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競馬回顧 2008年3回京都・2回東京

ヴィクトリアマイル(JpnⅠ)

エイジアンウインズ

2人曳き。気配抜群。ウオッカが一息でこの馬が一番良く見えた。前走阪神戦は相手が控えただけでそこ迄の出脚では無く好位から。ただスローとはいえ、道中は4角迄ずっと引っ張り切りの手応え。直線も狭いところをコジ開けた。今日は完勝。厩舎がここ目標にしっかり仕上げたのが大きい。次走米国遠征だそうだが、有力。

ウオッカ

馬振りの良い馬で、普通に見せているならむしろ悪い状態。馬に気持ちが有るのがせめてもの救いだが、歩様にも力が無い。出脚は速い馬だが、折り合い専念して中段から。前に馬が居たとはいえ、折り合いが付いた。直線外か良く伸びているが、ここ迄。今日はスローが一応言い訳になるが、この数字で走った反動は一応警戒。

ブルーメンブラット

今季は馬体に重量感が。歩様も幾らかでもマシに。向正面では中段も、枠の利を生かし、内目をスルスル進出。直線も抜け切ったが、最後に外から2頭。これ以上無い競馬でやられたのだから諦めも付くというモノ。基本的には1F長いだろう。

ヤマニンメルベイユ

+6kg。少しでも増えたのは良い傾向。好発。出脚も速い方だが、ピンクカメオが主張して2番手から。スローでこれも展開ハマッたクチだが、直線手前が替わらず上位3頭とは差を付けられた。上位とは差が有るが、競馬が上手いのは評価出来る。

ニシノマナムスメ

+10kg。増えても馬が緩んでいないのが良い。毛ヅヤも上々。出脚良くヤマニンメルベイユを見ながらの3番手。折り合いも付いて過不足無く進めた筈だが、追って案外。上がりが速過ぎたという話も有るが、条件戦時代にせよ、京都で上がり3F33.1秒。力負け感も有るのだが。

ジョリーダンス

2人曳き。+6kg。太目感は無い。多少チャカつくのも前走阪神戦同様。歩様もこれなら悪くない。この枠でも有り、出して行って好位から。これも結構良い競馬が出来たのだが、この馬の場合はスパッと切れるタイプでは無く、モタついている間に進路が無くなって審議対象に。仕方が無いが、勿体無い。

ベッラレイア

2人曳き。馬振り自体は悪くないが、張りが無い。歩様も頼りない。エイジアンウインズを見ながら中段の外。直線は全く伸びなかったが、多少行きたがっていた分よりも、外を回され過ぎた分と休み明けでいきなりのJpnⅠだった分だろう。叩かれて良くなれば。

京王杯スプリングカップ(GⅡ)

スーパーホーネット

-6kg。発汗目立つ。完歩の小さい歩様は何時もの事。馬体に張りは有ったが、昨秋から-12kg。重量感に欠ける。例に依って出脚は速いのだが、自然と下がって中段から。大外へ行ったスズカフェニックスとは対照的に、馬群の中で直線迄待ってから追い出す形。坂を上がって左手前になったが、逆にそこからが切れた。今日は軽さが決め手勝負で生きた格好。力量的に次走有力だが、次走GⅠで軽さが裏目に出るパターンも。

キストゥヘヴン

シープスキンノーズバンド。+10kg。2人曳き。例に依って最後方を周回。今日は馬を大きく見せる。牡馬相手に落ち着いていたのも良い傾向。近況出脚が良く、今日も速かったが、折り合いに専念して丁度スーパーホーネットの直後。直線も、スーパーホーネットを追う様に伸びて来た。展開向いたにせよ、力はここでも通用。限定戦は賞金的に足りずこちらへ回って来た訳だが、賞金面で大分明るくなったのも今後に繋がる。

スズカフェニックス

ゆったりした造りが今季の特徴だったが、今日は馬が張っていた。躓いた前走中京戦程では無いが、やや遅目のスタートで後方から。圧倒的一番人気の馬でも有り、内を突く訳にも行かず外へ回したが、今開催恒例、逃げ馬が外へ持ち出して追い込み馬を殺すパターンにハマり、競馬にならず。結果的に出遅れが響いた格好だが、4角の手応えも悪かった。東京は何か難しさが。

アイルラヴァゲイン

-6kg。妙に腹回りボテッと映る。皮膚の薄い造りでデキは良い筈だが。掛かり気味になるのを少しずつ放す形で好位。このロスが響いて直線伸びが甘かったが、先行させた利が今日はそれ以上に大きかった。基本的に1400mがギリギリ。

キングストレイル

シープスキンノーズバンド。姿勢が高いからそう見えるのだろうが、何か軽い。好発。インセンティブガイが何が何でもの構えで行って離れた好位。インをスムーズに立ち回ってラスト200mで一旦は抜け切ったが、そこで止まった。止まり方が急過ぎる嫌いは有るが、前述インセンティブガイが外へ持ち出して、各馬がそれを目掛けての争いになった分も。今日は上手く行き過ぎた。

NHKマイルカップ(JpnⅠ)

ディープスカイ

2人曳き。ややもすればまだ重い位の造り。前走阪神戦時にも述べたが、500kg切った時がこの馬の究極。何時も通り出脚無く後方から。各馬が外へ回す中、そのまま内を回る形。マクりを牽制したいゴスホークケンが5頭分程内を開けてくれたのも良かった。坂下では前述ゴスホークケンと1馬身圏内。最後はブラックシェルも突き放した。思ったよりは馬場も乾いていたとはいえ、トビが大きい割にこの馬場をこなせたのも収穫。恐らくはそれだけパワーが有るのだろう。距離延長は当然歓迎。次走は中心視。

ブラックシェル

2人曳き。堪えが利く様になって来た。歩様もこの馬としては悪くなく、馬体も上位。今日もゲート五分。道中は中段やや後方。枠なりにインを回り、一旦は抜け切ったのだが、坂を上がってディープスカイに交わされ、最後は突き放された。道悪良くないらしいので、それを思えば良く走っているが、ディープスカイとは性能差が有る。気性面課題でやれる事が限られていた馬と、オットリした気性で余裕の中山戦スキップ、その差が出た。

ダノンゴーゴー

2人曳き。流石にJpnⅠで多少煩かったが、問題無い範囲。馬体も悪くない。今日も出遅れ。何時も通り最後方。左回りも良いのだろうが、周りの馬のゲートや出脚との兼ね合いも有るのか、今日は折り合いが付いた。これも4角はインから。パワーで差すディープスカイとは違い、本当の瞬発力勝負の馬で、切れ味削がれた感は有る。何れにしても性能は高い。

ドリームシグナル

相変わらず歩様が甘い。馬自体は悪くないが。好発。出脚速い馬だが、調教師の指示との事で中段から。この馬自身、そこ迄決め手の有るタイプでは無く、この指示には疑問の余地も有るのだが、今日はそれよりもイチかバチかでインを突いた馬で決まる展開。普通に外へ回した馬には辛い展開になってしまった。全てひっくるめて考えれば良く走っている方だろう。こういう馬場も得意。

ファリダット

2人曳き。これも何時もよりはテンション高目。ただ、馬は最上位に近い。好発も折り合い専念して後方。ただ今日も結構行きたがっていた。直線も外へ持ち出したが、今日はこれも宜しくなかった。参考外に近い。

スプリングソング

珍しくテンション高い。毛ヅヤが良く、コンパクトに纏まった馬体。瞬発力身上なのだろう。出遅れも出脚で好位直後。まあ、出した分も有るのだろうが、道中は掛かり気味。直線は伸びずバテずだが、ダノンゴーゴー同様、瞬発力身上の馬で、こういう馬場は良くない。

ダンツキッスイ

2人曳き。+6kg。前走中山戦が輸送減り。この数字には好感。馬も数字通り重量感が有る。この馬もゲート速い方だが、ゴスホークケンの出脚が速く、好位から。妙に折り合っていたが、それ迄控える競馬では引っ掛かっていた事を思うと、道悪も駄目。やはりこの馬は大逃げ打ってナンボ。今日は仕方が無い。

京都新聞杯(JpnⅡ)

メイショウクオリア

2人曳き。馬振り自体は良いが、トモの甘さが解消されず。出脚は一番速かった位だが、抑えて好位。3角で競馬が動き、外から次々に馬が来て、一瞬動けぬ状況になったが、上手く馬群を捌いて直線はしっかり。ただ、結果的にそれらの馬は早仕掛けで、矯めが利いた感も。下見の雰囲気から流石に次走は論外だが、将来性は高い。道悪も鬼。

ロードアリエス

チャカつき気味だが、トモがしっかりしていて、ここなら馬は上位。アオり気味だったが、出して行って好位のイン。ただ、直線向いて最内突こうとしたのを止めてマイネルローゼンの外から。馬場の良し悪しも有るのだろうが、着差が着差だけにこのロスは惜しい。今日は勝てた競馬。

マイネルローゼン

2人曳き。馬自体は悪くないが、まだ全体に緩い。枠の利も有り、押してハナ。馬場状態差し引いても前半のペースはかなり遅かったが、3角過ぎから一気に来られる展開を思えばよく踏ん張っている。現状、逃げてこその面は有るが、それが可能なら渋太い。

ホワイトピルグリム

気性が若く、トモも甘い。出脚も無さそうだが、行く気も無く後方から。道中はずっとインを回って、直線も内目から。中段勢が早仕掛けした面は有るのだが、後方に居た組ではこの馬が最先着。出脚がもう少し欲しいが、こういう馬場はこなす。今日のメンバーは大概だが、完成途上の段階でこれだけ走れるのだから、先々はオープンでも。

ブラストダッシュ

2人曳き。寸詰まり傾向の馬だが、トモの張りは目立つ。皮膚の薄い馬体にも好感。出脚良く2番手。逃げたマイネルローゼンの左後方に居て、マクりの影響を一番食らう位置に居たのだが、それにしても案外。馬場なのか、この馬の能力がこんなモノなのか...。

ゴールデンルーヴェ

物見は仕方が無いが、まだ馬が軽い。出脚甘そうだったが、押して好位。ただ、道中下を気にした様な走りで、直線もサッパリ。こういう馬場は駄目。

新潟大賞典(JpnⅢ)

オースミグラスワン

2人曳き。この馬とすればこれでも歩様スムーズになった方。この数字は重い筈だが、馬体にも張りが有る。例に依ってゲートも遅い、出脚も無いで最後方から。向正面の段階から外へ持ち出していたが、直線も外から1000m戦以外では中央競馬史上最速となる31.9秒の上がり。少しでも馬場が渋るとサッパリなので、他場が雨に祟られる中、パンパン馬場で競馬出来たのも良かったが、結果的にここでは格が違った。ただ、当然ながら他場ではアテにし辛い。

マンハッタンスカイ

2人曳き。幅が有りながらスカッと見せる馬。如何にもマンハッタンカフェ産駒。ただ、馬が気負い気味。出脚はワンダースティーヴより速かった位だが、無理せず2番手。直線、ワンダースティーヴの内をスクッて寸前迄先頭。最後はオースミグラスワンが次元の違う脚で来たが、渋太さではかなりのレベルに有るワンダースティーヴに競り勝っただけでも立派。小脚が利かないので、新潟以外のコースでどうかという嫌いは有るが、力自体はオープンでも通用。

フィールドベアー

+6kg。少し太い様に見えるが、張りは有る。出脚で好位。もっと引っ掛かるイメージだったが、上手くハミが抜けた。良くも悪くも最後は位置取りの差。ハンデ差考慮すればマンハッタンスカイより強い内容。力を付けている。

シルクネクサス

2人曳き。暖かくなってからはデキは悪くない。歩様もしっかり。出脚は悪くない馬だが、折り合い意識して無理が出来ず、マンハッタンスカイの後ろから。それでも行きたがる素振りは見せていた。位置取りの分、直線も外へ持ち出すロスが。このハンデでも有り、今日は良く走っている方だろう。元々が中山の様な直線の短いコース向き。次走注目。

スウィフトカレント

一時期より毛ヅヤが良くなったが、以前はもっと気配を表に出していた。例に依って後方。掛かり気味の追走は毎度だが、この馬の場合はこれ位の行き振りで丁度。まあ、オースミグラスワンに並ぶ間も無く交わされてしまったが、これは仕掛けのタイミングの分。最後詰めている様に、一時の不振は脱した。

ワンダースティーヴ

-8kg。オーストラリアンブリンカー。3歳時ならともかく、今だと少し細い。落ち着いているのは良い傾向だが。好発。押してハナ。前走阪神戦を思えば道中かなり楽に行けた筈。直線向いて寸前迄は複勝圏内粘っていたが、最後の最後で甘くなった。ただ、この馬自身も3F33.4秒で上がっていて、今迄に無い脚を使っている。今春の小倉戦の際に天皇賞でも好勝負と述べたが、追っての渋太さには定評。頭の高い走法で、流石に新潟は直線が長過ぎたが、今後も単騎見込める組み合わせなら常に注意。

サンライズマックス

2人曳き。チャカつくのは毎度。歩様が甘いのも毎度。例に依って後方から。ただ、直線向いてポケットにハマッてしまい、マトモに追えなかった。今日は参考外。

天皇賞・春(GⅠ)

アドマイヤジュピタ

2人曳き。-8kg。スカッとした造り。ディスタンス仕様。出遅れ2馬身不利も出脚で中段やや後方。大外枠でどうかと思われたが、ホクトスルタンがそれなりのペースで飛ばして、出遅れ。メイショウサムソンマークの格好になったのも良く、結果的にこの枠に救われた。ただ、最後詰められたのは、早く抜け過ぎてフワッとしただけで、内容的には楽勝。今年は2000m以上の層が薄い面が有るのだが、3歳勢も現状では頼りなさが有り、暫くは防衛出来る筈。

メイショウサムソン

2人曳き。前走阪神戦時と然程変わらず。毛ヅヤは流石に良化したが、腹回りの割にトモが薄く見える。出脚速かったが、控えて中段。前走は妙に折り合っていたが、今日は少し掛かる位の行き振り。ただ、今日は4角の手応えが悪く、その隙にアドマイヤジュピタに一気に出られた。最後差し返したのは相手がソラを遣った分が有り、完敗と言わざるを得ないが、前述した様に掛かる素振りが出て来て、精神面は走れる態勢になっていた。出脚が戻ったのも大きい。あとはデキの問題。

アサクサキングス

2人曳き。-4kg。まだ太い。歩様にも伸びが欲しい。出脚が無い馬だが、少し行きたがるのを緩める形で好位へ。前を早目に捕まえに行く策は一番人気でも有り当然だが、直線入り口で既に捕まっていた。ただ、ズブさが大分消えて来たのは良い傾向。今日は一枚重かった事も有り、見た目程の能力差は無い筈。

ホクトスルタン

+6kg。テンション高いのは何時もの事。毛ヅヤも良いが、少し太い。好発。出脚も速い筈だが、労せずハナ。道中ずっと13秒以下のラップで、肉を切らせて骨を断つ戦法。この馬の場合はこれしか手段が無く、その競馬が出来たとはいえ、昨秋の京都戦よりも数段渋太くなった。今日は太かったが、以前は細い位の馬だった事を思えば成長の過程と見て良いだろう。メジロアサマからの4代制覇も手の届く位置に。

アドマイヤフジ

-8kg。漸く絞れて来た。歩様も今季はマトモ。最内サンバレンティンが出遅れた事も有り、この馬の出脚でも中段。ただ、以前よりマシになっているとはいえ、京都は坂の下りの脚が遅い。特にメイショウサムソンの後を追い掛ける形で外へ持ち出したので尚更だった。それでもアドマイヤモナークを凌ぎ切ったのだから、まずまずの内容。適距離なら。

アドマイヤモナーク

2人曳き。何度も述べている様に、今季は歩様がスムーズ。手先のスナップが利いている。馬体の張りや毛ヅヤも上々。気配も良い。行く気無く後方から。同馬主4頭出しで乗り方難しいとはいえ、アドマイヤジュピタの更に後方では厳しい。ただそれにしても、アドマイヤフジに先着出来なかったのは意外。時計が速い?

トウカイトリック

今日は歩様がスムーズ。毛ヅヤピカピカで、デキは間違い無く良い。出して行って2番手のイン。道中悪い感じでは無かった筈だが、追って案外。出して行くと良くないのかも知れぬが、何れにしても乗り難しい。

ポップロック

馬体は相変わらず文句無しだが、歩様が頼りない。1馬身出遅れ不利。必死で押して中段やや後方も、4角でズルズル。元々器用に立ち回って来る筈の馬で、出遅れた段階で厳しい。歩様通りデキが無い。

テレビ東京杯青葉賞(JpnⅡ)

アドマイヤコマンド

2人曳き。-12kg。絞れて更に良化。ただ、初コースという事も有るが、気性が若い。出脚無い筈だが、出して行って好位のイン。直線も前が開き、スローで最高の立ち回りが出来た。叩き付ける走法で基本がダート、折り合っても距離延長ではと思っていたが、今日は展開が向き過ぎ。この走法は道悪で更に威力を発揮。本番、人気になりそうだが、過信はどうか。

クリスタルウイング

父馬違うとはいえ、兄姉と比較して重量感が無いのだが、ここへ入れば馬振り上位。これも出脚鈍そうだが、出して好位。ずっとアドマイヤコマンドと前後する位置。直線は、坂下で左手前になり、坂上で右手前になってもう一伸び。手前の問題にしても、まだ馬が若い嫌いは有るのだが、アドマイヤコマンドとの差は4角の位置取りの差も大きく、着差程負けている訳では無い。

モンテクリスエス

2人曳き。発汗目立つ。胴長という訳では無いが、530kgの馬体。馬に幅が有る。前走阪神戦で騎乗した武豊騎手が乗り味を絶賛していたのが解る。好発。内へキレ気味だったにせよ、出脚は速そうだったが、折り合いに専念して中段。4角回ってクリスタルウイングとの1馬身半差が決勝線でもそのままだったが、乗り役に言わせると下を気にしたとの事。次走当然JpnⅠ挑戦になるだろうが、案外狙い目に。

ゴールデンハッチ

2人曳き。-8kg。気配は良いが、トモが薄く歩様に力が無い。出遅れて後方。道中は内で我慢していたが、直線だけ外へ出してモンテクリスエスの後を追う形。坂の脚は下見通り甘かったものの、坂上の脚は悪くなかった。パンとすればオープンでも。

ニシノエモーション

見掛け倒しの多いシンボリクリスエス産駒だが、これも馬振り目立つ一頭。ただ、他馬はまだ仕上がっていない感も有ったのだが、仕上がり度でも最上位。1角は中段辺りで通過も、除々に番手を上げて2角で好位。まあ、4角少し弾かれたし、ずっと外回っていた事を思えば止むを得ぬ面も有るのだが、坂を上がって完全に止まったのは案外。馬は間違いなく良いが、現状では少し差が有る。

アルカザン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。馬に集中力。大物感は無いが、纏まった造り。出脚良かったが、無理せず好位直後。道中も悪い感じでは無かったが、直線向いて左手前のまま伸びず。距離延びて真価出ると思ったが、単純に決め手不足。

マゼラン

数字の割に馬が小さく映る。皮膚の薄い馬体でデキ自体は悪くない筈だが。道中インに入れ、直線もインを突いたが、ポケットにハマッて出られず。参考外。

アンタレスステークス(GⅢ)

ワンダースピード

-6kg。ここへ入ると少し華奢な位の造り。この馬としてはこんなモノだが。この枠だが、出して行って3番手。やり合うフィフティーワナーとマルブツリードを眺める絶好の展開。しかもフィフティーワナーのペース自体も大して速くなく、その意味でも好位のこの馬が恵まれた。出して行ってもしっかり伸びた点は評価せねばならないが、元々が大して強い印象の馬では無い。次走中京戦が試金石。

ドラゴンファイヤー

オーストラリアンブリンカー。一息入れて歩様がしっかり。トモの張りが良くなっている。今日はゲート五分。今日はゲート五分。出脚はそこ迄速くないが、出して行って先団グループの最後方。道中は内に入れ、何時もは悪い4角での手応えも良く、直線もしっかり伸びた。この内容なら本格化と見て良い。次走狙い目。

サンライズバッカス

+6kg。多少重いが、思ったより出来ていた。テンション高いのも気持ちが来ている証拠。出遅れ。道中無理に外を回さず、直線だけ外へ。最後の脚は中々だったが、追い出して頭が上がり加減。距離に限界が有り、元々こういうタイプでは有るのだが、まだ本当では無い部分が有る。

フィフティーワナー

2人曳き。+12kg。今日もイレ込み。数字はこれでも太く見せないが、元々の馬振りが良い馬。出脚でハナ。ただ、道中前に進んで行かない感じが有って、3角手前からずっとマルブツリードに絡まれっ放し。前走中山戦は乗り役の判断ミスだが、今日は馬が走っていない。馬体増が応えた?

チャンストウライ

地方馬独特の多少余裕残しの造り。ただ、中央へ来ても落ち着いていたのは良い傾向。積極的に乗られて好位から。ただ、道中もずっと押していて、4角も置かれ掛けていたが、直線伸び返しての5着。この辺りは経験の問題で、今日は良く走っている。交流戦なら大将クラス。

ロングプライド

+6kg。少し太い気もするが、一応は走れる状態。毛ヅヤも良い。メイショウトウコン程では無いが、半馬身程出負け。直線サンライズバッカスに差されたのは不満残るが、一応マクる脚は見せた。時計の限界。

メイショウトウコン

完全に本格化。トモの張り目立ち、毛ヅヤも上々。出遅れて後方。道中から全く進んで行かず、直線も全く追わず。乗り役は馬場が合わないとコメントしていた様だが、脚元壊した?

サンケイスポーツ賞フローラステークス(JpnⅡ)

レッドアゲート

皮膚の薄い馬体。デキは間違い無く良い。トモの張りも数字思えば中々。最初から抑えていたが、誰も行かなかった事も有って好位から。その分折り合いは付いた。逃げたのが同馬主という事も有るのか、少し追い出し待ってからスパート。前走中山戦は半信半疑だったが、強い内容。ただ、今日は好位取れたが、出脚自体が速い訳では無く、次走位置取りは課題に。折り合いは皆似た様なモノだが、距離延長も良いとは思えず。

カレイジャスミン

2人曳き。馬は悪くないが、発汗の跡。歩様にも伸びが欲しい。ほぼ持ったまま、出脚でハナ。折り合い付いて1000m通過61.1秒。早目スパートで突き放す理想的な競馬が出来たが、最後頭が上がって失速。それでもレッドアゲート以外は完封していて、レッドアゲートが強いという見方も有るのだが、この馬自身としては2000mが微妙に長い。

キュートエンブレム

-4kg。気配の良さは光る。数字思えば造りもしっかり。ユキチャンの出脚に乗って好位。上手くインへ潜り込めたが、道中は掛かり気味。直線も左手前のままだったが、未勝利上がりと言う点を思えば良く走っている方。ただ、この馬も他のウォーエンブレム産駒同様、折り合いに課題。キャリア浅い段階で一戦毎の上積みは無視出来ないが、常識的には距離延長はマイナス。

メイショウベルーガ

ここへ入ると馬振り上位。歩様,馬体の張りも悪くない。ゲートは出たが、出脚無くて最後方。直線も矯めるだけ矯めて一番外へ。実質競馬が終わった後とはいえ、最後の伸びはこの世代でも上位だろう。自己条件なら確勝級だが、権利が取れず、騎乗ミスの誹りは免れないところ。

シングライクバード

2人曳き。例に依って歩様に伸びが無い。馬は悪くないが。この枠でも有り、下げて後方から。ただ、今日は東京2000m外枠の最悪のパターンにハマッた。スローで中途半端に動き、ずっと外を回される展開。それでも伸びて来たのだから、今日は底力示した一戦と見て良い。次走JpnⅠでも面白いが、残念ながら権利が無い。

ユキチャン

2人曳き。白毛で毛ヅヤが分からぬが、意外に馬振り目立つ。ただ、今日はテンション高い。出脚速く好位。ただ、枠順の関係で外回されたのと、トビが大きくスローに対応出来ず。現状、白いイロモノ扱いだが、基本性能は高い。限定戦はスローが多いのと、短い距離のレースが多く、その点で苦労しそうだが、新潟辺りで牡馬相手に一発食らわすシーンも。