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競馬回顧 2013年5回京都

ジャパン・オータムインターナショナル 第33回ジャパンカップ(GⅠ)

ジェンティルルドンナ

2人曳き。前走と変わらず。今季は歩様がしっかりしているのが何より。出脚は速かったが、前走の轍だけは踏まず、我慢出来る位置で折り合いに専念。1000m通過が62.4秒の超スロー。結果的には5番手だったが、かなり引っ張り切りながらも脚は矯められていた。直線はエイシンフラッシュが外に持ち出した関係で内を突く形になり、ラスト400mで先頭に立たされたのは結構キツかった筈だが、それでも今日は負けられない一戦で、最後は格と根性で振り切った。兎にも角にもこれで連覇。昨年は勢いで突き抜けた印象も有ったが、今日は苦しい状況の中、馬の地力で掴んだ勝利。ただ、これ以上も酷という気がする。クラブの規定で現役続行、来年はドバイ遠征だそうだが、今日で出涸らし感も。

デニムアンドルビー

-6kg。前後肢にバンテージ。数字はないが、ここでも格好は付けている。スタート直後はちょっと押していたが、それでも後方から。牝馬でも引っ掛かるタイプではないのだが、最近ズブさが見えていただけにちょっと気合を入れてみたといったところ。それでも位置取り的に充分脚は矯められており、馬場の良い大外へ持ち出して53kgも生かし決め手を発揮。最後はジェンティルドンナの底力にネジ伏せられたものの、あと僅か。ワンパターンはワンパターンでも、やはりこの馬、タダモノではなかった。

トーセンジョーダン

2人曳き。+4kg。前走も良かったが、筋肉の輪郭が浮いて、更に上昇。出脚は速い方ではないが、押して2番手。折り合いは付くのと、何処で競馬しても脚は使ってくれる馬で、このスローでこれが正解だった。直線向いて、ズラッと横に並んでの追い比べとなったが、底力で牡馬は全て振り切ったものの、切れる牝馬に屈した格好。前走もデキは良かった筈なのに走らなかったのが不可解だったが、マトモならこれ位走れる力は持っている。

アドマイヤラクティ

今年のメンバーなら馬体の迫力は上位。出脚の速い馬に行かせて中段のイン。ちょっと掛かり気味だった。4角、今日の展開では少し後ろにも見えたが、内からジワジワ伸びてここ迄。切れる脚が有るとは思わないが、前走同様、最後の最後迄伸びている様に見えた。良いスタミナが有る。やや暴論だが、この組み合わせでも2500mなら良い勝負になっていただろう。

ドゥーナデン

2人曳き。シープスキンノーズバンド今年は日本馬に筋骨隆々なタイプが居らず、馬振り自体はここでも負けていないが、ちょっと緩く映る。最初から行きたがっていて折り合いを意識して後方から。4角回って、デニムアンドルビーの併せ馬となったが、坂下迄は先行していたものの、デニムアンドルビーに脚でコジ開けられての5着。最近、体たらくが目立つ外国招待馬だが、ピークを過ぎたこの馬でこれだけやれるのだから、日本調教馬も大概という気もする。

エイシンフラッシュ

前肢にバンテージ。毛色も手伝って、スマートさでは現役屈指の馬だが、前走の状態はキープ。戦前から逃げ馬不在の組み合わせで、誰が行くかすら読めないレースだったが、好発切って例に依って出脚が速く、押し出される格好でハナへ。結果的にはこれが大失敗。道中のリズムがイマイチで、直線は伸びる気配がなかった。2400mこなすにはスロー以外になく、今回の組み合わせなら何とかなりそうだったが、自らの出脚で墓穴を掘った格好。

ゴールドシップ

2人曳き。更に白さを増して来た。馬のシルエットや歩様はデビュー以来一番だと思うが、妙にトボトボした気配は気になった。今日も急かさず最後方から。途中で動く意思は見せていたが、大して反応せず、直線も全く伸びず。ただ、東京ならこの負け方も許容範囲。次走、乗り役を交替させる点がどうかだが、中山なら巻き返す余地は充分。

第58回京阪杯(GⅢ)

アースソニック

前肢にバンテージ。毛ヅヤは冴えていた。馬も張っている。実際のところ、出脚は決して速くないが、この枠で押して2番手。3角手前でアイラブリリが半ば待ってくれる様な格好になり、理想的なペースで行けた。直線一追い毎に伸びて捕らえたが、それでクビ差は評価し辛いところ。全部が上手く行ったとみたい。次走が試金石。

アイラブリリ

2人曳き。テンション高いが、コロンとした体型は如何にもスプリンター。デキは良かった。好発。出脚も速く、アッという間に数馬身抜けたが、ここで一瞬抑えに掛かった際に、後続が追い付いてしまい、再びアクセルを踏む場面。ペース的には京都1200m独特のイン逃げ競馬だが、直線向いてから突き放す場面が造れなかった分の負け。着差が着差だけに勿体なさが残る。今日は騎乗ミス。ただ、出脚の速さは見せた。今のところ、ハクサンムーンと当たっていないが、来年ハクサンムーンにとってはこの馬が一番厄介な存在になりそう。

スギノエンデバー

+6kg。近走、ずっと良い状態。輪郭がシャープ。そこ迄出脚は悪い方ではなかったとはいえ、意外な先行策。4角では逃げたアイラブリリの直後に居た。ただ、今日は直線が勿体なかった。内回りだけに、外に出す余裕がないと見たのか、最内を狙ったが、一瞬狭くなる場面。これがなければ最低でも2着は有ったか。スローで脚が矯まっていた分も有っただろうが、この競馬が出来たのは収穫。デキも良いのだろう。

プレイズエターナル

+8kg。ちょっと太いだろうが、デキだけならコレ。はち切れんばかりの馬体で、抜群に良く見せた。出脚は遅い方だったが、まず中段で内へ潜って直線だけ外へ。この枠としては上手く乗られているが、如何せん今日は前が楽をし過ぎていた。今日の競馬で4角中段ではどうやっても勝ち負けは不可能。乗り役としては最善手は打てている。

ラトルスネーク

シープスキンノーズバンド。パシュファイヤー。前肢にバンテージ。毛ヅヤは冴えていたが、ちょっとイレ込み気味。これでも前走よりはマシだが。出脚が遅く、後方から。この枠で普通に外を回す競馬になった。従ってこれも良く追い込んでいる方。誰が悪いという訳でもなく、京都1200mでこうなるのは仕方がない。

マヤノリュウジン

2人曳き。数字は変わらないが、ちょっと緩い。押して好位を取りに行ったが、少し掛かり気味。このペースで掛かったら負けだが、この馬とラトルスネークのリズムの悪さは目に付いた。追ってからも大して伸びず。敗因としては、デキが半分、折り合いを欠いたのが半分だろうが、スプリントの場合は往々にしてデキが有ったら折り合いも違うのだが。

ジャパン・オータムインターナショナル 第30回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

トーセンラー

しっかり踏めていた。毛ヅヤも冴えている。出脚云々よりも、最初から行く気がなく後方から。勿論引っ掛かることもないのだが、かといって追走に汲々とすることもなく、スムーズに行けた。直線向いても、然程ロスなく外へ持ち出し、あとは追えば追うだけ伸びた印象。他馬とは1頭違う脚で完勝だった。コパノリチャードのペースも、この馬にとっては向いたのだろうが、やはり京都でしっかり脚が矯められれば必ず一脚使ってくれる。次走の中山戦は別にして、今後は京都をメインに来春の天皇賞目標だそうだが、今日はタイトルと乗り方が分かったのが収穫だろう。

ダイワマッジョーレ

テンション高いが、馬体は充実。歩様もキビキビ。ゲートは少し悪かったが、押して好位のイン。これでも折り合いが付くのはこの馬の良いところ。最初、ラチ沿いを狙ってコパノリチャードにフタをされ、進路を切り替えるロスは有ったものの、それ以外は不利なく運んで一旦は完全に抜け出したところをトーセンラーに差された。ゲートと直線入口での件がなければもう半馬身前に居たとも考えられるが、基本的には今日は相手が悪かった。

ダノンシャーク

2人曳き。+8s。数字は回復分。気配も良かったし、トモにボリューム感は目に付いた。好発も、控えて中段。この枠としては普通に競馬をして、普通に伸びているが、上位2頭には届かなかった。これがこの馬の実力で、工夫なしで乗った場合にはこの程度なのだろう。1番人気だけに案外感も有るのだが、これが最近のマイル路線の低調振りを示している。

コパノリチャード

前後肢にバンテージ。デキは変わらず。前走阪神戦から本調子。出脚はガルボの方が速かったが、少し押してハナ。少し掛かり気味に、行き振り自体は前走と似た様な感じだったが、距離が1F長い分、良馬場にも関わらず0.3秒遅いペース。結果的にもうチョイ飛ばしても良かったかも。最後は上がりの競馬になってしまい、決め手の有る馬にやられてしまった。ただ、それでも4着。やはりGⅠでも通用する馬なのは間違いない。

ドナウブルー

前後肢にバンテージ。まだ絶好調時の張りがないのだが、気持ちは前向き。ゲートは出ているが、今日は決め打ちだったのか、行く気なく後方から。トーセンラーにフタをしたつもりが、フタになっておらず4角は大外。トーセンラーの後方では流石に厳しいところ。今日は競馬になっていない。

第18回東京スポーツ杯2歳ステークス(GⅢ)

イスラボニータ

馬体は然程目立たないが、しっかり踏めている。落ち着きが有ったのも何より。オールステイがハナへ行っての好位。インで折り合って、外から早目に抜け出したプレイアンドリアルとの一騎打ち。道中無駄なことをしていない分、勝てたが、意外に梃子摺ったというのか、もう少し着差が有っても良かった。馬体もマイラー気味。器用さは評価するが、今日の内容だけをいえば昨年のコディーノ級。一方で時計だけは異様に速く、評価が難しい。

プレイアンドリアル

2人曳き。トモに筋肉が浮いて、完成度が高い。出脚速く好位の外。最初からそうだったが、少し掛かり気味。4角も抑え切れずそのまま進出し、坂下では先頭。イスラボニータとの併せ馬となり、相手の方が道中楽をしていたことを思えば後塵を拝して当然だが、手応え以上に渋太いレースだった。気が勝っている点も含めてコスモバルクに良く似ているが、残念ながらレース後に故障が判明。

クラリティシチー

2人曳き。+6kg。多少トモが薄い。2歳戦だが、評判馬が揃い、迫力で負けている。出遅れて後方から。4角迄はラチ沿いを回り、直線だけ外へ。最初、サトノアラジンに併せに行き、ダメだと見るや否や再び内に切り替えと、右往左往していたが、今日の展開を思えば良く追い込んでいる。まだ500万にも使える立場だが、重賞でも十分通用する。

ラングレー

少しテンションが高いのと、もう少し馬体にメリハリが欲しい。出脚は余り速くなさそうだが、押して好位。直線向いてプレイアンドリアルの1馬身後方なら充分勝負圏内だった筈だが、その割に伸びなかった。今日は強行軍の影響も有り、先々は走って来る筈だが、現状はこの時計で走れる馬ではなかったか。

サトノアラジン

圧倒的一番人気になっていたが、数字の割に馬が軽い。出たなりで中段から。直線、他馬に内から寄られ、無駄に外を回された影響も有ったのだが、もう一伸びして欲しかった。まだ力が付き切っていない印象。

ジャパン・オータムインターナショナル 第38回エリザベス女王杯(GⅠ)

メイショウマンボ

雨で早足の馬が多い中、落ち着いていた。ただ、歩様が多少怪しく、満点はやれない。少し行きたがっていたが、無理に押さえ付けることもなく、好位のイン。馬群が切れた向こう正面で外へ持ち出し、ここで折り合いが付いた。戦前は道悪が嫌われていたが、全く苦にしておらず、あとは仕掛けるタイミングだけ。ラスト100mで先頭に立ち、完勝だった。やはりこの条件では単純に一番強かった。かつてのタケノベルベット級の評価は出来る。距離もこなせる筈で、2400m辺りで牡馬相手の一線級と闘うよりは相手弱化の3200mの方がむしろ面白い気もするのだが。

ラキシス

2人曳き。まだ成長途上。背丈の割に馬が軽過ぎる。もっと矯めて乗られるかと思ったが、道悪を意識したそうで積極策に出て2番手から。ペースもスローで、これはこれで正解。折り合いも付いていた。メイショウマンボが早目に来て、スローでも展開的には決して楽ではなかったのだが、それでも渋太く脚を残して2着は確保。新聞紙上では人気以上に厚い印が付いていたが、初重賞でも格負けしていないレースが出来た。前でこの競馬が出来たのも収穫だろう。

アロマティコ

舌を出していたのは気になったが、馬体は悪くない。キビキビ歩けていた。例に依って後方で折り合いに専念。メイショウマンボ同様、早目に外へ持ち出し、4角でメイショウマンボの直後を確保出来たのが良かった。道悪は得意ではない筈だが、京都なら高が知れている。良いところ選んで、ソツなく回って来た。前走東京戦は展開不向きだったが、工夫すればこれ位走れる力は有る。

トーセンアルニカ

2人曳き。一歩一歩が力強い。馬体がキリッとしており、気配も絶好。出脚は速くなさそうだが、押して先行。上手く折り合いも付いたが、4角ではメイショウマンボに抵抗したものの、直線入り口で締められてしまったのが痛かった。ただ、それでもそこからズルズル下がらず、根性も見せた。格上、初西下でこれだけ走れれば上等。3歳世代の牝馬は弱いという話も有るが、恐らくそれ以上に古馬が弱い。

デニムアンドルビー

ガサはない馬だが、相変わらず馬振りは目立つ。今日は決め打ちで最後方から。直線向いても最後方だったが、エンジンが掛かってからの伸びは一番目立った。ただ、結局のところこれしか手がないのも露呈した格好。自力で動いて良い馬ではない。

ヴィルシーナ

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬体に問題はないが、この馬にしては歩様が硬い。出脚は速い方で先行争いに参加していたが、外枠の馬が次々に来た為、結局は引いてメイショウマンボを眺める位置。坂の下りでメイショウマンボが先に仕掛け、一旦包まれる形になったのも痛かったが、それにしても負け過ぎ。勝負どころからの手応えがずっと悪かった。ちょっと気持ちが切れた様な負け方。引き際を考える時期に来ている。

第18回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GⅢ)

ベルシャザール

前後肢にバンテージ。ここでは馬が抜けている。歩様も力強い。芝で出脚を稼いで好位のイン。4角迄はスムーズだったが、直線向いて前が壁になり、最悪の形になったが、ラスト250mで前が開いて突き抜けた。着差は有ったが、一つ間違っていれば掲示板もなかったところ。ただ、何れにしても比べ馬では完勝。次走は来年になる様だが、阪神戦は経験値も問われる舞台。出走して良いことはない。その点も賢明だろう。

アドマイヤロイヤル

馬は良くも悪くも変わらず。もうチョイしっかり踏めて欲しいが。何時も通り、あまり行く気なく中段から。バラけた位置迄下げて、4角から外へ。この点も普段の競馬。良く伸びているが、最後が若干止まり気味。危うくベストウォーリアに差されるところだった。1600mも守備範囲だが、微妙に長い印象も。どちらかといえば1400mの方が安心感が有る。

ベストウォーリア

前後肢にバンテージ。先々の良し悪しは別にして、少しゆったりした造り。出たなりで中段から。馬群の切れ目でインに潜ったが、直線ではベルシャザールの直後。ベルシャザールも前が詰まっており、更に渋滞する形になってしまった。最後迄脚は使っており、マトモなら最低でも2着は有ったか。自力で動いてどうかという問題は有るが、ここでも競馬になることが分かっただけでも収穫は有った。

ゴールスキー

後肢にバンテージ。デキは悪くないが、見た目は芝馬。ゲートは出ているが、行く気なく後方から。ただ、道中は掛かり気味。直線それなりに伸びているが、前がスムーズでないだけ僅差に見えるだけで、実質的には完敗。もうちょっと前で折り合える様にならないと。次走は年明けの1400m戦だそうだが、こちらの方が確率は高い。

ナイトフッド

パシュファイヤー。腹袋がボテッと目立つのだが、気配は良かった。芝で置かれ気味になり後方に近い位置から。マトモに砂を被る位置で、キツい競馬になったが、内からジワジワ追い込んでここ迄。位置取りと相手関係を考えたら悪い内容ではない。重賞で本命にして良い馬ではないが、3着位は拾って来れるだろう。

イジゲン

+10kg。芦毛で毛ヅヤはともかく、馬体の張りが一息。この馬にしては珍しく、出遅れが1馬身以内。中段のインに居て、直線で中々前が開かない場面は有ったものの、最後は前が開いており、伸びなかった。ゲート出て砂を被る形になったのが良くなかった可能性も有るのだが、今日のところは休み明けを言い訳にしたい。

第18回KBS京都賞ファンタジーステークス(GⅢ)

ベルカント

2人曳き。前後肢にバンテージ。テンション高いが、この程度なら。馬振りは流石。出脚が抜群に速く、スッとハナ。前走小倉戦は引っ掛かったが、単騎なら折り合いは付く。今日はコーナーもキッチリ回れており、直線半ばで突き放してそのまま押し切った。ここではスピードが違った印象。次走はコース適性を重視して中山へ行くそうだが、成る程理に叶っている。JRAGⅠ制覇が懸かる武豊騎手だが、現状では本命視したい。

モズハツコイ

前肢にバンテージ。寸が詰まってマイラー。ただ、歩様が硬い。ゲートは出ているが、一瞬の出脚がなく、中段やや後方から。ソコソコ流れたことも有るが、1400mで折り合いは付いていた。4角で上手く馬群を捌いて2着浮上。やはり1400mの方が良いのは確かだが、器用に回っただけという印象も。能力を感じさせる内容でもなかった。

アドマイヤビジン

2人曳き。芦毛だが、毛ヅヤは冴えていた。頭は高いものの、馬も目立った。出脚がサッパリに近く、道中は後方から。直線迄待って追い出したが、下見では頭が高かったにも関わらず、全身を使ったダイナミックなフォームで伸びて来た。前で決まる展開が厳しかっただけで、脚は見せた。今日は全くの人気薄で、次走は自己条件とのことだが、確勝級。

エイシンオルドス

しっかり踏めていた。馬体もこの時期の2歳牝馬にしては重量感が有る。好位に居たが、かなり引っ掛かっていた。直線向いてもフォームが天井を向いており、バラバラになっていた。レース後には骨折も判明し、踏んだり蹴ったりの競馬に。

リアルヴィーナス

2人曳き。スカッとした造り。ただ、歩様にスムーズさがない。ゲートは出ているが、一旦最後方迄下げて折り合いを付け、馬群を割る形。それなりに脚を使っているが、似た様な位置に居たアドマイヤビジンの方が脚は良かった。500万も少し怪しい。

第49回京王杯2歳ステークス(GⅡ)

カラダレジェンド

前肢にバンテージ。連闘でも硬さはなし。もっと馬体が締まっても良い位。積極的に押して2番手。位置を取りに行って直ぐは行きたがっていたが、3角で折り合いが付き、直線もキッチリ抜け出した。1000m通過が60.3秒とスローも向いたのが一番だが、外枠からこの位置を取りに行ける気性面が何より。距離も保つ筈で、次走内枠なら圏内。

クインズハリジャン

-14kg。ちょっと細く映るが、前走が太かったのも確か。好発。外から2頭に来られ、連られたが、前に馬を置いてからはスムーズ。追い出した際に一瞬反応が甘く、前とは差が開いたが、坂を上がってから再び加速して寸前で2着浮上。中々渋太いレースを見せた。中山はどうかと思うが、距離は2400m迄は何とかなるだろう。

ラブリープラネット

前後肢にバンテージ。バランスの取れた造り。歩様も伸びていた。出脚の速かった組では一番内に居たが、抵抗せず好位のイン。4角回って、カラダレジェンドと並走。手応えも良かったが、ラスト150mで脚色が鈍ったところをクインズハリジャンにも差されて3着に。器用さは見せたが、ちょっと決め手に差が有るのも確か。

マイネルディアベル

前後肢にバンテージ。チャカつき過ぎ。馬体は数字の割に見栄えするが。ジワッとハナへ。内枠の馬がスッと引いてくれてスローの単騎。数字上のペースは上手く行ったが、追い出して苦しがってしまったのか、ステッキに反抗する様な場面が有った。僅差は僅差だが、一息入れた方が良さそう。

トーセンシルエット

2人曳き。もっと増えても良い位。ただ、これもチャカついていた。外枠からこの馬の出脚でジワッと先行。多少怪しいが、下見を考えれば折り合いも付いた方だろう。クインズハリジャン同様、追ってスパッと切れる脚ではなかったが、ジワジワ伸びてここ迄。もうチョイ距離が欲しいところ。

モーリス

2人曳き。前後肢にバンテージ。馬体は最上位だが、ちょっとイレ込んでいた。ゲートをポコンと出て後方から。このスローで4角大外はキツいが、33.1秒の上がりで、1頭脚が違っていた。6着でも圧倒的能力差を示した。中山ではキツいが、再度の東京なら楽勝だろう。

第4回みやこステークス(GⅢ)

ブライトライン

腹袋が多少目立つが、ダートなら。毛ヅヤや馬体の張りは前走札幌戦と変わらず。ダートは出脚が速く、スッと3番手。アイファーソングが逃げたところを、レッドクラウディアのバルザローナ騎手が突いて1000m通過59.7秒のハイペース。これを早目に追い掛けて、4角手前から一気にマクッて先頭。前走函館戦で失敗しているとはいえ、かなり強引な競馬に見えたが、一杯一杯振り切った。ハナ差でも完勝。この斤量差なら力が一枚上か。スローペースの折り合いにはやや不安も残すのだが、次走阪神戦もハイペース必至で、自分の力は出し切れそう。あとは同斤での力関係。一応、今日の内容からは何とかなりそうだが。

インカンテーション

+8kg。攻め馬は走らなかった為、人気を落とした面も有るのだが、ここでも馬は負けていない。大トビだが、少し出し気味に好位の外。ローマンレジェンドを目の前に置いて、展開としてはドンピシャ。ローマンレジェンドが4角で他馬と接触する不利が有り、ここでスピードが鈍ったところを一気に前へ。ローマンレジェンドをラスト100mで振り切り、最後ハナ差迄迫ったところがゴールだった。ここ迄来れば勝ちたかったところだが、何れにしても比べ馬では負けている。ただ、昨年のホッコータルマエが3着。現段階での比較はこの馬の方が上。次走はどうかだが、来年こそは頂点へ。

ローマンレジェンド

+13kg。デビュー以来最高体重。骨格がしっかりしているので太い印象はないが、何時もよりテンション高い。59kgでも出脚は速かったが、少し掛かりそうになったことも有り、無理せず好位から。これで折り合いは付いた。ただ、4角でヒラボクキングが内へ押し込んで来て、軽く接触する場面。直ぐに脚力でコジ開けては来たものの、斤量背負っているだけに、このロスは大きかっただろう。その分、最後に力尽きた印象だった。何れにしても59kgを考慮すれば想定内の負け方。悲観する内容ではない。

ナイスミーチュー

前走阪神戦で出来ていた。迫力がないのも変わらず。この距離だと出脚が怪しく、中段やや後方から。直線はそれなりに詰めているが、前も似た様な脚で上がっており、ここ迄がやっと。馬場状態を考慮すれば悪くない内容だが、この馬は阪神2000mがベスト。ここで勝ち負け持ち込むには相当上がりが掛かる展開にならないと。

グランドシチー

+8kg。今日の方がむしろ締まって見えた。前走函館戦以上。この馬にしては珍しくゲートが速かったが、出脚がなくて後方に近い位置。理想は何処かでマクる形だが、今日は外に馬が居てそれも叶わず、直線勝負。脚が矯まっている分、伸びてはいるが、今日の展開では...。これもこういう時計勝負は向かない。小回り1700mの方が動き易い。

グレープブランデー

+11kg。前後肢にバンテージ。下見は更に上向いた様に見えたが...。痛恨の出遅れで後方から。これ自体は仕方ないにせよ、もうちょと差を詰めて欲しかった。この馬はムラ駆け気味で、こんなモノかも知れないが、それにしても案外。今日の負け方からすれば次走人気落ちは必至だが、手は出し辛い。

ケイアイレオーネ

+10kg。前後肢にバンテージ。ちょっと太い気もするが、歩様はキビキビ。出脚が付かず後方から。4角から苦し紛れに外へ持ち出したが、この展開では競馬にならず。今日は展開不向きだったが、前走阪神戦も上手く行き過ぎた。まずは自分の型を作るのが先決だろう。

第51回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

アスカクリチャン

2人曳き。前肢にバンテージ。はち切れんばかりの馬体。気配も文句なし。好発も、ハンドリングの良さを生かし、最初から内へ内へ。結果的には中段から。向正面半ばで内ラチ沿いへ辿り付いた。直線向いてから一瞬外へ出そうとして進路がなく、最内に切り替えるロスが有りながら、グイグイ伸びて突き抜けた。前々走中山戦では少しズブさも見せており、戦前から気配は有ったが、距離延長がむしろ良い方に向いた。父スターリングローズ、母父ダイナレターとバリバリのダート血統だが、須貝厩舎らしく大事に使って来た結果、こんなところに適性が有った。

アドマイヤラクティ

皮膚を薄く見せて好ムード。前走京都戦以上。出たなりで中段から。折り合いを考えるとこれ以上は深追いし辛いところだが、ちょっとバカ正直に外を回され過ぎてしまったか。ラスト200mで左手前になって若干苦しくなったものの、その割には最後迄諦めずに伸びている。ハンデ差迄考慮すれば一番強い競馬をしていると見て良い。今春東京戦はデキ落ちでサッパリだったが、この競馬が出来るならGⅠでも圏内の1頭になる。

ルルーシュ

迫力はないが、デキ自体はまずまず。ただ、トモの運びが硬い。このメンバーでは出脚が速く、スッと好位。ただ、ちょっと掛かり気味。定跡通りに一旦はインから抜け出しているが、内から直ぐアスカクリチャンに交わされ、最後はアドマイヤラクティにも捕まって3着に。今日は折り合っていれば勝っていた競馬。早い話が、今春東京戦から進歩がない。勿体なさが残る。

コスモロビン

前肢にバンテージ。-8kg。絞れて良化。しっかり踏めていた。ゲートも少し悪かったが、最初から行く気なく、内へ潜り込む策。アドマイヤラクティを目標に勝負どころから外を追い上げて行ったが、大分脚の差が有った。微妙に外へモタれていたのも響いただろう。上位とは少し力量差が有りそう。ただ、坂を上がって、失速し掛かっていたが、ホッコーブレーヴが来て、そこでもう一脚使っている。根性は見せたか。スローなら。

ホッコーブレーヴ

前肢にバンテージ。腹回りがボテッと映る。この数字では重い。全く聞く気なく、ほぼ最後方で折り合いに専念。コースロスなく回して、直線だけ進路がなかった為、外へ。折り合いも付いて狙い通りの競馬が出来たが、コスモロビンに並んだところで甘くなってしまった。ただ、初重賞にしては健闘している。現在5歳だけに、残された時間は少ないが、チャンスはその内回って来るだろう。

ムスカテール

前肢にバンテージ。馬体も見栄えしないが、ちょこまかした歩様。これもほぼ最後方。横山典弘騎手にしては小細工せず外を回って来た。上がりタイムにして0.2秒程伸びが甘い気もするが、今日の展開ではこんなモノだろう。確実に良くはなっている。次走中山戦だそうだが、何とかしたいところだろう。

メイショウナルト

+12kg。腹回りがチョイボテッと映る程度。ゲートをスッと出て好位。ただ、前に壁がなかった時に思い切り引っ掛かっており、慌てて馬を前に置いたが、それでも引っ張り気味。直線も全く伸びなかった。2200m迄は何とかなったが、流石にこの距離は図々しかったか。適距離で改めて。

第2回アルテミスステークス(重賞)

マーブルカテドラル

2人曳き。前肢にバンテージ。この数字の割にはしっかりした馬。ただ、歩様が甘い。無理せずこの馬の出脚で中段。新潟戦程ではないにせよ、引っ掛かっていたが、直線は外へ持ち出して一追い毎に伸びた。鞍ズレのマイナス度合が算出出来ないが、何れにしても強い勝ち方。父ダイワメジャー、母ヘルスウォール共、追って伸びるイメージではないだけに、相当の大物かも。

パシフィックギャル

+8kg。前肢にバンテージ。馬体が増えるのは良い傾向。ただ、トモの送りが硬いのが気になった。ゲートが少し悪かったが、出脚でカバーして中段。ひたすら最内を伝って、アッという間に先頭に立ったが、結果的に早過ぎたかも。それでも通ったコースの差からマーブルカテドラルとは能力差有るのだが、トモの硬さがなくなれば先々走って来そう。ここで賞金加算出来たのも今後へ向けて大きいだろう。

ニシノミチシルベ

-4kg。馬体細化傾向は気掛かり。テンション高いのもマイナス。出脚は速かったが、深追いせず、好位で折り合いに専念。追ってスパッと切れる脚ではなかったが、ジワジワ伸びて3着浮上。下見とは全く違うイメージの競馬だった。父タイキシャトルだが、このタイプがオークス向き。ただ、500万で勝てず、重賞で3着と最悪のコースを歩んでいる。デキの維持がカギになりそう。

サクラパリュール

-8kg。前肢にバンテージ。馬振り最上位。歩様もしっかり。出遅れ1馬身不利。直ぐに馬群に取り付いて、これもラチ沿いから。出遅れ以外は不利なく来ているが、最後に出遅れのロスが響いて4着に。ニシノミチシルベとは能力差ないと見て良い。1戦1勝の馬がこれだけ走れば上等。先々は走って来るだろう。

セレナビアンカ

前肢にバンテージ。数字はないが、トモにボリューム感。後方からジックリと進め、直線は少し変なところに閉じ込められそうになったのだが、そこを脚でコジ開けて33.9秒の上がりでここ迄。数字以上にフォームのダイナミックさが目に付いた。3戦連続で33秒台の上がり。ひょっとしたらGⅠ級の可能性も。

クリスマス

2人曳き。馬はこれで良いが、周回重ねる毎にテンションが上がっていた。好発も控えて好位の外。初距離にしては折り合っていた方だろう。直線向いても一瞬は反応したが、そこ迄だった。ズルズル下がった訳ではないが、今日のところは距離が長過ぎる。