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競馬回顧 2009年3回小倉・3回新潟

第29回新潟2歳ステークス(JpnⅢ)

シンメイフジ

今週施行の2歳ステークス3レースの中でも最上位の馬。毛ヅヤも上々。乗り役の重心が後ろ掛かっている時にゲート開けられ出遅れ。腹括って後方で脚を矯め、大外ブン回しは新潟ならではの策だが、直線良く伸びて快勝。ただ、手前が替わる時にフラフラ。フローライゼと接触する場面も。毎年このレースの度に述べているが、このレース追い込んで勝った馬は何かが弱いのか、その後が案外。昨年のセイウンワンダーですら結局はNo.1ではなかった。このジンクスさえなければエフティマイアより上の評価が出来るのだが、道中頭の高い走法で他場では追走に骨を折りそうな雰囲気も。とにかく評価が難しい。

フローライゼ

少し太い気も。トモも少し甘い。出遅れも有るが、出脚も鈍く後方から。後藤浩輝騎手、新潟のコース形態を思うと、4角で動くのは些か早い様に思えるのだが、実際最後差されたのだから早過ぎたのだろう。逆に言えば馬は頑張っている。下見の雰囲気は前述した様に完成途上。成長次第では化ける可能性も。

クロフォード

皆そうだが、これも馬が若い。まだ造りにメリハリが無い。行きたがるのを宥めて中段。4角迄の立ち回りは悪くなかったが、直線行き場を無くして立て直すシーン。立て直している間に、シンメイフジとフローライゼが外から抜け切っていた。それを思えば良く伸びており、最後の脚は一番目立っていた位。上位2頭共そこ迄の差は無い筈。

ギュンター

典型的なマイラーの体型。完成度が高い点も含めて血統だろう。好発を下げて中段の外。フローライゼが早仕掛け気味だった分は有るが、これに叩かれての直線。ただ、この辺りの反応が鈍く、追ってからもジリジリ。馬体は血統通りだけに、もっとスパッと切れる脚が有っても良さそうだが...。中身が出来ていない?

スプリングサンダー

2人曳き。434kgの馬だが、数字以上に大きく見せる。恐らくは背丈が低い割に幅が有るのだろう。

第29回小倉2歳ステークス(JpnⅢ)

ジュエルオブナイル

+8kg。馬振りは悪くないが、イレ込み。少し歩様が硬い。出脚は一番速い位だったが、同馬主オレンジティアラに行かせて2番手。4角外へ逃げる素振りを見せていた点は課題だが、何れにしても外へ持ち出した方が良い馬場状態。今日に関してはこれで良かった。一旦は抜け出したところをダッシャーゴーゴーには詰められたが、凌ぎ切って1着。距離延びて疑問も有るが、とりあえずスピードは最上位。

ダッシャーゴーゴー

+12kg。単純に余裕が有る。少なくとも下見は良い様に見えなかった。出負けも二の脚が速く、好位。4角でジュエルオブナイルが外へ逃げ、一瞬逡巡した様に見えたが、直線再加速して僅差の2着。枠の利は有るが、出遅れたロスは大きかった筈。しかも今日は一枚重い状態。能力は高い。

オレンジティアラ

毛ヅヤだけは良かったが、馬はまだまだ細い。出脚が速く、馬場の良いところを選ぶ為にもハナへ。この点は目論見通りに行けた。4角でもジュエルオブナイルが外へ逃げて、直線も馬場の良い外目を通れたが、そこ迄。スピードは有るが、決め手が足りない。

パリスドール

2人曳き。一般馬相手でも互角の馬。2人で曳いていても落ち着いているのも強調出来る。出脚で分が悪く、中段から。枠なりに直線もジリジリだったが、馬場悪化で時計掛かる中、唯一時計も短縮できており、九州産でこれだけやれれば上等だ。オープン特別なら一般馬相手でも通用して良い。

サリエル

歩様に伸びが欲しいが、手先の柔らかさは有った。馬体もコンパクトに纏まっている。ゲートで暴れて痛恨の外枠発走。日曜日の午前中から外有利の馬場状態、これ自体は歓迎なのだが、各馬外へ持ち出して必要以上に外を回される格好に。6枠11番は手頃な枠順で、しかも好発。乗り役に言わせると返し馬が硬かったとの事で、苦しさが発馬機で出たのだろうが...。

第44回農林水産省賞典札幌2歳ステークス(JpnⅢ)

サンディエゴシチー

2人曳き。-6kg。少しでも絞れたのは良い傾向。気性的にも堪えが利いていた。本番でメンコ外す。少し出して好位のイン。その影響で序盤は少し行きたがったが、その後はスムーズ。4角、各馬がマクりに動く中、一旦脚を矯めてからの追い出し。直線ブルーソックスがバテたところへ出来たスペースへ飛び込み、そのままラチ沿い抜けて快勝。展開向いたが、それを呼び込める器用さが有った。一戦毎に折り合い面で改善されている点も強調出来る。当時下見では豚に見えた昨年の覇者は、暮れに馬が大化けして今年のダービー馬、この馬の場合、完成度が高過ぎる点はどうかだが、器用さは現代競馬で有利。

モズ

寸詰まり気味だが、馬体の造りは中々。相変わらずチャカつき目立ち。ゲート入りは梃子摺っていたが、出ッパは速く、馬の気に任せて2番手。あのままなら引っ掛かって行きそうだったが、ブルーソックスに行かせてからは意外にスムーズ。道中は問題無かったが、4角後続に早目来られる展開になったのが痛い。それを思えば今日は良く踏ん張っている方。サンディエゴシチーともそこ迄の差は無い筈。

アーバンウイナー

気配は良かった。ただ、馬自体は地味。出遅れて後方から。道中脚を矯めて、ロードシップ等のマクりに乗って進出。この分で大外ブン回しのロスは多少なりとも軽減されているが、結果的に内に居た2頭で決まっているだけに、外回されたのはかなり痛かった。あれが無ければ最低2着は有っただろう。見た目は地味だが、良い決め手が有る。

ダノンパッション

+8kg。馬振りは中々。ただ、一息入って若干余裕残し。外枠で折り合い課題の馬、最初から行く気は無かっただろうが、出脚も付かず後方から。ロードシップのマクりを目標に動いて行って、それなりの伸びを見せているが、更に後方のアーバンウイナーに差されたのは頂けない。多少余裕残しだった面が有るとはいえ、何時の時代でも世間の評判、特に2歳馬のそれはアテにならぬモノ。

ポップコーン

ガサの無い馬だが、歩様のキビキビ感が有った。外から出たなりに中段。乗り役に言わせると包まれるのを嫌ったとの事で、早目の進出。ロードシップとマイネアロマの間に割って入れたんのは良かったが、そこからが甘かった。500万レベルは有りそうだが、それ以上の馬でもなさそう。

ロードシップ

+8kg。初コースという事で多少の戸惑いは有った様だが、デキは文句無し。馬振りも最上位。好位の外。外から早目に来られた事も有ってのマクりだが、直線はサッパリ。前走福島戦からここでも通用の馬と思ったが...。敗因不明。

サマー2000シリーズ第5戦第45回農林水産省賞典新潟記念(GⅢ)

ホッコーパドゥシャ

前走小倉戦と変わらず。その前走で歩様が落ちて来たと述べたが、この点でも一応は平行線。出脚で勝負するタイプではなく、何時も通り中段から。3角で好位へ押し上げ、直線だけ外へ。暫く前が壁になっていて、バラけたのはラスト200mだったが、その分脚が矯まっていて、最後の最後でもう一伸び。直線内を通った馬がイマイチ伸びない中、急遽の乗り替わりだった江田照男騎手の好騎乗が光った。ただ、やはりこの馬、良い脚が一瞬しかない。今後も脚の使いどころが難しい。

サンライズベガ

+6kg。細身に見えるのは元々だが、今日は少しテンションが高過ぎる。出脚悪くなく、ジワッと好位。下見は気負っていたが、大してペース速くないにも関わらず、レースでは折り合い付いていた。教科書通りに乗って、直線は馬場のド真ん中。早目抜け出してラストでソラを遣ったところをホッコーパドゥシャに強襲された。とはいえ、一応は満点の競馬。この手の詰めが甘いタイプはホッコーパドゥシャの様に、120点の競馬でないと中々勝てない。

メイショウレガーロ

以前思えば歩様がマトモになった。戦前の予想通りハナ。序盤は少し行きたがっていたが、ハナ立ってからはスムーズ。馬場の良い真ん中へ持ち出し、サンライズベガとの併せ馬で僅かに見劣ったが、以前追ってからフォームがバラバラになっていた事を思えば大分進歩している。新潟がベストではないだけに悪くない内容。

エアシェイディ

気性が細いので、時々チャカつくのは気になったが、止め絵は出来ていた。ゲート出ているが、下げて後方から。バラける新潟とはいえ、大外ブン回しの競馬になってしまったが、前有利の展開で一押しが利かずここ迄。ただ、58kg背負ってこの着差なら地力は示したと見て良いだろう。GⅡレベルは充分。

アルコセニョーラ

+10kg。前走福島戦が減っていただけに、増えるのは良い傾向だが、今日は煩過ぎる。ジワッと先行策。まあ、大きく負けている訳ではないが、福島に良績有る馬に新潟の直線は長過ぎた。馬体重の増減激しい辺りに多少怪しさも有るが、この5着は今季の充実振りを物語っていると見たい。

ダンスアジョイ

今季はとにかくデキが良い。前走小倉戦好走の反動も無さそう。例に依って後方から。結果的にこのスローで位置取りが後ろ過ぎた感も。後ろ過ぎた影響は、直線のコース取りで馬場の悪い内目を通らされた点でも悪い方に出ている。もう少し外目の枠なら結果も違った筈。

サマースプリントシリーズ4戦第4回キーンランドカップ(GⅢ)

ビービーガルダン

遮眼革。いきなりから文句無しの状態。キッチリ出来ていた。好発。出脚も一番速い位だったが、戦前の予想通りゲットフルマークスとウエスタンビーナスが行ってマイペースの3番手。4角の手応えが他馬とは違い過ぎた。GⅠ好走馬が56kgで斤量面で恵まれ、機関車が居て展開も向いた。圧勝だが、今日は全ての条件が揃っていた。次走中山でも圏内だが、今春述べた様に穴で狙うならマイル戦。

ドラゴンウェルズ

太く見せるが、これは体型。今更だが、馬の造りはダート。ゲート出ているが、下げて後方から。道中はコースロス無く回って直線だけ外へ。武幸四郎騎手、この辺りの捌きは上手かった。直線もそれなりに伸びているが、手前が替わっていない分の甘さも。替わってさえいれば、2位入線有った。今日は相手が悪いだけで、展開向けば勝てる力が有る。

グランプリエンゼル

馬体の変化は無いが、歩様が怪しくなって来た。ゲートの速いゲットフルマークスとウエスタンビーナスに行かせての好位。展開的には一旦立て直した格好だが、ビービーガルダンマークなら、これはこれで悪くない展開。そのビービーガルダンを目標に早目捕まえに行ったが、直線向いてからの脚が違い過ぎた。下見は落ち気味だったが、それでもこの馬自身は前走と同じ時計。前走はメンバー手薄だった感も有り、良くも悪くもこの程度の馬なのだろう。

プレミアムボックス

今季は悪くないデキをキープしていたが、中京戦思うと若干デキ落ち気味。出脚はともかく、今日はゲート五分。これもドラゴンウェルズ同様、後方に下げてコースロス無く回して直線だけ外へ。ただ、ドラゴンウェルズの後では競馬が後手過ぎてここ迄。1年に1回位展開がハマっているが、基本的には重賞入着レベル。

トレノジュビリー

+8kg。馬体回復して、見た目は走れる状態に。半馬身出遅れも、押して中段。ただ、道中余裕が無く、4角の手応えも案外。上手く内を捌き、賞金は銜えて来たが、この馬の実力は出し切れていない筈。今日は半馬身出遅れが結構響いている様な気もするが、もっと時計の速い馬場の方が良さそう。

モルトグランデ

コンパクトに纏まっていながら、重量感有る造り。毛ヅヤも上々。出たなりに中段。内目を追い上げて4角で好位。直線も伸びているが、内からステッキを入れた際に外へヨレてアポロドルチェの進路を妨害し、2位入線8着降着。ただまあ、特に激走したという訳ではなく、前々走は大外回されて競馬にならなかっただけ。この位の力は有った。

レパードステークス(新設重賞)

トランセンド

この数字だが、まだ細身に映る。出脚が抜群に速く、スッと2番手。前有利の新潟ダートはこの段階で勝負有り。4角も手応え充分。直線も楽々抜け出した。出脚が違い過ぎるので、道中に余裕が有る。時計も馬場状態勘案すればかなり優秀。レース振りだけなら文句無し。カネヒキリ級の強さだ。ただ、ダートで細身に見せる馬は必ず限界が来る。ここからの成長が鍵に。

スーニ

2人曳き。これがこの馬の気性。ただ、このパターンは攻め馬がやり辛く、それが馬体に現れつつ有る。これも出脚は速い馬だが、行きたがるので急かす事が出来ず、ジワッと2番手。ただ、序盤特に1〜2角で行きたがっていた。それでも2角からはスムーズに折り合い、4角は逆に置かれそうになっていた位だったが、左手前のまま渋太く伸びて2着は確保。1800mでも長い印象だが、それでも2着守れた辺りは基本性能が高い。

スタッドジェルラン

シープスキンノーズバンド。首を水平状態で維持。典型的なダート馬の格好。出脚負けしている訳ではないが、無理せずスーニやトランセンドの次からの競馬。トランセンドとは4角の手応えが違い過ぎたが、それでもスーニから3/4馬身差なら上出来の競馬だ。GⅢ級は充分。

アドバンスウェイ

小走り入る場面も有ったが、歩様に硬さ。馬は決して悪いとは思わないが。枠の利も有るが、出脚が速くハナ。少々飛ばしても先行有利の新潟ダート、1000m通過59.7秒は絶妙のペース。大名マークのトランセンドに早目来られて苦しくなったが、今日は今後に繋がる競馬。この出脚が交流重賞で活きる場面も。

ワンダーアキュート

2人曳き。+11kg。気負っての周回。今日に関しては多少立派過ぎる気もしたが、トモの迫力はこの馬が一番。出脚に差が無いだけに、枠の分後方から。4角の不利は一応避けているが、それでもこの展開で外回されると競馬にならない。着差程の力量差は無い筈だが、今日のところは能力判定不能。

サマー2000シリーズ第4戦第45回札幌記念(GⅡ)

ヤマニンキングリー

-20kg。前走中京戦が多少余裕残しだったのも確か。気持ち細い様にも映ったが、ギリギリ走れる状態。出脚は一番速かった位で、内の馬だけ叩き、行きたい馬に行かせて好位のイン。先週同様、ここに居た利が一番大きかったという事にはなるのだが、もう一つマツリダゴッホがマクりに失敗し、直線上手く進路を確保出来たのも大きかった。とはいえ、今春からGⅡなら通用の力量は充分見せていた。今迄展開に泣かされ放しだったから、こういう日がタマには有ってもバチは当たらないだろう。この馬自身について言えば、馬体がギリギリなのは今後へ向けてという部分で課題にはなるが、先々週のスマイルジャックも含めた現4歳世代、漸くにして馬インフルエンザ騒動のツケを清算か。

ブエナビスタ

+8kg。古馬相手にこれだけ大人しいというのは評価出来るが、毎回述べている様に下見は極めて平凡。少し行きたがるのを宥めつつ中段やや後方の外。1角では既に落ち着いていた。4角、自分の外をマツリダゴッホがマクッて行ったが、これが不発弾。この外をマクる形になったのは結果的に響いた感。それでも今日は比較的コーナースムーズに回れていた上に、最後の脚は1頭ケタが違っていた。ゲートや出脚も含め、競馬に進歩が有った点が評価出来る。責めを負うなら、東京でこの競馬を試さなかった乗り役だろう。正に負けて尚強しの内容。仏国遠征は取り止めだそうだが、今の日本競馬は世代限定のJpn戦を除けば全て国際競走。東京でウオッカや他の牡馬を負かすのもそれはそれで立派な事。

サクラオリオン

変わらず毛ヅヤ上々。気配も悪くない。高値安定。戦前はヤマニンキングリーの位置に居る出脚が有ると思ったのだが、意外に出脚が甘く中段やや後方から。4角内を追い上げてヤマニンキングリーを射程圏に。直線は射程圏のままだったが、それでも渋太く伸びてマンハッタンスカイを捕らえての3着。サマー2000シリーズチャンプへ向けてこの3着は大きい。ただ、ヤマニンキングリーには完全に出脚負け。この辺りは性能差なのだろう。目下デキも良く、2000mで2分切らない馬場ならソコソコの馬だが、ここらが天井。

マンハッタンスカイ

オーストラリアンブリンカー。気配と馬体は良い。ただ、歩様に硬さが出て来た。今日はまだ出脚がマシになっていてスッと2番手。ここで流れに乗って、スムーズな立ち回りが出来た。ただ最後は決め手不足が露呈。ムラ駆け気味の馬が最高の競馬が出来てこの結果。これもこれが限界と考えておいた方が。

トーセンキャプテン

少し腹回りに余裕も感じるが、それでも走れる馬体の張りは有る。出遅れて後方から。昨年の函館戦同様に最初から内を狙っての競馬。直線それなりに伸びているが、当時負かしたマンハッタンスカイが交わせず。この程度の馬では有るが、今日は休み明けが言い訳になる。叩いて何処迄変われるか。

マツリダゴッホ

2人曳き。-10kg。シープスキンノーズバンド。馬振りが良いので目立たぬが、ギスギス感が有る。ゲートも少し悪いのだが、出て直ぐにミヤビランベリに寄られて後方からの競馬を余儀無くされる形。ただ、それでもとマクりに行って不発に終わったが、これは使える脚の短さ故だろう。好位からマクるのとでは訳が違う。まあ、往時の迫力は望めないにしても、最悪は脱した。

ミヤビランベリ

+10kg。前走福島戦でも太く見えた位。今日は走れぬ重たさ。スタート直後に躓き、外へヨレたが、立て直して中段。出入りの激しい競馬が向くタイプではないだけに、4角マツリダゴッホに叩かれたのは痛かったが、その段階で既に手応えが無かった。今日は調整の失敗だろう。これで放牧に出すそうだが、立て直して改めて。

サマースプリントシリーズ第3戦第44回テレビ西日本賞北九州記念(GⅢ)

サンダルフォン

+8kg。もっと増えても良い位。毛ヅヤピカピカ。現状でも良いデキだが、恐らくは完成途上。1200mベストの馬ではなく、内外から出脚で行かれて中段。この段階ではあまり良い展開ではなかった。ただ、意外に内が利く中で、4角バラけてスムーズな追い上げ。これが大きかっただろう。追い出してからの伸びもしっかり。内外から行かれたとは述べたが、近走の印象思うと思ったよりも前に居た気も。この辺りは目下のデキの良さなのだろう。ゲート出たのも大きかった。

レディルージュ

+8kg。増加分が腹回りに来ている。鍛えてトモに持って行きたいところ。ただ、毛ヅヤは抜群。出脚は一番速かったが、先行激化を嫌って好位直後。ただ、今日はこれが失敗。1頭分外を回る格好になってしまった。勝っていたとは言わないが、あれならもう一つ前で競馬してコースロス削った方が良かっただろう。デビュー当時は全く買えない騎手だった鮫島騎手が、ここ1年少しずつでも進歩した様にも思えるのだが、まだまだ甘い。

カノヤザクラ

叩いて更に良化。ただ、前走新潟戦もそうだが、完調と迄はどうか。今日もゲート五分。ただ、斤量背負って出脚が辛く中段から。これもサンダルフォン同様、バラけた内目をスムーズに追い上げているのだが、4角の手応えが違い過ぎた。最後差して来たのは地力以外の何モノでもない。サマースプリントシリーズ連覇へ向けてもこの3着は大きい。

ウイントリガー

皮膚を薄く見せてデキ自体は上々。馬振りがオープンでは...。出脚の無い馬で、中段やや後方。4角脚を矯めて直線だけ外へ。追い出して、特にラスト150mの脚が光っていた。ハンデも利いているが、差しが利く馬場ならオープンでも。

メリッサ

短距離馬らしい造り。ボリューム有る造りで迫力充分。出遅れた事も有り、今日はイチかバチかの待機策だったが、ギャンブルに失敗。性能自体はオープンでも足る。

第57回北海道新聞杯クイーンステークス(GⅢ)

ピエナビーナス

キビキビ歩いて気配は上々。馬が華奢なのは確かだが、デキは悪くない。スタート直後の先行争いに首だけ突っ込み、1周目決勝線辺りでスッと引いて中段のイン。前が一番人気のザレマで当然各馬早目の仕掛け。4角団子になったところでもインで矯めて最高の競馬が出来た。コース実績有る馬だが、今日はそれ以上に展開利が大きい。今後はノーチャンス。

ザレマ

+6kg。少し太い気もするが、緩んだところは無い。歩様もしっかり。兄マルカシェンク同様時々失敗の有る馬だが、今日はゲート五分。出脚は一番速かった位でスッと好位から。その割に道中の手応えにズブさも感じたのだが、追ってからはこの馬なりの伸び。ビエナビーナスは内で死んだ振りをしていただけに、展開の綾も大きいだろう。まあ、決め手不足から、重賞一つが近くて遠いのは確かだが、チャンスは続く。

アメジストリング

中身が無い様な馬体。歩様にも力強さが無い。例に依って出脚負けして後方から。それでも小回り意識したのか積極的に乗られ、4角でピエナビーナスと前後する位置。ただ、内で我慢したピエナビーナスとは対照的に外へ行かざるを得なくなった上に、ムードインディゴに更に外へ弾かれる不利。直線向いてもレジネッタに接触。最悪の競馬だったが、それでも最後迄伸びて僅差の3着。比べ馬では勝っている。次走狙い目。

ムードインディゴ

もっと歩様に伸びが欲しい。雰囲気悪くないが、良いとも言えず。出脚強力というタイプではないにも関わらず、押して好位取りに行ったが、行き切れず中段に控える格好。最後それなりに伸びているが、4角で馬一つ分外へフクれている。乗り役の話ではトモの踏ん張りが利いていないとの事。メリハリ付けた競馬の方が良さそう。

マイネカンナ

+16kg。シープスキンノーズバンド。デキ自体は良い筈だが、腹回りに余裕。最内枠生かして、好位のイン。結果的にピエナビーナスが勝ち、その一歩前での立ち回りだから絶好の展開だった筈だが、直線向いて伸び負け。太目だった分が有るにしても、ちょっと評価が下がる。

ヤマニンメルベイユ

+8kg。増えて出て来て最悪は避けられた格好。ただ、馬体の張りが本当ではない。完全な出脚負け。何とか枠の利で1角逃げ込んだが、そこをスペシャルフロートに来られて最悪の展開に。前走より踏ん張っているが、叩かれる展開になると駄目。暫く掛かりそう。

レジネッタ

叩いて多少なりとも良化。毛ヅヤが良くなって来た。出脚は負けていないが、折り合い専念して後方から。4角も徒に動かず、直線迄待ってから追い出す策は悪くなかったが、ラスト1F、ムードインディゴが外へヨレて、外からアメジストリングが来て行き場を無くすシーン。参考外の一戦。