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競馬回顧 2014年2回阪神

JRA60周年記念 第74回皐月賞(GⅠ)

イスラボニータ

初コースだが、この馬としては落ち着いている。相変わらず馬体は小ぢんまりと映るが。毎回述べている通り、内枠が逃げるとスロー、外枠の馬が逃げるとペースが速くなるのだが、今日もそのパターン。皐月賞らしく締まったペースで流れた。ただ、それを差し引いても今日は強気な騎乗。好発も、1角で外へ持ち出して中段。トゥザワールドを目標に、右回りが初めてと有って、4角の反応はそうでもなかったが、向いてからの脚が違っていた。力の違いを見せ付けた格好。血統、馬体から距離延びて良いとは思わないが、元々は器用なタイプで何とかなっても。

トゥザワールド

-8kg。順調に使っている分の強みは大きいが、トゥザグローリーのこの時期を考えると馬体の完成度は低い。ウインフルブルームに抵抗しつつ、ジワッと好位。2角手前迄は少し掛かっていた。4角手応え充分に回って来たが、直線はイスラボニータに一瞬で交わされてしまった。2着は確保したとはいえ、本当に良くなるのは早くて秋、ダービーを使うダメージを考慮すれば恐らくは来年なのだろう。現時点では逆転の目がない。

ウインフルブルーム

緩んだところがなく、デキ自体はいいが、腹回りが少しボテッと映る。ゲートも速かったが、大外枠なら行き切る以外の手はなく、迷わずの逃げ。流石にペースは速くなったが、1〜2角で少し2番手と距離が取れた為、息を入れる余裕は有った。4角でも引き付けて直線向いて一瞬引き離す策も予定通り。坂下では既に上位2頭が前に出ていたものの、渋太く粘って3着に。この馬、行けないと脆いが、ハナに行けさえすれば強い。ただ、次走はNHKマイルカップに向かうそう。ミッキーアイルが居るのだが...。

ワンアンドオンリー

-6kg。前走でも触れたが、一戦毎に馬が良くなっている。少なくともこの相手で迫力負けすることはなくなった。歩様の柔らかさも大分出て来た。この枠では下げる以外の手がなく、1角では最後方。3角から徐々に進出し、4角で10番手辺りに居たが、イスラボニータとの比較で3〜4頭分外を回されており、ここ迄が一杯だった。ただ、直線の決め手は前走以上。下見通り、これだけ急激に変わる馬も珍しい。前走で述べた通り、本当に間に合いそう。

ステファノス

2人曳き。マイラー体型だが、一歩一歩が力強い。出脚で差が有って、中段。外枠の馬が先行する形になり、常に四方八方に馬が居る状態。中枠のこの馬にとってはキツい展開になったが、それでも力強く坂を上ってここ迄。現状は時計が掛かる馬場になった方が良さそうだが、NHKマイルカップなら面白い存在に。

ロサギガンティア

2人曳き。馬体は更に良くなっていたが、GⅠであれだけイレ込むとダメ。これも同じ位置に居たステファノス同様、外から来られて掛かったクチ。道中もかなり力んでいた。下見で気負っていた影響も大きかっただろうが、これでは競馬にならない。折り合えばダービーでもと思うが、次走はNHKマイルカップとのこと。巻き返す余地は有るだろう。

トーセンスターダム

2人曳き。落ち着いていたのは良かったが、歩様の伸びが甘い。確実に前走京都戦の方が良かった。意外にも好発。1角で掛かったが、直ぐに折り合いが付いて、好位馬群の中。直線伸びなかったのは、結果的に余所行きの競馬が仇となったということになるのだが、この経験自体は悪いモノではない。次走改めて。

第19回アンタレスステークス(GⅢ)

ナムラビクター

シープスキンノーズバンド。-6kg。これでも以前よりマシだが、まだ絞れても良さそうだが...。先行争いに参加せず、中段やや後方から。引っ掛かりそうになっていたので、出脚自体は有るのだろうが、まずは折り合いを意識してジックリと。早目に外へ持ち出して、向正面半ば過ぎから進出、4角でニホンピロアワーズへ被せに行った時の回り脚が速く、そこで前に出て、直線は叩き合いを凌ぎ切った。ニホンピロアワーズに勝てばGⅠでも足りる馬ということになるのだが、後述する通り、ニホンピロアワーズの弱点を上手く付いた印象も。

トウショウフリーク

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。下見は落ち着いていた。馬体もパワフル。対グレイスフルリープで半馬身程出負けして控えざるを得ない形。ハナへ行けなかった影響なのか、砂を被った影響のかが微妙だが、何れにしてもかなり行きたがっていた。外からナムラビクターとニホンピロアワーズが来て、一旦は出られているのだが、そこから盛り返して2着浮上。単にデキが良いというよりは気力が充実しているから来れる印象。この競馬を毎回期待するのは酷で、ベストはハナ。

ニホンピロアワーズ

シープスキンノーズバンド。+7kg。何時もの迫力有る馬体。何となく正月の中京戦の方が良かった気もするが、全く問題ない範囲。好発。何時も通り、ジワッと好位の外。手応えも有って、過不足ない競馬が出来ているが、4角でナムラビクターに急かされる格好になったのは痛かったかも。ただ、一旦出られていても、バタッとは来ておらず、むしろ差し返し気味。唯でさえ58kgで機動力が鈍っており、ナムラビクターに上手く弱点を突かれた印象も有るのだが。

グレイスフルリープ

馬体にメリハリがない。見た目には20kg近く太い。好発切ってハナ。トウショウフリークに先制パンチを打てたのが大きく、2番手がナリタシルクロードとダノンバラードだったの楽だった。ペース的にも1000m通過が62.0秒。ナムラビクターやニホンピロアワーズとは内外少し離れたが、その間にトウショウフリークが突っ込んで、もう一粘りが利いた。太目でなければ馬券圏内だっただろう。距離にメドが立ったのも一番大きい。

グランドシチー

-12kg。毛ヅヤは悪くないが、流石に小ぢんまりと映る。例に依って後方から。何時もの競馬だが、もう少しペースが上がって欲しかったところ。4角で、前との距離もそうだが、内外の距離も離れてしまい、そこで勝負圏外だった。ダートの差し一手では仕方がないところ。

第74回桜花賞(GⅠ)

ハープスター

この厩舎の馬にしては珍しく、少しテンション上がっていた。馬体は高値安定。ゲートをソロッと出して例に依って最後方から。かなりユッタリ走らせており、脚は矯まっていたが、戦前の報道通り、躊躇なく大外へ。ただ、直線向いた段階では馬場の6分どころだったが、他馬が外へモタれてきており、決勝線では8分どころ。相当のロスが有った筈だが、それでも捕まえたのだから、着差関係なく立派という外ない。今日も次元が違った。同馬主トゥザワールドが居る関係で、ダービーへは行かないそうだが、今年の牡馬のレベルを考えると、ペースが上がるダービーの方がむしろ楽。関西馬だが、中京デビューで左回りを経験しているのも強み。

レッドリヴェール

2人曳き。後肢にバンテージ。数字のない馬だが、歩様がパワーアップ。ステイゴールドそのままの馬になって来た。ゲートは少し悪かったが、後方に近い位置ながら上手くインへ潜り込めた。馬格のなさがハンドリングの良さに繋がっており、4角で上手く外へ持ち出して、完璧なタイミングで追い出せた。追っての反応も軽快で、坂を上がって一瞬だけ先頭に立ったが、その刹那、ハープスターにネジ伏せられた。ただ、競馬の上手さは世代屈指。数字こそ増減ないものの、確実に成長しており、スローなら次走東京で逆転の目も。有り得ない話だが、中山ならまず勝てる筈。

ヌーヴォレコルト

前肢にバンテージ。気配は地味だが、馬体には重量感が有る。ゲートは速い方だったが、スッと下げて中段やや後方のイン。直線向いてインを狙ったが、前が壁になり、一瞬仕掛けが遅れたが、今日はフクノドリームの大逃げで仕掛けが各馬早目。結果的に上手く着が拾える形になった。前走もそうだったが、馬群が割れて、輸送に動じないのが強み。世代が悪いとしかいい様がない。

ホウライアキコ

2人曳き。イレ込みは堪えている方。筋骨隆々の馬体は目立つ。勿論もっと行ける馬だが、折り合いに専念して中段。ソコソコ流れたことも有るが、良いリズムで行けた。追ってからもジワジワ伸びているが、上位3頭の決め手が違っていた。20年前なら勝っていた競馬だが、今はそれぞれの脚質にスペシャリストが居て、中々物語は成立しない。この折り合いのスムーズさで、もう一歩前で競馬出来る様になれば何処かでチャンス有りそうでは有るのだが。

レーヴデトワール

馬体にもう少し迫力が欲しいところ。以前より歩様はマシになっているが。道悪も有ったが、デビュー2戦目で行かせて失敗。それ以来、矯める競馬を徹底させており今日も後方から。2200mの後でも、オッツケることもなく行けた。直線向いてガラ空きの最内を突き、展開的にはハマったが、それで5着なら力負け。東京直行だそうだが、本賞金が900万しかなく、権利が取れなかったのも痛いところ。

フォーエバーモア

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。-4kg。下見では落ち着いていたが、少し細い。スタート直後に他馬と接触。これで馬がエキサイトしたか、道中はかなり行きたがっていた。今日の様な乱ペースでこうなるとどうしようもない。これでも良く踏ん張っている方だろう。馬体細化傾向は気掛かりだが、次走改めて。

第32回ニュージーランドトロフィー(GⅡ)

ショウナンアチーヴ

シープスキンノーズバンド。-10kg。狙い通り絞れて来た。もう少し歩様が伸びてくれれば文句なし。出遅れ1馬身不利。馬群には直ぐに取り付いていたが、3角迄は後方でジックリと。4角手前で相手をショウナンワダチと決めて外を進出。一騎打ちに持ち込んで、力でネジ伏せた。手応えではむしろこちらの方が怪しい様にも見えたが、見た目以上に渋太い。東京マイルも問題はない筈。

ショウナンワダチ

2人曳き。スカッとした造り。気合は乗っていたが、鍛えればもっと良くなりそうな馬。ゲートだけでなく、出脚も少し悪かったが、押して中段。ショウナンアチーヴに叩かれない様に仕掛け、手応えでは何とかなったかに見えたが、最後の最後で捕まってしまった。ショウナンアチーヴの方が底力で優った印象。出脚が甘い割には器用さ有るのだが、もう少し前で闘いたいところ。

ベルルミエール

前後肢にバンテージ。歩様にバネが利いている。馬体もバランスが取れている。大外枠だが、果敢に先行。ただ、前2頭が飛ばして、少し離れた3番手。良い位置で折り合えた。外枠から行っている分、坂を上がって苦しくなったが、牝馬でも有り、いきなりのマイル戦でこれだけ走れば立派。前走は中京戦で、完全な裏街道だが、キッチリ賞金を咥えて来ている点も素晴らしい。

アルマエルナト

2人曳き。パシュファイヤー。マイラー体型だが、馬体はボリューム感有る。内枠の中では出脚が甘く、行ける状況でもなかったが、乗り役が下見のテンションを嫌って最後方で折り合いを付ける形。4角でも最後方で、直線は外へ出しながら伸びているが、流石に位置取りが後ろ過ぎた。

ウインフェニックス

前後肢にバンテージ。腹回りがボテッと映る。馬が未完成。ベルルミエールに一旦は叩かれる形になったが、立て直して好位。前に壁がない割には折り合いも付いており、この枠としてはスムーズな競馬が出来た。伸び切れなかったのは現状の完成度の差。

第57回サンケイスポーツ杯阪神牝馬ステークス(GⅡ)

スマートレイアー

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬は元々見栄えするタイプだが、硬さがなかったのは何より。アオッてしまい、3馬身以上の出遅れ。腹括って武豊騎手らしく、そのまま後方待機。直線向いた段階でも最後方だったが、一追い毎に伸びて、仮令ハナ差でも捕まえたのだから強い。結果的にメリハリの利いた競馬になった面は有るだろうが、一つタイトルが取れたのは良かっただろう。東京マイルは更に向く筈。あとは多頭数をどう捌くか。

ウリウリ

2人曳き。テンション高いが、毛ヅヤが冴えていた。馬体もシャープ。ゲートは互角だったが、前走同様、決め打ちのイン突き狙いで待機策。前のトーホウアマポーラが下がって来て、手綱を引っ張る場面は有ったが、折り合いはスムーズ。直線は坂下迄最内に居て、前が開かないと判断するとそこから外へ持ち出し、坂上で先頭。上手く捌いたが、先頭に立ったのも束の間、スマートレイアーに差し切られてしまった。ちょっと力の差が有り過ぎた印象。日曜日と同じパターンだが、レッドリヴェール同様、器用さは有るのが強み。

ローブティサージュ

絶好調とも思わないが、特に減点材料もない。流石に1400mとなると前走京都戦の様にハナへは行けず、速い馬も居るのだが、無理をしない範囲で先行。リズム良く走っており、直線向いても一旦は先頭だったが、上位2頭の決め手が違っていた。2歳時から能力の上積みは感じないのだが、取り敢えず器用さは戻って来た印象。精神面では走れる状態に戻っている。

エピセアローム

スプリンターにしてはシャープな馬体。ローブティサージュとは対照的に、1200mでも行ける馬で出脚は速く、スッと好位。1000m通過57.2秒だから、ソコソコ流れているのだが、道中はそれでも少し掛かり気味。流石に伸び切れなかったが、それでも4着に粘ったのだから能力は持っている。高松宮記念除外でここへ来たが、極悪馬場で恐らく厳しかった筈で、今日は儲けたといって良いのだろう。

アミカブルナンバー

-18kg。極端に細いという訳ではないが、小ぢんまりと映る。調教師の指示だったそうだが、一旦下げて後方で折り合いに専念。道中は上手く脚が矯められた。ただ、追い出して中々手前が替わらず、内にモタれ気味。ジワジワ来ているが、スムーズならもう少し際どい競馬になっていた。5勝全て東京の馬だが、ベストは左回り。

ヴィルシーナ

前後肢にバンテージ。少し馬体にメリハリがないのがマイナス。控える指示が出ていた様だが、その割には手が動いており、ただ揉まれ込んだだけだった。追ってからもサッパリ。今日は競馬になっていないのだが、とはいえ負け過ぎ。気性面で苦しい面が有るかも。

第46回ダービー卿チャレンジトロフィー(GⅢ)

カレンブラックヒル

前後肢にバンテージ。馬自体が特別良くなった印象はないが、首でリズムを取って気配は良かった。好発。出脚利かせてハナ。トリップがピッタリ並走の形となり、この馬場の割にはソコソコのペース。3角過ぎに一旦ハナを譲って脚を矯め、坂下で故障したトリップを上手くやり過ごして先頭。後続の追撃を振り切った。一応は復活だが、正月のオーシャンブルー同様、相手に恵まれて最高の展開でやっと勝ったという形。それ以上を望むのは酷。

カオスモス

前後肢にバンテージ。-12kg。筋肉が浮いており、絞れたと見て良い。デキだけならコレ。中山マイルの外枠だが、ジワッと好位。道中結構行きたがっており、あまり馬の気は阻害することなく、早目早目の競馬。4角で前に取り付き、坂下では一旦先頭に立っているのだが、脚が矯まっていたカレンブラックヒルに差し返される形で2着に。もう少し折り合いが付く様になれば重賞にも手が届く筈。

インプロヴァイズ

-6kg。バランスの取れた造り。毛ヅヤも冴えていた。内外から来られて接触、後方に近い位置。これで馬が怒ったのがかなり力んでたが、ひたすら馬群の中で我慢させて、直線は半ば無理矢理外へ。最後の最後で一伸び利かせて3着浮上した。この馬場で前の馬が最後に脚が上がったのはこの馬にとって恵まれたが、それを差し引いても今日はキツい展開だった。充分評価出来る3着。器用さが有るのが何より。

エールブリーズ

メリハリが有って重量感の有る馬体。もっと走っても良いと思わせる程。カオスモスに抵抗しつつ、好位直後。これも少し掛かり気味。カオスモスを目標に、メリハリはないながらも、スムーズな競馬は出来たが、あと一歩。ただ、手堅いのと、デキが安定しているのは大きい。その内順番は回って来そう。

コディーノ

-6kg。気配がキビキビ。ただ、もっと馬を大きく見せて欲しい。成長力がない。ゲートが速く、ハナへ行けるレベルだったが、折り合いに専念して好位。手応えの割には踏ん張っており、近いところに居るのだが、どうも一押しが利かない。何か抜本的解決策が欲しいところ。

第58回産経大阪杯(GⅡ)

キズナ

2人曳き。テンション高いのは許容範囲。馬体に重量感が出て来た。ディープインパクト産駒としては少し異質。例に依って後方から。1角迄は珍しく少し掛かっていた様にも見えたが、直ぐに折り合いは付いた。エピファネイアが動いたのを確認して、4角で少し惰性を付けて回り、直線は一気に突き抜けた。坂を上がってからはほぼ追うところもなく、ほぼ楽勝だった。今春は京都戦だそうだが、今年のメンバーでは役者が違う印象。仏国遠征で馬がパワーアップしたのが大きい。

トウカイパラダイス

前肢にバンテージ。前走中京戦は休み明けの影響アリアリだったが、今日はデキ一変。出脚が速く、内から先行。カレンミロティックが行っての2番手から。3番手のビートブラックが少し突いたのと、4番手がショウナンマイティで、前3頭で飛ばす形に。それでも1000m通過が60.5秒ならハイペースではなく良い形で4角迄持って来れた。坂を上る脚で前2頭を振り切って、キズナには敵わなかったものの、エピファネイアは退けた。前走が勿体ないと述べたが、この競馬が出来るなら前走時にデキが有れば勝っていた。今更ながらああいうところを逃していると初重賞制覇は遠い。

エピファネイア

前後肢にバンテージ。しっかり踏めており、輪郭の浮いた筋肉も印象的。ゲートは五分だが、3000mの後なのか、あまり進んで行かず、後方に近い位置。前3頭が飛ばす展開で、誰かが捕まえに行って欲しかったところだが、メイショウマンボに脚がなく、自力で捕まえに行く形に。ただ、直線向いた段階で前と約6馬身差。あまりにも後ろ過ぎた上に、直後にキズナが居て、絶好の目標にされてしまった。折り合い面の不安はほぼ解消。能力にも疑う余地はないが、毎回述べている通り、今日は相手の土俵に乗ってしまった。

カレンミロティック

前後肢にバンテージ。悪くないが、もう少し馬体にメリハリが欲しい。外枠だが、この頭数でも有り、久々にハナへ。力の要る馬場というのも決して向くタイプではないのだろうが、それよりもトウカイパラダイスにピッタリマークされ、早目に来られたのが痛かった。坂が上れず、ここ迄。ただ、平坦の軽い馬場なら何とかなりそうな雰囲気は有りそう。一応は復調ムード。

ショウナンマイティ

2人曳き。前肢にバンテージ。馬体の迫力や活気が欲しい。どうも小ぢんまりと映る。あまり前に行きたくなかっただろうが、枠の関係で後方馬群の先頭。4角でエピファネイアやキズナを待つ形は本意ではなかっただろう。ほぼ無抵抗でやられており、デキも本当ではないが、一度気分転換を兼ねて最後方から競馬してみるのも手。

メイショウマンボ

2人曳き。-8kg。良い時の迫力がなかった。若干左後肢の出が悪い印象も。道中は中段。序盤は口を割って引っ掛かる場面も有ったが、2角で折り合いは付いた。ただ、4角でサッパリ。ちょっとダラしない敗戦。叩いて変われば良いが...。

2014 グローバルスプリントチャレンジ第3戦 第44回高松宮記念(GⅠ)

コパノリチャード

前後肢にバンテージ。デキは変わらず良い。歩様も力強い。落ち着きも有った。戦前の報道通り、あまり行く気なく、好位のイン。かなりノメっていたのは間違いないが、他馬も一緒で、直線だけ外へ。外へ持ち出してからは力強い脚取りで伸びて、後続を離す一方だった。見た目には大楽勝。ロードカナロアを別格として、最近は本職が強いスプリント戦だが、この馬場で1400〜1600mの馬が勝った形。戦前は控えても競馬になる等、陣営が矢鱈強気だったが、今日の馬場では何とも。

スノードラゴン

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。歩様の硬さも含めて、平行線。行く気もなかっただろうが、出脚も速い方ではなく後方でジックリと。今日はこれが正解だったが、4角では良馬場なら99%圏外ともいえる位置からここ迄追い込んで来た。やはりこの馬、力が有る。トビが大きいので、メリハリの利いた競馬も良かっただろう。これで放牧だそうだが、前走中山戦でも触れた通り、マイルでも走れる筈で、そこが狙い目に。

ストレイトガール

2人曳き。前肢にバンテージ。相変わらず毛ヅヤが良い。少し気負っていたが、馬体にも張りが有った。出ッパは速い方だったが、馬場を読んで中段から。1番人気の馬としてはこれ以上ギャンブルもし辛く、スムーズに乗られた。直線向いてもそれなりに伸びているが、前のコパノリチャードの影も踏めず、更に思い切ったスノードラゴンに差され3着に。とはいえ見方を変えれば、今日は悪条件ばかりが揃った中で、キッチリ馬券に絡んだのは立派ともいえる。ハクサンムーンは別にするとしても、純粋スプリンターとしては第一人者といって良いのだろう。

エーシントップ

-6kg。絞れて、馬体が締まって来た。ちょっと本格化ムードも。1200mで出脚がどうかと思っていたが、ハクサンムーンが出遅れ、コパノリチャードが行かずにハナへ。各馬、内を開けて走っており、イチかバチかで内ラチ沿いを通ったが、あとちょっとだった。上位馬同様、今日でスプリント適性云々は論じ難いのだが、馬は間違いなく強くなっている。1400,1600m辺りならGⅠでも。

ハクサンムーン

2人曳き。例に依って返し馬までパシュファイヤー。-6kg。前走中山戦の方が少し迫力が有った気もしたが、充分及第点、道悪でバランスを崩したのか、痛恨の出遅れ。行き切れずに後方から。スプリント戦だけにそのまま待機せざるを得ず、4角は馬場の良い大外へ。次善策としては悪くない内容だったが、スノードラゴンには後ろから交わされており、この競馬でも稼げると迄は行かないだろう。普通にゲートを出ることがない馬で、基本的に良いか悪いかのどちらかなのだが、どうもゲートが嫌いなのか馬が慌てている様にも見える。

第21回マーチステークス(GⅢ)

ソロル

シープスキンノーズバンド。芝でもイケそうなシャープな造り。歩様のバネも目に付いた。出遅れて後方も、後続馬群がバラけたことも有り、徐々に番手を上げて向正面で中段。縦長だったとはいえ、終始外を回ってそれなりに脚を使わされているのだが、前々走中山戦でもそうだった様に、追い比べに持ち込むと勝負強い。早目に動いている分、4角で一息付けたのも良かっただろう。坂を上がって、グイッと一伸びして快勝。時計の速いダートは強い。あとは、交流戦時のパワー勝負でどうか。

ジェベルムーサ

前後肢にバンテージ。大型馬で迫力は有るが、少し緩く映る。完璧を望むならもう少し締めても。ダッシュ付かず後方から。ただ、この馬場で後方ママという訳にも行かず、向正面から徐々に進出、4角でグラッツィアを締め切った時にはやったかに思われたが、4角で一番外を回された分とソロルが想像以上に渋太く、最後は際どい2着に。ゲートさえ出ていればという内容。今日は少し強引過ぎたが、3歳時より機動力が来たのは大きい。確実に強くなっている。

ドコフクカゼ

前後肢にバンテージ。-12kg。前走阪神戦が太かった。定跡通りに絞れて良化。気配には乏しいが、馬体の張りも悪くない。出脚は速い方ではないが、少し押して中段。道中は枠なりにインに居たが、4角で下がって来た馬を捌きつつ外へ。その間に、上位2頭は前に行っており、結果的に競馬が後手に回ってしまった。外枠なら違っていただろう。少なくともオープンで通用するところは見せた。

エーシンゴールド

2人曳き。前後肢にバンテージ。迫力では断然。筋骨隆々の造り。積極的に乗られて先行。多少掛かった以外はスムーズに運べたが、強いて言えば後続の追撃が早く、4角手前でクリノスターオーを見切らなくては行けなくなったのが誤算だったか。絶好の目標にされてしまった。今回、初めて連対を外したが、堅実には駆けている。重賞に手が届く日も近いだろう。

クリノスターオー

前後肢にバンテージ。腹回りが少しボテッと映ったが、ハチ切れんばかりの馬体で、デキ自体は良い。出脚が速く、ナリタシルクロードと一緒に先行。そのまま叩いてハナへ。雨だけにこれで正解だが、ピタッとバーディバーディにマークされ、4角手前からエーシンゴールドも来て苦しくなった。ただ、決して止まってはいない。トビが大きいので、持久力は有りそうで、むしろ決め手負けしたといった方が正確なのだろう。良馬場なら充分巻き返す余地が有る。

グランドシチー

後肢にバンテージ。好調期間が長い。歩様がキリッとしていた。以前よりはマシになっているとはいえ、出脚で差が有って中段やや後方から。ただ、機動力が良馬場でも少し怪しい状態。こんな馬場になってしまうとサッパリになってしまう。58.5kgのハンデも余計に応えただろう。今日は参考外。

第62回日経賞(GⅡ)

ウインバリアシオン

前肢にバンテージ。-8kg。少しずつでも絞れて来たのはそれだけ攻め強化出来ている証。それが馬体の張りにも繋がっている。その気になれば行ける馬だが、引っ掛かりそうな気配も有り、後方で折り合いに専念。序盤スローで、途中から速くなる中山2500mの典型的な流れだったが、一番速いところを外から一まくり。直線で先頭。ここでは力が違った。あとは相手関係よりも脚元との勝負。特に次走は特殊過ぎる京都だけに。

ホッコーブレーヴ

2人曳き。前肢にバンテージ。-6kg。毛ヅヤピカピカ。腹回りが少しボテッと映るのは体型分も。例に依って後方でジックリと。4角でもズブさを見せており、実質的には圏外だったが、ウインバリアシオンが一気にマクる展開で前崩れに。直線も右手前のままだった様に、あくまで広いコース向きの馬。ベストはあくまで東京。本来なら目黒記念で少し買いたいところだが、今日でハンデがキツくなるだけに。

ラストインパクト

キビキビした歩様が印象的。毛ヅヤが冴えていて、叩いて更に上昇。今日はゲートを五分に出たが、距離も有るのか、折り合いに専念して中段から。スローで多少窮屈では有ったが、上手く折り合って走れていた。ただ、最後迄窮屈になってしまった。中々馬群が捌けず、上手く行っていれば2着は有った競馬。前走小倉戦も強かったが、軌道に乗ったと見て良さそう。

サトノアポロ

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬体も仕上がり途上だったが、今日は少しテンション高い。出脚は負けていないが、トレイルブレイザーが主張して2番手から。1000m通過が63.6秒とスローで流れたが、逃げたトレイルブレイザーが脚を矯めることをせず、3角過ぎからのロングスパート。もう少しバランス良く流れて欲しかったところだろう。流れひとつでは充分2着も有った惜しい競馬。骨折明けだが、むしろ強くなっている。

フェノーメノ

2人曳き。-8kg。多少馬体に緩んだ部分は有るが、いきなりにしては出来ていた。出脚は死んでおらず、スッと好位。多少行きたがる素振りも見せていたが、充分許容範囲だろう。4角ではウインバリアシオンに一飲みされる苦しい展開だったが、直線は踏ん張って僅差の5着。能力以上に気力を問われる展開だったことを考えれば上出来だろう。昨年の勝利にタナボタ感も有るのだが、京都で変わる余地は残した。

第61回毎日杯(GⅢ)

マイネルフロスト

シープスキンノーズバンド。前後肢にバンテージ。馬体に張りが出て、今日の気配ならイレ込みもマシ。ゲートを普通に出て中段のイン。今日は折り合いも付いていた。インでしっかり脚を矯めた迄は良かったが、直線は前が開かず、仕掛けが遅れ気味。坂下でやっとバラけて、最後グイッと一伸びさせて際どいハナ差を制した。昨年のキズナ的派手さはないが、勝負強い。中山はスキップする様だが、距離も保つ筈で、東京戦でも連下には加えたい。

エイシンブルズアイ

前後肢にバンテージ。馬体はまだ子供だが、柔軟性は感じさせる歩様。内からジワッと先行。4頭雁行の場面も有ったが、2F手前で引いて好位のイン。折り合いも付いて理想的な競馬が出来た。追ってスパッと切れた印象ではないものの、ジワジワ伸びて坂上で先頭。押し切り態勢だったが、最後にマイネルフロストが強襲して2着に。強いていえば直線で手前が替わっていれば…だが、基本的にはマイネルフロストの決め手が一枚上だったか。

ステファノス

2人曳き。前肢にバンテージ。テンション少し高いが、馬体はシャープ。ゲートは出ているが、この枠で無理出来ず中段やや後方。前に壁がなく、ところどころで少し力んでいる様にも見えた。4角の反応も良く、外からマクり切っているのだが、外回りの阪神では結果的に少し早仕掛けだったか。内から2頭に差し返されて痛恨の3着に。一番強い競馬はしているが、今の時期は賞金が何よりも大事。

ラングレー

馬体にもう一絞り有っても。まだ輪郭がボヤけている。前からそうだが、出脚がサッパリで後方から。ステファノスを目標に仕掛けたが、ステファノスの方が回り脚が速く、伸びそうで伸び切れない。ディープインパクト産駒だが、ズブいだけで瞬発力がない。デビュー前からの期待馬ながら、まだ暫く掛かりそう。

アズマシャトル

-4kg。歩様のスムーズさが来ず、硬さの残る馬体。出脚が付かず後方から。馬群の中だったが、折り合いはスムーズ。4角ではラングレーと同じ位置に出て来たが、追ってからは似た様な脚色だった。どうも成長力に欠く。