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競馬回顧 2007年2回中京・3回東京

CBC賞(GⅢ)

ブラックバースピン

良く見せるのは当然といえば当然。ただ、見栄えが良過ぎて、デキの把握がし辛いのも確か。出遅れ。通常なら後方ママで終わるケースだが、荒れ馬場で各馬内ラチ沿いを空けて走る中、そこを構わず通って4角では射程圏。道中、頭の高い走法が気になったのだが、そういう走法だから逆に荒れ馬場を苦にしないという側面も。スプリント戦ならここでも差の無い馬とはいえ、今日の結果だけでは何とも...。

ナカヤマパラダイス

+10kg。全体に造りが緩い。歩様も硬い。出脚は一番速かった位だが、内から何が何でもの構えで来たアドマイヤホクトとフサイチリシャールに譲って3番手。その分道中余裕持って運べたが、4角フサイチリシャールが膨れ、更に外を回る形になったのが痛い。一瞬は伸び掛かったのだが、逆手前になって脚色が鈍ってしまった。まあ、その辺りのロスを考慮すれば充分評価出来る内容。次走注目。

アグネスラズベリ

比較的良く見せない方だが、今季はトモに張りが有って、何より歩様がスムーズ。出脚で差が有って中段。ブラックバースピン同様内にスクう競馬。ただ、そのブラックバースピンにやられている事を思えば3着でも不満は残るという話になるのだが、頭が高くて道中余裕が無く、その分伸び切れなかった印象も。1400mの方が競馬し易いかも。

ミスティックエイジ

2人曳き。集中力有って、馬体の造りも充実。デキだけなら抜けてこれ。出脚が無くて道中最後方から。4角皆が外へ持ち出す中、更に大外。メインレースの頃には内外関係無くなって来るというのが最近のパターンだが、ここ迄出せば流石に伸びが違う。ただ当然伸びて来たのは競馬が終わった後。トビが良いので、1200mよりはマイルの方がと思うのだが、折り合い面にも課題が有って。

アルーリングボイス

一時期、歩様がガタガタになっていたが、まだ万全では無いとはいえ、それなりに持ち直して来た。出脚は有る筈だが、行く気無く後方から。4角先に動いたミスティックエイジに内から併せる形。競馬が同じなので、これもミスティックエイジと同じ事が言える。このハンデでも有り、オープンでは力量自体が足らない気もするのだが、一応は復調ムード。

ペールギュント

変わらず悪くない。歩様が伸びないのも元々。出脚の有る方では無いが、頑張って中段。人気でも有り、道中も早目早目の競馬になるのだが、4角の手応えが悪く、最後はその分。ただまあ、あくまでハンデを背負っている分だろう。ナカヤマパラダイスを別にすれば、普通の競馬をしていない組が上位に来ていて、その意味でもキツい展開になった。参考外。

アドマイヤホクト

+6kg。一息入ったが、多少重い程度で、仕上がりは上々。落ち着いているのも良い傾向。出脚はナカヤマパラダイスだったが、内枠でも有り何が何でもの構えでハナへ。これがまず第一の失敗。もう一つは仕方が無いのだが、ラチを頼れない逃げ馬は基本的に辛い。次走改めて。

エプソムカップ(GⅢ)

エイシンデピュティ

2人曳き。気合が入っている分、歩様が硬いのだが、ガッチリとした馬体の造りが良い。出脚で出しつつ好位。最初から内ラチ数頭分を開けて走っていた。最近良く有る「朝に外差しが決まると、メインの先行馬が外へ持ち出し過ぎて、インをスクわれる」パターンになり、今日のところは能力判定不能。これで3連勝となるが、前走京都戦にしても前に行く利が有った。対ブライトトゥモロー2戦2勝でも、あくまで展開で勝っているだけ。出脚が良く、展開を拾い易いタイプでは有るが、次走は嫌ってこそ。

ブライトトゥモロー

-6kg。張りが落ちたという訳では無いのだが、少し細く映る。前走新潟戦で出脚が来たが、この枠でも有り後方から。枠なりに外へ出し、目標にしていたサイレントプライドは捕らえているのだが、内に一頭。脚質から前々走京都戦の様な取り溢しも多いのだが、今日も勝ちに等しい内容。チャンスは続く。

サイレントプライド

2人曳き。シープスキンノーズバンド。-4kg。見た目にはまだ太く映るが、少しでも絞れたのは良い傾向。馬に集中力。気配も良かった。出脚は一番速かった位だが、内から同馬主社台レースホースの馬が数頭来た事も有り、譲って好位。逃げたファイングレインを目掛けて、この馬が一番スムーズに競馬している筈だが、相変わらず決め手が甘い。道悪実績を買われたのか、1番人気になっていたが、今日は推したファンが間違い。

ファイングレイン

-12kg。馬体減は絞れただけ。頭の高いのは気になったが、相変わらず馬は見栄えする。毛ヅヤもピカピカ。先行馬不在のメンバー構成だったが、出脚の良かった組でこの馬が一番内枠だった事も有りハナへ。タイガーカフェが引っ掛かりながら来て、この分タイミングが早くなった事も有るのだが、内をスクわれたのだから、外へ出し過ぎたと言わざるを得ない。しかも、あれだけ同馬主の馬が人気になっていて、結果的にこれらの馬を潰したのだから、余計にタチが悪い。まあ、荒れ馬場の先行馬は中々乗り難しい面が有るにせよ、最悪の騎乗になった。

トウショウカレッジ

気配は地味だが、馬格有る割に緩んだところが無くデキ自体は良い。出脚で差が有って中段。最初から腹を括って内ラチ沿いを。1頭分良い所が有って、このパターンは意外に成功例多いのだが、最後は性能差。ただ、ゲートの悪い馬が、奇数番枠で五分に出たのは収穫。この辺りは目下のデキが良いからだろう。

ダンスインザモア

シープスキンノーズバンド。馬を小さく見せるタイプだが、この馬にしては比較的大きく見せている方。珍しくゲート五分。ただ、枠が中途半端だった分、一度としてバラけるシーンが無かったのが痛い。最後は際迄詰めているのだが...。勿体無い内容。

デアリングハート

2人曳き。今日は集中力に欠く。今季初っ端の中山戦を思えばこれでも良い方だが、馬体の雰囲気としても前走の方が良かった。例に依って出脚が速く好位。ただ、向正面でスズノマーチに前をカットされて、躓く不利。馬場が悪いだけに、リズムを崩すと余計に応える。参考外。

農林水産省賞典安田記念(GⅠ)

ダイワメジャー

何時も通り2人で曳いてもう1人。この形で曳く分には堪えが利く。ただ、もう少し歩様の柔らか味が欲しい。この馬の内枠は、出脚の無さが課題になって来るのだが、ハナ切ったコンゴウリキシオーの出脚も遅くて、脚を使わずに先行出来、前半はむしろ宥める形に。ラスト400mで捌いて追撃態勢整えた時には楽勝ムード。まあ、最後はコンゴウリキリオーも渋太いという事なのだろうが、力でネジ伏せた。ただ、戦前述べた様に外枠がベストの馬。苦手の内枠を、内枠有利の展開に助けられた感も。

コンゴウリキシオー

2人曳き。この馬にしては落ち着いている。以前に述べた様に、今季は最初からデキが有ったのだが、ここに来て雰囲気が多少落ちて来た嫌いも。戦前は出脚の無さがどうかと思っていたが、このメンバー皆出脚が甘く、この馬でも楽々ハナへ。ただ、ペースそのものは速くなかったにせよ、エイブルワンに3角手前迄絡まれたのが痛い。敗戦自体は仕方無いにせよ、今日は千載一遇のチャンスだっただけに。

ジョリーダンス

少しイラつき気味だが、毛ヅヤが冴えて、デキ自体は良い。エイブルワンが行ってくれたのが大きいが、外枠を嫌って、前付け動いて好位。それでも折り合いスムーズに立ち回り、直線内から出て来たダイワメジャーと併せ馬になったが、一瞬で突き放された。とはいえ、勿論相手が相手。前へ行ってもそれなりにやれる事が解っただけでも収穫は有った。

アドマイヤキッス

-8kg。また馬体減も、良くも悪くも前走と変わらず。例に依って出脚がそれ程では無いが、押して中段のイン。直線も最内からジワジワ来てここ迄。何度述べている通り、イン有利の展開でこの馬の器用さがモノを言った面は有るのだが、直ぐ前に居たサクラメガワンダーに先着したのは充分評価出来る。馬体減の反動が今後へ未知数になるが、パンチ力が無いだけで、限定戦なら引き続き上位。

スズカフェニックス

変わらず下見では落ち着いている。ただ、前走中京戦がそうだった様に、多少緩く映る。もっと前に付けたかった筈だが、内外に先行馬が居て、付き合う訳にも行かず後方に近い位置取り。直線向いて暫くは外のスーパーホーネットの方が良かった位だが、ラスト200mから底力発揮して外を回った組では最先着。ダイワメジャーとの実績の差を考慮すると、1番人気はやり過ぎ感も有ったのだが、今日は展開が言い訳になる。

エイシンドーバー

+8kg。今年はこの時期でも馬体が維持出来ている。毛ヅヤが良いのが何より。前走もそうだったが、出脚は速いのに内外から来られる展開で中段。直線外へ回し、スズカフェニックスとの併せ馬では競り負けたが、着差は僅か。京都で斜行して降着という競馬も有った様に、本質は一瞬の決め手で勝負する馬で、東京は直線が長過ぎるタイプ。その意味でも、東京でスズカフェニックスにここ迄食らい付いたのは評価出来る。完全に本格化した。

ユニコーンステークス(JpnⅢ)

ロングプライド

歩様はともかく、トモ高の馬体で如何にもダート馬。馬体に張りが有って、デキは良い。ゲートも少し悪かったが、出脚も甘く後方から。4角、前とはそれ程差が無かったとはいえ、苦しい位置だった筈だが、ラスト1Fで手前を替えてからの伸びが強烈だった。一応は完勝。ただ、毎回述べている様に、ダートの追い込みはアテにならないが基本線。次走大井辺りで人気になる様なら嫌ってこそ。

フェラーリピサ

歩様には柔らか味が有るが、これもトモ高気味。出負けしたのを、出脚でカバーして中段。ペースも遅いのだが、こういう事をしている分、少し行きたがるシーンも。それでも一旦抜け出したナムラジョンブルを目標にしっかり掴まえているのだが、最後にロングプライド。完敗の内容だが、性能差を嘆いても仕方無い。まずはゲートをスムーズに出ない事には。

ナムラジョンブル

トモの張り目立ち、デキは悪くない。ダートなら歩様も許容範囲。芝の出脚はトーホウレーサーやマイネルレーニアに分が有ったが、出して行って3番手。ペースも然程速くなく、折り合ってソツの無い競馬が出来たが、最後は決め手の差が出た。出脚の無いのはあくまで芝の部分で、ダートならソコソコ速い馬。今日はそれ以前に相手も悪かったが。

トーホウレーサー

+12kg。胴長で馬体増が見た目に表れ難いタイプ。好発。こちらは逆に芝で速い馬だが、先行激化を嫌ったのか控えて好位。直線は、芝で瞬発力不足に泣いていた馬がダートでも甘かったという事になるのだが、結果的にスローになり、引っ張ったのが裏目に出た気も。積極策ならもう少し違った結果になっていただろう。ただ、レース後に骨折が判明。

エスケーカントリー

+8kg。一息入って、多少重目残り。その分、歩様も窮屈に。芝での出脚が無くて後方。丁度ロングプライドを眺めながらの競馬。そのロングプライドには一瞬で突き放されたが、ジワジワ来てここ迄。出脚が有ればもう少し際どくなっていただろう。その出脚はスタート地点がダートなら距離短縮でも問題無いタイプで、そういう条件になった時が馬券上の狙い目。

シャドウストライプ

下見では落ち着いていたが...。ゲートで暴れ、隣のドラゴンファイヤーを競走除外にする粗相。芝での脚が無く後方。直線も手前が替わらずサッパリだった。前述の事故の影響が有ったと見る他無いだろう。

目黒競馬場開設100年記念農林水産省賞典目黒記念(JpnⅡ)

ポップロック

実績も断然なのだが、下見だけでもこれ。造りの良さが目立つ。好発。無理せず出せる位置迄出した結果が好位。この距離にしては道中動きの有る競馬になり、4角では後方に近い位置になっていたが、折り合いをしっかり付けていた分、少々立て直すロスが有ってもしっかり伸びる。ダービーの際に述べた様に、内枠が向いた影響は常に意識する必要が有るのだが、トップハンデで勝ち切ったのは評価して良い。

ココナッツパンチ

2人曳き。-4kg。また馬体減。見た目にも細い。道中はポップロックをマークする様な格好。従って、4角では後方に居たのだが、直線だけ外へ出してここ迄。弱い馬では無いが、軽ハンデを生かす乗り方が出来たのが大きい。道中競馬になっていない馬が多く、マトモに折り合っていた馬だけでの争いになった嫌いが有るが、結構トリッキーなこの距離で、この時期に古馬相手にこれだけやれたのは立派。ただ、レース後に骨折が判明。

アドマイヤフジ

馬体そのものは悪くなかったが、歩様に力が無い。出脚良く、ハナも覗かせていたが、何が何でもの馬が居た事も有って、好位のイン。外から引っ掛かった馬が来た時にも動じる事無く、スムーズに回って抜け出すタイミングも完璧。今日は最高の競馬が出来た。逆に言えば、この相手なら能力五分と見ていただけに、このやられ方は意外。まだ状態が本当では無いのだろう。今後は静観。

アドマイヤモナーク

多少硬さは有るのは、何時もの事。馬体も悪くない。これもポップロックをマークする様な格好。直線向いてそのポップロックの前が詰まり、この馬も立て直す形になった分も有るのだが、脚もそこ迄では無かった。ただ、1角辺りから向正面辺り迄かなり行きたがっていて、今日はこれが応えている。能力そのものは互角に近い。

ゴーウィズウィンド

遮眼革。デビュー以来最低体重も、細い印象は無い。それでいて馬体の張りも悪くない。外のアドマイヤフジの方が出脚に余裕有ったが、無理せず好位。ただ、道中結構行きたがっていて、元々決め手の有るタイプでは無いので、3角手前から自力で動いて行った。それでも最後は決め手の差が出たという事になるのだが、元々スローになる東京は得意では無い。今日はそれなりに走っている方。

アドマイヤタイトル

2人曳き。重量感有って、まずまずのデキ。毛ヅヤも悪くない。出遅れて広報のイン。ただ、途中からマトモに引っ掛かって先段へ。今日はそれを思えば良く堪えている方。これもアドマイヤモナーク同様、折り合いが課題になるのだが、能力そのものは高い。

トウカイトリック

2人曳き。ギスギスして映ったのと、歩様が硬い。例に依って出脚が無くて中段。ずっと外を回されていた分も有るのだが、道中手応えも悪かった。まだ距離が短いという話も有るのだが、デキ自体も一息。

東京優駿(JpnⅠ)

ウオッカ

今季初っ端は、そこ迄良いとは思わなかったのだが、前走阪神戦で馬体の張りが良くなって、今日は毛ヅヤが来た。前走でストライクゾーンの端っこだったが、漸くにしてド真ん中。好発も控えて中段やや後方。控えようとして引っ張った際に頭を上げるシーンも有ったが、それ以外はスムーズ。一瞬外へ出そうという素振りも有ったが、出し切れずに内から叩き出されて一頭違う伸び。ただ、今の東京、特に多頭数になると内枠有利の競馬。矢鱈強かったのは確かだが、その意味で、外枠の差し馬が競馬になっていない面も。今日の着差ですらこの馬が一番強いとは断言し辛い部分が有る。

アサクサキングス

2人曳き。前走も良く見えたが、そのままで出て来た。出脚の甘い方の馬だが、ヴィクトリーが出遅れたのと、この距離で皆が遠慮した分で、楽にハナへ。戦前は距離不安を囁く向きも有ったが、何度か述べている様に、この形なら渋太く、4角で後続と切れると波乱になる事の多い今の東京、上手くそのパターンに持ち込めた。ただ、今日でもサンツェッペリンが遠慮してくれたのが大きく、出脚の甘さが今後の課題に。

アドマイヤオーラ

2人曳き。歩様硬いのは元々。ただそれよりも、馬のスケールに差を感じる。今日はゲート五分。出脚で出して、中段より少し前。今日は差し馬が外を回ると辛い展開、直線は外に出していたが、出していた分、コーナーで外を回らずに済んだのが結果的に利いた。今日は競馬が能力検定になっていないのだが、弱くは無いにせよ、良くも悪くもダイワスカーレットと五分の馬。ただ、レース後に骨折が判明。

サンツェッペリン

+10kg。この中間、攻め馬が抜群に動いたそうだが、少し立派過ぎる気も。ただ、緩んだところは無く、目下充実しているのも確か。出脚の無いタイプだと思っていたが、相手関係も有るのか、意外に勢い良く2番手から。道中は多少掛かり気味。終いが伸び切れなかったのはその分だろう。折り合い次第だろうが、今日の内容だと距離に限界が有る。

ドリームジャーニー

2人曳き。テンション上がっていたが、これは他馬も似た様なモノ。トモの張りと毛ヅヤが良かっただけでも。例に依って後方で折り合いに専念。蛯名騎手、ホームコースでその辺りは解っているのだろう、直線迄待ってから一番外へ。今日は競馬にメリハリが有った分の入着。今後もこの競馬を続けての展開待ちに。

フサイチホウオー

2人曳き。シープスキンノーズバンド。前走中山戦より増えて出て来たが、重量感では前走の方が良かった気も。下見では落ち着いていたが、返し馬でイレ込んでいたのも悪材料。1角の進入はアサクサキングスに叩かれる形で後方に近い位置取りだったが、落ち着くべきところでヴィクトリーに来られ、行きたがって好位へ。直線は殆ど伸びなかった。勿論、戦前の消耗も大きいのだが、前走は内枠に泣いて、今回は外枠が仇。結果的に道化の役回り。

ナムラマース

2人曳き。馬に集中力。歩様も落ちておらず、馬体も悪くない。内外から来られ、一回立て直す形で後方。ここから勝とうと思うと止むを得ぬところだが、3〜4角外を回って動いて、苦しくなった。コーナーで脚を使うとダメな馬で、最悪の展開だった事を思えば、能力の一端は見せている。

ヴィクトリー

2人曳き。変わらず張りが有って、落ち着いていた。歩様もしっかり。出遅れ。それならと後方で折り合いを付けようとしていたが、いきたがって好位。それを思えば終い踏ん張っている方だとは思うが、今日は最悪の形。フサイチホウオーもそうだが、気性面に弱点を抱えている馬にとってダービーはキツいレース。コスモバルクと似た様なタイプの馬。

ヒラボクロイヤル

重厚感有る造りは相変わらずだったが、今日はテンション高過ぎる。好発。良い位置取ろうと出して行ったが、今日はこれが裏目。内外から来られて引っ張っているうちに結局は後方。リズムに乗れなかった。気性面の問題も露呈していたが、それ以前の問題。

金鯱賞(GⅡ)

ローゼンクロイツ

もう少し馬を大きく見せて欲しい気もするが、この馬にしては歩様がスムーズ。内外から来られたが、この頭数でも有り、中段位。前走同様、今日も3角からの手応えが他馬とは全く違っていた。直線半ばで抜け切ってフワッとして手前が替わっていたが、スウィフトカレントが来てもう一踏ん張り。馬場が乾いてくれたのも良かったが、一応は完璧に近い内容。ただ、今日は実績上位2頭が競馬を間違えた嫌いも。過大評価もどうか。

スウィフトカレント

-16kg。減って来ると気持ちに余裕が無くなるタイプだが、落ち着いていた。夏場仕様という事になるだろう。例に依って後方。向正面迄は内か外かで迷っていた様だが、外へ出すと決めて3角外へ出したら、思い切り行きたがって、ここで一回引っ張る形。ここでローゼンクロイツと離されたのが痛かった。まあ、結果的には内を突かねば勝ちは無かったという事になるだが、この辺りは追い込み馬の辛さ。ローゼンクロイツ程度ならとは思うが、悪くは無い内容。

インティライミ

相変わらず馬が小じんまりと映る。歩様も硬い。出脚良く、暫く様子を窺っていたが、下げて中段。3角で競馬が動いた時にもインで矯める絶好の展開。最後良い脚で来ているが、今日はこの利が大きい。馬が変わって来ないと、重賞級とは言えぬ。

ヴィータローザ

イレ込んでいたが、酷い時は装鞍所で終わっていて、下見所でやっている内はまだ健全。馬体も悪くない。アドマイヤメインに乗る形で4番手。3角早目に動き、マクり合戦の引き金を引く形で、4角先頭。最後は競馬が正攻法過ぎたのと、時計に天井が有る分だが、手前が替わっていなかったにせよ、最近は左回りの方が地味に好成績。毎回述べている様にアテにはならぬが、連勝式なら押さえには必要。

ニホンピロキース

2人曳き。シープスキンノーズバンド。イレ込むタイプだが、意外に堪えていた。馬体も重量感有ってむしろ良い方。出脚が意外に無かったが、押してハナ。アドマイヤメインが早目に止まり、展開も向いたが、それを差し引いてもソコソコ頑張っている。まあ、2000mで重賞勝ち切るとなるとどうかだが、気持ちが有るので、マイル前後で好位差し見込める展開になった時が狙い目。

アドマイヤメイン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。毛ヅヤや気配は良いが、重目残り。逃げ馬にしては出脚の有る方では無く、ニホンピロキースとは喧嘩せず2番手。2角迄は前を追い掛けようとしていたが、向正面半ばでは折り合うどころか既に手応えが怪しくなっていた。デキ云々が有ったとしてもやられ過ぎ。シープスキンノーズバンドが裏目?

優駿牝馬(JpnⅠ)

ローブデコルテ

2人曳き。例に依って毛ヅヤが良い。小走り気味だったが、仕草そのものは集中出来ていた。出脚が甘く、位置取りが課題だったが、戦前述べた様に、内枠に行きたい馬が少なく、少し出しただけで、中段位が取れた。直線外へ持ち出し、ミンティエアーとトウカイオスカーの間が割れず、一旦待たされたのだが、結果的にベッラレイアに対しての奇襲になった。時計はソコソコ速く、この馬の器は否定しないが、人気で自力勝負になった時には課題が残る。

ベッラレイア

2人曳き。-2kg。イレ込み気味。少し細身に映った。外枠に先行馬が揃い、中枠で有る程度前へと好位。直線、馬場の中程へ持ち出し、一旦は抜け切っているが、早目に先頭に立たされた経験が無いのか、手前が替わって遊んでしまったところへローブデコルテが来た。並ぶ形ならまた結果は違っていた筈で、今日は勝負に勝って競馬に負けた形。ただこれは、末脚の持続性の問題というよりも、そういう経験が今迄無かった分だろう。この競馬でも何等問題無く力が出せる事が分かっただけでも収穫は有った。秋に改めて。

ラブカーナ

馬格の無い馬だが、造りはしっかりしている。手先のスナップが利いていて、力強い。出脚無い方の馬だが、余り行く気も無かった様で、後方に近い位置。折り合いは付いていた。直線は大外。坂下でローブデコルテに張られ加減になったが、そのローブデコルテと併せ馬になったメリットも有り、差し引きゼロ。そのローブデコルテとは決め脚の差有るが、小さいなりに芯が通っている分、根性が有る。連勝式の押さえにかは必ず要るタイプ。

ミンティエアー

-2kg。トモの造りは悪くないのだが、その割に歩様に力が無い。出脚良さそうだったが、抑えて中段。無理に抑えた分、一瞬行きたがったが、それ以外は折り合い付いた。早目に外へ出し、ローブデコルテの進路を塞いだ迄は悪くないレース運びだった筈だが、立て直したローブデコルテに差されたのだから不満は残る。まだ成長途上。

ピンクカメオ

2人曳き。シープスキンノーズバンド。悪くないが、前走の方が歩様に力強さが有った。これも出脚有る馬だが、抑えて中断やや後方。前走と違いずっとインに居て、伸び掛かっているのだが、前走程では無かった。もっと矯めた方が良いのかも知れぬが、この距離ではそれも無理な相談。そういう意味では距離が長いという事になるのだろう。

ザレマ

2人曳き。皮膚の薄い造りで、毛ヅヤは良く見えるのだが、筋肉が付き切っていないのか、メリハリが無く映る。好発。一瞬はハナも覗かせていたが、1角迄に行き切れず好位。ただ、ずっと行きたがっていた。まあ、直線それを思えば堪えていた方だが、流石にこうなるとキツい。今日は競馬が中途半端。

ハロースピード

-4kg。この距離を思うと流石に煩い。毛ヅヤは良く、デキは維持出来ていただろうが、数字通り細い。出して行って2番手。折り合い付いていたが、直線手前が替わらず伸び案外。能力云々も有るが、馬体減が痛い。

カタマチボタン

2人曳き。前走阪神戦は落ち着き有ったが、今回はチャカつき気味。数字思うと馬が小さく映る。出脚で3番手。これも折り合い付いて何の問題も無く運べた筈だが、追ってサッパリ。距離?

東海テレビ杯東海ステークス(GⅡ)

メイショウトウコン

変わらず張りが有って良いデキを維持。例に依って後方。それ迄は枠通りインに入れていたが、1〜2角中間で外へ出し、2周目向正面から追い上げ態勢。上手く立ち回った事も有るのだが、届いたのはあくまでシャーベットトーンとマイネルボウノットが早仕掛けししてくれたから。後方待機組ではこの馬以外全て不発なのだが、それでも追い込み馬がダートで勝つには何か展開の助けが要る。

ワンダースピード

今季絶好調。トモの丸み目立ち、毛ヅヤもピカピカ。好発。出脚良く好位。向正面でバラけた際にインに入れたのが結果的に正解。2周目3〜4角がマクり合戦の格好になり、ここでインに居た分、脚が矯められた。目下デキが良く、次走怖さも有るのだが、極端に人気になる様なら軽視も。

シャーベットトーン

一息入って、造りにメリハリを欠く。歩様はしっかりしていたが。出脚も良いタイプだが、積極的に乗られて2番手。スローを嫌って、2周目向正面からクーリンガーに並び掛け、外から来たマイネルボウノットの追撃も振り切ったが、休み明けで結果的に早過ぎた。まあ、こういう甘い面は毎回だという話も有るのだが、休み明けを考慮すれば及第点は充分にやれる。

サカラート

そこ迄大きく見せないのは元々。緩んだところ無く、歩様もスムーズ。道中は中段のイン。ただ、近走短い距離を使われていた影響なのか、前半はかなり行きたがっていた。4角、前述のマクり合戦を眺める絶好の展開だったのだが、伸び切れなかったのは前半のロスの分だろう。これで変わって来るとは思うが、今日は勝てる相手だっただけに勿体無い競馬。

マイネルボウノット

-3kg。良い汗のかき方では無い様に映っただけに、数字はともかく一枚重いかも。好発。出脚も速い筈だが、折り合いを懸念して好位で我慢させる形。ただ、それでも行きたがっていて、待ち切れずに動いて、最後が甘くなった。この条件にも実績は有るのだが、あくまで相手関係が楽だっただけで、基本的にはこの距離は長い。

キクノアロー

歩様も悪くなく、馬体も変わらず充実。見た目には悪いところは無い。外枠の馬が先行して、これらと喧嘩せず控えて中段。4角の位置取りが悪過ぎたのが全てといえばそうだが、道中の行き振りも一息。差し届かないにしても、もうちょっと迫って欲しかった。敗因不明。

クーリンガー

活気が有るのは良い傾向だが、腹回り緩んでいた。ここなら出脚良くハナ。ただ2周目向正面辺りから既にシャーベットトーンに絡まれていた。こうなると流石に辛い。暑い時期に弱く、デキが落ち加減だが、今日に関しては展開が言い訳に出来る。