Sakura Archives

競馬回顧 2007年4回京都・4回東京

天皇賞・秋(GⅠ)

メイショウサムソン

2人曳き。最近は落ち着いている。歩様もスムーズ。ただ、馬体の張りが絶好調時とは差。好発。例に依ってという事になるのだろうが、序盤少し掛かったのだが、宥めて行きたい馬を行かせて好位。4角はコスモバルクが外へヨレるのも計算していた様に、最内から。イン圧倒的有利な馬場状態で、道悪巧者にこの競馬をされると他馬は苦しい。過去の実績から強いのは証明済だが、今日に関しては他馬が競馬になっておらず、能力判定不能というのが正直な印象。ただ、千切っての勝利はこれ迄に無かった事。馬が相手に合わせなくなったのは今後に繋がる。

アグネスアーク

2人曳き。馬体が維持出来たのは何より。変わらず気持ちも有りそう。出脚ソコソコ有る馬だが、内枠の馬が好発を切り、中段から。4角から直線に掛けて少し迷っていたが、選んだところがエイシンデピュティとシャドウゲイトの間で、最悪の形。それを思えば良く走っている。馬体が増えて来ないので、何時切れるか綱渡り的側面は有るが、当てられても伸びて来る根性が良い。

カンパニー

煩いのは元々。皮膚の薄さを感じさせる馬体で、仕上がり上々。もっと後方から行くと思っていたが、少し出して中段やや後方。枠なりに内目を立ち回っていたが、直線向いてコスモバルクがフラついて前をカットされる不利。ただ、メイショウサムソンの通ったところから来る手も有った訳で、それが読めなかった福永騎手も褒められた騎乗では無い。次いでにいえば他の不利を食らった馬と違い、物理的な接触も無かった。決勝線寸前でアグネスアークに差された内容から、2000mだと脚の使いどころに難しさが有りそう。

ポップロック

尻尾を振っているのは何時もの事。下見だけならコレ。毛ヅヤ,馬体の張り文句無し。道中の行き振りも良くなかったが、乗り役が恐らく最初から決めていた様で後方から。直線向いてラスト400m辺りでもまだモタついていたが、そこからエンジン掛かってここ迄。ただ、2000mでこうなるのは有る程度覚悟が出来ていた事。距離延長で改めて。

コスモバルク

チャカついていたが、この馬はこれ位で丁度。トモの張りも目立ち、万全のデキ。前へ行きたい馬は多くても、逃げたい馬が不在のメンバー構成。出脚も速かったが、それならとハナへ。1000m通過が59.6秒。ペースとしては悪くなかった。まあ、直線向いて外へヨレるのはお約束だが、この馬ここから毎回渋太いのもお約束。気性面課題が有って、控える競馬を教えて来た訳だが、ヨレる癖が直りそうにないのなら、一度博打が出来るところで思い切った大逃げを考えては?

アドマイヤムーン

2人曳き。トモの迫力だけを言えば今春の方が良かった。出脚でダイワメジャーに叩かれて中段。ここで位置取りが悪くなった分、4角外へ振られる羽目に。コスモバルクを起点とした不利は大したモノでは無く、今の東京の馬場ではこちらの方が痛かった。最後は逆手前になり、内にモタれ気味。まあ、4角手前から動いていて、強引な競馬になった面は有るのだが、基本的には良い脚が長く続かないタイプ。

チョウサン

一切緩んだところが無く、目下絶好調。ゲートも少し悪かったが、折り合いを意識したのか、乗り役に気が無かった様で最後方から。ただ、追い出してから頭が上がっていたのが気になったのだが、乗り役に言わせると下を気にしていたとの事。良馬場で改めて。

ダイワメジャー

何時も通り2人で曳いてもう1人。パシュファイヤー。やはり今季は以前程の迫力を感じさせない。内枠4頭が好発。この枠でも有り、無理せず好位から。安藤騎手、この馬の東京戦は比較的大事に乗る傾向が有るが、今日は結果的にこれが裏目。マトモに不利を食らう位置に。ただそうはいっても、当てられているのはあくまで横から。2着アグネスアーク等も不利を受けていて、もう少し伸びても良かった。今季はデキが一息。

毎日放送賞スワンステークス(GⅡ)

スーパーホーネット

2人曳き。+10kg。毛ヅヤは良い。スケールを感じさせる馬では無いが、一時期を思えば大分良くなって来た。乗り役は一瞬前へ行かせようとしていたが、出脚の問題と、血統から道悪は好まないので、後方迄下げてから馬場の良い大外へ。一追い毎伸びて最後はハナ差。前崩れの展開、乗り役の判断も今日は良かった。戦前は道悪が気になったのだが、デキが有る現状でこの時計が出る馬場なら少々渋っても走れる。

フサイチリシャール

2人曳き。馬体はこの厩舎なので論評の意味を持たないが、今日は歩様がスムーズ。手先が柔らかい。幾らこの馬の出脚が速いといっても、1200mでもハナへ行ける出脚の馬にプレッシャー掛けられる程では無いのだが、好位でジワッと。1200mの馬が飛ばす中を離れた位置で眺める絶好の展開になった。最後は早目に先頭に立たされた分だが、一応は勝ちに等しい内容。今日は展開が向いたにせよ、この相手でベストの1400mならこの位走れても不思議は無い。ただ、最近引っ掛かる傾向が有って、今日でも以前程の出脚が使えていない。次走京都戦はともかく、暮れの阪神戦辺りで人気になりそうだが、却って危険。

ドラゴンウェルズ

少し腹回りが立派に映る。その分メリハリが利いていない。戦前は折り合いを心配していたのだが、1200mのペースになった事も有って今日はスムーズ。フサイチリシャールを追い掛ける形で動いて行ったが、最後はフサイチリシャールを捕らえられず、スーパーホーネットに差されての3着。3着といっても内枠の馬が競馬になっていない中での3着。重賞では少し差が有りそう。

スイープトウショウ

+18kg。妙に大人しかったのは何とも言えぬところだが、これだけ増えて太く見せないのは中身が無い証拠。半馬身出遅れも、出脚でカバーして中段。枠順が枠順で道中は仕方が無いにしても、何とか直線だけでもと外へ出して行ったが、伸びを欠いた。ここは攻め馬代わりの一戦で、陣営としてはこれで変わればという事になるのだが、外枠を引く,若しくは最初から割り切って外へ出していたら際どい競馬になっていた気も。今更ながら凄まじい能力。

ブラックバースピン

毛ヅヤは抜群だが、張りという点でどうか。昨秋程では無い気もするのだが。ソコソコ出脚の有る馬だが、外から来られたドラゴンウェルズに連られて行きたがり、それを引っ張っている内に後方に。この段階で乗り役が腹を括り、直線は最内へ。目立たぬが、一脚は使っている。デキには疑問の余地が有るが、今春の中京戦がそうだった様に、荒れ馬場でインを突くのが上手い。

キングストレイル

前走中山戦でもソコソコ走っているのだが、出来れば少しでも絞れて欲しかった。出負け気味だったのを、出脚で中段...の筈が、行き場を無くして結局は後方から。追い出してから頭が上がっていた様に、道悪自体はこなせても荒れ馬場は辛かっただろう。今日は展開。

アストンマーチャン

2人曳き。重目に映る分も含めて、前走中山戦時と変わらず。例に依って出脚は速いのだが、これが引退レースのギャラントアローに1200mでもハナへ行ける出脚のナカヤマパラダイス。この馬自身も、距離に乗り役の意識が行く分、前走と違って数馬身離してという訳には行かなかった。馬場の悪い内目を通らされた事も有って、直線はバテバテに。逃げ馬が負ける時はこんなモノ。

東京中日スポーツ杯武蔵野ステークス(GⅢ)

エイシンロンバード

チャカつくのは何時も通り。多少緩い様な気もするが、気で走るタイプ。スタート地点が芝とはいえ、出脚は余り良くなかったが、人気薄の分でハナ切らせて貰っての逃げ。ただこの馬、下が渋った馬場は基本的に強く、今日の馬場でハナだと俄然有利になって来る。今日は行かせてくれた他の乗り役に感謝。逃げなくても競馬は出来る馬だが、逃げる出脚が無いのが今後の課題に。

ワイルドワンダー

前走盛岡戦との比較は出来ぬが、数字上は絞れた形。今季絶好調続く。この馬場でも有り、出して行って中段。その分、コースロスも比較的少なく運べたが、前であれだけ楽をされると、この馬場では届かない。以前は折り合い課題だった馬だが、この部分がマシになって充実一途。今なら2100mでも。

トーセンブライト

元々良く見せるタイプ。毛ヅヤも良く、歩様もスムーズ。ソコソコ出脚は有る筈だが、出すと行きたがるので無理せず中段。今日はその甲斐も有って折り合いは付いた。まあ、こういう馬場は走るのだが、インを回った利が有ってこの程度なのかという気も。重賞だと少し足らない。

フィールドルージュ

2人曳き。造りにメリハリが有って、いきなりから力を出せる状態。手先のスナップも利いていた。例に依って出脚サッパリで最後方から。今日の馬場ではこの段階でほぼ圏外。4角でもまだ殿から大外へ。ここ迄来れれば上出来だろう。まあ、毎回こういうもどかしい部分は有る馬だが、相変わらず力は有る。次走も展開一つ。

イブロン

-4kg。少しでも絞れて来たのは良い傾向。気配も悪くない。今日はゲート五分。出脚は有る馬で、好位から。インを立ち回って、過不足無い競馬が出来ている筈だが、追って案外。前走札幌戦が4着といってもスローの中を離されての結果。極端に時計の速い馬場は良くないのかも。

ビッググラス

今春が良過ぎたので逆に心配も有ったのだが、変わらず好気配。もう少し前でも競馬出来る馬だが、休み明けの分も有ったのか、無理せず後方から。直線向いて暫くモタついていたが、バラけてエンジン掛かってからの伸びは悪くなかった。次走狙い目。

ロングプライド

前走札幌戦よりは落ち着いている。馬体も変わらず見栄えがする。出遅れて後方から。ただ、今春の東京戦もそうだったが、左回りは中々手前が替わらない。今日は馬場状態も有って余計に苦しかった。一応、良馬場で巻き返し期待という事になるのだが、東京で人気になる様なら嫌う手も。

菊花賞(JpnⅠ)

アサクサキングス

2人曳き。馬は前走阪神戦から出来ていたが、今日は気合が乗っていた。好発。行きたい馬,または行きたがった馬4頭に行かせて離れた5番手。最内も少し悪いのだろうが、何時でも動ける様に内側3頭分程を空けての追走。近年の菊花賞に良く見られる坂の下りを利してのスパート、ラスト1Fで先頭。最後はアルナスラインに猛追されたが、そのまま凌ぎ切った。この馬のゲートが速かった分、前へ行った組は多少なりとも序盤に脚を使わされていて、今日は展開も良かった。まあ、ハナへ行かずとも競馬出来る様になった部分は進境窺えるが、この距離になると出脚が誤魔化せるメリットも。良くも悪くも折り合いに心配の無いザッツザプレンティという評価。長距離での決め手不足には注意。

アルナスライン

2人曳き。これも前走の段階で既に仕上がっていた。変わらず集中力も有って、歩様も落ちていない。見た目には出たなりだったが、乗り役は最初からアサクサキングスを相手と思っていた様で、これをマークする形。ただ、折り合い完璧だったアサクサキングスとは違って、結構行きたがっていたが、それで居て最後ハナ差なら確実にこちらの方が強い。前走で決め手が有るのも証明済。この世代、レベルに疑問の余地も有るのだが、競馬に迫力は無くとも実戦で強いテイエムオペラオー的側面が。上手く行けば大化けも。

ロックドゥカンブ

2人曳き。落ち着いているのが何より。馬振りで抜けた存在では無いのだが、毛ヅヤも良く、デキ自体は良い。出脚は有る筈だが、ゲートが少し悪く、中段やや後方から。正直、この馬が1番人気だったのは意外だったのだが、結果的にマークされ、内枠も有って直線迄ずっと動けず終い。まあ、最後の脚は目立っていたので、今日は力を見せた一戦という事になるのだが、所詮は南半球産。この世代のレベルの低さを象徴している気も。

エーシンダードマン

2人曳き。これも毛ヅヤ目立つ1頭。馬振りも良いのだが、トモにもう少し筋肉が付けばバケモノに。出脚は有る馬だが、下げて後方から。折り合いは勿論不安無い馬、道中ロス無く運んで、定跡通り坂の下りでスパート。一瞬の脚で分が悪いので、同じ様に動いたドリームジャーニーに一旦は出られたのだが、差し返しての4着。戦前に述べた様に距離は延びれば延びるだけ良いタイプ。一瞬の脚が来ればGⅠでも。

ドリームジャーニー

2人曳き。トモの張り目立つ。ただ、少しチャカつき気味。ゲートも悪いのだが、腹括って最後方から。最後方から進めた効果も有って、この距離にしては折り合い付いていた。先に動いたエーシンダードマンを追い掛ける形で動き、一旦は前へ出たのだが、ラスト1Fで失速。距離以外に敗因が無いが、距離を思えばむしろ良く走っている印象。こう前置きしないとならぬところがこの世代の辛いところだが、ウオッカを別にして、中距離ならこの世代の中では一番強い。

フサイチホウオー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。本来はもっと良く見せる馬で、トモの盛り上がりが無い気も。中段やや後方。行きたがるのは止むを得ぬところで、この馬にしては許容範囲。最後は伸びずバテず。距離が長い。

ヴィクトリー

2人曳き。+10kg。馬体増も有るが、基本的に腹袋は血統から。最近下見は真面目なのだが...。ホクトスルタンが控えるタイプの馬だとまた違うのだろうが、これが行った分連られる形で先団グループへ。岩田騎手、前へ馬を置いて宥めようとしていたが、結局最後迄宥め切れずに2周目4角では既に一杯。単純な馬力だけならこの世代No.1だが、とにかく競馬に進歩が無い。

サウジアラビアロイヤルカップ富士ステークス(GⅢ)

マイネルシーガル

シープスキンノーズバンド。チャカついていたが、造りにメリハリが出て来た。何度も述べている様に出脚の有る馬、先行争いに首だけ突っ込んでおいて、オレハマッテルゼが主張したのを見て好位のイン。今更ながら今の東京でこの位置を取れると俄然有利になってくる。ただそれだけに、最後際どくなったのは不満が残るところ。前走中山戦時に述べた様に、圏内の馬では有るのだが、抜けた力は無い。

マイケルバローズ

もう少し左後股が出てくれると良いが、馬体そのものは重量感有って変わらず。ゲートも出たのだが、少し出して中段から。後方から行っていた時の様に、スパッとは切れないのだが、ジワジワ来て最後はハナ差。末脚は鈍るが、最後方から一気の競馬よりは当然この方が良い。出脚甘いにしても、出せる事が分かっただけでも今日は収穫が有った。

トウショウカレッジ

腹回りボテッと映る。体型分込でも太い。出脚で差が有って中段やや後方。枠なりにずっとインを回り、直線もワンテンポ待ってインから。追い出すと頭が上がる為、距離には限界が有るが、マイル以下なら毎回何処かで一脚は有る。今日に関しては、太い分届かなかったが、この相手でも展開向けば圏内。

エアシェイディ

2人曳き。少なくとも前々走阪神戦の様な事は無い。もっと良く見せてもという気もするが、この馬は走っている時でもこんなモノなので、ほぼ万全に戻ったと見て良い。出遅れ。腹括って最後方。直線迄待ってから大外...の筈が、暫く捌き損ねるロスが。まあ、元々良い脚が長く続かないタイプでは有るが、ここなら実力上位は明らか。勿体無い結果に。

グレイトジャーニー

歩様がスムーズなのが何より。毛ヅヤも良く、高いレベルで安定。出遅れて後方。インを立ち回り、一瞬は突き抜けるかのシーンも有ったが、これも基本的に一瞬しか脚の無い馬。最後で止まってしまった。重賞入着は多い馬だが、追い込みの利く東京では直線が長過ぎ、それ以外のコースでは位置取りの差が。まずはゲート五分に出たい。

アンブロワーズ

2人曳き。-8kg。関東へ輸送すると毎回大幅馬体減。見た目にも細いのだが、これでも毎回結果を出している。イレ込みが無いのも何より。好発も、折り合いに専念して中段。直線外へ持ち出して、伸びてはいるが、ラスト300m辺りで逆手前になり、前へ並ぶ迄は無かった。前々走の新潟戦もそうだったが、重賞だと少し壁が有る。

トウショウヴォイス

変わらず毛ヅヤが良い。寸詰まりの馬で、距離には限界が有るだろうが、これもデキは安定。中段やや後方。4角外へ回した分も有るが、更に後方に居たエアシェイディに競り負けた。マイネルシーガルとは0.2秒差とはいえ、案外の内容。敗因不明。

コイウタ

毛ヅヤ絶好。今春よりもむしろ良いかも。1200mの後で折り合い課題だったが、意外にスムーズ。出たなりに中段から。ただ、直線は2kg分も有って伸びを欠いた。デキは良いので限定戦なら。

ローレルゲレイロ

2人曳き。前走札幌戦もそうだったが、張りが無い様に映る。良化スロー。好発。出脚が良いにしても、ハナは切りたくなかっただろうが、丁度内からオレハマッテルゼが行ってくれて好位。まあ、更に外からシンボリグランに来られたのは嫌だっただろうが、馬が我慢してくれて展開的には悪くなかったが、追ってそこ迄伸びず。まあ、大きく負けている訳では無いが、このレース、デキの良い馬が多く、状態面の差が出てしまった。

シンボリグラン

+8kg。大分白くなって来た。太いからそう見えるのだろうが、全体に造りが緩慢。これも好発。ローレルゲレイロの先行策に乗った面は有るが、行きたがって逃げたオレヲマッテルゼをマトモに追い掛ける形。要は何時ものパターンにハマッてしまった。一息入って太かった分、気持ちに余裕が無かった。

スウィフトカレント

100%では無いが、前走小倉戦をを思えばかなりマシに。見た目には一応力を出せる状態。ただ、妙に大人しい印象も。例に依って後方から。初めてのマイルで折り合いは付いていたが、直線向いて内にモタれ気味で伸び切れず。まあ、距離経験の問題も有るが、それよりも行き振りが本当では無い。

秋華賞(JpnⅠ)

ダイワスカーレット

2人曳き。-6kg。前走阪神戦の段階で既に出来ていた。今日も変わらず。好発。それでも出脚が甘く、この枠からとなると押して押しての先行策だったが、その分行きたがった。敢えて外を回って逃げたヒシアスペンとの間隔を開ける等、あの手この手で宥め、3〜4角中間では待ち切れずに先頭。直線もそのまま押し切った。ただ、ヒシアスペンも出脚が無いのに前半無理をした影響で中盤ペースが落ち、脚が残せていたのが大きい。上がり3F33.9秒とはいえ、先行策に拘るのも決め手が甘いからだろう。次走は外回りに替わって1F延長。他馬も大事に乗って来るとは思うが、中段辺りから鋭さ負けするシーンも。

レインダンス

+6kg。トモに張りが有るのは良い傾向。歩様の硬さも今日はマシ。出脚も良い馬だが、ダイワスカーレットの先行策に乗って好位。最終的にウオッカの猛追を凌ぐ形になる訳だが、前有利の流れで早目早目の立ち回りが利いた。前走阪神戦がソコソコの内容。ウオッカやベッラレイアが展開に泣いた面も有るが、その前走時に述べた様に限定戦なら上位の存在。

ウオッカ

2人曳き。-8kg。良い時はもっと筋骨隆々だった。この相手で平均点では駄目。好発。ただ、四位騎手に曰く「折り合いを気にして控えた」との事で中段から。成る程、道中は多少気負い加減。前が楽をしているのが分かったのか、早目にマクッて行ったが、ここ迄上がりが速くなると流石に届かない。メジロドーベルにやられたエアグルーヴのエリザベス女王杯で見られた馬力で差すタイプの典型的負けパターン。従って、牡馬相手の方が競馬がし易いという事になるのだが、今季デキが一息なので、やはりここから先は厩舎技量で馬に恩返しせねば。

ベッラレイア

2人曳き。下見は落ち着いていて、馬体面含めて問題は無かったが...。返し馬で引っ掛かっていた事も有って、折り合いに専念せざるを得ず最後方から。4角でも最後方。最後来てはいるが、前も速い脚を使っているだけに、流石に届かない。ここ2走は前で競馬出来ていたのに、今迄やって来た事が全部台無しになってしまった。これも厩舎技量が求められる。

ラブカーナ

今春の東京戦の際にも述べた様に、馬格は無いのだが造りはしっかり。歩様の力強さも変わらず。出脚無さそうだったが、押して好位。枠なりにインに居て、スムーズに立ち回っているが、前とは差が有った。ひと夏を越えて成長の有ったレインダンスを別にして、今年はオークスのレベルが低いという事だろう。あくまで二線級。

ローブデコルテ

2人曳き。テンション高いのは何時も通り。集中力が有れば力は出せるタイプ。毛ヅヤも良く、いきなりにしては上々。枠も有るが、出脚も差が有って中段から。下見の印象とは違いズブい位の馬なので、折り合いは付くのだが、4角でウオッカがマクりに来た時に抵抗出来なかった。小回りの忙しい競馬が向かない分は有るが、これも一線級では無い。

ヒシアスペン

2人曳き。一息入った影響なのか馬体が緩いのだが、トモにパワーが来た。この枠でも有り押してハナ。ただ、一息入れようとしたところでダイワスカーレットに来られ、前半かなり無理をさせられた。最後はバタバタだったが、下見は確実に良化。オープン迄は来れる。

府中牝馬ステークス(GⅢ)

デアリングハート

-8kg。パシュファイヤー。前走札幌戦とは別馬。良い時の雰囲気に戻った。例に依って出脚は一番速い位だが、行きたい馬に行かせて好位から。この馬より前に居たユキノマーメイド,アサヒライジング,ヤマニンメルベイユの3頭は、この馬が速過ぎるが故に位置取り確保するのに無理をさせられていて、今日は自分の出脚で最高の展開を叩き出した形。次走距離延長でこの出脚が使えなくなるが、この辺りの距離なら牡馬相手でも。

アサヒライジング

首でリズムを取って気配上々。馬体の張りも目立つ。少し出が悪かったが、ペースが遅く自然と2番手。道中の折り合いは付いていたが、ハナでは無い分、4角馬が少し待ち切れず早目の仕掛け。その分坂を上がって逆手前になってしまい、デアリングハートの目標にされてしまった。ただ、それ以外の後続の追撃は振り切っていて、一応は地力見せた一戦。距離に不安が無いのは以前から述べている通り。次走は狙い目に。

アドマイヤキッス

+4kg。少しでも増えて出て来たのは良い傾向。ゴズミも今日はマシ。ゲートも少し悪かったが、押して何とか中段。最後は馬群を捌いて来ているが、直線手前も替わらなかった事も有って、もう一つ前で流れに乗りたかったところ。出脚は無いにせよ、折り合いは付くので押せば行ける筈だが、この辺りはテン乗りの弊害。中京2戦は展開に恵まれただけで、左回りもイマイチ。

ディアデラノビア

張りが無いのもそうだが、歩様に力強さが無い。ゲート良かった事も有って、中段で宥める策。インを立ち回って、一瞬伸び掛かっているのだが、そこで止まってしまった。元々末脚の持続性に難の有るタイプだが、デキが無くてそれが余計に目立つ。今季は見送り。

タイキマドレーヌ

-6kg。輸送競馬の分、絞れた形だが、決して細くない。皮膚を薄く見せ、デキに関しても良い。これも出脚有りそうだったが、無理せず中段。ただ直線向いてから、この馬自身がモタついた事も有ってアドマイヤキッスに前に入られ、一瞬待たされるシーン。最後の脚は目立っていた。オープンでもメド。

デイリー杯2歳ステークス(JpnⅡ)

キャプテントゥーレ

一戦毎に馬体は締まって来たが、トモの造りは本物とは思えぬ。気性も若い。出脚は無さそうだったが、押して2番手。明らかな人気先行タイプだが、1000m61.0秒の流れで、この位置で折り合うと流石にといった印象。ただ、前走阪神戦もほぼ同じ形からバッタリ。距離に課題が有るか、坂に課題が有るのか...。

タケミカヅチ

シープスキンノーズバンド。馬振りだけならコレ。トモもしっかり。出遅れて最後方から。前走新潟戦は行きたがっていたが、最初から無理しなかった分も有って、今日は折り合っていた。直線大外へ持ち出し伸びているのだが、馬装の割に首も上手く使えている。今日の競馬では折り合い面がクリアになったとは言えぬが、性能は高そう。

ウイントリガー

-12kg。押せ押せで使われているが、見た目はこれ位で丁度。トモの厚みも落ちていない。珍しく好発も、折り合いに専念して中段から。早目に動く意志は伝わってきたが、4角シゲルハスラットが微妙に外へ膨れた事も有って、直線向いた時には前との差が結構開いてしまったのが痛い。メンバーレベルの問題は当然有るが、内容としては悪くない。

ジョニーバローズ

2人曳き。造りのバランスの良く、大きく見せる。枠順も有っただろうが、これ迄の先行策とは違い、控えての競馬。直線向いてタケミカヅチと併せ馬になり、伸びてはいるが、半馬身程劣った。いきなりの待機策でこれだけやれればと思うが、追い出して頭が高く、前へ行った方が持ち味は出そう。

シャランジュ

毛ヅヤが良いのは前走新潟戦同様。小さいなりに纏まった造り。好発も、控えようとして内外の馬に行かせていたら、ゴチャついて頭を上げるシーン。直線は馬群割って来ているが、序盤のロスが大きい。今日は不完全燃焼。

ホッコービクトリー

姿勢が高いのはトモが甘いからだろうが、気配自体は良い。スタート直後に寄られたが、前走阪神戦で無理に先行して失速した為、出したなりに後方から。内を回って一瞬は脚を見せた。トモの甘ささえ解消されればオープンでも。

マルブツイースター

2人曳き。ガタイの良いタイプ。スプリンター。出脚良く好位から。ただ、ずっと行きたがっていた。4角待ち切れずに動いて行ったが、不利を食らった時には既に脚が無かった。距離が長い。

農林水産省賞典京都大賞典(GⅡ)

インティライミ

減らなかったのは良い傾向。妙に速く歩いていたが、それだけ馬の気が漲っているのだろう。道中は中段。要はポップロックマーク。インを突くとデルタブルースとポップロックに締められる危険が有り、4角外に居たアルナスラインが行くのを待ってから外へ出し直線勝負。スローでこの間は結構余計だった筈だが、切れに切れた。瞬発力勝負が向いた面は有るが、強い内容。次走は流石にと思うが、気持ちが有るので折り合いが付くのも良い。

ポップロック

この馬にしては軽い造りだが、これはこれという造り。デルタブルースとトウショウナイトが引っ張る展開を離れた位置で見る形。ずっとインを回り、そのまま内を突いて一旦は抜け切っているのだが、最後にポップロック。今日はデルタブルースとの連携プレーだった筈だが、そのデルタブルースのペースが上がらず、瞬発力勝負になってデルタブルースの同馬主インティライミのアシストをされた形。ただ、そうはいっても所詮相手はインティライミ。物足りなさは残る。

アルナスライン

+10kg。決して太くない。成長分だろう。馬に集中力が有るのも良い。出脚が無いのを出したら行きたがったが、直ぐに治まって中段。つまりはこれもポップロックをマークする形。4角前へ並び掛け、直線向いて一瞬やったというシーンも。前開催の際に述べた様に、この世代は33秒台の脚を持っている馬がウオッカとドリームジャーニー以外に居なかったのだが、ここに来て第3の馬が現れた。出脚が無いのが課題だが、次走は中心視。

ダンスアジョイ

-12kg。馬体自体は極端に細いという訳では無いが、イレ込み気味。出負け。腹を括り、イン替わりして後方から。直線もそのままインを突いたが、位置取りの分が届かなかったせよ、決め手は有るので、ここ迄来れる。この手のタイプはハンデ戦で強く、まだハンデが軽い間こそが狙い目。

デルタブルース

今日は太くない。緩んだところも無くこれなら。戦前の予想通り押してハナ。ただ、乗り役に言わせると馬に気が無くペースが上がらなかったとの事で、ずっとトウショウナイトがくっ付いて来て、4角では既に並ばれていた。ただ、その割には直線良く抵抗している。59kg背負っていた上に、ハナへ行った経験も少なく、今日は止むを得ぬ敗戦という事になるだが、それよりもポップロックと路線が被ってしまうのが、陣営にとって悩ましい。

トウショウナイト

今春はデキ一息だったが、まずまずは有りそう。デルタブルースに行かせて2番手。ペースはともかく、デルタブルースにピッタリくっ付いて行く策。道中のペースが遅いにしても、追走自体は楽に見えたし、4角デルタブルースに並び掛けた時は勝ちパターンだった筈だが、そこからがサッパリ。下見は悪くないが、デキが無い負け方。馬券になる迄は静観。

毎日王冠(GⅡ)

チョウサン

寸詰まりだが、トモの張りが絶好調を告げる。ただ、歩様に伸びが無い。出脚もう一つで中段やや後方。馬群の中で折り合って直線迄我慢。ラスト100mで手前が替わり楽では無かったにせよ、馬群を割って力強い伸びを見せた。一応は完勝。競馬を間違えた、若しくは休み明けで状態面一息等、負けた馬にも色々言い訳が有るのだが、文句の付け様の無い競馬。時計に対応出来たのも収穫。次走GⅠでも圏内。

アグネスアーク

2人曳き。-8kg。流石に細くなった印象。気持ちは有りそうだったが。出脚良かったが、無理せずチョウサンの外。これもしっかり折り合いを付けていたが、この馬場で外へ出した分チョウサンに先に出られた形。チョウサン同様文句の付け様の無い競馬が出来た。前走札幌戦は展開に恵まれた面が多分に有ったが、これなら本物。あとは馬体減の影響が出なければ。

ダイワメジャー

+12kg。何時も通り2人で曳いてもう1人。パシュファイヤー。歩様はスムーズ。悪くないが、絶好調時の重量感という点でどうか。好発も、出脚が無いので押して好位。位置取り確保しようとしたところで、ストーミーカフェ等が来て連られた分、道中流れに乗り損ねた。直線は一度として先頭に立つ事無く、最後は外の馬へ併せに行って根性で何とか3着確保といった印象。前走はたまたま上手くいっただけで、前から述べている様に内枠はこのパターンで負ける馬。まあ、状態面が怪しいのも確かだが、力量自体が現役馬では抜けていて、次走も枠順次第。

エリモハリアー

今日は発汗マシ。前走中山戦の馬体が維持出来ていて、歩様もスムーズ。例に依って後方。道中インを回って直線も内から。伸びてはいるが、過不足無い展開でここ迄。性能差も有るだろうが、これだけ時計が速くなると流石に辛い。

ブライトトゥモロー

四肢バンテージの馬だが、その割に歩様は悪くない。馬振りも元々良い。このメンバー、出脚の無い馬が多く、この馬の出脚でも中段。丁度ダイワメジャーをマークする格好。まあ、展開的にはそう悪くなかった筈だが、ダイワメジャーに併せられてからが甘かった。早目に動くと良くない馬では有るが、矯めた結果が前走阪神戦。多少不満の残る内容。

コンゴウリキシオー

+6kg。腹回り弛み気味。余り良いとは思えず。矢鱈曳き手に甘えていたのも気になった。ゲートはストーミーカフェだったが、押してハナ。ただ2F程行ったところで再びストーミーカフェが行き、要らない気を遣わされた。直線向いてもダイワメジャーに見捨てられる程手応えが無かったのだが、その割には粘っているという見方も。叩いて変わって来れば。