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競馬回顧 2005年3回京都・2回東京

京王杯スプリングカップ(GⅡ)

アサクサデンエン

歩様も一応は許容範囲。トモの造り良く、良かった前走のデキを維持。今日はゲート互角で、ならばとニシノシタンに行かせて好位のイン。出遅れて追い込む形になっていた最近の競馬を別にすれば、元々この策を得意とする馬で、東京1400mもコース形態からマイルより底力勝負にならないという点でベスト。トラックバイアス、枠順含めて今日は条件揃っていた。前走の阪神戦でカンパニーに先着の性能を簡単に軽んじて良い訳では無いが、本番は危険な人気馬。

オレハマッテルゼ

勿論悪くは無いが、前走の方が歩様,馬体の張り共に良かった。道中は中段の外。後方の人気馬がそれぞれにもがいているのを尻目に、スムーズに競馬出来たのも大きいが、このレースはこういう条件上がりの勢いの有る馬が強いし。この馬自身も力を付けている。悪くない内容。

テレグノシス

デキ抜群。煩いのは何時もの事。中段馬群の中で、外にダンスインザムードを置く形。直線向いて前が開かなかった事も有るのだが、例に依って左回りはヨレる癖が有って、それを矯正していたロスも相当。最後詰めているだけに、地力も相当なのだが、如何せん左回りはこれが有る。昨年2着の東京マイル、トラックバイアスさえ無ければ不動の軸なのだが、どうにもアテにし辛い。

アドマイヤマックス

2人曳き。歩様に伸びが有ったし、馬体に張り。中段の外。前走同様に外に馬を置かない形だが、スプリントと違って1400mだと多少気負い気味。最後は力で詰めているが、道中のロスが痛かった。1400m以上なら、前に馬を置き矯めるだけ矯めてブッ放す競馬の方が合っている。

ニシノシタン

今季はずっとデキ良かったのだが、そろそろ下り坂が見えて来たか。最内枠で迷わずハナへ。ただ、ゲート自体はゴールデンキャストの方が速く、ここで脚を使っているのと、1000m通過56.6秒は、東京1400mのコース形態を思うと意外に速い。スタート直後に落鉄していたという話も有り、今日は良く粘っていると言って良い。

ゴールデンキャスト

毛ヅヤが良くなって来ない。ゲート良く、一旦はハナを覗かせていたが、主張したニシノシタンに譲って好位。ただ、直線向いて全く伸びない。歩様がマシになって来た辺りに良化の兆しは有るのだが、まだ暫く掛かりそう。

ダンスインザムード

2人曳き。イレ込み。好い加減落ち着いてこないと。道中はテレグノシスと前後する位置も、デザーモ騎手、押したり引いたりとどうも流れに乗り切れなかった印象。難しさは相変わらずで、今後もアテにはし辛い。

キーンランドスワン

+8kg。多少太いのは確かだが、デキだけは良い。好発切って、好位。道中は多少行きたがっていて、追ってサッパリ。1200mでも矯めて乗られる方で、1400mなら余計に矯めて乗られた方が良さそう。それで届かなければ距離という事。

ウインクリューガー

歩様もスムーズだったし、馬体に張り。今季はデキが良い。好発も、控えて中段。1600mは行った方が好結果、1200mは抑えて好結果の馬で、1400mは乗り難しい面も有ったのだが、今日は抑えて気難しさが出てしまった印象。強いレースをする時は本当に強く、力は有る筈だが、アテには出来ない馬。

プレシャスカフェ

造りは良かったが、何時もの硬い歩様。道中は中段の外。アドマイヤマックスの様に気性的に難しい馬なら別だが、多少行きたがっていたにしても、今日はスムーズに運べた方で、それで追ってサッパリなのだから、距離に敗因を求めざるを得ない。尤も、下見の歩様から、それを推測するのは容易い事なのだが。

新潟大賞典(GⅢ)

エアセレソン

2人曳き。デキは有ったが、テンション高い。道中は中段の外。下見から折り合い面は不安視していたのだが、これが意外な程にスムーズ。直線も、スパッと切れた訳では無いのだが、苦しがって逆手前になったカンファーベストとは対照的に、直線半ばで逆手前ににして、決勝線手前でもう一回戻して、更に一伸び。一瞬の脚を要求される展開になった時が課題だが、一応今日は完勝といって良い内容。

カンファーベスト

2人曳き。一番良い時を思うとどうかだが、叩いて型通りに良化。道中はエアセレソンを内に置く形。スムーズに捌いて来れたし、一旦は抜け切っているのだが、そこからがヨレヨレで、内のプライマリーケアに接触するシーン。57.5kg背負ってここ迄来る辺りは能力だが、ヨレたのはデキが本当では無いからだろう。完全復調迄もうちょっと。

プライマリーケア

シープスキンノーズバンド。+10kg。気配目立たないが、悪くは無い。後方のイン。直線最内を突かずに、2頭内に置いたところを割って来る形になったが、結果、カンファーベストに寄られてしまった。尤も、ここが一番馬場が良いと思ってのコース取りだろう、これは乗り役を責められない。

エリモマキシム

歩様も硬いし、テンション高い。ゲート出ているが、ダッシュ付かず後方から。直線は一番外へ出して伸びて来たが、この辺りが歩様に難の有るの馬の辛いところで、上位3頭が直線半ばで逆手前 - エアセレソンはもう一回戻して更に一伸び! - にして、もう一伸び利かせているのに対して、この馬は手前替えずにそのまま走ってしまった。まあ、ソコソコに走っているが、重賞となるともうワンパンチ。

ツルマルヨカニセ

-12kgは見た目に気にならないが、逆に言えば中身が不安。例に依って後方から。折り合い面不安無い馬だし、直線外へ出してダンツジャッジとの追い比べ。結果、ダンツジャッジには競り勝ったが、外からエリモマキシムにやられただけに、評価に迷う。何れにせよ、下見の印象と違って、まだ本当では無いのだろうが。

スズノマーチ

何時も通りの造り。及第点はやれる。これも後方に近い位置。直線は外から2頭目、ツルマルヨカニセとエリモマキシムの間に居たが、追って手応え通りに伸びないのは相変わらず。行ってダメ、抑えてダメの馬で、直線の長いコースは不向き。

ダンツジャッジ

今季は歩様、デキ文句無し。好発を下げて、中段。この枠で、外々回された影響も有っただろうが、今季は追ってからの弾け方が甘い。直線の長いコースが向かないとはいえ、デキは有るだけに、もっと走って良い筈なのだが、どちらかといえばスローを歓迎するタイプ。最近多い、見た目スローも実は平均ペースという競馬になってしまっただけに、同情の余地は有るのだが...。

マイネルアムンゼン

馬の造りは悪くないが、歩様に力が無い。中段のイン。昨年は大外へ回して勝った馬だが、今年はインを突いたのが裏目。内々でゴチャついてしまい、大事なところで全く追えなかった。今日は参考外。

NHKマイルカップ(GⅠ)

ラインクラフト

戦前は歩様がガタガタになるのを案じていたのだが、これならと思わせる歩様。内から先行のディープサマーに誘導される形で、好位のインへ。例に依って多少行きたがる素振りは見せるのだが、これは毎度の事で結果には影響無し。まあ、縦長のスローで、バラける絶好の展開、抜け出す時の脚の速さに性能を感じさせた以外は、展開一本だろう。ただ、先々週にも述べた様に、毎回展開利を得られる位置に居る事が出来るのも一つのタレント。今日も京都でスイープトウショウがスローに泣いていたが、排気量勝負のエンドスウィープ産駒が多い中、珍しいタイプ。

デアリングハート

2人曳き。戦前攻め動いたと評判だったが、それを活かすには輸送減りが無いのが大前提で、+4kgなら文句無し。内にラインクラフトを置いて好位。前走の阪神戦で、ラインクラフトに目標にされてしまっただけに、今回はそのお返しと行きたかったところだろうが、策はハマッても、終わってみれば逆に差を広げられた。ただそれでも、牡馬相手でこの内容。流れが向いたのは否定しないが、追っての脚も確かで、上々の内容。

アイルラヴァゲイン

気配を表に出し、前を歩くセイウンニムカウ同様デキ抜群。マイルでの経験の少なさを嫌う向きも有ったが、ラインクラフトを眺める形で折り合えた。しかし、直線向いてからが前走の様にスパッと切れない。ただ、新潟2歳ステークスもそうだったが、左回りは手前の替えるのが遅い。マイルはこなせる筈だが、左回りに疑問。

ペールギュント

デキ自体は良さそうだが、今季は歩様が案外。例に依って後方。武豊騎手、この枠だけに外へ回せないと判断したのだろう、直線もそのまま馬群を割る形。ただ、今日はスローだったし、元々良い脚が長く続かないタイプ。最後は能力だけで突っ込んで来たが、仕方が無い。

セイウンニムカウ

2人曳き。気負うのは何時もの事だが、今日は造りも良かったし、何より馬に迫力。少なくともデビュー以来最高の仕上げ。好位のイン。スローで絶好の展開だったが、何故かジワジワ置かれて4角では後方に近い位置。バラけてジワジワ来てはいるが、追い出してスパッと切れる馬では無いだけに、これは痛かった。前走の中山戦の不利がトラウマになっていなければ良いのだが。

エイシンヴァイデン

以前はトモの甘さが目に付いた馬だが、今日はこれでもマシな方。ゲートそのものは、外の馬の方が良かったが、色気持って控えそうだった為、思い切ってハナへ。1000m通過59.4秒は東京マイルのGⅠでは有り得ない程の遅いペースで、武幸四郎騎手、相変わらず直線の長いコースを先行させたら上手い。好騎乗。

ビッグプラネット

2人曳き。歩様も落ちて来ないし、デキも安定。今日も好発。蛯名騎手、ちょっとでも行きたがる素振りを見せるならそのままハナへという策も有った筈だが、今日は3番手で折り合う形。蛯名騎手とすればシメシメだっただろうが、慣れない策をいきなりGⅠというのは中々好結果に繋がらないモノで、追ってからがサッパリ。結果論でも、無理やりハナが正解だったか。

イヤダイヤダ

-6kg。気配は悪くないが、ちょっと細いかも。中段の外。器用さ身上のタイプで、この外枠は如何ともし難かったが、外々回されてアウト。レース後に故障発症。

マイネルハーティー

相変わらずデキは良さそう。気合乗りもこれで良い。例に依って後方。脚が一瞬しか無く、無理に動けない馬が、4角大外。流れがこれでは届く筈も無く、今日は競馬になっていない。

京都新聞杯(GⅡ)

インティライミ

この時期で毛ヅヤは良く見せて当然で、それを差し引くと止め絵は良いところを探す方が難しい位。ただ、下見の外を回って、ヤル気はNo.1。ゲートは出ているが、注文付けて最後方から。元々折り合い面は不安無い馬だが、坂の下りを利しての行き脚が他馬とはまるで違っていた。直線向いて抜け切るのが早く、フワッとしてしまった分で着差は僅かだが、併せてもう一伸び。対ディープインパクトでどうかだが、少なくともその次位レベルの馬。

コメディアデラルテ

-10kg。チャカついていて断言は出来ないが、恐らく馬は硬い筈。ヨレる形で出て後方から。前走不利食らっているだけに、外へ回したかった筈だが、今日も外に馬が居てインへ潜る形。ただ、阪神とは違って、京都外回りは馬群がバラけ易く、馬群を割って良く伸びている。もっといえば、前走と違って真っ直ぐ走れていた点も評価出来たのだが、レース後に故障発症との事。

アドマイヤフジ

-8kg。細い感じは無いし、今日は歩様に伸び。もう少し迫力が出れば文句無し。例に依って後方。ズブい位の馬で、スローでも折り合っていたが、このズブさが今日は裏目。坂の下りでインティライミに置かれ、エンジン掛かった4角手前では既に2馬身差。まあ、最後来てはいるだけに、性能差は着差程無いのだろうが、最近は東京でも器用さが要求されるご時世。何処で何回やっても同じ結果になるのだろう。

シルクネクサス

以前より中身が入った印象。好位の外。多少前を追い掛け気味だが、一応は我慢の利いていた範囲。坂の下りでスパートのインティライミに急かされる形で動いたが、脚が違い過ぎた。ただ、これでも以前よりは粘っている方。少しずつ良い方向には向いている。

コンゴウリキシオー

2人曳き。+10kg。今日はちょっと余裕残し。好位の外。折り合い付いていたし、スムーズに立ち回れているが、追って案外。京都の平均ペースは意外に前が止まるし、乾き切っていない馬場も堪えている印象。ただ、それを差し引いても上位馬とは能力差は有りそうだが。

ケージーツヨシ

2人曳き。造りは良い方だが、イレ込んでいたのと、歩様が硬い。好位のイン。折り合い面案じていたが、今日もスムーズ。ただ、その割に直線向いて一瞬反応しただけで終わってしまった。パンパンの良で無いとダメなのか?

天皇賞・春(GⅠ)

スズカマンボ

2人曳き。下見で煩いのは相変わらず。ただ、実戦で折り合うのも相変わらずで、中段のインでスムーズな競馬。各馬マクりに行く展開で、案の定4角が団子になって、インが開いたのも向いたし、一頭になるとフワッとするところの有る馬だけに、目の前にビッグゴールドという目標が居たのも良かった。中でも、一頭になると気を抜く気性は、ディスタンス戦でマイナスに出る事が多く、それ故軽視したのだが、今日はそれを意識して内々を立ち回ったのが好結果に繋がった印象。逆に言えば、今後もアテにし辛い。

ビッグゴールド

デキ自体も良いが、今季は何より歩様が良くなった。大方の予想通りハナへ。シルクフェイマスが1角で行きたがってハナを譲る形になったが、2周目4角でハミを掛け直してからの行き脚がシルクフェイマスとは対照的で、道中はそれだけスムーズだったという事だろう。追い出してからの渋太さも、今季は特筆モノだったし、こういう渋い馬場もこの馬向き。あくまで人気がなさ過ぎただけ。

アイポッパー

気配は抜群だが、使い込んで自慢の歩様が落ちて来た。例に依って後方。このレース、馬群の外に居た馬は殆ど行きたがっていたのだが、唯一この馬が折り合いピタリ。そして2角辺りで馬群へ入れたのが好判断で、2周目4角で大分距離が稼げたのだが、追い出してからが何時もの伸びが無い。重賞未勝利の馬で、いきなりGⅠ3着なら上等だろうが、これがベストの条件。多少馬場も堪えているか。

トウショウナイト

変わらず良い状態を維持。欲言えばもうちょっと迫力が欲しいが。中段やや後方のイン。1周目の坂の下りで行きたがったが、それ以外はスムーズ。終始スズカマンボを前に置いていたが、武士沢騎手、4角で相手をアイポッパーと判断してしまったのが裏目。最後詰めてはいるが、着差が着差だっただけに、2着迄有ったかも。

ハーツクライ

歩様は今更だし、今季はデキが良い。例に依って後方。毎回述べている様に、直線迄待たなければ追い出せない馬で、4角大外へ出して何時もの競馬。それで5着なら内容は悪くないという事にはなるのだが、とはいえ進歩は無い。

リンカーン

2人曳き。阪神大賞典を思えば良くなっているが、ベストの菊花賞時を思うとまだ8割。ゲート悪くなかったが、福永騎手、昨年武豊騎手が折り合いで失敗しているだけに、自分はという思いが有ったのだろう、位置取り構わず折り合いに専念。ただ、4角でも後方で、結果的には折り合いに専念し過ぎて位置取りが後方になり過ぎた。最後は来てはいるが、一回立て直すシーンも有ってここ迄。仕方が無いといえば仕方が無い。

ザッツザプレンティ

細く見せていて、デキが無いのだろうが、歩様は良化。ゲート良く、一旦はハナも覗かせたが、ビッグゴールドとブリットレーンを行かせる形。所々で行きたがる癖は相変わらずだとしても、比較的インで上手く立ち回っている方だと思うのだが、直線全く伸びなかったのは頂けない。レース後エビが再発したそうだが、これに原因を求めた方が良さそう。

サンライズペガサス

2人曳き。煩いのはこの馬の癖。ただ、前走指摘した歩様が良くなって来ない。中段の外。前に壁が無いにも関わらず、前半はこの馬にしてはスムーズな追走だったが、2周目向正面辺りから、折り合い欠いて前に行ったヒシミラクルに多少連られたし、マクり合戦にマトモに付き合ってしまっていてはダメ。外枠だっただけに、中々難しいのは確かだが、スズカマンボの競馬なら結果は違っていた筈。

ヒシミラクル

多少煩いのはこの馬の癖。雰囲気は良かったが、多少歩様が硬い。やや出負けして後方。ただ、マクりが身上の馬だけに、何時でも動ける位置が理想で、どうしても前に馬を置きたくないのだが、今日はこれが裏目で、馬が行きたがってしまった。今日は競馬になっていない。これもレース後故障判明。

シルクフェイマス

2人曳き。何時もよりは気合乗っている様に見えた。1周目スタンド前は好位に居たが、ただ多少行きたがっていて、思い切って1角でハナへ行かせる形。そこからはスムーズだったが、4角でアラアラ。雨が余程ダメなのだろう。

テレビ東京杯 青葉賞(GⅡ)

ダンツキッチョウ

2人曳き。-10kgは絞れたモノ。落ち着いていたのは良い傾向だが、相変わらず完歩の小さい歩様。ゲートを多少浮き上がる形で出てしまったが、スムーズに好位へ。この歩様と気性で、折り合い面は不安無く、インでスムーズに立ち回り、直線もアッサリと。ただ、今日はただ勝っただけという内容。最高の競馬をして、ニシノドコマデモに最後詰められたのは陣営としても誤算だった筈。戦前述べた様に、ハイアーゲーム同様距離延びて良くないのだろう。

ニシノドコマデモ

前走を思えば歩様も伸びていた方だし、何より馬体の雰囲気が良化。今日はゲート互角。その分で、中段に付けられたし、これで何時も通りの弾け方ならと思ったが、3〜4角辺りから、外に馬が居たのと元々がズブいのとで後方に下げる形になってしまったのが痛い。最後良い脚で詰めてはいるが、今の馬場では後ろ過ぎた。逆に言えば東京での能力は相当。

ブレーヴハート

2人曳き。多少チャカついていたし、トモが薄い。中段やや後方。これもニシノドコマデモ同様、4角押し込まれて位置取りが悪くなったクチで、ニシノドコマデモに併せる形で良く詰めてはいるが、ここ迄。ニシノドコマデモには追い負けた形だが、これは相手が 悪かっただけ。一線級では無いが、その次位の能力は有る。

チョウサン

馬振り悪くないが、とにかく下見は煩い。道中は2番手。逃げたワールドアベニューのペースが遅く、終始並んでの追走だったが、内から並び掛けて来たダンツキッチョウに併せてからが渋太い。これも悪くない内容。

アフリカンビート

-26kg。それ迄が重戦車だっただけで、細くない。中段のイン。折り合ってスムーズだったが、今日は前が開いてくれなかった。バラけてからも逆手前で追い辛そうだったし、今日は仕方が無い。

シルクタイガー

2人曳き。これでもまだマシな方だが、相変わらず煩い。ただ、芦毛でも毛ヅヤが抜群。ゲート悪くなかったが、決め打ちして最後方から。一番外へ出して良く伸びてはいるが、スローだったし、流石にマイル程の脚は使えない。その意味では距離が長いという事になるのだろうが、マイル迄なら能力は相当。

ニューヨークカフェ

2人曳き。悪くないが、前走はもうちょっと歩様に伸びが有った。ただこれは前日追いの影響で仕方が無い。中段の内々も、直線向いて全く追えず。今日は参考外。

アンタレスステークス(GⅢ)

ピットファイター

チャカついていて解り辛いのだが、歩様が良化。道中は掛かる寸前の行き振りで好位。4角で先頭へ並び掛けた時の手応えが他馬とは違っていて、直線もその通りにアッサリ。この行き振りがこの馬の身上で、正月の京都戦は外枠で片手落ちの状態。力が有るのは解っていただけに、今日は当然の勝利。

オーガストバイオ

欲言えばもう一絞りだろうが、張り・毛ヅヤ目立つ。ダッシュ利かせてジワッと好位の外。ピットファイターを終始マークする形で、直線向いても意外に渋太かったが、今開催の京都は何故か圧倒的に先行有利で、この位置を如何に楽に取れるかがポイント。その意味で、今日は展開が向いたと言わざるを得ないだろうが、この位置を楽に取れるのも一つのタレント。

サワノブレイブ

張りは良いが、例に依って歩様が硬い。中段の外も、多少掛かり気味。4角でインへ潜り、内から渋太く脚を伸ばした。道中行きたがっていた事を思うと、悪くない内容で、ベストは1400mにしても京都は走る。

ヒシアトラス

もっとスカッと見せた方が走る傾向。ゲート良く、正月の京都戦同様に好位のインが取れたが、今日は角で多少置かれ加減。最後はそれなりに伸びてはいるが、今日の前有利な馬場では中々キツい展開になってしまった。レース後、陣営はフェブラリーステークスの疲れを理由にしているそうだが、現状スカッと見せた方が走るというのはまだ体質が万全では無いのだろう。一回立て直しを。

ブラックコンドル

2人曳き。遮眼革。ダート重賞の中へ入ると多少薄く映るのは毎度。ゲート出て躓いてしまい、中段から。ただ、先週のディープインパクトを思えばかなりリカヴァー出来ていたし、一応流れにも乗れていた。実績有る戦法が先行策ばかりで、この策は実質初めての策だったとはいえ、一応力は出し切っている訳で、正月の京都戦同様ヒシアトラスに追い負けたのは頂けない。

サカラート

歩様はこんなモノだろう。スカッと見せて好気配。1800mは例に依って折り合い面気を遣うが、今日は意外にスムーズ。ただ、壁にしたヒシアトラスが4角で手応えが怪しくなり、そこで位置取りが悪くなってしまった。ただ、最後の伸びはまあまあだったし、折り合い面も大分マシになってきたのは良い傾向。

サミーミラクル

何時もと変わらないデキ。ゲートも悪かったが、中山戦同様に腹据えて最後方待機。一番外へ回して来てはいるが、この馬場でこのペースではここ迄。今日は仕方が無い。

サイレンスボーイ

今季は歩様が良化。張りも良く、今季は何時ものこの馬とは違う。大外枠も果敢にハナへ。ただ、大外からだと結構脚を使わされている筈だし、例の直線の手前云々の前に、今日はピットファイターの手応えが違い過ぎた。距離云々も有るだろうが、今日は枠順に殺された印象。

エンシェントヒル

毛ヅヤ良かったし、馬体の造りもシッカリ。例に依って最後方。ただ、サミーミラクルにワンテンポ早く動かれてしまい、外へ出すのが遅れてしまった。今日は乗り役のミス。

ハギノハイグレイド

2人曳き。下見は悪くないのだが、良い時はもっと煩かった。ゲート入りゴネる。出ッパは悪くなかったが、先行出来なかったのが全て。デキは良いだけに、先行さえ出来ればと思ったが、この先行力が落ちたのは痛い。今後はノーマークで。

サンケイスポーツ賞 フローラステークス(GⅡ)

ディラデラノビア

ここに入ると馬自体が上位。道中は後方。流石にこの距離だと前半は多少頭を上げ加減だったが、武豊騎手、この馬の決め手が一瞬しかない事を見抜いていて、今日は正味400mの競馬で、そこ迄は常に前に馬を置き、ラスト200mで手前を替えてからの伸びは見事だった。ただ、今日のメンバーは阪神のトライアル2走を思うとかなり恵まれていたのも確か。漸く掴んだ権利だが、2400mで強敵相手にこの脚を使えるかどうかは微妙なところ。

レースパイロット

2人曳き。多少細身だが、その中でも松田国英厩舎らしいトモの造り。好位のイン。折り合い付いて、インで脚を矯め、最高の競馬が出来た筈だが、ディアデラノビアとは決め手の差が有り過ぎた。レース後、故障発症との事で、何れにせよオークスは出走不可能になったが、今日のやられ方は陣営も不満が残っただろう。

アスピリンスノー

全体的に緩慢に映る。毛ヅヤは良いので、デキが悪い訳では無いのだろうが。逃げた地方馬を行かせて2番手。1000m通過が61.4秒で、ペース自体は遅い部類だが、その逃げた地方馬が鐙が外れてフラフラ。これで人馬共に相当気を使わされていて、その中での粘りだから中々のモノ。相手関係別にすれば悪くない内容。

ピサノグラフ

2人曳き。多少煩いのは許容範囲だが、歩様が硬い。中段のインも、多少掛かり気味。ただ、東京2000mでインを立ち回る絶好の展開にしては追ってからが案外。距離を言い訳に、という話も有る様だが、イマドキ2000m迄は言い訳にならないだろう。単純に力量不足。

パーフェクトマッチ

2人曳き。-10kg程は細く映らないが、歩様が硬い。ソコソコ出てはいるが、二の脚が付かず最後方から。歩様の硬さが原因に有るのだろうが、何となく流れに乗れていない様に見えたし、直線向いても、出すところが無く、差し場探している内に逆手前になってしまうシーン。バラけてからはそれなりに詰めているが、今日は不完全燃焼。

ウェディングヒミコ

2人曳き。この馬にしては落ち着いている方だし、前走指摘した歩様も良化。中段のイン。2角迄は多少行きたがっていたが、向正面からはスムーズ。これならと思った矢先に心不全との事。今日は勝てる相手で勝てる展開。惜しい。