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競馬回顧 2005年3回小倉・3回新潟

新潟2歳ステークス(GⅢ)

ショウナンタキオン

2人曳き。シープスキンノーズバンド。このレース、太い馬が多いのだが、スカッと見せているだけでも利が有る。また出負けして最後方から。4角も一番外へ回し、ラスト300mで既に先頭で、終わってみれば5馬身差の圧勝。今後は新潟コースで求められていないコーナリングとゲートがどうかだが、手前の替え方もスムーズだったし、末脚の持続性も問題無さそう。この馬場状態考慮すれば時計も相当速く、とにかく強い。

ニシノフジムスメ

2人曳き。毛ヅヤ悪くないが、造りそのものがパッとしない。スタート直後は引っ掛かっていたが、直ぐに折り合って中段のイン。4角で既に動き、一旦抜け出してフラつきながら馬場の外へ持ち出す策。無理をした分が最後苦しくなってしまったが、それでも2着は確保。フラついたのは恐らく道悪にノメッたからで、それを思えば悪くない内容。馬体の成長有ればもっとやれて良い。

コスモミール

+8kg。造りはこれで良いが、テンション高い。好発も、好位のインで控える形。ただ、ニシノフジムスメと違ってずっと掛かっていて、4角も待ち切れないという感じで早目先頭。その分で、馬場の良い外へ出せたメリットも有ったのだが、最後は止まってしまった。スローの内枠だったが、前走と違って前に壁を造れなかったの痛い。

グレイスティアラ

-8kg。太くは無く、恐らく絞れたのだろう。中段のインで折り合う形。そのままインを突いて、ジワジワ伸びて来た。初芝だったが、いきなりの時計勝負よりは渋った馬場も良かったのだろう。

ケイコアデージョ

424kgの馬で、見た目に小さいのだが、歩様は意外にしっかり。ゲートそれ程悪くなかったが、行き振り悪く、道中は最後方から。直線一番外へ出し、ショウナンタキオンと同じ位置から一瞬で突き放されたが、それでもジワジワと伸びてここ迄。もう少し距離が延びた方が良さそう。

マイネサンサン

歩様が硬いし、馬体にメリハリが無い。ゲート悪くなかったが、無理せず中段。直線向いて、手応え有った様に見えたが、前の馬がフラつき、右往左往する形になってしまった。マトモなら最悪でも掲示板は有った筈で、枠順が仇。

エイシンチャンドラ

2人曳き。もう少し歩様に伸びが欲しいが、毛ヅヤが良くて馬体に張り。道中は中段もスローで折り合いを欠いてしまった。脚長で道悪がダメそうだし、今日は競馬になっていない。

小倉2歳ステークス(GⅢ)

アルーリングボイス

2人曳き。多少硬いが、これは前走と同様。毛ヅヤは良かったが、見栄えしない馬体も前走同様。向正面、ペースが速いというよりは各馬真っ直ぐ走って雁行の形だったが、3角辺り迄は好位のイン。そこからインを自力で動いて4角で先頭に立ち、直線だけ外へ出す形。最後詰められたが、これは奇襲を打っている分で仕方が無い。武豊騎手、好騎乗だが、その間に降雨が有ったとはいえ、未勝利戦の時計に劣る様では。

セントルイスガール

2人曳き。400kg割り込む馬で、+6kgでも増えた方が良いに決まっているが、これも歩様が硬い。4〜5頭雁行の一番外。この馬格で道悪が良い筈が無いだろうから、一番良い所を通れたのが良かった。アルーリングボイスには押し切られたが、4角で1馬身前に居たトーホウアモーレは捕まえて突き放しているし、最後勝ち馬ともハナ差。このレースのレベル自体は疑問だが、悪くない内容。

トーホウアモーレ

歩様に伸びが欲しいし、多少緩い造り。ダッシュ力の違いで一瞬ハナを覗かせたが、特に拘らず雁行の形。まあ、止まっている訳では無いのだが、セントルイスガールにやられたのは頂けない。距離経験,道悪、色々言い訳に使えるファクターも有るが、案外の内容だったのは確か。

ゴウゴウキリシマ

歩様が硬過ぎるが、張りが有って毛ヅヤも上々。ダッシュ付かず後方からも、4角は馬群の真ん中を割って直線は一番の上がり。ただ、キングヘイロー産駒らしく、頭が高い走法。まず流れに乗れるかどうかが問題で、この上がりで人気になる様なら嫌ってこそ。

エイシンアモーレ

イレ込み。-18kg。戦前はこれでも大丈夫という話だったが、見た目が大丈夫では無い。向正面は先行争いの中も、内外から来られて掛かり加減。ただ、3角過ぎからは折り合えたのだが、ちょっと競馬が後ろ向き過ぎた印象。福永騎手、馬体減で自信持って乗れなかった面も大きいだろうが、最後良く詰めていただけに。

ショウナンサリーレ

数字の割には馬を大きく見せるし、このメンバーの中では歩様も良い方。道中は中段やや後方。連続開催の最終週の割に大外差しが利かない馬場で、無理に外を回る事無く馬場の真ん中を通って来たが、伸び切れなかった。これも不満の残る内容。

グランプリシリウス

馬体は上位の存在だが、如何せん煩過ぎる。中段のイン。意外にインも悪くない筈だが、4角で既に手応えが無かった。レース前のイレ込みが原因としか思えない。

エルムステークス(GⅢ)

パーソナルラッシュ

オーストラリアンブリンカー。馬体張っていたし、毛ヅヤも上々。休養明けとしては文句無いデキ。今日はゲート五分で中段から。ただ、今日はというよりは今日もというべきなのだろうが、藤田騎手、道中押し通し。それでも4角からマクる脚が有ったし、直線向いて競り合う56kgの2頭との3馬身差を59kgを背負って捕まえるのだから強い。そういう意味では不振を託った米ブリーダーズカップ6着馬が完全復活と言えるのだが、道中追い通しになっていた点に気性面での問題が見え隠れ。ゲートも含めて今後もアテにし辛い。

ジンクライシス

+12kg。悪くないが、張りという点でもう一つ。ただ、太い訳では無く、成長分も有るだろう。ワンダーハヤブサに誘導される形で、好位へ。早目進出のカイトヒルウインドとの一騎打ちムードだったが、最後に外からパーソナルラッシュ。ただ、最後迄カイトヒルウインドに先を越される事は無く、この点は評価して良い。この3頭、着差はハナ+ハナだが、能力差は確実に存在するだろう。相手は米ブリーダーズカップ6着馬だが、こちらもジャパンカップダート3着馬、使ってもっと良くなれば初重賞制覇は目の前。

カイトヒルウインド

-12kg。右側だけ遮眼革。シープスキンノーズバンド外す。馬体の張りは休み明けの前走でも悪くなかったが、毛ヅヤが多少良くなった。最初から行く気無く中段。前走の函館戦とは違って折り合えた。4角から珍しく自力勝負に出たが、最後迄前を捕まえられず、しかも後方のパーソナルラッシュに差される始末。まあ、差せず差されという点では騎乗ミスだが、勿論それよりもこの馬にこの競馬をさせた事を評価すべきだろう。漸くにして外せる様になったシープスキンノーズバンドも含めて、まだまだ奥が有りそうだ。

マルブツトップ

+6kg。歩様スムーズ。毛ヅヤピカピカ、デキ絶好だが、多少重い。道中は中段やや後方。終始、最内を立ち回り、4角ではパーソナルラッシュと似た様な位置に居たが、ここ迄。昨年先着のカイトヒルウインドに一年経って先着されてしまった形だが、これは当時のカイトヒルウインドにデキが無さ過ぎただけ。力量差は認めなければならないが、この馬も良くなっていて、そうで無ければクーリンガーに先着出来る筈が無い。

ハードクリスタル

+10kg。馬体に張りが有って太くない様に見えるのだが、この数字では動かない。中段のイン。直線向いて伸びていない訳では無いのだが、更に後方のマルブツトップの差されたのだから、不満の残る内容だろう。まあ、前走の函館戦は展開ズバリで、この1番人気は過剰過ぎる嫌いも有ったが、今日は馬体増を言い訳に使って良いだろう。ただ、デキが安定していないイメージも有って、まだ本当では無いのも確か。下見で確認してからでなければこの馬手を出し辛い。

サイレントディール

これでも及第点はやれるのだが、多少緩い様に見えたし、絶好調で使えていた近走を思うと落ちて来た。また出負け。そうでなくてもこの馬の最内枠は乗り難しいのだが、今日は折り合えたし、4角迄はこのシナリオとしては最良に近い競馬が出来ただろう。結果的には4角でアクシデントが有って届かなかったが、やはり力は相当。ここに来てのデキ落ち気配がどうかだが、東京ならGⅠでも一発有って良い。

エドモンダンテス

小倉からの遠征だが、+4kg。歩様もこんなモノだし、張り,毛ヅヤ落ちていない。中段やや後方。3角でゴチャついて、直線入り口でドンクールと接触。今日は参考外だが、前走の小倉戦は好位立ち回れたのに、今日はこの位置取り。この点は不満が残る。

ワンダーハヤブサ

遮眼革。毛ヅヤ良く、デキの良さは解るが、ここへ入ると馬自体に差。思い切ってハナへ。ただ、仕掛けた影響か、向正面辺り迄マトモに引っ掛かってしまった。今日は折り合い面が全てだが、以前のズブさが完全に消えたのは良い傾向。準オープンなら充分勝てる。

ドンクール

+22kg。馬体に張りが有った分、太くは見えないが、明らかに重い。スタートして躓き、3角でゴチャつき、直線入り口でエドモンダンテスと接触と、散々な競馬。馬体増以前に全く競馬にならなかった。

農林水産省賞典 新潟記念(GⅢ)

ヤマニンアラバスタ

2人曳き。+6kg。札幌で使う筈が一度除外になっての再輸送だったが、その割に張りも有ってデキ良さそう。道中は中段。前半1000m通過が62.2秒のスロー。行きたがる馬多かったが、今年に入って落ち着きが出て来たのが良く、しっかり折り合えていた。直線向いて一番外へ出し、最後はハンデ52kgの破壊力。勿論、最大の勝因はハンデだが、折り合えたからこそそれを活かせた分も。スローの差し馬で今日は条件向いた面は否定しないのだが、下見で落ち着く様になって確実性が出て来たのは良い傾向。

グラスボンバー

歩様もこの馬にしては許容範囲だし、前走の福島戦より馬体に張りが有った。道中は中段やや後方。前走の福島戦で2000mをこなしたとはいえ、本質はマイルの馬、それだけに新潟のスローで折り合いを懸念していたのだが、前走同様上手く折り合った。勝浦騎手曰く、このスローでも手応え悪かったそうで、3〜4角中間で内に入れ、直線は最内から渋太く脚を伸ばす形。ここ2走、前走の福島戦は小回りでソコソコのペースを自力勝負、今回は超スローの決め手勝負と、両極端な展開で結果を出せたのは収穫。もうマイルだけの馬とは呼ばせない。

ヴィータローザ

時々変にイレ込む時が有るのだが、今日は落ち着いていた。ただ、この馬にしては珍しく歩様が硬い。出遅れて後方からも、道中はインで折り合っていた。直線向いて、最初はそのまま内を突こうとしていた様だが、前が開かないと見て外へ。このロスはそれ程大きいと思わなかったが、上がりの競馬でハンデ差が余計に応えた印象。それを思えば良く走っていて、久々に納得の行く競馬。

アグネスシラヌイ

2人曳き。姿勢の高さはマシになったが、今日も歩様に力が無い。道中は好位のイン。多少行きたがってはいたが、比較的マシな部類。4角辺りから一瞬の反応が無く、直線半ばでは変なところへ閉じ込められてしまったが、それでも前が開いてからジワジワ伸びて来た。前走の小倉戦で酷評したが、このコースが得意というよりは、一瞬の脚が無く、小回りが向かないのだろう。今後新潟以外のコースでは相手関係余程恵まれねば狙い辛い。

エリモマキシム

体型分も有るのだが、多少太く映ったし、歩様が相変わらず。出負け。後方で掛かり気味の追走。直線一番外へ出してヤマニンアラバスタの後を追う様に伸びて来たが、ちょっと位置取りが後ろ過ぎた。今春の新潟戦でも指摘した様に、手前の替え方が下手で、小回りで強いタイプでは無く、その意味では新潟が一番向くといえるのだが、その新潟が2回共掲示板止まり。この馬もアグネスシラヌイ同様相手関係恵まれねば今後辛い。

チャクラ

休養前の生涯最高のデキと迄は行かないが、結構良い方。ただ、トモが流れないだけまだ良いとはいえ、もう少し歩様に伸びが欲しい。もっと追走に手を焼くかと思っていたのだが、超スローで追走楽。新潟も連続開催7週目、実質馬場の五分処からの勝負だが、4角思い切って最内を立ち回り、直線向いてから外に出す形で一瞬は先頭。決勝線寸前迄渋太く粘って、3着もというシーンだったが、そこ迄。長距離馬にも関わらず、かなりデキに正直な馬で、今日はそれを思えば良く走っている方。これを叩いて、最終的にはアルゼンチン共和国杯やステイヤーズステークスが目標となるのだろうが、当然怖い存在となる。

ダイワレイダース

また馬体減。些か細く映る。道中は中段の外。この馬も折り合いを欠いてしまって直線伸び切れなかった。まあ、そういう意味では次走改めてという事になるのだが、今季良い状態で使えているとはとても思えない。走り過ぎで、そろそろ見限り時。

フォーカルポイント

デキは有ったが、如何せん前走同様に煩い。スタート直後に持って行かれる形で2番手。行きたがっていたにせよ、何とか我慢していた様に見えたのだが、直線向いてから馬が競馬を投げる様に止まってしまった。2000mがこなせないとは思わないのだが、流石に今日の様なスローだとマイルの方が良いだろう。何れにしても今日の敗戦で人気が落ちる様なら次走狙い目。

アイビスサマーダッシュ(GⅢ)

テイエムチュラサン

歩様に柔らか味。毛ヅヤピカピカだし、今季はずっとデキが良い。前走でも、ゲートを失敗した割には追い付くのが速く、余程良いスピードが有るのだろう、ゲート良かった今日は難無くハナへ。前半3F32.4秒は例年より多少遅いペース、これを51kgでハナ切っているのだから、楽も楽。まあ、そうは言っても、こういう展開に持ち込む迄が中々難しい訳だが、カルストンライトオが59kgを背負って最内枠、そしてこの馬が51kgと条件もドンピシャ。今後もアテにはし辛い。

ウェディングバレー

オーストラリアンブリンカー。気配絶好! 芦毛だが、毛ヅヤ抜群。馬体の張り、歩様のスムーズさ、全てが完璧。テイエムチュラサンが外ラチ沿い締めようと思えば出来た様に見えたが、2頭分程開けて乗られ、それぞれが自分のペースを守っての競馬。ラスト200m程で一瞬ハナに立ち掛かったのだが、最後は差し返された。前走もそうだったが、手前を替え切れているのに、良い脚が長く続いてくれない。少なくとも斤量差では無く、今後オープンとなると厳しい。

スピニングノワール

+6kg。デキは良い筈だが、気持ち重い。今日はゲート互角。道中はウェディングバレーを前に置く形。ラスト300m位で一瞬反応しか掛かったが、手前を替え切れずに伸び切れなかった。とはいえ、まだ1000万条件の身、良く走っている方。

カルストンライトオ

-12kg。今春の阪神戦と比較すれば20kg減となるが、当時の方が張りという点では上。最内枠をどう乗りこなすかがポイントだったが、外のテイエムチュラサンが壁になって、ラチを頼れず好位から。ラスト300mで脚が上がってしまった。まあ、今日は最悪のシナリオがその通りになってしまっただけだが、気配そのものが薄かったのは頂けない。大幅良化無ければGⅠでは苦しい。

ソルトレイクスター

馬体は悪くないが、イレ込みがキツい。ゲート良かったが、無理に付いて行かず一旦矯めてから追い出す形。どうしてもジリっぽく見えてしまうのだが、一応は持ち時計通りに走っている。

カフェボストニアン

オーストラリアンブリンカー。冬場は太目に見せるケースが多いのだが、今日はスカッとした造り。歩様もスムーズで、休み明けとしては上々。ゲートは悪くない程度だったが、テイエムチュラサンの直後。しかし、ラスト400m位から全く反応せず止まってしまった。敗因不明。

札幌記念(GⅡ)

ヘヴンリーロマンス

-4kg。叩かれて馬体が締まって来たし、前走とは歩様が一変。前走時にも述べたが、行き脚が弱く、外から来られて後方に近い位置取り。ただ、3〜4角辺りからホオキパウェーブらが積極的にマクりに行く競馬で、この馬が比較的内目を上手く捌いたし、掲示板に載ったのは逃げたコイントスを別にして全て内枠の馬。良く伸びてはいるが、今日も展開がハマッてしまった。

ファストタテヤマ

-8kg。前走でも地味にデキは良かったのだが、馬体締まって更に上向き。それでも、歩様は相変わらずなのだが。例に依って後方。道中はひたすら最内を立ち回っていたが、ヘヴンリーロマンスの項でも述べた様に今日は3〜4角から馬群が一団。典型的な直線レーサーのこの馬にとっては願っても無い展開だった。距離適性をいえばもっと長い距離の方が勿論向くのだろうが、コーナーを回るのが辛いこの馬にとっては距離短縮も良かっただろう。ヘヴンリーロマンスの項で述べた様にイン有利な馬場状態も良かった。

コイントス

休み明けだが、馬体に張りが有ったし、造りは文句無し。ただ、この馬も歩様が相変わらず硬い。思い切ってハナへ。良馬場発表だが、直前の降雨が酷く、1000m通過60.5秒は結構良いペース。イン有利な馬場状態だったとはいえ、ペース考慮すれば中々の頑張りだろう。未だ重賞勝ちの無い有馬記念3着馬だが、まだまだチャンスは有る。

ブルートルネード

-24kg。馬体がギスギスしてしまったし、歩様が硬い。ハナへ行こうと思えば行けた筈だが、外のコイントスに譲る形。ただ、ハナなら前走の函館戦の様にスローでも折り合えていたのに、今日のペースでも行きたがっていたのだから、やはり理想はハナ。3〜4角からは積極的に乗られていたが、そこからはジリッぽくなってしまった。4着に残れたのはあくまで馬場状態が味方しただけ。

マチカネメニモミヨ

前走でも細くは無かったのだから、今日も同様の造り。ただ、前走より歩様がマシになった。最初から行く気無く後方から。これもファストタテヤマ同様ひたすら最内を立ち回る策。同じ位置に居たヘヴンリーロマンス、更に後方のファストタテヤマにやられたのだから、現状の力がこの程度。本質はあくまでダート。

エリモハリアー

歩様は今更だが、一息入れて前走迄の張り詰めた雰囲気が無くなった。道中は中段。3角過ぎから既に手応えが怪しく、ステッキが入る始末で、直線手前を替える替えない以前の問題。デキが落ちたのが全て。

オペラシチー

毛ヅヤは良いが、馬体の張りという点でもう一つだったし、例に依ってトモが甘い。道中は中段。道中少し行きたがっていたが、これは何時もの事。3〜4角からマクりに動いて、最後は止まったが、今日は道悪を敗因にして良い様な止まり方。目黒記念の内容から絶対能力には疑問符付くのだが、叩けば変わりそうな雰囲気有っただけに、次走良馬場で改めて。

ホオキパウェーブ

シープスキンノーズバンド。+10kg。気持ち重いのと、一番良かった昨秋の中山戦と比較してトモの送りに力が無く、その分で姿勢が高くなってしまっている。道中は中段の外。3角辺りから馬群が一団となり、余計に外を回された部分も有るのだが、それにしても伸びなかった。ただこの馬、とにかく下見に正直。全く良化の見込み無しという感じでも無かっただけに、次走変わり身有っても不思議は無い。

サイレントディール

馬体の張り,歩様等、今季は本当にデキが良い。出負け。折り合ってはいたが、この馬はゲートで失敗するとどうにもならない。全く競馬になっていない。

スムースバリトン

シープスキンノーズバンド。+12kgは全て成長分。迫力という点ではホオキパウェーブだが、この馬もトモに力強さが出て来たのが大きい。道中は最後方。前半から全く付いて行けなかった。馬場が合わない。

農林水産省賞典 小倉記念(GⅢ)

メイショウカイドウ

変わらず落ち着いていた。ただ、馬体重こそ増減無しだが、今日の方が中身が有った印象。悪くは無いといったレベルの前走とは違って、今日は胸を張って良いデキ。何時も通り最初から行く気無く、結局は大差無いのだが、小倉はゲートの出からして全く違う。例に依って3〜4角中間から外をマクり、前回よりハンデ背負っている分と馬群一団となってかなりの外を回された分が僅差となったが、内容的には前走以上。ただ、結局は気の悪さがこういう小倉一場集中の結果になっていて、前走,今回と一回位インを捌く競馬が出来れば良かったのだが...。

ワンモアチャッター

2人曳き。1000万条件勝ったばかりだが、馬振りはここでも最上位に近い。デキも絶好。これも最初から決め打ちの形で後方から。ただ、スタンド前で頭を上げるシーンが有ったし、道中幾等か気が入り過ぎている様な追走。ただ今日は小回り多頭数のハイペース。デキも有っただけに、この位の行き振りで丁度だし、3〜4角上手く壁が出来て脚が矯められたのも大きいだろう。福永騎手曰く、馬群を割る時に一瞬躊躇が有ったそうで、色々差し引いてもローカル重賞なら別定戦でもといえるパフォーマンスだが、それよりもスローでの折り合いがこの馬の課題。

ツルマルヨカニセ

非力は非力だが、前走以上の造り。道中は中段。スタート直後は、位置取りよりも馬場良い外を狙って、1角迄には上手くその通りに出来たが、このペースを思うと少しタイミングが早くなってしまったのと、メイショウカイドウの良い目標にされてしまった。従って、結果は仕方が無いのだが、直線向いてから手前を中々替えないのが気掛かり。前走もそうだっただけに、数使っていない左回りが意外に本質なら良いのだが...。

セフティーエンペラ

時々妙に気配の薄い時が有るのだが、今日はそんなところも無く、休養前の中京戦よりも馬がシャキッとしていた。中段のイン。マクり優勢は確かにそうだが、小倉の場合は開幕週の良馬場でもそういう傾向が有って、直線だけ外へ出せればそれ程問題無い様な馬場状態。これもワンモアチャッター同様、4角前が壁になっていたが、この馬の場合はそれ程切れる脚が無いだけに、最後は決め手の差。決め手の差はともかく、デキさえ有れば堅実。

アグネスシラヌイ

2人曳き。デキが悪いとは思わないが、多少姿勢が高い分、歩様に力が無い。ツルマルヨカニセ同様、最初から外へ出す競馬。そのツルマルヨカニセの直後に付け、展開絶好だったが、追い負け。ハンデ差を別にして、能力差アリアリのやられ方で、中京で1000万条件勝ちのワンモアチャッターがアワヤメイショウカイドウをという競馬なのに対して、新潟で準オープン勝ちのこの馬がこの内容。小回り適性の差も有るのだろうが、東西の格差も未だ相当。

ニホンピロキース

2人曳き。シープスキンノーズバンド。テンション高いのは確かだが、同じく1000万条件から上がって来たワンモアチャッター同様、馬振りここでも上位。とにかく気が悪く、口を割って行きたがっていた。4角で一瞬逡巡するシーンが有ったにせよ、ハイペースでこれだから2000mは長い。

北海道新聞杯 クイーンステークス(GⅢ)

レクレドール

返し馬はまだマシだったが、下見の歩様は例に依って最悪に近い。スターリーヘヴンが外のダンスインザムードらを牽制しつつ1角迄行ってくれた為、上手くインが開き、自然と好位へ。3角辺りからジワジワ動き、暴走の2頭を4角で捕らえ、自力勝負の競馬。1角迄は完全に展開だとしても、自力で動いて押し切った分に関しては、前回失敗したこの競馬を結果に繋げたという意味で評価して良いだろう。相手関係,着差から一線級では無いという事になるのだが、今年に入ってからの4走は全て勝てる展開の狭さに泣いた消化不良の競馬。歩様相変わらずで、行き脚の無さを展開でカバーした面は否定しないが、勝てる展開の幅を少しでも拡げられたのは良い傾向。

ヘヴンリーロマンス

遮眼革。+14kg。気持ち太いのは確かだろう。ただ、それよりも歩様に伸びが無い方が気になった。これも近走行き脚が落ちているのだが、今日はレクレドール同様、上手くインへ潜り込む形。しかもこの馬の場合は、レクレドールに前を一掃して貰うという上げ膳据え膳の競馬。まあ、最後も急追に見えるだけで、あくまでレクレドールが止まっただけだろう。初重賞制覇となった昨年暮れの阪神戦の際に述べた様に、そう強い馬では無い。次走無謀にも連闘で札幌記念だそうだが、少しでも人気になって欲しい。

チアフルスマイル

+8kg、そう太くは見せないが、例に依って歩様が案外。道中はヘヴンリーロマンスの直後。終始インを立ち回っていたが、レクレドールがマクりを打ち、ヘヴンリーロマンスがその後を追い掛ける展開と、ここでもインがガラ開きとなり、ヘヴンリーロマンス以上に展開が向いた。今春の中山戦同様の器用な競馬で、この器用さは買うのだが、それ以上はどうか。

デアリングハート

2人曳き。煩いとかそういう気配以前に、NHKマイルカップが良く見せ過ぎた。あれを基本線にしてしまうと、何となく物足りなさが有る。最初から先行するつもりだったスターリーヘヴンとダンスインザムードの間で連られて行きたがってしまったし、前が暴走して、レクレドールの目標に。追い込み利かない馬場状態の分が4着だが、今日は最悪に近い展開、この競馬では斤量差が活きない。

エルノヴァ

例の歩様を不問にすれば、今日はメンバー中一番この馬が気配良かった。張りや仕草にデキの良さクッキリ。ダッシュ付かず、後方から。直線外へ出して伸びてはいるが、如何せん前が止まらない。ただ、普段は行き振り悪くない馬で、ここ数走長距離戦を使った影響が有ったのかも。何れにしても力負けでは無い。

ダンスインザムード

2人曳き。+16kg。一枚重いのは確かだが、馬はここへ入ると断然。ただ、この馬も今日は歩様が窮屈。最初から行きたがり、押さえ切れずに暴走。しかも、この暴走にスターリーヘヴンが付き合ってしまい、余計に苦しくなった。下見は落ち着いていたのに、競馬が出来ない現状、どうしようも無い。