不利。ただ、出脚は有りそうで、後方でも流れには乗れていたか。4角では中段やや後方には取り付いており、直線も一追い毎に伸びてV。今開催はインが有利だったが、前半600m33.0秒のハイペースと最終の最後に馬場状態が微妙に変わり、追い込みが決まった格好。ファンファーレ後に隣枠のタムロダイチがゲート内で転倒し、競走除外。先行馬が気負った面も有っただろう。ただ、馬体はそんなに悪くない。勝負強さは何よりで、暮れはタムロチェリーの再現に賭ける手も。

レオパルディナ

バランスが取れて数字程よりは大きく見せる。これ以上は減って欲しくないが。ジワッと先行。外枠の影響なのか、ゲート入りを仕切り直した分なのか、前走より少し行きたがっていた。直線は馬場の良い外へ持ち出して、ジワジワ伸びているが、あと一押しが利かなかった。ただ、前走よりはコーナリングが上手くなっている。折り合いもマトモならそれ程問題はない筈。

スノーエンジェル

+8kg。馬体増だが、まだ華奢に映る。チャカついているのもマイナス。先行争いにクビだけ参入していたが、ゴチャついて一旦は中段に下げる形。その後ろから差されているだけに何とも言えない部分は有るのだが、同じ脚が使えたとして、4角をもう少し前で回って来れれば馬券になっていた。ちょっと勿体なさが残る。

ゼンノイザナギ

-4kg。チャカついているのは新馬から。腹袋が有ってマイラー体型だが、力強さは有る。出脚の速い方ではなさそうだが、何とか捻じ込んで好位の内目。内を捌いて一旦は先頭に立ったが、馬場状態の影響でワンパンチが出なかった。ただ、これでも前走より出脚は良くなっている。次走はダート戦も視野に入っている様だが、馬体からは走る筈で、食い扶持には困らないだろう。

リッパーザウィン

腹回りが明らかに緩んでいる。まずは絞らないと馬の輪郭が見えて来ない。外の方がゲートも出脚も速かったが、内か3角でやっとハナ。相手もあまり逃げる気がなかった様で、見た目には時間が要した以外はそれ程無理はしていないが、それでもペースは速かった。最後は脚が上がって失速したが、大きくは負けておらずスピードは見せた。ゲートさえ決まる様になれば。

第49回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(GⅢ)

ブライトエンブレム

2人曳き、+10kg。母ブラックエンブレムも見栄えする馬だったが、まだ成長途上にしても雰囲気は有る。歩様も力強い。ゲートが悪いのも血統なのか、進んで行かず最後方から。向正面で外へ持ち出し、3角から徐々に進出。他馬に抵抗された関係で、4角では内ラチから7〜8頭分程外を回されているのだが、この回り脚も速かったし、直線の脚も力強かった。完勝。あとは広いコースでどこ迄脚が続くか。

マイネルシュバリエ

コンパクトに纏まった造り。完成度は高い。好発。ジワッと好位の外。前に壁がなかった割には折り合いもスムーズだった。前に居た組では真っ先に手が動き、勝ちに行ったのか、脚がないのか微妙にも見えた程だったが、手応えよりは渋太く伸びて2着確保。乗り役に言わせると、周囲に気を遣うタイプとのことだが、そういう気性の馬は相手なりに走ることが多い。この馬も例外ではないだろう。

レッツゴードンキ

明らかに馬が緩いが、気合は乗っていた。フワッと出てしまい、1馬身出遅れ。ただ、仕掛けて直ぐに挽回し、2角では中段に取り付いていた。コーナーで上手く馬群を捌きながら進出。外のブライトエンブレムはともかく、マイネルシュバリエは交わせそうな雰囲気だったが、差し返されて3着に。とはいえ、今日のところは能力よりもゲートの影響が大きいだろう。

ミュゼエイリアン

首を下げて気配は上々。スケールはともかく、皮膚を薄く見せてデキそのものが良さそう。ブライトエンブレムと一緒に出遅れて後方から。ブライトエンブレムが早目に動く意思を見せていたのに対し、この馬は少しズブかったのか、コーナーの脚が甘かった。間に2頭入ってしまい、見栄えが悪いのだが、直線はブライトエンブレムと同じだけ伸びている。確実に広いコース向き。東京でやり直せば突き抜けるポテンシャルは持っている。

フォワードカフェ

馬体のスケールは感じるが、まだ馬が緩い。チャカついているのもマイナス。出脚がやや甘く、道中は中段やや後方から。内に居た割には早目に手が動いており、ちょっとモタついていたが、スワーヴジョージと接触しながらも諦めずに伸びていた。根性は有りそう。今日のところはそれ以上でもなさそうだが。

ミッキーユニバース

右だけオーストラリアンリンカー。馬体、気性とも若いが、これも先々化けそうな雰囲気は有る。外枠の方が出脚は速かったが、押してハナへ。ちょっとどころではなく、序盤はかなり掛かっていた。一応4角迄は先頭で回って来たが、直線は余力なし。最後は追ってもいなかった。

第34回新潟2歳ステークス(GⅢ)

ミュゼスルタン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。+8kg。下見では後方を周回。コンパクトに纏まった重戦車の様な造り。ゲートが少しが悪く、中段やや後方で脚を矯める形。新潟外回りの割に出入りの激しい競馬となり、この位置を確保出来たのは大きかっただろう。直線は馬場の真ん中へ持ち出して、反応も俊敏だったが、追ってから外へモタれ気味。真っ直ぐ走っていたらここ迄際どくなっていない。ただ、レース後、軽微ながら骨折が判明。普通に走れる馬なら問題ない範囲だそうだが、こういう馬だけに後遺症は案じられる。

アヴニールマルシェ

少し間隔が開いた分、馬が緩い。もっと鍛える余地は有る。出遅れ1馬身不利。例に依って後方から。折り合いは問題なく、直線も向く迄待ってから外へ追い出したが、結果はハナ差。ただ、フォームはダイナミックで素質は有りそう。ここ迄でデビューした馬の中では一番スケールを感じさせる馬。あとは競馬の上手さがどうか。毎年述べている通り、新潟ではこの部分が分からない。

ニシノラッシュ

前肢にバンテージ。少し腹回りがボテッと映るが、張りは有った。サクラバクシンオー産駒だけにこれが体型かも。内枠で出脚も速かったが、引いて好位。3角手前で外枠の馬が何頭か上がって行った結果、少し番手が下がり、直線はこれらが壁になると判断。外へ持ち出した。追ってからも渋太く伸びているが、ミュゼスルタン同様、少し外へモタれていた。真っ直ぐだとまた違うのだろうが、外へモタれているところをスッとアヴニールマルシェに交わされ、馬が怯んだ様にも見えた程。これも課題が残る内容。

コメート

コンパクトに纏まった馬体。ブラックタイド産駒だが、同血統ディープインパクト産駒の典型。出脚が速く、好位馬群の中。特に何か接触が有った訳ではないが、途中から出入りの激しい展開となり、真ん中に居ると少し気を遣うところ。ただ、そんな状況でも折り合いを欠いた訳ではなく、素直な性格なのだろう。これも直線フラフラだっただけに、パワー面での成長は必要だが、大崩れはしないタイプ。

ブリクスト

2人曳き。後肢にバンテージ。+16kg。多少煩い。トモ高でまだ成長の余地を残すが、迫力は有る。序盤からかなり行きたがっており、最後の伸びを欠いた印象。折り合えば差はないだろうが、今日のところは仕方がない。

ナヴィオン

+10kg。馬体増は多少太い程度でこの時期なら気にならない。寸が詰まった体型でマイラー。ゲートは五分に出ているが、前走同様の待機策。4角もそのまま大外へ。それなりに伸びているが、重賞でこの競馬は流石に無策過ぎたかも。レコード決着だけに尚更だ。出脚がなければ仕方がないが、出脚が有るだけにもう少し普通に乗って真価を問いたい。

サマースプリントシリーズ第5戦 第9回キーンランドカップ(GⅢ)

ローブティサージュ

毛ヅヤが抜群に良かった。前走函館戦で大分復調ムードだったが、明らかにそれ以上。前走で1200mを使った影響で出脚に余裕が出て、中段やや前から。外枠勢が先行する展開で、中枠の馬は苦しい位置になりがちなところだったが、上手くやり過ごして、コーナーはコースロスなく回って来れた。直線もスムーズに捌いて一瞬の決め手を生かし切った。上手く乗られた感が強いのだが、良い決め手が有るのは間違いないところ。もう一段前で闘える様になればGⅠ級。

レッドオーヴァル

+6kg。前後肢にバンテージ。手先のスナップは利いているが、トモの送りは硬い。馬体もしなやかさに欠ける。両サイドから一気に行かれる形となったが、一旦立て直して中段やや後方。結局、枠の関係でずっと外を回される形になってしまった。直線は良く追い込んでおり、着差を考えれば勝ちに等しい内容。もう少し硬さが取れてくれば、ローブティサージュは問題にしない筈だが。

マジンプロスパー

-14kg。細くはないが、確かにスカッと見せる。出脚は速かったが、フォーエバーマークが徹底先行の構えを見せ、引いて2番手。4角の手応えでは何とかなったかに見えた程。追ってからもしっかり伸びているが、最後は牝馬2頭。決め手の差と考える外ないだろう。年齢で徐々に厳しくなっている部分も有るが、56kgなら互角。

ブランダムール

2人曳き。前後肢にバンテージ。推進力を感じさせる歩様。気配も良かった。出脚は有りそうだったが、バラけた中段から。ただ、4角手前から押して行ったが、この手応えがもう一つ。直線は手応え以上に伸びているのだが...。初重賞挑戦だけにこれだけ走れば充分とはいえ、広いコースの方が良さそうな印象も。アドマイやコジーン産駒だけにマイルは保つ筈で、東京で狙い目に。

エイシンブルズアイ

2人曳き。前後肢にバンテージ。歩様にバネが利いている。馬体も迫力はないが、バランス取れている。初の1200mで置かれて後方から。道中も決して手応えは良くなかったが、インベタで回って来たのは正解。この利も大きく、上手く捌いているとはいえ、それでも0.1秒差の5着なら上等だろう。慣れれば出脚も来る筈で、選択肢が広がる内容。

サマースプリントシリーズ第4戦 第49回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

リトルゲルダ

+6kg。骨折明けの前走新潟戦を叩いて多少マシになった。馬体も増えたが、この馬としては歩様が良くなっている。前走新潟戦同様、ゲートが少し悪かったが、枠の利で上手く好位に潜り込んだ。今日は午前中から内しか決まらない馬場状態で、無理矢理でも行ったのが正解。直線だけ少し外へ持ち出すとメイショウイザヨイとの併せ馬を制して重賞初制覇。馬場状態も大きく味方したが、前に居た組では一番強いのも確か。丸田騎手、千載一遇のチャンスを上手く掴んだ。

メイショウイザヨイ

前肢にバンテージ。ここでも馬は上位。歩様も悪くない。アンバルブライベンが行き切って、叩かれる形では有ったが、外が付いて来ず、立て直して2番手。終始手応えが良く、リトルゲルダに最後は差されたものの、直線向いた段階では勝ったかに見えた程だった。前走だけでなく、小倉1200mは500万時代に大穴を開けた経験も有り、コースも得意としているのだろうが、先行力は武器になる。坂も上れる筈で他場で走らない理由がなく、あまり軽視すると痛い目を見る可能性も。

カイシュウコロンボ

前肢にバンテージ。+8kg。寸の詰まった体型だが、増えた分、トモにボリューム感が有った。出遅れ1馬身不利。この馬場で腹を括って最後迄インを突き、スルスルと3着浮上。前走、前々走と中京、阪神で完敗。坂がサッパリの馬で、平坦で一瞬の脚を上手く生かし切った。頭が高いので良い脚が長く続かないタイプ。平坦でも小回りがベスト。

アンバルブライベン

+10kg。太くは映らない。気合も乗っていた。ゲートが速く、押してハナへ。毎回速くなる小倉1200mだが、33.1秒は馬場状態を考えても決して速くない。この馬場なら何とかしたかったところだが、3角辺りからメイショウイザヨイの方が手応えが良く、スピード差を感じさせるレースだった。前走新潟戦も先行しながら大敗。出脚だけは速いが、重賞では家賃が高い。

バーバラ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬体は細く映らないが、テンション高い。出脚が怪しかったが、何とか盛り返して好位。道中はリトルゲルダと並走、スムーズに立ち回っているが、追って味がない。とはいえ、元々がこんなタイプ。枠が内なら馬券圏内だが、この馬場とこの枠ではこれでも良く走っている方。

ベルカント

2人曳き。前後肢にバンテージ。気配は悪くないが、馬体の張りが一息。2歳時の方が迫力有ったかも。この枠であまり行く気がなく、好位の外。ただ、直ぐ前に居たバーバラすら捕まえられず、雪崩込んだだけだった。馬場状態やデキも有るだろうが、もっと行かせた方が良さそう。

JRA創立60周年記念 サマー2000シリーズ第4戦 第50回札幌記念(GⅡ)

ハープスター

2人曳き。この中間は落鉄という話も有ったが、見た目にはむしろ良かった。歩様もしっかり。例に依って行く気がなく、最後方のつもりだっただろうが、更に後ろにゴールドシップが居て、後方2番手。3角から徐々に進出し、ゴールドシップが来た分だけ、少し急かされる形にはなったが、叩かれない程度に堪えて、直線で一瞬の脚で突き放し、そのリードで押し切った。ただ、最後は再び追い付かれそうになっており、斤量を考えるとゴールドシップの方が内容は上。次走に関してはゴールドシップの方が分が良さそうな印象も残った。

ゴールドシップ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。下見では何時もわからないタイプ。ただ、最近の中では気配を表に出していた。出脚は元々こんなモノ。ただ、この枠で最後方に下げざるを得ず、しかもトウケイヘイローのハイペースで置かれて最後方に。3角から一気に動き、例に依って回り脚はハープスターに勝っているが、良馬場で斤量差が有ると前が掴まえ切れない。とはいえ、最後迄伸びており、3着には5馬身差。力は見せ付けた。毎回述べている通り、年齢を経ると適性が極端になるというのは洋芝とはいえ良馬場の2000mで格好を付けたのも自信になるだろう。仏国遠征も馬場そのものは合う筈で、あとは直線の長いコースがどうかだけ。少なくとも力は出してくれる筈。

ホエールキャプチャ

-6kg。細くは見えない。気合が乗っていたのが何より。出脚やゲートが速い方ではないが、今年3戦は全てマイル戦で何とか中段やや後方から。馬群の切れ目でインへ潜り、4角で行けるところ迄行って、最後に外へ。近年はマイラー色が濃くなっており、上位2頭がブッ千切る展開で他馬が苦労する中、上手く脚を残せた。悪く言えばドサクサ紛れの3着だが、それも器用さ有ってこそ。東京マイルが得意な馬だが、今の東京マイル、特にG⃽以下は力勝負ではなく、器用さも重要。先週のクラレント同様、その象徴的な馬になっている。

ラブイズブーシェ

-6kg。歩様は悪くないが、スカッとした造りで馬自体はギリギリ。今日も出脚が付かず、後方。直ぐにインへ潜って、向正面ではホエールキャプチャと並走する形。ホエールキャプチャは途中でインへ潜ってこの馬の直後に付けたが、最後に外へ出したホエールキャプチャとは違い、こちらは回り切ってから外へ。ジワジワ来ているが、距離不足も有って、伸び出す前に競馬が終わってしまったか。この相手に真っ向勝負でどうかという問題は有るが、持ち味を生かすにはマクりの方が向いている。

エアソミュール

前後肢にバンテージ。勝って更に上昇。馬も負けていない。道中は中段の外。この相手なら3着は確保したかったところだが、序盤に掛かったのと、マクり勝負をマトモに抵抗したのが失敗。直線で伸び切れずに接戦の5着。ただ、ホエールキャプチャやラブイズブーシェは程度の差こそ有れ、セコい策を採っていた。これが良い経験となれば。

サマーマイルシリーズ第2戦 第49回関屋記念(GⅢ)

クラレント

馬体に変化はないが、この馬としてはしっかり踏めていた。出たなりで好位直後の外。シルクアーネスト等、外から越される場面が何度か有ったが、自分のペースに徹して折り合いに専念。渋太く伸びてダノンシャークを差し切った。雨がどうかと思ったが、思ったよりは馬場が悪くならなかったのが幸い。あとは坂が上れないので、中京は不向き。坂が有っても緩い東京が限界。

ダノンシャーク

2人曳き。前後肢にバンテージ。歩様にバネが有って、最近の中でも良かった。ティアップゴールドの直ぐ右という位置関係も良かったが、出脚を利かせてスッと好位。前に壁がなくとも折り合いも付いて上手く流れに乗れた。追い出してからもそれなりには伸びているが、一瞬だけモタついた感は有ったのは58kgの分だろう。1番人気としては恥ずかしくない競馬は出来た。

サトノギャラント

オーストラリアンブリンカー。数字の割に馬が軽いのは何時ものこと。皮膚を薄く見せてデキ自体は良くなっている。大きく出遅れ。そのままインでジックリと。流石に最後の最後で脚が上がったが、結構渋太く伸びていた。オーストラリアンブリンカーの効果も大きかっただろうが、こういう馬場も上手かった。以前は良馬場限定に近い印象も有ったが、年齢を経て適性が変わって来ている。

エクセラントカーヴ

小さい馬なので、休み明けでも出来ている。ただ、歩様が甘い。出脚は負けていなかったが、折り合いに専念している間に徐々に番手が下がり、3角の時点で既に後方、ただ、直線向いてポケットに挟まってしまった。前がクラレントだからまだ良かったものの、少し待たされて勿体ない競馬になった。3着は有った筈の競馬で、新潟は走る。

ブレイズアトレイル

2人曳き。多少硬い歩様だが、力強さも感じさせる。気配も良かった。ジワッと行かせて好位。内目でスムーズに立ち回っていたが、追ってからもうワンパンチがなかった。これでは前走中京戦と一緒。思い切って追い込みに回るか、現状だと勝ち切るには策に工夫が要る。

第6回レパードステークス(GⅢ)

アジアエクスプレス

初遮眼革。後肢に繋のみのバンテージ。+8kg。攻め強化しての馬体増には好感。活気も戻っていた。今日は出脚から違っており、スッと3番手の外。4角ではほぼ勝利を確信出来る手応えで、ラスト200mでクライスマイルを掴まえてからは独走だった。前走東京戦はデキが本当ではなかったと考える以外になさそう。フォームからパワーを感じさせるタイプで、上手く行けばアグネスデジタルの再現も。但し、レース中に故障が判明。

クライスマイル

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。筋肉の輪郭が浮いて、馬体は全身バネだが、テンションが高い。出脚で勝っていた訳ではないが、譲らず押して押してハナ。ただ、新潟だけに少々並ばれても道中は楽が出来る。直線向いて、中々手前が替わらず、止まり掛かっていたが、ラスト100mで右手前になり、何とか粘り切った。前が止まらない馬場も向いたが、あの先行力と粘りがダートでは重要。稼げる資質は持っている。

ランウェイワルツ

集中力を欠くのは気になったが、均整が取れつつも、大きく見せていた。ゲートが少し悪く、後方のイン。砂はかなりかぶっているはずだが、嫌がらずに走っていた。ひたすら内ラチ沿いをコトコト回り、アジアエクスプレスが突き離して、前がバラける展開になったところを鋭く差して来た。この馬場状態を考慮すれば、かなりの健闘。あとは出脚だろう。

レッドアルヴィス

前走東京戦を考えると少し落ちる。馬体はともかく、少し硬さが有った。スタート直後に躓いたが、全く問題なくスッと好位。行こうと思えばハナへ行けた位だったが、距離を意識したか。ただ、今日はこれが裏目だったかも。砂を被って嫌気を出しており、伸び出したのは外へ持ち出してから。その伸びも、道中がスムーズでない分、前走程の伸びではなかった。デキも怪しかったが、先々を考えた騎乗も今日に関してはマズかった印象。

アスカノロマン

+10kg。むしろスッキリ見せる。ただ、踏み込みが甘い。パワーアップが先決。道中は好位の外。隣のナンヨーマークと1角迄に2度程接触する場面。その影響でちょっと折り合いを欠いた。直線は雪崩込んだだけ。対アジアエクスプレスでは1秒近く負けているだけに、能力差は有るだろうが、2着クライスマイルとは0.3秒差。スムーズなら逆転出来ても良い。

JRA創立60周年記念 サマー2000シリーズ第3戦 農林水産省賞典第50回小倉記念(GⅢ)

サトノノブレス

ちょっと腹回りがボテッと映る。見た目には迫力有るが、満点はやれない。この距離だと流石に出脚に余裕がなく中段から。実は前のレースに布石が有り、和田騎手は10Rで人気馬に乗りながら逃げきれず9着。3角手前から何時でも動ける外へ持ち出し、直線も迷わず外へ。スピードはともかく、スタミナは有るところで、この思い切った騎乗が功を奏した。小倉に中距離重賞は乱ペースになることが多く、かつてのダイタクバートラム等、ステイヤータイプが意外な程走るのだが、今年はそのパターン。ただ、あくまで闘って来た相手が違ったというだけで、この馬の評価が上がる内容でもない。

マーティンボロ

2人曳き。やはり出来ていた。何より気配が良かったし、馬体も緩んだところはない。この枠であまり行く気がなく後方に近い位置。これも何時でも動ける位置で、サトノノブレスを目標に進出。小倉巧者だけ有って、回り脚の雰囲気はむしろサトノノブレスより良かった位だが、最後は地力の差か、風で馬格の差が出たか。それでもやはり道悪も小倉も走るのは間違いないところだが。

メイショウナルト

前走福島戦と歩様が多少硬くなった以外は変わらず。この数字の方が良さそう。好発。今回も迷わずハナ。風,斤量,馬場状態、色々要因は考えられるのだが、何れにしても4角で前走程のリードが造れなかった。外が伸びる馬場状態で3着に粘り込むのが精一杯。それでもこの複合要素を考えれば力は見せたといって良いだろう。この馬の場合には兎に角競馬を投げずに走るかが問題。ここ2走はその点に限ってはちゃんと出来ている。

ニューダイナスティ

バンテージ外す。元々悪くなかったが、叩いて順当に良化。これもこの距離だと出脚で差が有って、ジックリ後方から。上手く乗られているが、どちらかといえば広いコース向きの馬でコーナーでの手応えが悪かった。外が伸びる馬場で、苦し紛れに内へしまい、余計に苦しくなっている。基本的には渋った方が良い馬ではあるが、コースは少しでもいいところを選べるに越したことはない。

ローゼンケーニッヒ

トボトボ歩いており、歩様に伸びがないのはマイナス。馬体はバランス取れているが。出遅れ1馬身不利。最後方から。外を回るのは勿論大正解だったが、4角でダコールに行かせてから自分のタイミングで追い出す形。それなりには伸びているが、流石に競馬が終わった後。強敵と闘っても確実に賞金を咥えて来る馬だが、自己条件でも着順は一緒。要はワンパンチが足りない。

サマースプリントシリーズ第3戦 第14回アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

セイコーライコウ

-12kg。絞れて更に上昇。まだ使っていないので、馬が若い。この枠でも有り、最初からマイペース。500mでも後方に近い位置に居たが、あわてず持ったまま。フォーエバーマークを風避けにする余裕すら有った。ラスト400m程でフォーエバーマークの内へ持ち出されると一気の伸び。馬も直千適性が有るのだろうが、それ以上に柴田善臣騎手が上手い。ペース判断と追い出しのタイミングが的確。

フクノドリーム

しっかり踏めていた。馬体にもメリハリが利いており、牝馬の割にデキの変動が少ない。アンバルブライベンが何が何でもの構えで先行。32.2秒なら例年と似た様なペースだが、アンバルブライベンにとってはオーバーペースだった様で、ラスト500mで既にステッキが入る始末。それを2番手で追走出来たのだから楽だった。ただ、枠順や斤量等、総合力を考えると今日は勝たなければいけない競馬。重賞の馬ではないかも。

アースソニック

前肢にバンテージ。馬体の雰囲気は悪くないが、踏み込みが少し浅い。挟まれた影響も有るが、出遅れ1馬身不利。しきりにステッキが入っており、手応えが良かった様には見えなかったが、ジワジワ伸びて3着浮上。これもセイコーライコウ同様、クロフネ産駒。直千の追い込む競馬は合っているのだろう。

リトルゲルダ

-10kg。例に依って歩様に伸びがないが、ただ、何時もより酷いかも。これもゲートが少し悪く、後方に近い位置。それでも出脚は速くて、一応前が開いている位置に首を覗かせていた。ただ、追い出してからは内にモタれ気味。昨年程の伸びではなかった。骨折明けの影響で下見からデキが怪しかっただけに致し方ないところか。

アンゲネーム

重心の低い造り。トモにボリューム感が有って如何にもスプリンター。ゲートは出ているが、出脚が付かず後方から。途中で前が塞がってしまい、進路を探す場面も有ったが、内目と決めてからはジリジリ。直千は慣れているが、出脚が怪しいのでどうしても他力となるのがネック。もう少し出脚強化するだけでも大分余裕が違う筈なのだが。

第62回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

キャトルフィーユ

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。馬体も大きく見せたが、今日は何より活気が有った。オツウが大外からブッ飛ばし、ケイアイエレガントが離れた2番手。ケイアイエレガントとはこれで4戦連続の対戦で、一番手の内が分かるこの馬をマークしながらの競馬。ケイアイエレガントが意外にも3角過ぎに怪しくなり、4角で捕まえて先頭。最後は脚が上がり掛かっており、内外から来られて際どい勝負になったが、一杯一杯踏ん張った。先行馬の中では唯一の生き残りだが、馬場状態考えるとレコードも含めて過大評価はどうか。基本的にはケイアイエレガントの方が強い。今日はあくまで好騎乗。

アロマティコ

-6kg。今季は絶好調。下見で歩くテンポが速い。ゲート関係なく、例によって最後方から。前走函館戦同様のイン突き。縦長でバラけたため、ペース的にはハマったが、直線向いて一瞬だけ進路がなくなる場面。ここでブレーキが掛かったのが痛かった。最後はハナ差。勿論、後方からのイン突きとなれば、ある程度覚悟している部分だろうが、あれがなければ勝っていた。それでも競馬の形が出来てきたは大きいのだが。

スマートレイアー

2人曳き。前後肢にバンテージ。歩様に柔らか味が有って、今日は良かった。これも例に依って後方から。アロマティコと違って器用さがないので、大外へブン回しは仕方がないが、突き抜ける脚勢だったにも関わらず最後失速してしまった。一息入った影響なのか、小回りが向かないのか? 馬場状態も勿論大きいだろうが...。

アイスフォーリス

多少ゴツゴツするのは何時ものこと。馬体はメリハリが効いている。内枠2頭が先行馬。無理せず、スンナリその直後へ。折り合いは多少怪しかったが、影響する程ではなかった。直線もスムーズに外へ持ち出し、態勢は整えたが、追ってジリジリ。相変わらず決め手の差は有る。この馬としてはもっと距離が延びた方が競馬はし易そうだが、最近は開催日数短縮でディスタンス戦も少なくなっており。

ディアデラマドレ

2人曳き。前後肢にバンテージ。少しテンション高いのがマイナス。馬体も数字より細く映る。後方で折り合いに専念。外を回らされたのは痛かったが、スマートレイアーが更にその外に居ただけに案外感も有った。斤量増も有るだろうが、見た目通りデキ落ちしている。