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競馬回顧 2009年5回京都・5回東京

ジャパン・オータムインターナショナル第29回ジャパンカップ(GⅠ)

ウオッカ

前走から本調子。変わらず文句無しの状態。出たなりで好位。多少行きたがっていたが、1000m通過が前走より0.8秒速いペース。前に馬が居なくても一応我慢が利いた。直線向いて追い出しを待つ余裕。ラスト300mで先頭に立ち、最後はオウケンブルースリにハナ差迄詰められるも、底力で凌ぎ切った。ただ、抜け出してからはフラフラ。直線向いての手応えを思えば、距離の壁は確実に有るのだろう。勿論それでも賞賛すべき事には変わりないのだが、レース後鼻出血が判明。引退を迷っている様だが、メジロラモーヌやマックスビューティの時代から、目一杯使った牝馬の繁殖成績が悪い傾向も。目一杯かどうかは外から知る由も無いのだが、馬がそれだけ頑張って骨身を削ったのは間違い無いところ。

オウケンブルースリ

2人曳き。この馬にしては集中力の有る方。トモがパンとして本格化。毛ヅヤが良く、今季はデキも良い。ゲートは出ているが、例に依って後方から。ただ、3〜4角中間からコスモバルクが邪魔に。最後は2cm差だから、今日はそれが無ければ勝っていた。戦前期待した通り、この条件なら現状この馬が日本一なのは間違い無いだろう。まあ、以前ディープスカイに対しても述べた様に、この手の馬のこういう取り溢しは仕方が無い面も有るのだが、道営五十嵐冬樹騎手がコスモバルクを真っ直ぐに走らせられないのは毎度の事。今日は防げたミス。

レッドディザイア

多少毛ヅヤが落ち気味だが、牝馬で仕方無し。ここでも馬は負けていない。ゲート少し悪かったが、意外に出脚悪くなく中段から。ただ、今春東京戦は綺麗に前が開いたが、今回は国際競走。皆がキッチリ回って中々前が開かず、バラけた時にはオウケンブルースリにも外から出られていた。とはいえ、3歳牝馬を大外ブン回す訳にも行かず、これで一応良しとすべき内容。少なくとも力量差が無いのは証明出来た。距離も、出脚とのバランスを思うと、マイル戦よりは競馬がし易いイメージが有る。

コンデュイット

瞬発力身上の馬といった印象。毛ヅヤも抜群。縦の比較は当然出来ぬが、普通なら良い状態。出遅れ1馬身不利。道中は後方から。外国招待馬は如何に流れに乗るかがポイントとなるのだが、そういう意味でもこの出遅れは痛恨。それでもムーア騎手、上手く立ち回って4角でウオッカの直後。ゲート以外は完璧に乗ったが、そこからの脚がウオッカとは違っていた。ただ、色々なハンデを思えば良く走っている方なのだろう。

エアシェイディ

2人曳き。昨年に本格化してからは高値安定のデキ。行く気が無くて後方のイン。レッドディザイアも中々前が開かなかったが、この馬の直線はそれ以上にスムーズさを欠いた。ただ、それでも最後迄諦めずに走っている辺りに好感。次走も人気次第では。

エイシンデピュティ

2人曳き。理想を言えばもう一絞りだが、歩様に力強さが出て来た。一旦はハナも、リーチザクラウンの方が速く、2番手から。折り合ってスムーズだったが、最後は瞬発力の差。これで引退だそうだが、折角良くなったところだけに勿体無い気も。まだまだやれる筈。引退させるなら、今季使わない方が良かった。

リーチザクラウン

今季は馬体重の増減が激しかったが、漸くにして今回は増減無し。見た目は京都戦より良かった位。一旦は2番手で抑える素振りも見せたが、馬が我慢し切れずそのままハナへ。ワンラップで走って2.23.4。ベストを言えばもっと短い距離の方が良いだろうが、自分の競馬はしている。ウオッカが勝って武豊騎手は道化の役回りだが、それでもリーチザクラウンの競馬に徹した点は評価したい。

スクリーンヒーロー

2人曳き。前走もそうだったが、少し緩く映る。落ちてはいないが、良くもなっていない。道中は中段の外。4角外から進出した時には手応え充分に見えたが、直線向いて暫く経ってから乗り役がステッキを落としてしまった。そこからは乗り役が諦めたのか、殆ど追っていない。レース後エビが判明し、踏んだり蹴ったりの競馬に。

第54回京阪杯(GⅢ)

プレミアムボックス

今日は歩様に硬さ無し。馬も一番良く見せた程。毛ヅヤも上々。ゲートは出ているが、下げて後方から。オープンならこのペースでも逃げ切る馬は居るだろうが、今日はアルティマトゥーレが無茶してズボズボの展開に。重賞2勝、差しが届く展開なら当然来れて不思議は無い馬。近年は馬場が良過ぎて逃げも差しも内有利が相場だが、スプリントとなると差し馬は外枠が有利になる。

レディルージュ

2人曳き。チャカつくのは何時もの事。数字は無い馬だが、バランスが取れ、抜群の毛ヅヤ。かなり出脚は速い様に見えたが、無理せず中段やや後方。バラけた位置で、コーナーで極端に外を回る事無く競馬が出来た。直線もそれなりに伸びているが、最後は勝ちに行った分の差。今日はこの枠で差す競馬だが、内枠なら先行も出来る馬。自在性が強み。

ヘイローフジ

筋肉質の馬体。毛ヅヤも悪くない。出脚が無く、これも中段やや後方から。最後は良く伸びているが、枠の分プレミアムボックスとレディルージュが抜けてから外へ持ち出す形になった。差し決着でも中々勝ち切れない辺りに運の無さも感じるが、力量差は無い。

シンボリグラン

遮眼革。ここ迄白くなると毛ヅヤは分からぬが、今季はデキ悪くない様に見える。歩様もスムーズ。アルティマトゥーレとは出脚で差が有ったが、中段から。内から4角で好位。決め手で甘いのでやられてしまうのだが、掲示板載った組では一番前で競馬していた訳で、地力はやはり上位。

ラインブラッド

+6kg。毛ヅヤを良く見せる。馬体の張りも悪くない。出脚速くなく、この枠でも中段から。3角迄はインに居て、そこからは徐々に外へ。直線向いてプレミアムボックスと同じ位置。ただそこから0.2秒分、脚の差が有った。前走と流れ自体は大差無かった筈だが、まだクラス慣れが必要?

ソルジャーズソング

+8kg。これ以上の数字でも走っているが、少し太く見せる。ただ、気配を表に出している点には好感。出遅れ1馬身不利。これは何時もの事としても、4角迄コースロス無く回っており、もう少し伸びても良かったが...。ジリッぽさが有る。

アルティマトゥーレ

毛ヅヤ落ち気味だが、馬体と歩様には問題無さそう。出脚は現役No.1クラスの馬だが、1馬身出遅れはスプリントの先行馬としては痛恨。しかも好位で我慢させるならまだしも、無理矢理前を潰しに行ったのが解せない。前走中山戦はそれで失敗しており、それを踏まえての騎乗だとしても、出遅れているだけに乗り方にも柔軟性が欲しかった。馬は悪くない筈だが...。

エイシンタイガー

パシュファイヤー。トモの甘さがマシになって来た。然程無理せず好位の外。ただ、4角前を捕まえに行って直線失速。勝ちに行ったにしても、止まり過ぎ。右前を落鉄していたとの話も有るが...。

ジャパン・オータムインターナショナル第26回マイルチャンピオンシップ(GⅠ)

カンパニー

前走東京戦の歩様を維持。上向いてはいないが、一応は平行線。珍しく好発も、マイルとなると出脚で苦しく、後方に近い位置。ただ、今日は枠に救われた感。ずっと内を回り、直線もスローの割に馬群がバラけて前が開いた。デキが維持出来ていた点も大きかっただろう。今日は無事に回って来るのが最大目標だった筈だが、今後10年間の食い扶持を自力調達した格好。

マイネルファルケ

-8kg。前走東京戦が太かった面も。毛ヅヤも悪くなく、デキは悪くない。前走東京千はマイネルスケルツィとの兼ね合いが付かなかったが、今日は主張したらキャプテントゥーレが引いてくれてスンナリハナ。4角ラチ沿いを通るこの馬とは対照的に、キャプテントゥーレが外へ流れて行き、この点も有利だった。ただ、これ3週連続で重賞競走は逃げ馬に2着粘られている。興行面から競馬が単調過ぎるのはどうか。

サプレザ

2人曳き。430kgの馬だが、馬はしっかり。一線級ステイゴールド産駒の様な造り。ゲート悪かったが、掛かり気味に中段。4角で好位に取り付き、ジワジワ伸びているが、カンパニーとは内外の差も大きかった。アゴアシ付の遠征でそれなりに待遇良かっただろうが、以前なら掲示板も厳しかったクラスの馬。先週のシャラナヤもそうだが、日本競馬のレベルは確実に低下している。

キャプテントゥーレ

2人曳き。歩様に伸びも有って、この馬としては良い方のデキ。出脚は負けていないが、マイネルファルケとは兼ね合い付けて2番手。4角迄はこれで良いのだが、そこから馬場の良い外へ持ち出そうとして、行き過ぎてしまった。外へ出すのは指示が有った様だが、普通に回って来れば2着有った筈。勿体無い競馬に。

アブソリュート

-8kg。今春の阪神戦と違い、走れる状態だったが、関西へ輸送すると馬体が減ってしまう。ゲートは少し悪かった程度だが、無理せず後方から。ただ、今日はこの判断が裏目。4角17番手では後ろ過ぎた。ただ、馬は頑張っている。輸送も課題では有るが、今春阪神戦辺りは走れる状態ですらなかった。それを思えば今日は収穫大きい。

スマイルジャック

2人曳き。何時も良く見せる馬だが、今日も抜群のデキ。落ち着いていたのも良い傾向。アブソリュート程ではないが、折り合いに専念して後方に近い位置。外も回らされておらず、ここならまだ2,3着有る位置取りだったが、4角中々前が開かなかった。最後は完全に脚を余した格好。マイルなら折り合い面も然程心配無く、もう少し前で競馬出来る筈だが...。

第14回東京スポーツ杯2歳ステークス(JpnⅢ)

ローズキングダム

+6kg。纏まった馬体。前走京都戦よりはマシだが、トモが甘い。好位の外。途中、サンディエゴシチーが外から来て、一瞬行きたがる場面は有ったが、直ぐにスムーズに。直線は坂下からトーセンファントムとの併せ馬。お互い一歩も引かぬマッチレースになったが、寸前でアタマ差だけ振り切った。この一族独特の乗り易さが有りそうな馬。このスローで乗り易さが活きた。ただ、トモが甘く、現状は人気先行タイプだろう。古馬になる迄、過信は避けたい。

トーセンファントム

2人曳き。現状でも馬振り上位だが、この厩舎の一員となるにはもっと筋肉が付かないと。出脚が無くて後方から。道中折り合って、直線向いてからの一瞬の反応は凄いモノが有ったが、内からローズキングダムに併せられて最後は競り落とされた。良い脚が長く続かない印象。現状はマイラー。

レッドスパークル

馬の造りがまだまだ。緩さばかりが目立つ。出遅れて後方から。上位2頭とは瞬発力で差が有ったのは確かだが、ジワジワ最後迄伸びていた。今日の馬場で大外ブン回しからここ迄来れれば充分だろう。馬の完成度の低さも有り、今後の調教次第では化ける可能性も。

サンディエゴシチー

2人曳き。+6kg。多少太い程度。馬体に張りは有って、ほぼ出来ていた。好発。一旦は好位で控えたが、スローを嫌って途中からハナ。一旦は突き放す場面も有っただけに、乗り方は間違っていないが、馬が天井向いていた。長い直線は向かない。

ダイワアセット

皮膚を薄く見せ、デキ自体は文句無し。ただ、まだ緩さが残っていて、仕上がり途上。出脚速かったが、それ以前にゲートの出が若干怪しく、中段から。今年は馬場状態がイン一辺倒ではないが、それでも最内枠を活かした絶好の競馬。スローで多少行きたがるのは仕方が無い面も有る。未だ1戦の馬が、重賞好走馬相手にこれだけ走れば上等だろう。この経験をバネに。

アーバンウィナー

+10kg。基本線は増えた方が良い馬だが、今日に限っては少し緩い。道中は中段。馬群の中で道中掛かり放し。それでも最後迄諦めずに走っていた。能力は相当。マイルならかなり良い線迄行ける器。

ジャパン・オータムインターナショナル第34回エリザベス女王杯(GⅠ)

クィーンスプマンテ

少し硬いが、この馬独特の歩様。これでも出脚が来ている。馬も数字は450kgだが、トモの造りは決して負けていない。この馬自身のゲートも速かったが、テイエムプリキュアの出脚が甘く、スンナリハナ。道中テイエムプリキュアが付かず離れずの追走。これも後続に暴走感与えたという点で良かっただろう。4角並び掛けて来たテイエムプリキュアを振り切って、典型的な行った行ったの競馬に。ただ、配当上は大波乱だが、過去のレースから、こうなる下地は垣間見えていた。05年2着オースミハルカは、スイープトウショウに瞬発力で差し切られただけで、一瞬勝ったかの場面。07年ダイワスカーレットも、強過ぎるといえばそれ迄だが、誰も潰しに行かなかった。現代競馬は距離適性を調教で決める事が多く、牝馬が2000m以上に照準を合わせる事が稀。皆に距離適性が無いから、どうしても大事に乗られる傾向に有る。人の通らぬ道に花が咲く、競馬に限らず良く有る話。

テイエムプリキュア

2人曳き。ピークを過ぎた感。デキだけを言えばむしろ悪い方。出遅れ気味だった上に、出脚が鈍く、ハナは無理と判断して2番手。前述した様に行った行ったは想定の範囲内、戦前はハナへ行くと思って狙った馬だが、この形でも妙に折り合っていたのは意外だった。4角並び掛ける場面迄造って突き放されたのは現状のデキの差だろう。ただ、この辺りはデキが無いから折り合ったとも考えられるが...。昨冬で引退だったのを延ばしての今季、プリティキャストにはなり損ねたが、陣営は2歳女王から人の通らぬ道へ上手く導いた。

ブエナビスタ

今季は使う毎に馬が良くなっている。トモの造りでそれは顕著。枠の関係で後方に近い位置だったが、ゲートや出脚の不安はすっかり解消。3角でカワカミプリンセスが動いたのを見て追い掛ける形。4角で3番手グループの先頭、そこから強烈な脚で追い込んでいるが、あまりにも前は遠かった。この手の追い込み馬は仕方が無いのだが、多くのケースで2着は確保するモノ。毎回述べている様に運が無い。それ以外に表現のしようが無くて。

シャラナヤ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。毛を刈っているのは外国調教馬に良く有るパターン。小さい割には歩様がしっかり。道中は中段。ほぼ手が動かずに行けており、意外に出脚が有った。4角徒に動かず、ブエナビスタが動くのを待ってから外へ。最初から勝ちは諦めていた様な競馬だが、4着でも1400万円。円高の近況では欧州重賞1つ分の価値は有る。そういう意味では悪くない内容。

メイショウベルーガ

2人曳き。少し太い様にも映るが、毛色の影響は有ろう。馬体充実と受け取りたい。押し気味に中段から。道中インで脚を矯め、4角でも動く気は無く、直線だけ外へ。これも半ば入着狙いの競馬。あまり高い評価し辛いというのが正直な印象。まあ、これも牝馬にしては距離適性長い方では有るのだが...。

ブロードストリート

数字は維持出来た。ただ、馬体の張りが微妙。今日はゲート五分。後方で折り合いを付け、ブエナビスタを見ながらの競馬。ただ、3角ブエナビスタに付いて行きたかったところだが、ムードインディゴに蓋をされた上に、外へ張り出して来たサンレイジャスパーの更に外をまわる展開。この辺りは結構ロスが有る。出来れば4着欲しかったところだろうが、このロスと距離適性で最後止まった。決して状態面万全ではなかった筈だが、世代上位の力は見せた。

リトルアマポーラ

しっかり踏めていた。毛ヅヤも良く、叩いて順当に良化。少し出して3番手。結果は戦犯扱いされているが、出脚は基本的に無い馬なので、位置取り確保したらガッチリ抑えるのは仕方が無い面も。ただ、向正面で内から2馬身程開けて走っていたのに、3角手前でペースのヤバさに気付いたチェレブリタを行かせぬべくラチ沿い寄せて行った。これで結局、ちゃんと追い掛けたのはカワカミプリンセス1頭に。しかもそのカワカミプリンセスは4角で既に失速。これも波乱に結構寄与している。

第45回京王杯2歳ステークス(JpnⅡ)

エイシンアポロン

前走京都戦でも述べた様に、馬は完成度高い。歩様もしっかり。出脚は速い馬だが、外枠から結構来ていて、先行激化を嫌って一旦下げて外へ。内も利く馬場だが、雨で馬場も悪く、有る程度能力上位が見えていた馬、これはこれで間違っていない。初めての左回りでコーナーを逆手前で回ってフラフラ。怪しい面も有ったが、比べ馬では完勝。今年はこの時期に勝ち上がる新馬が案外というケースも多く、デイリー杯組が本当に強いかどうかはまだ微妙なところも有るが、見た目は怪しくても何でも出来る点が強み。

アニメイトバイオ

気性面で若い面が。馬体もまだ実が入っていないのは確かだが、骨格のバランスは悪くない。スタート直後に躓いて後方から。ただ、この枠なのでそれでも中段辺りには行けた筈だが、腹括って最後方からイン強襲策。2着なので、結果的にこれが良かったかどうかは何ともいえぬところだが、ラスト200mの地点で7番手だったのがここ迄追い込んで来たのは立派。最近のこのレースで、3着以内に来た牝馬 (ヒシアマゾン,ウメノファイバー,コイウタ) は全てG,JpnⅠを制しており、この馬も成長次第では。

ツルマルジュピター

-8kg。今日のところは絞れた形だが、前走の数字を筋肉にしたい。序盤ハナへ行きたくない様に見えたが、それでもスピードの違いで逃げる形。道中も引っ張り切りの手応えといえば聞こえは良いが、要は力んでいた。ただ、その割に直線は良く粘っている。昨年逃げ切ったゲットフルマークス級は有ろう。そのゲットフルマークスはスピードコントロール出来ずに現状苦しんでいるが、この馬もそこが課題に。

ダッシャーゴーゴー

腹袋が目立つ。デキは良いが、恐らくはスプリンター。行きたい馬に行かせて好位のイン。道中折り合って立ち回りは完璧、一旦は2着の場面も有ったが、坂を上がって失速。乗り役は馬場を言い訳にしていたが、体型思うと距離適性を疑うところ。

コスモセンサー

コンパクトに纏まった造り。歩様もキビキビしており、デキは良い。出脚は一番速かった位だが、控えて好位。ただ、それだけに逃げたツルマルジュピターは捕まえたかったところ。前走京都でレコード勝ちの馬だが、まだ重賞では差が有る。

第14回KBS京都賞ファンタジーステークス(GⅢ)

タガノエリザベート

イレ込む馬が多い中、落ち着いていた点に好感。大物感は無いが、馬体の完成度も高い。ゲート出ているが、折り合いに専念して最後方から。それでも持って行かれそうになるのを必死で抑えての追走。直線は大外から目の覚める伸びだった。前走は6着だったが、基本前残りの展開を外へ持ち出すのに手間取っての結果。脚は有るにしても、距離短縮がどうかと思ったのだが、単純に強かった。折り合い面に課題が有るとはいえ、距離延長そして広い阪神外回りで更に。

ベストクルーズ

馬は地味だが、歩様にバネが有った。ゲート少し悪かったが、ジワッと中段。これも道中引っ張り切りだったが、4角は外枠で待ち切れず先団へ。脚が矯まっていたタガノエリザベートの決め手には屈したが、前は捕まえて強い競馬はしている。前有利の馬場なら内枠を条件に次走期待する手も。

グレナディーン

-10kg。元々が細身に映るタイプの馬だけに、減るのは良くない傾向。好発。出脚も速く、この枠でも一瞬はハナに立った位。2番手で折り合って、それなりの競馬が出来ているが、最後は決め手の差。ただ、堅実は堅実。

ラナンキュラス

トモの張りや毛ヅヤは上々。ただ、気性が...。ゲート少し悪かったが、押して押して好位。それでも道中は引っ掛かる事無く進めたが、追い出してからが案外。初めての展開でこれが良い経験になれば良いが、決め手身上の馬をこの時期に無理矢理行かせたのが悪い方に出る事も多くて。

ユメノキラメキ

2歳牝馬にしては歩様しっかり。決して良いとは思わないが、水準級は有る。出脚は少し分が悪かったが、枠の関係も有りハナへ。ただ、ハナへ行ってからがバカつき気味。その割には終い粘っているのだが...。

第47回アルゼンチン共和国杯(GⅡ)

ミヤビランベリ

-6kg。前走札幌戦は相当に太い状態。まだ太いが、季節分も有ろう。馬体に張りが有った。立て直した効果は大。出脚でスッとハナへ。1角で隊列が決まって、楽逃げの形に。直線向いて一旦はアーネストリーに出られたが、それを差し返して1馬身差。03年のアクティブバイオ同様、適性が有るとこれが出来る。元々出入りの激しい競馬には弱い馬、つまり小回りが本質ではなかった筈なのだが、ハンデ戦狙って出走している間に耐性が出来て地力強化。トップハンデでも得意コースでアッサリになった。レースが調教代わりというと聞こえは悪いのだが、先週のカンパニーの様に、最近レースでしか学べない部分で競馬の結果が決まる事も多く。

アーネストリー

腹回りがボテッと映ったのは気になったが、毛ヅヤの良さは休養前同様。ミヤビランベリの先行策に乗って2番手。道中も多少力んでいた程度で折り合い付いていた方だろう。ただ、一旦はミヤビランベリを交わしながら差し返された。前走京都戦が条件戦ながら妙に強く、戦前は期待したが、今日のところは完敗。現状何が足らないのかは分からないが、ミヤビランベリの項で述べた様に、これで学んだ事も多かったのだろう。

ヒカルカザブエ

毛ヅヤが冴えてデキは良い筈。ただこの馬、どうしても貧弱に見えるのと歩様が硬く、下見からは手が出し辛い。例に依って後方から。道中はインで脚を矯め、直線は馬場の4分どころ程から馬群を割る形。多少フラつく場面も有ったが、ジワジワ伸びてここ迄。脚は持っているが、フラついた辺りや下見の見た目を思うと、まだ馬の完成度が低いのだろう。まあ、その状態でこれだけ走れば上等という事にはなるのだが、このケースは連続好走が難しい。長い目で見ておきたい。

サンライズマックス

2人曳き。最高に見えた小倉戦を10とすれば9はやれる状態。引っ掛からない様に気を付けつつジワッと中段。ただ、今日はずっと外々を回されてしまい、一度としてインに入れる場面が無かった。瞬発力身上の馬にこのハンデも決して良い方には出ていないだろう。最後甘くなって馬券圏内外したが、ここへ入るとやはり力上位。

ジャガーメイル

叩かれて順当に良化。下見からは減点材料無し。出脚が鈍く、ハギノジョイフルに叩かれて中段。4角内を突いてそれなりの伸びだが、外からの馬に交わされている様では話にならず。とはいえ、この馬は最初からこの程度。人気になる方が間違い。

スマートギア

シープスキンノーズバンド。デキ自体は文句無しだが、今日はイレ込んでいた。中段でこの馬としては積極策。一瞬反応したが、直ぐに止まった。行かせると良くないのか。

第14回東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GⅢ)

ワンダーアキュート

2人曳き。-14kg。前走阪神戦が太かったのは確か。ただ馬体減で発汗目立つので、良い印象も無くて。ゲート少し悪かったが、押して前へ。一旦はハナに立ったヴァンクルタテヤマがスローに落とすところを叩いて3角手前でハナ。あとは自分のペースで逃げてそのまま押し切った。他の3歳馬と違い、馬がしっかりしているので、調子の変動が少なそうなのがセールスポイント。名古屋の交流戦よりはこちらの方がメンバーレベルが高いのは間違いなく、次走中心にする手も有るのだが、後述する他馬が走っていない印象も有る。評価が難しい。

ダイショウジェット

-6kg。まだ少し太い気もしたが、皮膚の薄さが有った。デキは悪くない。出脚は決して速くないが、枠の利も有って中段。直線向いて中々前が開かず、フリーになったのはラスト300m地点だったが、そこからの脚が今日は強烈。今日は強い内容。今春京都戦の様に、時計が速くなると辛いのだが、少しでも時計が掛かると堅実。ただ、少しでも賞金加算出来た点が今後に繋がりそう。時計が掛かって適性有りそうな交流戦は賞金が無い事には出走すら出来ない状況なだけに。

ワイルドワンダー

この気性がこの馬の特徴。ただ、馬体は休み明けの影響感じさせた。出遅れて後方。道中はラチ沿いを進み、直線は馬群のド真ん中を割る形。一旦は2番手浮上し、決め手に衰えの無いところを見せたが、寸前で止まった。ただ、1年休んでいた事を思えば上出来過ぎる結果。馬体の見た目はともかく、戦前述べた様に気が良いので、これ以上の上積みも望み辛いのだが、少なくとも面白い馬が1頭帰って来たのは間違い無い。

マチカネニホンバレ

シープスキンノーズバンド。-8kg。前走新潟戦の状態を維持。その前走時に述べた様に、重厚感は欲しいのだが。ここへ入ると出脚が若干キツく、何とか好位。それでも積極的に乗られたが、坂下でサクセスブロッケンを捕まえて2番手上がったところ迄。スピードが足らないというのが正直な印象。条件馬時代には東京マイルで好成績を残しているが、オープンへ入ると1800m以上がベスト。

ラヴェリータ

流石にこの相手では見劣るが、3歳牝馬にしては上々の馬体。踏み込みもしっかり。時々ゲートが悪い馬だが、今日も出遅れて後方から。直線大外から良く伸びてここ迄。牡馬相手にこれだけやれれば上等。レマーズガールやメイショウバトラーが居ない今、交流の限定戦なら無敵の存在と言えそう。

トランセンド

見た目のデキはキープ。ただ、何回も述べている様に古馬相手で闘うのは重量感が足りぬ。意外に出脚が鈍く、後方に近い位置。妙に折り合っていたのも気になった。ジワジワと来てはいるが、あと一押しが利かず。内で決まる競馬で外々回された影響は大きかった筈だが、出脚の怪しさが気になった。見た目のデキは悪くなかったが、重量感が足りない馬はバテが早い。この後、休養させるそうだが、賢明な判断。

サクセスブロッケン

2人曳き。パシュファイヤー。+6kg。垢抜けた馬体だが、少しイレ込み。斤量背負って微妙に出脚が鈍いのか、押して好位。ただ、今日はこれが失敗。少し気負って走っていた。直線も何の抵抗出来ずに終わったが、名古屋戦を除外されてここへ回って来た調整面での難しさも有っただろう。叩けば変わる筈。

テスタマッタ

トモの盛り上がりが一際目を引く。瞬発力有りそうな馬体。スタート直後に躓いたが、押して中段。3角でも躓く場面が有り、今日は競馬にならなかった。ただ、前走は大井にも関わらず追い込んでの勝利。基本は瞬発力だろう。外国人ジョッキーの教科書には無かった馬。