Sakura Archives

競馬回顧 2013年1回阪神

第62回フジテレビ賞スプリングステークス(GⅡ)

ロゴタイプ

2人曳き。前肢にバンテージ。気合も乗っていきなりから出来ていた。2歳時は歩様の甘さが目立ったが、踏み込みの深さも印象的。出脚は一番速かったが、行きたい馬に行かせて好位。ペースは1000m通過60.1秒と速くなかったものの、前は3頭雁行で行く形。これを眺める形で絶好の競馬が出来た。あとは仕掛けのタイミングだけ。4角手前で追撃態勢を作り、坂下では既に抜け切っていた。完勝だった。出脚が来て中山の競馬が出来る。今日もそれ以上ではない気もするが...。

タマモベストプレイ

2人曳き。-6kg。輸送分だけ絞れた形。重量感は有る。ワイルドドラゴンの方が出脚は速かったが、結果的にロゴタイプの直後から。良い形になった。4角でロゴタイプが勝ちに行って外へ。これもこの馬には絶好だっただろう。前の馬を捌いて2着は確保。ロゴタイプ同様、器用さのみを評価するに留めたい。

マイネルホウオウ

2人曳き。前肢にバンテージ。気合は乗っていたが、少し馬は緩い。権利は有る馬で、ここはあくまで叩き台だが。この枠だが、出脚で中段は確保。それなりに外は回されたが、馬を前に置いて折り合いは付いていた。4角はかなり外を回されてしまったが、しっかり脚を使えていた。オープン勝ちの実績が有るにも関わらず、戦前は何故か全く人気がなかったが、これ位は走って何等不思議はない馬。

フェイムゲーム

前肢にバンテージ。軽い造りの馬だが、メリハリは利いている。出遅れ1馬身不利。これもかなり外を回されたクチ。1角と4角が特に酷かったが、今日はむしろ良く追い込んでいる方だろう。前走同様、坂を上ってからの脚も1頭目立っていた。ここ2走は外国人ジョッキーで連勝して、今日は北村宏司騎手。脚を見せているだけに差が際立ってしまう。

マンボネフュー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。毛ヅヤ冴える。馬は良いが、相変わらず歩様が伸びない。出脚はマイネルホウオウの方が速かったが、押して好位直後。権利取りの為も有っての積極策だろう。ただ、前走東京戦は前が詰まったことも有って、脚を余し気味だったが、今日は最後失速。現状、トモが甘いので競馬にメリハリを利かせた方が良さそう。

第61回阪神大賞典(GⅡ)

ゴールドシップ

2人曳き。トボトボ歩くのは今に始まったことではない。馬体も良くも悪くも変わらず。毎度の如くだが、出脚サッパリで最後方から。これも例に依って何処かで動いて行く訳だが、今日は1周目のゴール板を過ぎた辺りで外へ持ち出し、向正面へ行ってから徐々に進出。実質ラスト800mのロングスパート。ただ、ベールドインパクトが抵抗し、レースが面白くなった。結果的には今回もゴールドシップのレースに。桁違いのスタミナを誇るこの馬にとって、この形になれば負け様がない。次走京都も考えられる敵が有るとすればやたら1番枠が強い馬場状態のみだろう。

デスペラード

2人曳き。シープスキンノーズバンド。毛ヅヤピカピカ。この距離で馬振り云々は関係ないが、キビキビ歩けていた。出脚は速かったが、今日も下げて後方から。ゴールドシップの早目進出には付き合わず、自分のペースで追い出し。乗り役も、ベールドインパクトとの喧嘩には内心シメシメだっただろう。ゴールドシップには敵わなかったが、悠々2着は確保。狙い通り賞金加算が出来た。自在性は有る馬で、次走も馬券圏内は有って良い。

フォゲッタブル

オーストラリアンブリンカー。前後肢にバンテージ。気性的な問題だけで馬は変わらず。戦前はハナへ行きたかった様だが、マカニビスティーが主張して2番手から。ベールドインパクトの抵抗はゴールドシップの進出を遅くするという意味でこの馬にも良い方に働いたが、それでもここ迄がやっとだった。被されるとヤル気をなくす様で、スムーズに行ったのは良かったが、かといって多頭数の外枠で競馬になる程の地力もない。これで復調ムードというのはやや早計。

ベールドインパクト

2人に引き。前後肢にバンテージ。-4s。狙い通り絞れて来た。皮膚の薄い馬で、デキに問題はない。ゲートは出ているが、折り合いに専念して後方から。外枠だった影響も有って、序盤やゴール板近く等は少し掛かり気味だった。その影響で我慢し切れずゴールドシップの進出にマトモに抵抗、相手の土俵で闘う形になってしまった。一瞬の決め手はこの馬の方が上で、3角辺りの雰囲気は互角以上だったが、4角回ってからが苦しくなってしまった。ただ、権利は有る馬でこれはこれで一つの経験だろう。確実にこの馬をステップアップさせてくれる筈だ。

トウカイトリック

-10s。前後肢にバンテージ。まだ太い。歩様の勢いは素晴らしいが。以前より出脚がマシになっているが、行く気なく後方からジックリと。ただ、2周目4角でもズブさを見せており、結果的にエンジンが掛かるのが遅過ぎた格好となってしまった。今日だけをいえば3000mでも短い様なレース内容。それでももっと絞れれば動ける筈。世代限定戦の菊花賞は別にして3000m超で残すは天皇賞のみ。そこを目標にしているなら今日の仕上げも納得だが。

第27回フラワーカップ(GⅢ)

サクラプレジール

2人曳き。シープスキンノーズバンド。-14kg。余裕はないが、決して細く見せない。気合も乗って気配も良かった。ハナへ行ける出脚だったが、外からロゼラニが来て好位から。1000m通過が62.0秒のスロー。4角の手応えが絶好で、馬場の良い外目を選ぶ余裕も有った。ただ、思いの外、僅差になった。恐らくは登坂力の問題だと思うのだが、乗り役の話通り、まだパワー面で弱いところがありそう。

エバーブロッサム

馬体の雰囲気は悪くないが、トモの送りが硬い。ゲートは出ているが、外から来られて後方に控える形。むしろズブい位の馬だそうだが、前には馬を置けており、折り合いは付いていた。4角は大外。サクラプレジールの横山典弘騎手があれだけ外へ持ち出す位だから内はかなり悪い筈だが、それにしても外を回され過ぎただけに、このハナ差2着は評価出来る。能力は最低でも勝ち馬以上。

リラコサージュ

400s切る馬だが、キリッとした歩様は悪くない。出たなりで好位のイン。ハンドリングが良さそうな馬で、クルマに重要な3要素、"走る,曲がる,止まる"といった基本的なことがスムーズ。4角で内を捌いて良く伸びているが、惜しい3着に。内は相当悪い様なので、この馬格では余計に応えただろう。レースレベルに疑問も有るが、30年前のオークスなら馬券を買いたい馬。

エクスパーシヴ

前後肢にバンテージ。馬は悪くないが、チャカつきが目立った。ハナへ行きたかった様だが、この枠でも出脚でやられて2番手止まり。馬場状態を別にすればインでスムーズに運べたが、一瞬の脚でリラコサージュに利が有った。近走、悲惨な競馬が続いており、これ位は走れて当然だが、スムーズだった今日は逆に天井も見えた感。

ダイワポライト

数字通りの馬だが、少しトモに甘さを残す。押してもあまり進んで行かず後方から。道中はリラックスして走れている様に見えた。4角で上手く潜り込んでサクラプレジールの直後。直線も良く伸びているが、決勝線到達直後に故障し、落馬。予後不良となってしまった。

カラフルブラッサム

-12kg。流石にこれ以上は減らない方が良さそう。トモの丸みは残しているが、馬が薄くなった。出脚は五分だったが、この枠で無理せずハーモニーフェアを前に置く形。3角過ぎから早目に進出し、勝ちに行ったが、案外脚が上がるのが早かった。坂を上がる際に、頭が上がってフォームがバラバラ。馬体減の影響も有りそう。

第27回中日スポーツ賞ファルコンステークス(GⅢ)

インパルスヒーロー

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。単純に馬が一番良かった。隣のミリオンフレッシュがゲート内で暴れていた影響も有って出遅れたが、出脚で中段。しかし、出遅れが怪我の功名。前のゴチャつきを回避出来たのは大きかった。インで脚を矯めて、追い出してからも鮮やかだった。3連勝は見事だが、今日は後述する様にカシノランナウェイの菱田騎手が競馬を壊した感も有る。

カシノピカチュウ

前肢にバンテージ。少し腹回りがボテッと映るが、キビキビ歩けている点には好感。ゲートは出ているが、行く気がなく中段から。これも向正面の事象を回避出来たクチ。直線も坂を上る脚が速く、狭いところをコジ開けて伸びているが、今日はマトモにレース出来た馬が何頭居たのか疑問も有って。

エールブリーズ

パワーの有りそうな馬体。気合も乗っていた。カシノランナウェイの出脚が抜群に速かったが、ラチ沿い迄行って抑えた為、好位勢がゴチャつく場面。特にこの馬はマトモにブレーキを掛ける場面が有った。その後は何とか立て直したが、4角でも前に乗っ掛かりそうになり、引っ張る場面。このブレーキ2発はかなり痛かっただろう。それでも坂を上がって一旦は先頭の場面。今日は地力の3着。最初のはともかく、4角の事象はこの馬のハミ受けの問題で課題は有るのだが、マイラーとしては上級。

モグモグパクパク

2人曳き。名前の通り、結構飼葉食いの良い馬だそうだが、馬を大きく見せる。トビが大きい馬で、あまり急かさず中段やや後方から。3角ではインパルスヒーローと同じ位置に居たが、こちらは外へ。ダイナミックなフォームで良く伸びているが、最後は内外の差。示したパフォーマンスは勝ちに等しい。1200mで連勝して来たが、むしろ東京向き。マイルで更に。

マンドレイク

前後肢にバンテージ。モグモグパクパクとは対照的に470kgの馬には見えない。逆に小さく見える。出脚の速い馬ではなさそうだが、掛かり気味に好位直後から。例の不利は食らっていないが、ずっと力んでいる様に見えた。追って、渋太く脚を使っているが、ラスト100mで甘くなったのはその辺りだろう。今日は初重賞挑戦だったが、折り合いさえスムーズならここでも足る。

ティーハーフ

2人曳き。胴が短いだけで全身筋肉。如何にもスプリンター。出脚はかなり速い筈だが、折り合いに専念して中段やや後方から。4角回ってモグモグパクパクの直後へ出て来て、右隣にダイナミックガイ。この辺が微妙なスペースだったが、それでも脚が有れば割って来れる位の位置関係だった。やはり1400mは切れ味が鈍る。ベストは1200m。

第31回ローレル競馬場賞中山牝馬ステークス(GⅢ)

マイネイサベル

+8kg。前肢にバンテージ。前走京都戦が細かった。馬がキリッとしている。以前よりは大分行ける様になっているが、あまり出脚の速い方ではなく、中段やや後方から。オールザットジャズを見ながらの位置。今日はこれが最大の勝因。早仕掛けしたオールザットジャズの左から差し切った。元々東京や新潟を得意としており、スパッと切れる馬ではないだけに、中山での勝利は意外だったが、展開利が大きい。

スマートシルエット

もっとグラマーなイメージだったが、今日は妙にスッキリと映る。出脚は一番速かったが、ダイワズームが主張して2番手から。今日が引退レースだったが、少し予定が狂ったか。折り合いは付いていたが、行った方がよりスムーズだったのは間違いないだろう。3角過ぎからジワジワ追い上げ、4角で先頭。好位勢は振り切ったが、最後にマイネイサベルが飛んで来た。元々勝ち切るタイプの馬ではないが、最後もツキがなかった。

オールザットジャズ

+18kg。イレ込みキツい。馬体も立派過ぎる。ジワッと行かせて中段の外。外枠は少し引っ掛かるのは何時ものことだが、抑え切れない手応えで進出し、スマートシルエットに襲い掛かったが、僅かに見劣った。1800〜2000m以外は二束三文となる危険も有るのだが、それでも復活のキッカケは掴めたと見て良いだろう。

オメガハートランド

今日はあまりにもギスギスしていた。チャカついているのもマイナス。折り合いを意識して、急かさず中段から。4角で動けない位置に押し込められてしまい一瞬苦しくなったが、この馬の脚は使っている。下見は正直感心しないが、これも確実に良化を辿っている。

ダイワズーム

シープスキンノーズバンド。馬体の迫力はないが、しっかり踏めていた。出脚はかなり厳しかったが、押して押してハナ。4角でスマートシルエットが早目に仕掛け、バタッとは止まっていないが、中山で逃げ馬の5着は評価に値しない。あの出脚では次走ハナ切れるとも思えず...。

フミノイマージン

2人曳き。-10kg。絞れたと見て良い。気配も含めてほぼ出来ていた。最初から行く気なく、1角では最後方から。向正面から外へ持ち出し、3角から追い上げて行ったが、これに各馬が抵抗、4角では10頭分程外を回されていた。重ハンデ背負いながら馬は頑張っているが、これだけ外回されるとキツい。今日はミス騎乗。

第47回報知杯フィリーズレビュー(GⅡ)

メイショウマンボ

-6kg。毛ヅヤが一息だったが、筋肉は浮いている。ゲートは出たが、行きたい馬に行かせている内に自然と番手が下がり、中段やや後方に。阪神1400mは一気の差しが利くプラットフォームでは有るが、4角でもやや窮屈な位置に押し込められていた。直線で何とかスペースを探し出し、前が開いてからは一気の伸び。鮮やかだった。このレースの相手関係に若干の疑問も付くが、注目の1頭にはなるだろう。

ナンシーシャイン

前肢にバンテージ。数字はないながらトモの丸みは維持出来ている。枠なり、出たなりで中段のイン。少し行きたがっていた様にも見えた。直線向いて前も開いたが、一瞬の脚を生かしてティズトレメンダスを競り落として2着に。今日は内々を立ち回った利が大きいだろう。折り合い面からも次走は厳しい。

ティズトレメンダス

毛ヅヤが一息。馬体の雰囲気は悪くないが。出脚の速い方ではなさそうだが、ジワジワ押して3角で2番手。スピードに乗ってからは手応え良く、4角先頭。坂下では押し切り態勢だったところを一気に来られたが、それでも3着は確保。良く頑張っている。スタミナが有りそうなタイプ。次走何とか4着以内に潜り込めるなら東京で狙ってみたい。

ノーブルコロネット

-10kg。前後肢にバンテージ。トモの造りは悪くないが、腹が少し上がり加減。出脚は一息だったが、押して中段のイン。ナンシーシャインの直後から。直線はラチ沿いへ切り込んで、ジワジワ来ているが、僅かのところで権利が取れず4着に。惜しい競馬。ただ、今日の内容では正直自己条件も怪しい気もするのだが...。

シーブリーズライフ

前肢にバンテージ。まだ馬が子供。造りが緩慢に映った。例に依って後方から。幾らか外を回されているとはいえ、4角の雰囲気では勝ったかの手応えだったが、追って案外。意外な程伸びなかった。初西下が応えたか、それ以外は理由が見付らない。

サンブルエミューズ

2人曳き。前後肢にバンテージ。小さい割に馬は纏まっている。好発。外からティズトレメンダスに越される場面も有ったが、折り合いも付いている様に見えた。ただ、坂下から追い出して、一瞬だけ反応したものの、そこ迄だった。前走中山戦も坂を上がってからが案外だったが、どうにも詰めが甘過ぎる。現状は体力不足。

第49回中日新聞杯(GⅢ)

サトノアポロ

シープスキンノーズバンド。前肢にバンテージ。相変わらず軽い造り。もう少し歩様がしっかりして欲しい。この枠で深追いを避けて中段。道中は四方八方に馬が居たが、目の前に居たゲシュタルトが動いてくれて楽になった。直線でエスカレータ式にアドマイヤタイシの直後迄取り付いて、競り合う2頭を尻目に差し切った。中山よりは淡々と流れる広いコースは合っている。

アドマイヤタイシ

特別格好が良い馬ではないが、馬体は充実。硬さもマシになっていた。積極的に乗られて好位の外。行かせている分、2角迄は少し行きたがっていたが、これは許容範囲。勝負どころでも強気に仕掛け、坂下で先頭。勝ちパターンだったが、トウカイパラダイスが中々競り落とせず、その間にサトノアポロが外を通過して行った。矯めても行かせても...。次走、新潟だそうだが、勝ち切る場面が考えられる一方で、一気に来られて馬券圏内もない可能性も。評価が難しい。

トウカイパラダイス

暖かくなって毛ヅヤが良化。漸く良くなって来た。内からジワッと出して好位のイン。4角迄じっくり脚を矯めて、先に動いたアドマイヤタイシに内から併せる形。狙い通りの競馬が出来た筈だが、ラスト50mで甘くなった。中京の内枠は時々仕掛け遅れするケースも有るのだが、今日はその点でも上手く行った筈で、ちょっと案外の内容。

パッションダンス

2人曳き。前後肢にバンテージ。むしろダート馬の様な筋骨隆々の馬体。踏み込みが力強い。ゲート失敗したが、出脚は悪くなく、トウカイパラダイスの直後から。直線も最内が開いており、立ち回りとしては悪くなかったが、最後に突き放された。距離経験がなければ、まずそこを疑う様な止まり方。勿論この馬の場合は2000mでも良績が有り、力量差ということになるのだろうが。

ゲシュタルト

シルエット自体はそこ迄太く映らないが、全体に緩慢。ジワッと行かせて好位直後。流れには乗れている様に見えた。アドマイヤタイシを目標に動いて行ったが、坂を上って甘くなった。相変わらず詰めが甘い。基本的には平坦の方が誤魔化しが利いている印象も有るが...。

ジョワドヴィーヴル

-8kg。叩いて絞れて来た。デキに関しては問題なさそう。ただ、成長が有ったかといわれると若干怪しい気もする。最初から行く気なく、後方からインへ潜る策。初の左回りで、手前が替わらず追ってジリジリだったが、取り敢えず競馬が出来ることが分かっただけでも収穫。使って行けばヴィクトリアマイルには態勢整うだろう。

ジャスタウェイ

ちょっと細く映った。デキに疑問。内外から来られて中段やや後方から。行きたがるのは何時ものことで、これは言い訳にならない。それよりも外回したのと、デキの問題だろう。こういうところを勝たないとGⅠは百年早いということになるのだが...。

第50回報知杯弥生賞(GⅡ)

カミノタサハラ

シープスキンノーズバンド。まだ大分鍛える余地は残しているが、馬体に迫力が有る。余り行く気なく、中段から。折り合いというよりは、むしろズブい位の行き振りだった。エピファネイアの様な一瞬の脚はないものの、3〜4角中間から動いてジワジワ追い上げて最後はハナ差。とにかくバテないスタミナが有る。皐月賞で好走するタイプの馬ではないが、東京や秋の京都なら。

ミヤジタイガ

2人曳き。ここに来て馬が良くなって来ている。トモのボリューム感も有った。ゲートは微妙に良くなかったが、枠の利で内へ潜ってコディーノを見ながらの競馬。3角でコディーノの横へ付け、4角はエピファネイアを行かせての追い出し。このスローで仕掛けのタイミングがドンピシャだった。この相手でこの競馬ならそれなりの評価が必要だが、それ以上でもないだろう。次走連下級の評価は必要だろうが、それ以降は次走次第。

コディーノ

+8kg。数字は然程気にならないが、レース行っての気性を思うとチャカつくのが減点。ゲート五分に出て好位のイン。エピファネイアと違い、前に馬を置く形が出来ており、何とか我慢は利いていた。4角でも少し我慢させて、狙い通り乗れたが、同タイムながらあと少しのところで届かず。悪い内容ではないが、エピファネイアと違い、道中のロスが少なかっただけに案外感も残る。基本的に中山向きではないのだろう。

エピファネイア

前後肢にバンテージ。+8kg。多少太いのだろうが、相変わらずスケールの違う馬体。どうやって折り合いを付けるかが焦点だったが、内へ入れず好位の外で思い切り引っ掛かっていた。4角は諦めて一気に先頭。これで押し切れば最早化け物だったが、流石に甘くはなかったところ。ただ、着差は僅か。圧倒的に強い競馬をしている。評価は一切下げる必要ないだろう。課題は有るとしても、国内戦は全て中心。

キズナ

-12kg。絞れた分だけ前走阪神戦よりはマシだが、まだコロンと映る。折り合いに専念して後方に近い位置。4角で中段に取り付いた迄は良かったが、直線で馬群の間を狙ったのが裏目。カミノタサハラとミヤジタイガの間が狭くなり一瞬逡巡する場面が有った。着差が着差だけに惜しい。権利取り失敗で、ローテーションが苦しくなったのも痛い。

ヘミングウェイ

-6kg。前肢にバンテージ。下見でボロをしていた様に落ち着いていた。馬体も変わらず。ゲート内での駐立が悪く、出遅れ1馬身不利。後方からの競馬を余儀なくされた上に、4角も大外。むしろ良く差を詰めた方だろう。やはりこの馬、力が有る。ただ、レース後骨折が判明。ダービー辺りは絶好の狙い目になるところだったが、勿体ないことに。

第8回夕刊フジ杯オーシャンステークス(GⅢ)

サクラゴスペル

2人曳き。シープスキンノーズバンド。毛ヅヤピカピカ。馬体のメリハリも利いていて、今季絶好調。行きたい馬に行かせてジワッと好位。流れに乗れていた。馬装通り、追い出すと頭が上がり気味にはなるのだが、直線力強く抜け出してダッシャーゴーゴーの追撃を振り切った。完勝。デキが良いので、気性的な余裕が有る。この勢いなら次走の相手でも。

ダッシャーゴーゴー

-6kg。前肢にバンテージ。絞れたのは良い傾向。今季は毛ヅヤがいい。行きたい馬が多く、これも無理せず中段から。この枠で外から来られ、想定よりは1馬身後ろの競馬になったか。直線も良く伸びてはいるが、手前が替わっていなかったことも有り、ここ迄。今日はこれで地力は見せたといえる内容だが、ただ微妙な不器用さは相変わらず。特に左回りはその傾向が顕著。次走は飛び付き辛いが。

ツルマルレオン

腹回りのボテッと映る。良い様には見えないが。例に依って出脚がなく後方から。早目に仕掛けた馬も居たが、直線迄待ってから外へ。3番手以下が離れたことも有り、最後強烈な伸びで3着浮上。これ位の脚は持っている。ただ、イマドキの1200mはこの形となると勝ち切れないのも確か。1400mを使って行った方が良い気もするのだが。

ポアゾンブラック

重量感の有る馬体。これぞスプリンター。気配も良かった。出脚が矢鱈速かったが、内からハクサンムーンに行かせて2番手。4角ではステッキが飛んでおり、ズルズルの雰囲気だったが、意外に粘って入着。初芝でこれだけやれれば上出来だろう。出脚にも余裕が有りそうで今後の展望が開ける内容。

アフォード

-8kg。完歩の小さい歩様。まだ馬体の張りも一息。一完歩目が遅く、道中は中段から。4角回った雰囲気ではあまり伸びてくる雰囲気もなかったが、坂を上る辺りから一脚使って入着。叩いて少し良くなっている。次走辺りは本調子で走れる筈。

ハクサンムーン

2人曳き。パシュファイヤー。下見では最後方を周回。+8kg。悪くないが、少し余裕残し。毎回述べている様に短距離の逃げ馬にしてはゲートが悪く、ポアゾンブラックの方が出脚は速かったが、押してハナ。無理に行った分も有るのだが、4角の手応えは悪くなかっただけに坂を上る脚がなさ過ぎる印象も有った。急坂は向いていないかも。

第20回チューリップ賞(GⅢ)

クロフネサプライズ

2人曳き。前肢にバンテージ。-6s。少し煩いが、ボリューム感の有る馬体は目を引いた。内枠に出脚の速い馬が何頭か居たが、掛かりそうになったことも有り、そのまま行かせてハナへ。3角辺り迄は行きたがっていた様にも見えたが、それでもペースは60.2秒のスロー。4角で引き付けて、坂を上る脚で突き抜けた。手の内はバレたが、完勝。前走が強い内容で、スムーズならこれ位走れて当然の馬。あとは本番で競られなければ。

ウインプリメーラ

前後肢にバンテージ。馬体は纏まっているが、歩様の力強さを感じない。少し押して好位。3角で単独2番手に上がったが、折り合いはスムーズ。4角で並び掛けて、捕まえられるかの雰囲気だったが、坂を上がって突き放された。それでももがく後続を尻目に2着は確保。全身をノビノビ使って走るフォームは目に付いた。道中落鉄していたそうで、これも坂を上る脚に影響していた筈。悪い内容ではない。

アユサン

しっかり踏めていた。馬体もまずまず。クロフネサプライズに先手を取られる形となり、序盤は少し掛かり気味。外に逃げまくっていた前走程悲惨ではなかったが、やはりところどころで口向きの悪さは見せている。4角で外へ持ち出す格好となり、内から3〜4頭分外へ。3着は何とか確保したが、近代競馬でインが突けないのは痛い。ベストは左回り。

ヴィルジニア

線は細く映るが、それでも一歩一歩が力強い。ゲート少し悪かったが、出脚でカバーして好位直後。押した分、折り合いを欠いたのは仕方がないだろう。直線向いて馬場の中程。今日の展開では絶望的な位置だったが、ここ迄追い込んで来た。クロフネサプライズの次の評価は出来る。桜花賞の権利は取れなかったが、1800mで下した馬で、間に合えばオークスでも。

グッドレインボー

前肢にバンテージ。-4s。トモの丸みこそ辛うじて残しているが、減るのは良い傾向ではない。出脚は速かったが、無理せず好位から。折り合いというよりはむしろズブい位の行き振り。一応、セコい競馬は出来たが、坂を上がって最後伸びそうで伸びず。馬体減で、パワーが落ちていたかも。

レッドオーヴァル

-10kg。細いが、この数字でも馬振りは中々。毎度の如くで出遅れて後方から。道中は宥めるのに懸命。ロデオにでも乗っているかの様に暴れっぷりだった。直線向いて大外。今日の展開ではこれで仕方がないが、それでも脚は充分見せた。流石に1番人気になっただけのことは有る。本番差しの利く馬場なら巻き返せる余地は残した。

ローブティサージュ

2人曳き。+6kg。右後肢の出が少し悪い。良くは見せない。道中少し掛かっていたのはこのスローで仕方がないが、それでもレッドオーヴァルよりは遥かにマシだった筈。それで直線はレッドオーヴァルに並ぶ間もなくやられている。前走インを立ち回った利が有ったにせよ、案外の内容。

第87回農林水産省賞典中山記念(GⅡ)

ナカヤマナイト

気配はまずまず。馬体の張りは多少怪しいが、毛ヅヤも悪くなかった。1角迄距離の短い中山1800mだが、ジワジワ押し上げて2角で好位。2番手以下はスローだったが、折り合いも付いて、4角ではむしろ少し追い出しを待つ位の余裕も有った。キッチリ捕らえて快勝。前日に落馬事故も有った柴田善臣騎手だが、慌てず追い出せる辺りは"ベテランならでは"だろう。馬も勿論中山は上手いのだが、好騎乗。

ダイワファルコン

腹回りはややボテッと映るが、トモのボリューム感は有る。シルポートの逃げに乗りつつ、外勢を制して2番手。シルポートは無視してガッチリ押さえた為、ほぼ1000m1分のペース。不利なく運んで、シルポートさえ捕まえれば乗り役は...と思っただろうが、結果的に前と離れ過ぎたかも。ナカヤマナイトの目標にされた感も有った。小回りコースは堅実だが、こういうところ勝ち切らないと全国区にはなれない。

シルポート

悪い時の硬さがなくなっている。何時ものこの馬。松岡騎手に乗り替わって大逃げ。あまり擦られることなく、ジワッと行けた。1000m通過58.6秒も理想的だった。4角でも10馬身近いリードで回って来れたが、坂を上る脚で苦しくなった。今日位恵まれた展開と来れば逃げ切らないと値打ちがないところだが、惜しいは惜しい。自分の競馬に徹すれば常に怖い。

タッチミーノット

馬はそれ程目立たないが、気合乗りは文句なし。横山典弘騎手らしく、この枠でも前へ行く意思は見せていたが、あれ以上は深追い出来ず中段やや後方から。距離損は別にして、スムーズには運べたが、4角で一瞬モタつく場面。最後は差して来ているが、シルポートをチョイ差しする展開ではここ迄が一杯。前走でも少し触れたが、中山自体が向いていない。それが距離不足で余計に露呈した形。

トーセンレーヴ

2人曳き。堪えは利いていた。馬体もフックラ。先行勢に少し抵抗しつつ、好位のイン。序盤は少し行きたがっていたか。直線向いて内から叩き出されたが、それ以前に4角での手応えが一息で、直線も最後にチョロッと伸びた程度だった。ダノンバラードやリアルインパクトにも言えることだが、基本的にディープインパクト産駒は中山が不向き。

第57回阪急杯(GⅢ)

ロードカナロア

+8kg。数字分だけ余裕は有りそうだが、トモの筋肉の付き方が他馬とは別次元。出脚の速さでは現役トップだが、前々走中山戦で控える競馬がベストだったということで、今日も中段で矯める形。馬群が切れて厄介な展開になったが、今日は4角から自力で捕まえに行って、坂下で先頭。坂を上る脚にも余裕が有った。距離も関係なく、今日は文句なし。昨年の中京戦は内枠を捌き損ねて3着。今年は何とかしたいところだろう。

マジンプロスパー

-6kg。相変わらず歩様が力強い。今季はデキが良さそう。絞れたのも好材料。ロードカナロアに出脚でやられ、ロードカナロアが中段迄下げた関係でその直後から。とはいえ、マークする形だけに、これはこれ。折り合い面が多少怪しかった様にも見えたが、開幕週の馬場でインベタの競馬。上手く行っている方だろう。ただ、ロードカナロアには完敗。前走もダラしなかったが、今日も馬券に絡んでいるとはいえ、イマイチ感は残る。デキが良い割に走っておらず、GⅢと見るのが妥当だろう。次走は厳しい。

オリービン

+6kg。これも歩様がしっかりしている。重心が低く、デキは上向き。ロードカナロアやクィーンズバーンの出脚に載る形で好位。前のシゲルスダチがとクィーンズバーンが飛ばす中、理想的な競馬が出来た。追ってロードカナロアには完敗だったが、それでも渋太く粘ってアワヤ2着の場面。前に行くのが大前提だが、阪神の登坂力だけをいえば結構堅実。

サンカルロ

+10kg。数字通り太い。腹回りがボテッと映る。この馬にしてはゲート出ている方だが、他との比較で分が悪く後方に近い位置。ただ、これは何時ものこと。直線向いて、ロードカナロアの直後へ持って来れた時には最低2着の気持ちだっただろうが、いざ追って案外。内枠を捌くのも下手だが、前走と違うのはここを目標にしていたかどうか。

シュプリームギフト

2人曳き。毎度のこととはいえ、テンション高いのはマイナス。馬はスカッとして良く見せたが。出脚は五分だったが、控えて中段。ロードカナロアと一緒に動いて行ったが、流石にこの馬にとっては早過ぎる仕掛けだったか。大きく負けた訳ではないが、それなりの差は有った。ただ、この馬はベストが1200m。

第22回アーリントンカップ(GⅢ)

コパノリチャード

後肢にバンテージ。下見は落ち着いていた。取り立てて馬体に迫力が有る訳ではないが、筋肉が浮いて好ムード。出脚は一番速かったが、内からカシノランナウェイが主張して2番手。結構行きたがっており、4角でも我慢させている位に見えた程。この段階では天を仰いだファンや関係者も多かっただろう。それでも直線向いて止まる気配もなく、そのまま押し切った。年末にはカオスモスに先着される場面も有ったが、力を付けているのだろう。ただ、今日は2番手からの競馬だったとはいえ、この気性には不安が有る。ベストはハナ。

カオスモス

2人曳き。前後肢にバンテージ。+8kg。スケールの大きい馬体だが、数字分だけ余裕が有りそう。スタート直後にかなり押していたが、内から少しカシノランナウェイを擦って好位。前に馬を置けた分も大きいだろうが、出して行っても折り合いはピタリと付いていた。前のコパノリチャードの掛かり方を思えば乗り役はやったと思った筈だが、追って前も止まらない。頭の低い走法で、追えば追うだけ伸びる様にも見える馬だが、今日は案外感も残った。

レッドアリオン

はち切れんばかりで、少し太く映る位の馬体。デキは文句なし。カオスモスが押して行った為、叩かれる形となり、その直後から。道中はスムーズだったが、最後は直線向いて外へ持ち出した分と位置取りの分。クビ差だけに乗り役の差といわれても仕方がないだろう。内からカオスモスの位置を取るだけで結果はひっくり返っていた筈。逆にいえば馬は頑張っている。500万の馬だけに賞金加算出来なかったのも痛い。

メイショウヤマホコ

少し線は細いのだが、筋肉の輪郭は出ている。ゲートも悪かったが、少しテイエムイナズマに寄られたのか、躓く不利。最後方からの競馬になった。前有利の展開だったが、下手に馬群に取り付くよりはこの方が良い。直線は最初外へ回さず、馬群が切れたところで外へ持ち出す形となったが、メンバー中最速の脚を使って見せた。1戦1勝の馬だけにこれで上出来。タニノギムレットの重量感が来れば大化けする可能性も。

ラブリーデイ

2人曳き。重量感はないが、メリハリの利いた馬体。気配も良かった。好位の外で少し掛かり気味。従って、直線向いた段階で既にやや厳しい印象だったが、それにしても伸びなかった。今日は負け過ぎ。基本的には坂の有るコースや洋芝は苦手?